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2014年3月20日木曜日

【HAM】 136kHz Transmitter on a Breadboard

ブレッドボードに136kHz送信機

全体を見る
 ブレッドボードで少々規模の大きな回路を試みるとして始めた製作もいよいよ最終回だ。ブレッドボードの範囲はここまでとなる。

 ブレッドボードの製作は開発試作が目的だ。状況を見ながら進めて来た。載せられる回路にも限度があって高周波のパワーものはどちらかと言えば適当ではない。 この送信機の場合、ここまでをブレッドボードの範囲と考えている。この先は作り方を変えることになる。

                     ☆

 前回(←リンク)はヘテロダイン・ミキサまで載せたところまでだった。その後、136kHzのバンドパス・フィルタ(←リンク)とフィルタの後に付けるポストアンプ(←リンク)を個別に扱った。 それらの部分は過去に十分な実績が無く新たに設計から検討する必要があったからだ。 それぞれ旨く進んだので、再びブレッドボードに戻って先に進めることにする。 毎度書くのも気が引けるが個人のメモ用あるいは暇つぶし用コンテンツなのでそのおつもりでご覧を。基本は自家用につき多分に過不足のある内容だがご容赦を。技術的には書いてしかるべき内容でも誰が見るかわからないBlogには書いておけないこともある。

 写真右の中段には既にお馴染みの中華DDSモジュールが載っている。この部分も起動させる予定だったが、マイコンは載りそうだが表示部までは無理そうなのでここまでとした。写真の中華DDSモジュールは搭載されていた125MHzクロックに問題があった個体で、外してしまい代わりに外部より12.8MHzを供給する。 ブレッドボードの左下の12.8MHz TCXOの左には74HCU04を使ったバッファ回路が搭載してある。ここから細い同軸でDDSまでクロックを引いて行くつもりでいた。本番でも同じ回路で行くことにしている。

136kHz BPFとポストアンプ
 前回はミキサーの試作まで進めていた。写真はその後追加になった部分のクローズアップだ。

 前回の簡易評価ではミキサの出力回路に簡単な同調回路を入れて様子を見た。 その形式のまま同調回路を重ねる方法もあったが、しっかりしたバンドパス・フィルタができたので変更することにした。

 ミキサの両コレクタ負荷は約1kΩ程度になるよう最適化する。同時に回路の出力インピーダンスも600Ωにうまく整合するよう考える。 これはバンドパス・フィルタの特性を生かすために重要なことだ。 同じようにフィルタ後のアンプも入力インピーダンスが600Ωになるよう設計している。前々回の寄り道の通りだ。

 ミキサの出力回路については、幾つかの候補があった。シングルエンド形式にしてしまい、抵抗負荷で行く方法が一番簡単だ。しかしダイナミックレンジはなるべく広くとれるようにしたい。そう考えると抵抗負荷式は不利だ。 同調コイルに中点タップを設ける形式か非同調の整合トランスを負荷にするL負荷方式が有利だ。 ここでは後者の整合トランスを使う形式を採用してみた。この部分での周波数選択性は無くなるが135kHzのバンドパス・フィルタがしっかりしているので問題は無いだろう。

ミキサ出力トランス
 ごく標準的な構造のトリファイラ巻きのトランスだが製作に当たっては使用周波数に注意が必要だ。135kHzは低周波ではないが、RFとしてはかなり低い。従ってトランスの各巻線は大きめのインダクタンスが必要になる。要するにたくさん巻く必要がある訳だ。

 後に続くフィルタの特性を考えるとインピーダンス・マッチングを良くしたい。 結果ミキサの負荷インピーダンスは1.2kΩ程度を予定する。 トランスの巻き線インピーダンスはその数倍以上が必要になる。 周波数も考えればだいぶ大きなインダクタンスが必要だ。

 数mHでも行けるかと思って試作したらインピーダンス変換比が不正確で使い物にならなかった。 結局、それぞれの巻線が約13mHくらいのインダクタンスになるよう再製作して概ね満足できるようになった。 コアは次項で説明するTDKのH5A材のトロイダルを使った。巻線はφ0.15mmのUEW線を3本撚りにして53回巻いた。巻線長は約60cmである。 巻くのは大変そうに思うかもしれないが、巻線を用意してから15分もあれば作れる程度の作業だ。むしろ十分注意すべきなのは結線の間違いだろう。

 必要なインダクタンスを持った既成のトランスがあるかもしれない。しかし見つかったとしても納期と費用が掛かりそうなので自家製で行くことにした。

TDKのトロイダルコア
 米国アミドン社のコアの方がずっとポピュラーだが国産ではTDKが各種作っている。 写真はTDKのH5A材のトロイダルコアだ。 内径が5mm、外径が10mmで厚みが2.5mmと言うもの。(型番:H5A T5-10-2.5)

 なるべく少ない巻き数で必要なインダクタンスが得られるように、コア材には透磁率:μが大きなものを選んでいる。たまたま手持ちがあったので使ったが標準在庫品ではなくて特注が必要なようだ。たぶん最少発注数量と納期の問題があるだろう。 従って類似のトランスを作るなら一般市販のアミドン製トロイダルコアから適当な物で代替すると良い。 H5A材は初透磁率μiac=3,300で500kHzあたりまでの周波数に適するフェライトコア材だ。 アミドンなら#75材が適当そうだ。FT-50-#75コアに60回×3本巻きすれば概ね良いはず。

 アミドンでは#43材がポピュラーだが、透磁率μiが800程度しかないので巻き数をかなり多くしないと同じインダクタンスが得られない。もし#43材で行くならコアサイズをずっと大きくして対処する方法が考えられる。

修正版ミキサー回路
 前回既出のMC-1443を使ったミキサー回路だが出力トランスの部分を上記のトランスに変更した。 バンドパス・フィルタも含めて書き改めておいた。この部分の出力インピーダンスは600Ωである。

 MC-1443に与えるDCバイアスはブレッドボード上の他所から貰っているので現況に合わせた回路に修正しておいた。

 レベルを変えながら試してみたら、局発としては少なくとも1Vpp程度欲しいことがわかった。 それ以上大きくしても違いは僅かだ。 1Vppよりもレベルを下げて行くと変換利得が急に下がってしまう。 また同じ歪みでみた最大出力レベルが下がってしまいダイナミックレンジも抑制される。従って1Vppを基準としておく。

ポストアンプ部分
 前々回のBlogで寄り道したLM359N:ノートン・アンプを使った高周波増幅部である。 135kHzのフィルタを経た約60mVppの信号を3Vppまで増幅する。 ゲインは50倍(34dB)である。

 ICを使ったので周辺部品も僅かで済み、かなりコンパクトに製作できた。 周波数特性、ノイズ特性ともに良好である。 ブレッドボードに作ることで多少心配もあったが問題はなかった。 但し帰還抵抗に数pFがパラに入る関係で周波数特性は伸びないだろうと思う。 もちろん136kHzの増幅には無関係な周波数での話しなので支障はない。

LM359Nのアンプ回路
 既出であるが、上記のアンプ部の回路図である。 実際の回路では多少省略も行なったが、本質部分は同じだから変化は感じなかった。

 フィルタに合わせ、600Ωの入力インピーダンスに設計した。 性能がわかっている回路は安心感がある。


出力波形
 入力端子に1kHzのシングルトーンを入れときの出力波形だ。局発は115kHzなので周波数は136kHzである。 基準レベルとして3Vppで使うことにした。 写真では2.7Vpp程度だが、もう少し大きい3Vppに合わせて以下の評価を行なった。

 オシロで見た範囲ではもっと大きな信号レベルでもきれいな正弦波に見える。もっと大きくても良さそうに感じたが、スペクトラムを観測すると3Vpp程度を常用上限としておけば信号の品質が維持できそうである。 飽和レベルはずっと大きくて6Vpp以上へ伸びている。

BPFの効果確認
 まずは、136kHzバンドパス・フィルタの効果を検証してみた。 周波数変換に使う115kHzの減衰と、変換逆側に発生するイメージ信号の減衰を見よう。

 写真の様に115kHzの漏れは主信号に対して約-60dBであった。 スペアナで見てしまうと、すこし大きいように感じるが一般的には十分な減衰量だ。 ミキサのバランス調整を行なえはもう10dBくらい下げることができる。どうやらブレッドボードでの製作なのも不利なようだ。

 -40kHz離れた変換イメージ信号の方はノイズフロアに近いのでまったく問題ない。 なお、局発に157kHzを与え「差のヘテロダイン」で136kHzを取り出してみたが、むしろ良好なくらいで同じように使用できることがわかった。

 目的信号のやや上に見えるスプリアス信号はブレッドボード故に発生しているようだ。ミキサの動作を止めても見える物で、GND系配線の引き回しを変えると変化する。従って、20kHzのキャリヤを作る部分は良くシールドするなど対策する方が良さそうだ、 もちろん、写真のレベルなら何ら支障ない大きさだ。

目的信号の近傍を見る
 気になるのはSSBフィルタの通過帯域幅で見られるノイズフロアの大きさではないだろうか。 もっと多段増幅している市販のRigではさらに目立つこともあるのでそれほど問題では無いかもしれない。低周波入力端子をGNDにショートしても変化が無いので、初段アンプのノイズが大きめのようだ。

 主信号の2kHz下に逆サイドが見えるがこれは先の評価の時と同じで、使用したSSBフィルタの特性によるものだ。この程度であれば支障はない。 ほか帯域外のスプリアスは上記のようにブレッドボードを使った製作に起因する模様だ。

ノイズフロアを下げるには
 実用上の支障はないとは言ってももう少しノイズを低減したいところだ。 入力部にあるアンプをパスしてバラモジに直行するようにしてテストしてみた。

 見ての通り効果てきめんだ。 ゲイン分だけノイズフロアが下がった感じもする。初段アンプを何とかした方が良さそうだ。 もっとノイズの少ないOPアンプに交代するとか、ローノイズTrやJ-FETを吟味してディスクリートで作ろうと思う。 大した努力はせずに10dBくらい低減できるはず。

DDS局発部はまだ
 制御用マイコンだけなら搭載可能だがLCD表示器も一緒に載せるのは無理がある。 テストでは外部信号源に頼ることにした。

 最終的にはAD9850を使った中華DDSモジュールを使う。 信号純度に問題のあった125MHzクロック発振器は外してしまった。 この送信機に必要な周波数はせいぜい1MHzくらいまでなので12.8MHzのクロックでも十分すぎるほどだ。
 12.8MHzのTCXOは周波数安定度も良くきれいな発振だから信号純度にも問題は無いし、クロック周波数を低くするとDDS-ICの消費電流もかなり減ってくる。 なお、この中華DDSモジュールに関しては右の「同じジャンルの話題を楽しむ」から「DDS」をクリックして関連Blogをご覧頂きたい。

 発生周波数の刻みはクロック周波数を2^32で割った値なので12.8MHzにすれば周波数分解能もアップする。具体的には約0.0029802Hz刻みとなる。例えば115kHzに対して近傍の周波数は約115000.000596Hzなので0.005ppmほどの誤差になる計算だ。 まあ周波数分解能の心配よりもTCXOの周波数安定度が気になると言った方が良いだろう。 WSJT-Xのように細かい周波数精度と安定度を必要とする超低速デジタルモードにも心配なく使える訳だ。それ以上はTCXOではなくOCXOやRb-OSCの世界が待っている。

 ところで、DDS発振器では連続的な発振周波数が得られないとして、クレームをつけて来たお方がいた。確かに理屈はその通りなのだから否定はしない。しかし実用面で見たら0.003Hz以内の周波数刻みで細かく設定できるのだから連続と比べて何らも違うまい。(125MHzのクロックを使ったとしても約0.03Hz刻みである) バリコンのVFOなら完全な連続だと言うかもしれないが、ではDDSと同じ所まで細かくチューニングすることはできますか?・・・と言うことだ。しかもその状態をずっと維持できるのですか?・・・と問われれば、まずもって不可能と言う答えだろう。DDS発振器は「連続でない」などとイチャモンの前に現実を良く見た方が良い。実用性能で云々すべきだ。 理屈も必要だがエレクトロニクスは使える物を作る為にあることも忘れまい。あとは理想と現実のギャップを掌握しておけば良い。(笑)

                ☆ ☆ ☆ ☆

 大きなブレッドボードに規模の大きな回路を載せる試みで実験を始めた。 長波帯の送信機なので周波数は低いからトラブルにもなり難い。 そう思った通りなかなか旨く進んだと思っている。 いつまでもこの製作だけにブレッドボードを占拠させる訳にも行かないので目標の範囲まで進捗して良かった。 この先は基板化するなり、ユニバーサル基板に製作する必要がある。

 ハンダ付けで製作する「本番」の様子が見えて来るまで比較用にもう少しブレッドボード版も残しておこうと思う。 次の製作に使えないのは不便だが仕方がない。 もう一枚買えと言うことだろうか。 実際、小型ブレッドボードをたくさん購入する人もいるそうで、一旦作ると分解するタイミングが難しくなってしまう。ブレッドボードでSSBジェネレータ製作を始めてもう既に4ヶ月くらい経過してしまった。

 実験的な要素が多く含まれる製作にブレッドボードは最適だ。 概略の実験試作が済んだら次は基板CADを立ち上げてパターン化するのが今風かもしれない。 何枚も作らないとしても配線の手間やコンパクト化を狙うと基板化は不可避だろうか。 ここで使ったあらかたのデバイスは面実装品が手に入る。まあ、SSBフィルタとかBPFは外付けにでもしたら良さそうだ。 恒久品に纏めるには別の努力が要るだろうが、実験して遊ぶのにはブレッドボード製作は手軽で面白い。de JA9TTT/1

(おわり)

参考リンク)←「ブレッドボードでSSBを!」の初回へ

参考:Windows XP環境でブラウザがIE8の場合、掲載の写真・図面の色調が乱れることがある。Firefoxなど他のブラザの使用を推奨する。

2014年3月10日月曜日

【回路】More Norton Amp.

【モア ノートン・アンプ:その活用事例から】

Quad Norton Amp.
 前のBlogはLM359Nと言う高速ノートン・アンプの話しで寄り道をした。 寄り道ついでにポピュラーな(だった?)普通のノートン・アンプでもうちょっと寄り道をして行こう。 またまたの寄り道なので、具体的な用途・目的は決まっていないが、いつかどこかで使い道があるかもしれない。回路の素性を掴んでおけば持ち駒が増えたのと同じで、何かの時にきっと役立ってくれる。 ここではオーディオ・ピーク・フィルタ(CW用?)を題材としている。 電子回路の手作りに興味も持つ人には面白い話しだろう。お暇なら目を通されてはいかが?

 写真はナショナル・セミコンダクタ社のLM3900Nとモトローラ社のMC3401Pだ。引き出しの長期在庫品である。(笑)ここでの試用ではどちらもまったく同じように使える。LM2900NやMC3301Pでも良い。これらICの中身の話しは前のBlogに書いたので、そちらも参照を。
 LM3900Nは一時期かなりポピュラーなICだったから部品箱に眠っている確率は高そうだ。持っている(いた?)人も多いだろう。あまり着目もされない地味なデバイスゆえ、お店にあればかなり安価だと予想される。持ってなければ一つくらい仕入れておいたら調理法を考える楽しみが増えてくれる。(調べてみたら若松やマルツにて@100円少々で買える。他所でもまだ売ってるだろう)

バンドパス・ノッチ・フィルタ
 唐突にフィルタを作ってみることにする。アクティブ・フィルタと言えばアナログ系ICの代表的なアプリケーションだ。 LM3900系ノートン・アンプの周波数特性はあまり良くないからオーディオ周波数帯が精一杯だと思う。 従ってフィルタと言ってもここでは可聴域・低周波用と言うことになる。

 図の例では4回路入りのノートン・アンプを旨く使ってバンドパス・フィルタとノッチ・フィルタを構成している。Biquad形式のアクティブ・フィルタ回路である。(図はモトローラ社:MC2900/3900/3301/3401のデータシートより引用)

 バンドパス・フィルタの仕様は、中心周波数:f0、選択度(バンド幅):Bw、そして中心周波数に於けるゲイン:G0と言うことになる。 この簡単な単同調式のフィルタひとつでは高級な特性は無理である。しかし設計はごく簡単だ。関数電卓があれば御の字で、指数表示ができた方が便利だが四則演算ができれば普通の電卓でも設計はできる。まあ、どのパソコンにも標準装備の仮想電卓があるだろうからまったく困らない。

 まずは中心周波数:f0を決めよう。続いてフィルタのQすなわち-3dBの帯域幅:Bwを決める。Qの値は:Q=f0/Bwだ。さらに中心周波数におけるゲイン:G0を決めたら計算スタートだ。なお、フィルタにゲインを持たせるのは本質的では無いと思う。せいぜい数倍くらいにしておいた方が設計は容易だ。このあたりはフィルタ作りのノウハウ部分だろうか? また、コンデンサ:Cも事前に決めておいても良いが、周波数計算の式:f0=1/(2πCR)から求めて組み合わせる抵抗器:Rとの兼ね合いで決めるのがよい。抵抗値が数kΩ〜1MΩ程度になるよう決めれば合理的な範囲だ。E系列で得易い抵抗値に丸めると作り易い。

 この例では組み合わせる抵抗器は62kΩで、4020pF±2%のスチコン(スチロール・コンデンサ)があったのでそれを使うことにする。*1 従って計算上の中心周波数は約639Hzになる。 抵抗器には金属皮膜型±1%を使った。(*1:ここでは、なるべくオリジナルに近い数値でテストした)

 CW用ピーク・フィルタとして検討したいなら3,600pFのコンデンサを使うと良い。中心周波数はそれで約700Hzになる。また3,300pFで800Hz弱となる。ピーク・フィルタとは言ってもQ=3くらいの設計が良さそうだ。

参考:図の回路はDCバイアスの掛け方がノートン・アンプ用になっているため、一般的なOPアンプでは正常に動作しないので注意を。もちろんその部分を変更すれば一般化は可能だ。具体的には+In端子に電源電圧の中点電位を与えてバイアスする。

ブレッドボードに製作
 簡単な回路なので、パーツボックスから部品をピックアップして1時間くらいで製作できるだろう。 もちろん、配線接続に使うジャンパー線は各種用意しておきたい。 このあたりの準備がしてあればごく手軽な実験だ。

 スチコンはリード線が細くて何となく頼りない。そのうえ図体も大きいので、ICのピンの所に直接持って行くと収まりが悪くなる。 リード線を短めにして近傍に実装してからジャンパー線でICまで持って行く。 こうすると構造上安定する感じだ。 アナログ回路は外付けCR部品が多くなる。 ブレッドボードの面積を食うのでゆとりを持ったサイズのボードを使うとやり易い。 余白には入出力端子も引き出しておく。

波形観測・1
 まずは最適なバイアスポイントになっているか動作点を確かめる意味から波形観測から始めてみた。 もちろん信号を入れずにテスタで各部をあたり所定にバイアスされていることは事前に確認している。 なお、電源電圧12Vのとき回路電流は約7mAだった。(無信号・無負荷状態にて)

 低周波発振器から中心周波数に相当する約638Hzを与えている。(638Hzで信号がピークになったので)下段が入力で上段がバンドパス・フィルタの出力波形だ。軽負荷なら最大で8Vppくらいまで取り出せる。 LM3900Nの出力段はドライブ能力があまり大きくないので、重い負荷では振幅を抑える必要がある。

 ゲインは0dB即ち,1倍の設計なので入力とほぼ同じ振幅になっている。但し位相は反転している。 取り出す箇所が反転アンプの後だからだ。 きれいなサインウエーブを入力すると当然のように出力にもサインウエーブが現れる。

波形観測・2
 上記と同じ周波数の信号を与えている。 但し、今度はサインウエーブではなく矩形波を与えてみた。 そして波形の上段がバンドパス・フィルタの出力だ。

 このようにバンドパス・フィルタの出力ではきれいなサインウエーブになっている。 矩形波には基本波の他に奇数次の高調波が含まれている。 フィルタによってそれらが減衰されたため、基本波成分だけが大きく残った結果だ。 それほどQの高くないフィルタでも高調波除去の効果は大きい。

波形観測・3
 今度はノッチ・フィルタの出力を観測してみよう。 ノッチ・フィルタとはある特定の周波数成分だけを除去するフィルタだ。 この例ではバンドパス・フィルタと同じ638Hzの付近が除去される。

 上段の波形がノッチ・フィルタの出力だ。 上段と下段ではオシロスコープのレンジが異なるので上の波形で漏れが大きいように感じるかもしれない。 実際には入力の2%以下の振幅になっている。 無調整なのでこの程度の減衰量なのはやむを得ないだろう。 回路図のAmp4、Pin11に接続された330kΩのうち入力側の2つの何れかを微調整することでノッチの深さ、即ち除去量の改善ができる。

波形観測・4
 矩形波を与えてノッチ・フィルタの出力を観測してみた。 上段の波形がフィルタの出力だ。 基本波成分が除去された図のような波形が観測される。

 こうした機能を使って、ノッチ・フィルタは歪み率測定に用いられることがある。 その為には基本波の除去率が問題になるので入念な調整が必要である。
 
バンドパス・フィルタの周波数特性
 周波数特性を測定してみた。 フィルタ・アナリシスモードをONして観測している。 それによれば、実測による中心周波数は636.7Hzであった。(設計の計算値は638.6Hzなので誤差は-0.30%) またフィルタQは5.31である。(同じく計算値では5.32なので誤差は-0.19%) 部品精度を考えれば、おおむね設計通りと言ったところだろうか。設計の再現性はなかなか良好だ。

 こうした単峰特性のフィルタはCWフィルタ用には少々使いにくいと思う。 もちろんお好みにもよるが・・・。 ピークが鋭過ぎてすぐに相手局の信号が逃げてしまう感じだ。 ある程度の通過帯域域を持ちながら、帯域外の減衰傾斜はもっと急峻なフィルタが欲しくなるだろう。 なおQが5程度なら過渡応答の影響はあまり大きくはない。比較的素直な応答を示す。

ノッチ・フィルタの周波数特性
 ノッチ(谷)の部分の減衰が不十分なのは抵抗器に誤差があるからだ。 先に書いたように、調整で追い込むことが可能である。 本格的なノッチフィルタとして使うならチューニングが必要そうである。

 このフィルタはAC結合なので、ごく低周波の部分ではダラ下がりの周波数特性になる。 またアンプの周波数特性が効いて来るのでオーデイオ帯以上でもダラ下がりの周波数特性になって行く。 単同調回路なので位相はフィルタの中心周波数で大きく回るがあとはだらだらと変化して行く。

参考:測定はしなかったがAmp3の出力(Pin9)はローパス・フィルタ特性になっている。設計次第ではあるが、ユニバーサルなフィルタ・ブロックとして有用な回路だ。

まとめ
 ノートンアンプを使い、Biquad形式でバンドパス・フィルタとノッチ・フィルタを作ってみた。

 この程度のフィルタならMFB形式のフィルタ回路でOPアンプ一つでも可能な範囲にある。 だからバンドパス・フィルタだけで3回路も使うのは何となく勿体なく感じてしまう。 但し、中心周波数やフィルタのQは比較的単純な計算で設定できるし、再現性もよいフィルタ形式として認知されている。一段とHigh-Qなフィルタの実現ではたいへん有利な回路形式だ。 OPアンプの数を厭わないならとても良い回路だと思う。 Biquad Filterはノートン・アンプ専用の回路ではないから小変更することで普通のOPアンプでも同じように実現できる。

 ブレッドボードで試作したが「フィルタ・ブロック」として有用性が感じられるので例の「ブレッドボード・パターン」のユニバーサル基板に移植して恒久化しておこうと思っている。f0を決めるコンデンサとQを決める抵抗器はソケット式にしておいたら良いだろう。

                  −・・・−

 ノートン・アンプを使うと単電源で動作する回路が作り易い。これはなかなかメリットだ。 またLM3900(MC3401)の出力段はA級増幅になっているのでクロスオーバー歪みなど発生しないから安心だ。 マイクアンプのような小レベルの所から使える汎用増幅ICとして重宝だ。トランジスタ代わりに「ちょっとアンプを」と言うのに具合が良い。 簡単な論理回路やタイミング回路にも向いているので、トランシーバの送受コントロールとかVOX回路など構成するのも良い。意外と守備範囲は広いICだ。

                  ☆ ☆ ☆

 実験していてノートン・アンプが登場したころを思い浮かべた。雑誌には新種のOPアンプとして(大々的に?)紹介されたと思う。 ただ、いま思うとそれは間違いだったようだ。 事実、ナショセミ社のデータシートにはOPアンプと大書きされてはいない。 大々的にノートン「OPアンプ」と書いているのはモトローラの方だ。これには大いに惑わされた訳だ。

 ちょっと見るとOPアンプちっくに動作はするが+入力端子はどちらかと言えばバイアスポイント設定用の端子である。(・・と考えるとわかり易い) バイアスポイントを設定してしまえば、アンプとしては単なる反転型負帰還アンプでしかない。 ノートン・アンプは非反転アンプではあまり使わないのだ。(使いにくいから) ノートン・アンプをOPアンプ的に使う回路例はそれほど多くない。

 昔々、何となく使い難いと感じたのはそうした見極めができなかったからだろう。ノートン・アンプをOPアンプの仲間だと思っているならいつまでも惑わされ続けたに違いない。これまで少々曖昧な理解だったノートン・アンプもこれでだいぶスッキリした。 扱うのはこれが最後と思うが、わかって使えば意外に便利なアンプICである。ちょっと古臭いけれど持ち駒の一つになってくれたようだ。de JA9TTT/1

(おわり)

参考リンク)←136kHz送信機エキサイタ部の纏めにリンク

2014年3月1日土曜日

【部品】LM359N Norton Amp.

LM359N型ノートン・アンプ
 136kHz帯送信機製作の途中でまた少し寄り道をする。 もちろん無関係ではない。 ヘテロダイン・ミキサ後のフィルタ通過で下がった信号レベルを取り戻す必要がある。 136kHzと言う周波数は低いようでも汎用OPアンプにはだいぶ高い。 汎用品より高周波特性の良いアンプが必要なので高速ノートン・アンプの使用を検討している。 これは多分に自身の部品事情を反映したお話なので他人にノートン・アンプを推奨する意図はまったく無い。またまた「レアな部品を使ってる!」等というご批判はご勘弁を。(笑)
 なお、近ごろアマ無線界では広帯域トランスを使ったノイズ・レス・フィードバック形式のRFアンプもノートン・アンプと呼ぶことが多い。むしろそちらの方がポピュラーかも知れぬ。電流で負帰還することに類似性もあるが、ここで扱うのは別ものだ。

ノートン・アンプの基本:まずはLM3900から
 ノートン・アンプとは何であろうか? Wikipediaでも参照してもらえば良いかもしれないが、「単電源動作で±入力を持った電流差動型アンプ」のことである。

 何のことか、ピンとこないとは思うが、要するに左図のようなエミッタ接地型アンプ(Q2)の出力をエミッタ・フォロワ(Q1)で取り出す形式のアンプが増幅器の基本だ。

 ディスクリートでも良くある形式なので特に目新しいものではない。 Q1のエミッタからQ2のベース(反転入力端子:In-)へ負帰還を掛けてやれば帰還型の増幅器になるが、もう一工夫して+入力端子(In+)を設け電流差動形式になるようにしたのがノートン・アンプである。初めて市販されたのがLM3900シリーズであった。なお、このシリーズにはLM2900N/LM3900Nのほか、モトローラ製の互換品、MC3301P/MC3401Pがある。いずれもピン接続を含め機能・性能は同等だが保証温度範囲や最大電源電圧など幾つかの規格に差があるので使用時には確認しておきたい。一時期は両社の互換品が他社からも登場したが今では殆ど姿を消している。

LM3900の等価回路
 長くなるので途中の設計経緯は省く。IC屋としては興味深いが一般人には退屈なはず。 ICとして実用形式に纏めたものが左図のような等価回路でナショナル・セミコンダクタ社(現在はTI 社に吸収合併)から登場した。(1972年頃か?)

 GNDへ向いたダイオードとその右のQ6と言うトランジスタが+入力端子を付ける為に追加した部品だ。 これによってIn(+)とIn(-)の電流差が増幅される形式になる。 詳しい仕組みや動作解析についてはメーカー(TI社)のサイトに詳細な資料がある。活用を試みるならナショセミ時代のアプリケーション・ノート:AN-72とAN-278は必読だ。 逆にほかにはもう目ぼしい資料も無くなっている。 要するに20世紀に置いて来たテクノロジーなのであろう。

 もちろん、今でも有用性が失われた訳ではない。しかし代わって扱い易い「電圧帰還型」のOPアンプが全盛になったので意味も薄れてきたと言うことだ。 低電圧でレール・トゥ・レール型のIn/OutをもったC-MOS OPアンプの登場で単電源動作に特化したICの必然性もだいぶ薄れたのだろう。 やや遅れて登場した片電源用OPアンプ:LM324Nも強力なライバルであった。

ピン接続図
 私が思うに、この妙なピン配置も馴染めなかった理由の1つだと思う。 4回路入りOPアンプの常識とは外れたピン配置になっている。

 TTLなど多くのICで半ば約束ごとのようになっていたコーナーの14番ピンが+Vccで、7番ピンがGNDになるように配置したのであろう。しかしあまり合理的ではなかったようだ。 Amp1の+入力端子がAmp2の側に出ているなど、4回路入りOPアンプの常識では考えられないピン配置なので注意を要する。
 但し、アプリケーションを良く吟味すると+入力端子を片端に寄せたのは深い意味があったこともうかがえる。応用面を含めて考えれば近くに並んでいる方が合理的なのだと言う判断だ。

 結局、このLM3900(MC3401P)と言うQuadアンプはOPアンプではなく、片電源で使う汎用のアンプ・ブロックなのである。 OPアンプと類似だろうという先入観で扱うと不自然さばかり感じることになる。 そのように使うモノでは無いのだ。

LM3900NとMC3401P
 今や開発メーカーのナショセミ社もTI社になったし、モトローラ社もONセミ社になっている。 LM3900は表面実装タイプのみ供給が続いているようだ。 MC3401Pは既にディスコンの模様である。 何個か手持ちがあったので撮影しておいた。

 なお、機能・性能はこの両者ともに同等だが、MC3401Pは最大電源電圧がやや低いので要注意だ。 LM3900Nが+32V、MC3401Pは+18Vが最大定格である。12Vで使っているなら互換できる。

 これから使うのはLM3900やMC3401ではないが、元祖ノートン・アンプと言うことで扱った。 これらも勿体ないので将来何かの機会に使ってみたい気もする。 ただ、特に何か良いことがあるわけでもないのでおそらく使うこともなさそうだ。

 ノートン・アンプには特徴を活かした面白い各種の応用があった。だから少し古い回路集にはノートン・アンプの応用例もかなり見うけられる。それらは他のOPアンプでは代替が効かないケースが殆どなので要注意だ。再設計は面倒なことが多いからそのまま作る方が良い。今でもLM3900Nの入手は難しくない。なお、LM3900NでLM2900N、MC3301P、MC3401Pの代替ができると考えて良い。

参考:続きとしてLM3900Nのような普通のノートン・アンプをアクティブ・フィルタに活用する話しを別のBlogで追加した。→こちら(リンク)

                ☆ ☆ ☆

ノートンアンプの高速化
 LM3900は車載機器などの単電源回路の汎用アンプとして作られたICだ。従ってあまり高速ではない用途が主目的だったはずだ。周波数特性はせいぜいオーディオ帯域止まりである。

 それに対し、大幅に高周波特性を改善したノートン・アンプがナショセミ社によって作られた。LM359Nがそれである。 出力電圧範囲を多少犠牲にして周波数特性が甚だ悪いラテラルPNPトランジスタを使わぬ設計に変更している。 さらに、ミラー効果を低減し周波数特性を良くする為にエミッタ接地のゲインステージはカスコードアンプ形式になっている。

 LM359Nが本来どんな目的の為に作られたのはか良くわからない。もはやカーエレクトロニクス用ではなかろう。 単電源動作のビデオアンプには便利なのでそれが主目的だったのかもしれない。 入・出力段の動作電流をユーザーが自由に設定できるなど、汎用性を持たせ幅広い用途を目指したようだ。

LM359Nの等価回路
 左図は全回路だ。 比較的簡単なものである。LM359Nはアンプ2回路入りでバイアス回路は2つのアンプで共通である。

 片方のアンプだけを使うときは8〜14番ピンに割り当てられたAmp-Bの方を使うと節電できそうだ。 たぶん4番ピンのGND-AをオープンにしておけばAmp-Aの電流を節約できる。 特に高周波まで周波数特性を伸ばす目的で回路電流を多く流した際には有用なテクニックであろう。

LM359Nのピン・アサイン
 自身の参照用が目的なので、利用する為の情報としてピン配置を載せておく。 14ピンなので少々場所を食うが今風に小型化したいときは面実装型を選択するのだろう。LM359は今でも供給されているらしい。

 メーカーは180度ひねって挿入しても壊れないピン配置になっていると言っている。 確かにNCピン(無接続ピン)が+電源になるだけなのでデバイスを壊す危険は少ないだろう。 ピンが余ったのでそうした配慮をしておいたのだと思う。


LM359Nの外観
 特に変わったところもない普通の14ピンICだ。

 わざわざ購入したのではなく長期在庫品としてパーツボックスに眠っていた。 部品は死蔵ではなく活用することが目標なので引張り出してきた。

 以前のテストではなかなか良い性能が得られていた印象がある。 動作も安定していたので136kHz帯送信機のような中途半端に周波数が高めの用途にはうってつけだろう。

LM359Nを使ったビデオアンプ
 デジタルTVの時代になってアナログ形式のビデオ信号を扱う機器も珍しくなったのではないだろうか? いずれ「ビデオアンプ」という言葉も死語になってしまう気がする。

 音楽などの音声信号に比べて、映像信号(ビデオ信号)は格段に周波数帯域が広かったのでそうした信号が扱えるアンプをビデオアンプと呼んでいた。

 左図はそうしたアンプの回路例だ。ビデオ信号系なので特性インピーダンスが75Ωの同軸ケーブルをドライブする前提になっている。 ゲインは10倍(20dB)で-3dB帯域幅は下2.5Hz/上25MHzである。 ディスクリート部品でも製作可能なアンプだが、IC化することで性能の均質化がはかれる。 ビデオアンプとしてではなく汎用の広帯域アンプとして使うのも良いと思う。

nVbeバイアス
 ビデオアンプは差動形式のアンプである必要は無いので、片入力だけでも良い。 そのような場合は+入力端子を構成していたダイオードとトランジスタからなるミラー回路を使用しない動作が可能だ。

 出力端子の直流的な動作点を決めるのが図のRbと言う抵抗器だ。 トランジスタのVbeをn倍した所にバイアスするのでnVbeバイアスと呼ぶのであろう。 Vbeは温度変化するから直流的な動作点は温度変化してしまう。 しかし出力をフルスイングしていなければ少々の変化は支障無いだろう。 そのような想定に基づいた回路が左図である。式の解釈についてはLM359Nのデータシート:SNOSBT4(Rev.C)を参照。(www.ti.com)

nVbeバイアスのメリット
 必要のない電流源をOFFして使うので、電流性ノイズが少なくなる。 約6nV/√Hzと言う値は広帯域アンプとしては悪くない数字である。 ローノイズを謳うアンプでも似たような数字なのでnVbeバイアス形式で使うメリットは大きいと思う。

 すこし設計は面倒だがローノイズと言うメリットがあるので積極的に使いたい回路だ。 フルスイングさせなければ動作点変動は気にならないのでディメリットにはならない。

動作電流の設定
 入力回路と出力段の動作点を用途に応じて変えられるのがLM359Nのメリットの1つであるが、実際にはあえて設計しなくてはならない煩わしさがある。

 データーシートを見ると代表特性の殆どをIb=0.5mAで規定していることがわかる。それが標準的な動作なのであろう。 電源電圧が12Vなら20kΩの抵抗器1つでこの標準的な動作にできる。(左図)

 特別な性能・用途に特化したい時は個々に検討すべきだが、ここは取りあえず標準動作でも支障無いのでIb=0.5mAで使うことにした。 ピン1番と8番の間に抵抗器を入れれば良いのだが、レイアウト上はあまり芳しくないピン位置にある。 入出力段の電流を独立別個に設定する際には便利なようにピン配置されている。

実際のアンプ回路
 2つあるフィルタの通過ロスを補い、次段を十分にドライブできる信号レベルまで増幅する必要がある。実測からゲインは50倍程度欲しい。 またアンプの入力インピーダンスは前段にあるフィルタの特性に影響を及ぼすから600Ωに良く整合する回路がよい。

 左図はそのような意図で設計したものだ。 実際に製作して良い特性であった。136kHzの送信機に使える性能が得られている。

 2つ入ったうち未使用側のアンプは遊ばせている。上記に書いたようにAmp-Bの方を増幅に使い、Amp-Aは電流を消費しないよう休ませる設計の方が良かったかもしれない。 現状では無駄な回路電流が流れている。 取りあえずブレッドボード上のテスト回路なので、恒久化する際には変更しておきたい。

                 ☆ ☆ ☆

 ノートン型電流差動アンプは20世紀のテクノロジーかもしれない。 136kHzの増幅なら汎用トランジスタ数個で必要な性能が得られる。あえて使う意味は無いかもしれない。しかし性能が保証された回路が僅かの部品で作れる便利さがある。使ってみたら性能も良好であり、無理して使ったと言うよりも目的には適材だったようだ。
 いまでも十分通用する性能があるから特徴を活かした使い方ができたら面白い。 高周波性能が良くてノイズも少ないから貴重なICと言える。 あえて買ってまで使う理由は無いと思うが、もう少し見直しても良いデバイスだと思った。

 読返して自身の参照用なら設計手順や手法など気付いた所をもっと書いておけば良かったように思う。 おいおい改訂して追記することにしよう。 ナショセミの応用資料はとても良くできている。 わざわざ抜き書きする必要など無さそうだが毎回英文を読むのも面倒だ。 自身が使いそうなポイントを纏めておく意義はあるだろう。 まだ手持ちはあるのでまた使う機会もありそうだ。de JA9TTT/1

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つづく・2)←「もっとノートン・アンプの検討を」へリンク