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2011年3月14日月曜日

【HAM】 Emergency Rigs

●2011年3月11日14時46分・・・東北地方太平洋沖地震・・・が発生した。

この地震に被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
また、救援復旧活動に従事される皆様に感謝致します。

当地も激しく揺れたが、さしたる被害が無かった幸運に感謝している。

 災害発生時に於ける、日常の備えについては既に多くが語られている。もし在宅中の災害発生であれば有効活用し得る可能性も有る。救援が届くまで自身や家族を守るために各自で最低限の備えは行なっておきたいものだ。

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 非常時にどの程度の意味があるのか実際は未知数である。しかしアマチュア無線局の視点で何か出来ることは無いか考えてみたい。 もちろん、こうした機器が非常通信で必要にならぬことが一番であるが・・・。

FT-70GC】(八重洲無線)
 2〜30MHzをカバーするHF帯のSSB/CW機だ。Powerは10W出るのでアンテナ次第ではかなりの通信距離がある。FT-817よりパワーが大きいのは有利だが大きくて重い。受信も送信もジェネカバである。

 電池寿命は連続数時間であるから長時間の停電が起こればじきに使えなくなってしまう。 移動用車両に搭載した無線機と連携し、徒歩で探査した状況を伝達する用法が適当ではないか。そうなれば車載用充電器の備えも必要だろう。

 十分なDC電源(12V)が確保可能なら、半固定局を設営して遠距離間の連絡にも使える可能性がある。 その場合は可搬型アンテナ・チューナもセットで用いるべきだが徐々に大掛かりになってくる。

PRC-74B】(米陸軍:ヒューズ社製)
 2〜16MHzをカバーする。元々はUSB/CW機であるが、写真のものはLSBも出せるよう改造してある。 HF帯のHAM-Bandは3.5、7MHzではLSBで運用されているからUSBだけでは困るからだ。具体的にはFrequency Generator Moduleを新たに作り替えてUSB用だけでなくLSB用のキャリア発振も可能なようにした。PLL回路を使った完全オリジナルな回路である。

 下部の電池ボックスには、専用充電池が使われるのであるが、その供給が最大の問題だ。米軍なら兵站でカバーできるかもしれないが・・・。 可搬型ではあるが、半固定用と考えて運用すべきかもしれない。アンテナ・チューナを内蔵し十分なパワーもあるので有望だろう。 但し、そう考えると今なら車載電源で運用可能なHF機は幾らでもあるから、それを使うのがベストと言うことになる。


KX1】(米エレクラフト社製キット)
 7MHzを主に、10、14MHzのCWでオンエア可能だ。CWのみだから十分な意思疎通には電信の技量を要するのが難点かもしれない。 しかし少ない電力で長時間動作するし、広い電源電圧を許容するから非常用としても有効だろう。

 オートアンテナチューナも内蔵するから、許容するアンテナの範囲も広い。 大きめの金属物体をアースとして任意長のロングワイヤでオンエアすることも十分可能だ。 普段滅多に使わないリグだが、1.5Vで単三サイズのリチウム乾電池(長期保存性に優れる。但し充電はできない)を入れてある。 アンテナ用のワイヤ類とイヤホンなど、必要品一式を非常袋に入れておく必要を感じた。もちろん外部電源用のコードとアース用配線も合わせて。

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 グループ間の近距離通信ならV/UHFハンディ機が有効だ。もちろん、そうした機器も対で確保しておきたい しかし地形の関係や、かなり孤立した状況下で連絡手段を確保するにはHF帯が有効ではないだろうか。 UHF帯のリピータが継続して使えるのは商用電源が活きている場合だけだ。

 車載機でHF帯を運用した経験から言えば昼間の7MHzと夜間の3.5MHz は数10kmから1,000kmあたりまで、SSBで十分な実用性があった。 アンテナは車載のホイップ・アンテナである。 半固定で比較的大きなアンテナが設営できるならより安定した通信を確保できる。 機材一式もさして大掛かりではない。工夫すれば常時車に載せておくことも可能である。

 緊急事態に臨みHAMとして何か可能かと考えるなら準備の意味はあるだろう。 インターネットに代表される通信ネットワークは災害には脆いものだ。 最後は既存の通信インフラに頼ること無く、ポイントとポイントの間を結ぶ無線通信機器が有効に機能することになるのだろう。アフリカで活動するNGOのHF帯活用事例にも示唆されるものがあった。

 もちろん、こうした事態が起こらぬことを祈っている。 de JA9TTT/1

非常時対応は常に維持してこそ意味がある。しかしそれが一番難しいことだ。

(おわり)