EX

2013年3月17日日曜日

【部品】Radio Chip TA2003P : Part-1


AM/FM Radio Chip : TA2003P
 自作向きAMラジオのチップと言えばLA1600があまりにもポピュラーです。 AMラジオのIC化はかなり早くから進んだので、過去には色々なAMラジオ用のICが登場しました。しかし今はあまり残っていません。LA1600も生産終了したと言います。 そこで、AM/SSB/CWモードと言ったAM系の受信機製作にAM/FMラジオ・チップのAM部を使うのも選択肢の一つになってきました。

 TA2003Pはもともと東芝が開発したチップでしょう。既に製造は終了していますが写真のようなセカンドソースが手に入ります。 FM/AMと言うこともあって、AM専門のLA1600よりやや高めですが、それでも100円少々で売られています。ですからFM部を使わなくてもそれほど損とも思わないでしょう。(入手先:aitendo e-エレなど)

 TA2003Pの特徴を言うと省部品と無調整化に徹したラジオ・チップと言うことです。 AMもFMも正規のスーパー・ヘテロダイン形式です。従って、トラッキング調整だけは不可欠ですが、セラミック・フィルタを使えばIFTは要らない設計なのでIF部の調整は一切必要ありません。 FMモードもセラミック・ディスクリを使えばIF部は無調整化できます。 なおAM部は中波帯MWバンドだけでなく、短波帯も行けます。メーカーの参考資料には22MHzまで受信する短波付きラジオの例が記載されていました。

TA2003Pの内部ブロック・ダイヤグラム
 残念ながら、SSBやCWモードは考慮されていないチップです。 しかし、少し工夫してみたいと思います。 455kHzのIFフィルタもAM用なら一般的なセラフィルが直結できます。 しかしCW/SSB用の『世羅多フィルタ』はインピーダンス・ミスマッチなので変換トランスが要るのは仕方ないでしょう。

 FMラジオの機能は50MHzバンド受信機のようなFMモード付きには使えるかもしれません。 但しFM部分にはあまり興味がないのでAMラジオの部分に特化して検討を進めてみたいと思います。 旨くすればコンパクトで高性能な組み込み用の『受信部』を構成できるのではないでしょうか。 メーカーの資料によれば短波帯も意外に高感度です。 共振した外部アンテナを使うのが前提の我々HAM用にはこのチップ単体で十分な感度が得られそうです。もしGain不足でも2SK241etcのRFアンプで補えば良いでしょう。(但し,それはあまりやりたくありません。低電圧、省電流のチップなのでRFアンプを付加すれば多信号特性は劣化します)

                 ☆ ☆ ☆

 ラジオ初心者にはスーパー・ヘテロダインの理解は未だ難しいのでしょう。せっかくのLA1600をストレートラジオで使う例もあるようです。 このBlogにあるLA1600の記事に「LA1600」と「ストレートラジオ」と言ったキーワード検索で辿り着くお方も多いようです。 もちろん、ここにそうした使い方は存在しないので検索ミス・ヒットです。(笑)

 TA2003Pをストレート形式で使うことも可能かもしれませんが、やはりスーパー・ヘテロダインで使うのが本筋に違いないでしょう。 使用する2連バリコンを決めてしまえばトラッキング回路の設計もそれほど難しくありません。 特に中波帯MW専用にはトラッキングレス・バリコンを使うのがお薦めです。使うバリコンが決まればアンテナコイルと局発コイルもほぼ一義的に決まってしまいます。更にTA2003PはIF=455kHzのセラミック・フィルタ直結なので無調整に出来ているのでトラッキング調整も簡単です。 初心者向けの内容は意図していませんが、そのあたりもPart-2では触れるかもしれません。 de JA9TTT/1

                  −・・・−

参考追記:TA2003については2001年頃と、2005年頃に話題になったことがあるようです。(JG1EAD仙波さんの自作プラーザ、他による)これはそのころ売られていたダイソーの300円ラジオに使われていたからです。 ラジオとしての探求もあったようですが、HAM用の活用を見出そうとしたようでした。しかし、その後は立ち消えになった模様です。 素材としてあまり魅力的では無かったのかも知れません。周回遅れの実験になりそうですが、新たな視点でやってみたいと思います。何かブレークスルーが見つかるかもしれません。(2013.3.18)

つづく)←続きにリンク