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2010年4月4日日曜日

【部品】XR2206CP Function Gen.

【EXAR XR2206CP Function Generator】
 エクサーのXR2206は古いICだったと思う。昔カタログで見て面白いICだと思ったことがあった。 しかしその頃は入手性が悪かったので「絵に描いた餅」の存在でしかなかったのだ。
 それが今頃になって秋月電子通商が扱うようになり一気にポピュラーな存在になった感じだ。 かなり高機能なICが@400円なのだから、お買い得だろうと思う。部品を自力で集める「完全自作」は面倒くさいと思うなら秋月kitもあり。専用基板付きなのでお手軽だ。(笑)

 ファンクション・ジェネレータの直訳は「関数発生器」だが、簡単に言えば一種の発振器である。三角波(さんかくは)、鋸歯状波(きょしじょうは)、矩形波(くけいは)など「正弦波(せいげんは)」以外の各種波形の信号も発生できるのでファンクション・ジェネレータと称している。
 この種のICとしては、Intersil社のICL8038があまりにも有名であったが既に生産中止である。ICL8038の機能と上位コンパチで広帯域のMAX-038(MAXIM社製)もあったが、こちらも生産中止のようだ。従って機能的に類似のXR2206の登場はファンクション・ジェネレータを自作したい人に嬉しいニュースだろう。アナログ式ミュージック・シンセサイザの構成要素(VCO信号源など)にも良さそうだ。

【XR2206CPの活用】
 アマチュア無線の用途で活用されるケースは稀かも知れない。まず思い付くのは単なる正弦波発振器の用途だろう。 CWのサイドトーン・オシレータに使ったら可哀想かも知れないが、専用の「正弦波発振回路」より起動特性が良いのでキーイングに向くかも知れない。
 可変抵抗器:VR一つで約2,000倍の周波数可変範囲がある。これは下限を10Hzに設計すれば上限は20kHzであるからオーディオ帯域を1バンドでカバーできる。他の発振器では数倍〜10倍程度が限度なので非常に可変範囲が広いのが特徴だ。
 左図ではC=0.05μFとすれば、10Hz〜20kHzくらいをカバーする。0.05μFは、0.1μFの2個直列で得るのが簡単だ。周波数可変用:2MΩのVRも秋葉原で見つけられる。VRになるべく大きなツマミを付けるのが操作性を良くするポイントだ。

 ほかにはオーディオ帯域の可変周波発振器を自作する程度であろうか。オーディオアンプの周波数特性やゲインの測定にあったら便利そうな発振器だ。ただし歪率測定用には向かない。データシートに正弦波が「低歪み」とあって期待してしまうが騙されてはいけない。 確かにファンクション・ジェネレータで得る正弦波としては良い方なのでウソとも言えないが、正弦波専門の発振回路と比べると低歪みとは言えない。
 従って近代的オーディオアンプの歪み測定用信号源にはまったく不十分だ。(100倍くらい悪い) 三角波を元にSine Shaper(=Sineコンバータ)に通す方式で超低歪みな正弦波を得るのは無理なのだ。 まあ無帰還管球アンプの測定くらいなら使えるかも知れないが。(笑)

 ICL8038には無かった機能で、面白いと思ったのは振幅変調器があることだ。 ラジオの調整に使うテストオシレータとか中波帯のワイヤレス・マイクが作れそうだ。 単独で発振させただけでは周波数安定度が悪いからVCO形式にしPLLでロックすれば良いだろう。しかし周波数上限が1MHzそこそこなのではあまり作り甲斐が無い感じもする。

 XR2206CPを核にして外付け回路を補い、本格的な「ファンクション・ジェネレータ」を作るのが一番だろうか? 低周波用スイープジェネレータやバースト波発生器などを作るには便利だろう。 そう思って数個パーツボックスに入れておいた。

# きっとパーツボックスの「肥やし」になるに違いない。(笑)

(おわり)

10 件のコメント:

  1. こんにちは。

    こちらは快晴でとても良い天気です。
    きっと各地は花見で賑わっているでしょうね。

    このファンクションGEN ICとキットは気付きませんでした。
    さっそく秋月のお気に入りに入れておきました。

    ICL8038を使った秋月の精密波形発生キットを組み立てて愛用していましたが、正弦波しか使わなかったのとその波形がいまいちだったので使わなくなりました。
    そのまま作ると正負12Vの電源が必要なのも面倒でしたね。

    XR2206CPもやはり三角波をもとに正弦波を作っているようなので正弦波目的には向かないですね。
    矩形波やバースト波が欲しいときに重宝しそうです。

    私も購入して、加藤さんが本格的なFGを公開してくれるのを待つこととしましょうか(爆)

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  2. JE6LVE/3 高橋さん、こんにちは。 お花見にはお出掛けしないのですか? 北関東は曇っています。 ちょっと寒い感じですね。 ビールより熱燗ワンカップが向いてます。(笑)

    さっそくのコメント有難うございます。
    > 秋月のお気に入りに入れておきました。
    チップを買った後から気付いたのですが、キットがありますからその方が簡単そうです。 Full自作は面倒かもしれませんね。hi hi

    > その波形がいまいちだったので使わなくなりました。
    拙宅にはメーカー製のファンクション・ジェネレータがあって正弦波も出せるのですが、やはり波形は今ひとつです。これは原理上仕方がありません。 各種波形が出せて便利なのでよく使いますが、歪み測定には使いません。(使えません)

    > 本格的なFGを公開してくれるのを待つ・・・
    申し訳ないんですが、本格的なFGは既製品があるので作らないかも。(笑) 無線の用途では滅多に使いませんが、回路系の実験にはよく使います。正弦波と矩形波の使用が一番多いですね。 アッテネータとDCオフセット機能を組み込んでおくと実用的でしょう。

    なお補足ですが。 内容は確かめてませんが、CQ出版の『エレキジャック誌』 N0.13のpp129〜:XR2206の使いこなし記事があるようです。 ご参考に。=>Blog訪問のお方へ。

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  3. お花見の予定は無しです。
    今日も家族サービスかな(笑)

    >拙宅にはメーカー製のファンクション・ジェネレータがあって・・
    メーカー製でもそうなのですね。
    目的が異なるので仕方が無いですね。

    >正弦波と矩形波の使用が一番多いですね。
    ケンウッドのオーディオジェネレータが正弦波と矩形波を出せるので愛用していますがアナログなので安定度はいまいちです。

    正弦波は今ならDDSを使うのが良いかもしれませんね。

    >本格的なFGは既製品があるので作らないかも。(笑)
    それは残念。
    私の得意技、他力本願が使えません(爆)

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  4. 加藤先輩ご無沙汰しております。

    2週間ほど、胆石が動いて詰まってしまいドックインしていました。病室はネットも禁止でとってもお暇でした。内視鏡で簡単にとれたので大事にはならずにラッキーでした。このため激やせで、思わぬダイエット。わーい。

     XR2206ですか。SGを入手する前は、秋月のICL8038のファンクションジェネレータキットにPICのカウンタを組み込んで使っていました。10MHzくらいから、波形の歪が増大、上限近傍では、正弦波が三角のようなのと、やっぱり変調がかからないのは致命的で、変調回路を追加なとど考えていましたが、中古SGに飛びついてしまって、ジャンク箱の住人となってしまいました。なむなむ。

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  5. JE6LVE/3 高橋さん、再度こんにちは。 わたしも買物のアッシーをやって、今しがた帰宅しました。 櫻は5分咲きと言った感じでしょうか。 お花見の人も見かけました。hi hi

    > 目的が異なるので仕方が無いですね。
    そうですね。 FGは色々な波形が出せるのが特徴で、正弦波もその一つでけど、歪み率は良くないのが普通です。アジレントあたりのでもあまり良くないです。

    > アナログなので安定度はいまいちです。
    アナログ式CR発振器は波形は良いですが、周波数ダイヤルの目盛がラフで精度が良くないのと安定度も今ひとつですね。今は高性能DDSでやる時代なのでしょうね。

    > 他力本願が使えません(爆)
    そう仰らず、自力で何とかして下さい。そう言えば最近は「製作モノ」をやってませんでした。 何かやりますかね? 例の石で「直線増幅器」でも。(爆)

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  6. JA9MCH/1 tanutanuの和田さん,こんにちは。

    コメント有難うございます。
    > 胆石が動いて詰まってしまいドックインして・・・
    それは大変でした。 内視鏡摘出で済んだようで良かったです。 取ってしまえば済むのでしょうが、どうぞ大事にされて下さい。 酒の飲み過ぎでしょうか?

    > 変調がかからないのは致命的で・・・
    受信機とかラジオの調整に使うなら変調が掛けられないと実用的じゃないでしょうね。 XR2206は乗算器が入っていてAM変調が容易に掛けられたと思います。AF発振器を用意すれば変調波が出るので良さそうです。

    > ジャンク箱の住人となってしまいました。
    やはり、それ用に出来ている既成測定器は便利ですから、用済みになってしまいましたか。 FGとして別の用途もありますのでゾンビのように蘇らせてやって下さい。(笑)

    激やせは羨ましいくらいですが、どうぞお大事に!

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  7. こんばんは。

    結局買い物のアッシーで一日終わりました。w

    >そう仰らず、自力で何とかして下さい。
    しかたない、そうします(爆)

    スイープ発生回路、AM/FM調回路、V/F変換、FSK、PLL(VCO)用など多機能ですね。
    AVRと組み合わせればバーストなども簡単にできそうです。

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  8. JE6LVE/3 高橋さん、こんばんは。 夕食を外食し、いま帰って来たところです。 桜がたくさんある公園を回ってみたのですが、寒いのか満開にはまだ数日掛かりそうでした。来週末もお花見が出来そうです。 今夜も冷え込んできましたので・・・。

    コメント有難うございます。
    > 結局買い物のアッシーで一日終わりました。w
    週末は買物の足になることが多いので、なかなか自由になりませんね。お疲れさまでした。

    > AVRと組み合わせればバーストなども簡単に・・・
    コントロール系をマイコン化するとスマートな信号発生器が作れそうですね。シンセサイザ化するとか、色々できそうです。市販品も思ったよりも安価なのでそちらに傾きそうですけど・・・。(爆)

    ちょっと自作意欲も減退気味なので、何かテーマを考えてみようと思います。 GWもすぐなので、ちゃんと計画しておけば纏まった製作も出来るでしょう。hi hi

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  9. JL1KRA 中島2010年4月5日 12:55

    blog楽しく拝見いたしております。XR-2206ではありませんが郷愁を感じる型番です、XR-2211とPC-8001でRTTYを試みたのですが、XR-2211の入手性が悪く苦労しました。当時は一軒一軒アキバの部品屋を回って、全く情報のない時代でした。MRF-255といい勃発的に大量の放出があるのでしょうか、興味深いお店です。

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  10. JL1KRA 中島さん、こんばんは。

    コメント有難うございます。
    > XR-2211とPC-8001でRTTYを試みた・・・
    そうでしたか。ずいぶん前のことですよね。hi hi  私はNE565と言うICを使ったデモジュレータを作りModel-32ASRと言うTTY(マシン)に繋いで実験していました。周波数シフトの大きなプロのRTTYは旨く印字できたのですが、170Hzシフトのアマチュア無線は厳しかったです。そんな思い出があります。

    > 勃発的に大量の放出がある・・・
    昔っから、長くは続きませんがとても面白い出物があって常に目が離せないお店でしたね。 自作の世界で時代毎の流行を作ったお店と言えるでしょう。これからも期待できるでしょう。

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