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2008年6月20日金曜日

【書籍】復刻版回路集

 誠文堂新光社にはず〜っと昔から『子供の科学』、『初歩のラジオ』、『無線と実験』、『電子展望』の各誌でお世話になったものだ。

 無線と実験誌(現・MJ誌)は現存するラジオや電気系の雑誌としては日本最古だろう。 同レベルのオーディオ以外を扱う雑誌としては、『電子展望』も出ていた。紙質が良く、広告が少なくて薄いので好きな雑誌であった。 トラ技とは筆者層がだいぶ違うので独自の記事も多く、しばらく継続購読していた時代もあった。それも既に廃刊になっている。

 誠文堂の特徴と言うか、CQ出版社と違うのは、回路集をこまめに出すことだろう。 CQ出版にも類似書はあるが、1ページに2回路ずつ掲載するといった形式の回路図が主体のものはなかったように思う。写真は誠文堂の501回路集と、復刻版の401回路集である。

 こうした回路集の価値はどこにあるのか・・・であるが、製作本としては情報が少なすぎるだろう。 ある程度自身で設計できるくらいのベテランなら回路図と簡素な説明でそれを製作できるかもしれない。 しかし初心者にはまったく内容不十分だと思う。 
私はもっぱらアイディアを練るのに使っている。そのままで使える記事はほとんどない。しかし、簡単な回路や説明でも何がしかヒントが得られることはあるものだ。もっとも、この401や501は古過ぎてしまい「先人の足跡を楽しむ」くらいの意味しか無いのだが。(笑)

 ところで、この501回路集と401回路集であるが、持っている人はすぐ気付くだろう。 すこし見ただけで、ミスがたくさん見つかる。 回路図の接続違いはもちろん、回路定数の間違いなどあちこちにある。 また現在は回路手法として廃れたテクノロジーも多いがそれは仕方ないだろう。

 もし参考にするなら『必ずミスがあるもの』と思って回路図と定数を十分に吟味してからが良い。さらに、同じことを実現するにも異なった手法が主流になっているケースも多いから、改めて情報収集した方が良い。何しろ当時の最先端と言っても半世紀も前である。地デジどころか、(アナログの)カラーTVでさえ黎明期だったころのものだ。陳腐化どころの話しはですまない。そうした意味から全般的に見て初心者向きではないようだ。

 どちらの回路集も古すぎてあまり実用的に役立たないが、昔のラジオをレストアする人たちには有用な情報源になるかもしれない。どちらもそんな程度である。 50年も前だからやむを得まい。ラジオ回路の発展史は面白かったが、機器の写真や図があればもっと面白いのだが・・・回路集だから仕方ないだろう。 私は歴史書や古文書を紐解くような面白さを感じた。(笑)

 401回路集に続き、501回路集も何れ復刻されるだろう。 そうしないと出版後50年の著作権切れを良いことに、スキャナで取り込んで『Webオンライン回路集』が作られてしまうのは目に見えている。 自ら復刻してしまえば阻止できるし、あわよくば過去の遺産でもう一稼ぎできる? 考えたものである。(笑)

 401回路集は1970年ころ、出版社に問い合わせたら既に絶版だった。 そのとき501回路集だけあった。 それから40年近くたって、復刻版が登場するとは思いもよらなかった。(笑)

追記:予想通り501回路集も復刻されました。(笑)

8 件のコメント:

  1. こんばんは。
    著作権切れで「オンライン回路図集」とは思いも付きませんでした。
    著作権は切れているので著者に印税を払う必要も無いし
    復刻版は丸儲けですね(笑)

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  2. JE6LVE 高橋さん、おはようございます。

    コメント有難うございます。
    以前、CQ出版社に復刻版を出さないか聞いたことがあります。 まじめにやろうとすると大変そうでした。 筆者が一人なら良いのですが、複数だと全員から同意をとる必要があるそうです。 古い本だともやは筆者の居場所をつかむのも難しいとか・・・。 誠文堂はそのあたり、手抜きをしているのかも知れません。あるいは回路図集は最初から編集部が編者なのでまったく払っていなかったとか・・・。最初から回路図集に使う場合の稿料も含んでいると言う同意を得ておけば問題は無いのでしょうね。(笑)

    古い本はオンライン回路図集になった方が世の中のためになったのかも。

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  3. こんばんは。私もまったく同じ本をもっています。501回路のほうは中学生の時に購入し、表紙がぼろぼろですがまだ持っています。401回路のほうは先週の土曜日に復刻版を本屋で買いました。
    >あわよくば過去の遺産でもう一稼ぎできる? 考えたものである。(笑)
    みごとに誠文堂の思惑通りになってしまいました。ご指摘のように501も401も誤植、基本的に定数がおかしいなど。いろいろありで、中学生のころ友人が、初歩のラジオだかラジオの製作かなんかの読者のページに一部改変して投稿して「基本的に回路構成が悪い。」と酷評されていました。指摘の方はえらく普通の回路(PK分割のPPに直されていたような。)でまぁどっちもどっちもか、と思いました。とにかくとっても懐かしい本です。

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  4. JA6MCH 和田さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > 誠文堂の思惑通りになってしまいました。
    私もその一人ですよ。 結構売れているのではないかと思います。 再復刻はないと思うので、買うなら有るうちだと思ってamazonでポチっと・・・。(笑)

    > 「基本的に回路構成が悪い。」と・・・
    初ラやラ製なんかには投稿コーナーやQ&Aがありましたね。なかなかユニークで面白い投稿も多かったと思いました。 あと、いまでも掲示板で同じような質問を見かけます。 初心者の疑問は今も昔も変わらないのでしょう。

    寝ながら読んでますが、回路も真空管も懐かしいです。何か球で作りたいな〜っと・・・(笑)

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  5. 501&401・・・昨日、本屋さんで両方立ち読みしてきました。今日も通ずる回路がいっぱいありました。

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  6. JA8JPO 山田さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > 両方立ち読みしてきました。
    購入されなかったのですか? チャンスを逃すともう二度と手に入りませんよ。オリジナルがあれば不要ですけれど・・・(笑) (誠文堂の手先ではありません)

    昔のものを修理する人には大いに役立つかも知れませんね。それ以上のものではないと思いますよ。(笑)

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  7. 収入がすこし上向きまして、ようやく二冊を購入しました。苦節8年でした。

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  8. JA8JPO 山田さん、おはようございます。

    コメント有り難うございます。
    > ようやく二冊を購入しました。苦節8年でした。
    おめでとうございます。 手に入って良かったですね。

    やはり資料は色々有った方が何かの時に役立つと思います。 じっくりお読みになってお楽しみください。

    このBlogを8年間も忘れず覚えておいて頂き、コメントも頂きどうも有り難うございます!!

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