突如安価に登場した中国製らしいDDSモジュールはそのままでは何も機能してくれない。信号を得るには基板に搭載されたDDS-ICにしかるべきコマンドを与え、周波数データも送り込まなくてはならない。
アマチュアのあいだでポピューラーな秋月電子通商のDDSキットは基板上のDIPスイッチからデータを読み込み、スタンドアローンで信号発生できるようになっていた。しかしこちらのモジュール(写真手前)は単独で動作できるようにはできていない。たった一波の発生でさえも必ず何らかのコントローラーが必要だ。
もちろん、コントローラにはマイコンが普通だろう。しかしマイコンなしでDIPスイッチとシフトレジスタを組み合わせたハードロジックでも不可能ではない。配線が大変なので私はやりたくないけれど・・・。AVRマイコン+BASCOMでやる方がずっとスマートだ。
写真奥はATmega88を使ったマイコン基板である。もともとは内蔵の10bit A/Dコンバータを実験するために作ったものだった。 ポートもたくさん余っており、実験には良さそうなのでDDSモジュールのコントロール実験に流用することにした。LCDの配線とか、意外に面倒なので既存の基板があれば楽である。この実験後もA/Dコンバータ部分に手は付けない予定なのでプログラムを元に戻せば何時でも前に帰れる。このあたり、Flash memoryマイコンの良い所だ。
手前の基板には DDSモジュールを載せ、ほかに5Vの安定化電源(3端子Reg.)とDDS出力のアンプなどを置くつもりだ。 DDS-ICの消費電流は大きいので上のマイコン基板からは供給できない。別途+5V電源が必要だ。 実験が済んだら元へ戻すのも良いが、全部を小型の箱に収納してしまい簡単な発振器として使うのも良さそうだ。もちろん周波数はロータリーエンコーダー等で連続可変にすべきだ。ほかにレベル安定のためのALCやAM変調回路も内蔵しておくと簡易な実験用信号源として便利に使えるだろう。できてから考えてみたい。 AD9834用に作ったAVR基板の流用も容易なのだが、テスト継続中なので手をつけずにそのままにしておきたい。
前のBlogを記憶しているなら「あれっ?」と思うかもしれない。 実はこのモジュールにはAD9850を使うものとAD9851を使う物が売られている。この二つのDDS-ICはピン・コンパチブルなので同一基板に実装できるのだ。さらに制御プログラムの方もほとんど同じで行ける。残念ながら先にAD9850を購入したaitendoにはAD9851モジュールの方は無いようである。(今のところ・笑)
このAD9851モジュールは中国の通販ショップから購入した。(共同購入に参加させて頂いた。VY-TNX!) そのショップは単品で@$35-であるが、数量割引があって3〜6個の購入で@$30-、7〜20個では@$28-になる。数名で纏め買いしたので@$28-になった。為替レートを$1-=¥80-と仮定すると@¥2,240-になる。なお中国から日本国内への送料は無料であった。(参考:同じショップでAD9850モジュールならさらに安価。単品で$25-、3〜6個で@$20-、7〜20個なら@$18である。高い周波数の必要がなければこちらの方が経済的)
【海外通販は注意深く!】
海外通販の安全性、ましてや中国からの安全を保証するものではないが、取りあえず問題はないようである。誰彼かまわずにお薦めできるものではない。各自の責任に於いてチャレンジされたい。ショップの永続性も怪しいものがあって、責任は持てないから購入先へのリンクは省略させてもらおう。(各自検索で。私への問合せはご遠慮を)
海外通販の安全性、ましてや中国からの安全を保証するものではないが、取りあえず問題はないようである。誰彼かまわずにお薦めできるものではない。各自の責任に於いてチャレンジされたい。ショップの永続性も怪しいものがあって、責任は持てないから購入先へのリンクは省略させてもらおう。(各自検索で。私への問合せはご遠慮を)
AD9850とAD9851の違いであるが、これからの評価と言うことになる。簡略にテストされたお方によれば、おおまかな評価では差は感じられなかったそうである。 自身が重きを置く性能・機能が十分なのかも確認する必要があるので、このあと自身でも実験してみたい。簡単に言えば評価ポイントは信号の奇麗さの比較になる。
AD9851は内部にクロックを6逓倍する回路が内蔵されている。従ってAD9850のように125MHzと言う高いクロックを直接与えなくて良い。写真のAD9851モジュールでは30MHzのクロック発振器が搭載されていた。従ってDDS内部は180MHzのクロックで動作することになる。このため125MHzのクロックであったAD9850モジュールよりも、もっと高い周波数まで発生可能だ。 検証が必要ではあるが実用上限は60MHzあたりであろう。 従って局発に使えば比較的高い所にIF周波数を採ったシングルスーパーでHF帯全域がカバーできそうだ。 もちろん信号が奇麗であると言う前提は必要なのだが・・・。(BCLラジオくらいには十分イケそうだ。いや、もっと・・・)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
数日で2011年の11月も終わってしまう。一編もBlogがない月は寂しいものだ。それで急遽用意したテーマなので評価前の予告編になってしまった。(笑) ここではAD9850だけでなくAD9851を使ったDDSモジュールも(安価に)登場していると言う話題を提供できたなら今月の目標は一応達成である。de JA9TTT/1
(つづく)←続きへリンク
おはようございます。ある時期から急に寒くなったようで、朝晩が辛くなりました。
返信削除チップだけならアナデバにサンプルを請求する手もありますが、その後を考えると、こういったモジュールを買ってしまった方がいいのかもしれません。信頼性に難ありという話も聞きますが、それにしても安いですね。
このチップに限らず、最近のチップは軒並みマイコンとの併用が必須のようです。私が最近目を付けたデバイスもそうで、近々64pin TQFP (0.5mmピッチ!) のPICマイコンと格闘することになりそうです。ターゲットデバイスも0.635mmピッチです。難儀な時代になりました。Hi.
周波数の変更ですが、TGS-40Cのように内蔵A/Dコンバータを活用し、可変抵抗を使うというのも面白いかもしれません。
JG6DFK/1 児玉さん、こんばんは。 今朝は寒かったです。
返信削除さっそくのコメント有難うございます。
> モジュールを買ってしまった方がいいのかも・・・
クロックオシレータも載っていますし70MHzで良く切れるLPFも搭載していますから手間いらずです。アマチュアのオモチャ用には十分でしょう。
> TQFPと格闘することになりそうです。
現代的な電子工作では避けて通れませんね。まして児玉さんはお仕事なのですから頑張って下さい。ある程度、道具もカバーしてくれると思います。
> 可変抵抗を使うというのも面白いかも・・・
先のBlog:AD9834-DDSコントロールではRITの所で使ってみましたが、そのような用途には十分使えると思います。
加藤さん、こんばんは
返信削除次のネタは何かな?、、、と楽しみにしておりました。
DDSと来ましたか。
今年も残り1ヶ月ほど。 ヤリ残した事が多すぎて後悔しています。(毎年?)
実はDDSのIC単体なら、いくつかコレクションがあるのですが、
そこから先に進めません。 やはりパッケージの問題が大きいですね。
ソフトウェアなら正月の帰省中でも出来そうなので、やってみようかな。
無事にソフトが完成したらハードを買うことにしようと思います。
で無いと、また無駄なコレクションになりかねない。
(目の前にハードを置いてプレッシャーをかけると言う方法もアリかな?)
JR8LJS/1 豊川さん、こんばんは。
返信削除コメント有難うございます。
> 次のネタは何かな?、、、と楽しみにして・・・
はっは! TA7358Pではないかと言うお方も多かった模様です。(笑)
> ヤリ残した事が多すぎて後悔しています。
何でもできる訳でもないので後悔はしないんですが、何時になったら着手できるか目処が立たないプロジェクトが山積してます。多分30件以上はあったはず。(爆)
> やはりパッケージの問題が大きいですね。
どれも表面実装ですから基板設計するか変換基板で・・となるのですが、その後も面倒ですね。 完成済み基板は手軽で良いです。機能が欲しいだけなら買って使うのも悪くないと思います。プログラムの部分は自作になる訳ですから、変換基板で自作するのとさして違いません。
> 目の前にハードを置いてプレッシャーを・・・
ぜひ頑張って頂きたいです。(笑)
こんばんは。
返信削除テストプログラムを使ってちょっとずつDDS基板の実験をしています。
信号を発生させるだけでしたらプログラムも簡単ですが、ロータリーエンコーダで可変したり、送受の切替、周波数の微調整、RIT機能などなどを考え出すと結構ややこしくなってきますね。
SG代わりの単純な発振器への応用などから始めた方が失敗がなくて良いかもしれません(笑)
ちょっとノイジーな感じなのと、LPFの特性が気になりますので加藤さんの解析を期待しています。Hi
JE6LVE/3 高橋さん、こんばんは。 今日は比較的暖かな一日でした。
返信削除コメント有難うございます。
> ちょっとずつDDS基板の実験をしています。
こちら、ちっとも進んでいませんのでなかなか評価まで行きません。(汗)
> ・・を考え出すと結構ややこしくなってきますね。
機能の追加もいっぺんにやるとワケが解らなくなるので段階的にやると良さそうですね。 その後で一度整理すると更に良いのですが、大抵そこ迄はできません。
> SG代わりの単純な発振器への応用な・・・
まずはその辺りから様子を見たいと思っています。
> ノイジーな感じなのと、LPFの特性が気に・・・
もともと、このシリーズはややノイズが多いと言われていますので後は程度問題でしょう。 実用上支障がなければ良しと言うことで・・・。(笑)
LPFの特性に関してはこの後のBlogでシミュレーション結果を扱うつもりです。 是非ご覧下さい。