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2008年12月27日土曜日

【書籍】NEC Data Book '62


NECの1962年版デバイスデータブック
 1962年(昭和37年)と言えば、真空管から半導体全盛への入り口にあたる時代でしょう。

 アマチュアのエレクトロニクスはもう少し後まで、真空管の時代が続きました。 しかし複雑化する多くのエレクトロニクス装置は急速に半導体化が進んで行ったのです。

 そんな時代の電子デバイスのデータブックをJA7HNV秋篠さんに頂きました。 これは毎年お得意さん向けに発行していた冊子のようです。さっそく拝見すると真空管は簡略に扱うだけで、主に半導体を扱いコンパクトな約450ページに納めてありました。

 真空管の資料は既に十分流布していると考えて割愛したのでしょう。 時代が新進の半導体へ向かっていたことを伺わせてくれます。(まだ各社からは分厚い真空管ハンドブックが出ていたころです)

半導体は詳しいデータが
 このデータブックでは、真空管は一品種一行の簡単なデータ一覧に纏められてしまっていますが、発展著しいトランジスタは詳しいデータが掲載されています。(写真は、VHF帯用トランジスタ2SA244と2SA245のページ)

 1960年代に入りトランジスタの品種も急増した頃でした。(1960年/昭和35年4月1日より、現在も続くJIS/EIAJ/JEITA式の統一半導体命名法が始まる)PNPのRF用2SA型、同じくPNPのAF用2SB型も既に300番台に近付いています。また、ゲルマニウム型で登場したNPNのRF用・2SC型も、一気にシリコン化が進み間もなく200番台と言う時代です。

 結晶内の電子速度が速いので、超高周波用はゲルマニウムに歩があるのではないかとも言われていたころでした。 いずれ今のSi-Geのヘテロジャンクション型超高周波デバイスでゲルマも復活を果たすのですが、このあと暫くはシリコン全盛の時代になりました。(笑)


例えば2SC32
 アマチュア無線の移動運用が認められたことで、ポータブルな無線機・・・トランシーバ・・・がブームになったのもこの頃でした。

 真空管式も試みられていましたが、電池の消耗が甚だしいので維持費がたいへんでした。 67.5Vや90Vと言った高価な積層乾電池が必要ですし、球数が多ければ、フィラメント用乾電池もあっという間に空になりました。 電池も今ほど性能は良くなかったから尚更だったのです。

 そうは言っても球数の少ないもの(例えば3A5シングルとか)は、実験は楽しいですがお世辞にも実用的とは言えないので、半導体が手に入るようになれば、当然「ソリッドステート」(何とも懐かしい響き・笑)の方向へ進んで行きました。

 この時代、アマチュアの自作トランシーバと言えばやはり6mAM機が定番です。 受信部は短波帯トランジスタ・ラジオにクリスタル・コンバータを付加したスタイルでした。
 送信部は水晶制御の2〜3ステージでファイナルは写真の2SC32かCB用でちょっと安い2SC38が多かったと思います。

参考:2SC32は通信工業用で本来高価なのですが、RF用以外の汎用にたくさん使われたためジャンクが多量に出回り一つ¥100-くらいから手に入りました。

 2SC32の簡略なデータはCQ出版のデータブックにあります。 しかし、「レトロな半導体の特性曲線まで掲載された資料」はある意味貴重なものかも知れません。 さっそくPDF化しておきました。データブックを書籍とすれば著作権が残ります。しかし単なる資料集と見ればコピーをお分けしても支障ないでしょう。(希望者への頒布は既に終了しています)

 後世、2SC32もメサ型からエピタキシアル・メサ型に改良され、大電流域のリニヤリティが大幅に改善されたようです。電流容量も大きくなりました。 このデータは旧型で性能が悪かった初期のものと言うことになります。

最後になりましたが、JA7HNV 秋篠さん、貴重な資料ありがとうございました。

(おわり)

(Bloggerの新仕様対応済み。2017.03.31)

【その他】Bookmark

いつもご来訪ありがとうございます。

もしもマダなら、このBlogのブックマークは如何ですか?




写真のWeb SiteとBBSにリンクがあり、このBlogへはだいたい半数がその2つのリンクから飛んでお見えになる。

ご存知のようにHomeサーバーの停止は近日の予定だ。 よって、そこに置かれたWeb SiteやBBSからここへ飛ぶことはできなくなる。

このBlogは残って行く。 もしかしてこれからもお付き合い頂けるなら早めのブックマークを・・。


BBSの閑古鳥も鳴き疲れたそうだ。(爆)







こうして時代は過ぎて行く。

2008年12月25日木曜日

【部品】Point Contact

Point Contact Diode
 点接触型(Point contact type)ゲルマニウム・ダイオード(Ge-Di)はとても古くさい半導体です。 実際「ゲルダイ」は60年以上も変わらず作られて来たのだから、まさしく古いのですが・・・。(笑)

 写真は1K60です。 ほぼ同等品なので1N60として売られていることもあえうます。 実際に1N60だろうが、1K60だろうがポイント・コンタクト型のGe-Diは何れも大差はなくて、型番に捕われずとも大丈夫なくらいでしょう。 不良品でもなければ混ぜても「バラモジ」のバランスくらい良く取れるのが普通です。(笑) ゲルダイはいまも世界のどこかで製造されているようです。 簡単な設備とローテクな手仕事で作れるので、これからも供給不安は無いだろうと思っています。

1N34で内部構造を観察
 写真は1N34の旧型です。  構造・性能は新型(1N34A)・・・と言ってもそれも既にデスコンだが・・と違いませんが、ガラス管の直径が2倍くらいあります。 お陰で写真のように中身がとても見易いのです。

 写真で下側から来た「ジュメット線」(Dumet wire)の 釘の頭状になった所にN型ゲルマニウムの小片が置かれています。 写真上方から尖らせた「タングステンの針」(Cat whisker:俗称「猫ヒゲ」)の先端を小片に当ててあります。 文字通り点接触の構造になっています。 組み立て後に「フォーミング処理」をしないとダイオード特性を示しません。(その処理が済んだものが市販されている)


ゴールド・ボンド型
 一見、良く似た構造ですが、こればゴールド・ボンド型ゲルマニウム・ダイオードです。(写真の例は1S73Aと言うもの。当然ですが廃止品種です)

 良く観察すれば針線の当て方が違うのでわかります。点接触ではなくて細い金線を圧接(Bond)してあります。 他にシルバー(銀)ボンド型と言うのもあります。 上の点接触型よりも機械的な衝撃に強い安定した構造です。 FT-101など八重洲無線のRigでおなじみの1S1007(JRC製)も同じ構造だったはずです。  構造上特性が安定しており内部抵抗rdが小さくてスイッチング性能は優れています(1N60等と比べ極端には違いませんけれど・・)

 接合容量Cjがやや大きめで、順方向電圧Vfが多少高いので、ゲルマラジオとかRF検波型プローブにはゴールド・ボンド型よりも上の1K60/1N60や1N34(A)が向いているようでした。 Si-SBDも含め目的の用途への適否は自分で比べてみるべきでしょう。

 Siショットキー・バリヤ・ダイオード(Si-SBD)ではまかなえぬ用途もあって、安価なゲルマニウム・ダイオード:Ge-Diは永遠に不滅です。 ・・・と言うことで、大した役にも立たぬゲルマ三題ウンチク話のオシマイです。 このBlog、近ごろ読者増加傾向だからヨソで受け売ると元ネタはすぐバレます。どうぞご用心を。(爆) de JA9TTT/1

(おわり)

(2017.03.27:Blogger新仕様対策済み)

2008年12月21日日曜日

【書籍】Proceedings of the IRE / Dec. 1956

今のIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.:電気電子学会・米国)の前身、IRE(The Institute of Radio Engineers, Inc.)の古い論文集を頂戴した。

当時のSSB技術を集大成し、その後登場するあらゆる記事の原典のような論文集だ。フィルタ式PSN式第三の方式にしろ、SSBの原理を遡ると必ず行き着くのがこの1956年12月号だと思う。 本号はタイトルのように、もっぱらSSBを扱う特集号である。 論文集だから製作記事など皆無だがSSB発展史の原点を感じる解説がなされている。(第三の方式:WEAVER式と呼ばれることもある。WEAVERはたった3ページのごく短い論文の筆者である)

30年以上前になるが「第三の方法」をやった時、大学図書館にこもって目を通したのを思い出す。(もちろん、それは趣味でやっているのであって卒論や大学での研究とは無関係)その「第三の方式」の要(かなめ)、1500Hzの急峻なLPFはアクティブ・フィルタであり他部分も含めて全半導体で作った。第一BMは乗算器RC4200(NJM4200)、第二BMはDBMのLM1496Hで、1800Hzの第一キャリヤには国際電気の音叉型MFを発振に使った。そのSSB発生原理を原著に遡って確認した訳だ。(笑)

この論文集、部分コピーは持っていたがオリジナルが欲しかった。しかし、この号だけの入手は難しかった。 ところが、忘年会でさるOMさんと話題になり、思いがけずこのSSB Issueを頂戴することができた。感謝感激である。

# 大きな図書館や工科系大学なら蔵書されているはず。ご興味の向きは訪ねては如何?

2008年12月18日木曜日

【写真】マクロ撮影

写真は「ニッケル水素充電池用チャージャー」だが、特に意味は無い。手近の物を接写してみただけ。

かなり拡大してるから、被写界深度が浅くなっていて中央部だけしかピンがあってない?・・・アップのし過ぎか。(笑)

拡大して見ると面白いインクで印刷されているのがわかる。


すこし引き気味で撮影してみた。黒を背景に黒いパッケージとメッキで光る足を撮るのはちょっとしたコツが要る感じ。

これは。届いたTCA440を記念にパチリと・・・
(このTCA440はR-F-Tなる旧東独製の模様)



宅配便がたくさん来た日だった。 チープなデジカメがクロネコで、SDメモリカードとNi-MH電池(eneloop)がペリカンで、他にJPからも代引きで電子部品が届いた。 チープな路線なのでポケットマネーで何とかなる買い物ばかり。(悲)

2008年12月14日日曜日

【部品】秋葉は面白い

買い物が目的ではないが、私用で東京に出るとなれば、秋葉原にも寄りたいものだ。

無計画に・・・買い物リストも用意せず出掛けても、ロクなショッピングにもなるまいが・・・。 今夜は18:00〜新宿にていつもの「秋葉原QRP懇親会」が主催の『忘年会』があった。 その前に、折角だから秋葉原に寄った。 後でお話しを聞けば、同じく秋葉原に出ていたお方もあったようだ。師走の人ごみに紛れて出会うこともなかったのだろう。

T計測器に面白そうなジャンク品(特価品)が出ていたのだが、使うアテがあるか熟慮して、結局何も買わなかった。 忘年会でご一緒になった Sさんは、45型メータ(@¥500-の指針式)を購入されたそうである。私も食指は動いたのであるが・・。景気後退のおり、サイフの紐を締めては逆効果かも知れぬが、そこは庶民の悲しさである。(笑)

結局、写真のような部品を少し買ったくらいである。死蔵部品にならなければ良いのだが。

これは小さな文字の9桁7セグメント数字表示器である。
見ての通り、拡大レンズ付きで、文字高さは5mmも無いかもしれない。ダイナミックドライブ用に内部配線されたLED(赤)表示器だ。

随分まえ、電卓にもLEDが使われていたことがあって、その時代の小さな多桁表示器を探していた。しかし、秋葉原でも既に見かけなくなっていたのだ。 旨く見つけたこれのメーカーはhpで、自社製関数電卓用の比較的新しいものかもしれない。 大きな文字表示器も良いのだが、コンパクトな機器には小さな文字の表示器も必要だ。特価と言うほど安価ではなかったが、まあ、見つかったので良かったことにしよう。

これも表示器がらみだが、頂き物のLCD表示器にピッタリのフラットケーブルコネクタがあったので購入しておいた。

写真右側のLCD表示器は大阪・デジットの出物だそうで、JE6LVE高橋さんがHAMフェアに上京されたおりに、お土産にいただいたもの。 
使うにはコネクタがあった方が良いそうで探していた。 JN3XBY岩永さんの情報に基づき、見つけたコレは@¥21-だった。 ピッチ変換はされずそのまま1mmなのでちょっとハンダ付けが厄介そうだが、何とかなるだろう。 この表示器は一般的な16文字2行のキャラクタ・タイプだそうだ。従って、BASCOM-AVRでごく簡単にドライブできる。(はず)

肝心の忘年会だが、ワインをだいぶ頂いたので、どんな話しをしたのかちょっと記憶が怪しい。皆さん良いお年を・・・と言うのは覚えているのだが・・・。あっという間の2時間+αだった。 お誘い頂き有難うございました。

2008年12月10日水曜日

【HAM】QSLカード

「今どき『紙のQSLカード』なんか古いよ」と言われそうだが、実際には紙で出来た『現物の交換』が主ではないだろうか?  今日、JARLビューローからカードが来た。

確かに、電子交信証でもアワードに対して有効になって来ているが、こうして現物のカードとして届く方が嬉しくもあり、何とも言えず真実味があるように感じる。

交信の目的は機器のテストのようなケースが殆どで、純粋に「交信を目的」のオンエアは稀なので全体の交信数もごく僅かである。必然的に届くカードも少なくなる。まあ、今回は最近にしては多い方かもしれない。(笑) 比較的良くオンエアする7003kHz/CWも常連さんだとNO QSLなので・・・。 なお、現在はカード切れゆえ交信は自重している。(SRI)  (ほかに、QSLカードをプリンタで作る話はこちらに有り)

所で、来年一月の末あたりにwebサイトでもアナウンスしようと思っている事がある。実は信じられないような(?)手違いがあって、数百枚のQSLがJARLビューローへ届いていなかった。 発覚は一ヶ月ほど前のことだ。 その後対処してビューローに送り直したが、昨今は届くまでに数ヶ月も掛かるようなので、暫くしてからアナウンスと思っていた。 簡単に言えば、『全部発行したので、まだ届いてないなら一報頂きたい』という内容だ。

12月時点ではビューローにあって此れからの可能性もある。従って、確認・照会はもう暫く待ってからにして欲しい。NO-QSLerではないから、"Not in the Log."でもない限り発行する。(もちろん、 NO QSLを約束した場合は別) 万一、"Not in the Log."でも、交信状況・・・交換したRigやANTなどの情報・・・をお知らせ頂ければ判定した上で発行したいと思う。確実にLogに記録されていない可能性も「かなり」あるので。(爆)

このあたり、時期が来たらサイトでもアナウンスの予定だ。 随分お待たせしたお方もあるかと思うが、誠に申し訳ない。(冷汗)

2008年12月6日土曜日

【測定】Gain - Phase

測定対象は4433kHzのクリスタルである。

黄色のトレースが振幅特性(利得特性:Gain)、空色のトレースが位相特性(Phase)を示している。この機械は入ったばかりなので、マニュアル片手に只今操作のトレーニング中だ。特殊な機能は内蔵しないようなので常識的な操作でだいたい何とかなりそう。hi

クリスタルの直列共振周波数fsと並列共振周波数fpは、振幅特性からではなく位相特性から求めると精度が良い。
見ての通り共振点(fsとfp)で位相が急変し、横軸ゼロ度(画面中央)を横切るからである。振幅特性からピーク点とディップ点を求めるより明確だ。 位相が遅れる軸下側がインダクティブ、進む上側がキャパシティブであることがわかる。クリスタルはこのインダクティブな範囲のどこかで発振するのだが此れくらいは常識か。(笑)

スペアナ+トラジェネではスカラー量(=振幅特性)しかわからないので・・・ネットアナ(VNA)の面目躍如といった所だろうか。何れにしても高額(?)なオモチャである。

2008年12月3日水曜日

【書籍】洋書を買う

紀伊国屋ブックウエッブ(Kinokuniya Bookweb)に注文した本が届いた。

『洋書』と言えば、大手書店に注文して輸入してもらったころの『バカに高くて時間がかかる!』と言う一昔前のイメージしか残っていなかった。
彼らに頼むと、$1-=¥360-の時代とは言え、$10-の本が¥5,000-以上も取られたのだ。 やがてInternetの時代が到来して米国にAmazon.comができ、web経由カード決済で買えるようになったら、国内の書店に頼むことは一切なくなった。 送料を払っても間違いなく安いし、場合によってはディスカウントされていて、程度の良い古書なら更に安価だったからだ。

ところが、先日同じ本をAmazon.co.jpほか米国の書店も含め、各所で比較したところ紀伊国屋Bookwebが一番安いことがわかった。それで、急遽ユーザー登録して試してみたのだ。注文した本は比較的高価だったから送料も無料で、合計の出費では結構違って来るようだった。大昔の先入観で国内書店は高いと決めつけてはいけなかったようだ。(笑)

在庫を持っていた訳ではなく、海外から取り寄せたようだ。 少々日数が掛かったが常識的な範囲であった。だいたい海外の書店に頼むのと同じくらいと言う感じだ。(約2週間)

本の紹介は目的ではないが、こんな本を買った。

ある情報をサーチしていたら参照されていた。昨年2007年末に出たばかりの知らない本だった。なので、評価は此れからと言った本だろう。








買うに値したかは、此れから読まないと解らない。

ちょっと見では教科書的で実用書としてはイマイチな感じもする。 それに意外と高いので個人には負担だから、目を通したいなら図書館にでもリクエストしたらどうだろうか?



昨今はフィルタ設計ソフトでやるのが普通だろう。それで得られた実定数を回路シミュレーションしてみるのがトレンドのようだ。 しかし、多少なりともフィルタ理論を知らないと、とんでもないフィルタを選択してしまうことになる。やはり基本は肝心だ。(笑)

# さて、Kinokuniya Bookwebも書店の巡回リストに加えておこう。

2008年12月1日月曜日

【HAM】本質とは何か

今宵もラジオ/NHK-1を聞きながら帰宅していた。

番組後半から聞き始めたが、テーマは『出版不況と雑誌の厳しい現状』のようである。 確かに総合誌というべき雑誌の休止・廃刊が相次いでいる。  HAM関係でも残るものは僅かに一誌になっている。その総合誌も現状は厳しいのではなかろうか?



雑誌が生き残るために必要なのは・・・番組では幾つか問うて締めくくっていた。

一つに『本質の探求ではないか』と問う。 即ち、ネット情報のツマミ食いや追従でうわべを追うのではなく、『物事(ものごと)の本質を追う記事』こそ大切ではないかと問う。その為には『総合誌を捨てる』覚悟も必要ではないかと言う。

そして、いまやこの社会は熟年が半分以上を占めるのだから、若者指向に陥ったり、新規読者に期待するより、『既存の読者を大切にする』紙面こそ存続の条件ではないかとも問う。

さて、JA-HAM界も既に熟年が大勢である。否、若年層の新規参入などまったく期待できない。ならば『本質の探求』で、我ら熟年読者を魅了してくれるような記事が登場しないものであろうか。 もちろん、それは紙ではなくwebでも良いかもしれないけれど。。。(笑)

# 例えば、「迷信」ではなく通信機の本質とは何か熱く語るならぜひとも読みたい。

(でも、球はやめておくれ。未来がなさすぎるし本質探求じゃないだろうに・・・)

2008年11月24日月曜日

【部品】ヤスモノだが・・

下のBlogの「安物Collinsフィルタ」である。
もっとも、同じ水色のケースでプロの受信機に使ってあったものも有るようだから、見かけで馬鹿にしてはいけないかも。(笑)

ずいぶん前になるが、HAMフェアで@数100円くらいで売っていた。Collinsとは言え、用途がCB無線機用とあっては、ロクなものではないだろうと思ったものだ。

写真はキャリヤ周波数=455.000kHzのLSB用で、コレだけが売られていた。カタログには同特性のUSB用もあるようだが入手は難しいだろう。

見ての通り、特性は思いのほか良好である。
LSB用とは言っても、キャリヤ周波数を452.000kHzで使えばUSB用にも使えるのは一目瞭然だ。下のBlogの受信機ではそのようにしてUSB/LSBを切り替えている。(PLLで452.000/455.000kHzを作っている)

あれだけ沢山あったのだから話題を提供すれば死蔵されてたジャンクがオークションに出るかもしれない。
まあ@1,000円以下なら、悪くないので入札してみるのも良いかも。 ちょっと気を付けたいのは、かなりの確率で劣化したものが混じっていることだ。帯域幅が異常だ、帯域内リプルが甚だしい、挿入損失が著しいものなどである。(それらは使用に耐えないことが多い) 特性が示されていない出モノは「博打」と思った方が良い。(笑)

しかし、正常なら写真とほとんど同じはず。 SSBジェネレータの音も悪くなかった。

2008年11月22日土曜日

【HAM】仕掛り中(ずっと)

仕掛りのままで・・・と言うのは結構ある。(笑)

これも、その一つ。 最初は水色のメカフィル(Collinsの安物)の音を確かめるつもりで始めたら受信機が出来てしまったと言う代物。
VFOはたぶんVFO-130用だと思うが、TRIOのジャンクが良く出る店でゲットしたもの。 他の部分はオリジナル設計になっている。箱も買ってあるのだが、完成させる必要性を感じなくなって、ついにそのままになっている。

他にもVFOまで含めて自作したRXもあるのだが・・・同じく箱入り前で止まって未完成である。

# 板金加工は常に苦手である。(爆)

おわび:一つ前のBlogは編集中に誤って消してしまいました。m(_ _)m

2008年11月18日火曜日

【測定】風雪六年

GPS周波数基準器を紹介したのは2002年8月であった。既に、丸6年以上が経過した訳である。

その間、GPS受信機:Z3801Aやその電源は連続動作してきたことになる。 製作当時の記事(既に非公開)を読み返えすと、できることなら5年くらいは無事故で働いて欲しいと言う願望が書いてあった。(笑)

屋内に置かれた本体はともかく、屋外設置されるアンテナは自然環境そのままに曝される。 真夏の激しい陽射や真冬の風雪にも耐えなくてはならず電子機器にとっては過酷な環境である。 一日の温度変化が数十度にも及ぶこともあるだろう。 写真のような頑丈な容器に収納しておいたのも、それを見越してのことであった。

今冬もきっと雪の朝が来るだろう。
設置間もない冬、多分2003年だと思うが実際に積雪したことがある。 地面にも15cmくらい積もり、雪にめっぽう弱い関東地方は昼過ぎまで交通麻痺してしまった。 そんな朝の写真だ。

積雪するとGPSの捕捉はどうなるのか気になっていた。 実際には普段と目立った違いはなかった。 何も問題はなく連続的にLock状態が維持できた。 自作の収納ケースは、形状から積雪に弱いだろうと思っていたが、関東の雪くらいならまったく支障はなかった訳だ。

そして、丸6年を過ぎた今朝もアンテナを含めたGPS周波数基準システムは快調に動作している。

アンテナ系では、エヤー抜きのストローが材質不良で・・・たぶん、ポリプロピレンなので・・耐候性がなく劣化して来た。 此処だけは早めに交換したいと思っている。 今度は金属管が間違いないだろう。 あとはそれくらいで、衛星の捕捉状態をモニタしてみても初期と違いを感じることもない。 信頼に足るシステムと言えそうだ。

# お宅のGPS周波数基準器はお元気ですか?

2008年11月16日日曜日

【書籍】ガラパゴスHAM

日本の携帯TELは「ガラパゴス種」のようだと言う。
競争がない閉鎖世界で独自進化を遂げて来たが、外界を知らない姿は世界に通用しない。そんな意味だそうだ。

まあ、携帯を海外で使うことは滅多にないし電話と言う機能に支障がなければ良いことかもしれない。それに、そもそも電話機の自由な選択権など、有るように見えても日本のユーザーにはないのだ。

CQ Ham radio誌12月号が届いた。昨日のことである。




第一特集は:

「アマチュアのインターネット活用術」

だそうだ。(注:1998年12月号にあらず)





ある意味、面白い。

書店で立ち読みの機会があればご覧になると良い。
いや、もし何ならぜひ購入してやって下さい。





私が思ってどう成る訳でもないが『暗澹たるもの』を感じた。

もし、特集が真の意味でJAの大多数ハムに役立ったのなら、
この島は「ガラパゴスHAM」の生息地に違いない。
こんな特集とは・・・違う意味でも暗澹なのだが。

注:もちろん夫々の記事の裏にある筆者の熱意と努力には敬意を表する。
  ポイントは企画にありそうだがJA-HAMの現実を投影しているのだろうか?

# このBlogのビジターはたぶん絶滅危惧種ではない。ご安心を。(爆)

2008年11月14日金曜日

【測定】ヘテロダイン周波計


LM-21型・米海軍用ヘテロダイン周波計とは
 既に、シャックにはGPS周波数基準器やルビジウム原子周波数標準器が入っています。 いまどき『ヘテロダイン周波計』でもないかもしれません。

 ところが、意外に人気があるらしいので少しだけ紹介してみることにしましょう。

 左の写真は米海軍の『LM-21』と言う、ヘテロダイン周波計です。 この『LM型』は米海軍の標準的な装備品だったようで、長いあいだ継続生産され、マイナーチェンジ版が多数存在しています。 それらの中でLM-21は最後期型らしく性能的にも完成しているようです。

 日本のHAM局には米陸軍用のBC-221(→参考リンク)の方がポピュラーだったようですが、回路を見ると基本的に同じようなものでしょう。 なお、BC-221はMetal/GT管化されましたが、LM型は最後まで使用管はST管のままだったようです。

   心臓部である検波管はLM-21では6A7と言う7極管が使われています。 BC-221の後期型では心臓部は6K8と言う6極・3極複合管になっています。

 ヘテロダイン周波計を使った周波数の測定は未知周波数信号と、内蔵の『校正された発振器』(補間発振器と言う)とをヘテロダイン検波してゼロ・ビートを求めることで行ないます。
 但し補間発振器は2バンドしかないのでその高調波を積極的に利用します。 ちなみに補間発振器はLow Bandが125kHz〜250kHz、High Bandが2.0MHz〜4.0MHzを発振します。 高調波とのビートは当然弱くなります。 しかし、むしろ高調波とのビートの方がゼロビートの幅が狭くなり検出精度が上がるため有利と言えます。 そのように使うのが標準的な用法です。2MHz以下の測定にはLow Bandを使い、2MHz以上の測定ではHigh Bandの方を使います。

 その補間発振器の校正には、内蔵の水晶発振器を用いています。 従ってその水晶発振器の周波数精度と安定度がLM-21全体の測定精度を決めることになります。 金属容器に封入された1000kHzの水晶発振子を使った校正用水晶発振器は、仕様によれば1ppm/℃以内の安定度を持っているようです。(オーブン無しなのだから、なかなか優秀だと思います)

 周波数カウンタ以前の時代においては、「ヘテロダイン周波計」は精密周波数測定の決め手でした。 しかし、いまどきヘテロダイン周波計の使い方を詳述しても仕方がないと思いますから、このへんでやめておきましょう。


LM-21の内部構造
 むしろ、興味があるのは内部や回路の方ではないでしょうか。

 回路図を見ると5球式ですが、そのうち2本は中央に見える『991』と言うネオン管です。 但しこれでも一応『定電圧放電管』なのです。(放電電圧=約60V)。 従って実質は3球構成です。

 上部の横になった真空管が、補間発振器の5極管77です。 これは3ペン式真空管ラジオ(俗に並三ラジオとも言われる)で有名な6C6の前身のような五極管です。 発振回路はカソード・タップ式のハートレー型です。

 その右下が、ヘテロダイン検波を行なう6A7と言う5グリッド管(7極管)です。 もともとスーパーヘテロダイン受信機のコンバータ回路に使う目的で開発された真空管です。 この球で校正に使う1000kHzの水晶発振も行なっています。水晶発振子はATカットで1000kHzにて±10Hzの誤差となっています。(@20℃)

 左の球は76と言う3極管です。この時代の代表的な中ミュー3極管です。 ヘテロダイン検波で得られた低周波の増幅を行ない、ヘッドフォンを鳴らしています。 なお、切換えで約500Hzの低周波発振器として動作し、補間発振器に変調を掛けることができます。この機能は主としてヘテロダイン周波計をRF信号源として用いる時に使います。

 シャシ下の中央やや右に光った頭部が見える円筒が金属容器に密封された1000kHzの校正用水晶発振子です。

 回路構成は『ダイレクトコンバージョン受信機』にたいへん良く似ていますが、入力信号を選り分けるアンテナ同調回路はありません。 また、一般に感度は受信機ほど良くはありません。低周波増幅部のゲインが少ないからです。

LM型周波計の回路図
 左に回路図を示しますが、図面を見るとごく簡単な装置であることがわかるでしょう。(この回路図はLM-18型のものです。ほぼ同等です)

 測定精度を決めるのは回路と言うよりも部品にあります。 容量が安定していて設定の再現性が良く、温度係数が小さい精密なバリコンと、良く防湿処理された安定な空芯コイルを使ったLC発振器(=補間発振器)が回路のキモと言えるでしょう。

 また、同時にそれを駆動するダイヤルメカの精度もたいへん重要です。 もちろん組み立て後のエージングと周波数校正作業がこの測定器に魂を吹き込むことになります。

校正表
 ダイヤルが校正された結果は、このようなCalibration Bookにタイプされています。 もちろん一台ごとに微妙に違う筈で、実測して一つずつ作っていたのでしょう。(実は、このCalibration Bookにも結構タイプミスがあると聞いたことがあります・笑)

 ゼロビートを得た時のダイヤル目盛を読んで、このCalibration Bookから周波数を得るのです。 アナログダイヤルから、5桁を読み取ろうとするのですから、なかなか大変な装置であることがわかると思います。如何でしょうか? (上手に測定すればDIALからもう一桁分読取れる) 今では周波数の測定はごく簡単にできますが、この装置は半世紀以上も前の1951年製なのですから・・・。

                   ☆

 1000kHzの水晶発振にやや経年変化が見られました。 GPS周波数基準器と周波数カウンタを使って1000kHzの再校正を行なってから、Calibratio Bookと『既知信号』(GPS周波数基準器を元に発生。±0.001ppmくらい)を比較して精度を調べてみました。

 長波から15MHzあたりまで調べましたが、良く精度が維持されていました。 仕様書の規格による測定精度は、100ppm(2MHz以下は200ppm)とあります。 100ppmの精度と言うのは、1MHzで100Hz、10MHzで1kHzの誤差です。 いま考えるといささか甘いとも感じられますが、アナログな手段でここまでの精度を出すことができたとは素晴らしいと思います。 同時に57年後の今でも十分その機能と精度が維持できていることは驚きでもありました。

さて、今時の機械は50年後にこれだけの機能を保っことができるでしょうか?

本機はJO1LZX河内さんに頂いたものです。貴重な体験ができました。VY-TNX!

(おわり)」2017.03.18一部改訂

(Boggerの仕様変更に対応済み。2017.03.18)

2008年11月8日土曜日

【部品】GaAs-MES-FET(再)

3SK121とSGM2006M
 webで標記のFETを扱ったのは、2001年だったからずいぶん前のことになる。その時でさえ、既に写真の3SK121は廃品種だった。(笑)

 なお、写真のSGM2006M(記号:F-/SONY)と3SK121(記号:UG/東芝)、さらには下記3SK129(松下/パナソニック)は、ほぼ同等のデバイスである。

 或は3SK113(日立/ルネッサス・・形状及び接続は写真の3SK121と同じ)や3SK240(記号:UN/東芝・・形状及び接続は写真のSGM2006Mと同じ)も同類のGaAs-MES-FETであるが、何れも生産中止になっている。
 負荷インピーダンスRL=500Ω位にとった動作では、ソース抵抗Rsの加減でドレイン電流Id=約10mAになるよう調整してやれば最適動作点となる。 その状態で各デバイスによる性能差は殆ど感じないはず。なお、動作点の調整もせずに比較しても無意味である。正しく使えば何れも優れてLow Noiseである。もちろんゲインも十分得られる。

 高周波増幅回路も、以前はディスクリートで組んでいたが、今はむしろ特殊なくらいで、MMICと称するLNA(Low Noise Amp.)が主流のようだ。 昔のMMICはノイズの点で芳しくなかったが、今では十分Low-Noiseだから下手にバラ部品で作るよりも有利であろう。 しかしアマチュア無線には、そうしたICは向かないことが多いので、今もこうしたデバイスの出番がある。

3SK129
 ガリウムだとか砒素と言うと有害物質ではないかと言うことで拒否反応を示すかもしれない。 しかし、まさかFETを食べる訳ではないし、パッケージに入っていれば、たとえ舐めても危険はない。 ただ、数mgの微量とはいえ廃棄する時には一般ゴミと分けるくらいの気遣いはあった方が良いのかもしれない。

 写真は3SK129で今年(2008年)の6月頃JE6LVE高橋さんに頂いたものだ。(VY-TNX!) 6月18日のBlogでも紹介した。これは上の写真の3SK121と同等に使えるもので、パナソニック製である。見ての通りピン配置も同じである。
 既に廃品種の筈だがオークションで良く見かけるようだ。不良在庫化していたものが廃棄処分されて流出しているのかもしれない。 このように平面的なパッケージなのだが「表面実装用」ではない。 昨今は何でも面実装で製造するからそれに向かない部品は使い道がなくなったのだろう。性能は悪くないし、手ハンダするにはむしろ使い易いから積極的に活用したい。

参考;GaAs-FETを使ったクリコンのDBM部
 以前,GaAs-MES-FETを扱ったwebページで紹介していた50MHz帯のクリスタル・コンバータDBM部である。ミキサのSBDもガラスパッケージ品は無くなるばかりなので、もうこうした感じでDBMを作ることもなくなるのだろう。

 部品を集めてRFトランスを巻くのも良いが、1個の完成品モジュールになったDBMは手軽だし、安価になっているから経済性も悪くない。 写真のDiは1SS86(日立/ルネッサス:既に廃品種)で、トランスはおなじみのFB-801-#43だ。

 昨今の部品事情を見ると自作の余地がだんだん奪われるようで寂しい気もする。しかし、ディスクリート部品が完全に消えるとは考え難い。ICアプリに留まると廃品種になれば完全にお手上げだから、個別部品でも回路設計ができるようにしておきたいものだ。

追記:2009年9月>
 SONYのSGM2006Mは永らく秋葉原・秋月電子通商で10個200円と言う廉価で入手できたが、ついに底をついたらしい。面実装用パッケージで手付けには使い難かったが安価なRFデバイスとしては良い性能だっただけに惜しまれる。これからは少し高価で扱い難いがHEMTなども積極的に活用すべきようだ。拙宅の在庫も徐々にそちらにシフトしている。 de JA9TTT/1

(おわり)

2008年11月3日月曜日

【回路】ラダー型フィルタ(再)

ラダー型フィルタのページ:

あれから2年以上が経ってしまいました。「あれ」とは雑誌の連載です。雑誌社のコピーサービスを受けると言う手もありますが、今や参照するにも支障があるのだそうなのでサイトに再掲載することにしました。(サイト閉鎖に伴い公開終了)
もちろん、サイトの方は記事そのものではありません。雑誌の元になった実験です。 従って、連載にあったインピーダンス・マッチング法やトランスの製作、そのほかフィルタのテスト法とか測定治具製作の情報はWebにはありませんでした。もしそれらの情報が必要でしたらお手数でも雑誌を見て下さい。

CQ HAM Radio誌の2006年1〜6月号に連載された記事には、水晶の選び方から始まり、フィルタの構成方法、インピーダンスマッチングと使い方に至るまで一般の製作に必要な情報は網羅されていると思います。普通の図書館では雑誌は一定期間で廃棄しているそうです。既にバックナンバーはなくなっているかも知れません。その場合、出版社のコピーサービスを利用する方法があります。あるいはJR山手線・大塚駅の近くに移転したJARL資料室にもCQ HAM Radio誌のバックナンバーは全て揃っているでしょう。各種資料は廉価にコピーができたと思います。(2015.01.12内容更新)

上の写真は14.318MHz:HC-49/Uを使ったSSB用ラダー型クリスタル・フィルタの一例です。このクリスタルは「一山いくら」で、米国のDan's small partsから購入したものでした。 Danは輸送コストが掛かって海外発送するのは合わなかったようです。 いまは海外(JA)からは買えません。(たぶん、個人商店だから交渉次第で売ってくれるとは思う・笑)

チープなジャンク・クリスタルですが、こんな素敵な特性のフィルタが作れました。 このフィルタを使って14MHz帯を IFにすると50MHzのシングル・コンバージョン形式のトランシーバ(受信機)には最適でしょう。 周波数的にも14.318MHzは高からず、低からずで50MHzには具合が良いです。SSBジェネレータを作ったらモニタも容易だし・・・。 VFOは36MHz帯になりますが、DDSで行くか、PLLで行くのが今風でしょうか? あるいは簡単なリグにはVXOでも行けるでしょう。 12MHzの水晶をVXOし3逓倍で約35.900〜36.000MHzを得て、50.200〜50.300MHzあたりをカバーするのは容易です。SSBでオンエアには丁度良いはずです。VXOに使う12MHzのクリスタルも既製品がイッパイ売っています。 なお、18MHzの水晶をVXOして、2逓倍と言う手もあります。その方が12MHzの3逓倍よりも断然有利ですが、水晶の入手が多少難しいかもしれません。(もし新規に購入するなら18MHzの基本波水晶を推奨します)

14.318MHzのフィルタはCW用も含めて、拙サイトにリバイバルしておいたので必要なら参照されたい。もちろん、前のように他の周波数のフィルタ記事もある。(公開終了)

注:国産のHC-49/U型14.318MHz水晶でも同じように作れます。 たしか、関西方面に大量にお持ちのお方があったような気がしますよ(笑) 拙宅にも写真の物がたくさんあるのだが、バラのジャンクですからロットがバラバラなので選別が厄介で・・・どうも自家用以外には適さない感じでした。(汗) 

追記:2009年1月「Radio Experimenter's site」を置いていたサーバーを止めてこのBlogに移行しました。それに伴い、ラダー型フィルタ(水晶振動子を使ったもの)及び、世羅多フィルタ(セラミック振動子を使ったもの)を扱ったサイト上の全ページも同時に公開を終えました。もしラダー型クリスタル・フィルター(世羅多フィルターも含む)の実用的な設計・製作・使い方の情報を必要とされるならCQ Hamradio誌2006年1~6月号の連載記事が良いかもしれません。連載はweb上に公開していた断片的な実験内容を整理し、さらに必要な情報を追加して纏めた内容になっていました。大塚のJARL資料室や公立図書館を当たる方法もありますが、CQ出版社のコピーサービスを受ける方法(但し有料)も手っ取り早くて確実だと思います。(記:2009年1月)

追記・2:最近のラダー型クリスタル・フィルタの記事→こちら(Blog内リンク)
新たな手法による設計法の関連記事を網羅したBlog内リンクがあります。ラダー型フィルタの製作前には必読でしょう。(記:2016年2月25日)

(おわり)

2008年11月2日日曜日

【その他】古炉奈で懇親会

毎月第一土曜日は、秋葉原の『古炉奈』(コロナ)でQRP懇親会である。

秋葉原で買い物・・と言っても大した物はないのだが・・があったので今月も参加させてもらった。 常連さんがだいたいのようだが、今日は15人くらいだった。(みなさん有難うございました)

まんべんなく皆さんとお話しするのも難しいが、『古炉奈』の一次会のあと、居酒屋『天狗』の二次会で、席を替えながら色々なお話しを楽しんだ。 無線の話しも少しはあるが、音楽の話しから経済や政治情勢(?)まで、バラエティに富んだ話題が飛び交っていた。 名目はQRP懇親会となっているが、その話題に凝り固まっている訳ではなくて、まあ、秋葉好き、電気好きの『大人の雑談会』と言えば良いだろうか。(笑)

年末12月は新宿に移って忘年会、年始の1月も新年会になるそうだが、それ以外は毎月第一土曜日の16:00〜18:00に秋葉原の『古炉奈』で開催される。遠方からわざわざでは大変だと思うが、東京に出る機会があればスケジュールに入れておくと楽しい時間が過ごせるかも。参加は自由で、QRPクラブ員である必要はないそうだ。私もだいぶ前に退会している。(笑)

ちなみに二次会は18:00〜『天狗』に席を移してアルコール入りとなる。 ちょっと遠いので少々億劫になるが、やっぱりオフ会は楽しいですよ。(笑) (写真は借用品

2008年10月30日木曜日

【その他】お知らせ


こんばんは。

日平均のアクセス数が40回を下回るようになってだいぶ経ちます。
約束通りこの辺で、公開形態を変更させて頂きますので宜しくです。

過去の記事は消去したうえで、このBlogは自由な閲覧にして残ります。
時々差し障りの無いトピックスや近況でも報告させいただきます。

気が向いたら覗きにお出掛け下さい。 有難うございました。

2008年10月26日日曜日

【旅】帰って来ました♪

3泊4日で、留守してました。(笑)

先ほど23時30分に無事帰宅。 天気良好で楽しめました。
詳しくは、またあらためて。

掲示板、メールほか異常ないようで良かったです。
サポート頂き感謝します。

2008年7月18日金曜日

【部品】FT-243型水晶振動子

FT-243型水晶振動子
 Old Crystalの続きである。
昨日の測定の続きは休日に行なう予定だ。とりあえず、FT-241型の構造に続き、FT-243型を採り上げておく。

FT-243型は、1960年代のHAMにはポピュラーな存在であった。
例えば、TRIOの送信機、TX-88AやTX-88Dのパネル左下には、水晶振動子(=水晶発振子)のソケットがあるが、FT-243用が付いていた。

これはTRIOに限らず、国産STAR や米国製にも見られる。 ソケットに合うのはいずれもFT-243型である。 アマチュアが容易に(安価に)入手できる水晶振動子はFT-243型だったからだ。 写真のようにFT-243の足ピンは太くてしっかりしている。 HC-6/Uの足ピンはピッチは同じでも太さが違うので挿入できない。 それで一時期アマチュア向けにFT-6/Uなる足の太いHC-6/U型が売られた事があった。 たぶん、そんな水晶振動子が作られたのは日本だけだと思う。 ただ、海外でもGT管の足をカットしてHC-6/Uに被せて太い足にすると言うようなアイディアも見受けられる。

FT243専用のソケットが用意されていたが、入手難だろう。その場合は、USオクタルソケット・・・要するにGT管用の8ピンソケットが使える。ピンを一つ飛ばして挿入する。オクタルソケットにはFT243が2個実装できるので都合が良いこともある。

FT-243型水晶の内部
内部は、昨日のFT-241とは大きく異なっている。 写真中央にあるのが水晶振動子そのもので、薄い板状である。 それを金属の電極板で挟み、蓋を閉めて右のバネで押さえる構造である。

このように水晶板が容易に取り出せる。 また、FT-243型に使ってある水晶は、BTカットあるいはATカットが一般的であって、厚みによって振動周波数が決まる。 従って何らかの方法で厚みを薄くすれば、周波数を高くすることができる。(注:上に盛って厚くすることはできないから、周波数を下げることはできない。OM曰く水晶板に赤チンを塗って僅かに下げるテクニックもあるとは言うのだが・・・笑)

たくさん研磨するのは大変なので、なるべく近い周波数が良いが、そう都合良く行かないのが普通だ。 面の平行度が悪くなると発振し難くなるので、手研磨で大きく削るのは難しいだろう。 研磨材を使う機械的な方法のほか、かなり危険な薬品であるがフッ化アンモニウム溶液(二フッ化水素アンモニウム溶液)を使って溶解する方法もある。 どちらもやったことは無いので、チャレンジするなら各自で研究を。(笑)

参考:ATカット水晶の周波数は厚み1.67mmのとき約1MHzとなる。厚みと周波数の関係は反比例するので、例えば7MHzでは0.2385mmになる。 あまり薄いものは割れてしまうのでFT-243の構造で可能な上限周波数は基本波で10MHz程度である。それ以上は製作困難なのでオーバートーン発振させるか逓倍で得ることになる。

しかし、いまどき研磨はお薦めしないので、どうしてもFT-243型水晶振動子が必要なら、中身を取り出してHC-18/U型(HC-49/Uでも良いが・笑)を内蔵してしまうのが良い。 そうすれば、7003kHzにFT-243型水晶でオンエアすることができる。(爆) 但し、見かけはともかく小型水晶なので水晶電流には気を付ける必要がある。

:もっぱら発振を目的に作られた水晶振動子を「水晶発振子」と呼ぶことがある。本質的には同じ物である。フィルタ用の水晶振動子では水晶定数を調整しHigh-Qに作るほか、副共振が主共振の近傍に現れぬように十分配慮してある。もちろんフィルタ用に作った水晶振動子でも発振はできる。なお、一般に見かける水晶振動子はその殆どが発振目的で作った物である。

2008年7月16日水曜日

【部品】FT-241型水晶振動子

FT-241型:水晶振動子
 今の水晶振動子は気密封止になっており、中身を見るには破壊が前提になってしまう。

 写真は、FT-241型水晶振動子である。 右の水晶のように、底面にネジがあり、ベークライトのキャップがネジ止めされている。ペイント・ロックされてはいても、容易に開封することが可能だ。

 FT-241水晶など、もはや普通に入手することはできないと思うが、参考までに周波数の計算方法を書いておく。ケースが黒いベークライトで、表示されているチャネル番号が二桁の場合は、54逓倍された周波数が書いてある。 従って、水晶の発振周波数は表示周波数の1/54である。写真中央の23.3Mc水晶は、431.481kHzである。

 また、左のように茶色のベークライトで、チャネル番号が三桁のものは、72逓倍された周波数が書いてある。 従って、写真左の34.3Mcの水晶は、476.389kHzである。 何かの機会に入手された時は、計算してみたら面白いと思う。 使えるか否かはまた別の話だ。(笑)

FT-241型:水晶の内部
 肝心の中身である。

 FT-241型はCTカットの輪郭すべり振動だそうである。 いまの大半の水晶振動子はATカットで、厚みすべり振動である。 輪郭振動と言うことは、水晶片の四角形の辺の寸法で周波数が変わるのであろうか。 近似の周波数でも、この写真のように大きさはだいぶ違う。


FT-241型:水晶の内部・詳細
このあと、FT-243型水晶を扱う予定なので、FT-241型の構造を詳しく見ておいて欲しい。

水晶片の両面に電極(多分、銀であろう)をメッキし、中央部をロウ付けして引き出している。 ワイヤー・マウントと言う形式で、後世の振動子保持技術に繋がるものであろう。
こうした構造はBell電話研究所で開発し、製造はBellの子会社:Western Electricが行なったそうだ。 1941年から終戦の1945年夏までの累積生産数は1,000万個を越えていた。

 それまでの水晶振動子は水晶板を金属板で挟む構造になっていた。それに対して、メッキ電極は水晶板との隙間が無いので、振動などの影響を受けずたいへん安定である。 但し、水晶片を取り出して研磨するなどと言う芸当は簡単ではない。 FT-241型を「分解・研磨して周波数を変えた」と言うなら余程のウデを持っているか、たぶんFT-243の勘違いだろう。構造を見れば特徴的だから勘違いする可能性も少ないと思うのだが・・・。(笑)

2008年7月12日土曜日

【測定】VTVM 三題

ヒューレット・パッカード:HP-401B
 昨日のBlogではDiode/二極管を話題にしたが、役立たない球(たま=真空管の意)と言う印象を与えてしまったかもしれない。(笑)
実際、一般的な回路では検波ならゲルマニウムやショットキー・ダイオード、電源の整流ならシリコン・ダイオードで事足りてしまう。 従って、二極管が登場するシーンは限定されてしまうことになる。

 測定器は、そのなかでも二極管が活躍できる数少ない場所の一つだろう。 図は、hp 410B型真空管電圧計である。 RF/AC電圧は左の方にある検波プローブを使って測定する。 ここに使ってあるのはEA53と言う、欧州系の専用二極管である。 検波プローブ専用に作られた球なので、構造も特殊であり破損すれば入手に窮することは疑いない。 しかし、非常に小さな入力容量で、しかも高い周波数まで使えるようにするにはこの種の球を使う以外に無かったようだ。
後継のhp 410Cは球石混合のハイブリッド回路になっているが、検波プローブの部分は同じである。 hp 410シリーズは、この種のVTVMとしては最高級の部類に入る。回路を見ればわかるが、定電圧放電管やバラスト・ランプを使い電源電圧変動の影響を受けないようになっている。それだけ大型で高価なのはうなずける。 まあ、今どき有り難がるほどの測定器ではないが用途・目的によっては役立つ可能性もあると思う。

松下通信工業:PV-91A
 国産でもVTVM(Vacuum Tube Volt Meter:真空管電圧計:通称・バルボル=Valve Volt Meterの意)は作られたがこれは松下通信工業製のPV-91Aである。 回路は双三極管(12AU7)で差動増幅を構成したオーソドックスなもの。 AC電圧は6AL5を使って倍電圧検波している。 なお、電源の整流にも6AL5を使っている。この程度の小電流なら電源整流にも使えると言う訳だ。

 面白いと思ったのは中央部下にある同じ6AL5を使った初速電流打消し回路の部分だ。 カソードを加熱すると熱電子が飛び出すが、プレート電圧はゼロであっても飛び出した電子は勢いが付いておりプレートに到達して電流が流れる。 即ち、信号ゼロなのに僅かだが検波電流が流れることになる。 これを同じ球で打ち消す仕組みのようである。 先人の工夫の跡であろう。(笑)
6AL5の特性は、使っているうちに変化して行くので、同じ球を打消しに使えば経年変化にも効果的だと考えたのだろう。 もし6AL5を交換するなら理想を言えば2本とも同時が良いはず。

菊水電子工業:PV-107
 HAMの間では菊水電子のPV-107がポピュラーなVTVMだった。上の松下通信製と類似の回路だが、多少簡略化されている。当然それだけ安価だった。 6AL5の初速電流打消しは、単純に電源電圧を分圧したバイアスを与えているだけだ。 たぶん、松下製のように凝った方法にしなくても十分な性能が得られたのであろう。
 PV-107は本体だけでAC電圧の測定もできたが、高周波電圧測定用には『クリスタル・プローブ』と称するゲルマニウム・ダイオードを使った検波プローブ(オプション)を使うことになる。 温度特性などを考えると検波管の方が良いが、プローブが大型化するし構造も複雑になってしまう。周波数特性を延ばすには特殊な球も必要だ。 廉価に作るために半導体式の検波プローブにしたのであろう。

 その昔、SSB送信機を製作しようと思えば、最低限こうしたVTVMが欲しくなり、菊水のPV-107は欲しいものリストの筆頭だったように思う。 本当はオシロスコープ(シンクロスコープは岩通製オシロスコープの一商品名)が欲しかったのだが、学生アマチュアには手が出なかった。40年も前の話しだ。(笑)

 今どき双三極管の差動増幅器でもない。 この種の電子電圧計はFET入力のOP-Ampを使うと安定度に優れた高性能なものが簡単に作れてしまう。しかもコードレスにもできる。(以前自作したものが今でもあるが滅多に使っていない) RF電圧測定用の検波プローブもGe-Diでまずまずのものが作れるが、測定値の信頼のためには校正がとても大切だ。 しかし、今では広帯域なオシロスコープがかなり容易に入手できるし、スペアナさえもシャックに入った。 だから、ただRF電圧を読むだけしかできないVTVMなど今更な測定器かもしれない。これも時代であろう。 もちろん欲しいものリストから消えている。(使い道がないし、邪魔だからタダでもいらない・笑)

追記:
継続して「VTVM」や「バルボル」などのキーワードで検索からこのブログに飛んでくる人がたくさんある。恐らく、オークションや中古ショップの出物を物色中に調べているのであろう。
 半世紀も前のノスタルジーを再現したい(体験したい)なら別だが、私なら今どき買わない。お金も時間も無駄だから、やめておくのが賢明だと思っている。高周波測定の経験も永いのでそれなりに熟練しているつもりだが、それでも何を(どんな信号を)計っているのか混乱しやすい測定器だ。測定対象が単純な正弦波なら良いが、教科書のように都合が良いのは現実の測定場面では稀だからである。
 指針の振れをピークに調整したら、スプリアス(不要波)に合わせていたと言うようなケースは簡単に起こる。そのような誤った調整をされたトランシーバ(FTDX-401)の再調整に手を焼いた事があり、VTVMで調整する危うさを感じた。結局、VTVMの使いこなしは簡単そうで素人にはむしろ易しくない。まあ、使えば良くわかることなんだが・・・。何事も経験することは悪いことではないから止めはしないけれど。(2009年2月追記)