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2009年1月24日土曜日

【HAM】良い音のCWフィルタ

【回路:オーディオCWフィルタ】

フィルタの反響現象とは
 狭い部屋、あるいはトンネルの様な場所で、会話が反響して聞き難かった経験をお持ちではないでしょうか? 普通は厄介な現象なのですが、日光の『鳴き龍』はこの現象をポジティブに利用した例でしょう。(笑)

 反響音が減衰せず、長く余韻を引くと会話はたいへん聞き取りにくくなります。 実は、これと同じ現象がフィルタでも(程度の差はあっても)起こっているのです。 フィルタとはCWフィルタとかSSBフィルタのような電気回路のフィルタです。

 狭帯域のフィルタでは、良く共振する(=Qが高い)LC回路や共鳴する物体(水晶やセラミックス振動子)を並べ電気信号で「たたいて」振動させているのと同じ現象が起こっています。 鐘をつけば余韻が残るのは経験からおわかりでしょう。 しかし、この現象が過度に存在すると明瞭度が損なわれるのでフィルタとしては好ましいものではないのです。そのフィルタの音色を決める一因であるとも言えます。

 フィルタの特性について、詳しく始めると一冊の本にも成るのでやめておきましょう。 しかし信号が余韻を引くようなフィルタの条件ははっきりしているのです。 ごく簡単に言うと「Qが高くて切れるフィルタ」です。 CWフィルタで言えば、通過帯域幅がごく狭く肩部分の立ち上がりが急峻なフィルタで顕著に見られます。
 さらに、過度に余韻を引くようなフィルタは信号の立ち上がりにおける過渡的な応答特性も悪いのも普通です。 信号の立上がり部分がリンギングしてワウワウと言うような過渡的な聴感を伴うようになるのです。
 必要以上に狭帯域のフィルタが好ましくないのはもちろんでしょう。 フィルタは周波数軸上の特性ばかり示されることが多いのですが、実際はそれは一面を見ているだけに過ぎなくて、時間軸上の特性もたいへん重要なのです。

 さて、今年(2009年)のHAMフェアの自作品コンテストのテーマは「7MHz DC受信機」だそうです。 DC受信機は少ない部品で済ませる簡易型と、その対極にある高級型に二分されるように思います。 簡易型も面白いのですが快適なオンエアにはしっかりしたDC受信機が欲しものです。 それには良いオーディオ・CWフィルタが欲しくなるでしょう。 DC受信機の受信のフィ−リングを決めるのはオーディオ・CWフィルタなのですから。(オーディオ、またはオージオ・フィルタとは復調されて低周波になってから信号を選り分けるフィルタのことです。AFフィルタとも言います)

 折角なら、少しでも良いDC受信機を作ってもらいたいと思います。 やや複雑なので簡易型には向かないかも知れませんが、高級指向ならピッタリのフィルタがあります。 使ってみれば良さがわかるTransitional Gaussian型フィルタを採り上げてみましょう。

 良好な選択度を持ちながら、時間軸上の応答特性にも配慮したフィルタ形式です。 特性云々は勿論ですがコイルを使わずに高性能が得られるフィルタとしても重宝でしょう。  複雑ではあっても大きなコイル:Lがないので思ったよりもコンパクトに作れます。 この例は雑誌に掲載されていたものです。 但し原典の回路定数を再計算して修正しています。(なお、私は自作品コンテストに参加するつもりはまったくありません・笑)

 上の図面は特性シミュレーション用として書いた回路図です。 実際の回路に組み立てるには『製作用の設計』に修正すべきでしょう。 今回のBlogではその部分は端折っているので、具体的な事例が書いてあって製作に役立つ続編を計画しています。

過渡応答特性
 シミュレーションで求めた性能の一端を示しています。 過渡特性はこのようになります。 青い色の波形は入力信号です。赤い色の波形はフィルタを出た信号です。 横軸は時間になっていいます。

 いま、まさしく700HzのCW短点もしくは長点が来た瞬間の様子を示すものです。 信号は少し遅れてフィルタの出力に現れるのがわかります。 しかし、「オーバーシュート」(行き過ぎ)や「リンギング」(過渡振動)のない奇麗な応答なのがわかります。 実際の聴感もとても良い感触が得られます。(悪い例と合わせて紹介すれば一目瞭然でしたね・・・)


周波数特性
 こちらが周波数特性です。 中心周波数は700Hzで、-3dBバンド幅は140Hzの設計です。 フィルタの特性を周波数軸で拡大して見ているので、あまり冴えない特性に見えるかも知れません。

 頂点から-6dBより上の部分の通過帯域の特性が、過渡応答特性に優れるガウシャン(Gaussian)特性になっています。 よく見るフィルタのように平坦域のない特性なので冴えない特性に見えますが、とても良く切れるフィルタです。 絵で見て納得して頂くのも良いのですが、実際に使ってみるとその良さがはっきり体感できるでしょう。(切れの良さと過渡特性の2つを両立させたのがこのフィルタの特徴です)

 FR-101型受信機に内蔵してみたのが初めての使用経験でした。 使ってみた感想は申し分ないものです。 狭帯域フィルタにありがちな信号の粘りのようなものは感じません。 良く切れるのですが、少々狭く作り過ぎたので通過帯域幅はもっと広げた方が良いようでした。 この例の約3倍の±150Hzで設計するくらいで良いかも知れません。 このままでは周波数安定度が悪い受信機やダイヤルの減速が不十分な簡易受信機では同調操作に難しさを感じるでしょう。 ともかく良く切れるCWフィルタです。しかも良い音がします。

 中心周波数、通過帯域幅、フィルタゲインなどある程度任意に設計変更できますが、Blogにすべてを書くのは困難です。 結果だけが欲しいなら詳しい話しはすぐに飽きてしまうでしょう。 強く興味を覚えたようでしたらフィルタ関係の書籍を見て頂くのが最良だと思います。 但しフィルタの本ではCW受信機用のフィルタとして紹介されてはいません。 狭帯域なバンドパスフィルタとして解説がある筈です。 メーカー製の受信機(トランシーバ)でも、何れこうした特性のCWフィルタがDSPによって実現されて当たり前の装備になるでしょう。

Communications Quarterlyの記事
 左はこの形式のオーディオCWフィルタについて扱った雑誌記事の例です。 Blog公開初期にご希望のお方に限ってコピーを差し上げていたのですが著作物のため現在は行なっていません。ご了承下さい。

 ARRL(米国アマチュア無線連盟)の出版物なので有料のコピーサービスが得られると思います。 ご自身でお問い合わせになって下さい。 Communications Quarterly誌・1994年Winter号p20からp24の全5ページです。

 これはアマチュア無線家向けの製作記事なので内容は難しくありません。 筆者は実際にTRIOのTS-520に内蔵して愛用しているそうです。 回路図、調整方法も載っており製作に役立つ資料です。 残念ながら設計についてはあまり詳しいことは書かれていません。 また誤植と思われる数値間違いや、回路図の接続ミスもあるので参照する際は注意して下さい。 回路図と詳しい周波数特性については拙Blogの続編でも紹介しています。この記事を参照しなくてもフィルタは作れると思います。  de JA9TTT/1

関連のBlog案内
ここで扱った形式のフィルタのさらに詳しいBlog記事は:→こちら
CWフィルタを含めた回路シミュレーションについては:→こちら
もっと簡単で、しかも実用的なオーディオCWフィルタの製作は:→こちら
NEW:良い音のCW用クリスタルフィルタを実現する研究は:→こちら。(2015.12.25)

(おわり)

(Bloggerの新仕様対策済み・改訂:2017.03.29)

2009年1月23日金曜日

【写真】蠟梅(ロウバイ)

いつまでもOld Macの写真がTopにあると言うのも季節感がないので、春らしく黄色い花にしよう。

蠟梅(ロウバイ)である。この界隈では陽当たりの良い所にあれば暮れのうちから開花する。 拙宅では一番条件の厳しい北西の家影に植えられているので、どうしても遅れ気味になる。 それでもそろそろ満開だ。半透明でロウ細工のような艶がある花弁が名前の由来だそうだ。(←クリックで拡大)
『梅』と付いても、バラ科ではないらしい。それが証拠に梅や桜とは似ても似つかぬ実がなる。(どうやら食用にはならぬようだ

蠟梅の黄色い花は、辺りに強い香りを放って一足早い春を主張しているようだった。

寒暖の差が大きくて、今昼は三月下旬の陽気だったそうだ。セーターも要らぬくらいの心地よい風を感じた。 だが本当の春はまだもう少し先のようだ。 インフルエンザ流行の兆しもあって、外出からの手洗いとうがいの励行そして体調維持には気を抜けない毎日が続く。
Camera : Nikon Coolpix P60 / Macro

2009年1月20日火曜日

【その他】サーバーを止める

Blogへの移行アナウンスも1週間行なったので、先ほどサーバーを止めた。

Radio Experimenter's Siteは、当初Power Book 2400Cでオープンした。しかし、それは約5,000アクセスまでの短い期間であった。 その後、この中古のPower Mac G3を入手し、簡単に整備したのち試運転に入った。数回の運転停止を繰り返しながら様子を見たが、やがて連続運転に入った。そして先ほどの完全停止までひたすら休むことなく連続して40万アクセスを支えてくれた。(清掃などメンテで時々ごく短時間停止)

2003年10月末ころから、約5年3ヶ月間ほぼ無事故で動作してくれた。その間、メインHDDの交換も行なわなかった。 皆さんの40万回のアクセスに対処するには毎アクセスごとに、その数倍〜数10倍のファイルを転送している。HDDにとってはなかなか過酷である。静音のためにノートPC用HDDを使って来た。 ごく普通のパソコンが良くそれだけ無事故で動作したものである。 早い時期から故障停止を予測して同型の予備機も用意していた。 しかし結局予備機が登場したのはメンテナンスの短時間リリーフだけだった。

Power Mac G3は、いま思えば大した処理能力もないマシンだ。しかし、使っているPPC-G3 MPUは消費電力が少ないので電源への負荷が少ないだけでなくMPUファン・レスなので(当時としては)静音性に優れていた。自室に置く自宅サーバーとしては悪くなかったと思っている。

とかくMacのハードは・・・などと揶揄されるが、これは私にとっては十分な成果だ。
Thank's Mac G3!

2009年1月19日月曜日

【回路】世羅多フィルタ・シミュレーション

前のBlogに、『もちろん世羅多フィルタを含むラダー型クリスタル・フィルタにも使える』と書いてしまった。 それならやって見せろと言う声は・・・あまりないかも。でもやります。(笑) 

最初から振動子のサブサーキットとして、あるいはデバイスリストに水晶振動子(セラミック発振子)が用意されているなら、等価回路に従って、Cm、Cp、Lm、rsを設定してやればあとは回路通り組んでやれば良い筈だ。しかし、B2Spice2には用意されていない。

心配は要らない。結局のところ、SPICEで機械振動系のシミュレーションが出来る訳じゃない。等価回路に従った電気回路としてのシミュレーションを行なうに過ぎない。 だから、あらかじめデバイスリストに水晶振動子セラミック発振子が用意されていなくても、図のように個別のL、C、Rで構成してやればシミュレーション可能なことは明白である。

この例では村田のセラロックCSB455Eを使った5素子・SSB用・世羅多フィルタのシミュレーション結果を示している。通過帯域幅特性、肩部分のダレ具合、通過損失など、良くないところまで実製作物と良く一致していると思う。(笑)
セラミック振動子の電気的な等価回路と等価定数である。
以前、調べて図のようにわかっているから、それを使えば良い訳だ。 もちろん、中国製でやりたいなら下の方のCRB455Eの定数を使えば良い。

図の等価定数はネットワーク・アナライザで複数個のセラロックを実測し統計処理して求めたものだ。しかし、RFの測定器はもともと三桁くらいの有効精度しかないと思って良い。 したがって得られた数字の有効桁数にも限度がある。 さらに実際に使う素子に存在するバラツキのために、シミュレーション結果が実測と完全一致することはない。
それでも、微妙な中心周波数のずれはあっても、フィルタの特性カーブは良く一致すると考えて良い。

あいにくシミュレーションと同じ定数で、CSB455Eを使って作った世羅多フィルタの実測例がなかった。 参考のために上の等価回路の中国製のCRB455Eを使って作った実測例を示すのでご勘弁願いたい。(毎度書くが、Span=20kHzで見ているので富士山型に見えるが、急峻でLC-IFTとは雲泥の差である。まあ使えばわかるが・笑)

等価回路の定数が少し違うとは言っても、極端に違わないからCSB455Eでやっても、だいたい同じような結果になる筈だ。

写真のように、なかなか旨く一致すると思うのだが如何だろうか?
シミュレーションと実際が良く一致するのを喜ぶのが目的ではない。(笑) このあと、回路定数を変えて通過帯域特性を加減したり終端インピーダンスの影響を見るなど、実際に作る前にパラメータを変化させて検証するのが一つの目的だ。或は実回路をたくさん作らずに、ラダーの段数など条件を変えたフィルタが手軽に作れるからたいへん効率的に回路検討できる。

世羅多フィルタに関する他のBlog:実装法・インピーダンスマッチングなど。→こちら

世羅多フィルタをラジオ用IC:LA1600(三洋電機製)で活用する具体例は。→こちら


# SPICE回路シミュレーリョンの話しは一旦これでおしまいにする。

シミュレーション雑感(オマケ):これくらいの規模の回路をシミュレーションするに要する時間は数秒のようだ。なのでまったくストレスはない。厄介といえば、回路図を書き、順調にシミュレーションされるようデバッグすることである。このように繰り返し回路なら、ブロックのコピー&ペーストでササッと描けるから書くのは簡単な方だ。デバッグは常に悩ましい問題で、下手をすれば英文のマニュアルを隅々まで読まされることになる。以前はずいぶんハマったが、お陰で今は結構順調に行く。固有のクセを掴むのがポイントなのだが・・・。この回路は一発でOKだった。(笑)

2009年1月18日日曜日

【回路】GIC型LPF

昨日のシミュレーションの続きである。

GIC型フィルタ回路で実際にシミュレーションしてみた。 昨日よりもだいぶ複雑な図のようなOP-Ampを10個使った回路である。周波数は100ポイントで解析するようセットした。

開始から右下のグラフが現れるまでに要した時間は2秒くらいであった。このくらいで可能なら十分実用的なスピードだと思われる。(B2Spice2のSimulation Optionsメニューから、noopiter をtrueにセットしないとエラーが出るようだ。それさえすればOK) なお、Berkeley Spice 3 FormatでNetlistがアウトプットできるらしいので、やってみたい人はメールでも。

GIC型と書いたが、ここではGIC(Generalized Immittance converter)と言う回路を使ったフィルタの意味で使っている。フィルタの形式としては7次のElliptic Function(楕円関数)型LPFであってLCフィルタから出発する。遮断周波数及び終端インピーダンスを決定してやってから計算すると具体的なLやCの値が求まる。(形式:C07/20/θ=50deg) 

しかしLC型のままやるには大きなインダクタンスの低周波用コイルが必要になる。その製作は極めて厄介である。物理的に大型になるうえ巻線(銅線)の抵抗分によるLossが大きく効いて理想とは違うコイルができる。当然設計とは違った特性のフィルタになってしまう。現実に得られる部品に合わせて部品定数を補正する設計も可能だが、増々複雑化する一方だ。 そのために厄介なコイルを使わず同等の動作をするようGIC回路を使って実現したのが図の回路である。GIC型にも弱点はあって、OP-Ampのゲイン・周波数特性(GB積)が十分に大きくないと通過帯域のエッジがだれるなどの劣化が見られる。高速High-GainなOP-Ampの登場で、守備範囲はずいぶん広がっている。フィルタの設計周波数にマッチしたOP-Ampを選択することが大切だ。

回路図に見えるOP-Ampが2個ずつぶら下がった縦の4つのブランチがGICを使った『Dエレメント』と言うもの。あまり古い参考書では駄目だが、最近のアクティブ・フィルタ関係の本なら見てもらえばGIC型フィルタの設計手法についても詳しく書いてある。OP-Ampの数は厭わないから可能になった近代的な回路だが、それも今ではデジタル・フィルタ化が進んでいる。(笑)

このシミュレーション例は第三の方式SSBジェネレータ用に作ったLPFの実例である。実回路ではfc=1,500Hzと周波数が低いことから、OP-Ampには一般的なTL-074CNを使った。精密に部品定数を合わせた二組を製作した。 フィルタ通過帯域内の位相特性(位相特性の一致度)が音声帯域内に発生する不要な逆サイドバンド成分の打消し度合いを決める。また、帯域の外側に発生するスプリアス成分の減衰はこのフィルタの減衰特性で決まる。実測でもグラフのように急峻であり、2つのフィルタの位相特性の一致度の点でも十分な特性が得られた。

このくらいの回路を作るなら設計の確実性を検証してからにしたいものだ。 部品を集め精密に選別したり合わせ込んで作ることになる。 それだけの労力を掛けるのだから確実性が是非とも必要だ。 もしも旨くなかったら何が問題か確認しなくてはならない。 そのとき、回路設計まで戻りたくはない。 設計に問題ないことが検証されていれば誤配線と部品破損を疑えば済む。原因の発見もずっと早くなる。

# シミュレータの有用性が旨く説明できたようなら幸いである。

2009年1月17日土曜日

【回路】ふるい回路シミュレータ

このBlogのタイトルは、『使えます・使います(笑)』にしようと思ったのだが、意味不明になりそうなので標記のようにしてみた。

さっそくだが、左図は三種類のごく簡単なアクテブ・フィルタのシミュレーション結果をスクリーンキャプチャしたものだ。

回路シミュレータは初めての人に簡単に説明する。
まず、左のような回路図を描く。 回路図には電源のほか入力信号と読み取りポイントには電圧/電流計を入れておく。 その後どんなシミュレーションをするのか設定する。この例では周波数特性を見たいので下限・上限の周波数などを設定する。 シミュレーションをスタートすると、計算されて結果は右下のような周波数特性のグラフとして描かれる。 この他できるのは直流動作点確認、オシロスコープのような波形観測、過渡特性の解析などがある。横軸が時間になったグラフも求められる訳だ。 各ウインドウを個々にプリントアウトすることも出来る。なお、画面のようなスケマティック・エディタ(回路図エディタ)が付属しているが所謂『回路図清書用』には向いてない。

この例のような簡単な回路ならいきなり試作製作しても心配は少ないが、複雑な高次のGICフィルタなどを設計したら是非とも作る前に検証したいものである。そのような目的に、回路シミュレータは非常に強力なツールとなる。もちろん世羅多フィルタを含むラダー型クリスタル・フィルタにも使える。

Macintosh用の回路シミュレータには良い物がなくて、GUIを備えたものとしてはBEIGE BAGのB2Spiceくらいしかなかった。写真のものは、B2Spiceのバージョン2である。少々古いもので、約10年前に購入したものだ。当時このバージョン2は非力なプラットホームには重たくてだめで、旧バージョンから抜けられなかったものだ。

そろそろ、新しいシミュレータを・・と思って探していたらB2Spiceは健在であった。しかし既にMac用バージョンはなくて、最新版はWin専用になっていた。Macは『クリエーター系のマシン』(?)なので、エンジニアリング用プラットホームに使う人は僅かなので仕方ないのだろう。

但し古いMac版もサポートしていて、今でも使う人がいるらしかった。 それで、試しにMac-mini(PPC)にインストールしてみた。Ver2.1.4から始めて、順次メーカのホームページにあったアップデータでVer2.1.7bまでアップデートしてやった。とりあえずこのバージョンはVer.2.1.7bが最新らしい。上の様にデモ回路で動かしたら使えそうなので、暫く使ってみることにしよう。

購入した当時は重くて仕方がなかった。だが、今のプラットホームだと上の様なごく簡単な回路のシミュレーションはほぼ瞬時に終わる。徒歩とヒコーキくらい違う感じ。これなら、取りあえず新しいのを買わなくても良さそうだ。

SPICEと言えば、デバイス・ライブラリの多少を気にする人も多い。これは古いから最新デバイスは入っていない。 しかし多くの場合、OP-Ampには理想OP-Ampを使い、トランジスタも固有形式を使わずに一般的なNPNやPNPでやれば十分だと思っている。 要は精密なシミュレーションをいくらやっても、実回路に使うデバイスとの完全一致などあり得ず、実回路の物理的大きさによる浮遊容量や配線抵抗も存在する。従って傾向を知るには理想型や典型部品でやれば十分なのだ。この例のようなアクティブ・フィルタでは素子感度など回路定数を検証するには、むしろ理想OP-Ampでないと訳が解らなくなるかもしれない。
注:集積回路の内部素子設計やIC内部の回路設計には、可能な限り精密なデバイスパラメータを抽出しシミュレーションするのが当たり前になっている。上の話しは一般電子回路の場合。


今でもBEIGE BAG社が健在だったとは意外だった。
今どき他に良い物があるから、B2Spiceを推奨するつもりは毛頭無い。今は高機能化した最新バージョンがWindows用として発売されている。 B2Spiceは数万円で購入できるSPICEとしては良く出来ていると思う。 学生さんにはアカデミック・ディスカウントがあってフルバージョンもかなり安い。(日本代理店←検索によるBlog来訪者用の情報・笑)

たいせつなこと:
回路シミュレータがあれば回路設計ができると思う人がいる。それは勘違いだ。まあ、おそらく数十年すれば、『回路設計エキスパートシステム』が出来上がって、正しく要求仕様をインプットすれば望みの物がアウトプットされるかも知れない。

しかし今はまだそこまで行っていない。回路屋の設計検証と実験を助ける単なるツールに過ぎない。言わば大工さんの『大工道具』の一つの様なものである。もちろん、大工道具さえあれば誰でも家が建つ訳ではないのはおわかりだろう。 回路ミュレータが使いこなせれば、回路職人にはまさしく『鬼に金棒』になること受け合いである。しかし、素人には『画面上だけで動く』クソ回路を生成する元凶でもある。(爆)

# 『シミュレータでは動いたんですが・・・』と言うエンジニアがいる。(苦笑)

参考:『回路シミュレーション関係のBlog』
◎GIC型ローパス・フィルタ(LPF)のシミュレーションについて:=>こちら
◎世羅多フィルタ(ラダー型クリスタル・フィルタ)のシミュレーション:=>こちら
◎音の良いCW用フィルタ(オーディオ・アクティブ・フィルタ):=>こちら

2009年1月16日金曜日

【書籍】洋書を買う(直輸入編)

先日のBlogでは、国内の大手オンライン書店経由で洋書を購入したことを書いた。 その後ずっと「紀伊国屋、洋書、輸入、価格、納期」など洋書にまつわるキーワードで検索来訪する人がたくさんあって面白いなあと思っている。たぶん本好きには共通した興味なのだろう。

今回は米国から直輸入する話しである。もちろん、先日の紀伊国屋さんも見たのだが該当の本は入手できないようであった。 円高の進行は輸出型企業には利益を吐き出すことになるから相当の痛手だが、個人輸入にとってはたいへんな追い風である。 もっとも「世界恐慌」の状況下では無駄金など使わずに、現金で握っている方が賢いことなのかも知れないが・・。

今回は新品がなければ、古書でも良いとしてサーチした。最近は日本でも古書ネットワークが充実して便利になっている。これも米国が先で、複数の古書店にまたがるサーチができる。個別の書店に当たらずとも良いので便利だ。そこを使って探したらうまく古書を在庫している書店がヒットした。 なお、このBlogは"How to" Blogではないので、具体的な注文方法などは各自でご研究を。それに、購入先によって方法は多少異なる。一般にクレジットカードさえあれば国内通販とさして違うことはないと思う・・・。

12月23日に注文を入れたがクリスマス休暇で発送は29日になった。料金の安い普通の航空郵便を使った。 今日、(本物の)メールボックスに不在通知票が入っていたのでJP(郵便局)まで取りに行ってきた。発送日から数えて約2週間だったので普通のスピードである。送料を2〜3倍くらい払えば国際宅配を使って3〜5日で手に入れることも出来る。しかし安価な物品には勿体ないだろう。

JPに写真右側のようなパンフレットが置いてあった。来月から国際郵便物の関税手続きが変わるそうだ。20万円を越える高額輸入品が対象のようだ。税関のホームページで確認しておくと良いかもしれない。
フィルタ本三册である。今回購入したのは写真一番上のもの。『RC-Active Circuits』と言うアクティブ・フィルタに特化した約500ページの専門書である。他は以前購入したもの。

真ん中のものは理論的な部分は要点のみで実用的な本だ。理論面は下と上で学んであると言う前提かも知れない。

先日のBlogで、JH5ESM 武藤さんのコメントに『BRUTON(ブルトン)のアクティブ・フィルタの本が・・・』とあった。 そう言えばそれは持ってなかったなあ・・・と思い立って購入したもの。
絶版になっているようで新品は無かった。少々日焼けがあるがあまり使用感のない奇麗な古書だった。安価な古書は凄いこともあるが、今回は価格相応でそれなりの程度・状態であった。

内容的には、先日の教科書的なフィルタ本よりずっと良い。$25-であった。送料は$12.99-だったので、円高もあって約3,500円の本と言うことになる。 正直言って3,500円で買える和書で、これだけの内容のフィルタ関係の書籍は無いように思う。(1980年の本なので、少々古くさい所はあるが・笑)

フィルタは電子回路でもかなり難しい領域である。 CW用オーディオ・フィルタや、自作送信機の出力に付けるLPFのような趣味の実用品を作りたいなら他の実用書(和書)が良いと思う。 CQ出版社などから良書が出てると思う。例えばこんな本がHAMの自作向きだろう。
 昨今は既成のSSBフィルタが限られて来たので、クリスタル・フィルタ(XF)の製作に興味を持つ人が多くなっている。 XFは下の赤い本にある程度出ているが、結局水晶の等価定数を求めてLC型の特殊形に持ち込んで解析するのが常套手段のようだ。 CQ誌に連載したような簡便な手法は実用的には十分だとしても、理論面ではそうそう易々とは手に負えないものである。(笑) 何れの本も電子回路、電気理論は勿論として、フィルタの専門用語にも馴染みがないと相当難渋すると思う。まずは基礎知識を得る意味で平易なIRFDあたりを熟読してからの方がずっと読み易くなるだろう。

# この本も例によって「積んどく」にならなければ良いが・・・。(爆)

2009年1月14日水曜日

【HAM】QSLカード製作

冬になる前から懸案だったQSLカードを作っていたらこんな時刻になってしまった。

先にQSOでカードは後から作って発行しようなんて思うと溜まることになる。(実証済み・笑) ともかく、オンエアする気があるなら先にカードを用意しておこう。

忙しいんだから、印刷屋にドーンと10,000枚くらい頼んだら良さそうなものだが・・・。 以前3,000枚作ったら、半分消費する前に飽きてしまい困った事がある。 コンテストでバンバン発行すれば消化も早いが、たまにしかオンエアしない現状ではタップリ100年掛かってしまいそう。 持って行って地獄の鬼にでも配ろうか。(爆)

QRP用の方は、7003kHz以外に出るケースは稀でごく少量で良いが100枚作っておいた。アイボールの時の名刺代わりにもしよう。 何れにしても、そのうちオンエアしますから宜しく。 160mも早いところオンエアしないと春が来てコンディションが下がってしまいそう。

注:Blogは不特定多数が見る関係で、QTHの部分は写真修正して消してある。

2009年1月12日月曜日

【その他】Radio Experimenter's Site

縦長のバナーのようだが、記念に作っておいた。

このように見ると、ページはずいぶん下の方へ伸びていたものだ。
スクロールするのも面倒だったかもしれない。(笑)
元々は旧サイトの形式を引き継ぎ、Topページからジャンルごとのサブメニューに分岐する形式で考えていた。しかしそれを作らず暫定のまま、40万ものアクセスを頂いてしまった訳だ。ご不便をかけていたのかもしれない。

それにも関わらず、長いあいだ辛抱強く熱心にご覧頂きとても感謝している。

                 de JA9TTT/1 加藤

2009年1月10日土曜日

【測定】ラジオの周波数(その後)

先日からやっているラジオの周波数を測定するセットアップは臨時のものだ。これを片付けないと他のことが出来ない。 片付けるにあたって、その前に昼間の測定を行なっておいた。

ヒストグラム表示の写真例を紹介しておく。 これは、ラジオ日経:6055kHzを受信した際のもの。測定サンプル数は約1万である。 画面を縦に走る点線が、中心周波数である。これは、1850Hzを補正して、ここが誤差ゼロになるようにしてある。従って、誤差がなければ分布の中心は中心線に一致する筈である。写真では横軸は中心±2Hz(幅で4Hz)を表示している。被測定対象によって横軸の幅は変更している。
このラジオ局の例では、周波数分布は中心(約)+750mHzとなっている。なお、伝搬が複雑なためか、短波放送はこのようにかなり裾を引くような分布になるようだ。 飛び飛びの位置に山があるのは、サンプリングによる計測のため離散的な値をとる為だろうと思う。

改めて、測定条件の良い昼間に各放送局の周波数を調べておいた。 補正方法や、サンプリングなどさらに検討して、なるべく正確なデータになるよう検討してある。 先日の値と極端に違わないように思うが、あくまでも参考としてご覧頂きたい。

ラジオの周波数測定結果:(オフセット補正済み)
(1)NHK東京第一放送(JOAK):594kHz/-187mHz
(2)NHK東京第二放送(JOAB):693kHz/+179mHz
(3)米軍用放送AFN:810kHz/-1,141mHz
(4)東京放送TBS(JOKR):954kHz/+765mHz
(5)ラジオ栃木CRT(足利:JOXM):1062kHz/+367mHz
(6)文化放送(JOQR):1134kHz/-8mHz
(7)ニッポン放送(JOLF):1242kHz/+2,086mHz
(8)茨城放送(土浦:JOYF):1458kHz/-12mHz
(9)ラジオ日経(JOZ-1):3925kHz/+371mHz
(10)同上:6055kHz/+750mHz
【注:1Hz=1,000mHz】

備考:測定の前後で補正値の確認を行なっている。NHK第一放送:594kHzは、入念に観測すると2つの周波数の間を行き来するように見える。上記の誤差-187mHzと-7mHzの二つがあって、その発生頻度は概ね同じ程度であった。これは他の局では見られない現象である。測定によるものか、真値であるか残念ながら検証できなかった。改めて検討し再度確認してみたい。

ラジオ局の周波数測定は、一旦これでおしまいにする。 だからどうなんだと言うお声もありそうなので、忌憚のないご意見・ご感想などお願いします。(笑)

2009年1月9日金曜日

Sweet Birthday !


ホントは先日だったのだが・・・。
ケーキ屋さんがクリスマスとお正月の反動で連休してたので、これだけ今日になってしまった。 

これの土台はカシス風味の甘くてやや酸味のあるチーズクリームで、間に酸っぱいカシスのゼリーが挟んである。スポンジは無い。 トッピングのベリーは、見ての通りナマのままで、まあ飾りにすぎない感じ。それだけに中身(土台)の味わいが濃〜く出来上がっている。 食べてもらうのが一番なんだが・・・。(笑)

一昨年は大きなミルフィーユ型ケーキで、去年は苦みの利いた大人のチョコケーキだったような・・・。 いつも、ちょっと離れたこのケーキ屋さんがご指名なんです。

#ワンカットだけブラックコーヒーをお供に頂きました。 Happy Birthday !

2009年1月6日火曜日

【測定】ラジオの周波数

昨日の続きである。

今夜は、幾つかのAMラジオ放送局の周波数を同じように測定してみた。 なお、再校正してみたが、オフセットの補正量は概ね同じで良さそうだったので、それで補正している。
(写真は測定とはまったく無関係。写真がないと寂しいので貼ってある・笑)

注意:
(1)以下の結果は、対象となった局の優劣を示すものではない。
 どのラジオ局も無線設備規則を十分以上に満たしており聴取には何らの支障もない。
(2)測定値は2009年1月6日20〜21時のある瞬間のものである。
(3)局により、S/Nの違いから、標準偏差の違いが見られたが値は省略した。
(4)数字には測定系の誤差及び、測定者に起因する何らかの誤差が含まれている。
(5)測定日時が異なれば、結果が大きく変わる可能性がある。
(6)誤差は±50mHzくらいあると考えるべきである。

測定結果:
コール 公称周波数   誤差
JOAK 594kHz -278mHz(再測定)
JOAB 693kHz +79mHz
AFN 810kHz -1,160mHz
JOKR 954kHz -48mHz
JOQR 1134kHz -42mHz
JOLF 1242kHz +1,882mHz
JOCR 558kHz +2,114mHz(S/Nが悪いので参考値)
(mHz:ミリヘルツ=1/1000Hz)

なお、JOAKについては再度測定してみた。昨晩が-214mHz/σ=93mHzであったので、偏差などを考えるとそれなりの再現性はあるようだ。(お願い:十分な検証が行なわれた結果ではない。数字が一人歩きしたら困るので、他所での数値の使用はご遠慮願いたい。ご自身のBlogなどで話題にしたい時はこのBlog全文が参照できるようリンクで対応して欲しい)

各局の誤差に大きな偏りは見られず、測定系に起因する大きな誤差はなさそうである。JOKR(TBS)及びJOQR(文化)の誤差はたいへん小さかった。 これらの局の実測値は、測定系に起因する誤差であって、真値は非常に正確である可能性がある。もしそうだとすれば高精度なOCXOや原子周波数基準(おそらくRb)でオンエアしているのかも知れない。まさか、測定されても良いように入念に合わせ込んでおいた訳でも・・・。(爆)

以上、夜間は混信やノイズが大きくで測定し難かったことを付け加えておく。

【測定】NHKラジオの周波数

ARRLのFrequency Measurement Testと言うのがある。

幾つかのフォーマットがあるが、例えば160m/80m/40mでオンエアするW1AW局(ARRLのメイン局:JA1RLのようなもの)の周波数を実測して精度を競うと言うもの。

その昔、JAでもJARL主催の同じ様な催しがあったのを思い出す。 しかし、その精度たるや雲泥の差であろう。 何しろ、今のARRLのそれは誤差1Hz以下のレポータが続出である。(笑)

その参加者の一人、Jack Smith/K8ZOAの測定方法が興味を引いた。まったく同じ測定器は持ってないが、あるもので同様な結果が得られそうである。 なお、ARRLのコンペは今夜やっている訳ではない。中波ラジオ放送の周波数を測定してみることにした。

どうやら『米国の中波ラジオ局はそれほど高精度ではない』らしいのだ。 FCCの規定によれば中波ラジオの周波数は20Hz以内の誤差ならOKらしい。彼の測定では20Hz以上ずっこけていた恥ずかしいラジオ局もあったようだ。まあ、アメリカのAMラジオ局なんて、かなりいい加減そうだからねえ・・。(笑)

そう言えば、NHK第一放送(JOAK)が鳩ヶ谷にあったころ、見学したことがある。当時は590kHzだったと思うが、ごく普通の水晶発振子がシャシの上に見え、6CL6(真空管の名前)で発振させていた。水晶発振子はオーブン入りではなかったから、それほど高精度ではなかった筈である。 もっとも、今は機器も更新されていて、少なくともOCXO位にはなっているとは思うのだが・・・。(?) いちど菖蒲町の送信所を見学してみたいものだ。

こうしたラジオ局のオンエア周波数の精度が現在の技術で測定するとわかるのだと言う。 今夜は取りあえず、小手調べと言うことで、たぶん『とっても高精度なはず』のNHK東京第一放送JOAK(公称594kHz)でやってみた。

測定についてごく簡単に言えば以下の通り:
下段の選択レベル計:hp 3586Aで受信し、キャリヤ計測モードで出てくる1850HzのAF出力を上の周波数計:hp 53310Aで精密に周波数分析する。(統計処理も行なう)これら2つの測定器へはGPS周波数基準器:hp Z3801Aから10MHzを基準として供給しておく。 なおあらかじめ校正し機器に由来する潜在的なオフセット(この例では-327mHzだった)を求め、実測値を補正する。(mHz:ミリヘルツ=1/1000Hz)

さて、気になる結果である。NHK東京第一放送JOAKのオンエア周波数は、593.999786KHzではないかと思われる。(STD DEV:標準偏差は約93mHzであった) 今夜は小手調べなのでミスがあるかもしれない。しかし、どうも約0.214Hzだけ下でオンエアしているように見える。(ホントかなあ?・笑)

もちろん、たとえ-0.214Hzの誤差(-0.36ppm)があったとしてもAMラジオ局としては十分すぎる精度だろう。(日本の無線設備規則では中波放送局の周波数精度は誤差10Hz以内となっている) 明日は別のラジオ局を測定してみたい。メンテのお方は良く合わせておいて下さい。(爆)

2009年1月3日土曜日

【睦月】CQ 誌・1月号(お年玉付き)

CQ Hamradio 2009年1月号:
10日も前に出てるから、既に昨年のことだが、CQ誌2009年1月号を簡単に紹介しておく。

オマケはハム手帳とカレンダーの2点である。シャックで使うなら、このカレンダーも悪くない。各社主要機種がテーマになっている。(飾ると欲しくなる?・笑) ハム手帳は概ね例年通りで、これは定番なのだろう。

今月号の特集記事は、『2009年のアマチュア無線界』とある。以下コメントは一読者の戯れごとゆえ、考えを異にしても目くじらを立てぬように。(爆) その概要は:
(1)サイクル24の太陽活動:太陽活動が非常に静穏であると言う話しでおしまい。(?)
(2)バンド拡張:3月30日から7MHzが拡張される。QRPerには朗報か?
(3)新バンド:波長22000mの135kHz長波バンドが解禁されるようだ。

私的には(3)に興味がある。RSGBの冊子をだいぶ前に見て興味を持っていた。記録では数100kmも飛ぶようだが、EIRP=1Wで実感としてどれほど飛ぶものなのだろう? まずは受信用Loop-ANTの製作からか?  受信機はNRD-XXXを持ち出すより、PCで処理するソフトウエア・ラジオ式がBestであろう。手送りCWで古(いにしえ)を味わうなら管球式1-V-2が良いのかも。その際はmt管など使わず、58-57-56-2A5-80と言った2.5V級ST管のラインナップでお願いしたいものだ。(爆)

(1)にあるようにSSNはゼロに近く太陽は静穏である。以下記事には無いことだが、『MUFは低く、DXerは低い方に集まる。明らかにHF帯Low-Bandがメインだろう。この機を逃すと次は約10年後だ。5-Band DXCCを目指すなら、2009年はこの辺がポイントになりそうだ。』以上、ここまで書かないと意味は無いと思うが・・・自分で考えろと言うことか?

(2)で7MHzが拡張され、7050kHzまでCWバンドが広がるなら、W局のQRP-CW周波数が含まれるようになる。数Wでの2Way-QSOは容易になるだろう。しかし、総務省案ではそうではないらしい。ただ、現状のJA-QRPerがメインでオンエアする7003kHz/CWは如何にもマズいので、この際見直すことを提案する。こんなところに皆で出るから邪魔者扱いされるのでは?(笑えない)

なお、どの記事もトピックス的で、「では、どうするのか?」が抜けてる感じ。4〜6ページの記事では無理も無いが、焦点を絞って紙面の大半を費やすような特集を組んだら保存版になるのだが・・・編集さん如何?

他に、一部で話題になった記事を紹介しておく。
表紙写真はツナ缶に2石送信機を組込むTuna Tin Twoというものだ。Kitも存在する。日本式はサバ缶じゃダメかな?(笑)

ただし、このテーマは既に10年も前からWeb上にあるのだから今更である。その有名なTT2のwebギャラリーはこちらにある。 結局、web記事の焼き直しの感は否めず。 もちろん筆者の責任ではないだろうが。 どうやらネットに無縁な読者に配慮した温情企画なのであろう。

巻頭にはJAXAによる月探査衛星「かぐや」の寄稿がある。アマ無線に直接関係ないが、わかり易く月探査活動を解説してあると思う。(搭載機器やセンサなど、もっと突っ込んで欲しい気もするが・笑) 本来、HAMはEMEほか衛星通信など通じて宇宙通信でも先進的な筈だが、昨今は老齢化ですっかりレトロ指向に陥っている。何だか悲しい。


さて、お年玉である。いくら何でもCQ誌1月号を各個に差し上げる訳にも行かない。書店でぜひお求めを。 その代わりQST誌1月号を差し上げたい。今どきの某誌よりExperimentalな記事が満載で(?)なかなか興味深い。(恐らく役に立たないと思うけど・笑)

いまからJust 80年前、1929年1月号のPDF版をお送りする。「QST希望」のタイトルで空(から)のメールを『ttt.hiroアットマークgmail.コム』まで。QST添付で返信します。 すでにだいぶ送りましたが、部数制限はありません。(笑) どなたでも可。遠慮せずにどうぞ。 広告ページを含んだ完全版だが、約14MBあるので、低速ネットのお方にはお薦めしない。ご利用のメールボックス容量も事前に再確認を。(今どきmax 2MBなどあり得ないと思うが)=>お年玉の時期も過ぎたのでおしまいにする。(追記:2009年1月12日)

このPDF版は3エリヤ某OMさんご貢献のもの。12月号まで各号順次紹介予定。

古い雑誌は時代背景がわかると一層興味深い。1929年(昭和四年)とはどんなころか紹介しておこう。YouTubeにあった、NHK『映像の世紀(第三回)』が最適だったのだが、著作権侵害で削除されたようなので、別の画像に入れ替えた。社会・経済状況は2009年はどちらかと言えば、1930年と対比できるかもしれない。1929年は(2008年のように)米国で株式が破綻し世界恐慌へ一気に突入した年であった。その後の歴史は民族主義やファシストの台頭、WWIIへの道を歩むことになったのであるが・・・いまの閉塞感は同質かも知れぬが、そこまで同じ道筋を辿るのでは危険すぎる。

今般の不況について、報道関係及び各国政府は「世界恐慌」の四文字は意図的に避けているように見える。あるいは禁じているのかも知れぬ。しかし現実は第二次「世界恐慌」である。誰しも映像を見れば類似性(同一性)を感じるだろう。過去と同じように回復は容易でないだろう。