2014年6月1日日曜日

【測定】TRIO LPF LF-30 : Part 2

TRIOのLow Pass Filter:LF-30 その2

LF-30を解析する
 TRIO/現KenwoodのTVI対策用ローパスフィルタの第2回です。前回(←リンク)はLF-30の電気的な特性を確かめ、更に開封して中身を眺めたところまででした。

 写真は少しだけお掃除をした状態です。 ずいぶん長く眠っていたのでホコリだらけでした。 どこかにガムテープで貼付けて使っていたらしくテープの糊が残っていました。 その糊も粘着性をまったく失っており、除去するのは少々厄介した。 有機溶剤を幾つか試して除去に成功しましたが、塗装も幾分やられた感じです。 まあ、ある程度やむを得ません。

 この先は、内部のコイルとコンデンサの値を調べ、シミュレーションと実測による特性の比較を行ないます。 解析してレプリカを作りたい訳ではありません。いずれ改造するにしても現況がどうなっているのかわからなくては方針も立てにくいからです。ここは一通りの調査をしておきます。 なお例によって自家用の記録なので記述の過不足は悪しからず。(笑)

LF-30のLとC
 LF-30の電気的な構造は単純です。 写真のような数回巻きのコイル:Lと、右の方に見えるネジと銅の円盤、そして薄い樹脂製フィルムとで構成されたコンデンサ:Cからなっています。

 コンデンサ部分は円盤の中心部に貫通穴があって、そこをネジが突き抜けており、両側からナットで円盤を締め付けています。 フィルムの厚みと円盤の面積でキャパシタンスの値が決まります。

 見た所、コイルは両端のコネクタに繋がる2つが同じで、他に比べて巻き数は少ないです。途中の3つのコイルは両端よりも巻き数が多くなっています。 コンデンサ部分は円盤のサイズが同じなのでフィルム厚が同じならすべて同じ容量でしょう。

 構造からT型のLPFを重ねたLPFの形式です。 そう考えると途中3つのコイルは同じインダクタンス、両端の2つはその半分のインダクタンスでしょう。 また途中のコンデンサはどれも同一の容量だと推測できます。

コンデンサの測定
 各容量の測定は一旦分解しないとできません。 なるべく変形させないようにコイルのハンダ付けを外しました。 コンデンサはいずれもGND間に入っています。

 測定には「小容量計」を使いました。 ここは例によってLCRメータのDE-5000でも良いです。 それほど微小な静電容量ではないし、テフロンを誘電体に使ったコンデンサは絶縁抵抗が高くHigh-Qです。従って測り易い対象です。 フィルムの耐熱性を確認したらほぼテフロンに間違いないようでした。

 余談ですがテフロン・フィルムを誘電体に使った山七商店の「テフコン」と言うポリバリコンに良く似たバリコンがあったのを思い出します。 あれは安くて耐圧もあってなかなか良い物でしたが流行りませんでした。 商品としてやや詰めの甘い部分があったのが原因かも知れません。
 
Cの値は良く揃っていた
 測定結果は後で出て来る回路図に記載しました。図中の(1)の回路の定数が実測値そのものです。 多少のばらつきは見られましたがコンデンサはどれも120pFを目標に設計しているようです。 4つの平均値は122.75pFでした。

 なお、測定にあたっては接続線のストレー容量をキャンセルしています。 のちほど改めてDE-5000で測定し、比較しましたが測定値は良く合っています。

 こうした構造のコンデンサも円盤面積を良く管理すれば数%以内の精度が保てるのでしょう。テフロン・フィルムの入手に問題はありますが、高耐圧のコンデンサが自分できそうです。

久しぶりにGDM登場
 コンデンサとちがって小さなインダクタンスの測定にDE-5000はあまり向きません。測定周波数が100kHzまでなので精度が出ないのです。

 ここは昔ながらのGDMで行くことにしました。 容量が確かなコンデンサと抱き合わせて共振周波数を測定し、インダクタンスは周波数とコンデンサの値から計算で求めます。

 GDMの周波数測定精度はせいぜい頑張って3桁くらいでしょう。下手をすれば2桁ですが、その程度で支障ありません。無極のLPFではLCの値にシビアさは必要なかったと思います。

 1968年ころ購入したGDMで、しかも暫く通電していなかったので、徐々に電源電圧を加えて支障ないことを確認してから使いました。 周波数カウンタがなかった時代には精度の良いデリカのGDMは重宝でした。 今回、あらためて目盛をチェックしたらまずまず合っています。流石にDELICAと言うべきでしょうか。hi

一般的にはこれで良いが
 コイルの測定ですがこのように測定すれば良いです。

 真空管式ですから、10分程度ウオームアップします。最初に発振強度の調整()をしたら、まずはコイルを近づけて高い周波数から下げて行き、良くディップする周波数を見つけます。
:発振強度の調整:DELICAのGDMではメーターの指針が中央部青く塗られたゾーン内またはそこまで振れぬ場合は最大まで振れる位置に発振強度調整のVRを加減します)

 その後はGDMのコイルと被測定共振回路の結合がなるべく疎になるようにGDMを遠ざけて行きます。 慎重に周波数ダイヤルを回すと浅いディップが現れるので、その点が正しい共振周波数です。 ディップが浅くなり過ぎてわかりにくいようならGDMをやや近づけます。この写真の状態はコイルがまだまだ近過ぎます。

 ディップがわかる範囲で、なるべく結合を疎にすると言うのが大切なポイントです。 このあたり、今ごろになって「憧れの」ディップメータを手に入れるお方もあるようですが、てんで使い方がなってないので書いておきました。 だれも教えてくれないので仕方ないのですが、道具はちゃんと使えなくては持ち腐れです。

箱の中で測定
 上の方法でも良いとは思いましたが、箱に入れた状態で測定してみました。 金属の箱に入れるとインダクタンスは幾分変化(減少)します。

 シールドされることまで気にしなくても良いのかも知れません。しかし気になります。 発泡スチロール片でLCを浮かせ所定の位置に近い所で測定してみました。LCは箱に触れないよう浮かせます。

 共振周波数に多少の違いが見られたので、こちら測定値を採用することにします。 なおコイルに抱かせたコンデンサは100pFちょうどのマイカ・コンデンサです。あまり精度の良くない測定とは言ってもラフにやると訳が解らなくなります。

回路検討してみる
 回路は3つ書いてあります。

一番上の回路(1)が、実測によるLCの値を記入したものです。 Cの値は120pFで設計してあるようです。 メーカーの設計値はわかりませんが現物はこのようになっていました。

 (2)はL、Cともに50Ω用に設計変更したものです。 カットオフ周波数を30MHzにし終端インピーダンスも50Ωに変更します。当然LもCも全部変更しなくてはならないので結構面倒です。

(3)はコイルには手をつけずに、コンデンサにみ変更する(追加する)方法です。こうするとカットオフ周波数はかなり下がりますが(2)よりも手間は掛かりません。

 どの方法を採用するかは思案どころですが、まずは(3)でやってみようと思います。

そしてシミュレーション
(1)(2)(3)ともう一つの4条件でシミュレーションしてみました。

 緑色のカーブが実測から求めたオリジナルの定数で、75Ω終端の特性です。上図(1)の結果です。 前回(←リンク)の実測特性と良く合っています。

赤色のカーブは、実測結果から、計算上最適と思われる終端インピーダンスでシミュレーションした結果です。部品定数は(1)のままですが、終端インピーダンスを変えています。 実測のLC値から計算してみると最適インピーダンスは44.2Ωなのです。 75Ωよりもむしろ50Ωに向いていると言う結果は予想外でした。(だから50Ωで実測してもかなり良い特性だったのでしょう・笑)

青色のカーブは上図(2)のものです。 LCともに変更して50Ωに最適化した回路定数になっています。

紫色のカーブが上図の(3)によるものです。コイルに手をつけなかった関係で(2)よりもカットオフ周波数は下がっています。 ぎりぎり30MHzくらいなので10mバンドには適さない可能性があります。しかし改造はコンデンサを足すだけだからシンプルです。

                ☆ ☆ ☆

 結局(3)で様子を見る方針です。 支障がありそうならコイルも加減すれば良いでしょう。 あるいは25MHzバンドまでと割り切って使うのも良いかも知れません。 このあたりは目的や用途も考えあわせて自由に決めれば良いわけです。

                  ☆

 かつて、こうしたフィルタと言えば素人には手が出せないブラックボックスでした。 しかし、「いまの素人」にとっては何でもない単純なLC回路です。 ハイパワー向きの構造と言ったノウハウは必要かも知れませんが、まったく手が出せない代物ではなくなっています。 次回は実際に改造し周波数特性を確認します。de JA9TTT/1

つづく)←続きにリンク

16 件のコメント:

JG6DFK さんのコメント...

おはようございます。この時期からこうも暑いと嫌になってきますねぇ…

私なんぞは結構ラフなところもあるので、このシミュレーション結果ならそのままにしておきそうです。そこは使用者の考え方次第ですが、V/U以上に適用するようなLCフィルタでは特にCの値が制限されるので、もともと狙った特性のフィルタにはなりにくいです。もっとも、通常そこまで追い込む必要もありませんが…

ところで、「アマチュア=素人」とよく言われますが、原語の「Amateur」は「それを生業にしない専門家」と解釈する方が近いのではないかと思います。いずれにせよ、「精進」しない人は文字通りいつまで経っても「素人」ですけれど…

別に意地悪をするつもりはありませんが、「教えてもらうのが当たり前」というような姿勢の人には何もしたくなくなります。その人と「顧問契約」でも結んでいるなら話は別ですけれど、それでもあまりに高飛車な人とは仮に契約を申し込まれてもお断りしたいものです。

TTT/hiro さんのコメント...

JG6DFK/1児玉さん、おはようございます。今日も暑くなりそうですね。 既に真夏の朝のような青空です。(笑)

さっそくのコメント有難うございます。
> そのままにしておきそうです。
実は、部品を実測し、その解析結果からみて50Ωで使ってもなんら問題ないことはわかりました。しかし、ここは実験でもありますので手を付けて見ようと言うことになったのです。たぶん、そのままでも十分使い物になります。(笑) あと、カットオフ周波数をもう少し下げたいと思っていますので。

> 生業にしない専門家」と・・・・
プロの場合、コストや納期も考えて物作りを見なくてはなりませんが、アマチュアは設備にこそ限界がありますが手間や部品代は掛けられるので侮れないかもしれません。そういうお方がたくさん居られますね。(笑)

> いつまで経っても「素人」ですけれど…
精通とまでは行かなくてもネット検索で何でもとか、物まねに熱心で意味を考え工夫しない人に進歩はないのでしょうね。

> 当たり前」というような姿勢の人・・・
ですから、何でもかんでも懇切丁寧に丸ごと全部を教えてくれない人は「親切心のない悪人」の扱いをされますのでご用心を。私など、何かヒントでももらえたらとても感謝するのですけれども・・・。(笑)最近そう言う完全依存体質の人が多くなっていますね。(笑)

Unknown さんのコメント...

JR1KDA/岩崎です。

GDM の使い方、懐かしいですね。
茨木さんの「グリッド・ディップメータの使い方」を持っていたのですが、進学で出てきてからいつの間にか無くなってしまいました。
密結合から粗結合へと中学1年の時にクラブの先輩から教わったのを思い出します。
バイトしたお金で買ったWB-200は今でも自慢のお宝です。

TTT/hiro さんのコメント...

JR1KDA 岩崎さん、こんばんは。 今日はそちらも暑かったでしょうね。

コメント有難うございます。
> GDM の使い方、懐かしいですね。
昔のHAMでしたら、誰でも知っていたのですがもう使われなくなって久しいですね。

> クラブの先輩から教わったのを・・・
私の経験でも、実地で色々教えてくれる先輩がいました。だから理解も早かったと思います。

> WB-200は今でも自慢のお宝です。
もう作っていませんからお宝ですね。 ずっと愛用されてください。

GDMにはアンテナ調整の役目が残っていたのですが、最近はANTアナライザが主流になりましたね。 なんだかちょっと残念です。

T.Takahashi JE6LVE/JP3AEL さんのコメント...

加藤さん、こんばんは。

今日は娘の運動会でしたが、良い天気で暑かったです。
日焼け止めを塗ったにもかかわらず顔がほかほかしています。Hi

小容量計懐かしいですね、もう何年前になるのでしょうか。
GDM、(トリオのTr式なのでDMでしょうか?)は中学生の時にお年玉をはたいて購入したのを今でも使っています。
今回の測定のようにLとCの共振回路だときれいにディップするのですが、書籍などで書かれていたようにワンターンコイルを付けたダイポールアンテナなどではディップが浅くて上手く測定出来ませんでした。

先日のジャンク市でトリオのLF-60を100円で入手しました。Hi
改造するかどうかは未定ですが、続きを楽しみにしています。

TTT/hiro さんのコメント...

JE6LVE/3 高橋さん、こんばんは。 今日の運動会は暑かったでしょうね。 子供さんたちは大丈夫だったでしょうか?

コメント有難うございます。
> もう何年前になるのでしょうか。
2005年の春でしたねえ。 今でも立派に使えます。 電池を喰わないので交換周期が長くて重宝しています。

> お年玉をはたいて購入したのを・・・
私のGDMもお小遣いを貯めて買いました。テスターの次に買った測定器でした。hi hi

> ディップが浅くて上手く測定出来ません・・・
その傾向はDELICAの球式でも同様です。TRIOの球式GDMと比較したことがありますがメーターが大きい分だけDELICAが有利な感じでしたね。半導体式との比較は経験ありません。

短縮の大きなDPだとずいぶんDIPしやすくなります。(Qが高くなるからです)

> トリオのLF-60を100円で入手しました。Hi
それはお買い得です。箱代だと思っても安いと思います。 改造すればHF帯用にもできるだろうと思います。 6mに出るのでしたらそのままでも良いかもしれませんね。 50Ωで特性を調べてみては如何ですか?

残念ながら、LF-60は持っていないので調べられません。(笑)

JG6DFK さんのコメント...

こんばんは。なぜかディップメータの話で盛り上がっていますね。

私のところにあるのは「DMC-230S」という周波数カウンタ搭載モデルです。この頃になるとメーターアンプが搭載されており、その分ディップは見やすいはずです。というより、これが当たり前という感覚しかないので、逆に球式ディップメータの様子がわかりません。Hi.

以前より使いやすくなっているのだとしたら半導体化の恩恵ですね。

TTT/hiro さんのコメント...

JG6DFK/1 児玉さん、こんばんは。 やっと涼しい風が入って来るようになりました。 何とか寝られそうです。hi hi

再度のコメント有難うございます。
> なぜかディップメータの話で・・・
このBlogでGDMの現物が登場したのは初めてだからでしょうか?hi hi

> メーターアンプが搭載されており・・・
半導体式のDMではメータアンプ付きでないとDipが浅くて旨くなかったと思います。 なのでアンプは必須でしょうね。

> 球式ディップメータの様子が・・・
動作解析によると三極管の特性がGDM向きなのでグリッド電流のDIPが良く出るのだったと思います。 ・・・と言うことなので、三極管式ならアンプはいらないです。(プレート電圧があまりにも低いとIgが少なくて駄目ですけど)

> 半導体化の恩恵ですね。
コードレスにできるのが、何と言っても半導体式の絶大な恩恵でしょうね。 アンテナの調整にAC電源式GDMは厄介でした。(笑)

コードレスにしたくてもトランジスタ式はDipが浅くて駄目なので電池管式を検討したことがあります。 電池管はgmが低いので高い周波数の発振が困難で諦めたように思います。ずいぶん前のことです。

JG6DFK さんのコメント...

加藤さん、おはようございます。早くも室温が26℃超えです。あと数日でまた涼しくなるらしいので、それまで我慢です。

なるほど、球式ディップメータはデバイスの特性をうまく生かした合理的な設計だったわけですね。一番は部品点数の削減でしょうが、他にもAF OSCがネオン管の弛張発振器だったりと、なかなか興味深い設計に見えます。

ちなみに、うちのディップメータは「ヒモ付き」です。DMC-230Sは他の半導体式に比べて消費電力が桁違いに大きいので(といっても1W未満)、乾電池で使用するのは不経済なのです。Ni-MHならいいのでしょうが、充電が面倒なので普段はACアダプタを接続しています。

今なら液晶や発光効率の高いLED、低消費電力のICが手に入りやすくなっているので改善されそうですが、三田無線が事業を終了してしまったのは残念な気がします。

もっとも、それほど複雑なものではないので、腕に覚えがある人ならディップメータくらいは自作してしまうでしょう。電池管では馬力不足かもしれませんが、カーラジオ用の球を応用すればDC 12V仕様の球式ディップメータができるかもしれません。これなら消費電力はDMC-230Sより少し(!?)大きいくらいで済みます。Hi Hi.

T.Takahashi JE6LVE/JP3AEL さんのコメント...

おはようございます。

DMは共振周波数だけじゃなくて吸収型として発振周波数がわかったり、
発振器としてテストオシレーター代わりにと1台あれば色々と活用できたのですが、
今では数千円で周波数カウンタは手入り、発振器もDDSで簡単に作れますし、アンテナ調整にはアンテナアナライザーで
グラフィックで見ることが出来ますから
ディップメーターの役割は今回の記事のように正しいLを求めたい場合などに限られてくるのかもしれませんね。

TTT/hiro さんのコメント...

JG6DFK/1 児玉さん、こんばんは。 今日も暑かったですねえ!! 真夏のようです。

再々のコメント有難うございます。
> なかなか興味深い設計に見えます。
GDMは1930年代くらいから有ったのでは無いかと思いますよ。 昔はプロも使った高周波用測定器だったようです。

> 普段はACアダプタを接続しています。
シャックから持ち出さなければ良いのですが、アンテナだとそうも行きませんので。hi hi  同軸の根元で測定すると言う手も有りましたっけ・・・。共振の有無くらいはわかったと思います。(笑)

> 改善されそうですが、三田無線が事業を・・・
正直言って今どきGDMの用途は限定的ですから開発費を掛ける意味は無いかもしれませんね。もう新製品は登場しないでしょう。

> ディップメータくらいは自作してしまうでしょう・・
そう言うことなんですが・・・。なかなか具合の良いGDMを開発済みなのですが、使うチャンスが少な過ぎて箱に入れて完成品にする気になりません。 もちろん半導体式です。(笑)

> カーラジオ用の球を応用すればDC 12V仕様の・・
プレート電圧が低いと具合が悪かったです。 やはり100V以上掛けたいですね。hi hi  なのでDC/DCが欲しいです。

でも、GDMって数年に1回しか使わないので作る意味を感じなくなっています。(爆)

TTT/hiro さんのコメント...

JE6LVE/3 高橋さん、こんばんは。 大阪も暑かったのでしょうね。

再度のコメント有難うございます。
> DMは共振周波数だけじゃなくて・・・・
色々使えて便利なのですが、やはり専用の測定器には敵わないので活躍の場が減ったのでしょうね。

> 正しいLを求めたい場合などに限られてくる・・・
これもRF用のLCR計とかQメータと言う手もあるのですが、ここはGDMでやっています。 計算の手間はありますがLの測定はできますし精度も悪くないと思います。

ある意味で万能な測定器なのですが、それぞれの専用機には及ばないのは仕方がないですね。 シャックの飾りになっている人も多いでしょう。これも時代ですね。

JG1EAD さんのコメント...

加藤さん、皆さん、こんにちは。ごぶさたしています。

GDMの話で出てきました。25年前くらいにトランジスタ式のディップメータを作ったところ、やはりディップが小さいので、2SK241の差動アンプを追加しました。

その際、CQ誌のバックナンバーを眺めていたら、ディップの大きなトランジスタ式ディップメータという自作記事が目に止まりました。差動アンプの片方の入力にコンデンサを入れて、両側に整流出力を入れてやると、スイープしてディップ点に到達した時の差動入力の位相のずれから、メータが大きく振れるというものでした。試してみると、たしかにメータが上下に振り切れるほど大きく振れます。また、ダイヤル位置による発振強度の変化は、ダイヤル回転速度に対してゆるやかな変化である限りはメータの振れには影響しません。

ただし、しばらく使っていると、当然のことながら静止状態ではメータは振れないため、いつもダイヤルを往復させ続けてやらなければならず、どこが同調点の中心なのかいま一つよく分からないという状態でした。結局、この方式は採用に至りませんでした。アイデアはすばらしかったのですが。

TTT/hiro さんのコメント...

JG1EAD 仙波さん、こんばんは。 Blogの方ではご無沙汰でした。

コメント有難うございます。
> やはりディップが小さいので・・・
FETやTrと言うデバイスの特性上やむを得ないようですね。三極管が一番良いようです。

> ディップの大きなトランジスタ式ディップメータ・・
その記事は私も見ました。どこかにスクラップしてあると思います。 良さそうだと思ったのですが、お書きのような欠点があったのですね。

> 結局、この方式は採用に至りませんでした。
私も別の方法でよくディップがわかる半導体式のディップメータを開発しました。 しかし、既にその時代ではなくなっており発振器内蔵のアンテナインピーダンスブリッジを製作することにしました。それは今でも健在です。

カウンタ内蔵式のディップメータを改めて作ってみたいな・・などと思っています。hi hi

Unknown さんのコメント...

JA6UM 村田です。

だいぶ出遅れました。
実は、うちにはクラニシのKFL-500K-DXと言うのがあります。
75Ω系なので使うのを今までためらっていました。
いまのリグに使えないかと考えてみたのですが測定する方法がありません。

TTT/hiro さんのコメント...

JA6UM 村田さん、こんにちは。 ご無沙汰しておりますが、お変わりございませんでしょうか?

コメント有難うございます。
> だいぶ出遅れました。
公開から時間が経過したBlogにコメント頂いてまったく問題ございませんが、SPAM除けの機能が働くのでコメントがすぐに反映されないことがあります。 ご容赦下さい。

> クラニシのKFL-500K-DXと言うのがあります。
TRIO以外にも各種のLPFが売られていましたね。 クラニシ製はメジャーな製品だったと思います。

> 75Ω系なので使うのを今までためらっていました。
皆さんそう思うでしょうね。 てっきり使えない物と・・・。私も使ったら旨くないと思っていました。(笑)

> いまのリグに使えないかと考えてみたのですが・・・
お近くでしたら、お預かりしてもと思うのですが何分遠方です。 何か簡単に判定できる方法でもあれば良いのですが・・・。

以下、一つのアイディアですが:SWR計、終端電力計または50Ωのダミーロードはありますでしょうか?

(1)28MHzで、例えば最初はLPFなしで終端電力計に10W程度のパワーで送信してみます。その時の電力とSWRをメモしておきます。

(2)続いて、送信機ほかそのままの条件でSWR計と終端電力計の間にLPFを挿入してみます。その状態で、SWRと電力を見て判定します。

(3)判定:SWRが殆ど悪くならない、電力損失が10%程度なら十分使えるのではないかと思います。

備考・1:終端電力計はなくてダミーロードとSWR計でやる場合は、LPFとSWR計の挿入位置を入れ替えながらやれば何とかなると思います。やってみて下さい。

備考・2:なお、この方法では高調波除去の効果のほどはわかりません。 規定の終端インピーダンスに対して、高いあるいは低いインピーダンスでLPFを使った場合の高調波減衰特性についての考察はこのBlogの続きで行なう予定です。 先に結論から言ってしまえば十分効果的だろうと思われます。

以上ご参考まで。