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2018年7月28日土曜日

【回路】Short Wave Radio Design (2)

【回路:短波ラジオの設計・試作・その2】<TA2003P編>

 【TA2003Pで作る短波ラジオ
 しばらくラジオじゃない電子回路が続きましたが、久しぶりにRadioがテーマです。

 このBlogにはトランジスタを主役に使って短波ラジオを製作するページがあります。  トランジスタでスーパー形式の短波ラジオは珍らしいらしく、思ったよりも興味を持って頂けたようです。 ご覧のお方もぼちぼち続いていて最近は海外からのお客さんもあるみたいです。

  短波ラジオはトランジスタで作れるのはもちろんですが、ラジオ用のICを使ったらもっとたやすく製作できるのでしょうか? そうした期待から試みたのがこのBlogです。 ラジオ用ICには既にお馴染み(?)になったTA2003Pを使いました。 これはいま現在でも簡単に手に入ります。

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 世の中は完全にデジタル時代になっています。 手っ取り早く短波放送を聴くのが目的でラジオに取り組むのでしたらSDRを使ったキットがお薦めです。 

 ここでは従来型の・・・要するにアナログ式で短波ラジオを作ります。 アナログとは言っても進歩した新世代のラジオ用ICを使います。 もちろん性能が確実なスーパー・ヘテロダイン方式です。 部品が少ないうえ調整箇所もわずかなので製作は容易なのですが性能もあなどれません。 もちろん製作者によって出来ぐあいも異なります。それでも、ぜんぶトランジスタで作るよりも高性能化しやすいと感じました。(写真:ラジオ全景)

 工夫次第でHAM局用の通信機にすることもできますが、やはりラジオ用のICチップなので短波ラジオの範囲で製作するのが良さそうです。 そのあたりも含めて話を進めてみたいと思います。 そろそろ夏休みでお暇なのでしたらICを使った短波ラジオの世界で遊んでみてはいかがでしょうか?

 【TA2003P短波ラジオ回路図
 ラジオ用のIC:TA2003Pを使った短波ラジオです。 TA2003Pについては過去のBlog(←リンク)に説明があります。 ICの中身を詳しく知りたいのでしたらそちらに戻ればわかります。

 この短波ラジオの基本設計は。トランジスタで作った短波ラジオ(←リンク)と同じにしました。 従って受信周波数は同じく3.4〜10.2MHzになっています。ただし変更も容易です。 HAMバンド専用機ではなくて普通の短波ラジオの設計です。 フェライト・バーアンテナは使っていませんからワイヤーアンテナなどを外付けして受信します。 選択度は簡易なセラミック・フィルタで得ています。 IFT(中間周波トランス)は一つも使っていないので中間周波増幅部は完全無調整です。 もちろんスーパー・ヘテロダイン形式ですから受信範囲を決める局部発振器(Local OSC)と入力同調回路のトラッキング調整は必須です。受信感度に直結しますから、ここだけはきちんと調整する必要があります。

 BFO(唸周波発振器:Beat Frequency Oscillator)は短波のラジオには不可欠なように思います。 もちろんHAMバンドの交信を聞くには必須です。 BFOがなければ、無線電信(CW)や単側波帯通信(SSB:Single Side Band)を復調できません。 もっぱら国際放送のようなAM放送波だけを受信対象にするのでしたら不要ですが、ここでは設計に含めておくことにしました。 必要を感じないのでしたらその部分を作らなければ良いわけです。

 受信信号の強さを測るためにSメータ回路を付けました。簡易型なのでできるだけ高感度なメーターが適します。理想を言えば100μAフルスケール(FS)くらいのメーターが良いです。250μA FSのラジケータでもまずまず使えます。 振れ具合はR6:4.7kΩで加減できます。 簡易なものですが受信信号の強さがある程度わかります。 また放送局に正しく同調をとるときにも役立ちます。 短波帯の電波は電離層の反射を使って遠方まで伝搬します。 電離層の状態は時々刻々変化していてSメータを見ていると短波の性質がビジュアルに伝わってきます。 メーター指針の動きに短波らしさが感じられますね。

 ラジオの主要な機能はTA2003P一つで実現できます。 出力として音声周波数の信号が得られます。 そこにクリスタル・イヤフォンを繋げばただちに音として聞くことができます。 しかしスピーカを鳴らすには非力ですからさらに増幅が必要です。 そのための増幅器がLM386です。 ここではセカンドソース品(開発メーカー以外が作った同等品)のNJM386BD(新日本無線:NJRC製)を使いました。もちろんオリジナルのLM386N、LM386N-1またはLM386N-3(ナショセミ・TI製)でも良いです。 これでスピーカを鳴らすことができます。

 電源電圧は+5Vで設計しました。 TA2003Pは3Vくらいでも十分に働きます。 しかし低周波増幅のLM386は少なくとも5Vほど必要です。 乾電池4本直列で約6Vを供給しても良いでしょう。 但し最大でも+7Vまでにします。 7Vを超えるとTA2003Pが壊れる恐れがあります。 もし12Vの電源で使いたいのでしたら、μA7805などの3端子レギュレータを使って5Vまで落とします。(μA7806で6Vに落としても大丈夫です)

 ラジオの主要な機能はTA2003PとLM386の2つのICだけで実現できます。 ただしBFO回路は通信機的な機能のため普通のラジオ用ICには内蔵されていません。 従ってトランジスタを使って外付けすることになります。 この例ではごく簡単な1石の発振回路にしました。ハートレー型のLC発振器です。
  2SC1815で設計しましたが、ごく一般的な小信号用トランジスタ(NPN型)ならなんでも使えます。 たとえば2SC183、2SC372、2SC458、2SC536、2SC538、2SC710、2SC828、2SC838、2SC945、2SC2458、2N2222、2N3904、BC548など幾らでもあります。 2SC1815と形状や足の並びが異なるものもあるので確認してから使ってください。 発振用のBFOコイルについては後ほど説明があります。

 【TA2003P短波ラジオ:RF/IF部
 TA2003Pで構成した高周波部分です。 TA2003Pは外付け部品の少ないラジオ用ICです。  主要な部品は、ICのほかにアンテナ・コイル、局発コイル、バリコン、そして中間周波フィルタ(セラミック・フィルタ)です。 あとは数個のコンデンサのみです。

 これだけの部品だけで感度の高い短波ラジオが作れるのですから、さすがにラジオ専用のICです。 十分な増幅度が得られるほか、自動利得調整(AGC:Automatic Gain Control)もよく効きます。

 使い方のコツは、周囲をGND回路で囲むようにし、TA2003PのGNDピン(2番と9番ピン)を最短距離でGNDに接続します。 また電源ピン(6番ピン)とGND 回路の間には最短距離でバイパス・コンデンサを接続します。 基本的に高周波回路ですから、配線はなるべく短くすると動作が安定します。

 ICを使った回路は、多くの機能が一箇所に集中することになります。 そのためコンパクトに作れる反面、IC周辺への部品配置が難しくなってしまいます。 写真のようにアンテナコイルと局発コイルはICの左右に別れて配置してあります。 2連バリコンで連携して同調されますから、2つのコイルはできれば近くに置きたいところですがICのピン配置を考えると写真のようになりました。

 もちろんブレッドボードではなく、ユニバーサル基板に作ったり、新たに基板設計するのでしたら最適な答えは変わってきます。 ICのピン配置と周辺部品の接続状況をよく見ながら部品の配置を決めます。

 【TA2003P短波ラジオのコイル製作図
 ほとんどの部品は市販品が容易に手に入りますけれど、2つあるコイルだけは売っていません。 製作に必要な材料を手に入れて自分で巻きます。 以前のBlog記事、トランジスタで作った短波ラジオ(←リンク)と同じようなコイルを巻きます。  巻き数は少し違いますが、作り方はまったく同じです。 コイルの材料になる、ボビン(巻き枠)や巻き線など製作の実際は以前の記事を参照してください。

 受信周波数範囲は同じですから、各コイルはほとんど類似の仕様になります。 以前の短波ラジオのBlogの時に製作してあればそのまま試すことも可能です。 ただし、本式にはアンテナコイルをTA2003Pに最適化すべきです。 また局発コイルもリンク側(4番ピンと6番ピンの間)の巻き数は7.5回巻きよりもやや多め(8〜10回巻き)にすべきです。

 色々調べたのですが、合わせて使うバリコンの入手が問題になりそうでした。 aitendoの「443AB」が手に入れば安価で良かったのですが品切れが続いています。 ここでは手持ちから最大容量が275pFの「等容量型の2連ポリバリコン」を使いました。 最大容量が250pFから300pFくらいまでの2連バリコンならそのままの設計でもとりあえず使えます。 なお、必ず「等容量型」の2連バリコンを使います。 中波のラジオ製作でおなじみのトラッキングレス型バリコンは短波ラジオには使えません。 トラッキングレス型も2連バリコンの一種なのですが2つあるセクションの容量値は異なっています。 中波のラジオに使うとトラッキング調整が簡単に済むよう特別に作られている専用の部品ですから短波ラジオにはうまくないのです。 必ず等容量型の2連バリコンを使います。

 等容量型の2連ポリバリコンも昔は秋葉原の店頭で手に入ったのですが、いまでは困難です。 ネットで探してみましょう。

参考:窮余の策として真空管用の最大容量が430pFのエアー型2連バリコンも使えるのですが、コイルの再設計を要します。 以下の数字を参照のうえ、同様に製作してください。

真空管回路用としてごく一般的なエアーバリコンは12〜430pFの可変範囲を持ちます。

(1)ANTコイルT1:4.66μH・・・(同調側)
(2)ストレー容量を含んだトリマ・コンデンサC4の容量:40pF
(3)OSCコイルT2:4.07μH・・・(同調側)
(4)ストレー容量を含んだトリマ・コンデンサC3の容量:43pF
(5)パッディング・コンデンサC2は:2984pF(2700pFまたは3000pFで良い)
・・・となります。

なお、小型ホームラジオ用と称した最大容量が300pFの2連エアーバリコンも見かけます。それを使うには上記の図表に示した設計のまま製作して大丈夫です。 エアーバリコンはポリバリコンよりもいくぶん周波数安定度が良くなるので手持ちがあれば活用されてください。

所定のインダクタンスとなるよう、各コイルを巻き、最大容量が30〜50pFくらいのトリマコンデンサと組み合わせて構成します。エアーバリコンは巨大なので配線のストレー容量が大きくなりがちです。ストレー容量を増やさぬよう部品配置をよく考え、最短配線に心がけます。

 【TA2003P短波ラジオ:低周波部
 LM386N / NJM386BDを使った低周波増幅回路です。 ゲイン(増幅度)は約100倍です。 最大出力は8Ωのスピーカを繋いだとき約150mWです。

 こうしたラジオは回路全体として見たとき、非常にハイゲインです。 少なく見積もっても10万倍(100dB)以上のゲインがあって部品配置や配線状態が不適切なら簡単に発振が起こります。 その対策の一つとしてLM386の部分に電源経由で信号の回り込みが起こりにくいようデカップリング回路(減結合回路)を設けています。 R9(10Ω)とC17(470μF)がそれです。効果が不十分ならC17の容量をもっと増やしてみます。

 短波ラジオですからHi-Fiな設計にはしていませんが、国際放送の聴取やHAMの交信を傍受するには十分な音質です。 音の良し悪しはスピーカで決まる部分が大きいので、良い音で聴きたいのでしたらアンプをいじるよりも、大きくて効率の良いスピーカに変えると効果的です。ちっぽけなスピーカではアンプで幾ら頑張っても貧相な音になるのは当然でしょう。

 【TA2003P短波ラジオ:BFO部
 無線電信:CWやSSB通信を復調するためのBFO回路です。 発振周波数は455kHz付近です。 正確な発振周波数は選択度を決める帯域フィルタの特性との兼ね合いで決めるべきです。

  ここで使った帯域フィルタ:CF1(村田製作所:CFU-455H)は通信機用とは違います。 いささか特性が甘いため、BFOはかなり大雑把な発振周波数で支障はありません。 周波数カウンタがあれば455kHz ±2kHzくらいに合わせておけば良いでしょう。 本格的なBFOは発振周波数が可変できるようにします。 しかし、ここでは簡易版ですからその必要を感じません。 製作後にいちどBFOコイルのコアを回して周波数合わせをしておけば十分そうでした。 (参考:選択度が甘いのでダイレクト・コンバージョン受信機のような受信法になるわけです)

 BFOコイルはトランジスタ・ラジオ用として市販されているIFT(中間周波トランス)を流用します。 たいていのIFTは3個組になっていて、調整コアの色は「黄・白・黒」でしょう。 ここでは何色でも使えますが、もし単品で購入できるなら白色か黄色にします。

 ここで使った7mm角のIFTと同じものでない限り発振強度の再調整が必要です。 発振強度調整はBFOコイルの4番ピンと6番ピン(GND)間にオシロスコープをつなぎ、発振波形を見ながら行ないます。 具体的にはR4:3.9kΩを加減します。 発振が起こらないときは小さくし、波形が綺麗なサインウエーブ(正弦波)にならない時は大きくします。 ON/OFFしてみて確実な発振が起こる範囲で、小さめの発振状態が良いと思います。

 もう一つ、BFOの調整ではTA2003Pへの注入量の加減が必須です。 あまり強く注入してしまうと、BFO信号によってTA2003Pに強いAGC(自動利得調整)が働き受信感度が抑圧されてしまいます。 CWやSSBの受信に支障がない範囲で小さな注入量にとどめるべきです。 その調整はコンデンサ・C9:3pFで行ないます。 発振に使用するBFOコイルによって発振の強さに違いがあるほか、回路の配置によってもコンデンサ・C9 の最適値は異なってきます。 場合によっては容量をゼロにしても大きすぎることさえあります。 そのような場合はBFO回路を独立させてシールドで覆うなどの対策を要するでしょう。

 しかしあまり難しく考えず、受信状態を聞きながら加減すれば十分だと思います。 注入状態いかんですが、BFOをONするとSメーターがある程度振れるのは普通です。 振り切れるようでは注入量過大ですが、Sメーターが振れるのはやむを得ないと思ってください。 このあたりがラジオ用のICで簡易に作った短波ラジオの限界と言えます。 HAM局用には物足りない部分と言えるでしょう。 それでもCWやSSBの交信は聞こえますから楽しいものです。BFOがなければまったくダメなんですから・・・。

 昔々の通信型受信機:9R4J、9R42Jや9R59(Dナシ)はBFOをONするとゲインが抑圧されてしまうため、AGCの働きを止めると言った受信方法でした。それが普通だったのです。 このラジオのほうがまだマシと言えるかもしれませんね。

ここで使ったBFOコイル用のIFT(白)を差し上げます。必要ならメールください。

 【TA2003P短波ラジオ:IFフィルタ部
 この試作では選択度を決めるフィルタとしてセラミック・フィルタを使いました。 村田製作所のCFU-455Hという古い形式のものです。  同じものは入手困難と思われますが、代替品なら何とかなるでしょう。 もし違う型番の手持ちがあるなら使ってみる価値は十分あります。 455kHz前後のセラミック・フィルタなら使えるものはたくさんあります。 型番にあまりとらわれずある物で試してみましょう。450kHzのセラフィルも使えます。

 使ってみてからわかったのですが、このフィルタ一つだけでは不満がありました。 可能なら2個を重ねて使うべきです。 そうすると選択度も向上しますが、それ以上に通過帯域外の減衰特性が改善されるので「おかしな混信」から逃れることができます。

 あまりにも本格的なIFフィルタは簡易な短波ラジオには馴染みませんが、逆に簡易すぎると不満が起こります。CFU-455Hクラスのフィルタならぜひとも2つ使いたいところです。

 【使用したIFフィルタの特性
 CFU-455Hはこのグラフのいちばん内側のカーブのような特性になっています。 -6dBの通過帯域幅はおおよそ6kHzですから短波放送の受信にはちょうど良い選択度です。

 しかし、問題なのは両脇の裾野の部分です。 赤く囲った部分では通過帯域からみてわずかに35dBくらいしか減衰しません。35dB以上の強度差がある信号は短波帯にはざらに存在します。  したがってその盛り上がった部分に強い局の方が掛かれば当然のように混信が発生します。(ラジオ放送の受信で起こりやすい)

 2段に重ねれば通過帯域外は70dBくらいの減衰量になりますから混信はほとんどわからなくなります。 CFU-455は内部素子数の少ない簡易なフィルタ(4エレくらいでしょうか?)なのでやむを得ません。やはり2つ使うべきだと思いました。 同じセラミックフィルタでも通信機用のもっと高級なものなら一つでも大丈夫です。 別のラジオの例ですがこのフィルタを2つ重ねて使ったところ、おおよそ9R59なみの選択度になりました。 本格的な通信機用IFTを3つ使った受信機に近い選択度が得られます。ラジオとしては十分すぎるほどでした。CFU-455クラスの簡易セラフィルは2つ使うのがベストです。

TA2003Pを使った短波ラジオの調整
 この短波ラジオが十分な性能を発揮するためには調整がとても大切です。 ラジオとしての基本的な動作が確認できたら調整を始めましょう。 省部品にできたICですから調整箇所は限られています。 スーパーヘテロダイン式ラジオに付きものの中間周波トランスの調整はありません。 従ってトラッキング調整のみ行なえば終了です。 短波の1バンドだけのラジオですからごく簡単です。もちろんテストオシレータなどの調整用機器は必要です。中波のラジオと違って放送局を使った調整は現実的ではありません。何とかして調整用機材を準備してください。

 トラッキング調整の概要は以下の通りです。 まず、(1)局発回路(Local Oscillator)を調整します。 それによって受信範囲を決めます。 続いて、(2)局発回路で決まる受信周波数と入力の同調回路(アンテナコイル)がうまく連動するように調整します。

 以上ですべてですが、具体的な作業手順はトランジスタを使った短波ラジオ(←リンク)のところに順を追った説明があります。 ここでは省略しますのでそちらを参照してください。  受信範囲も同じですからほとんど同じ手順で調整を進めることができるでしょう。

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 【TA2003Pで作った短波ラジオの受信ムービー(注:再生すると音が出ます

 

 ムービーはラジオNIKKEI第1プロ:6055kHz(JOZ2)を受信している様子です。アンテナはハーフサイズのG5RVです。 昼間は日経ラジオ(昔は日本短波放送と言った)くらいしか聞こえませんが、日没になると放送バンドにはたくさんの国際放送局がひしめきます。 感度も十分でとてもよく聞こえました。 ダイヤルを3.5MHzや7MHzに合わせBFOをONしたらHAM局の交信も聞こえてきます。ただしメインバリコン一つで同調するのは非常に困難です。 スプレッド・バリコンを追加するなど短波ラジオに向いた装備を充実させたくなります。 毎度書きますが、短波ラジオでは選局しやすいダイヤル機構をどう実現するのか、たいへん重要です。 感度を云々するのも結構ですがダイヤルがイモでは実用性はナシです。 スーパーヘテロダイン式受信機で問題になるイメージ比も十分とは言えませんからプリセレクタを外付けしてやると効果的です。 そこまでやれば立派な短波ラジオになります。

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 HAMのこだわりで短波ラジオといえばCWやSSBの受信も・・と欲張りたくなってしまいます。 一般的に出回っているラジオ用のICにその機能はありません。 そうした受信も考慮されていませんからそのまま使ったら不満が残るのは当然でしょう。 幸い本格的な通信型受信機に向いた半導体も入手できますからTA2003Pのような「ラジオ用のIC」に過大な期待を掛けぬ方が良さそうです。 こうしたラジオ用のICは無理して通信型受信機に仕立てるよりも「高性能なラジオ」の方向が正解のようでした。

 TA2003Pはもともと短波受信も可能なICチップです。 「誰でも簡単に」とは言いませんが、ラジオの仕組みをある程度わかっていれば高性能な短波ラジオも実現し易いはずです。 特にAGCの性能などは立派であり、微弱な信号から強力なラジオ局まで破綻なく聞こえるのは流石でした。 このあたりは6石スーパーくらいでは真似できません。 出力側が非同調形式なので完全なものではありませんが、高周波増幅(RFアンプ)が内蔵されているため感度良好な短波ラジオになります。 トランジスタを並べて作った回路のような細部の融通性こそありませんが一定水準の性能は得られ易いです。 ラジオ専用のICを使った短波ラジオはお薦めできそうです。 ではまた。 de JA9TTT/1

(おわり)fm

2018年7月13日金曜日

【回路】Making a DVM with Green LEDs

【回路:緑色LED表示のDVMを作る】
 【高輝度Green LED
 緑の数字表示器といえば蛍光表示管がポピュラーです。明るくて目に優しい色合いなので長く使われてきました。

 しかし蛍光表示管はやっぱり真空管なのです。 フィラメントの加熱が必要ですし十分な輝度を得るには高い電圧を加えなくてはなりません。 あの緑色に未練は残りますがそろそろ交代を考えても良いのではないでしょうか。

  ずいぶん前から発光ダイオード:LEDにもGreenはありましたが、何となく寝ぼけた色合いですし、輝度もだいぶ低かったのでした。 刺激的で目に優しくないと言われつつも赤色のLED表示器が多かったのも仕方ないでしょう。 少しマシなオレンジ色も使われましたが今ひとつでした。

 最近はLEDを使った信号機が増えてきました。 いつも通過するたびに思うのですが、何とも魅力的な「青信号」だと感心していたのです。 あんな色合いの数字表示器があればいいのに・・・と。 それがありました!

                   ☆

 最近手に入れた緑色の数字表示器を使ってみたいと思ったのが出発点です。 周波数カウンタでも良かったのですが、今回はデジタル電圧計を作ることにします。
 単純に数字表示器を光らせるだけでは面白くないでしょう? 4桁の数字表示器ですから時計でもと思ったのですがデジタル電圧計にしました。 その方が実験っぽいですからね。(笑) 例によってお暇ならお付き合いを。

デジタル電圧計のパーツ
 電圧計の製作に使ったICです。 メインのICはMP7138というDVM用のチップです。

 MP7138の入手は困難でしょうから詳しくは書きません。 2重積分型のA/D変換回路とデジタル表示のための回路を内蔵した専用のICです。よく覚えていませんが試作品を頂いたものだったと思います。 類似のICとしてはインターシル(現・Renesas Electronics社)のICL7137があります。 それとだいたい同じような機能を持っていると考えたら良いです。

 表示はダイナミックドライブ形式で外付けのデコーダ・ドライバが必要です。ここではC-MOSのTC4511BPを使っています。 桁ドライブが正論理なのでLEDはカソード・コモン型を使うと簡略になります。 ここで使った4桁のLED表示器:OSL40391-LG(←秋月電子通商にリンク)はGreenのものですが、同じ形状でRedとBlueもあります。 桁ドライブにはTD62003AP(←秋月にリンク)という東芝製を使ってみました。前のBlogでカウンタ用LSIと一緒に使ったNECのμPA81Cとピン接続を含めてほぼ同等です。 もちろん、デジトラを4個使っても同じようにできます。

 MP7138は基準電圧源を内蔵しないため別途用意する必要があります。 メーカーのアプリでは1.2Vのバンドギャップ・リファレンスが使ってあります。 あいにく、1.2Vの基準発生用素子に良い物がなかったのでここではTL431を使うことにしました。 TL431系のICは少々温度係数が大きくて、こうした電圧計の基準には不適当ではないかと思ってきました。 そこで性能を確認した上で使うことにしたのです。詳しくはこのあと試してみます。

 MP7138はプラス5Vの他にマイナスの電源も必要です。 マイナス電源の消費電流はわずかで電圧も安定化しなくて大丈夫ですが必ず用意する必要があります。 メーカーの回路例ではC-MOSインバータを使った負電圧発生回路になっています。ここでは専用のIC:ICL7660CPAを使うことにします。(写真にはありませんが)

 【MP7138 を使ったDVM
 CADを使った図面の話ですが、今まで使ったこともないデバイスで回路図で書こうとするとデバイスエディタを起動して新規登録しなくてはなりません。 そうなると回路図を書き起こすのも面倒くさいのと、同じデバイスはどうせ手に入りませんから新規登録しても意味がありません。 手間を省いてメーカーのアプリケーション・ノートに書き込みした回路図で済ませます。 ここではどんな物かわかれば十分なので参考程度に見てください。

 MP7138自体かなり古いICなので応用例には見たことも聞いたこともないようなICが使われています。 DS8857というのはナショセミ社の7セグメント・デコーダ・ドライバでTTL構造のICです。ただし一般的なSN7447と違ってカソード・コモンのLED用なのです。 持っていませんし手にも入りませんから類似機能のC-MOSの4511BPで代替します。 桁ドライブには同じくナショセミ社のDS75492が使われていますが、こちらはNPN-Trのダーリントン接続が6回路分集積されただけのチップです。ここではTD62003APで代替しました。機能は類似ですがピン接続はもちろん異なります。

 鎖線で囲まれた74C04を使った部分は負電圧の発生回路です。74HCU04で代用可能と思われますが、ここではICL7660CPAという負電圧発生用の専用チップを使います。動作が確実で性能もずっと良好です。 まあデジタル電圧計としての性能には影響はないのですが。

 MP7138は2Vフルスケールと0.2Vフルスケールが選択できます。ここでは2Vフルスケールで作ります。 その場合、必要な基準電圧は1.000Vです。必ず安定している1.000Vを与えなくてはなりません。 回路例では MPS5010という自社製のバンドギャップ・リファレンスを使っています。 もちろん入手難なので代替します。 購入するまでもないと思って手持ちを探したのですが適当なものが見つかりません。 そこですこし温度安定度に心配がありますがTL431を使ってみようと思います。 TL431は2.5Vを発生しますので、1Vになるよう分圧して与えればOKです。

メーカーの推奨回路では珍しいデバイスが使ってありますが、回路を見ても特に難しい部分はないと思います。

 【電圧基準:NJM431L
 1.2Vのバンドギャップ・リファレンスはポピュラーなのでですが手持ちに適当なものはないので新たに購入する必要がありました。

 探していたらTL431系のチップならたくさんあることがわかりました。 ツェナーダイオードなんかたくさん使わないのと同じで、TL431もそうそう使うものではありません。たくさんあっても少々持て余し気味でした。

 基準電圧源としては物足りないのですけれど、まあ実験用には良いかもと思ってデータシートを見ていたら面白いグラフが目にとまりました。

 【NJM431Lの温度特性
 この図はNJM431L(新日本無線製のセカンドソース品)のデータシートに載っていたものです。 横軸は温度、縦軸が電圧になっています。 従ってカーブが水平なものほど電圧が温度変化に対して安定していることになります。

 このグラフは開発評価の際に特定の製造ロットについて代表的な特性をとった結果ではないかと思われます。 従って、一般に流通している現品もまったく同じ傾向があると考えるのは早計ではないかと思うのです。

 しかし、デバイスとしての傾向はこの図の通りなのでしょう。 この図では、端子間のブレークダウン電圧:Vzが2.500V付近のものが最も温度係数が小さく周囲温度の変化に対して端子電圧が安定していることを示しています。

 そうそう旨い按配にVz=2.500VのNJM431Lが見つかるとも思えませんが、たくさんある中には近い電圧のものがあるかもしれません。 実測してみる価値はありそうです。

 【TL431Cがオリジナル
 431系のオリジナルはTI社のTL431です。 手持ちにオリジナルメーカの製品があるなら合わせて調べる必要があるでしょう。

 このTL431Cは許容電力が大きなタイプなのでパッケージは縦長で大きくできています。 ツェナー・ダイオードの代替品として使う際に大きめの電流が流せるようにできているのです。 外形こそ大きいですが内部の半導体チップはあまり違わないサイズと思われます。

 こちらも幾つか手持ちがあったので選別の対象になりそうです。

 【TL431Cの温度特性
 調べてみたらオリジナルメーカのデータ・シートにも同じようなグラフが掲載されていました。 この例でもほぼ2.500VのグラフをみるとNJM431Lと同じような傾向を示すようです。 製造プロセスの違いはあっても等価回路は同じですからね、シリコンであることに違いはありませんし。

 やはりVz=2.500V前後のTL431Cが見つかれば良い結果が期待できるのかもしれません。 探してみましょう。

 今まで見過ごしてきたようなグラフですが改めて見直すと面白いものです。 ただし、このTI社のグラフも特定の製造ロットを調べた例ではないかと思います。 実際に手持ち品が同じような特性を示すとは限りませんよね。 それにそんなに都合よく2.500Vに近いものなど見つかるものなのでしょうか?

 【端子電圧で選別する
 想像しているだけでは本当のことはわかりません。 現物は手元にあるわけですから、実際に測ってみるに限ります。さっそくやってみましょう。

 回路電圧は使用時を考えて+5Vにします。 グラフの特性例では流す電流をIz=10mA と大きめにとっています。 しかしここで使うには10mAは大きすぎるのでIz=1mAで行きたいと思います。 データシートにある幾つかの特性グラフから判断してIz=1mAなら10mAとさして違わないようです。 従ってドロッパ抵抗は2.2kΩを使いました。(写真)

 並列に入れるバイパス・コンデンサは3.3μFにしました。 TL431は0.01〜2.0μFあたりの容量が並列に入ると発振するおそれがあります。 これは特に気をつけなくてはなりません。 とりあえず3.3μFなら安全な範囲です。 使用時には10μFくらい入れておくことにします。

#このような回路で端子間電圧を実測してみることにしました。

 【Vz=2.5V付近が良い
 NJM431LとTL431Cを実測して見たところ、Vz=2.500V付近のものならそれほど苦労せずに見つけられることがわかりました。 5つも測定すれば2.500Vに非常に近いものが見つかります。たくさん探す必要もなく簡単に見つけられました。

 そうそう都合よくVz=2.500VのTL431やNJM431が見つかるとは思ってませんでしたが何でも試してみるものですね。 この例では4mVほど高めですが、2.500Vに十分近い電圧です。 これなら期待できるのではないでしょうか?

 【冷やしてみる
 指先でつまんでみたのですが、体温で温める程度では電圧の変化は見られません。 今の季節ですから、これ以上室温を上げるのは勘弁してほしいところです。

 想像や印象だけで議論していても答えは見つかるものではありません。可能なことなら何でも試してみるべきです。 そこで保冷材を冷凍庫から調達してきました。 出してきた直後なら氷点下20度くらいでしょう。 少し経つと温度も上がると思いますがTL431の熱容量から見たら十分な冷却能力があります。

#保冷材を少々当てた程度では電圧の変化は認められません。当てたままで暫く放置しましょう。

 【冷却後の端子電圧
 保冷材を当てたまま5分くらい経過したら変化が現れました。 100μVほど電圧の降下が認められます。(数字の変化はこのDMMの量子化誤差ではないようです。室温に戻れば電圧も戻りますので)

 電圧を測定したあとで触ってみた感触ですが少なく見ても10度以上の温度低下が生じています。ずいぶん冷たくなっています。 控えめに見て仮に10℃の低下と考えると、-100μVの変化は-40ppmの低下ということになります。従って温度係数は+4ppm/℃くらいと言うことでしょうか。
 これは思っていた以上に良い数字です。 3・1/2桁で2VフルスケールのDVMの最小桁は1mVです。 これは500ppmに相当しますから+4ppm/℃など無視しても良いくらいです。周囲温度が±30℃くらい変化しても変動は目に見えないでしょう。 +4ppm/℃が問題になるのはずっと桁数の多い電圧計です。

 TL431の温度変化に対する端子電圧は300K(=27℃)付近を頂点とした上に凸の二次関数になっています。 従って傾斜は直線的ではありませんので何ppm/℃というのは不適当です。 しかし思いのほか安定しています。 これくらいの性能があるなら3・1/2桁のデジタル電圧計の回路には十分な性能でしょう。 いささか定性的な評価ではありますが、使えるのか使えないのかという判定に於いては「使える」と考えて良いでしょう。

  TL431はツェナ・ダイオードの代用品であって、それほど温度係数は小さく(良く)ないに違いないと思ってきました。もっぱらラフな用途向けだと思ってきたわけです。 しかし先入観に囚われず試してみるものですね。 電圧で選別すれば良いものがあります。 メーカーは保証しないでしょうけど中には「イイもの」があるんですから。(笑)

参考:では、2.500Vから外れた物はどうかと言う疑問もあるでしょう。簡単に実験しています。 2.500Vの物よりも幾分変動は大きいようですが意外に悪くありませんでした。 2.500Vから大幅に外れたような物ではなかったからでしょう。 定性的な評価なので数字は省きますが選別の効果はそれなりにあったと思います。

 【電圧計を作る
 部品の選定が済んだのでさっそくデジタル電圧計を作ってみましょう。 こんな感じになりました。

 面倒なのは表示器まわりの配線です。 ここでは初めからダイナミックドライブ用に作られたLED表示器を使ったので配線はすいぶん簡単にできました。 その副作用で極性表示の回路に決め手がなく、現状ではやむなく別途外付けのLEDで対応しています。 MP7138の極性表示のピンはダイナミックドライブ型の表示器向きにできていないのです。 下3桁は良いとして、極性表示の部分には専用のLED表示器を使うのが前提なのでしょう。 工夫してみたのですがどうもうまく行きません。 まあこのあたりは仕方がない感じです。バラのLED表示器を並べて作ればそれほど苦労もないでしょう。

 グリーンのLED表示器は順方向電圧が高いため電流制限抵抗は小さめにします。 ここでは表示が暗いことを恐れてやや大きめの電流を流すように設計しました。 約20mA/セグメントにしています。 ダイナミックドライブですので、6〜7mAくらいのDC電流で使うのと同じ程度の輝度になるでしょう。

 実際にはこれでは電流が大きすぎたように思います。 周波数カウンタの時と違って桁数が少ないため、LED一つあたりに割り当てられる時間が長いのも原因です。 眩しいくらいの輝度になりました。 実用品にするときは半分以下の電流に減らすべきだと思います。 なにせ現状では直射日光下でも楽々見えるくらい明るいんですから。 緑のLEDは暗いと言うのは昔の話なんですね。

#GreenのLED表示のデジタル電圧計と言うのも良さそうです。

 【MP7138の周辺
 積分コンデンサやオートゼロ用コンデンサ、電荷の保持用コンデンサなどすべて安価なマイラ・コンデンサを使っています。

 ポリプロピレン(PP)コンデンサほか、手持ちにあったフィルム系のコンデンサを色々試してみました。 PPが一番良さそうでしたが3・1/2桁程度のDVM回路なら写真のようなマイラ・コンデンサでも十分そうでした。 積層セラコンは端子間電圧によって容量変化があるのではうまくありませんがフィルム系のコンデンサなら大抵のものが使えそうです。

 変換クロックは10kHzで、内蔵のCR発振器を元に得ています。 無調整ではライン周波数と完全には同期していないようです。ACラインの誘導を除去する性能が幾分良くない感じです。 できたら調整式にしておくと良さそうでした。 理屈の上では2重積分型はAC電圧の誘導には強いのですが、変換サイクルがAC電圧の周波数とうまく合っていないと本来の性能が発揮できません。 表示がばらつく原因になります。 3,000カウントが一回の変換サイクルになります。クロックは10kHzですから、1サンプリングは0.3秒です。(3.3回毎秒)

いくらか改良すべき点もありますが測定値は安定しており十分実用になる性能です。

基準電圧と負電源
 写真のように基準電圧にはTI社のTL431Cを使いました。もちろんJRCのNJM431L(2.5V選別品)でも同じようでした。 どちらでも問題なく十分な性能が得られます。

 こうしたDVM回路ではあまり使用例を見ませんがTL431系のICがうまく使えることがわかりました。 これは今回の収穫です。もっと積極的に使いましょう。 並列のコンデンサを大きめにすることでバンドギャップ・リファレンス固有の広帯域ノイズもあまり気にならない程度にできます。 3・1/2桁のDVMにはまったく支障ありません。

 写真のように負電源:-5Vの発生にはインターシルのICL7660CPAを使いました。外付けの電解コンデンサ、10μFが2つ必要ですがプラス5Vから簡単にマイナス5Vを作ることができます。 秋月電子通商にはTJ7660というHTC製(中華民国:台湾)のセカンドソース品が売られています。同じようにに使えます。 コイルを使ったDC/DCコンバータと比べて電流容量は小さいのですが、こうした用途には十分です。ノイズも比較的小さいのでちょっとした負電圧が欲しい時には使いやすいデバイスです。

Greenは綺麗
  フルスケールの1.999Vを加えて表示しています。 1.999Vを越えると、最上桁の1が点灯するだけで、下3桁はブランキングされます。 正にオーバーレンジしたのか、負にオーバーレンジしているのかは極性表示のLEDを見れればわかります。

 実は見たままに写真撮影するのが難しかったです。 明るすぎるため、かなり絞ってもハレーションから色味が飛んで白っぽく写ってしまうのです。 従って写真で表現するのは難しいのですが、このLEDの色は昔の緑色LEDと違って明るい青緑色です。LED式信号機の青を思い出してもらえば適切でしょうか。非常に美しいです。 蛍光表示管の色合いに近い感じもしますが、もう少し「固い感じ」のする緑色とでも言ったら良いでしょうか。 だいぶ輝度を下げてやり、グリーンのフィルタを掛ければ蛍光表示管に頼っていた用途を十分置き換えられます。 例えば置き時計などにはとても美しいのではないでしょうか? 蛍光表示管好きにもお薦めできると思います。  赤色も嫌いではありませんが緑はやっぱり綺麗ですね。

                  ☆

 緑のLED表示器を切り口にしてデジタル電圧計を扱いました。 こうした電圧計回路は専用LSI化されていますし、今ではパネルメータの完成品が安価に販売されています。 もはや作る機会はないのかも知れませんが作ればそれなりの面白さ(苦労も?)も味わえます。 多レンジのデジタル電圧計ともなれば校正手段が問題になるので自作する人も限られるとは思います。しかし一度は作ってみるのも良いかもしれません。1,000円で買えるくらいのマルチメータに10,000円以上掛かるかも知れませんけれど。(笑)

 オールイン・ワン形式でLED表示のDVMチップ(例えばLCL7107など)では消費電力の関係からチップ自体の温度上昇が大きくて内臓の基準電圧源では安定度が十分得られないことがあるそうです。 そんな時は外から基準電圧を与えれば精度の向上が期待できるでしょう。これはICL7107のアプリケーションノートにも書かれていることです。 3・1/2桁程度のDVMならTL431C・・・ただし要選別ですが・・・も十分使えますので試してみる価値があります。

 せっかくなのでデジタルパネルメータのような完成品に纏めたくなってきました。 コンパクトに作るには手間が掛かりますが、そのあたりをどうするのか旨いアイディアでも浮かんできたら考えてみましょう。 ではまた。 de JA9TTT/1

(おわり)nm