【たんなる買物メモ】(どうでも良い話)
【多回転型半固定抵抗器】
お値段を見てもらうとわかるのですが「安物買いの何とやら」とはまさしくこれでしょう。
5個で100円じゃ、一つ20円です。 駄菓子でもあるまいに。 100円ではまともな半固定抵抗は一つでさえ買えないでしょう・・・。(笑)
おそらく「銭失い」になるに違いないとはわかっていながら「何となく」気になって買ってしまいました。 見たところはそんなに悪くないんです。
# それで「使えた」のかって? まったく使えないワケでもないが・・・お薦めしませんね。
【とりあえず使ってみるが】
写真は前回実験の60MHz発振器の周波数調整に使ってみた図です。
それらしくは見えるんですが、やはりダメですね。 半固定抵抗器として全く使えない訳でもないので返品はしませんが・・。 ともかく「バックラッシュ」が酷くて調整がやりにくくてどうしようもありません。 「バックラッシュ」とはどういうものかたっぷり体験するのには最適です。w
抵抗値の全範囲が25回転くらいで微動調整できるのですが、バックラッシュが1回転分くらいあるのです。 ですから調整していてちょっと行き過ぎちゃったので僅かに戻そうとすると、反対方向へ1回転くらい回さないと戻ってくれないのです。それで、もし戻し過ぎちゃったらまた・・・。 調整しにくいこと甚だしいので基本的に「使い物にはならない」んです。 もし試したいお方はそのおつもりで。 見掛けを真似ただけの部品であって、流石に中華クオリティでした。
# まともな多回転トリマにもバックラッシュは有りますが調整が困難なほどじゃないのがアタリマエ。 まさかこんなにヒドイとは思わなかった。(反省・笑)
【9ピンmt管用変換基板】
何でもブレッドボードで作ろうとするのは無茶なんですが、QRP送信機(←リンク)を真空管で作ってまんまとQSOにも成功しました。(笑)
その時は7ピンのmt管で作ったのですが、9ピンは適切な変換基板を持っていなかったからでした。
写真の右側のような、基板両端に端子を引き出すタイプなら持ってました。 こちらのタイプは12AU7のような双三極管には適当ですが単体の多極管(例:12BY7Aとか6BQ5など)にはあまり向きません。(使えなくもないが)
それで左のように片側へ一列に引き出すタイプが欲しかったのです。この方がBBに搭載したあと配線し易いからです。 はじめはこのタイプは売ってませんでした。 登場してすぐ買いに行ったのですが間違ってもう一度右のタイプを買ってきてしまったのです。 先日、やっと希望のもの(左)が買えたようなわけです。
#よく見て買ってこなくちゃダメです。ちゃんと買ったつもりの先入観が危ない。(笑)
【12BY7Aを載せてみる】
9ピンの基板用真空管ソケットは上の写真のような2種類が売られています。 大きめの方はタイト製です。
どちらも変換基板には載りますが、スリムなタイプの方が良さげです。(その根拠はありませんけれど・笑)
写真は12BY7Aを装着してみたところです。 もちろん、実際の使用前にジャンクの9ピン管を使って数回の抜き差しを行ないソケットの足慣らしを済ませておきます。3回くらいの抜き差しでかなり馴染んでくるのがわかります。
# 今度は12BY7AをファイナルにしたQRP送信機で遊べますね。 お空で聞こえてたらお相手よろしく。
【中華でAD7555KNを買う】
こちらは中華通販で入手しました。 昔ぜひ使ってみたいと思っていたICが売られていたので手が勝手に動いてポチってしまいました。w
到着までしばらくかかったので半分忘れかけていたんですが、先日届いたので「届いたよ〜」とついつい嬉しくなってtweetしてしまいました。
3つで$18-、送料が$5-なので合計で$23-でした。 「ずいぶん高いものだけど何だろう? 楽しみ。」なんて言われちゃいまいました。 気づいたら確かに中華モノにしては高価でしたねえ・・・。 私だって友人が買って嬉しそうにしてたら「何を買ったんだろ?」って気になります。 ごもっともな反応です。hi
# これで使えなかったらどうしよう? 簡易チェックではOKそうで、少なくとも中身は入ってそうです。w
【どんなチップなのか】
簡単に言うと高精度・高分解能のデジタル電圧計を構成するためのロジック回路部分が集積されたICです。 とっくに廃止品になっています。 今だったらワンチップマイコンと周辺部品の幾つかで実現できそうです。もちろんプログラムは要りますが。
表示は5・1/2桁ですが、数カウントの表示ばらつきが残るそうです。 実質的には4・1/2桁のDVMが作れるチップです。わかりにくい仕様なのであまり人気が出なかったのでしょうか。 当然ですがディスコンになってます。
シリアルアウトが可能なので、データをマイコンに吸い上げて移動平均でもとったら5・1/2桁表示にできませんかね? ただし変動の早い信号の測定には向かないでしょうけれど・・・。 などと妄想を抱いてチップを眺めてます。(作るの厄介そうなので眺めて終了かも)
# はい、お薦めするようなパーツではございません。 いまはマイコンベースで使う高性能なA/Dコンバータもたくさん売ってますしね。(笑)
【日本的な気遣い?】
ぜんぜん話は変わりますが、日本のショップらしさを感じたというお話です。
何を購入したのかしげしげ眺めてもあまり意味はないです。アイテム自体は不足部材の補充用なので特筆すべきは何もありません。 「商品の渡されかた」の話です。
秋月電子通商で買い物をしたら、小物のパーツを小袋に入れ、それを大きなパーツ・・・ここではブレッドボードですが・・・に貼り付けてレジ袋に入れ手渡してくれました。(ところで、いずれ電子部品屋でもレジ袋は有料になるんでしょうかネ?)
これなら袋からこぼれて失う恐れもなくなります。 こうした配慮が日本のショップらしい気遣いなんでしょうね? まあ、過去のトラブルの経験からこのように包装してお客に渡せという「従業員教育」がなされていると言うことかも知れませんが。
# 無造作に袋に入れるだけのお店も多いです。(勿論それで十分とは思いますけれど・笑) 親切で丁寧なのは日本的って感じた次第なり。通販の包装も丁寧ですよね。
☆
電子回路の方はちょっとスランプ気味なので「どうでも良い話題」でおしまいにしました。 年がら年じゅう電子回路と格闘している訳じゃありませんし、そんなことはすっかり忘れて違う遊びに興じることもあります。 ・・・ということで、ショッピングノートと題してお茶を濁しておきます。 よかったら雑談に加わってください。 ではまた。 de JA9TTT/1
# まあ、いつだってどうでも良い話でしたね。(笑) (おわり)nm
ページ(テスト中)
▼
2019年11月27日水曜日
2019年11月12日火曜日
【回路】A Stable 60MHz Oscillator
【回路試作:安定な60MHz発振器】
【60MHz発振器:OCXO基準】
WSPR受信機(←リンク)をテストしていて「かなめは周波数安定度にあり」と言うことを再認識しました。 復調用のBFOにはVXOを使いましたが、周波数安定度に不足が感じられたのです。 周波数安定度について「頭の片隅に入れておく」つもりでしたが、何だか気になってしまい早々に手をつけたようなわけです。
しばらく前に購入したまま死蔵状態になっている中華DDSモジュール(AD9850使用)を活用する方針でそれに与える精度・安定度の良いクロック発振器を作ることにします。DDS発振器は基準が安定なら得られる信号も同等の安定度が得られます。 DDSモジュールには既にクロック発振器が載っていますが、WSPR受信機で使うには安定度が不足しています。 ここでは簡易型ながら恒温槽型の水晶発振器(OCXO)を使ってDDS-IC:AD9850の基準用クロックを作ります。それをDDSモジュールに供給します。
今回のBlogテーマはちょっと特殊ですが周波数安定度の良いDDS発振器を作りたい時にでも・・。 自家用の製作情報をまとめただけですが興味でもあればご覧を。 ほかに、逓倍形式の送信機にも利用できるかも知れません。
【60MHz発振器:回路図】
何と言っても基準となる発振器が安定でなけれ意味がありません。 究極的にはRb-OSCやGPS-DOを基準にするのが最高でしょうが、そこまでのSpecは不要に違いありません。 WSPRの目的なら自身ばかり安定度を追求しても性能は頭打ちです。必要以上の追求は自己満足にすぎません。 実用的な性能が得られればそれで十分です。
手元にいくつか周波数安定度の良い発振器がありました。12.8MHzの簡易TCXOはポピュラーです。 さらに良さそうなものを見繕っていたら10MHzの小型OCXOが見つかりました。 ジャンクを入手したままになっていたものです。 簡易にテストしたところ行けそうなので、この機会に使うことにします。従って大元の基準周波数は10MHzということになります。(TCXO:温度補償型水晶発振器、OCXO:恒温槽付き水晶発振器)
DDSチップ(AD9850)に与えるクロックはある程度高い周波数の必要があります。想定の7MHz WSPR受信機に対して、少なくとも20MHz以上が必要です。 さらに10MHzあるいは14MHzでのテストも考えると50MHzくらいのクロックが欲しいところです。
50MHz以上のクロックの作り方にはいくつかのアイディアが浮かびます。 10MHzのOCXOを基準にPLLで作る方法がまず考えられます。 それも一案でしたが回路は大げさになってしまうでしょう。ここでは単純な周波数逓倍式で行くことにしました。
10MHz/OCXOの出力はHC-MOS波形(矩形波)なので、奇数次の高調波が多いと踏んで一気に5逓倍しようかと思いました。 少しテストしてみたのですがやや無理があるのでオーソドックスに行くことにしました。 また、外部から基準の10MHzを与える(Rb-OSCとかGPS-DO)ことも考えると正弦波を基本に設計する必要があります。 合計で6逓倍して60MHzを得る形式にしました。 もう2逓倍して120MHzを得ることもできますが、目的に対して必要十分なので60MHzで済ませることにします。 (AD9850をフルに働かせるなら120MHzにするのも良いです)
OCXOからの10MHzは2SK241Yを使った同調型のバッファ・アンプに加えられます。ここで大まかに正弦波になったあと、2SC2668Y(2SC1923Y同等品)を使ったプッシュ・プル形式の3逓倍器に入ります。プッシュ・プル形式の逓倍器は3逓倍のような奇数倍の逓倍に使うものです。 この逓倍器に十分なドライブ電力を与えることで、省部品と無調整化を図ります。 従ってトランジスタと同調回路(LC共振器)の他にはほとんど部品がありません。
プッシュ・プル形式の逓倍器にすることで偶数次の高調波波・・・例えば20MHzや40MHzの成分・・・が抑えられるため回路は簡単になります。 実際に回路の途中を観測してみると同調回路一つだけでも綺麗な30MHzが得られていました。
続いてプッシュ・プッシュ形式の2逓倍器に入ります。トランジスタは同じく2SC2668Yを2つ使います。 プッシュ・プッシュ形式ではプッシュ・プル回路と逆に偶数次の逓倍が効率的に行えるだけでなく、奇数次の高調波を抑えやすいという特徴があります。 この2逓倍器も十分なドライブを与えることで省部品と無調整化がなされています。いくらも部品がありません。 これで30MHzを2逓倍して目的の60MHzが得られます。60MHzの同調回路は一つでも大丈夫そうでしたが、念のため2段にしました。
コイルばかり目立つのでやや大げさに見えますが、逓倍段は全てゼロバイアスのC級アンプなので回路そのものは非常に簡潔です。 のちにスペクトラムなど示しますが、満足できる基準発振器ができました。 もちろん逓倍形式ですから基準の10MHzと同等の周波数安定度が得られます。
# 以下、簡単に各部分を見て行きます。
【VC-OCXOと電圧基準】
使用したOCXOはトヨコム製のTCO-679D2というものです。 発振周波数の微調整が可能で、周波数調整端子に与える電圧によって調整します。 VC-OCXOということになります。
この微調整のための電圧もそれなりに安定していなくてはなりません。ここでは基準電圧発生用のIC:TL431Cを使って安定した5Vを得ています。
その5Vを分圧して周波数調整用の電圧とします。 なお、かなりシビアな調整が必要なので半固定抵抗器は多回転型を使うか、写真のような単回転型のVRを使うなら回路図のR4(この例では270Ω)を状況に応じて適宜選ぶ必要があります。
電圧制御式の周波数調整は便利そうですが、安定している電圧が必要なことから意外に面倒です。OCXOによってはそのような安定な電源を自身に内蔵しその出力端子を設けている便利な例もあります。 このOCXOにそのような端子はないので別に安定な電圧源を用意しました。計算上ではTL431の電圧安定度で十分でしょう。
【TCO-679のSpecから】
頂き物のジャンクでしたのでピン接続を含め使い方がわかりません。 何とか調べがついて左図のようなSpecとわかりました。
もし手に入れたジャンクパーツが見たところ新品のようなら、なぜジャンクになったのか気になりませんか? 今の場合、エージングしても安定度が規定に達しなかった・・・というような「不良品」かも知れません。 まず始めにOCXOのみでテスト回路を作ってみました。
2つあったのですが、一つはジワジワ周波数が上昇して行きます。何となくダメっぽい感じがします。 もちろん変化は僅かなのですが変動量を見るとエージングが足りないような動き方です。 数日間通電しておいても安定点に達したように感じられません。どうやらそれが原因でジャンクになったのかもしれません? もちろん、まずまず安定なので目的によっては十分使えそうではありました。 何となくですが、徐々に落ち着く傾向も見られるのでもうしばらく様子を観察するのも面白いかも知れません。 もう一方は初期変動が済めばだいぶ安定しました。こちらなら大丈夫でしょう。 こうした精度が勝負になる電子部品のジャンクはなかなか難しいものです。
それにしても、以前評価したOCXOに比べると安定性が悪いように感じられます。 思い起こすと以前評価したのはダブル・オーブン型のOCXOでした。 このOCXOはシングル・オーブン型ですからこんな物なのでしょう。 それでもさすがにOCXOです。WSPR受信機の目的なら短期・長期ともに安定性は十分です。 仕様書によればSCカットの水晶発振子を使っているそうなので、発振器自身のC/Nもなかなか良さそうです。
【Push-Pull Tripler:PP型3逓倍器】
2SC2668Yを2石使ったプッシュ・プル形式の3逓倍器です。 ドライブ側、出力側ともにセンタータップ式の同調回路が必要になるため、コイル巻きは少し手間がかかります。コイルの構造を含めて、2つのトランジスタがバランス良く動作するよう心掛ける必要があります。
ここではコイルに10K型ボビン(VHFタイプ)を使って作りました。 先にあった回路図に謎めいた数字が書いてありますが、それらは巻き溝の使い方と巻線の配分などをまとめた自家用情報です。 解読できれば再現性良くコイルを作れますが同一素材は入手難ですから詳しくは省かせてもらいます。 各コイルともamidonのトロイダルコアを使って作るのも良いです。その場合はトリマ・コンデンサで同調をとります。
前段のバッファ・アンプの出力が10dBmくらいあるため、逓倍段はバイアス回路を省いても十分なドライブが掛かります。 深いC級アンプなので2つのトランジスタのアンバランスは表面化しにくくなります。 従って無調整でもまずまず綺麗な逓倍出力が得られています。(そのようになるようコイルを作った)
トランジスタは中華製RF用トランジスタ:S9018H(←リンク)が使えます。ただし足の並びは2SC2668Yと違います。 2SC1815のような汎用トランジスタも使えそうですが、逓倍効率を上げるためにはRF用トランジスタを使うのが無難です。
【Push-Push Doubler:PP型2逓倍器】
写真は30MHzを2逓倍して60MHzを得る回路部分です。 プッシュ・プッシュ形式の2逓倍器です。ここにも2SC2668Yを2石使いました。
入力部分にあるバイファイラ巻きの小さなトランス:T3は位相反転用の1:1トランスです。プッシュ・プッシュ回路のドライブ用です。 これは、前段のトランス:T2に出力側のピンが2本しかないため、プッシュ・プッシュ回路用の巻線が設けられないためです。 もし6端子型の10KボビンがあればT3は省けます。 あるいはトロイダルコアに巻く場合も同様に省略可能です。
プッシュ・プッシュ型の2逓倍器は以前のBlog(←リンク)でも扱いました。 今回は前段の3逓倍器に十分な出力があって、十分深いドライブが掛かることからバランス調整は省いています。 出力側の同調回路(60MHz)はDDSのクロックが目的なら一つでも行けそうでしたが、念のため2つにしました。 出力波形やスペクトラムを観測するとやはり2つ使った効果はあるようです。 低調波・高調波など少なくとも-50dB(電力で1/10万)に抑えられました。
【60MHz:周波数確認】
周波数カウンタで出力周波数を確認しています。 この状態で0.2Hzほど誤差がありますが、これはOCXOの温度が十分に安定してから再調整すれば小さくできます。
これでも0.004ppmの誤差ですからもう十分なんですけどね。hi
【60MHz:波形観測】
オシロスコープで波形を観測してみます。 3.5Vppくらい得られていますので、DDSチップ(AD9850)のドライブには十分です。 なお、負荷インピーダンスは2.7kΩで観測しています。
このあと見るスペクトラムでは一番大きなスプリアスでも-50dBくらい(電圧で1/300)ですから、ほぼ正弦波に見えるのも当然でしょうね。 十分綺麗な60MHzではないでしょうか。
【60MHz:高調波・低調波スペクトル観測】
オシロスコープの波形観測だけで十分そうでしたが、スペアナでも見ておきましょう。 10MHzおきのスプリアスがいくらか見えますが逓倍式だからこんなものでしょう。主信号の-50dBだからまずまずと言ったところです。
プッシュ・プル型の3逓倍器及びプッシュ・プッシュ型の2逓倍器の効果は十分認められます。 昔見たような逓倍式のFM送信機では途中のコイルを必ず二つずつ使っていました。 今はトランジスタを節約しても意味のない時代ですからプッシュ・プル型やプッシュ・プッシュ型の逓倍器にすると有利ですね。少ないコイルで済む方が有り難いわけです。 もっとも、いまどき逓倍式で送信機を自作しようと言う人も稀だと思われますけれど。
【60MHz:近傍スペクトル観測】
ついでなので60MHz近傍のスペクトラムを観測しておきます。
スパンは10kHzで観測しています。少しスプリアスが見えますが、測定環境によるもののようでした。 それにしても-80dBくらいですので綺麗なものです。 PLLではVCOのノイズがあるため、なかなかこのように細いスペクトラムとは行きません。 逓倍式で作った意味はありそうです。 何れにしてもDDS用のクロック発振器として十分なものと言えるでしょう。
参考:60MHzクロックでAD9850を使った時に得られる周波数精度について
2のn乗となる周波数のクロックではないため、DDSで得られる周波数には端数が付きます。 例えば60MHzに全く誤差がないとした場合、AD9850のアキュムレータは32ビットですから周波数設定の1ビットあたりの刻みは ≒0.013969838619・・・Hzです。
7038.600kHzに対しては、「503842613」をセットすれば最も近い周波数になりますが、具体的には7038.59999310・・・kHzになります。 誤差は0.01Hz以下です。 実際にはOCXOの周波数誤差がありますし、受信信号は空間波ですから電離層反射によるドプラ効果で微細な周波数シフトもあるでしょう。誤差ゼロではありませんが、これくらいで十分すぎる設定精度と言えるでしょう。
それに突き詰めたらパソコンの周波数解析精度も問題になるやも知れません。 従って、この60MHzを基準にDDSで必要な周波数を得れば周波数精度や安定度の心配なしにWSPRの運用が可能なはずです。
【JAL553便で北へ:羽田にて】
今回のBlogは60MHzのクロック発振器でおしまいです。 ちょっと旅に出た関係もあり、準備とか何やらで実験どころではありませんでした。 まあ、シャックにこもるのも良いですが、旅に出るのも楽しいものです。
少し旅の話をしましょう。 山の紅葉には遅いのですが、平地の紅葉はまだまだFBとのことで北海道へ飛んでみました。 写真は羽田国際空港を出発するJAL553便:旭川空港行きのB767の機窓からです。 東京はあいにくの雨でしたが北の空の好天を期待しましょう。
【機内wi-fiを試す】
今では他のエアラインでもやっているので珍しくもありません。たまたま搭乗することになったJALのほぼ全便で機上のwi-fiが使えるとのことで試してみることにしました。
このwi-fiは誰でも無料で使えますが、出発前に登録する必要があるので注意が必要です。(搭乗してからの登録はできません)
事前登録はメールアドレス程度の情報で済むので、個人情報にそれほど気遣う心配はないでしょう。メルアドはyahooメール等も可です。 あとは搭乗当日に席の前にある機内での利用案内カードに従って接続の手順を行なえばOKです。
搭乗する前にスマホ、タブレット、ノートPC等は機内モードに切り替えておきます。 飛び立ったら各モバイル・デバイスを起動し、その状態から接続するwi-fiを選びます。(Japan Airlinesまたはgogoinflightを選ぶ) さらにブラウザからjal-wifi.comにアクセスして登録済みのメルアドをインプットしてネット接続をONする手順が必要でした。
いったんONすればあとは普通にtwitterとかFacebookも使えます。 やってみませんでしたがYoutubeもOKだそうです。ただしあまり早くない感じなので動画はスムースでないかも知れません。
☆
写真はブラウザでFlightrader24のサイト(←リンク)を開き、自身のフライトの航跡を表示したものです。(こんなつまらんことに使って何だかテクノロジーの無駄使いっぽいが・笑) 飛行位置は逐次更新されて行きますが、それほどデータ量は多くないようで十分追従して表示されました。 画面はちょうど八幡平の上空あたりを通過しているところですね。
他にもtwitterに写真の投稿などやってみましたが、まあまあのレスポンスでした。 帰りの機材はB737で、同じようにやってみましたが取り敢えずスムースに使えたので事前登録しておくと機内のヒマつぶしになります。 国内線は飲み物くらいしかくれませんし。 1時間ほどのフライトでは大して意味はないかも知れませんけどね。 なお、帰路の途中、岩手県の上空あたりで瞬時的に接続が途切れたところがありました。 (注:離着陸の前後5分間くらいは使えません)
【美瑛町:黄葉と青い池】
北海道の晩秋を楽しんできましたが、1枚だけ写真を貼っておきます。 写真は美瑛町の「青い池」です。 ここはTVなどで頻繁に紹介されているので観光シーズンは大混雑するそうです。 晩秋ですから自家用車で訪れる道内の観光客もぐっと少なくなってゆっくりと散策することができました。
もともと十勝岳の噴火時に発生が予想される土石流の砂防目的で作ったダムの堰き止めでできた「池」なのだそうです。 アルミ分を多く含む美瑛川の水質の関係で水色が濃く見えるため「青い池」と呼ばれるようになったのだそうです。
晩秋の黄葉が水面(みなも)に映ってなかなか幻想的な雰囲気でした。 観光シーズンには夜間のライトアップがあるそうですが、周辺は人家はおろか街路灯さえもまったくないような辺鄙な場所なので夜道は真っ暗なんでしょうね。
☆
まずは7038.600kHzの発生に使って実際に受信して確かめるところまで行ければ良かったのですが、残念ながら時間切れでした。 狙った通り何でも成功する訳ではありませんが、このクロック発生部はBBでの試作で概ね予定の性能が得られました。 あとは整理してクロック発生基板として製作しましょう。 DDSモジュールも載せてしまえばまとまりが良いなあ・・・などと妄想しているところです。(笑) 今回の図面には含めませんでしたが外部入力端子を設けておけばRb-OSCやGPS-DOの10MHzにも対応できそうです。 その辺りも考慮しておきたいです。 出来上がれば周波数安定度の良い汎用の発振器として使えますので。
送信系を検討するにしても周波数安定度の課題はずっと付いて回ります。 この先はVXOでなくDDSモジュールで行けますから周波数の自由度は格段に高くなります。 受信機の構成では入力部のRFアンプのみ他のバンド対応にすれば良く、マルチバンド化は容易です。 送信部をどう簡略化するのかという悩ましい課題を抱えつつも発想は今から既に発散気味です。(笑) ではまた。 de JA9TTT/1
(つづく)←リンクfm
【60MHz発振器:OCXO基準】
WSPR受信機(←リンク)をテストしていて「かなめは周波数安定度にあり」と言うことを再認識しました。 復調用のBFOにはVXOを使いましたが、周波数安定度に不足が感じられたのです。 周波数安定度について「頭の片隅に入れておく」つもりでしたが、何だか気になってしまい早々に手をつけたようなわけです。
しばらく前に購入したまま死蔵状態になっている中華DDSモジュール(AD9850使用)を活用する方針でそれに与える精度・安定度の良いクロック発振器を作ることにします。DDS発振器は基準が安定なら得られる信号も同等の安定度が得られます。 DDSモジュールには既にクロック発振器が載っていますが、WSPR受信機で使うには安定度が不足しています。 ここでは簡易型ながら恒温槽型の水晶発振器(OCXO)を使ってDDS-IC:AD9850の基準用クロックを作ります。それをDDSモジュールに供給します。
今回のBlogテーマはちょっと特殊ですが周波数安定度の良いDDS発振器を作りたい時にでも・・。 自家用の製作情報をまとめただけですが興味でもあればご覧を。 ほかに、逓倍形式の送信機にも利用できるかも知れません。
【60MHz発振器:回路図】
何と言っても基準となる発振器が安定でなけれ意味がありません。 究極的にはRb-OSCやGPS-DOを基準にするのが最高でしょうが、そこまでのSpecは不要に違いありません。 WSPRの目的なら自身ばかり安定度を追求しても性能は頭打ちです。必要以上の追求は自己満足にすぎません。 実用的な性能が得られればそれで十分です。
手元にいくつか周波数安定度の良い発振器がありました。12.8MHzの簡易TCXOはポピュラーです。 さらに良さそうなものを見繕っていたら10MHzの小型OCXOが見つかりました。 ジャンクを入手したままになっていたものです。 簡易にテストしたところ行けそうなので、この機会に使うことにします。従って大元の基準周波数は10MHzということになります。(TCXO:温度補償型水晶発振器、OCXO:恒温槽付き水晶発振器)
DDSチップ(AD9850)に与えるクロックはある程度高い周波数の必要があります。想定の7MHz WSPR受信機に対して、少なくとも20MHz以上が必要です。 さらに10MHzあるいは14MHzでのテストも考えると50MHzくらいのクロックが欲しいところです。
50MHz以上のクロックの作り方にはいくつかのアイディアが浮かびます。 10MHzのOCXOを基準にPLLで作る方法がまず考えられます。 それも一案でしたが回路は大げさになってしまうでしょう。ここでは単純な周波数逓倍式で行くことにしました。
10MHz/OCXOの出力はHC-MOS波形(矩形波)なので、奇数次の高調波が多いと踏んで一気に5逓倍しようかと思いました。 少しテストしてみたのですがやや無理があるのでオーソドックスに行くことにしました。 また、外部から基準の10MHzを与える(Rb-OSCとかGPS-DO)ことも考えると正弦波を基本に設計する必要があります。 合計で6逓倍して60MHzを得る形式にしました。 もう2逓倍して120MHzを得ることもできますが、目的に対して必要十分なので60MHzで済ませることにします。 (AD9850をフルに働かせるなら120MHzにするのも良いです)
OCXOからの10MHzは2SK241Yを使った同調型のバッファ・アンプに加えられます。ここで大まかに正弦波になったあと、2SC2668Y(2SC1923Y同等品)を使ったプッシュ・プル形式の3逓倍器に入ります。プッシュ・プル形式の逓倍器は3逓倍のような奇数倍の逓倍に使うものです。 この逓倍器に十分なドライブ電力を与えることで、省部品と無調整化を図ります。 従ってトランジスタと同調回路(LC共振器)の他にはほとんど部品がありません。
プッシュ・プル形式の逓倍器にすることで偶数次の高調波波・・・例えば20MHzや40MHzの成分・・・が抑えられるため回路は簡単になります。 実際に回路の途中を観測してみると同調回路一つだけでも綺麗な30MHzが得られていました。
続いてプッシュ・プッシュ形式の2逓倍器に入ります。トランジスタは同じく2SC2668Yを2つ使います。 プッシュ・プッシュ形式ではプッシュ・プル回路と逆に偶数次の逓倍が効率的に行えるだけでなく、奇数次の高調波を抑えやすいという特徴があります。 この2逓倍器も十分なドライブを与えることで省部品と無調整化がなされています。いくらも部品がありません。 これで30MHzを2逓倍して目的の60MHzが得られます。60MHzの同調回路は一つでも大丈夫そうでしたが、念のため2段にしました。
コイルばかり目立つのでやや大げさに見えますが、逓倍段は全てゼロバイアスのC級アンプなので回路そのものは非常に簡潔です。 のちにスペクトラムなど示しますが、満足できる基準発振器ができました。 もちろん逓倍形式ですから基準の10MHzと同等の周波数安定度が得られます。
# 以下、簡単に各部分を見て行きます。
【VC-OCXOと電圧基準】
使用したOCXOはトヨコム製のTCO-679D2というものです。 発振周波数の微調整が可能で、周波数調整端子に与える電圧によって調整します。 VC-OCXOということになります。
この微調整のための電圧もそれなりに安定していなくてはなりません。ここでは基準電圧発生用のIC:TL431Cを使って安定した5Vを得ています。
その5Vを分圧して周波数調整用の電圧とします。 なお、かなりシビアな調整が必要なので半固定抵抗器は多回転型を使うか、写真のような単回転型のVRを使うなら回路図のR4(この例では270Ω)を状況に応じて適宜選ぶ必要があります。
電圧制御式の周波数調整は便利そうですが、安定している電圧が必要なことから意外に面倒です。OCXOによってはそのような安定な電源を自身に内蔵しその出力端子を設けている便利な例もあります。 このOCXOにそのような端子はないので別に安定な電圧源を用意しました。計算上ではTL431の電圧安定度で十分でしょう。
【TCO-679のSpecから】
頂き物のジャンクでしたのでピン接続を含め使い方がわかりません。 何とか調べがついて左図のようなSpecとわかりました。
もし手に入れたジャンクパーツが見たところ新品のようなら、なぜジャンクになったのか気になりませんか? 今の場合、エージングしても安定度が規定に達しなかった・・・というような「不良品」かも知れません。 まず始めにOCXOのみでテスト回路を作ってみました。
2つあったのですが、一つはジワジワ周波数が上昇して行きます。何となくダメっぽい感じがします。 もちろん変化は僅かなのですが変動量を見るとエージングが足りないような動き方です。 数日間通電しておいても安定点に達したように感じられません。どうやらそれが原因でジャンクになったのかもしれません? もちろん、まずまず安定なので目的によっては十分使えそうではありました。 何となくですが、徐々に落ち着く傾向も見られるのでもうしばらく様子を観察するのも面白いかも知れません。 もう一方は初期変動が済めばだいぶ安定しました。こちらなら大丈夫でしょう。 こうした精度が勝負になる電子部品のジャンクはなかなか難しいものです。
それにしても、以前評価したOCXOに比べると安定性が悪いように感じられます。 思い起こすと以前評価したのはダブル・オーブン型のOCXOでした。 このOCXOはシングル・オーブン型ですからこんな物なのでしょう。 それでもさすがにOCXOです。WSPR受信機の目的なら短期・長期ともに安定性は十分です。 仕様書によればSCカットの水晶発振子を使っているそうなので、発振器自身のC/Nもなかなか良さそうです。
【Push-Pull Tripler:PP型3逓倍器】
2SC2668Yを2石使ったプッシュ・プル形式の3逓倍器です。 ドライブ側、出力側ともにセンタータップ式の同調回路が必要になるため、コイル巻きは少し手間がかかります。コイルの構造を含めて、2つのトランジスタがバランス良く動作するよう心掛ける必要があります。
ここではコイルに10K型ボビン(VHFタイプ)を使って作りました。 先にあった回路図に謎めいた数字が書いてありますが、それらは巻き溝の使い方と巻線の配分などをまとめた自家用情報です。 解読できれば再現性良くコイルを作れますが同一素材は入手難ですから詳しくは省かせてもらいます。 各コイルともamidonのトロイダルコアを使って作るのも良いです。その場合はトリマ・コンデンサで同調をとります。
前段のバッファ・アンプの出力が10dBmくらいあるため、逓倍段はバイアス回路を省いても十分なドライブが掛かります。 深いC級アンプなので2つのトランジスタのアンバランスは表面化しにくくなります。 従って無調整でもまずまず綺麗な逓倍出力が得られています。(そのようになるようコイルを作った)
トランジスタは中華製RF用トランジスタ:S9018H(←リンク)が使えます。ただし足の並びは2SC2668Yと違います。 2SC1815のような汎用トランジスタも使えそうですが、逓倍効率を上げるためにはRF用トランジスタを使うのが無難です。
【Push-Push Doubler:PP型2逓倍器】
写真は30MHzを2逓倍して60MHzを得る回路部分です。 プッシュ・プッシュ形式の2逓倍器です。ここにも2SC2668Yを2石使いました。
入力部分にあるバイファイラ巻きの小さなトランス:T3は位相反転用の1:1トランスです。プッシュ・プッシュ回路のドライブ用です。 これは、前段のトランス:T2に出力側のピンが2本しかないため、プッシュ・プッシュ回路用の巻線が設けられないためです。 もし6端子型の10KボビンがあればT3は省けます。 あるいはトロイダルコアに巻く場合も同様に省略可能です。
プッシュ・プッシュ型の2逓倍器は以前のBlog(←リンク)でも扱いました。 今回は前段の3逓倍器に十分な出力があって、十分深いドライブが掛かることからバランス調整は省いています。 出力側の同調回路(60MHz)はDDSのクロックが目的なら一つでも行けそうでしたが、念のため2つにしました。 出力波形やスペクトラムを観測するとやはり2つ使った効果はあるようです。 低調波・高調波など少なくとも-50dB(電力で1/10万)に抑えられました。
【60MHz:周波数確認】
周波数カウンタで出力周波数を確認しています。 この状態で0.2Hzほど誤差がありますが、これはOCXOの温度が十分に安定してから再調整すれば小さくできます。
これでも0.004ppmの誤差ですからもう十分なんですけどね。hi
【60MHz:波形観測】
オシロスコープで波形を観測してみます。 3.5Vppくらい得られていますので、DDSチップ(AD9850)のドライブには十分です。 なお、負荷インピーダンスは2.7kΩで観測しています。
このあと見るスペクトラムでは一番大きなスプリアスでも-50dBくらい(電圧で1/300)ですから、ほぼ正弦波に見えるのも当然でしょうね。 十分綺麗な60MHzではないでしょうか。
【60MHz:高調波・低調波スペクトル観測】
オシロスコープの波形観測だけで十分そうでしたが、スペアナでも見ておきましょう。 10MHzおきのスプリアスがいくらか見えますが逓倍式だからこんなものでしょう。主信号の-50dBだからまずまずと言ったところです。
プッシュ・プル型の3逓倍器及びプッシュ・プッシュ型の2逓倍器の効果は十分認められます。 昔見たような逓倍式のFM送信機では途中のコイルを必ず二つずつ使っていました。 今はトランジスタを節約しても意味のない時代ですからプッシュ・プル型やプッシュ・プッシュ型の逓倍器にすると有利ですね。少ないコイルで済む方が有り難いわけです。 もっとも、いまどき逓倍式で送信機を自作しようと言う人も稀だと思われますけれど。
【60MHz:近傍スペクトル観測】
ついでなので60MHz近傍のスペクトラムを観測しておきます。
スパンは10kHzで観測しています。少しスプリアスが見えますが、測定環境によるもののようでした。 それにしても-80dBくらいですので綺麗なものです。 PLLではVCOのノイズがあるため、なかなかこのように細いスペクトラムとは行きません。 逓倍式で作った意味はありそうです。 何れにしてもDDS用のクロック発振器として十分なものと言えるでしょう。
参考:60MHzクロックでAD9850を使った時に得られる周波数精度について
2のn乗となる周波数のクロックではないため、DDSで得られる周波数には端数が付きます。 例えば60MHzに全く誤差がないとした場合、AD9850のアキュムレータは32ビットですから周波数設定の1ビットあたりの刻みは ≒0.013969838619・・・Hzです。
7038.600kHzに対しては、「503842613」をセットすれば最も近い周波数になりますが、具体的には7038.59999310・・・kHzになります。 誤差は0.01Hz以下です。 実際にはOCXOの周波数誤差がありますし、受信信号は空間波ですから電離層反射によるドプラ効果で微細な周波数シフトもあるでしょう。誤差ゼロではありませんが、これくらいで十分すぎる設定精度と言えるでしょう。
それに突き詰めたらパソコンの周波数解析精度も問題になるやも知れません。 従って、この60MHzを基準にDDSで必要な周波数を得れば周波数精度や安定度の心配なしにWSPRの運用が可能なはずです。
【JAL553便で北へ:羽田にて】
今回のBlogは60MHzのクロック発振器でおしまいです。 ちょっと旅に出た関係もあり、準備とか何やらで実験どころではありませんでした。 まあ、シャックにこもるのも良いですが、旅に出るのも楽しいものです。
少し旅の話をしましょう。 山の紅葉には遅いのですが、平地の紅葉はまだまだFBとのことで北海道へ飛んでみました。 写真は羽田国際空港を出発するJAL553便:旭川空港行きのB767の機窓からです。 東京はあいにくの雨でしたが北の空の好天を期待しましょう。
【機内wi-fiを試す】
今では他のエアラインでもやっているので珍しくもありません。たまたま搭乗することになったJALのほぼ全便で機上のwi-fiが使えるとのことで試してみることにしました。
このwi-fiは誰でも無料で使えますが、出発前に登録する必要があるので注意が必要です。(搭乗してからの登録はできません)
事前登録はメールアドレス程度の情報で済むので、個人情報にそれほど気遣う心配はないでしょう。メルアドはyahooメール等も可です。 あとは搭乗当日に席の前にある機内での利用案内カードに従って接続の手順を行なえばOKです。
搭乗する前にスマホ、タブレット、ノートPC等は機内モードに切り替えておきます。 飛び立ったら各モバイル・デバイスを起動し、その状態から接続するwi-fiを選びます。(Japan Airlinesまたはgogoinflightを選ぶ) さらにブラウザからjal-wifi.comにアクセスして登録済みのメルアドをインプットしてネット接続をONする手順が必要でした。
いったんONすればあとは普通にtwitterとかFacebookも使えます。 やってみませんでしたがYoutubeもOKだそうです。ただしあまり早くない感じなので動画はスムースでないかも知れません。
☆
写真はブラウザでFlightrader24のサイト(←リンク)を開き、自身のフライトの航跡を表示したものです。(こんなつまらんことに使って何だかテクノロジーの無駄使いっぽいが・笑) 飛行位置は逐次更新されて行きますが、それほどデータ量は多くないようで十分追従して表示されました。 画面はちょうど八幡平の上空あたりを通過しているところですね。
他にもtwitterに写真の投稿などやってみましたが、まあまあのレスポンスでした。 帰りの機材はB737で、同じようにやってみましたが取り敢えずスムースに使えたので事前登録しておくと機内のヒマつぶしになります。 国内線は飲み物くらいしかくれませんし。 1時間ほどのフライトでは大して意味はないかも知れませんけどね。 なお、帰路の途中、岩手県の上空あたりで瞬時的に接続が途切れたところがありました。 (注:離着陸の前後5分間くらいは使えません)
【美瑛町:黄葉と青い池】
北海道の晩秋を楽しんできましたが、1枚だけ写真を貼っておきます。 写真は美瑛町の「青い池」です。 ここはTVなどで頻繁に紹介されているので観光シーズンは大混雑するそうです。 晩秋ですから自家用車で訪れる道内の観光客もぐっと少なくなってゆっくりと散策することができました。
もともと十勝岳の噴火時に発生が予想される土石流の砂防目的で作ったダムの堰き止めでできた「池」なのだそうです。 アルミ分を多く含む美瑛川の水質の関係で水色が濃く見えるため「青い池」と呼ばれるようになったのだそうです。
晩秋の黄葉が水面(みなも)に映ってなかなか幻想的な雰囲気でした。 観光シーズンには夜間のライトアップがあるそうですが、周辺は人家はおろか街路灯さえもまったくないような辺鄙な場所なので夜道は真っ暗なんでしょうね。
☆
まずは7038.600kHzの発生に使って実際に受信して確かめるところまで行ければ良かったのですが、残念ながら時間切れでした。 狙った通り何でも成功する訳ではありませんが、このクロック発生部はBBでの試作で概ね予定の性能が得られました。 あとは整理してクロック発生基板として製作しましょう。 DDSモジュールも載せてしまえばまとまりが良いなあ・・・などと妄想しているところです。(笑) 今回の図面には含めませんでしたが外部入力端子を設けておけばRb-OSCやGPS-DOの10MHzにも対応できそうです。 その辺りも考慮しておきたいです。 出来上がれば周波数安定度の良い汎用の発振器として使えますので。
送信系を検討するにしても周波数安定度の課題はずっと付いて回ります。 この先はVXOでなくDDSモジュールで行けますから周波数の自由度は格段に高くなります。 受信機の構成では入力部のRFアンプのみ他のバンド対応にすれば良く、マルチバンド化は容易です。 送信部をどう簡略化するのかという悩ましい課題を抱えつつも発想は今から既に発散気味です。(笑) ではまた。 de JA9TTT/1
(つづく)←リンクfm