写真は無印・初期型のFT-101です。 ただし1970年5月発売の最初期型ではありません。 最初期型は結構珍しくて、なかなかお目にかかれないでしょう。受信のRF-Ampが3SK22GRを2つ使ったカスコードアンプになっているのが特徴の一つです。他もかなり違っていました。もちろん性能が良くないので改良された訳ですから有り難がるような代物ではありません。FT-101Eなど後期型の方が優れているのは勿論です。
写真の機体はFT-101無印のかなり初期型のようです。最初期型ではないものの、FT-101Bの登場に近いころのものとはだいぶ違う部分があります。詳細は後に記述したいと思っています。もちろん160m Bandは搭載されていません。 全般的な様子から見て1970年後半から1971年初め頃のものではないでしょうか。いずれ製造番号から調査を試みましょう。 全般的な性能は後のFT-101Eには劣るように感じますが概ね実用性能は有しています。 混変調特性などこのFT-101シリーズが持つ本質的な弱点はやむを得ないとして、よく整備すれば今でも実用に成り得る性能があります。(改訂:2014.10.9)
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閑話休題、ニューライフとは例によってWARC Band追加のことです。(参考:FT-101ZDのWARC Band改造記事は→こちら) FT-101の無印でWARC Bandなど大改造が必要と思われるかもしれません。 しかし、調査した結果、それほど困難なくオンジエアできそうです。 まずは既にポジションが用意されているWWV/JJYのところを30m Bandにするのが手始めでしょうか。この101のWWV/JJYは10MHz帯なので改造は容易な筈です。
FT-101Zシリーズと違い、こちらのオリジナル101シリーズはダブルコンバージョン形式です。 2回の周波数変換があるので厄介そうに見えるかもしれません。ところが意外にもこちらの方がWARC Bandの追加が容易そうです。 WARC Band対応なしのFT-101Zシリーズに追加するより簡単かもしれません。 バンドスイッチのWWV/JJYの所に30m(10MHz) Band、AUX の所に17m(18MHz) Band、普通のHAMには用のない11m(27MHz)の所に12m (24MHz) Bandを追加実装するというのが標準的な改造でしょうか。
ここでは、別体の『WARC Bandコントローラ』を置くことで本体内部の改造は必要最小限で済ませようと思います。 本来なら各WARC Band用に特注の水晶発振子が必要ですが、ここでは例の中華DDSを採用する方向で行きます。 従ってバンド追加の水晶を特注する費用は掛かりませんし納期待ちのじれったさもありません。 他にもちょっとした面白アイデアもあるのですがパクられて先に実現されてもしゃくなので今はまだ書かずにおきます。(笑)
この機体にCWフィルタは実装されていませんが、必要そうなら他所から・・例えばFR-101とか・・から拝借しましょう。 30m BandはCWバンドですし、17m BandもDXingにはCWが有利です。 CWフィルタはぜひ欲しい装備です。今更中古を買うのも何なので手持ちがあったら良かったのですが・・・。 何ならオージオCWフィルタという手があります。
【まずは再整備から】
40年越えの年代モノですが綺麗そうに見えるでしょう。見掛けはともかく整備してから10年以上にもなるので各部の接触不良がだいぶ再発しています。改めてエージングと再調整が必要そうです。改造はもちろんマトモな状態になってからです。正常でもないものを改造したら手に負えなくなるだけですから。hi hi
少し通電してからバンドスイッチを数回転したらとりあえず受信できるようになりました。 さっきから7MHzのラグチューをウオッチしていますが周波数安定度もまずまずです。 全般的な点検と軽微な補修を行なえばまともな状態に復帰できそうです。 年代モノのRigは世話がやけますが、きちっと聞こえて飛ぶようになれば充実感が得られます。
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DDS搭載ということは、もちろん専用のコントローラが必要でマイコンを使います。 基本的に周波数設定ができれば良いので難しくありませんが、幾つかアイディアを盛り込むにはそこそこ複雑になります。 そのあたり、どうするかも含めてまずは簡単な所から攻めて順次バージョンアップして行く方針です。
簡単そうに見えても誰でも可能なものではないでしょう。 その他大勢には読み物でしかないでしょう。 ただ、同じような試みをされたい方があれば詳しく扱おうと思います。その辺りのご意見・ご要望とか頂けたらと思います。お気軽にどうぞ。
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FT-101やTS-520と言った年代物のSSBトランシーバは複雑ではありません。部品サイズも程々に大きいので整備は容易です。(もちろん、修理技術は必要で誰にでも簡単とは言えませんが。修理とは「石・球の交換」と思ってるようでは幸運のみが頼りでしょう・笑) 半導体式で発熱量が少ないため状態の良い機体も見かけます。 そのため、レストア素材として楽しめるでしょう。 青春の思い出として着手するお方もあるでしょう。 もちろんレストアして「完了」でも良いでしょう。 しかしレストア後のテスト・オンエアも済んで、ちょっと飽きたらWARCバンド改造にチャレンジは如何でしょうか? うまく行けば貴方のHAMライフに新たなシーンが加わるでしょう。de JA9TTT/1
(つづく)←リンク
こんにちは。
返信削除ずいぶん綺麗な筐体ですね。レストア済なのでしょうか、埃がないですね。
101は高嶺の花でした。私は400Sを買ってもらった(かなり無理して)のですが、これと同じダイヤルでした。後期型でした。ダブルギア+ボールドライブで1回転あたり約16KHzだったと思います。前期型はボールドライブなしの25KHzでした。YaesuとTrioではダイヤルの回す方向が逆で、今でもまごつきます。Yaesuが逆?なのかなぁ。
この時代の半導体受信機でそこそこ使えたのはμ同調のおかげでしょうか。コンパクトでオールバンドカバー(CBとかWARCバンド、業務用)できたのも、これのお陰でしょう。うまく出来ています。自分で作ってみたいネタです。
自分でじっくり使ったことはないのですが、名機ですね。
JK1LSE 本田さん、おはようございます。 3連休なのにあいにくのお天気ですね。
返信削除早速のコメントありがとうございます。
> レストア済なのでしょうか、埃がないですね。
10数年前にレストアして、その後はほとんど使わないままビニル袋に入れて収納していました。 埃にはならないのですが、年数相応に接触不良は出ますね。
> 私は400Sを買ってもらった・・・
私は出たばかりの25kHzダイヤルの物を買ってもらいました。 その後101が出て使用局が羨ましかったものです。 10万円越えのリグは高かったですよね。
> Yaesuが逆?なのかなぁ。
常識的にはダイヤルを時計方向に回して周波数が上がる方向ですから、YaesuのFT-101,etcは逆ですよね。hi hi
昨今は逆の機械はないので101は意識して回さないと間違えてしまいます。(笑)
> これのお陰でしょう。
コイルパックの部分が圧倒的にコンパクトなので優位性がありましたね。 WARCバンドに対応しやすいのもそのおかげです。TS-520などではかなり大変でしょう。
> 自分で作ってみたいネタです。
しばらく前ですが、μ同調機構になったミツミ製のラジオのフロントエンドが売られていたことがあります。 それを何個か分解+合体して160m Bandの受信機に応用したことがあります。
> 名機ですね。
使用している部品にクオリティが低い物があってそれが欠点ですが、全般的に良く纏められている名機だと思います。 CollinsのKWM-2Aをよく研究していると感じます。 機会があれば詳しく観察されてください。面白いと思います。
加藤さんこんにちは。
返信削除今日から11月、今年も後2ヶ月ですね。
FT-101にWARCバンド追加とは斬新ですね^^
以前からバンドスイッチにはAUXポジションが付いていましたが実際にAUXとしてバンドを追加できた無線機は無かったと思います。
ダブルコンバージョンなので局発とトランスバーター部分を変更すれば良いわけですね。
101はμ同調なので520よりは有利かなと。
101は数台持っていてもさすがにWARCを追加しようとは思わないですが、実現方法、改造方法には興味津々ですのでつづきを楽しみにしています。Hi
JE6LVE/3 高橋さん、おはようございます。 あと2ヶ月で2014年も終わりですね。 早いものです。
返信削除いつもコメントありがとうございます。
> FT-101にWARCバンド追加とは斬新ですね^^
FT-101ZDのバンド拡張方法を見ていてできそうだと・・・ミュー同調の部分は同じですし。hi hi
> 101はμ同調なので520よりは有利かなと。
TS-520はコイルの追加を伴いますから簡単ではないですね、 やはりFT-101はその部分が有利です。
> 改造方法には興味津々です・・・
高橋さんも改造してみたくなりますよ。(笑)
おはようございます。今日は洗濯日和になってよかったです。Hi.
返信削除このシリーズに特段の思い入れはありませんが、受信のトップにいち早くMOS-FETを採用したというイメージが強かったので、3SK22のモデルがあったというのは意外でした。
専門家には常識でしょうが、古いセットはケミコンも疑った方がよさそうです。拙宅の浴室給湯リモコンに使われていた9個のケミコンは14年で「全滅」しました。
JG6DFK 児玉さん、こんにちは。お天気良くなりましたね。
返信削除コメントありがとうございます。
> 受信のトップにいち早くMOS-FETを採用した・・・
発売してすぐに松下の3SK39という初期のMOS-FETに変更しています。 型番としては東芝の3SK35よりも後ですが、3SK39の方が価格あるいは入手性の点で好都合だったのでしょう。 この機体も3SK39になっています。
> ケミコンも疑った方がよさそうです。
以前のレストアの際に基板上の小型で小容量のケミコンは全て交換済みになっています。場所によりタンタルに交換しています。 電源の平滑用などの大型のケミコンは容量抜けは起こりにくいです。これは電解液のマージンが大きいからです。ただし再化成は必要ですけれど・・・。
そのほか、フィルムコン(マイラー)の外装割れが多発しており、セラコンあるいは同種のフィルムコンに交換済みです。 このころ八重洲が使っていたフィルムコンは品質が良くなかったようです。
その辺も含めたレストアの詳細を扱う方が良いのかもしれませんが、無闇に部品の交換をする人がおられるので安易な情報公開はしないほうが無難なようですね。(笑)
101の画像撮影が美しくまるで高級機コリンズのような風合いです。
返信削除TRIO派なので101の詳細は分からないのですが
RYH尾崎さんがFUJIYAMA検討会の時、大切そうに
101をTTT加藤さんのお宅に持ち込んで吟味されていたのを
思い出しました。
101販売当時は想定もされなかった
30mバンドにオンエアーしたら楽しそうです。
リグ紹介で相手局は101Z後期モデルと思ってしまいそう。
JL1KRA 中島さん、おはようございます。
返信削除> まるで高級機コリンズのような風合い・・・
写真のマジックで綺麗に見えますよね。 現品は年式相応の風合いですよ。(笑)
Collinsを強く意識したデザインを感じます。
> 吟味されていたのを思い出しました。
懇親会のときその後もメンテしながら愛用されていると話されてました。
> 30mバンドにオンエアーしたら楽しそうです。
リグもびっくりですよね。(笑)
古いTRIOのリグでも可能性はありますが、この101の方jが容易そうです。既存のバンドを犠牲にせずにできそうです。