【再生式受信機・その1 イントロ編】
【再生式受信機の時代】
再生式の受信機がHAMのシャックで活躍したのは戦前から終戦直後の時代でしょう。 私が電子工作やHAMの世界に入門した1960年代には、すでに再生式受信機(オートダイン・レシーバ)の時代は終わっていました。 もうHAMの雑誌で再生式受信機を本気で扱う記事なんか見かけなかったですね。
もちろん、ラジオ入門者向け雑誌の記事には簡単なのに感度は良いと書かれていました。 けれど、選択度が悪い、安定度が良くない、性能は製作者や操作者しだいで変わる・・・と言った大きな欠点があって『一度は作ってみるもの』だが本命はやっぱりスーパーヘテロダインだというのが結論だったと思います。 通信型受信機はスーパーヘテロダインが常識であり、しかもCollinsタイプ・ダブルスーパーがベストだという時代だったのです。
SDR形式の受信機(受信部)の登場で、スーパーヘテロダインの絶対優位も変わろうとしています。 新たな時代も始まっていますが、かつて実用的に使われたこともある「再生式受信機」とはどんな物だったのか振り返ってみたいと思っています。
(参考:超短波帯:VHFで使われる「超再生式」についてはまた機会を改めて予定します)
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第1回はイントロ編の回路図集として再生式受信機の歴史(?)など辿ってみます。 過去のすべてを紹介する訳にも行きませんから「私」が適当と思う幾つかに絞っています。網羅的ではありませんが悪しからず。 レトロな受信機技術に興味が湧かないお方はここでお帰りが宜しいです。
写真はDG-MOS FETで再生検波回路をテストしている様子です。第3回あたりで扱うつもりです。
【戦前の再生式受信機・その1】
Dr. E,H.アームストロングが正帰還の研究をしていて再生式受信機を発明したのは1912年(大正元年)だそうです。使ったのは真空度の低いソフトバルブだったようです。もちろん三極管です。 いまでもグリッド側の同調回路にプレート回路に入れたフィードバック・コイル(チックラー・コイルとも言う)で正帰還する形式をアームストロング型と言うことがあります。
ちなみにDr.アームストロングはスーパー・ヘテロダイン受信機やFM方式(周波数変調方式)の発明者でもあります。 あまり知られてはいませんが「無線通信の世界」ではかの有名なエジソンのように偉大な発明家です。
しかし3極管を使った再生検波回路には独特の難しさがあったのです。意図しない正帰還が起こってハウリングのような現象が現れます。ゲインを上げようとすると必ずと言って良いほど起こる厄介な現象のためそれが感度の限界にもなっていたのです。 これはフリンジハウルという現象で、半導体を使った再生式受信機でも起こることがあります。
図は1936年(昭和11年)版のARRL Handbookに掲載された再生式受信機です。この頃になると5極管が発明され、そのお陰で一段と高感度な「再生式受信機」が作れるようになります。
この回路はいまでも通用する筈です。回路形式はハートレー型です。 この形式のポイントは検波管のプレート負荷の低周波チョークコイル(AFC)でしょう。 数100H(ヘンリー)のインダクタンスを持ち、巻線抵抗が過度に大きくないAFCを使います。 なおかつスクリーングリッド電圧の加減で最大の増幅度が得られる状態を求め、そこで再生から発振に移行するようコイルのタップ位置を加減します。 この辺りが「言うは易く、されど行なうは難し」なところであって、部品配置や構造、さらには製作者のスキルに負う部分大です。 それゆえ誰でも等しく最高感度にはできないのです。 使用球の58や56、あるいは6D6や76も入手は可能です。 1930年代のレトロを体感してみるのも興味深いかも知れませんね。
【戦前の再生式受信機・その2】
The "Radio" Handbookという1938年(昭和13年)出版の米国書籍に載っていた「GAINER」という名前の再生式受信機の回路です。 Gainerなる単語はその後も様々な所で目にするので「ゲインがいっぱいとれますよ」と言った再生式受信機で高感度を謳う決まり文句のようになっているのでしょう。(笑) 回路図の書き方がクラッシックで判りにくいですがよく見ると理解できます。hi
回路は上記のARRL-HBと大差ありませんが、ナス管やST管から進歩したG管が入手できるようになっていたのでしょう。 6S7Gと6L5Gと言うG球を使っています。これらの球は6D6と76のベース違いの同等管ですから定番の構成と言えます。 当時のQST誌を見ると、6K7や6J5も登場していたようです。 そうしたメタル管を使った方がスマートかも知れませんね。(G管:グラスエンベロープはST管と同じですが、ベース・ソケットが8脚のUS型になった真空管です)
この受信機でも検波管の負荷は低周波チョークで、500Hのものを使っています。 この回路のままでヘッドフォン(高インピーダンス型)が十分鳴るそうです。 家庭用のラジオではラウドスピーカを鳴らす必要がありますが、HAMの用途ではヘッドフォンでも十分だったのでしょうね。 下手にパワーアンプなど追加するとモーターボーティングと言った低周波発振が起こりやすかったと思います。いまのように数10〜数100μFのケミコンなどまだ存在しない時代です。 数μFがやっとのオイルコンでは電源系のデカップリングの効果も限られたでしょう。ヘッドフォンで聴くのが間違いのない所です。
何れにしても、昭和10年代には再生式受信機の回路はほぼ定形化していたと考えて良いようです。 生きた回路として今でも存在するのですから受信機のシーラカンスのようです。(笑)
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【戦後の再生式受信機・その1】
そろそろ戦後の話にしましょう。 これは双三極管の6SN7を1本使ったHAMの入門用受信機です。 5極管を使って入念な調整を行ったものには敵いませんが、3極管を使った検波回路は初心者でも性能が出しやすいと言うメリットがあるそうです。 回路形式は「アームストロング型」そのものです。
1953年(昭和28年)版のJARL Handbookより転載しました。おそらくオリジナルはARRL-HBにあると思います。 そろそろスーパー全盛の時代にあっても入門用には「再生式受信機」が最適と思われていたのです。 まだCW(無線電信)とAM(無線電話)の時代ですから、SSBが復調できる性能は必要ありませんでした。 いまの時代に再生式受信機を作ってみてもAMやCWモードならけっこう実用的です。 そのころお小遣いの少なかった入門HAMには良い教材になったでしょうね。ご近所のHAM(AM局)のラグチューくらいよく聞こえたことでしょう。(参考:昭和28年当時JAではHAMは再開したばかり)
6SN7はmt管では6CG7が近似管です。あるいは12AU7で代用しても良いと思います。ハイ・インピーダンス型のヘッドフォンを使うのが前提ですが10kΩ:8Ωくらいの小型アウトプット・トランスを介せば近代的なヘッドフォンが使えます。 なるべく密閉式で感度の高いヘッドフォンを使うとよく聞こえます。 電源は外付けにしヒータ回路もDCで点灯してやるとブーンというHUMに悩まされません。
【戦後の再生式受信機・その2】
図はR.S.G.Bの1961年版 Radio Communication Handbookからの引用です。 この時代、英国でも同じような事情だったようで入門用として再生式受信機が掲載されています。
検波回路と低周波増幅は上記のJARL-HBの物とさして違いませんが「9D6」というリモートカットオフ特性の5極管で高周波増幅しています。 ここまで高周波増幅のない、いわゆる「0-V-1」形式ばかり紹介してきましたが、やはり高周波増幅を付けて「1-V-1」形式にすべきです。
CWの受信では検波回路を必ず発振させて使います。 高周波増幅がなければ、その発振勢力がアンテナから輻射されてしまうのです。 真空管を使った検波回路の場合、意外にも強力な発振状態になっていることがあって、近隣のHAM局にビート妨害を与える可能性は否定しきれません。 わずか出力数mWのQRPPerとQSOできる事実を考えれば少々の漏れと言って無視もできないでしょう。 しかし検波回路の前に高周波増幅を設ければ防げるので、推奨されるべきです。
9D6という球は入手困難でしょうから、米国型の6BD6で代用すれば同じように作れます。 プラグインコイル形式になっていてマルチバンドの受信が可能な設計です。同じ部品は手に入りませんからシングルバンドが作り易いです。
【戦後の再生式受信機・その3】
『初歩のアマチュア無線製作読本』という1969年ころの書籍(初版1969年3月15日・改定第2版1978年7月1日を参照。誠文堂新光社刊)に掲載されていた回路です。 ミニチュア管ですから、真空管こそ新しくなっていますがご覧のように回路そのものは1936年のそれと大した違いはないのです。
入門用ということで検波回路の負荷は高抵抗に置き換えていますから近代的な球とは言っても性能はちょっと劣るでしょう。 数100Hのチョークコイルは高価ですし、ブーンと言うハム音を引きやすいなど扱いも少々厄介なので抵抗器で代替する方が入門者向きなのです。 それでも結構良く聞こえるのでHAMバンドやBCLバンドを覗くには適当だったんでしょうね。 6AV6の3極部はHigh-μなので12AU7や6SN7よりもゲインがあります。検波部を補う意味もあるのでしょう。
電源回路の整流管:5M-K9は超入手難なので1N4007のようなシリコン・ダイオードで整流します。 250Vもの電源電圧は必要ないと思うので電源トランスは100V:100Vのアイソレーション・トランスを使うと安上がりです。半波整流でも行ける筈ですがあえて高い電圧を掛けたいなら倍電圧整流します。 6.3Vの方も2球合わせて600mAですから6VのACアダプタでDC点灯できます。スイッチングタイプではない(トランス式の)ACアダプタに限ります。
【半導体を使った再生式受信機・その1】
1947年にベル研究所でトランジスタが発明されます。(公式なアナウンスは1948年でした) 増幅素子としての実用性に気づくや、様々な応用が考えられたそうです。その中にはラジオ受信機もありました。 最初はストレート形式のラジオから試みられたのは間違いないでしょう。
やがて一般に手に入るようになると1〜3石程度の「トランジスタ・ラジオ」の製作が流行りました。スーパ形式を作るにはたくさんトランジスタが必要ですし、周辺部品も発展途上でしたからストレート式ラジオが自作の主流でした。 私も中波BCバンドの再生式2石ラジオを作った記憶があります。 ただしそれを卒業した頃にはスーパー形式に目覚めていたのであえて再生式の短波受信機など試そうとは思いませんでした。 そのころこうした回路で作ってみたら意外な発見があったと思うので本気でチャレンジしてみるべきでしたね。hi
図はこのBlog(←リンク)で既出ですが、1970年版のJARL-Handbookに掲載されていた再生式受信機です。むかし風の呼び方では「0-T-1」と言うことになります。 アクティブ・デバイス(能動素子・増幅素子)はトランジスタですがアームストロング式の再生検波回路です。 これはBCバンド用ではなくてHAMの用途を狙ったものでしょう。 再生検波に2SA156、低周波アンプに2SB440を使っています。どちらもPNP型ゲルマニウム・トランジスタですが性能が安定してきた時代のデバイスですから好成績が期待できます。 手に入り易い代替品として2SA70と2SB77など如何でしょうか。そのまま置き換えられます。 シリコンTrでも良ければ2つとも2SA1015Yで代替して大丈夫です。
トランジスタは意外にハイゲイン(高利得)で、ほんの僅かなコレクタ電流でも良く働きます。実際に類似の回路を作ってみるとかなり聞こえるのがわかります。 ジャンク箱から発掘してきたようなゲルマニウム・トランジスタも楽しいものですが、古臭い再生式受信機ではあっても近代的なシリコン・トランジスタの方が高性能化しやすいように感じました。
【半導体を使った再生式受信機・その2】
わずか数年後、1973年版のJARL-Handbookに掲載されていた再生式受信機です。 再生検波にFET(電界効果トランジスタ)が使われています。 低周波増幅もシリコン・トランジスタ(2SC372)になりました。これも昔風の真空管式の例にならえば「0-F-1」とでも呼ぶことになるでしょうか。(笑)
こちらもアームストロング型の再生検波回路ですが、入力インピーダンスが高く高周波性能の良い2SK19の方がこの用途には優れていたようです。 ただし、2SK19のように単純な構造のFETは3極管と同じ問題を抱えているようでした。再生がかかり始めて感度が(ゲインが)アップしてくると低周波発振を伴うことがあるのです。これは3極管を使った再生検波の挙動とそっくりなのだそうです。 結合トランスST-20のFET側にある2.2kΩはその発振を止めるのに効果的で、低周波発振が起こらぬ範囲でなるべく高い抵抗値にするのが高感度の秘訣だそうです。
2SK19は2SK192A(Y or GR)あるいはBF256Bで代替できます。表面実装で行く場合は2SK210あるいは2SK211で良いでしょう。 2SC372は2SC1815Yが代表的な代替品です。こちらの表面実装型は2SC2712Yが適当でしょう。 受話器はクリスタル(セラミック)イヤフォンを使う設計です。 本格的なヘッドフォンを使うには低周波アンプを少し増強します。 上手に作るとごくわずかな消費電流で良く聞こえるCW受信機になります。 不要輻射を防ぐ観点から、できれば高周波増幅を前置すべきでしょうね。 同時にアンテナの動揺の影響やボディ・エフェクトが軽減できて扱いやすくなります。 次項のような簡単なRF-Amp(=高周波増幅器)でも十分効果的です。
【半導体を使った再生式受信機・その3】
複雑な回路が蔓延している反動からでしょうか? 昨今はオートダイン式(再生検波式)のようにシンプルな受信機がブームのようになっています。 電子デバイスの進歩もあって昔ながらの回路であっても高性能化が容易になっているのも理由でしょう。 真空管時代には難物だったハイゲインな低周波アンプも半導体ならずっと作り易いのです。
図は、ARRL発行の1998年秋号:Communications Quarterly誌の再生式受信機特集で紹介されている「High-performance JFET shortwave receiver」と称する受信機です。 もう20年も前になる記事ですが今でもよく参照されているようなのでピックアップしました。 基本はアームストロング型の再生検波回路ですが、いくつか工夫されています。 もちろん高周波増幅が前置され不要輻射を防ぐとともに検波に最適な信号レベルに加減できるよう考えられています。(JFET、J-FET:接合型電界効果トランジスタ)
低周波増幅にはAD745JNというこの記事の当時もっとも低ノイズと言われたOP-Amp.をハイゲインの設計で使い一発で必要なゲインを得ています。 簡易型ながらローパス・フィルタを設けたのも効果的でしょう。しかし回路そのものはオーソドックスですね。 定番回路の域をあまり踏み出る必要もなかったのでしょう。(形式は「1-F-1」)
J-FETはJ310または2N4416が指定品ですが、2SK192A(Y or GR)でも十分なはずです。 J310と2N4416の特性はかなり違うのにどちらでも良いというのですからRF向きのFETなら何でも良いのでしょう。 また、BF256Bの中身は2N4416と同等だったはずなので同じように使えます。 OP-Amp.は高価なAD745JNを探すまでもなく入手容易なNE5532やNJM5532などで十分でしょう。4558クラスでも良いはずです。 検波回路には再生に伴うノイズの発生があるので後に続く低周波アンプは程々にこだわれば十分です。 それらのOP-Amp.は2回路入りですから片方をアクティブ型のローパスフィルタにするなど高性能化がはかれます。
この雑誌の特集記事はPDF版がARRLのサイトで入手できたと思います。詳しくご覧になりたいお方はダウンロードされてください。「High-performance JFET shortwave receiver」で検索すればすぐ見つけられます。もちろん英文ですけどネ。(笑)
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こうして振り返ると回路形式として戦前から完成されていたことがわかります。あとはデバイスの進歩で少しずつ改良されていますが、本質的な部分は変わっていないように感じます。 それぞれ製作すれば先人の足跡を辿って追体験できる面白さがあるでしょう。私はもうちょっと違うアプローチで行こうと思っています。
これからの時代、通信型受信機の高性能化を指向するならやはりSDRが本命でしょう。 ただしHAMが自作の対象にするのは難しいと感じます。開発のスキルも勿論ですがツールを始め開発するためのハードルが高すぎます。 結局、よくできたキットや完成品を求めた方が正解となってしまうでしょう。 そうなると完全自作で楽しめる実用的受信機はスーパーヘテロダイン型がもう暫く本命であり続けると思うのです。 もちろん私見に過ぎませんが、これは再生式受信機を幾つか試みたいまでも変わりません。
しかし、再生検波の技術を使えばごくわずかなデバイス数で交信可能な感度を持った受信機が作れることは事実であり、そこに面白さや魅力を感じます。 これはQRPなCW送信機で交信するのと通ずるものがあるからではないでしょうか。 もちろん快適さには欠けますがミニマムなリグでQSOを試みるというスリリングな体験はシンプルな自作機ならではのものです。 現代は優秀なデバイスがタダのようなお値段であふれているのですから、トランジスタを倹約してもまったく意味などないかも知れません。 でも、たった数球や数石で山ほどたくさん半導体を使ったトランシーバと同じこと(即ちQSO)が出来るのですから痛快ささえ感じますね。(笑)
単にシンプルな受信機ならワンチップなラジオ用Cも選択肢です。 あえて再生検波式の受信機を試したいと思ったのはもう少し他の理由もあります。 以前からの疑問を試す機会でもあり、そのあたり追い追いお話ししたいと思います。 ではまた。 de JA9TTT/1
☆ 実験の進捗しだいで時々Blogをお休みするかも知れません。
(つづく)←リンクfm
おはようございます。
返信削除再生式ラジオは小学校6年生夏休みの自由研究で作った単球0-V-1が最初でした。
電源トランスが買えずヒータートランスだけのセミトランスレスでしたので、シャーシに触ってビリッときたらコンセントを差し替えてましたw
その後は雑誌の記事などでトランジスタ式などをいくつか作りましたが、バイポーラTrを使ったタイプはあまり上手く動作させることが出来なくて、FET使った回路は上手く動作した記憶があります。
当時はプラグインコイルとの組合せが定番でした。
数年前に並4ラジオを作成したときは再生受信機の使い方を忘れていて放送が聞こえずしばらく悩みました。(笑
3A5単球トランシーバーなど最初に考えた人は素晴らしいなと思います。現在では実際に使用できないのが残念です。
JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんにちは。 出掛けた先からタブレットで返信しています。
返信削除さっそくのコメントありがとうございます。
>単球0-V-1が最初でした。
私は中波の並三ラジオが真空管で作った最初だと思います。再生の掛けすぎでギャーって言わせて遊んだのを思い出します。hi hi
>バイポーラTrを使ったタイプは・・・
バイアスの与え方、調整方法にコツがあるようですよ。いくつか試した範囲ではFETの方が扱い易いように感じます。このあと、実例があります。
>現在では実際に使用できないのが残念です。
実験程度に遊ぶくらいしかできませんね。 3A5シングルでは真面目に作っても限界があるので正式の免許は難しいでしょう。
受信機の制限は無いので、再生や超再生でもOKですよ。(笑)
加藤先輩 ご無沙汰しています。超再生受信機ツボですね。初めて自作したのが、並4ラジオでアルミシャーシが買えず、薄ベニア板でアルミシャーシのような箱を製作して、6C6,6ZP1,12Fでした。豆コンが田舎でなかなか手に入らず苦労しました。その後、無線の免許を取得、友人がエコーの3RQという超再生トランシーバを買い、27MHzのおもちゃのトランシーバで交信、ハムじゃないですね。友人の家との間500mが遠くなかなか交信出来ず、ノイズの海の信号を拾ってました。局免級取得後、TR2200Gでホイップアンテナでメーター59+技術を感じました。後年、中古の3RQ入手したこともあります。とっておけば良かったと反省、友人とCBバンドで、3RQ同士で交信したこともありますが、まぁ、周波数が安定せず、常にバーニアでお互いに追っかけこでした。それでも楽しい思い出ですね。
返信削除昔は、大戦初期は、アメリカの軍艦もストレート受信機を使っていたそうで、ボディエフェクトとの戦いだったみたいです。米国ナショナルのプラグインコイル方式とか、今見ても素晴らしいですね。その後、スーパーヘテロダインが開発されたみたいで、米国の技術に驚き。今は、SDRでソフト化の時代ですね。エコーの3RQ自作してみようと最近、考えたことがあります。回路図はネットにあるのですが、コイルデータがわかりません。3A5のトランシーバの自作記事が手元にあるので、これのコイルデータでいけるかな、と考えてます。シーメンスキィが高価で、リレーを使うことも考えました。今のところアイデア倒れです。3A5もあるので単球トランシーバという野望もありますけど、免許降りないでしょうね。
続き、楽しみに待っています。
JA9MCH/1
JA9MCH 和田さん、こんばんは。
返信削除いつもコメントありがとうございます。 まだ出掛けた先なので、帰宅後にくわしくは・・・・
やっぱ、タブレットって書きにくいですね・・・(笑)
加藤さん、また面白い記事ありがとうございます。
返信削除昨年、秋葉懇親会の常連だった大和田さんのお宅に尋ねた時、差動式再生受信機を見せて頂きました。
CQ誌でも「オオワダイン」として紹介されています。熱心に説明受けたのですが、こちらの知識不足
で消化不良でした。温故知新まだまだ深堀できる分野かと思います。
私の再生式受信機の出会いは27MHzのおもちゃのトランシーバーでした、尤も超再生式ですが・・
その後、小学生の頃、科学教材社の0V2のキットを作って楽しみました。開局までの間、結構7MHz
が受信できました。SSBは結構きついですが、その後21世紀になってQRP Powerの掲載されていた
1V2を追試したら結構使える受信機なので驚きました。和田さんのご指摘の通り大戦中の米海軍が
再生式受信機を使っていたのは驚きです。ただ軍艦に様な堅牢な作りなので流石アマチュアが真似
できないものですね。
JA9MCH 和田さん、こんばんは。 先ほど帰宅しましたので仕切り直しです。(笑)
返信削除いつも楽しいコメント有難うございます。
> 豆コンが田舎でなかなか手に入らず苦労しました。
私が興味を持った頃も同じでしたね。 再生調整用の豆コンは並四とか3ペン用の部品なのですが、いくら田舎でもすでにスーパーばかりでしたので近所のラジオ屋には売ってませんでした。 先輩に貰ったか、秋葉原へ出かけた時に見つけたように思います。 羽をむしって小容量のバリコンにして使いました。 あれってすごく構造がチャチで確か30円とか50円だったと思います(?)
> 友人の家との間500mが遠くなかなか交信出来ず・・・
そうしたトランシーバって、意外にパワーが出ていたのではないかと思うんです。100mくらいなら何とかなっても500mはハードルが高かったでしょうね。 送受兼用の回路って受信と送信周波数が完全には一致していなくてQSOは苦労したのを思い出します。hi hi
> メーター59+技術を感じました。
流石にTR2200Gは本格的なトランシーバでしたからね。hi hi
> 米国ナショナルのプラグインコイル方式とか・・・
たぶん、SW-3のことだろうと思いますが、その件はプロが作った再生受信機の話で次回触れるつもりです。(大した話ではないですけど・爆)
> 回路図はネットにあるのですが、コイルデータがわかりません。
だいたい常識的に巻いてみてあとはカットアンドトライで行けば宜しいかと・・。(爆)
> 単球トランシーバという野望もありますけど、免許降りないでしょうね。
昔と同じに作ったら保証認定はまず貰えないと思います。でも幾らか工夫の余地はあるかも・・・などと思ってます。(笑)
シーメンスキーは確かラジオセンターのどこかで売っていたような? 安かったと思うのですが、使うアテが無いので手を出しませんでした。 しばらく前なのでもう無いかなあ・・?
JR1QJO 矢部さん、こんばんは。 JA7方面へ出かけていたんですが、1エリアは夜になっても暑いくらいですね。hi hi
返信削除いつもコメント有難うございます。
> 「オオワダイン」として紹介されています。
お話を伺ったことがあるような気もするのですが、今度機会があったらどんなものか教えて下さい。楽しみにしています。 たぶん、この先の話とは被らないだろうと思っています。hi
> 温故知新まだまだ深堀できる分野かと思います。
回路形式の限界があるのでスーパーと同じようにはなりませんが、だから使えない訳ではないと思ってます。 今でも工夫する余地はあるでしょう。
> 科学教材社の0V2のキットを作って楽しみました。
科学教材社では長く売っていましたね。 コイルはプラグイン式でしたね。 売っていたころ再生式受信機は何となく手を出しませんでした。 作ってみたら意外に面白かったかも知れません。hi
> 流石アマチュアが真似できないものですね。
再生式受信機は回路は簡単ですが素材と構造が命でしょうね。 特に真空管時代はそうだったでしょう。 真空管は拘れても特殊な構造は無理なのでアマチュアには難しいです。 それに必ずしもHigh-gmな球が良い訳でもなくて・・・。
このテーマであと何回かやりますのでよろしく。
TTT加藤さん、こんにちは。
返信削除楽しそうな話題ありがとうございます。
大和田OMのオワダインについては、昨年のハムフェア会場で展示され、
昨年9月の会報で発表しております。どうかごらんください。
http://www2.jaqrp.org/2018/08/bulletin-2018-09/#jaqrp61-05-01
JA8IRQ 福島さん、こんばんは。ご無沙汰いたしておりました。
返信削除いつもコメント有難うございます。
> 大和田OMのオワダインについては・・・・
何となく聞き覚えもあったので、QJO矢部さんにコメントいただいたあと調べていたところクラブ会報の記事で見つけました。 FETを2つ使ってソース共通の回路とし、帰還回路を構成して正帰還を行なって再生を掛ける形式ですね。 回路の内容は了解しております。 スムースな再生の調整ができるようにOMが工夫されたご様子がわかります。
次回のBlogあたりで他の回路と合わせて触れようと思っておりました。 情報をいただきどうも有難うございます。
加藤様 お世話様です。
返信削除再生受信機を楽しく拝読させていただいてます。
一つ質問ですが、SG電圧をボリュームでコントロールして再生感度を高める→GmはVsgとともに増減するのに、なぜ利得のピークがはっきり出てくるのでしょうか。(再生はかけずに単にVsgだけ振った場合でも、アンプとして利得最大点は確かに出てきます。)良く考えると自分はこのペントードの動作理論が良く分かっていないようで、ぜひご指導ください。
実はソケットを二つもらったのがきっかけで、今年954‐954の0V1製作して使っていますが、Wとも結構QSOできており、かなりFBです。JA0IXX 赤羽
JA0IXX 赤羽さん、こんにちは。 ご無沙汰しておりましたが、お元気にご活躍のようでなによりです。
返信削除コメントどうもありがとうございます。
> なぜ利得のピークがはっきり出てくるのでしょうか。
お書きのようにSg電圧の増減で増幅度のピークが現れるのは実際に体験しますね。Sg電圧を上げて行くと、ピークに達するまでの増加傾向は顕著ですが、ピークを過ぎた後の低下は緩慢な印象があります。 でも、確かにゲインのピークは存在しますね。
あまり深く考えた事はないのですが:
(1)初期状態として、Sg電圧が低いとプレート電流も少なくてgmも低い状態である。
(2)徐々にSg電圧を上げて行くとプレート電流は増加する。伴ってgmも大きくなりゲインも増加する。ただし負荷抵抗での電圧降下も大きくなってプレート電圧は下がってくる。
(3)さらにSg電圧をあげて、プレート電流が増えるとプレート電圧がずいぶん下がってしまう・・・という現象が起こるでしょうね。
プレート電流は飽和傾向あるいは徐々に減少傾向になってくるのでしょう。カソード電流のうちスクリーンに取られる割合も増えてきます。 このようなことからゲインも緩やかに低下傾向になるのではないでしょうか。 そのためにSg電圧によりゲインにピークが現れるようになるのだろう・・・というような理解です。
以上は、五極管のプレート負荷が数10kΩ以上の高抵抗の場合を想定しています。
プレート負荷がDC抵抗の少ない低周波チョークならプレート電圧の低下は少ないでしょう。ゲインが飽和する傾向は緩慢ではないでしょうか? ただし低周波チョークは重畳するDC電流が増えるとインダクタンスが減ってくるので、やはりゲインのピークが現れるかもしれません。これは実際に試すとわかりそうですね。
> 今年954‐954の0V1製作して使っています・・・
エーコン管を使った0-V-1とはVY-FBですね! 実際にDXとQSOが可能なようで素晴らしいと思います。 手作りのリグで楽しむHAMはまた一味違いますね。hi hi
加藤様
返信削除コメントありがとうございました、理解が深まりました。
私はプレート負荷は抵抗で済ませていますが、Ipは極く微小なのでSG電圧の変化に伴う実際のプレートの直流電位は精密に測定していませんでした。早速測ってみようと思います。
中学の時分に6AU6の0V1作って短波放送聞いてましたが、その当時は原理もわからず見よう見まね。この年になっていじってみると、シンプルな分奥が深いなと感じさせてくれます。
もう少しいろいろいじってみるつもりです。
丁寧に解説いただきありがとうございました。
JA0IXX 赤羽さん、おはようございます。 明日から消費税がアップしますが、何か対策はされましたか? 私は何もしていません。(笑)
返信削除再度のコメント有難うございます。
> プレート負荷は抵抗で済ませています・・・
五極管の場合は抵抗負荷で済ませることが多いですね。 低周波チョークの方がゲインが上がると言われていますが・・・。 十分な感度が得られるなら扱いやすい抵抗式で十分ですね。
> シンプルな分奥が深いなと感じさせてくれます。
シンプルなだけに使用する素材の味が現れますし、作り込むと性能もアップするので楽しみも多いです。
複雑で高性能な受信機もFBですがミニマムなリグで楽しむのもアマチュア無線の面白さだろうと思っています。再生式受信機の世界では、真空管もまだまだ現役ですね。私も活用したいです。(笑) またコメントお願いします。