2016年4月7日木曜日

【回路】Crystal Converter Design (2)

回路:クリスタル・コンバータ:part 2
クリコンのかなめ
シンプルなクリスタル・コンバータを作ってみましょう。 前回(←リンク)の続きです。 シンプルで低消費電流、実用的な性能のクリスタル・コンバータができました。

 クリスタル・コンバータ、略して「クリコン」の要(かなめ)と言えばやはり局発(Local-OSC)でしょう。 スーパー・ヘテロダインの原理を使いますから、局発回路が確実な発振をしてくれなくては機能はストップしてしまいます。

 クリコンはその名の通り、クリスタル(水晶発振子)を使った発振器を使います。 VHF帯を周波数変換するためには高い周波数の発振器が必要で、周波数安定度の点から「自励発振器」では実現困難なため水晶発振器を使うのが普通です。

 まずは、確実な発振が可能か否か実際に部分試作して確かめました。 必要な周波数が高いことから水晶はオーバートーン発振させます。 オーバートーン発振用に作られた水晶発振子を使えば確実ですが手持ちの活用から一般的な水晶発振子をオーバートーンモードで使うことにします。 オーバートーン用ではない水晶発振子でオーバートーン発振させても支障はありませんが保証外になるので販売目的の製品に使うのは旨くありません。しかし、アマチュア的には何ら支障はありません。本来とは想定外の発振をさせるため事前確認しておけば確実です。

 50MHz帯を5MHz帯に周波数変換するため50-5=45MHzの局発が必要です。 45MHzを得るために基本波の周波数が15MHzの水晶発振子を3次オーバートーン発振させるか、同じく9MHzの水晶を5次オーバートーン発振で行くのか比較テストしました。 オーバートーン発振の場合、基本波の周波数をちょうどn倍(nは奇数に限る)した値にはなりません。 整数倍から幾らかずれるのが普通なのです。 その結果、どちらの水晶でも確実な発振は可能でしたが発振した周波数には違いがありました。 15MHzの水晶が約45.035MHzで、9MHzの方が44.993MHzで発振しました。

 オーバートーン発振での周波数のずれ具合は同一ロットの水晶では同じような傾向を示します。しかし周波数は同じでもまったく別の水晶では異なった傾向を示すようです。 高い方へずれるのか低い方へずれるのか、実験した範囲で明確な規則性は見いだせませんでした。 ですから15MHzの水晶なら3次オーバートーンで必ず45.000MHzの35kHz上で発振する訳ではありません。9MHzの5次オーバートーンが7kHz低かったのも手持ちの水晶のたまたまの現象でしょう。 ちゃんとしたオーバートーン用水晶では目的のオーバートーン周波数で発振するように周波数調整してあるわけです。

 ここでは45.000MHzに近かった9MHzの水晶を使うことにします。 本来の目的外ですからジャスト3倍や5倍の発振周波数にならないのはやむを得ませんが、なるべく目的周波数に近い方を選びました。少しでしたら周波数調整も可能です。

試作50MHzクリコンの回路図
 試作した50MHz用クリコンの回路図です。 高周波増幅のあと、水晶発振と周波数変換を1つのトランジスタで兼用する自励コンバータを使った2石クリコンです。

 デバイス数の削減は優先項目ではありませんが興味のあった回路なので参考にしてみました。 後ほどオリジナルの回路が登場しますが、そのままではなく改良を行なっています。 改良のポイントはバイアス回路で、トランジスタのバラツキに強くすることにあります。 そのため、トランジスタを差し替えても無調整で行けます。(もちろん程度問題ですが・笑)

 Q1の高周波増幅(RF-Amp.)はベース接地型です。 エミッタ接地型にしてより高いゲインを得ることも可能ですが中和回路が必要になります。 周波数変換部分にもゲインがあるのでRF-Amp.はベース接地型で行くことにしました。 ベース接地のアンプは入力側と出力側のインピーダンス比でゲインが決まります。 入力はタップダウンしてあり、かなり低く、負荷側はタップ無しなので比較的インピーダンスが高いため十分なゲインがあります。

  Q2は周波数変換と局発を兼用する回路で自励式コンバータの一種です。 局発回路としては3次、5次のいずれでもオーバートーン発振できます。 但しこの回路ではそれ以上の高次発振は難しそうでした。 このQ2の回路は周波数変換の機能を兼ねるので発振レベルが大きくなりすぎないようにするのが肝心です。T3の巻き数比やQ2のコレクタ電流で加減します。旨く動作させればゲイン、NFなど他励式コンバータに遜色の無い性能が得られます。局発注入レベルの調整が不要なのも良い点です。 ベースバイアス部分のC6はあった方が良さそうに感じますが、これがあるとブロッキング発振が起こります。なくても感度に影響を感じませんから付けないことにしました。

 このクリコンに推奨するトランジスタは2SC1923Yあるいは2SC2668Yです。この2つは外観こそ少し違いますがまったくの同等品です。 50MHzですからfTが高いトランジスタを使います。 ほかに2SC535C、2SC387Aや2SC668EなどfTが500MHz以上のTrがFBでしょう。それぞれ比較テストしましたが性能はどれも類似でした。 何れも数10円のトランジスタですから良い性能のトランジスタを使うと安心できます。 残念ながら汎用品の2SC1815Yでは十分な性能は期待できません。fTが足りないので局発の発振が困難でした。またRF-Amp.に使ってもゲインは低めです。

 このクリコンは水晶さえきちんと発振すればあとは特に難しいところはありません。上記のようなトランジスタを使えば問題ない筈ですが、うまく発振しないようなら水晶発振子の問題かも知れません。別の水晶に交換すると簡単に問題が解消する可能性があります。 たとえばaitendoで購入した9MHz(HC-49/US)の水晶では5次オーバートーン発振はできませんでした。3次オーバートーンの方が楽ですから15MHzの水晶を優先しても良いでしょう。
 ポピュラーな14.318MHzの水晶発振子(HC-49/U)も旨く3次オーバートーン発振しました。悪くない選択だと思います。この場合7MHz帯に周波数変換されます。 クリコンの全消費電流は約2.4mAと省エネです。(電源電圧は6Vで設計しています)

50MHzクリコンのコイル製作図
 たった2石のシンプル回路ですが、コイルは4つ必要です。 参考にしたオリジナル記事ではφ8mmのトランジスタ用ボビンに巻き線していました。 これは10Kタイプのボビンが出回る以前の記事だったからでしょう。

 一部のコイルについては指定通りφ8mmのボビン(東光のモノコイル同等)でも試作してみました。 しかし巻き線しにくいのですべて10Kボビンに変更しました。 10Kボビンも幾つか種類があって、ここではコア材のμがやや小さい「VHF用」と称するものを使っています。
 たまたまですがφ8mmのボビンと同じ巻き数になりました。 10Kボビンに巻いたコイルのQはあまり高くありませんが、実用性能が得られています。 なお、大きめのインダクタンスが必要になることから、5MHzの出力コイル:T4のみμが少し大きいコア材の10Kボビンを使いました。そのような10Kボビンを持っていなければ他と同じボビンに巻けるだけ巻き、同調容量のC9:100pFを大きくしても良いでしょう。 巻き線はすべてφ0.16mmのポリウレタン電線(UEW線)です。

 既成のFCZコイル(同等品含む)はタップの位置や2次側の巻き数が適当ではないためそのままでは使えません。 巻き線されていないボビン素材を購入して巻くか、巻かれたコイルを分解して巻き直し改造します。 各コイルはAmidonのトロイダルコア(例:T25-#10など)とトリマコンデンサを使う形式に変更することも可能です。所定のインダクタンスになるように巻き線しタップ位置や2次巻き線の比率が近似になるようにします。

備考:一覧表のように同じインダクタンスでも使用する同調容量が異なるのは、配線によって付加されるストレー容量に違いがあるからです。 プリントパターン化する場合にも実際に合わせて同調容量を加減する必要があるかも知れません。

ブレッドボードで試作
 50MHzと言うVHF帯になることから、ブレッドボードでの試作に不安を感じました。 配線インダクタンスを減らすためアースラインを複数にしたり列を飛ばすなどストレー容量にも考慮した結果、支障ない成績が得られました。

 ブレッドボード起因の動作不安定も見られずHF帯となんら変わりません。 部品配置や配線を良く考えて作ればブレッドボードでも50MHzくらいまで行けることがわかりました。 以前行なったブレッドボードの分布容量や配線インダクタンスの調査が役に立っています。(トラ技:2014年3月号に記事あり)

 使う部品にも注意を払っています。コイルはブレッドボード用の変換基板には実装せず、足ピンにメッキ線を足して最短配線になるようにしています。  バイパス・コンデンサは高周波特性の良いセラコンを使うのは当然として、VHF帯の製作であることを意識し各部品の足は必要最短にカットします。 勿体ないからと言って部品の足を長いままにするとアンプが発振したり、逆に発振回路が発振しないなどのトラブルに見舞われるかも知れません。 50MHzは立派な高周波ですから低周波のようなモヤシ配線の手法は通用しません。(笑)

局発波形
 局発の発振波形です。 コイル:T3の2次側、あるいはQ2のベースで、300〜400mV(rms)の発振振幅 になる筈です。 離調させる方法で、振幅を増減してみましたが発振はこのくらいの大きさが最適な値にあるようでした。

 T3の調整ですが、オシロスコープまたはRF電圧計を使います。観測ポイントはT3の2次側(回路図の×印の場所)です。 T3の調整コアをボビンの上端の方向へ(反時計方向に)回して行くと発振が停止するポイントがあるはずです。 そこから逆に(時計方向へ)戻し、発振が再開したら更に1/4〜1/3回転ほどコアが入る位置へ回しておきます。

 コアを発振の振幅がピークになる位置に調整してしまうと、わずかな条件変化で発振停止する危険があります。上記の調整方法のように、コアを発振のピークから安全方向へわずかに戻しておく訳です。 その後、電源のON/OFFを繰り返してみて確実に発振がスタートすることを確認しておきます。

調整方法
 他のコイルの調整は簡単です。テストオシレータあるいは標準信号発生器:SSGから 50MHzを与え親受信機で5MHz帯に変換された信号を受信します。 T3は調整済みですから、T1、T2、T4のコアを調整して一番良く聞こえる状態に合わせれば終了です。 信号発生器がなければアンテナを繋いで外来ノイズを頼りに調整しても大丈夫でしょう。

 50MHzのHAMバンドは4MHzもバンド幅があるので無調整でフルにカバーするのは無理があります。 バンド全体に渡ってまんべんなくオンエアされているわけでもないので、よく使われている周波数で最高感度になるようにしておけば良いでしょう。 私はSSB局が良く出ている50.25MHzで調整してみました。 その状態でCWバンドの上端あたりからSSB局が主に出ている周波数帯で感度差をあまり感じません。 50.62MHz付近のAM局や51MHz以上のFM局をメインにするなど、使用目的に応じ調整する周波数を決めます。

 もしバリコンで同調可変式にするのなら、T2のところのC4:27pFを40pFくらいのバリコンにします。またT4のところにあるC9:100pFを固定コンデンサ50pF+100pFのバリコンにするのが良いでしょう。 C1:33pFはT1の共振がブロードなのでバリコンにするほどでもないようでした。

受信成績
 2石のクリコンですから過剰な期待はできません。 しかし、まずまずの性能ではないかと思います。 HF帯のトランシーバを親受信機にしてSSGでチェックしたところ、CWモードでは-15dBμくらいのビートが十分確認できました。 そこで18mHの5エレ八木アンテナに繋いでみたらなかなかFBに聞こえます。 15kmほど離れたローカルさんは59+でしたが、遠方の移動運用局もノイズから浮き上がって聞こえてきました。 これから初夏に掛けて Eスポでも出たら賑やかに聞こえるでしょう。

 クリコン自身のノイズフロアは拙宅の環境では外来ノイズ以下でした。 従ってS/Nも十分で、ゲインも必要にして十分な大きさが得られているように思います。 休日の昼過ぎ、S9++のローカル局が2局同時にオンエアしていたので強い両局の信号によって起こる混変調の具合を探ってみました。暫くワッチしてみたのですが目立って感じられませんでした。 定性的な評価ですが普段のオンエアで支障のない性能のようです。 回路構成上ゲイン過剰ではないので混変調特性も取りあえず実用範囲なのでしょう。

 親受信機の性能が普通以上であればまずまずの性能が得られるようです。 3石の標準的な回路構成のクリコンに遜色のない性能ではないでしょうか。



精選クリスタルコンバータ回路集
 1960〜70年代になるとVHF帯への興味が高まったので、雑誌には毎月のように様々なクリスタル・コンバータ(クリコン)が登場しました。 最初は真空管式でしたが徐々に半導体化が進みました。 近ごろは「クリコン」はそろそろ死語になりつつあるようです。 そうなる前にちょっと個性的なクリコンをピックアップしておきました。

2石クリコン
 この2石クリコンが今回の製作のベースです。 引用元はCQ誌1971年1月号の付録だった小冊子「88シンプルトランジスタ回路集」です。 この回路集はすり切れるほど眺めたものでした。 なお、小冊子のこのクリコンは1967年ころのCQ誌掲載記事を転載したものです。CQ誌はすべて処分したので元の記事は何方の執筆だったのかわかりません。(参考:調査の結果は1967年12月号pp133〜4、pp143~4の4ページ:執筆は電通大電子工学科・JA1JJU竹内幸一さん)2019.11.27

  記事が出た1967年当時、記事にあったパターンでプリント基板を製作した覚えがあります。残念ながら成功しませんでした。 基板はチューインガム1枚より小さいくらいの細長い形状でとてもコンパクトでした。(参考:60mm X 15mm)そのため固定バイアス回路にするなど省部品の設計になっています。上記小冊子には書いてありませんが、バイパスコンデンサ:C3が500V耐圧になっているのも形状の大きな円盤形セラコンを使ってコイル間のシールド板を兼用させる工夫です。

 失敗した原因ですが幾つか考えられます。 まず、水晶発振子が良くなかったのではないかと思います。当時の水晶は性能が悪くて発振しにくいものが多かったようです。それに交換して試せるほどたくさん持っていませんでした。 あるいはコイルの巻き方が良くなかった可能性もあります。但し、GDMは既に持っていたので同調の確認はしていたはずです。  使ったトランジスタの型番は忘れましたが代替品だったので性能不足だった可能性もあります。hFEの違いが出易い回路なので、バイアスが適正ではなかった可能性は大いにあります。

 コンパクトで部品数も少なく、簡単そうな製作でしたが見かけほど容易ではなかったのでしょうね。 ずいぶん年月は掛かりましたが、今回の製作でリベンジが果たせました。

3石標準型クリコン
 これも上記と同じ冊子から引用した回路です。 この回路も同じくCQ誌に掲載された記事が元になっています。 1968年9月号の特集「5群のトランジスタで作るアマチュア機器集」で、JA6AAF/1北国さんの執筆によるものです。

 当時、まだゲルトラが幅を利かせていた時代でしたが、登場しつつあった高性能なシリコントランジスタを主体にしてHAM用の機器を製作すると言う先進的な内容でした。 2SC387はfT=900MHzの高性能トランジスタです。(その後改良型の2SC387Aとなり、fT=1,000MHzになった) まだ2SA71や2SA58と言ったドリフト型のゲルトラさえ現役で使われていた時代でしたが、新トランジスタを使うことでローノイズ、ハイゲインが確実に得られることが示されていたのです。 もちろん、今でしたら2SC387は2SC1923や2SC2668など代替品はたくさんあってどれも安価です。

 ちなみに、当時2SC387は¥1Kもした物が急に安価になって200円で買えるようになったと記事にあります。でもCQ誌も200円でしたからそんなにお手軽でもなかったのですよね。 なお特集記事の製作回路はどれも20pの小型ラグ板に載せています。 プリント基板を起こさずに済むのでお手軽感がありました。 クリコン回路そのものは非常にオーソドックスな物でトランジスタを使ったクリコンの標準型です。

J-FETを使った3石クリコン
 このクリコンはJARL「アマチュア無線ハンドブック」(1970年版)に掲載されていたものです。 CQ誌など、どこかの雑誌にオリジナルの記事があるのかも知れません。どなたによる執筆かも記載がありません。

 その当時の部品事情を反映しているのでしょう。 使われているJ-FETのMK10-2は登場して間もないころです。 高周波用の2SK19は登場まえか、まだ高価だった可能性があります。 価格や入手性を考慮すると他に選択肢のない時代だったので「FETと言えばMK10」と言うくらい何にでも使いました。

 回路はJ-FETを使ったオーソドックスなものです。 帰還容量Crssが大きいことから、中和回路が必要です。 2SK192A(YまたはGR)で代替できるので作ってみるのも面白いでしょう。MK10より幾分性能は良くなり、まずまずの性能が得られるクリコンになるでしょう。 そのほか秋月電子に安価に登場したJ-FETのBF256Bもちゃんと使えるのでお試しあれ。 局発に2SC372を使っていますが、発振周波数が22MHzだからでしょう。ここはもっと高周波特性の良い石を使うと確実です。22MHzの水晶発振子も現在では基本波の物が容易に手に入るのでオーバートーン型よりもそちらを使った方が有利です。

参考:このクリコンの出力周波数は28MHz帯になっています。 HAMバンド専用受信機を親受信機にする場合、28MHzバンドに変換すると2MHzの受信幅が取れるので有利です。 但し、28MHz帯の性能は芳しくない受信機も多かったので、他の例に見られるように14MHzバンドへの変換がベストでしょう。 その代わり500kHz幅しかカバーしませんから、50MHz全体を受信するにはクリコンの局発水晶を切り替える必要があります。 9R59Dのようなジェネカバ・ラジオを使うならやや低めの4〜10MHzあたりに変換するのが適当です。

J-FETとDi-DBMを使ったクリコン
 時代はずっと下って1977年発売のA5版書籍「アマチュアのV・UHF技術」(CQ出版)に掲載されていた半導体式のクリコンです。JH1GJF住広さんによる製作記事です。  そろそろJAでもショットキー・バリア・ダイオード(SBD)が入手容易になって来た時代で、SBDをリング状にしたDBM形式のミキサが注目されたころでした。

 SBDはホットキャリヤ・ダイオードとも呼ばれ、米誌によれば非常に高性能とのことでした。しかしJAでは入手難だったのです。JAのHAMが初めて買えたSBDはNECの1SS16で、高価だった記憶があります。 SBDは強電界に弱いという触れ込みだったのでアルミフォイルに包んで慎重に保管したものでした。(いまのSBDも静電気で破壊し易い)

 また、当時米QST誌ではSiliconix社のJ-FETであるU-310あるいはJ-310を使ったGGアンプが盛んに採り上げられており、ローノイズで混変調特性に優れたRFアンプの決め手と言われました。この製作記事ではSiloconix社のE-310というJ-FETが使われています。
 E-310はパッケージ違いの「J-310」と思えば良いです。中身のFETチップは同じものですが、いまでは生産されていない形状のパッケージに入ったものです。 足ピンの並びに気をつければJ-310でそのまま代替できます。U-310でも良いでしょう。 或は手持ちがあればSONYの2SK125も使えます。

 ミキサーのCM-1はいまでは聞かないVari-L社と言うメーカーのDBMモジュールです。同等品がミニサーキット社R&K社にありますから支障ありません。 もちろんフェライトコアにトリファイラ巻きしたトランス2個と1SS97などRF用SBDを4本使って自作できます。手作りすれば安上がりで性能も既製品に遜色ありません。

 従来型のクリコンではコンテストの時など混変調に悩まされました。それが、かなり解消される性能が得られたのです。 NFも良いのでGWでDXを狙うにも悪くないでしょう。いまでも通用するクリコンです。 ただしクリコン自体の消費電流はずいぶん大きくなりました。乾電池が電源の無線機には不向きだと思っています。

7360を使った真空管クリコン
 真空管式のクリコンがないと寂しいかも知れません。 このクリコンは上記と同じ「アマチュアのV・UHF技術」に掲載された高性能な真空管式クリコンで、JA1LZK海老原さんによる製作記事です。

 ローノイズで混変調特性に優れるビーム偏向管:7360をミキサに使っています。 RFアンプもカラーTVのチューナーを高感度化する目的で開発されたフレームグリッドの高性能管:6HA5です。3極管ですから中和回路は必須ですが低NFで混変調特性も良好です。 そのため、良く聞こえしかも大信号特性に優れた混変調の少ないクリコンになっています。真空管式のクリコンとしてはこれが集大成と言えるかも知れません。

 7360をお持ちでしたら試してみるのも良いかも知れません。 ただ、無理に(高額で)手に入れるほどの価値はないと思うのであまり妄想を膨らませぬ方が宜しいです。 RFアンプやミキサに6AK5を使うような古典的クリコンと比べれば明らかに優秀ですけど・・・まあその程度でしょう。 半導体式の方が総じて優秀ですから、物珍しさ以上の価値はないのかも知れませんね。 今の時代、真空管を使うと電源が別系統になってしまうのも厄介です。そんな障害を乗り越えて作るほどのメリットがあるのか少々微妙なところです。w

ニュービスタを使った真空管クリコン
 同じく、真空管式の高性能なクリコンとしてニュービスタ管を使ったものがあります。 上記の7360にはやや及ばないかも知れませんが、RCA社が混変調特性のデータ付きで盛んにPRしていただけあって、なかなか優秀なようです。
 図はARRLの「VHF Handbook」(1965年版)を引用した物です。 この時代のARRL発行のハンドブックではクリコンはニュービスタ管が主流でした。

 JAで手に入る部品に置き換えて作り易くした製作記事がCQ誌に掲載されたことがあります。たぶんこの回路を参考にされたのでしょう。JA6HW/JA1RST角居さんの記事でした。しかし球とソケットが特殊なのであまり流行らなかったようです。ニュービスタなんて地方のHAMにはご縁が無かったんです。 もしも「球+ソケット」が必要数手に入るなら試してみたい気もしますが・・・難しいでしょうね。 ただ、ガラス管でない真空管製作は何となく「ハリアイ」が少ないです。 球はオレンジに灯るフィラメントが見えなくてはね。(笑)

                     ☆

 世に登場したクリコン回路はまだまだたくさん有ります。 例えばDual-Gate MES-FETを使ったローノイズ・クリコンや、V-MOS FETのVMP-4を使う超弩級クリコンなど紹介したいものは沢山あります。 ただ、すでにクリコンなどなしで長波帯からUHF帯までフルカバーするトランシーバや通信型受信機が目新しくもない時代です。これ以上深入りする意味もないようですから,取りあえずこの辺でやめておきます。 こうしたVHF帯の製作は部品配置や配線こそ重要です。回路図があれば作れる訳ではありませんが、いずれ機会があれば続きでもやりましょう。w


 短波のトランジスタラジオ(←リンク)の製作が切っ掛けと言うわけでもありませんが、何となくそれに合わせた製作になりました。 もちろんそのような製作にも向いていますが、わずかな電流で働いてくれますから既存のラジオに付加するような使い方も面白そうです。短波ラジオの製作と合わせて簡単6mAMトランシーバの受信部を作ってみては如何でしょうか。

 SHF帯の自作などを除けばHAM用クリコンの製作は既に廃れていますが、クリコンが完全に無くなったわけではありません。 ワンセグチューナをジェネカバ受信機に応用するにはHF帯のアップコンバータが必要です。 和のヘテロダインを使うので周波数関係は逆になりますが基本は同じです。

 近ごろは便利な世の中なので、局発には既成の水晶発振モジュールが使えます。ワンセグチューナのSDR応用では100MHzの発振モジュールを使うと便利です。 広帯域高周波増幅はMMICを使えば簡単です。 ミキサにはDi-DBMモジュールでしょうね。 50MHzのLPFと100MHzのHPFくらいは手作りする必要があるかも知れませんが、それほど難しくないでしょう。 既成のモジュールを組み合わせれば回路設計の手間を掛けず手軽に目的のクリコンが作れる時代なのです。

 でも、消費電流は数mAでは済みません。 たっぷり電気を喰らうと思いますが、高周波設計の技術なところを省いたツケですから仕方がありません。あきらめて払って下さい。(笑) de JA9TTT/1

(おわり)nm

24 件のコメント:

JR1QJO/矢部 さんのコメント...

加藤さん、クリコンの話大変懐かしく拝読しました。掲載された回路も少年だった頃、作りたいと思って物色しらものばかりです。MK10を使ったクリコン回路は2SK19に置き換えて作った記憶が有ります。仰る通りXTAL発振器が発振せず苦労しました。親機をFT-401につなぎ6mをウッチしたのですが当時の6mのSSBのアクティビティーが高く無いので、結局アルバイトしてRJX601を購入して6mのオンエアを果たしました。自転車モービルや修学旅行エクペディションに活躍しました。こうなると2mも受信したくなり47MHzのクルスタルを購入し2m > 6m のクリコンを作り2mのFMをウオッチしていましたがRJX601は4MHzのバンド幅があるので2mバンドの上の所謂「所轄系」が受信でき、暫くはBCLならぬPBLを楽しみました。その後「かいじんにゅうめんそう」によりその楽しみが奪われたのは御存知の通りです。

JR1QJO 矢部

TTT/hiro さんのコメント...

JR1QJO 矢部さん、おはようございます。 今朝は無情の雨ですね。桜が一気に散ってしまいそうです。

さっそくのコメント有り難うございます。
> XTAL発振器が発振せず苦労しました。
矢部さんも色々製作されたようですね。 昔の水晶は発振しにくくて、特にオーバートーン発振は難しいので鬼門のように思っていました。 いまは水晶もデバイスも良くなったのでずいぶん楽になりましたね。

> RJX601を購入して6mのオンエアを果たしました。
JR1QJOを開局されたころは、6mバンドはまだAMが全盛だったと思います。 SSB化したのはそれからずいぶん経ってからではないでしょうか。 あのころRJX-601で6mAMは中高生にすごく流行りましたねえ。お空で宿題の答えあわせなんか聞こえました。懐かしいですね。(笑)

> 暫くはBCLならぬPBLを楽しみました。
Pチャンもまだ普通のFMでオンエアしていましたからまったくの筒抜け状態でしたね。そう言う周波数情報を集めた雑誌が発刊されたのもこの頃ではないでしょうか。hi hi

クリコンを巡る思い出をお書き頂きどうも有り難うございました。 また懇親会でアイボール宜しくお願い致します。

T.Takahashi JE6LVE/JP3AEL さんのコメント...

加藤さん、こんにちは。

こちらは朝から暴風雨で桜すべて散ってしまいそうです^^;

クリコン、2石なので水晶発振と混合なのかとおもったら高周波増幅と発振混合なのですね。

手元にあるSTARの50MHzを7MHzに変換するクリコンは6AQ8(RF)-6EA8(mix,osc)の構成でした。

>高周波設計の技術なところを省いたツケですから仕方がありません。
最近は出来合いモジュールを使い、マッチングはATTという安易な組合せばかりで耳が痛いです。Hi

TTT/hiro さんのコメント...

JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんにちは。 朝から雨模様でしたが、現在は上がってきました。 この後はどうなのでしょう・・・。

いつもコメント有り難うございます。
> 2石なので水晶発振と混合なのかと・・・・
その形式だとゲイン不足になりそうなので、Blogのような形式を試してみました。 J-FETで水晶発振、別のJ-FETで混合と言う形式も考えたのですが、局発の漏洩も気になるのでRFアンプを省くのはイマイチな感じです。hi hi

> 6AQ8(RF)-6EA8(mix,osc)の構成でした。
RFアンプをカスコード形式にしたオーソドックスなクリコンですね。同じ回路構成で同等管に置き換えカソフォロを付け加えたクリコンを作ったことがあります。その頃の定番に近い構成だったと思います。

> 出来合いモジュールを使い、マッチングはATT・・・
まあ、その方が確実で性能も保証されるので楽ですよね。 メーカー機でも似たような発想で設計されているものもあって驚きます。高周波の設計がわかる人が減って来たのでしょう。 ハードは簡略設計で済ませて、あとはソフトで頑張ると言う製品開発の戦術なのでしょうね。 今風の発想ですが、ハードが良ければずっと良い製品になると思うのでちょっと勿体ないです。(笑)

JR8LJS_豊川 さんのコメント...

加藤さん、こんばんは

クリコン製作の続編、興味深く拝見致しました。
2SC387、2SC535、、懐かしい番号を見ました。 昔の製作記事には良く登場して
いましたね。
2SC387は、テレビのチューナーのジャンク品から発掘した記憶が有ります。

本編よりも後半の【精選クリスタルコンバータ回路集】に興味を持ちました。
実はニュービスタ球を持っているのです。(本体だけでソケットはありませんが)
高効率が求められる世の中ですが、真空管式のクリコン製作は面白そうですね。
無意味と言われるかも知れませんが。

今週末は某埼玉県の花見会に招待されています。(現地集合、現地解散、交通費自前で)
正直、迷っています(笑)

では、

TTT/hiro さんのコメント...

JR8LJS 豊川さん、こんばんは。 札幌の雪もすっかり消えたでしょうね。

コメント有り難うございます。
> 2SC387、2SC535、、懐かしい番号を見ました。
高周波用の定番トランジスタでしたね。 時代とともに定番も変わりましたが、今でも十分使えるトランジスタも多いものです。

> 2SC387は、テレビのチューナーのジャンク品から・・・
UHFチューナを分解したら入っていましたね。定番の局発回路に使ってありました。ミキサはSD82とか言うダイオードだったと思います。

> 【精選クリスタルコンバータ回路集】に興味を持ちました。
どうも有り難うございます。 精選といいつつもっと用意してあったのですが掲載は半分くらいに絞りました。 それだけに個性的なものが残ったようです。 ニュービスタはソケットの方が入手が難しいですね。 趣味の世界ですから無意味と言うことはないと思いますが球の部品は手に入りにくくなりました。

> 今週末は某埼玉県の花見会に・・・
昨日から今朝に掛けての雨でずいぶん散ってしまいました。 週末は葉桜ではないでしょうか? 遠方から現地集合は大変ですね。 もうすこしすれば札幌でもお花見ができるのでは? でも、花よりみんなでワイワイお酒ですよね(爆)

jJR1QJO/矢部 さんのコメント...

最初に作ったクリコンは中二の時、初歩のラジオに掲載された製作記事の50MHzの受信機です。クリコン部分は12AT7のカスコード増幅、周波数変換は6U8を使い三極管部による発振、五極管部によるミキサでした。クルスタルは47.5MHzで親受信機はトリオのSEコイルを使ったものです。内部雑音とスプリアス受信が酷く全く実用的では無かったです。最も、高周波バイパスコンデンサにオイルコンを使う出鱈目な製作なんで上手く行くはずもなく青春の苦い思い出でした。その後セラコンに置き換えましたが、やはりクリコン部の動作は変わらず、いつかリベンジしようと保存しています。

TTT/hiro さんのコメント...

JR1QJO 矢部さん、おはようございます。 今日は晴れて来ました。

再度のコメント有り難うございます。
> 最初に作ったクリコンは中二の時・・・
今では思い出ですね。 まだ当時は真空管式の方が多かったのでしょう。 標準的な構成のクリコンですね。

> 親受信機はトリオのSEコイルを使ったものです。
親受信機も自作品だったのですね。こちらも保存されていますか? クリコンと合わせて復活できたら良いですね。

> 内部雑音とスプリアス受信が酷く・・・
局発の注入レベルが適切でなかったのかも知れません。あるいは、RFアンプが発振気味だった可能性もありそうです。 私の経験では親受信機のシールドが悪いとスプリアスを感じ易かったです。 今でしたら原因究明もできると思います。いつかリベンジされて下さい。 きっとうまく行くでしょう。

私が作ったクリコンも似たような構成でした。クリスタルは43MHzだったと思います。どちらかと言うとゲイン不足の印象が有りました。 ただ、当時は田舎では出ている局も滅多に無く、ノイズレベルも低かったので本当のところはどうだったのか謎です。 もう一度作ってみるのも良いかも知れませんね。(笑)

JR1QJO/矢部 さんのコメント...

加藤さん、真空管式クリコンの親受信機も「動態保存」しています。中二の時部品代だけで2万円した代物でとても捨てられません。何せオイルショック以前の物価ですにで少年の投資としては大変なものです。
実はRTL SDR ドングルの為に100MHzのアップコンバンターを製作中です。市販のクリスタルオシレーターとDBMの組み合わせという大飯食らいの安直な作りです。せめてドングルの受信感度の悪さを補うためのRF広帯域増幅器に工夫しようと思っています。

TTT/hiro さんのコメント...

JR1QJO 矢部さん、こんにちは。 今日は暖かになりましたね。

コメント有り難うございます!
> 親受信機も「動態保存」しています。
それはFBですね。 ぜひ復活されてください! オイルショック前ですと、今の物価の5〜6倍くらいでしょうか? 大切に保管されているお気持ちが良くわかります。

> 100MHzのアップコンバンターを製作中です。
USBワンセグチューナを使ったSDR受信機ですね。 私も実験してみました。 いずれBlogに書こうかと思っているので簡単にしておきますが、RFアンプを付けるのとゲインが加減できるようにしておくと良さそうです。

アンテナ次第かも知れませんが意外によく聞こえます。 ソフトはSDR #ですが、操作性がもうすこし良ければジェネカバ受信機として十分通用しますね。 パソコンとセットですから、少々電気を喰っても気にはなりません。ぜひお試しになって下さい。(笑)

JL1KRA Nakajima さんのコメント...

クリコン特集楽しく拝見しました。これは保存版です!

クリコン作りました簡単そうで上手く動かないものも多かったです。
やっかいなのは、その周波数の機器がなくて聞きたいからクリコン作るのであって
トラブルシュートの手立てが無い、、、。

ゼネカバ機、周波数カウンタ、LCメーター、オシロも経験も無いのに
まぐれで完成するしかなかった時代でした。

TTT/hiro さんのコメント...

JL1KRA 中島さん、おはようございます。 ずいぶん暖かくなりましたね。でも朝は少し寒い感じです。

いつもコメント有り難うございます。
> これは保存版です!
大した内容でもないのですが、精選クリコン回路集を付けたからでしょうか。もう少し幅広く集めても良かったかも知れませんね。いつか続きでもやりましょう。(笑)

> 簡単そうで上手く動かないものも多かったです。
お書きの様に昔は他の機器で補いながらの製作では有りませんでした。 道具もテスタとGDMくらいですから、どんな状態か確実に掴むのが難しかったですね。 出来上がっても本来の性能が出ているのか怪しかったものです。徐々に良くして行くと言う楽しみ(?)も有りましたけれど。hi hi

> まぐれで完成するしかなかった時代でした。
今でも道具が無ければ同じように大変ですが、様々な測定器等が非常にお手軽にになって製作は確実になったと思います。逆に依存し過ぎて道具に振り回されないように気を使うくらいです。(笑)

昔よりもずっと自作に向いた環境なのですが手作りを楽しむ人がわずかなのは勿体ないですね。 中島さんのキット頒布活動のお陰で製作を楽しむお方も増えていると思っています。

JE1UCI/冨川 さんのコメント...

おはようございます。
私の場合は、まぐれもありませんでした。
クリコンには苦~い思い出があり、真空管(6U8だったか)もトランジスタも完成しませんでした。
どこが悪かったのかも解りません。

そこで使ったのがサンコーのSC-6sでした。
43.3Mcの水晶が付いていたのですが、受信に使うと4chに縞模様が入り、受信でもLPFが必要と気が付きました。

今なら「たぶん」作れると思いますが、当時の技術では無理だったです。
ところで、45MHzよりも43MHzあたりの方が有利ではありませんか?

TTT/hiro さんのコメント...

JE1UCI 冨川さん、おはようございます。 桜もすっかり散ってしまいましたね。

コメント有り難うございます。
> クリコンには苦~い思い出があり・・・
同じく、クリコンは成功例の方が少なかったように思います。 そんなにたくさん作ったわけではないのですが・・・・。w

肝心のオーバートーン発振がうまく行かないと言うのが一番多かったように思います。 発振しないので何も聞こえないとか、水晶発振のようで実は自己発振していて見分けがつかない・・・とか。 ブロッキング発振を伴っていてスプリアスだらけとか。 今なら笑えますが必至でした。hi hi

> そこで使ったのがサンコーのSC-6sでした。
サンコーの基板ユニットは記憶が有ります。 古いCQ誌を確認してみたんですが、その物の写真は見つけられませんでした。 局発の高調波で受信中でもTVIが出ると言うのは良く聞いた話しでした。 私もTV電波が弱い地域に住んでいたものですからHF帯の受信でさえも局発の高調波でTVIが出て困ったことが有ります。

> 当時の技術では無理だったです。
水晶発振子を含め、半導体も良くなくてVHF帯の製作はとても難しかったと思います。 真空管だと部品も大きいし、一旦作ってしまうと配置が悪いと気付いても後の祭りでした。 測定器が無かったのも致命的で、まぐれで何とか動いた状態でしたね。hi hi

> 43MHzあたりの方が有利ではありませんか?
短波ラジオが相手なのでダイヤル目盛りの間隔が広い5MHzあたりが良いかと思いました。 イメージ比などを考えるともう少し高い7MHzあたりに変換する方が有利ですね。 14.318MHzのクリスタルを3rd-OT発振させると43MHzくらいになるようでした。43MHzの水晶があれば一番なんでしょうけれど・・・。 いまはTVが全部UHF帯に移行してくれたので有難いです。

7〜9MHzくらいをカバーする短波RXを作ってクリコンと組み合わせて50MHzの受信機を作ってみると言うのは如何でしょう?? SSBは難しいかも知れませんが、AMなら何とか・・・。RJX-601やFDAM3、TR-1100などをリバイバルしてもらい、お相手してもらいましょう。(爆)

JG6DFK さんのコメント...

こんばんは。超大作お疲れ様です。「アマチュアのV・UHF技術」は手元にあるので、そこに掲載されている回路はよく存じています。

クリコンといえば、2010年のハムフェア自作品コンテストに出品した6mのAMポケトラはもっと横着をした2石クリコンでBC帯相当の周波数まで落としました。その後に1石再生付きレフとAFのICを1個追加し、一応-10dBμの信号が識別できる受信機に仕上げました。

ここに挙がっている回路は氷山の一角でしょうし、少なくとも昔はそれだけ熱心に取り組んだハムが多かったのではないかと思います。逆に、今はどれだけのハムが自作をするのでしょうか。コイルを巻け、というだけで見向きもしなさそう。Hi.

先日、市販リグのアーキテクチャにケチを付けてばかりのご隠居さんがいるという話を聞きました。ハムバンドはもう長いことワッチしていないので、実際のところはどうかわかりませんが、お空でこんな話ばかりが飛び交っているのだとしたら悲しいですね。

TTT/hiro さんのコメント...

JG6DFK 児玉さん、こんばんは。 懇親会にも暫く欠席しておりご無沙汰をしております。

コメント有り難うございます。
> そこに掲載されている回路はよく存じています。
件の本はカバーがすり切れるくらい「眺め」ました。(笑) その中から印象的な回路をご紹介してみました。 いずれもCQ誌の記事からの転載だろうと思っています。 纏まっているので有難い本でしたが、デバイスを含めて既に時代遅れでしょう。

> 6mのAMポケトラはもっと横着をした2石クリコンで・・・
拝見したことが有ったように思います。 何となくうろ覚えですが・・・。w

> コイルを巻け、というだけで見向きもしなさそう。Hi.
確かにコイル巻きは「非常に」嫌われます。 RF回路では不可欠なんですけれどね。hi hi

ところが意外なことですが、アクセス履歴の集計を見るとコイル製作図が熱心にダウンロードされています。 具体的な巻き線データさえ提供されれば巻いてみようと思う人もそれなりに居るのかも知れません。(ホントかなあ?・笑)

> ケチを付けてばかりのご隠居さんがいるという話・・・
ハンダ付けさえ怪しいのに屁理屈で困らせるお年寄りがいるって、どこかのメーカーも仰ってましたね。hi

バンドをワッチするとアーキテクチャなどと言う高級な話はまず聞きません。 昔の思い出からでしょうか、今も熱心なカード集めのQSOが殆どです。 どちらかと言えば高級な話題は敬遠されている感じでしょうか。hi hi

ご年配でもご自分で実験や製作をされる(された)お方は、難しさや失敗も体験していますから謙虚なお方が多いと思います。 屁理屈なのは生半可な耳知識だけのお方ではないでしょうか。 そうはなりたくないものですね。(爆)

JG6DFK さんのコメント...

加藤さん、こちらこそご無沙汰です。かの懇親会には昨年11月以来顔を出していません。来月も某クラブの会員さんでごった返しそうなので行かないと思います。Hi.

私の手元にある「アマチュアのV・UHF技術」も崩壊寸前です。丹羽さんの「トラ活」は崩壊しました。Hi. 個別素子による回路は代替品を見つけやすいのでまだまだ有用でしょう。もっとも、チップ部品と格闘する気力があれば、の話ですが。Hi.

> コイル製作図が熱心にダウンロード

興味本位かもしれません。インターネットは「冷やかし」が多いですから。通信料は定額でしょうし、それ以外はどれだけ見ても「タダ」ですから(爆)。

コイルデータはあっても、まったく同じボビンが入手できなければ期待どおりの結果にはならず、結局カットアンドトライになるのが普通だと思います。

昔と違い、今はDE-5000などの計測器が(大幅に値上がりしたとはいえ)安価に入手できるいい時代ですが、それらに投資をしないのだとすれば、まさしく過程をすっ飛ばしてすぐに結果を求めたがるインターネットの住人らしい振る舞いです。Hi.

ここは、「期待通りの結果にならないから責任を取れ!」と文句を言われないだけ良しとすべきでしょう(爆)。

お空の様子を教えていただきありがとうございました。ブラックボックスのデジタル通信に関心を示す人はほとんどいないでしょうし、デジタル信号処理に関心を示す人もほんの一握り。となると、それ以外に目新しい話題はあまりなさそうなので、結局カード集めくらいしか目的がなくなるということなのでしょうか。

JR8LJS_豊川 さんのコメント...

加藤さん、こんにちは。

コメント数が飲み伸びていますね。 みなさん、クリコンには特別な思い出が有るようですね。

>高周波用の定番トランジスタでしたね。 時代とともに…
昔はテレビをバラせば色々が部品が採れて楽しかったっですね。今のテレビは面白く有りません(笑)
3.58MHzの水晶を12逓倍すると50MHzを7MHzに落とせるので、そんなクリコンを計画した事もありました。
ミキサーはSD82、、懐かしいです。 ゲルマラジオにはSD46が良く登場していたように思います。

【精選クリスタルコンバータ回路集】の続編を希望します。

では

TTT/hiro さんのコメント...

JG6DFK 児玉さん、こんばんは。 今日は強風の中で掛けておりました。凄い風で、砂嵐のようでした。ww

再度のコメント有り難うございます。
> ごった返しそうなので行かないと思います。Hi.
今月はQRPクラブ60周年企画のJP60と言うトランシーバの完成品製作担当者向け配布が有ったので参加者が多かったのだと思います。 来月はどうなんでしょうねえ。w

> 個別素子による回路は代替品を見つけやすい・・・
確かにそれはありますね。 ただ、代替品で作ることに自信が持てないのと、代替する時に気をつけるべきことがわかっていない人も多いのでオリジナルを欲しがる傾向は強いですね。

> 結局カットアンドトライになるのが普通だと思います。
その通りですね。 RF回路は何がしかのカットアンドトライは不可欠なので作りっぱなしで完成とは行きません。 そのあたり、初心者には難しいのかも知れません。

> すぐに結果を求めたがるインターネットの住人らしい・・・
どうやらインターネット住民に反感のようなものをお持ちのようですね。(爆) 検索で訪れる「一見さん」はネット情報のつまみ食いが目的ですから確かに仰る通りでしょう。 もう一つ、常連さんがかなりたくさん居られます。常連さんは記事をじっくり何回もご覧になっているようで、時には追加試作もされるようですよ。 「つまみ食い」のお方と別に考えた方が良いんでしょうね。

> 文句を言われないだけ良しとすべきでしょう(爆)。
自家用情報なので「責任は持たない」むね、常に予防線は張っております。実際そうなんで。(爆)

> 結局カード集めくらいしか・・・
それでは、そのうち「馬鹿らしさ」に気付いたところでQRTでしょうね。 自作機でやるなら意義もありますが、買った無線機と買ったアンテナでやっても・・・。(笑)

またお気軽にお書き込みください。

TTT/hiro さんのコメント...

JR8LJS 豊川さん、こんばんは。 夜になって寒くなってきました。 一時的に冬に逆戻りのようですね。

再度のコメント有り難うございます。
> みなさん、クリコンには特別な思い出が・・・
昔からオンエアされていたお方なら、クリコンを作ったりお世話になった経験をお持ちなのでしょうね。 今のようにV・UHF帯を含むマルチバンド機なんてありませんでしたからクリコンで受信バンドを増やすのが常套手段でした。

> 昔はテレビをバラせば色々が部品が採れて楽しかった・・・
ポンコツになったTVは部品の宝庫でした。真空管の時代にはずいぶんバラしたものです。但しダンパー管と高圧整流管は食指が動かず。(笑) 半導体は新品でも安くなったので半導体式のTVをバラした経験はあまりありませんです。w

> 3.58MHzの水晶を12逓倍する・・・
OSCx3x2x2でしょうか? 12逓倍する方が大変そうな50MHzクリコンですね。 まるでUHF帯みたいです。(爆)

> ゲルマラジオにはSD46が良く登場していた・・・
ゲルマDiのスタンダードは、東芝が1N60、日立が1N34A、日電がSD46、SONYは1T23で、松下はOA70でしたね。hi hi

> 続編を希望します。
ネタ切れ用に考えておきます。 美味しいところは既にやってしまったので、続編はイマイチかも知れませんネ。(笑)

今夜は暖かくしてお休みください。

JR1QJO/矢部 さんのコメント...

クリコンは昔、初心者が最初に自作をする付加装置なので、たった3石か2球なので気軽に作る のですが中々奥が深く、青春のほろ苦い思い出になっているようですね。特にクルスタルは当時(昭和40年代CQ誌が200円で買えた時代)でも高く、確か1500円したかと思います。だから一発作動しなかた時には何とかして成功させようと無い知恵を絞って格闘しました。結局その過程で自分の技術の未熟さを思い知り、精進するきっかけを得たのかと思います。いい教材だったと思います。たかがクリコンされどクリコンですね。

TTT/hiro さんのコメント...

JR1QJO 矢部さん、こんばんは。 今夜は冷え込んできましたね。 明朝が心配です。hi

再々のコメントどうも有り難うございます。
> 中々奥が深く、青春のほろ苦い思い出になっている・・・
VHF帯や聞いたことの無いハムバンドを受信したくてチャレンジしたものです。 球数が少ないので簡単そうに見えても易々と行かないのが現実で・・・。コイル巻きから始まって局発を起動させRFアンプの自己発振に手を焼き、ちゃんと動かすまでには様々な苦労が。(笑)

> 確か1500円したかと思います。
水晶は高かったですね。宝石の一種だから高いのだろうと思っていました。(爆) FT-243だと1000円くらい、HC-6/Uは1500円くらいしましたから簡単に買えませんでしたね。 水晶が安くなったのはCBトランシーバブーム以降で一段と安くなったのはパソコンの時代になってからだろうと思います。人工水晶の技術が発達した恩恵ですね。 今は本当に安いのでラダー型フィルタのファンには非常に有難いです。

> いい教材だったと思います。たかがクリコンされどクリコンですね。
高周波増幅回路と水晶発振回路は通信機の重要技術ですからね。 球数が少なくて結果がすぐに出るためウデを磨くのには最適教材だったと思います。 いま作ってみても、そんなに簡単な製作ではないな・・・と感じました。

JR8LJS_豊川 さんのコメント...

加藤さん、おはようございます。
昨日は季節外れの吹雪で大変でした。 今朝は晴れていて積雪はありません。

クリコン製作は面白いですね。 お陰で色々と勉強させてもらいました。

>OSCx3x2x2でしょうか? 12逓倍する方が大変そうな50MHzクリコンですね。
今なら、43MHzの水晶を買ってくればすむ話ですが当時は高価で購入出来なかったです
12逓倍と言っても、当時のVHFの送信機では普通にやっていましたからね。
結局、プランだけで終わってしましましたが。
この頃はジャンクの水晶と電卓で周波数のプランを練るのも面白かったです。

>但しダンパー管と高圧整流管は食指が動かず
あと偏向ヨークですね、、、巻き線が綺麗にほどけると良いのですが無理でした。

では、、

TTT/hiro さんのコメント...

JR8LJS 豊川さん、こんにちは。 やはり吹雪でしたか。 暖かい朝に慣れて来たので今朝は寒く感じました。hi

再度のコメント有り難うございます。
> 当時のVHFの送信機では普通にやっていましたからね。
そうでした。 FMの送信機では必要なデビエーションを得る関係でいっぱい逓倍していましたね。 いま考えるとスプリアス輻射が心配になります。hi

> 水晶と電卓で周波数のプランを練る・・・
手持ちの水晶で目的のモノが可能か否か、ずいぶん計算したものです。 実際に作ってみたらマズい所にスプリアスが出てダメだったと言う浅はかな結果もあって、ちゃんとした水晶が欲しかったものです。hi hi

> 巻き線が綺麗にほどけると良いのですが無理でした。
偏向ヨークは樹脂で固めてありましたね。 解けそうでダメだったように思います。 ブラウン管も使い道が無いので、シャシと一緒に箱に戻して廃棄処分に戻しました。

フライバックトランスはコアが使えるかと思ったものの、あまり使い道は無かったです。あの部分は触ると手が真っ黒になるので嫌でしたね。 ジャンクTVの部品はたくさん持っていたのですが、だいぶ前に全部捨てました。もうそう言う時代ではなかったので、特に惜しくも感じませんでした。

ジャンクな昔話でした。:-)