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2008年11月3日月曜日

【回路】ラダー型フィルタ(再)

ラダー型フィルタのページ:

あれから2年以上が経ってしまいました。「あれ」とは雑誌の連載です。雑誌社のコピーサービスを受けると言う手もありますが、今や参照するにも支障があるのだそうなのでサイトに再掲載することにしました。(サイト閉鎖に伴い公開終了)
もちろん、サイトの方は記事そのものではありません。雑誌の元になった実験です。 従って、連載にあったインピーダンス・マッチング法やトランスの製作、そのほかフィルタのテスト法とか測定治具製作の情報はWebにはありませんでした。もしそれらの情報が必要でしたらお手数でも雑誌を見て下さい。

CQ HAM Radio誌の2006年1〜6月号に連載された記事には、水晶の選び方から始まり、フィルタの構成方法、インピーダンスマッチングと使い方に至るまで一般の製作に必要な情報は網羅されていると思います。普通の図書館では雑誌は一定期間で廃棄しているそうです。既にバックナンバーはなくなっているかも知れません。その場合、出版社のコピーサービスを利用する方法があります。あるいはJR山手線・大塚駅の近くに移転したJARL資料室にもCQ HAM Radio誌のバックナンバーは全て揃っているでしょう。各種資料は廉価にコピーができたと思います。(2015.01.12内容更新)

上の写真は14.318MHz:HC-49/Uを使ったSSB用ラダー型クリスタル・フィルタの一例です。このクリスタルは「一山いくら」で、米国のDan's small partsから購入したものでした。 Danは輸送コストが掛かって海外発送するのは合わなかったようです。 いまは海外(JA)からは買えません。(たぶん、個人商店だから交渉次第で売ってくれるとは思う・笑)

チープなジャンク・クリスタルですが、こんな素敵な特性のフィルタが作れました。 このフィルタを使って14MHz帯を IFにすると50MHzのシングル・コンバージョン形式のトランシーバ(受信機)には最適でしょう。 周波数的にも14.318MHzは高からず、低からずで50MHzには具合が良いです。SSBジェネレータを作ったらモニタも容易だし・・・。 VFOは36MHz帯になりますが、DDSで行くか、PLLで行くのが今風でしょうか? あるいは簡単なリグにはVXOでも行けるでしょう。 12MHzの水晶をVXOし3逓倍で約35.900〜36.000MHzを得て、50.200〜50.300MHzあたりをカバーするのは容易です。SSBでオンエアには丁度良いはずです。VXOに使う12MHzのクリスタルも既製品がイッパイ売っています。 なお、18MHzの水晶をVXOして、2逓倍と言う手もあります。その方が12MHzの3逓倍よりも断然有利ですが、水晶の入手が多少難しいかもしれません。(もし新規に購入するなら18MHzの基本波水晶を推奨します)

14.318MHzのフィルタはCW用も含めて、拙サイトにリバイバルしておいたので必要なら参照されたい。もちろん、前のように他の周波数のフィルタ記事もある。(公開終了)

注:国産のHC-49/U型14.318MHz水晶でも同じように作れます。 たしか、関西方面に大量にお持ちのお方があったような気がしますよ(笑) 拙宅にも写真の物がたくさんあるのだが、バラのジャンクですからロットがバラバラなので選別が厄介で・・・どうも自家用以外には適さない感じでした。(汗) 

追記:2009年1月「Radio Experimenter's site」を置いていたサーバーを止めてこのBlogに移行しました。それに伴い、ラダー型フィルタ(水晶振動子を使ったもの)及び、世羅多フィルタ(セラミック振動子を使ったもの)を扱ったサイト上の全ページも同時に公開を終えました。もしラダー型クリスタル・フィルター(世羅多フィルターも含む)の実用的な設計・製作・使い方の情報を必要とされるならCQ Hamradio誌2006年1~6月号の連載記事が良いかもしれません。連載はweb上に公開していた断片的な実験内容を整理し、さらに必要な情報を追加して纏めた内容になっていました。大塚のJARL資料室や公立図書館を当たる方法もありますが、CQ出版社のコピーサービスを受ける方法(但し有料)も手っ取り早くて確実だと思います。(記:2009年1月)

追記・2:最近のラダー型クリスタル・フィルタの記事→こちら(Blog内リンク)
新たな手法による設計法の関連記事を網羅したBlog内リンクがあります。ラダー型フィルタの製作前には必読でしょう。(記:2016年2月25日)

(おわり)

19 件のコメント:

  1. こんばんは。

    きちんと選別された水晶で作ったラダーフィルターは
    いつもながらきれいな特性を示しますね。

    水晶の選別やインピーダンスマッチングで
    手抜きをするとてきめん波形の波打ちなどが出てきます。^^

    14.318Mhzは入手しやすい水晶発振子の周波数ですが、
    そのままでも2倍にしてもハムバンドというア
    マチュアにはありがたい周波数ですね。

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  2. JE6LVE 高橋さん、こんばんは。

    さっそくのコメント有難うございます。
    「今にも閉鎖しそうなwebサイトに公開記事を追加してどうするの?」と言うお声(笑)も聞こえて来そうですが、わけあって再公開しています。 前とまったく同じ内容なので、新規性はありませんが、定番としてご利用頂けたらと思います。

    > 手抜きをするとてきめん波形の波打ちなどが・・・
    やはり、こうした単純なものは基本に忠実に・・と言うのが大切なようですね。(笑)

    14.318MHzはハムバンドに入ってしまうので、一般的には『猫またぎ』ですが、50MHzにはうってつけです。整数倍、或は整数分の一の関係にないハムバンドのリグには大丈夫です。

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  3. 皆さん、こんばんは。
    当局も、フィルター用14.318MHzとVXO用12MHzの組み合わせでの50MHzSSB XTALセットというのを関ハムで購入しました。
    2年前です。未だに手がついておりません(^@^)

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  4. JN3XBY 岩永さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > 50MHzSSB XTALセットというのを関ハムで・・・
    50MHzに向いた周波数関係ですので、旨く行くと思います。ぜひ製作されて下さい。 岩永さんならあっという間でしょう。(笑)

    > 未だに手がついておりません(^@^)
    大昔のように、50MHzが賑やかで楽しいバンドならヤル気も起きるのでしょうね。 昨今は、いつ聞いても閑散としていますからね。=>50MHzバンド。

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  5. >わけあって再公開しています。
    ラダーフィルタ、世羅多フィルタの第一人者ですから
    公開しないわけにはいかないでしょう(笑)

    今となっては高価で入手難のX'talフィルタを
    使わなくてもよいというのはありがたいです。
    もっとも、そのおかげで入手した高価なフィルタは
    パーツボックスの中でいつまでも眠ることになるのですが(爆)

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  6. JE6LVE 高橋さん、再度こんばんは。

    『第一人者」など恐れ多いです。やめて下さい。(爆)
    ラダー型フィルタについては、やるべきテーマがまだたくさんあって、道具もあらかた揃ってるのですが進みませんね。 最近は受信機とか・・・無線関係の自作に魅力を感じないので、フィルタの実験も進みません。 これではいかんなあ。。。(笑)

    > 入手した高価なフィルタはパーツボックスの中で・・
    ラダー型フィルタや世羅多フィルタの普及で、フィルタは『高価で得難いもの』と言う常識を覆するような自作が定番になってしまいましたからね。 それで自作の壁が低くなってくれたら嬉しいのですが・・・。(笑)

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  7. JA9TTT 加藤さん こんばんは。

    今日古い機械の資料探しで1965年頃(たぶん)のCQ誌の記事を見ていたら「SSB局のシャック訪問」という記事に我実家のローカルJA2BTV氏の自作フィルタを使用した送信機が紹介されていました。
    4300KCの水晶を4個使用しており「Tusb型」と称しアッパサイド専用となっています。ラダー型の水晶とコンデンサーが逆位置になったものです。コンデンサーは両サイドが4PF 中間3個が2pF 両端を4KΩでシャント(意味わかるかな?)

    設計帯域は3.35KC 使用水晶はHC6U
    低いほうは切れがよいが、高いほうはよくない。その部分はスピーチフィルタで補うとされています。

    この時代は国際のメカフィルが出始めた頃だろうと思うのですが。

    原典は1962年に「無線と実験」にJA1ACBさんが発表されたとあります。

    この時代にすばらしいと感激しております。

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  8. JA2NKD 松浦さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > 「Tusb型」と称しアッパサイド専用となっています。
    LSB型と違い、USB型はハイパス・フィルタのような特性になります。(極めて非対称な特性) 従って、USBを得る送信機には使い道があるのですが、バンドパス型のLSB型と違って、受信機やトランシーバには向いていません。

    低い周波数の水晶の場合、LSB型では通過帯域幅の広いフィルタは作り難いのでSSB用にはならず、SSB送信機を作るにはUSB型を使うと言う手があります。 面白いですから、ぜひご研究されて下さい。

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  9. こんばんは。

    いつ見てもSSB/CW無線機の特性のかなりの部分を支配するフィルタには興味津々です。

    店頭で水晶を見つけると、ついつい無線機のフィルタに使えるのではないかと凝視してしまいます。あわせて、ttt/hiroさんのHPにある2つの異なった周波数の水晶を使うVXOのことが頭の中をよぎり、足し算、引き算してしまいます。(笑)

    CQ誌の連載記事は大切に保管しています。

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  10. JJ3CMV 酒井さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > フィルタに使えるのではないかと凝視してしまいます。
    私も、他の部品はともかく、水晶は気になるので出物があると手に取ってみるようにしていますよ。(笑)

    > 2つの異なった周波数の水晶を使うVXOのことが・・
    あのVXOは条件が難しいので、何時でも旨く行く保証はないのですが、ダメなら別々に発振させる手もあるので、無駄にはなりません。旨くやると、2つのVXOが逆方向に動くような仕組みにして可変範囲を広くとれる可能性もあり、面白いものです。(笑)

    > 連載記事は大切に保管しています。
    どうも有難うございます。 いつか、あの続編を書くのが私の夢なんですよ。(笑)

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  11. おはようございます。

    >あの続編を書くのが私の夢なんですよ。(笑)
    次回は単行本で是非お願いします。^^
    保存版の記事は連載に向かないと思います。

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  12. JE6LVE 高橋さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > 記事は連載に向かないと思います。
    元々が、Web記事ですから、連載でだんだん何かを作り上げて行くと言うスタイルには馴染みませんからね。(笑)

    夢はずっとそのままが一番だと思ってます。(笑)

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  13. こんばんは。
    >連載でだんだん何かを作り上げて行くと・・
    参照したいときに何冊ものCQ紙をひっくり返すのは面倒ですので(笑)

    >夢はずっとそのままが一番だと思ってます。(笑)
    そんなことを言わずに是非、日の目を見せてください。(笑)
    でも実際に制作される方の数と執筆の手間と印税の額を考えると・・(爆)

    返信削除
  14. JE6LVE 高橋さん、再度こんばんは。只今湯上がりです。

    コメント恐縮です。
    > 何冊ものCQ紙をひっくり返すのは面倒です・・・
    聞いた話しですが、該当部分を切り取ってクリヤ・ファイルに入れて製本したそうです。分冊では面倒ですからね。B5→A4の拡大コピーをして製本するのもお薦めです。PDF化もあると思いますが・・・電子化データは思ったより不便ですからね。必要な記事はそんな方法で活用しています。(笑)

    > 日の目を見せてください。(笑)
    せいぜい自家用の資料にするのが丁度良いんですよ。(笑)

    > 手間と印税の額を考えると・・(爆)
    おまけに確定申告で税金も徴収されるので・・(爆)

    返信削除
  15. Dan'sへの注文ですが国際送金為替しか受け取らない店なのと、米国側で送料保険の値上げがあったため最悪の状況です。郵便局民営化で為替作成が500円から2500円、S/Hが20USDの加算になり事実上注文できなくなってしまいました。相変わらずクリスタルなどは安くていいなあと思ってみていますが、残念な状況です。JL1KRA

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  16. JL1KRA 中島さん、こんばんは。

    貴重なコメント有難うございます。
    > 事実上注文できなくなってしまいました。
    まったく残念ですね。 Danには、クリスタルだけでなく、JAには無いような色々面白い品がありました。JPの民営化に反対しても、今さらですが法を犯して現ナマを送る訳にも行かず・・・(笑)

    米国在住のお方にお願いするしかなさそうですね。(悲)

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  17. JR2FNK/1 鶴田2012年1月19日 10:04

    加藤さん

    こんにちは。
    JR2FNK/1 鶴田です。

    ブログには初めての投稿になります。

    CQ誌のコピーを取りに巣鴨に行ってきました。
    随分と詳細に記載されていたので、大変勉強になりました。

    特に測定方法のところは、どのように行うのかが書かれていたので、良かったと思います。

    いつになるかわかりませんが、トライしてみます。

    水晶を多数所持していないので、手近にある物でまずは試してみたいと思います。

    それでは失礼します。

    返信削除
  18. JR2FNK/1 鶴田さん、こんにちは。 アイボールでは有難うございます。

    コメント有難うございます。
    > CQ誌のコピーを取りに巣鴨に・・・
    巣鴨のJARL資料室でしょうか。 お近くならあそこでコピーしてくるのが一番経済的でしょうね。(笑)

    > 測定方法のところは、どのように・・・
    作ったけれど特性が出ないと言うお話も度々聞くので再現性良く評価できるように書いておきました。

    > 手近にある物でまずは試してみたいと・・
    秋葉原ですと、袋入りのジャンク水晶も良く見かけますので見つけたら購入しておくと役立つことがあります。 安価なクリスタルで色々お試しになってください。

    初めての書き込み有難うございました。

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  19. JR2FNK/1 鶴田2012年1月20日 0:56

    加藤さん

    JR2FNK/1 鶴田です。

    ご返信ありがとうございます。

    >巣鴨のJARL資料室でしょうか。
    >お近くならあそこでコピーしてくるのが一番経済的でしょうね。(笑)

    そうです。JARL資料室です。言葉足らずでした。
    コピーは私くらいでしたが、比較的早く取ることが出来ました。料金も安価でした。
    (1枚15円)

    >作ったけれど特性が出ないと言うお話も度々聞くので再現性良く評価できるように書いておきました。

    どのように評価するのかが書いてあると本当に助かりますし、勉強にもなります。

    >秋葉原ですと、袋入りのジャンク水晶も良く見かけますので見つけたら購入しておくと役立つことがあります。
    >安価なクリスタルで色々お試しになってください。

    そうですね。
    秋葉原は頻繁に行くのですが、ついつい見逃しがあったりしますので、これからは注意して探そうと考えています。

    >初めての書き込み有難うございました。

    実際に組みあがりましたら、ご報告したいと思います。

    よろしくお願いいたします。

    それでは、失礼いたします。

    JR2FNK/1 鶴田

    返信削除

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