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2016年10月31日月曜日

【部品】Shopping Guide 2016 part 2

【買い物ガイド 2016 その2】
このBlogの買物ガイドでは見過ごされそうなアイテムを扱っています。
MEMS Oscillator
 MEMS(メムズ)と言うのは、Micro Electro Mechanical Systemsの略です。 MEMS発振器は発振周波数を決める仕組みにMEMSの技術を使った発振器のことです。 基本的には機械共振器を使った発振器であって、昔の音叉(おんさ)発振器と考え方は同じです。 但し、機械的な共振器は非常に微細なためその共振周波数は高周波になります。

 写真は最近になって秋葉原は秋月電子通商で発売された「MEMS発振器:SiT2001B」(←リンク)です。これはSiTime社の製品でこれから扱うのは発振周波数が48MHzのものです。 SiTime社は水晶発振器が常識だった高周波の発振器にMEMS技術で参入しているメーカーです。シリコン・ウエファ上に立体構造を構築する高度な加工技術を使っています。近年のMEMSの進歩には著しいものがあって、水晶発振子や水晶発振器のメーカーにとってはかなりの脅威ではないでしょうか?

 MEMS発振器については2年ほど前に評価したことがあります。その結果はトラ技誌2014年4月号に纏めましたが、水晶発振器と比較して信号品質は未だ及ばずと言った状況でした。(評価したのは別メーカーの製品です) そのため、秋月電子の新商品案内を見てもあまり期待できないだろうと言う先入観を持ったのです。

 SiT2001Bは新世代のMEMS発振器で1MHzから110MHzの範囲で6桁精度の発振周波数が得られているそうです。 誤差10ppm以内の周波数精度がある訳ですね。 秋月電子通商では12MHz、16MHz、20MHz、そして48MHzの発振器が発売されています。いずれも単価100円とお手ごろです。 これまで発売されて来たPLL式のプログラマブル水晶発振器の信号品質があまり芳しくなかったことからその代替品を意図しているのかも知れません。

SiT2001B:48MHz Oscillator
 写真はSiT2001Bを拡大して見たものです。 パッケージはSOT-23サイズの5pinです。 かなり小さいですが、ピン数も少ないことから扱いはそれほど難しくありません。 なるべく先の細いハンダ鏝と良質のハンダを使って実装します。フラックスも併用すると良いでしょう。ピッチ変換基板も発売されています。

 今どきのデバイスですから静電気には気をつけるべきですが、特にデリケートではないらしく単なるICとして扱えます。 このチップをテストする上での注意点は電源電圧の最大値が4Vと低いことにあります。標準的には1.8〜3.3Vの電源電圧で使用することになります。

 以下の実験では、他の回路の都合で大もとの電源電圧が5Vだったので、赤色のLEDを直列に入れて約1.6Vほど電圧を落として供給しました。 消費電流は4.5mA以下ですから同じ周波数の水晶発振器(市販品)よりもだいぶ少ないです。

 内部回路はC-MOSのようで、出力の振幅は電源電圧に連動して変化します。 Vdd=3.4Vのとき無負荷では約3.3Vppが得られました。 周波数が高いことからきっちりした矩形波ではありませんがデジタル回路用として支障のない波形です。

スペクトラムの観測
 波形は矩形波的なので当然ですが奇数次の高調波は多めでした。 写真は48MHzを中心に500kHzの幅でスペクトル観測した様子です。

 主信号よりも40dB以上小さいのですが、無数の不要サイドバンド信号が観測されました。 どのような原因で発生しているのかはわかりませんが、出力周波数を「生成」する過程で何らかのシンセサイザのような仕組みを採り入れているのかも知れません。 ただし少々汚い信号ではありますが、主信号の揺らぎとは違うようなのでクロック信号として使うのなら支障ないかも知れません。

 もちろん、直接信号を扱うような用途にはスプリアス特性が悪くなるので適しません。一例としてはクリスタルコンバータの水晶発振器(局発)の代用のような目的には旨くありません。 用途としてデジタル回路のクロック用を意図しているのは間違いないでしょう。

近傍スペクトラムの観測
 同じく48MHzを中心に10kHzの幅でごく近傍のスプリアスや揺らぎなどを観測してみました。

 スペアナの観測では、主信号の揺らぎは感じられません。 MDAで仔細に見ると幾らか揺らぎがあるようですが、それほど大きくはないので支障ないように思います。 水晶発振だってOCXOでもなければそれなりの揺らぎはあるものです。

 48MHzなのでDDS-ICのクロック用としては少し低めですが確認しておくことにしました。 クロックを供給するDDS-ICはAD9834BRUZです。 結果が良ければ75MHz版をリクエストするなどの展開も考えられます。 期待したいと思います。 もし使えるなら消費電流が少なく無調整なのも好都合でしょう。

AD9834で使ってみる
 AD9834 DDS-ICの実験基板でテストしてみました。 SiT2001Bは左側の小基板に載っています。電源は+5V電源から赤色のLEDを通して与えています。

 赤色LEDの順方向電圧降下は約1.6Vです。 従って、SiT2001BはVdd=3.4V程度で動作することになります。 赤色LEDも流れるのが4.5mAくらいなら支障のない電流値です。

 AD9834とのインターフェースですが、SiT2001Bの電源電圧が5Vよりもかなり低いことから直結はせずにC結合にしました。 出力を1000pFで切ってからAD9834側で約2V(DC)のバイアスを与えてあります。 SiT2001Bのドライブ能力は十分あるのでバイアス回路が負担になるようなことはありませんでした。 これでAD9834を問題なくドライブできます。 ドライブ波形も良好でした。

AD9834 DDS-ICの10MHz出力
 SiT2001Bから48MHzを与えた状態でAD9834BRUZから約10MHzを発生させてみました。

 主信号の近傍10kHzの範囲でスプリアスなどを観測しています。 クロック信号が良くないと近傍の周波数にスプリアスやノイズが現れます。 この例では非常に奇麗な信号になっているようでした。 無線機で信号を聞いてみても奇麗なトーンが確認できます。

 どうやらSiT2001Bの48MHzはDDS-ICのクロック発振器として旨く使えるようです。 周波数安定度も悪くありませんでした。 ごく一般的な水晶発振器と類似の性能ではないでしょうか?  もし75MHz版が登場したら改めてテストしてみたいと思っています。

AD9834 DDS-ICの広帯域スプリアス
 クロック周波数が48MHzなので折り返しスプリアスの周波数も低くなります。 そのほか主信号の高調波など見られます。 しかし、これはSiT2001Bがクロック発振器だから現れるわけではありません。 同じ周波数のクロックなら水晶発振でも同じようなものです。

 良くご覧頂くと7MHzあたりに強いスプリアスが認められます。 最初、これは何だろう?・・・と思ったのですが同じ部屋で運用中のWSPR送信機の信号を拾っているのが原因でした。 DDS-ICからの出力ではありません。 その他にもWSPRの関係で現れているスペクトラムが見えている可能性もあります。(笑)

 SiTime社のMEMS発振器:SiT2001Bは新世代のためなかなか良好な信号が得られるようです。 詳細な比較では未だに良くできた水晶発振器に歩があるようにも感じますが、近い将来には覆るかも知れません。 SiTime社のアナウンスによれば2017年の新製品でTCXOやOCXOの領域までMEMS発振器が進出するそうです。 実力には未知数の部分もありますがかなりの自信作のようです。 いずれ特殊な用途を除き殆どの水晶発振モジュールがMEMS発振器に置き換わるのではないでしょうか。 水晶振動子を必要とするのはクリスタルフィルタの分野くらいになってしまう可能性だってありそうですね。

MEMS発振器は予想外の好結果でした。 DDS-ICだけでなくマイコン関係のクロック発振器にもお奨めできると思います。 デジタル回路全般に向いているでしょう。

MEMS発振器が大きく進化!(→参考リンク




aitendoの正体不明トランス
 先日のことですが、aitendo@秋葉原店で別の小型トランスを探していたのですが自力で見付けることができませんでした。商品の配置にあまり一貫性がない上、何しろ種類が多すぎます。 そこでベテラン店員のお姉さんに置き場所を教えてもらったのです。

 そのとき、「こっちに安いトランスあるよ!」とのセールストークが付いてきました。 そう言われたらそれも見ない訳には行きませんね。(笑) ついでにその「安いトランス」とやらを何個か買ってしまったのでした。商売がお上手です。(爆)

 まあ、見た感じでは得体が知れないものの、ひょっとしたら何かに使えるかもしれないし一つ39円だからダメもとで・・・と思って手にしてみたのでした。

 このHT-2394と言う型番のトランスですが帰宅して調べたら1次側と2次側がある普通のトランスでした。コア材はフェライトです。 従って山水トランスのような低周波用の小型トランスとは異なるものです。 ボビンにTDKの文字があるのでコアとボビンのメーカはTDKかも知れません。 しかし中国にはたくさんのフェイクが出回っていますから模造品の可能性もありそうです。

 オリジナルの用途はわかりませんが、巻き数が少ない方を1次側とすると、2次側の巻き数は数100倍もあるようです。 インダクタンスの関係で50Hzや60Hzのような低周波では使えませんが、数10kHzで使えばかなりの高電圧が発生できるでしょう。 ただし、小さなトランスですから大きな電力は無理です。 何かの放電管とかプラズマボール(?)、あるいはテニスラケット型虫取りネットにでも使うのでしょうかね?? うっかり実験したら感電するのでけっこう「あぶない」トランスです。

 巻き直してコア材として使うことも考えたのですが接着が強固なので奇麗に分解できません。 39円なんだから「駄目でもマアいいか・・」とも思ったのですが、うまい使い道がヒラメキました。(笑)

 トランスとして評価した際にLCRメータでインダクタンスを観測しました。 2次側がかなり沢山巻いてあるので、フェライトコアのトランスとは言え大きめのインダクタンスを持っていました。 しかも無負荷Qが結構高いようなのです。 トランスとして使うのは難しそうですが「インダクタ」として使ったらどうだろう?・・・と思ったのです。hi

CWフィルタに使う
 巻き替えることができないので、そのまま使うしかありません。 そのため、あまり高級なフィルタは作れませんが共振回路が2段になったようなLCフィルタなら製作可能です。

 次項の回路図にあるような回路をシミュレーションしてみたところ良さそうなCWフィルタになります。 左図のようなピーク型のフィルタではなく平坦な通過域を持ったBPFでも設計検討したのですが、LCの素子数とQuの関係から思ったような特性は難しそうでした。 しかし簡単な2段の共振型フィルタならグラフのようなものが実現できそうです。 アクティブ・フィルタではなく、今どき珍しいパッシブな素子によるCWフィルタと言う訳です。(笑)

 定数を変えながら色々シミュレーションしてみました。 概略を決めてから最後は実際にCWを受信しながら部品定数を微調整しました。 次項の回路図はその結果を纏めたものです。 CW受信は好みもあるでしょうから各自でチューニングすればベストです。 チューニング方法は後の方に書いてあります。

再生受信機で試す
 以前のBlog(←リンク)で紹介したことのある「再生式短波受信機」を試作してみました。 単なる外付けのLC-CWフィルタを作っても良かったのですが折角なので簡単な受信機で試してみましょう。その方が面白いでしょう?

 FETを使った無限インピーダンス検波回路と変形コルピッツ型発振回路を組み合わせたセパレートダイン型の再生検波受信機です。 2つに分けると再生の度合いが調整し易いメリットがあります。 オリジナルは英国のHAM:GI3XZMの設計によるものですが幾つか改良を加えました。 改良のポイントは(1)バリキャップを使ったバンドスプレッドの追加(2)低周波アンプのIC化などです。 また、最初から(3)CWフィルタを組み込む前提で設計しています。

 使用する半導体デバイスは国産品に置き換えています。検波のFETは小信号用のディプレッション型なら何でも良くて、最近秋月で売っているBF256Bでももちろん良いでしょう。Idssも幾つでも良いです。再生回路に使っているトランジスタも2SC1815のようなNPNの小信号用なら普通の汎用品で十分です。こちらもhFEランクは何でも大丈夫でしょう。指定品でなくては絶対ダメだなどと難しく考える必要はありません。

 このCWフィルタはなかなか良く切れるので入れっぱなしでは音声の受信には支障がありました。 そのためフィルタをバイパスするスイッチも設けます。 アンテナコイルにはAmidonのトロイダルコアを使います。 6〜11MHzあたりがカバーできるように巻きました。 FCZコイル(および同等品)も使えなくは無いのですがアンテナ側の巻き数が多すぎるように思います。トロイダルコアに自身で巻くことをお奨めします。

 ほとんどの部品は普通に入手できるので問題はないと思います。 唯一、バリキャップ(可変容量ダイオード)のFC54M(富士通)のみ生産中止品です。入手できない時は別のバリキャップで代替を考えましょう。良く見掛ける最大容量が20pF程度のものなら2個並列で使います。(合計で4個使うことになる)
 表面実装型なので少々扱い難いですが秋月電子通商で売っている1SV228(1つのパッケージにバリキャップ・ダイオードが2つ入っているので1個で済む)で代用しても良いでしょう。 なお、バリキャップがどうしても手に入らなければ12〜16V程度のツェナーダイオードで代用してみるのも面白いです。(9V以下のツェナーはだめです)
 もちろんCWフィルタ用のコイル:HT-2394も特殊部品な訳ですが、これがBlogの『お題』なので手に入ったと言う前提です。(笑)

 消費電流は僅かなので006P乾電池でも十分ですが、同調がバリキャップ式なので電源電圧が変動すると影響を受けます。 安定な受信には9Vの安定化電源の使用が望ましいと思います。 なおHAMバンドの受信ではなく、短波の海外放送が目的なら電源電圧変動の影響はあまり感じませんでしたから乾電池でも良いかも知れません。

再生受信機・試作の様子
 CWフィルタの実用性を検証するのが目的ですからブレッドボードに試作しました。 これで全回路です。

 主同調がトリマコンデンサでは同調操作が困難なので実用品にはなりえません。しかしこの仮設状態でも良く聞こえました。 特に短波国際放送はFBです。 6MHz帯〜11MHz帯が受信できるので幾つかの国際放送バンドが含まれます。 放送を捉えたら再生を掛けて行くと感度がグ〜ンとアップするのがわかるでしょう。感度が上がってきたら同調を微調整します。 あまり難しい操作をしなくても放送局の電波は強力ですからとても良く聞こえました。 過度に再生を掛けると発振をともなうようになるので程々にするのがコツです。

 もちろん、ごく簡単な受信機なのですから特にアンテナが重要です。 適当な(数mの)ビニール電線をたらした程度ではあまり聞こえません。 短波国際放送が目的なら屋外になるべく高く張った長さ10m以上の空中線(要するに電線です・笑)と大地アースが欲しいです。大地アースはアース棒を打ち込んだ程度の簡易なものでも十分です。 アパマンでしたらベランダに張ったビニール線と窓枠サッシのアースでも良いと思います。 なお、HAMバンドの受信には目的のバンドに共振したダイポールアンテナが望ましいです。

 HAMバンドはオンエア局数が多い7MHz帯で試しました。アンテナはハーフサイズの「G5RVアンテナ」(←リンク)です。 HAMの電波は放送波よりもずっと弱いので入念な操作が必要です。 それでも、この種の再生式受信機としては旨く聞こえる方です。 バリキャプを使ったバンドスプレッドも程よい感じで7MHzのCWバンドをスムースにウオッチできました。 再生を掛けて感度が上がってきたら、徐々に再生を深く掛けて行くと弱い発振が始まります。 発振が始まればCWのビートが聞こえてくるので聞き易いように同調と再生をさらに加減します。特に強い局を聞くには入力調整で信号を絞ってやる必要がありました。

 目的の「CWフィルタ」ですが、CWの受信にはとても効果的です。 バンドが混んでくると再生式受信機では混信も激しくなります。そんな時はCWフィルタをONするとたいへん聞き易くなります。39円のトランス2個のチープなCWフィルタとは思えない切れ味でした。(笑)

再生検波部分
 検波と再生回路が別建てなのと、バンドスプレッドにバリキャップを使ったので検波回路周辺の部品が増えてしまい、少し複雑になっています。 ただし、バリキャップの部分は電子同調ですからバリコンよりも配置の自由度があります。

 この製作例ではスプレッド同調に10回転のポテンショメータ(可変抵抗器)を使いました。 一般的な可変抵抗器よりもずっと操作は容易になります。少々高価な部品ですがお奨めできると思いました。 主同調のバリコンにはバーニヤダイヤルを付けてやりたいです。糸掛けダイヤルでも良いでしょう。ツマミ直結では同調操作はたいへん困難です。 また「再生調整」は頻繁に操作するのでパネル面の扱い易い場所に配置すべきでしょう。

 SSBの受信も不可能ではありませんが、「入力調整」のツマミを良く加減しやや強めの発振状態でゆっくりダイヤル操作する必要がありました。 CWの受信は簡単ですがSSBの受信は難しいのであまり期待しない方が良いかもしれません。 受信はできても、引き込み(Pull-In)があるので良い音での復調はまずできません。

 AM波の短波放送は非常に良く受信できます。音質も良好でした。 発振直前まで再生を掛け感度が上がったところで受信します。 おなじAMでもHAMの電波は弱いのでそれなりの加減は必要ですが意外に良く聞こえます。 やはり再生式受信機はAMとCWの時代の受信機ですね。

CWフィルタ部分
 aitendoの「正体不明トランス」:HT-2394で作ったCWフィルタの部分です。 HUMの誘導は感じませんでしたから特にシールドする必要はありませんでした。

 回路図のC11:0.0047μFと、C13:0.0047μFを換えるとフィルタの中心周波数を変更できます。 上記回路図の状態では600Hzくらいになっています。 なお、C11とC13はなるべく同じ値にしてください。受信しながら好みに応じて変更すれば結構です。

                  ☆

 @39円トランスが意外にも効果的なフィルタになったので、追加で数個仕入れておこうかと思っているところです。 用途のわからないパーツはほとんど無価値ですがFBな使い道が見つかったことでそれなりの価値が出てきたのではないでしょうか? なお、CWフィルタだけでなく、π型のLPFを作ればAM/SSB向きの低周波ローパスフィルタも作れます。 DC受信機の混信対策に如何でしょうか。

低周波アンプはNJM386BDで
 低周波アンプは定番のIC「386」です。 回路定数の選び方は実績重視でHAM用受信機向きにしています。

 この種のストレート式受信機では低周波ゲインが大きくなるため低周波発振が起こり易くなります。 各部分のデカップリングを入念に行なうなど注意しましょう。 配線の引き回し方によっても影響があります。

 なお、どうしても発振が止められない時には、R10:470Ωを1kΩ程度に大きくすると効果があります。 但し、その分だけゲインが下がるので感度の点ではやや損をすることになりますがやむを得ないでしょう。 発振しなければR10は470Ωよりもっと小さな値にしても結構です。

このBlogには再生式受信機の特集があります。第一回のBlogは:=>こちらから。 

                   ☆

最近の秋葉原から話題の(埋もれた?)パーツを採り上げてみました。

 MEMS発振器はまだまだこれからのパーツと言えそうですが現状でも「使える」性能を持っていると思います。 いま売っている物は周波数が中途半端ですが、50MHzあるいは75MHz版が登場すればAD9834 DDS-ICを正規の上限周波数で使うのに便利かも知れません。 発振器単体としての性能は水晶発振器に劣るようですが、DDS-ICのアウトプットを見た範囲では悪くありませんでした。 そのような用途には十分使える性能なのかも知れません。 自身では清く正しい「水晶のオーバートーン発振器」に未練が残りますが、MEMSの方は小型で無調整なのが大きなメリットだと思います。消費電流が少ないのも好都合です。 喰わず嫌いではなく新しいデバイスを積極的に活用できたらと思います。 そして来年登場予定のTCXOやOCXOの対抗版MEMS発振器が安価なことを期待しましょう。

 中華トランス:HT-2394はネットで検索しても意味のある情報は得られませんでした。 おそらくどこかの電子機器メーカが特注したものの製品の方が予定の生産数量に至らず余剰ジャンクとして流出したのでしょう。 もしも本来の使い方が判明したところで高電圧の発生用ではほとんど使い道がありません。 ここはQが高い「低周波用のインダクタ」として活用を試みた方が応用範囲は広いと思います。 今後このBlogに刺激されて類似の用法が様々試みられるかも知れません。 現時点でもCWフィルタと低周波のLPFに活用できることはわかったので、ジャンク箱に数個入れておくと役立つかも知れませんね。39円が数個でけっこう遊べます。(笑)
 なお、この「HT-2394」はaitendo秋葉原店3Fの店頭販売のみです。仕入れてみたものの見込みがないので「見切り品」になっているようです。店先では完全なジャンク品の扱いですね。hi 地方のお方は東京のお友達に調達を頼むのも手ですが、お店に聞いてみるのも良いと思います。 同じ型番の類似商品はないようですから紛れる可能性は無いでしょう。従って通販での購入に対応してもらえるかも知れません。問い合わせが多くなれば通販リストに載せるかも知れませんね。 aitendoのお姉さん面白いパーツ、どうもありがとう。楽しめました。 ではまた。 de JA9TTT/1

(おわり)nm

ご注意:このBlogはアフェリエイトBlogではありません。自作を楽しむための情報を提供していますが特定の商品やショップをお奨めする意図はありません。公開している商品情報やリンクは単なる参考です。お買い物は貴方ご自身の判断と責任でお願いします。

12 件のコメント:

  1. おはようございます。オートダインですね。実は、トランスのフィルターよりもセパレートダインのアイディアの方を興味深く拝見しております。Aitendoには残念ながら行けませんが、フィルター無しでもブレッドボードに展開したくなりました。 de JA9MAT, Hide

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  2. JA9MAT 小町さん、おはようございます。

    さっそくのコメント有り難うございます。
    > セパレートダインのアイディアの方を・・・・
    この形式にするとコイルのタップを調整する・・・と言うような製作後の面倒がありません。 オートダインは初めてでも比較的作り易いでしょうね。再生がうまく掛かりますよ。

    > フィルター無しでもブレッドボードに・・・
    AMの短波放送受信でしたらフィルタは要りませんし、簡単な回路の割には良く聞こえるので面白いと思います。 CWフィルタを付けてもHAM局が交信用に使うのはなかなか大変そうですね。hi hi

    トータルのゲインではスーパーに劣るので、アンテナでカバーする必要がありますが、内部ノイズが少ないので静かですね。

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  3. 加藤さん、おはようございます
    10月も今日で終わりですね、今年もあと2ヶ月さすがに寒くなってきました^^

    MEMS、秋月が周波数のリクエスト受け付けてくれるとFBですね。
    いっしょにDDSチップも安く販売してくれるともっとFBなのですが(笑

    aitendoのトランスは昔ながらのジャンクパーツって感じですね。
    昔でしたら感電させる電気びっくり箱に使えたかもしれませんが、
    今の時代あんな製作記事を子供雑誌に載せたらクレームが来そうです。Hi

    日本で物を生産しなくなりジャンクパーツは中国を中心とした海外製しか入手出来なくなってきましたね
    以前は地方から秋葉原へ行けば行きたいショップは秋月だったのですが、今はaitendoですねw

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  4. JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、おはようございます。 そうでうねえ、10月も今日が最後になりますね。今朝は寒かったです。

    いつもコメント有り難うございます。
    > リクエスト受け付けてくれるとFBですね。
    このMEMSオシレータは工場オプションだとは思いますがプログラマブルだと思いますので、他の周波数も可能だろうと思うんですよ。50MHzと75MHz、それに100MHzがあればFBですね。周波数の微調整はできないので67.108864MHzは不要でしょう。

    > 製作記事を子供雑誌に載せたらクレームが・・・
    感電させるようなアブナイ記事を載せるなって全国の親からクレームが押し寄せそうです。 でも、子供はそう言うアブない工作がしてみたいんですよね。私も電子びっくり箱を作ったことがあります。(爆)

    > 秋月だったのですが、今はaitendoですねw
    秋葉原の巡回では秋月は勿論ですが、最近はaitendoも外せなくなりましたね。 aitendoは予め目星をつけておかないと商品に説明が付いていませんから途方に暮れるかも知れません。(笑)

    買い物リストを作っても膨大な種類から探して買うのは簡単じゃないです。(爆)

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  5. MEMS発振器、良い結果のようですね。組み込みのクロックなら十分いけそうな感じです。水晶を別に組み込むよりは半導体の上に作ってしまったほうが部品の種類が減るので、長期的にはMCUチップの内部クロックは全部この技術に置き換えられそうな気がします。

    CW受信用のフィルタは一つあると、受信機の高音部のヒスノイズをカットできるので、耳を痛めずに済みますね。

    Kenji Rikitake, JJ1BDX(/3)

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  6. JJ1BDX/3 力武さん、おはようございます。秋も深まってきましたね。

    いつもコメント有り難うございます。
    > 半導体の上に作ってしまったほうが部品の種類が減る・・・
    SiTime社はまさしくそれを狙っているのでしょうね。 従来の水晶発振子+発振用チップと言う構成よりも小型化が可能ですしワンチップ化もできますから。パッケージコストも安いでしょう。 いずれ発振器はMEMSが一般的になる予感がします。

    > 受信機の高音部のヒスノイズをカットできる・・・
    不要な高域をカットすると聴感上のS/Nはずいぶん改善されますから効果的ですね。 アクティブフィルタでも良いのですがLCも悪くないと思います。 まあ、捨てられそうになったジャンクの活用ですから何か役に立てば宜しいかと・・・。(笑)

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  7. 加藤さん、こんばんは。
    いつもながら亀コメントです。
    今回は、お題が2つなんですね!
    MEMS発振子は新しい素子ですね! ご評価ありがとうございます。
    比較的安くて、小さくて、低消費電流なところが魅力的です。
    AD9834などの低消費電流DDSの基準信号源に使えそうだということで、小さいDDSモジュールも作れそうです。
    オーバークロックの実験もしていただきましたし、あとは75MHzや100MHzのものが取り扱いになるといいですね!

    aitendoの39円トランスがCWフィルタに使えるとは!
    今度行った時にまだあるかな?と心配しております(笑)

    しかし、aitendoの店頭廉売品は何故39円なんでしょうね?

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  8. JN3XBY/1 岩永さん、こんばんは。 だんだん朝が寒くなってきましたね。

    いつもコメント有り難うございます。
    > 今回は、お題が2つなんですね!
    すみません、ちょっと少ないですが今回は2つだけです。 中身は濃くなっていますよ。(笑)

    > 比較的安くて、小さくて、低消費電流なところが魅力的・・・
    1つ100円ですからお手軽ですね。 無調整なのもFBです。

    > あとは75MHzや100MHzのものが・・・
    やはり48MHzでは物足りないので、75MHzと100MHzもぜひお願いしたいですね。 消費電流が増えなければFBです。

    > 今度行った時にまだあるかな?
    CWフィルタ用なのでそれほど買う人はいないと思いますよ。 買い占めてヤフオクに出しても値段はばれているし。(爆)

    > 何故39円なんでしょうね?
    ジャンクを買ってくれた人に感謝を込めて「サンキュー」なのではないかと勝手に思っています。(爆)

    返信削除
  9. こんばんは。ずいぶん寒くなりましたね。

    最近は、私の知らないデバイスがいっぱいあります。MEMS=メムズもそうで、発振器があったんですね。MEMSって、スマホのイヤフォンマイクに使われているものだけかと思ったら、機械-電気変換デバイスとして色々あるんですね。こうい知識を仕入れていかないとダメですね。SiC FETとかもありますよね。使ってみたいです。またやることが増えましたhi

    再生受信機とか、超再生受信機とかは惹かれるものがあります。昔並四を作ったことがあります。結構いい音だったように記憶しています。福井のローカル局なのでよく聞こえていました。いいですね、これもやってみたいです。


    返信削除
  10. JK1LSE 本田さん、こんばんは。 明朝も10℃を切りそうですからずいぶん寒くなってきましたね。

    いつもコメント有り難うございます。
    > 機械-電気変換デバイスとして色々あるんですね。
    色々なMEMSデバイスが考えられているようですね。 今のところマイクロフォンとこの発振器が実用段階になったようです。

    > SiC FETとかもありますよね。
    耐圧が高くて入力容量も小さめのようなのでRFのパワーアンプはどうかと思っているのですが、難しそうと言うレポートを読みました。 昔懐かしいデバイスばかり使っていると時代に取り残されそうです。(爆)

    > 再生受信機とか、超再生受信機とかは惹かれるものが・・・
    作ってみて思うのですが、ごく簡単な受信機でもHAMの交信が聞こえるのですから大したものです。 操作の容易さではスーパの方がFBですが、自身で感度をコントロールし受信している感じが楽しいです。 オートマ車とマニュアル車の違いのような感じでしょうか。(笑)

    > これもやってみたいです。
    製作リストに加えて下さい。 簡単なのに奥が深くて大人が十分楽しめますよ。 hi hi

    返信削除
  11. JH9JBI/1 やまもと2016年11月3日 15:54

    こんにちは

    秋月の発振器ですね。私もみかけました。3.3V入力なのでパスしていました・・・
    MEMSと言えば静電マイクロモーターとかプロジェクターの光スイッチといったデジタル的なものが浮かびますが、アナログとして大量に特性のそろったものが生産できるようになってきているのですね。需要があればメカニカルフィルタも出来そうです。どうせならSiO2を成長させて水晶にしてしまえば良いのにとも思いますがHi
    この会社は日本のノンファブ企業が買ったので秋月でも出回るようになったようですけどアナデパとかリニアテクが買っていたら原発振込のDDSなりPLLが開発されていたかもしれません。

     新しいデバイスは(今のデバイスでもそうとう作りこまれているので仕方ないですが)開発されるといきなり特化した実装なり用途にチューンされて出てくることが多いのが難点ですね。特性だけみると使ってみたら面白いのにと思えても、たとえば電源用途のためにスイッチングに特化しているのでアナログ増幅にする手間を考えると既存の方が楽であるとか、敷居が高くなっている気がします

    返信削除
  12. JH9JBI/1 山本さん、こんばんは。 日が短くなりましたねえ。18時過ぎにもう真っ暗です。w

    いつもコメント有り難うございます。
    > 3.3V入力なのでパスしていました・・・
    最近は5Vも掛けられないチップも増えてきましたねえ! せめて5Vは許容して欲しいのですが・・・。 消費電流が少なかったのでLEDで電圧を落とす手が使えたので簡単でした。

    > ・・・といったデジタル的なものが浮かびます・・・
    機械系の要素を組み込む研究が盛んですが、難しいようでなかなか実用品になって登場しませんね。 MEMSマイクとオシレータは成功例だと言えるでしょうね。

    > SiO2を成長させて水晶にしてしまえば良いのに・・・
    ・・・と言う研究もやっていると言う話しも聞いたことがありますが、金属シリコンの振動の方が実現が容易だったのでしょうね。

    > 原発振込のDDSなりPLLが開発されていたかもしれません。
    MEMSは工程が複雑なようですから、LSIとの共存はハードルが高そうですがいずれ基準発振器を取込む方向へ進むのでしょうね。

    > 用途にチューンされて出てくることが多いのが難点ですね。
    最初からピンポイントを狙ったデバイス開発になっているのでしょうね。 汎用性を前面に出すよりも売り易いからだろうと思うのですが、目的外の用途にはほとんど使えないデバイスは楽しくありません。(笑)

    > アナログ増幅にする手間を考えると既存の方が楽であるとか・・・
    おそらくSiCデバイスを念頭に置いたご意見かと思いますが、今のところRF用途には向かないらしいようで残念に思っています。 GaNのほうがRFデバイスとしては希望が持てそうに思っているのですが、我々の手に届く迄には時間が掛かりそうです。 でも期待したいと思っているんですよ。

    RFパワーアンプに手軽に使えるデバイスはあまり登場していないので昔ながらの石を使うのもやむを得ないかも知れません。

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