【8石ラジオ】
中波帯(BCバンド)のラジオなんて、自作HAMにはいま一つ興味が湧かないかも知れません。 このBlogは8石ラジオを作ることが主目的ではありません。ですからBlogのタイトルと内容がマッチしていないかも知れませんね。 トランジスタ・ラジオあるいは受信機に必要な自作の中間周波トランス:IFTを作り易いよう再検討するのが第一の目的です。その再設計の検証のために8石ラジオを作ります。
このBlogテーマの元、対象となるトランジスタ・ラジオの回路やIFTの具体的な製作方法についてはトランジスタ技術誌:2015年10月号(p66〜p82)に詳しい記事があります。 以下の内容は、同誌の記事を参照されていることが前提なのですが、もしお手持ちでなくても何とかなるくらいの内容にはなっています。ご心配なく(笑) 参考:出版社及びamazonにバックナンバーあり。
参考:上記のトランジスタ技術誌2015年10月号の拙記事に加筆再校正を行なって収録した書籍がCQ出版社より新発売されました。AM/FMラジオ&トランスミッタの製作集(←出版社へリンク)この書籍にはコイル作りほかラジオ製作の詳しい情報があります。トラ技誌のバックナンバーをお求めになるより新刊の方をお薦め致します。 (2021年4月・追記)
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局発コイルやIFTをすべて自作して、トランジスタ・ラジオを製作すると言った記事は珍しかったらしく、私が思っていたよりもたくさん読んで頂けたようです。どうも有り難うございます。 トラ技編集部が用意した記事連動の「製作部品キット」を求めるお方も結構あったんだそうです。
実際にどれくらいのお方がIFTを巻いたのかはわかりませんが、小さなコアと細い巻き線で格闘されたであろう様子が思い浮かびます。 少し大変だったかも知れませんね。 巻線にはφ0.08mmのポリウレタン電線(UEW電線、ウレメット電線とも言う)を使います。もう少し細い方が良いのですが、切れ易いのと入手性の問題から手作りの材料としてはこの程度が限界だろうと思っています。
巻き芯(フェライトのツヅミ型コア)の大きさから考えて、ギリギリ巻ききれる程度の巻き数になっていますが、特に検波段のIFT3は2次側の巻き数が多いため巻き難かったと思われます。 巻き芯のサイズに収まらず、やや山盛りの状態になってしまったかも知れません。調整用コアの内径にゆとりがあるので幾らか山盛りでも支障はないのですが、もう少し何とかしたいと思っていました。
同調容量を大きくして巻き数を減じれば良さそうなものですがそう単純でもありません。 基本的にIFTの再設計が必要になります。使用デバイスの入出力インピーダンス、コイルの共振特性、利得配分、選択度などの条件から各IFTの巻き数を決定する訳です。 再設計は難しくはありませんが、意外に手間がかかるので先送りして来ました。しかし、記事の登場後はずっと気になっていたので改めて設計・検証を行なうことにしたのです。 そう言う意味では、記事のフォローBlogとも言えます。
もちろん既にトラ技記事の内容を参考に製作され、旨く動作しているのでしたらそのままで支障ありません。あらためて巻き直す必要はありませんのであわてずにお願いします。旨く行っているものを巻き直すメリットは何もありません。 以下の内容はこれから新規に1からやってみたいお方へのフォローです。
回路図がないのは寂しいので、まずは検証のために製作したラジオの回路図です。 トラ技の記事では6石ラジオでした。 基本的に同じなのですが、そのまま転載したのでは能がないので低周波回路を再設計しています。
標準的な6石ラジオと言えば、低周波増幅部はトランス結合になっています。 昔々、トランジスタが高価だった時代にはトランス結合のアンプは合理的でした。 小型トランスの方がトランジスタよりも安価だったからです。トランス結合の低周波アンプならトランジスタの使用数も最小限(3つ)で済みました。実用十分な音量も得られます。それでトランス結合の低周波アンプが標準として定着したのでしょう。当時はOTL形式がまだ完全には確立していなかったと言う事情もありそうです。
しかし、今ではまったく逆転しています。 ラジオに使うようなトランジスタなら数円〜数10円で買えますが、トランスは結構なお値段なのです。 特にアマチュアがトランスを単品買いするような時には顕著です。 従って、トランジスタの数は少々増えてもなるべくトランスを使わない設計の方が合理的(経済的)になりました。 コンプリメンタリ・ペア(相補対)のPNP/NPNトランジスタも普通に売っていますからITL-OTL回路も簡単に実現できます。(ITL-OTL :Input Transformer Less & Output Transformer Less)
そのような状況から、本来の原点である6石ラジオの設計にあまり縛られずに行くことにしました。 2石増えた分はいずれも低周波回路に割り当てています。 従って、周波数変換(コンバータ)回路、中間周波増幅(IF-Amp)の高周波部分は6石ラジオとまったく同じです。そのため感度や選択度に大きな違いはありません。 それに高周波部分を変えてしまったらIFTの検証になりませんからね。 受信周波数は520kHz〜1620kHz、中間周波数は455kHzの標準的な設計です。
コラム:なぜ「6石」にこだわったのか?
電波が強い都会地から、放送局から遠い山間僻地まで実用になるトランジスタ・ラジオと言えば6石スーパーでした。それが最小限のトランジスタ数です。1石でも削れば何がしかの性能が大きく後退します。逆に7石や8石になれば一段と有利ですが石数が多くなるほど高額でした。 そのような意味で日本全国ほとんどの地域で実用になる「6石ラジオ」はどれほどの性能だったのか知る意味もあって「6石」に拘った訳です。 6石使って性能の良いラジオが作れないならウデが悪いのです。(笑) 今のように電子部品が安価で豊富な時代にあっては、性能本意で言えば7〜8石使う方が「ゆとり」が生まれます。さらには専用のICを使えば一段と高性能なラジオになります。
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【使用トランジスタについて】
例によって2SC1815Y、2SA1015Yと言ったポピュラーなトランジスタを使います。但し、低周波アンプの出力部分(Q6とQ8)には電流容量が足りません。このため、一回り大きなトランジスタ:2SC735Y(2SC1959Yが同等)と2SA562Y(2SA562TMYが同等)を使います。これらのトランジスタが入手し難いようでしたら、2SC735Yの部分は2SC1815Yを2本並列にし、2SA562Yの部分は2SA1015Yを2本並列にして代用することも充分可能です。 コレクタ電流が500mAあたりまで流せるトランジスタなら、他のPNP/NPNのペアでも大丈夫です。なるべくhFEが大きなランクのものを選びます。
2SC1815Yや2SA1015Yの部分は、他の汎用トランジスタに置き換えることも可能でしょう。 試作では主に2SC372Yと2SA495Yを使いました。 中波帯のラジオですから交換しても変化は感じられません。 もちろん、トランジスタ個々に直流電流増幅率:hFEは異なるので、コレクタ電流の流れ方に違いが出ますから適宜調整します。回路図に記入してある各段のコレクタ電流値と±30%以上異なるようなら、*付きの抵抗器(R1、R11、R20)の値を加減して電流を調整します。何れも抵抗値を大きくすると各コレクタ電流は減少する方向です。
【IFTの巻数一覧表】
これが主題のIFTの製作データです。 新たに3種類の設計例を示します。 最上段が実際にこの8石ラジオの試作で使ったものです。 中段は幾らかゲインが大きめで、選択度も良くなるよう設計した例ですが、上段とあまり差はないでしょう。 下段は、秋葉原などで一般に市販されているトランジスタ用IFTと概ね同じ仕様の物を作るための参考データです。
なお、左図においで各IFTの端子番号はメーカー製のTr用IFTに合わせてあります。従って全て底面から見た図になっています。これは常識かと思っていましたが、ご質問をいただきましたので注釈をつけた図面に差し替えました。 もちろん自作する場合は上面図だと思って巻いても良いでしょう。各端子の接続が回路図の通りになっていれば大丈夫です。
IFTの共振周波数はすべて455kHzで設計してあります。また、同調容量はいずれも330pFを使います。IFTそれぞれの1番と3番の端子(ピン)間に取り付けます。設計において回路のストレー容量として10pFを見込んでありますが、IFTを使う人は特にそれを意識する必要はありません。
一般的なトランジスタラジオ用IFTでは同調容量として100〜200pFあたりが使われています。 必要な共振インピーダンスを得るためにたくさん巻き線する必要があるからです。これは、使ってあるフェライト・コア材の特性によるもので、無負荷Qが低いのをインダクタンスの大きさでカバーすると言った考え方です。また、市販のIFTでは同調容量を内蔵する都合からサイズの制限があってコンデンサの容量をあまり大きくできないのも理由なのでしょう。
しかし、ここで使っているaitendoの「IFTきっと」(←リンク)のコア材は高いQが得られます。従って、やや少ない巻き数でも(=少なめのインダクタンスでも)充分な共振インピーダンスが得られます。 そのため330pFと言った大きめの同調容量でも支障無く設計できる訳です。 それにコンデンサは外付けしますから物理的なサイズの制限もありません。 同調容量を大きくした結果、AGCが掛かった時に起こるトランジスタの特性変動によるIFT同調ズレが軽減されると言った副次的なメリットもあります。(参考:このaitendoの「IFTきっと」のコア材は1MHz以下で使うものです。それ以上の短波帯ではQが急激に低下するのでご注意を。一般的に言って短波帯の使用には向きません)
全体に巻き数が少なくなったので作り易くなったと思います。2次側巻き数が多いIFT3も巻き溝から溢れることなく巻き切れるようになりました。
巻線の端子接続も変更しています。 これは巻き易さの点で、4番ピンと6番ピンの接続を入れ替えた方が合理的な様に思えたためです。 もしトラ技誌の記事と互換にしたいなら、巻始めと巻き終わりの接続を変えて下さい。4番ピンと6番ピンを入れ替えてもIFTとしての性能は違いません。
巻線はφ0.08mmのポリウレタン電線です。全般に巻き数は減っていますが太さφ0.1mmでは必要な回数だけ巻けません。(80回弱しか巻けない) トランジスタ・ラジオのIFTとしては、これ以上同調容量を大きくするのは適当でないので、設計どおりの巻き数で巻線にはφ0.08mmを使うようにします。
【コンバータ部分】
周波数変換回路のアップ写真です。 トランジスタは2SC372Yになっていますが、もちろん2SC1815YでもOKです。 赤いコアは局発コイルです。 これは最大容量が275pFの等容量2連ポリバリコン用に巻いた自作品です。巻線仕様はトラ技の記事(p71、b図)の通りです。(参考:新刊書籍の場合、135ページの図7を参照) 使用するポリバリコンに合わせた物を使います。
IFTは上表の上段のデータに従って巻きました。 実際のラジオ回路にて性能を確認しましたが、同調容量に220pFを使ったタイプと違いはありません。もちろん、これは同じようなゲインや選択度になるよう再設計しているからです。
ブレッドボードにIFTを搭載するための変換基板は、JR2FNK/1鶴田さんが製作されたものを使ってみました。 最近ではaitendoでも類似の変換基板が手に入りますが、HAMが作っただけあって、鶴田さんの基板の方が高周波的に有利なようです。 まあ、ここでは455kHzと周波数が低いので顕著な違いは感じられないかも知れませんが。(笑)
トラ技記事の写真のような、端子を片側に引き出す変換基板(aitemdo)よりもボード上のレイアウトがわかり易いと言ったメリットもあります。 IFTの同調容量:330pFはすべて変換基板の端子部分(上面)にハンダ付けしてあります。(写真ではIFTの金属缶の陰で見えませんが)
【従来型の低周波アンプ】
この写真は別にテストした「6石ラジオ」の低周波アンプの様子です。使っているトランジスタは合計3石です。 回路は教科書どおりのシンプルなものです。
この例では全て2SC1815Yを使っておりバイアスの温度補償には小信号用シリコンダイオードを使っています。 回路図は示しませんが、トラ技2015年10月号(p72)の記事そのままです。 少ないトランジスタ数で済むのは良いのですが、意外にトランスが場所をとります。それほどコンパクトには組めません。 また、こうした小型トランスではインダクタンスが小さいので数100Hz以下の低い周波数が延びないため低音が出てくれず、いわゆる「トランジスタラジオ」らしい音がします。低音域で無理にドライブしてもトランスが磁気飽和して歪むのがオチです。(笑)
ディスクリート構成(個別半導体による回路構成)に拘らないのなら、 LM386のような低周波アンプ用のICを使うと簡単でしょう。 コンパクトな回路が組めますし周波数特性もずっと良いので大きめのスピーカを使うと意外に良い音が楽しめます。 あるいはディスクリート構成でやるなら、SEPP-OTLアンプを構成すると良いです。(SEPP-OTL : Single-ended Push-Pull - Output Transformer Less・・・ITL-OTL回路の一形式)
【SEPP-OTLの例】
最大出力Po(max)=250mW程度のパワーアンプをSEPP-OTL形式で構成した例です。(上記8石ラジオの回路) トランスは必要なくなりましたが、比較的容量の大きな電解コンデンサが増えました。 それでも上手にレイアウトすればずいぶんコンパクトに作れます。
トランス結合のアンプよりも周波数特性はずっと優れていて大きめのスピーカを使ってやれば音楽も楽しめるでしょう。 SEPP-OTL形式はトランスのコストが削減できるだけでなく、音質も向上することからお薦めです。 2石増えて6石トランジスタ・ラジオではなくなってしまいましたが・・・。
参考:低周波アンプ出力段のバイアス回路にトランジスタを使うのは好みの問題です。私はバイアスの調整範囲が広いので好んで使っています。回路例では手持ちのPNPトランジスタを消費する目的で2SA1015Yを使っていますが、NPNの2SC1815Yを使う設計も可能です。 もちろんSi小信号用ダイオード2本と可変抵抗器一つに置き換えることもできます。性能も違いません。そうすれば1石減って7石トランジスタ・ラジオになりますね。(笑)
以上、IFTの再設計がテーマなのでラジオの作り方や調整についてはだいぶ省きました。雑誌記事や他のBlog記事を参照してもらえば大丈夫だと思っています。 試作した8石ラジオは感度も良く音質もマズマズなことから実用品として纏めるのも面白いです。 大きめのバーアンテナを搭載すれば高感度で受信できるでしょう。 さらに短波ラジオの設計(←リンク)を取り入れて2バンド8石スーパーに挑戦するのも楽しそうです。
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製作してみた感じではIFTの再設計で幾らかですが作り易くなっているようです。 入手容易な素材でオリジナルなラジオ用パーツが作れるのは有難いと思っています。 有効に活用したいものです。 コイル巻きは好まれませんが、RF回路ではある程度やむを得ないでしょう。 送信機を作ったらLPFが必要でトロイダルコアに巻いて自作する必要があります。自作HAMにとってコイル巻きは避けられません。
ラジオ受信機ではなるべくコイルレスの設計が進んでいて、たとえばこのBlogでも紹介したことがあるTA2003P(←リンク)のようにIFTを一つも使わないICラジオもあります。 但し、単なる普通のラジオならコイルレスも可能かも知れませんがHAMが使うような「通信型受信機」では数個のコイルはどうしても必要でしょう。
書き出しのように、8石ラジオなんて・・と思うかも知れませんが、作ってみると意外に遊べます。 ラジオはありふれていますから、電子回路としては目新しくもないでしょう。 でもトランジスタ・ラジオを作ったのはずいぶん昔だったのではありませんか? もしスーパー形式で作ったことがなければ、8石スーパーは大人が十分楽しめる製作だと思います。IFTから手巻きすればなおさらでしょう。あまりなめて掛かると完成しません。(笑)
コイル巻きも適切な材料と製作に必要な情報が手に入ればそれほど難しくありません。 トランジスタ回路用のコイルはごく小さいので、最初は悪戦苦闘かも知れませんが少し慣れれば要領を得て手早く作れるようになります。 コイルが巻ければ自作RF回路の幅がずいぶん広がります。ぜひ習得したい自作の技術です。 オリジナリティを活かしたような製作も可能になるでしょう。 たまたま手に入ったFBなSSB用フィルタを自作回路に活かしたいと言ったニーズにも対応できるようになります。
JARL主催の自作品コンテスト出品作品を拝見する機会があったのですが、最適なコイルを自分で工夫して巻くと言ったワザも重要な製作ノウハウの一つであるように感じました。 ではまた。 de JA9TTT/1
(おわり)
セトロ/JE1HBBです
返信削除おはようございます。
トラ技の記事ではトランスが使われていたので久しぶり感(現代に照らすと違和感?)もちょっと感じながら読ませて頂いてました。なるほど今回のような低周波増幅に本当に体がなじんでいるんですね。
ST32とか45は確か150円~250円位だったように記憶してます。2SB56や172などが100円ほど?
今回は腰が上がりそうです。ちょっと奢ってバーアンテナの長いのを探して来ましょう。あれ? まだ売ってるのかな? フェライトバーに自分で巻くのかな…
おはようございます。今日は寒いですね。これから雨ですね。
返信削除今回は凄くヘビーな記事ですね。奥が深いというか、読み返すと更に味が出るというか・・・。
私もIFTがどんな特性になっているか、すごく興味があります。トランジスター用であれば、古くは、「高周波回路の設計」(CQ出版社久保大次郎著)に詳しく解説されていたくらいで、設計方法が記載されたものは少なかったです。
最近ではRFワールド(CQ出版社)のサイトで「ラジオで学ぶ電子回路」(藤平 雄二氏)のサイトが参考になります。興味が尽きないです。
私も以前、真空管用のIFTを自作したことがあります。LC比やタップ位置などパラメータがたくさんあって最適値を出すのは難しいですね。
感度に視点を置いたり、発振しない安定度に注目したり、Hi-Fiを目的にしたりとか、どこを狙うかに寄りますね。その点、市販品はうまくできているなぁ、と感じました。
真空管になりますが、トリオのコイルパックはノウハウのかたまりだと思います。何も考えずに上手く動作するのですから。
JE1HBB 瀬戸口さん、おはようございます。 今朝は寒いです。 昼から雨が降りそうですね。
返信削除早速のコメント有り難うございます。
> トランスが使われていたので久しぶり感・・・
現代では使われない回路ですが、オリジナルの6石スーパの回路を再現する意味でトランス結合のアンプを使いました。
> 2SB56や172などが100円ほど?
瀬戸口さんがご存知のころにはトランジスタもずいぶん安くなりました。 各社がトランジスタに固有の名称をつけていたころはトランスは100〜200円、トランジスタは低周波小信号用でも1000円以上だったんです。6石ラジオってそのころから回路は変わっていません。(笑)
> フェライトバーに自分で巻くのかな…
秋葉原などで売っていますので調達して巻いて下さい。中波用にはどれでも使えます。 既に巻線されたバーアンテナも見掛けるので多少加減すれば使える筈です。 新規に巻く場合、巻線はリッツ線が理想ですが普通のポリウレタン電線でも十分です。
JK1LSE 本田さん、おはようございます。 ホント、今朝は寒いですね。 出掛けるので雨は歓迎しません。w
返信削除いつもコメント有り難うございます。
> 読み返すと更に味が出るというか・・・。
そうでしたら良いのですが・・・。 詳しく書くと際限がないので程々で勘弁してもらいました。トラ技の記事をご覧になっていれば重複するような話しも多いので・・・。
> 設計方法が記載されたものは少なかったです。
IFTは基本的にメーカー製を購入するのが常識になっていたので、ユーザーは設計方法を詳しく知る必要も無かったのだと思います。それと、ラジオメーカの設計者もコイル屋さんが面倒を見てくれたのでコイルに詳しくなくても済んだようです。
> 最適値を出すのは難しいですね。
使用するデバイスによっても設計が変わるし、フェライトコアの性能による加減も必要ですからかなり複雑ですね。 測定器もそれなりにないと設計ができないので厄介です。
> 市販品はうまくできているなぁ、と感じました。
特に市販の真空管用IFTは完成度が高かったように思います。スーパーの性能や特性が決まってしまいますから重要部品でしたね。
> トリオのコイルパックはノウハウのかたまり・・・
ずいぶん試作を繰り返したのでしょうね。 コンパクトに組み立てると相互の干渉とかずいぶん問題になりますから・・・。 それなりのお値段でしたが、半調整済みでしたし自作にはとても有難いユニットでした。 子供だった私は2バンドの物しか買えませんでしたけれど。(笑)
こんばんは。今日は天気が悪いことも重なってか寒くなりました。部屋の中で震えております(笑)。
返信削除駆け出しの技術者にトランジスタラジオはハードルが高そうですよ。もう手出しができない、って言われていますから。
私が中学生の頃は技術科の実習でもトランジスタラジオを作りましたが、今はもうやっていないのでしょうね。「でも」というのは、ほぼ同じ規模の6石スーパーラジオキットを初めて作ったのが小学5年生の時だったからです(笑)。
手持ち分も含め、現在出回っている455KHz IFTの同調容量は180pFが多いようです。かつての東光製もそのようでした。
おっしゃるようにラジオのコイルレス化が進み、IFT自身もそうですが、望み通りのコイルボビンも入手しづらくなってきた気がします。FMのIFTは流通在庫くらいしか残っていないかもしれません。多連バリコンもトラッキング性能の悪い中華製ばかりが目立ちます。
こういうアナログ(アナクロ?)なラジオを設計・製作すること自体がナンセンスな時代になりつつありますから、仕方がないのでしょう。
一応、φ0.07・0.08・0.1のUEWをストックしてはいますが、この先いつまで需要があることやら。
私にとってなじみ深いAMラジオ用(RF/IFステージ)の石は2SC380や2SC829です。ご多分に漏れず、前者はハカマ付きを大量に溜め込んでおります(笑)。今でも流通在庫がかなり安く買えると思います。比較的電極間容量が小さく、よりRF向きの石は後者だったように思います。
8石だというので、最初は他励変換かと思いましたが、AF部がゴージャスなのですね(笑)。私も温度補償はトランジスタの方がいいと思います。私の経験だと、ダイオード2本の構成では電源電圧の変化でバイアスが大きく変わってしまうようです。
例外として、出力段の石とまったく同じ石をダイオード接続にして使うと、ほぼ無調整かつ完璧な温度補償ができます。カレントミラーに相当する動作ですね。おっと、これは大変なノウハウか!?(爆)。
蛇足ですが、トリオの「並四コイル」もよくできていたと思います。バンド内でほぼ一様に再生がかかりましたので。後に自作したものではそれほどうまくいきませんでした。
JG6DFK/1 児玉さん、こんばんは。 風が出て冷え込んできましたねえ。 ゆっくりお湯に浸かってきました。w
返信削除いつもコメント有り難うございます。
> トランジスタラジオはハードルが高そうですよ。
トランジスタラジオが理屈の説明付きで設計できればもう初心者とは言えないでしょう。(笑) 高周波やAGCのような自動制御、ほか検波回路や低周波増幅など広範囲な電子部品や回路の知識が要求されます。きちんとした調整技術も必要ですからね。
> 今はもうやっていないのでしょうね。
工業高校の電気科でさえ電子ブロックのような実習教材を使うそうです。中学の技術科ではなさそうですね。 ちょっと寂しいですが、すでに日本は電子立国ではありませんから・・・。
> 望み通りのコイルボビンも入手しづらくなってきた・・・
そのような状況でaitendoの「IFTきっと」は貴重な素材だと思っています。しばらく続いて欲しいです。
> FMのIFTは流通在庫くらいしか残っていない・・・
もともとトランジスタ式FMラジオの自作用パーツは見掛けませんでした。昔の残り物も期待薄かな。
> アナログ(アナクロ?)なラジオを設計・製作すること自体がナンセンス・・・
ラジオが作りたいだけならDSP式のラジオチップが一番です。でも、それって作って面白いのか私には疑問です。(笑)
> 2SC380や2SC829です。
拙宅とは在庫の傾向がだいぶ違います。C380は無かったかも。(爆)
> AF部がゴージャスなのですね(笑)
中波帯なので他励式と自励式で違わないため後者にしました。 短波帯だと混合と局発がそれぞれ最適化できた方が有利です。 それで追加の2石は低周波トランスを無くする方に振り向けました。
> 温度補償はトランジスタの方・・・
2ダイオード式だと、出力段のTrによりVbeの立ち上がり電圧に違いがあって同じ回路では旨く行かないことがあるんですよ。
> これは大変なノウハウか!?(爆)。
バイアス回路に2N3055を使う人が登場するかも知れないので、そう言うノウハウはやめて下さい。(爆)
> 「並四コイル」もよくできていたと思います。
STARの並四もほとんど同じ構造でした。 各社研究して同じような構造に収斂したんでしょうね。 統一規格の真空管用ラジオ部品は各社の技術を集大成したものだったようです。
加藤さん、こんばんは。
返信削除皆さんのBlogはRSSリーダーで更新をチェックしているのですが今回は更新を見逃してました^^;
僕が工作を始めた頃にはすでにトランジスタの方が安く、数百円もする山水のトランスは貴重品でした。
6石スーパーはドライバートランスがST-25か26でアウトプットトランスがST-32でトランジスタはGeの2SA100や2SB56だったと思います。
やっと買ったトランスは使い回すので線は切らず、コアのシールドの足も出来るだけ折らずに使ってましたが、コアのシールドカバーが錆びてみすぼらしくなってました。
今でも使わないトランスの線を切れません(爆
今では石数にこだわらないのでしたら書かれているようにLM386などを使う方が簡単ですね。
上記のトランスの価格のことも有り実は6石スーパーって作ったことありませんでした。
昨年aitendoのキットを作ってみましたが中波放送を受信するには十分な性能ですね。
aitendoのIFTキットも送料無料会員のうちにゲットしておきたいと思います。
IFT用変換基板も忘れないようにしないとw
しかし8石スーパーもすごいですが、それをBBで組むのも凄いですね^^
JE6LVE/ JP3AEL 高橋さん、おはようございます。 今朝も寒かった〜〜。 北関東はもう真冬と同じくらいです。
返信削除いつもコメント有り難うございます。 無線でない話題はコメントし難いですよね。(爆)
> すでにトランジスタの方が安く・・・・
アマチュア的には小型トランスと言えば「山水」なんですが、あれ高過ぎますよね。 考えてみるとラジオメーカーが調達する時は数が膨大ですから遥かに安価なんだろうと思います。おそらく高めに見積もっても一つ数10円くらいでしょう。 それで暫くトランス結合の回路が続いたんだろうと思います。
> Geの2SA100や2SB56だったと思います。
アマチュアが買えるトランジスタは種類が限られていましたね。 あと、NECの2SB111くらい・・・。
> 今でも使わないトランスの線を切れません(爆
私も同じです。勿体なくてリード線を切り詰めるなんて・・・(笑)
> 中波放送を受信するには十分な性能ですね。
中波ラジオは地元の放送を聞くのが目的でしょうね。ローカル局は電波が強いので6石スーパーは十分すぎる感度だと思います。バーアンテナは不利なんですが、それでもちゃんと聞こえるように思った以上にハイゲインになっています。
> IFT用変換基板も忘れないようにしないとw
変換基板は幾つか種類があるので、よく見て選んで下さい。ブレッドボードには基板サイズが小さい物が扱い易いです。良さそうな基板は現在品切れのようでした。
> それをBBで組むのも凄いですね^^
ブレッドボードでもこれくらいの回路は簡単に作れるんです。恒久的に残らないのは残念ですが。(笑)
JA9TTT/1 加藤さん、こんにちは。
返信削除ご無沙汰しております。
トラ技掲載記事の追加フォローですね!
加藤さん寄稿のトラ技は大体購入して読ませていただいてます。
直近では私の部品箱「074」でしたね!
先月号も加藤さんの記事でした。
当局の場合、中波のAMラジオ放送を受信するものは、小学校の時真空管で作ったラジオぐらいです。九州で、文化放送のパックインミュージックを聞いていました。
その後は、無線用の短波受信機ばかりで(笑)
実は、6石ラジオも作った事がありません。
コイル巻きは、苦手ですね!
田舎では記事に書いてあるそのものの部品が手に入らず、うまく同調できなくて大体失敗していました。
トロイダルコアが入手できるようになってから、だいぶうまくいくようになりました。
今回の記事のようにaitendoのIFTキットといった具合に、コア材が決まってくれば記事と同じように作ればうまくいきますね!
得体のしれないコア材に同じ巻き数巻いても、何を作っているのかわからないということを知らないで作っていたのが思い出されます(笑)
測定器があれば、適当な巻き数を巻いて測ってみてから、巻き数を決めるということがなんとなくできるようになったのは最近です(50年かかってます:爆)。
今は目も遠くなりましたので0.08mmを巻くのは至難の業です。当局的には0.2mmくらいまでが限界ですね!
先ほど、T25のトロイダルコアに0.3mmを巻くのに難儀していました。
IFTのブレッドボード基板は鶴田さん製だとのこと、FBですね!
最近お会いできていないのですが、どうなされておられるのでしょうね!?
当局も、FUSIONなどでの基板製作もできるようになりましたので、お役に立てることもあるかもしれません。
昨日の夜からの雨も上がってきました。昼からは晴れるようですね!
半田の手持ちがなくなったので調達に出かけるかどうか悩んでいるところです。
JA6IRK/1 岩永さん、こんにちは。 こちら雨が上がって青空が広がっていますが、風が出てだんだん冷たくなってきました。
返信削除いつもコメントありがとうございます。
> トラ技掲載記事の追加フォローですね!
活字+紙のメディアは一旦世の中に出てしまうと修正や補足が困難なのが欠点ですね。通信環境がなくても読めるメリットはあるんですが、もう時代遅れかも知れませんね。hi hi
> 直近では私の部品箱「074」でしたね!
私の定番OP-Ampをご紹介しました。 編者のお気持ちは『これっきゃない!』お宝同然のデバイスを派手な脚色をたっぷり付けてご紹介したいようなんです。 もちろんそう言うのだってあるんですが「お宝」はまさしく入手難なデバイスばかりです。なのでご紹介するのも気が引けます。それで入手容易な汎用デバイスの紹介がメインになっております。 ご愛読どうも有り難うございます。
> 実は、6石ラジオも作った事がありません。
子供のころ、2~3石のラジオを作ったことはあっても6石スーパはないと思います。作ったとしてもキットでしょうね。性能は良いのですが初心者には部品が多くて難しいです。ちゃんとした調整には測定器も必要なので近所に教えてくれる大人が欲しいですね。
> コア材が決まってくれば記事と同じように作れば・・・
はい。 そこがミソなのでaitendoさんには頑張って継続供給して頂きたいと思っているんですよ。hi hi
> 0.08mmを巻くのは至難の業です。
細いので切れ易いのとキンクができ易いので厄介です。でも慣れると簡単ですのでハヅキルーペでも掛けてうまく巻いて下さい。(爆)
> お役に立てることもあるかもしれません。
期待しております。その時はご相談させて下さい。 おそらく鶴田さんはお仕事の方がお忙しいのでしょう。
> 半田の手持ちがなくなったので・・・
最近の工作は細かいので、適度な細さで良いフラックスの入ったハンダが欲しいですね。 私は昔買った千住金属の銀入りを愛用中です。 鉛入り共晶ハンダが一番なのですが、だんだん限られてきましたね。
この記事とは関係ないのですけど、ネットでこんな情報を知りました。
返信削除RSGB(Radio Society of Great Britain)が 2009 年に出版したハンドブックが読めるようです。
Radio Communication Handbook 10th ed by M. Dennison, J. Fielding — free pdf
http://img2.me/bookinfo/radio-communication-handbook-10th-ed.pdf/
著作権関係が良く分からないので不安ではありますけど。
同じサイトに
Radio and Electronics Cookbook by RSGB — pdf free
radio-and-electronics-cookbook_1.pdf
というものもありました。
JR1KDA 岩崎さん、こんにちは。 北関東の今朝は快晴です。気温は低めですね。
返信削除いつもコメント有り難うございます。
> ネットでこんな情報を知りました。
FBな情報ですね。 記事と関係なくてもかまいませんよ。hi hi
> 著作権関係が良く分からないので不安ではありますけど。
著作権にうるさいはずの米国にもアップされた書籍はたくさんあります。もちろん、保護期限は過ぎていないのですが・・・。
再版される見込みがなかったり、時代に即さない内容の書籍はたぶんあまり価値はないのではないかと思います。 それで資料としてアップしているのではないかと思っています。 あまり良いことだとは思いませんけれど。(笑)
ご紹介のサイト、幾つか面白そうな書籍もあったのでDLしてみました。 良く読めば勉強になるのだろうと思うのですが、英文の書籍ってハードデスクに溜まって行くだけのような気がしています。(爆)
FBなInfo.ありがとうございました。
私もハードディスクの肥やしになっている英文書籍が沢山あります。
返信削除特にkindleの書籍は安いのでつい買ってしまったりしてしまいます。
安いkindle本は玉石混交なので気を付けないとダメですね。
JR1KDA 岩崎さん、こんばんは。
返信削除再度のコメント有り難うございます。
> 英文書籍が沢山あります。
日本の書籍も自炊した物がそこそこあるんですが、参照するものって案外限られます。 結局ほとんどの本や雑誌はハードディスクの肥やし状態です。(笑)
> 安いkindle本は玉石混交・・・
電子本はお手軽なんですがちょっと見ただけでダメな物も多い気がします。 印刷費用はかからないので、ダメもとで最初から電子本だけって言うのもあるんだと思います。そう言う本はやっぱりダメだったりして。hi hi
改訂版の発行や校正漏れの修正が比較的容易にできますから、技術系の書籍は電子本の方に未来があるように思うのですが・・・。それでは出版社も食べて行けないのかも知れませんね。 毎月雑誌を購入して頂いているお方には感謝です。
トランジスタラジオは電子ブロックでしか経験していません :) 今一番面倒な部品はコイルじゃないかと思います。自分でコイルを巻くというのは高級な作業だと思います。コモンモードフィルタ巻くだけでも変人扱いされますからね。 :) ともあれ、IFTとかラジオは、もう高級な技術に属すると思います。私はとてもやる気がしません。オーディオトランスはいくつか持ってますが、もっぱら絶縁のために使われているような気がします。
返信削除ARRL Handbookの2018年版を最近買いましたが、紙にすべてが掲載されておらず、電子版(PDF)のダウンロードライセンスが付いてきます。QSTに限らずNCJやQEXの記事も読めるので、随分いい時代になりました。ただ、Kindleのe-Paper表示で読むのには向いていません。mobi/azwのフォーマットだと図表がまともに出ないという問題があります。私はPDFあるいはEPUBにしてiPadあるいはMacで読んでいます。KindleもiPadあるいはMacで読んでいます。WIndowsでもPDFはSumatraPDFのような優秀なリーダがあるので、問題なくいけると思います。
Kenji Rikitake, JJ1BDX(/3)
JJ1BDX/3 力武さん、こんばんは。
返信削除いつもコメント有り難うございます。
> 今一番面倒な部品はコイルじゃないかと・・・
一般的にはコイルも既製品を使います。 自分で巻こうという行為は部品まで自分で作ると言うことなのですから当然厄介なことになる訳です。(笑)
> もう高級な技術に属すると思います。
ある意味で高級な技術ともいえますが、今はそういう部品を回避する方向に進歩していますね。DSP処理の通信機などその最たるものでしょう。もうコイルは僅かしか使っていません。
> 電子版(PDF)のダウンロードライセンスが・・・
それでページ数が減れば紙で配布するよりもコスト低減されますからねえ・・・。保管する方もその方が楽です。 読むのにもあの分厚いハンドブックじゃ寝転んで読めません。 ブックリーダーやタブレットで読める方が有難いともいえますね。
> 問題なくいけると思います。
最近はリーダー側の性能がアップしたので昔のPDFよりも高精細度でも大丈夫になっています。 保存容量も大きくなっていますから以前よりも良い品質で楽しめます。 図版も拡大表示しても奇麗なのでかなりFBだと思っています。
手持ちの書籍や雑誌をPDF化していますが、リーダー側が良くなったのでたくさん保存できますしストレスなく読めています。