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2009年1月10日土曜日

【測定】ラジオの周波数(その後)

先日からやっているラジオの周波数を測定するセットアップは臨時のものだ。これを片付けないと他のことが出来ない。 片付けるにあたって、その前に昼間の測定を行なっておいた。

ヒストグラム表示の写真例を紹介しておく。 これは、ラジオ日経:6055kHzを受信した際のもの。測定サンプル数は約1万である。 画面を縦に走る点線が、中心周波数である。これは、1850Hzを補正して、ここが誤差ゼロになるようにしてある。従って、誤差がなければ分布の中心は中心線に一致する筈である。写真では横軸は中心±2Hz(幅で4Hz)を表示している。被測定対象によって横軸の幅は変更している。
このラジオ局の例では、周波数分布は中心(約)+750mHzとなっている。なお、伝搬が複雑なためか、短波放送はこのようにかなり裾を引くような分布になるようだ。 飛び飛びの位置に山があるのは、サンプリングによる計測のため離散的な値をとる為だろうと思う。

改めて、測定条件の良い昼間に各放送局の周波数を調べておいた。 補正方法や、サンプリングなどさらに検討して、なるべく正確なデータになるよう検討してある。 先日の値と極端に違わないように思うが、あくまでも参考としてご覧頂きたい。

ラジオの周波数測定結果:(オフセット補正済み)
(1)NHK東京第一放送(JOAK):594kHz/-187mHz
(2)NHK東京第二放送(JOAB):693kHz/+179mHz
(3)米軍用放送AFN:810kHz/-1,141mHz
(4)東京放送TBS(JOKR):954kHz/+765mHz
(5)ラジオ栃木CRT(足利:JOXM):1062kHz/+367mHz
(6)文化放送(JOQR):1134kHz/-8mHz
(7)ニッポン放送(JOLF):1242kHz/+2,086mHz
(8)茨城放送(土浦:JOYF):1458kHz/-12mHz
(9)ラジオ日経(JOZ-1):3925kHz/+371mHz
(10)同上:6055kHz/+750mHz
【注:1Hz=1,000mHz】

備考:測定の前後で補正値の確認を行なっている。NHK第一放送:594kHzは、入念に観測すると2つの周波数の間を行き来するように見える。上記の誤差-187mHzと-7mHzの二つがあって、その発生頻度は概ね同じ程度であった。これは他の局では見られない現象である。測定によるものか、真値であるか残念ながら検証できなかった。改めて検討し再度確認してみたい。

ラジオ局の周波数測定は、一旦これでおしまいにする。 だからどうなんだと言うお声もありそうなので、忌憚のないご意見・ご感想などお願いします。(笑)

10 件のコメント:

  1. NTP同期で,1時間に一回ぐらい合わせているサーバのPCのクロック周波数(ただの水晶発振)は,6桁ぐらいの精度は行きます(7桁目がフラフラしますね).

    同様に考えると,数百kHzの周波数であれば,±1Hzぐらいは楽に出せるかなあ,といえますね.

    Kenji Rikitake, JJ1BDX(/3)

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  2. JJ1BDX 力武さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > NTP同期で,1時間に一回ぐらい合わせている・・・
    おっしゃるように、同期している時計は累積誤差を補正していますので良い精度になりますね。 送信機は累積誤差ではなくて瞬時の周波数精度ですからすこし考え方が違います。

    GPS周波数基準は、非常に安定している発振器を衛星経由で外部基準に同期していると考えられますから、サーバーの時計に近い考えでしょうね。 但し、時計は揺らぎがあってもそれほど問題はありませんが、周波数基準機は瞬時の揺らぎを少なくすることこそが最も難しい部分でしょう。

    ラジオ局の場合は、スタンドアローンで運転できないといけないと思うので、独立して安定した周波数源が必要でしょうね。そうなると、Rb-OSCを基準にするのが良いのかも知れませんが、10Hz以内の精度で良いのですから、水晶発振器が最も実績があるシンプルな方法のように感じます。 OCXOを使えば十分すぎるくらいの精度なのでしょうね。

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  3. こんばんは。

    グラフの画像を見たときはAM変調のスペクトラムかと思いましたが、スパンが非常に狭いのですね(笑)
    もっとも波形もAM変調の波形とは別物ですが。

    >10Hz以内の精度で良いのですから
    たしかに趣味ならともかく業務でしたら規定をみたしていれば
    機器やメンテのコストが安いに越したことはないですね。

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  4. JE6LVE 高橋さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > AM変調のスペクトラムかと思いましたが・・・
    横軸は周波数になっていますが、縦軸は信号強度ではなく、発生の『頻度』です。 これは、波の1周期の時間を測って、1/時間から求めた周波数を発生頻度でグラフ化しているものです。 被測定対象と、測定系の揺らぎがまったくなければ発生頻度は100%で、1本の線になるのですが、周期の揺らぎがあって、グラフのように分布します。

    送信している周波数は、その中心あたりにあると統計的に考える訳ですね。なんだか、数学の授業のようですけれど・・・高精度の分野は皆同じような話し(統計的な話し)に行き着くようですね。(笑)

    > 機器やメンテのコストが安いに越したことはない・・
    必要以上を追求するのは趣味(オタク)の世界であって、プロは不必要な性能の追求などせず、要求仕様を満たせばそれで十分ですからね。(笑)

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  5. こんばんは。大阪は昼すぎに雪が降りましたよ。関東は雪の予報でしたがいかがでしたか?


    先日からの放送局の周波数の測定を再び読み返してみました。(Catch upできていません・・・)

    あのぉ、1850Hzというのはどこから出てくる数値なのでしょうか?

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  6. >縦軸は信号強度ではなく、発生の『頻度』です。
    なるほど了解です。
    周波数測定用の計測器ですからレベルは基本的には必要ないですね。^^

    >1本の線になるのですが、
    ロックしているGPSの10Mhzを測定するとちゃんと1本の線になるのでしょうね。

    >高精度の分野は皆同じような話し(統計的な話し)に行き着くようですね。
    どの分野も高精度を追求していくと細かい誤差や揺らぎが見えてくるので仕方がないのでしょう。
    ある程度の精度で満足しておく方が精神的には良さそうです。HiHi

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  7. JJ3CMV 酒井さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > 1850Hzというのはどこから出てくる数値・・
    これは、もともと有線の搬送電話系の話しで出てくる周波数なのです。 まずは、測定に使ったhp 3586Aの仕様がそのようになっていると思って下さい。

    この目的のためだけなら、本来は幾つでも良い訳です。 例えば、被測定7003kHzを7002kHzのBFOでSSB検波すると、1KHzのビートが聞こえます。 その1kHzに相当するのが、この場合の1850Hzです。 なぜ直接測定せず、1850Hzに変換するのかですが、波の周期を測定して1周期の時間から逆数計算で周波数を求めます。波の1周期が長い低い周波数に変換してから測定する方が高分解能な測定が出来る訳です。

    もちろん、周波数変換する為の局発やBFOが揺らいでいては何にもなりませんけれど。 蛇足になりますが、hp 3586Aの局発はシンセサイザ式ですが、本来アナログ通信回線の品質を見極めるための装置なので非常に揺らぎの少ないピュアなものです。 何となくわかりましたでしょうか?(笑)

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  8. JE6LVE 高橋さん、再度こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > 10Mhzを測定するとちゃんと1本の線に・・・
    なりません。(笑) やはり同じように山形の分布を示しますが、非常に尖った山になります。 その中心が真値であるとするしかありませんね。(爆)

    この写真のヒストグラムの1/10よりも更に狭い分布です。 原因は、基準の10MHzの揺らぎもあるかも知れませんが、hp3586Aの局発の揺らぎや、hp53310Aのサンプリング・クロックのジッタなどが累積された結果でしょう。

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  9. TTT/hiroさん、レスありがとうございます。

    >1850Hz・・搬送電話系の・・3586Aの仕様
    よくわかりました。

    >被測定7003kHzを7002kHzのBFOでSSB検波・・・
    すると写真は受信したAM放送のキャリアのみを抽出して、それを1850Hzに変換して、その時間的変化をヒストグラムにしたものという理解をしました。

    AM放送の周波数誤差は、数ppmの場合もあるのですね。GPSやRb(のジャンク)などがアマチュアでも利用できることを考えると、放送局はもっと精度の高いものと勝手に思っていました。(笑)

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  10. JJ3CMV 酒井さん、おはようございます。

    下手な説明で済みませんでした。(笑)
    > その時間的変化をヒストグラムにしたものと・・・
    約1万回周波数を測定し、その結果を棒グラフにした物と言うことですね。 測定結果はすべて同じではなくて、頻度から見るとグラフのような分布なんです。

    グラフ化することで、どのような傾向があるのか、揺らぎ方には何か規則性があるのか・・・という解析ができます。 もし、自然な揺らぎ(たぶん、熱雑音によるもの)以外の偏りがあればその対策をすれば装置の性能を改善することが出来ます。 本来はそのような目的で使う測定器です。

    拙宅では、単なる周波数測定器として使う他に、PLLの性能評価などに使っています。 応答性や揺らぎ(発振波の品質)などが解析できます。

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