【ECL-ICの使い方ノート(1)】
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Are you familiar with the logic IC family called MECL? MECL is the nickname of Motorola's ECL-IC family. It is characterized by high speed and low noise generation. I will use MECLs a few times on this Blog. The first time I make a crystal oscillator using a MC10116P. This oscillator will be used as a clock oscillator in next experiment. (2020.05.23 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【MECL ICs】
モトローラ社のECL-ICファミリはMECL(メクル)の愛称で呼ばれています。高速ロジックICといえばECLが唯一だった時代もありましたが、今ではすっかり廃れてしまったようです。 ごくわずかに「プリスケーラ」の用途に残っているくらいでしょう。
アマチュア無線の製作でECLを使うとすれば、周波数カウンタの前に付加して測定上限周波数を拡張するためのプリスケーラくらいです。 そうしたプリスケーラ用ECLは他のロジックICとインターフェースが容易なようにできています。
ECL-ICを使ったRF信号の90度位相器を目的に部品集めを始めました。PSN式SSBジェネレータの続きと言う訳でもないのですが、前から気になっていたので試すことにしました。 MECLは既に廃れたロジック・ファミリですから中華通販が頼りです。古臭くて人気のないICですからフェイクの心配などないでしょう。 あとは希望の型番が手に入るか否かです。 さっそく実験に必要なチップは見つかりました。 しかし新型コロナの影響は深刻です。注文した頃には中華通販は大幅な配達遅延が発生していました。予定した品がまだ届きません。 まずは先に届いた部品で可能な実験から始めることにしました。 初回はMECLを使った水晶発振器を作ってみます。 うまく行けばこの先の実験で信号源に使いたいと思います。
☆
新しい高速ロジック・ファミリが登場しています。いまどきECLでもないかと思ったのですが、興味半分で扱ってみます。 プリスケーラのような専用のECL-ICに馴染みはあっても、汎用のECLファミリーをちゃんと扱うのは初めてでした。 まずは初めて見るような回路記号の理解や異常にさえ感じる電源の与え方などを飲み込むのがスタートポイントでした。 もっぱら自身の興味だけで始めています。 ECLを使った90度位相器や、古臭いロジック・ファミリに興味がなければ、この先は面白くないでしょう。早々にお帰りください。
【BBの接地極を変更】
ECL-ICの常識については次回あたりで詳しく扱いたいと思います。 なぜプラス接地で使うのかと言った話は取り敢えず省きますが、まずは実験への対応をしておきました。
ブレッドボードで高周波や高速ロジックを扱うには、金属製ベースボード(基台)の処理が必要です。購入したままではどこにも接続されず電気的に浮いた状態です。 そのままでは旨くないので、必ず回路のGND側に接続しておきます。 こうした処理は高周波や高速パルス回路だけでなく、ノイズを非常に嫌うオーディオアンプ等の実験でも必須でしょう。
現代ではNPNトランジスタを使うことが多いですから、ほとんどの回路は電源端子のマイナス側が接地された「プラス電源」で設計されています。従ってベースボードは電源のマイナス側に接続します。(写真で言えば黒のターミナル) しかしECLはプラス側を接地して使うのが標準です。C-MOSやTTLに馴染んだ者にとって、ECLの電源はマイナス5.2Vという異常さです。(笑) この対応のため、写真のようにベースボードは電源のプラス端子(赤色)に接続しておきました。これが実験の手始めです。
【ピン列矯正器】
これは写真のMC10116Pに限った話ではありませんが、購入したままのICはピン列の間隔が広すぎます。
色々なピン列矯正器が市販されていますが、写真のものを使いました。 このような道具を使うとブレッドボードへの挿入がスムースに行なえます。
道具がなければ金属板の上で押さえつけて少し曲げてやればOKです。 そうして済ませることも多いのですが、流石に道具を使うと確実ですね。
【MECL Crystal Oscillator】
こんなことを書くと混乱するかもしれませんが、ここで使ったMC10116Pは純然たるECLロジック回路のICではありません。 ゲート回路やフリップ・フロップ回路のような論理回路を司るICではないという意味です。 ラインレシーバのICでどちらかと言えば、アナログICに近い存在です。 もちろんMECL10KファミリのICではあるのですが。
ECLはエミッタ結合ロジック(Emitter Coupled Logic)の意味ですが、もともと差動増幅のリニアICのような回路構造になっています。(だからバイアス端子:VBBなんて言うものが必要なんですが・笑) MC10116Pのようなラインレシーバはそのアナログ的な性格が強く、主に信号伝送回路のインターフェースに使うものです。 内部は増幅作用を持った差動増幅器が基本的な構造ですから、水晶発振子を正帰還ループに入れてやれば発振器になります。 図のようにU1aの出力端子:Pin 3から+入力端子:Pin 5の間に水晶発振子を接続します。 水晶発振子に直列あるいは並列にトリマ・コンデンサを入れれば発振周波数の微調整もできます。
Pin 2の反転出力端子の波形は概ね矩形波になっていますが、さらに波形を良くする目的で、U1bでシュミット回路を構成しています。Pin 6からPin 9へ正帰還を掛けて波形を整えます。 U1cはバッファ・アンプです。出力はこのバッファ・アンプから取り出します。 出力は2つあって、一つは反転出力になっています。 ツイステッド・ペアのような平衡ラインで信号を送るときにはこのコンプリメンタリな出力を使います。
510Ωの抵抗器がやたら目立ちますが、これはIC内部の出力部分のトランジスタがエミッタ・フォロワになっており、しかもエミッタ端子(出力端子)とマイナス電源端子:VEE間に入れる抵抗器が外付けになっているためです。 この回路例のように単独のIC内で信号の授受が完結する場合、外付け抵抗は面倒でしかありません。しかし他の回路部分へ信号を伝送する際には受端側に外付け抵抗器を置けば終端抵抗として機能し良い波形の伝送ができます。このあたりはECLの使い方の基本的なところのようです。
MC10116P自身の消費電流は、標準17mA、最大21mAです。ECLは消費電力が大きいと言われますがその割にこの消費電流は大きくないように感じます。しかし、実際にはたくさんある外付け抵抗の510Ωに流す分が追加されて全体の消費電流はかなり大きくなります。 もし周波数特性が悪くなってもよければ510Ωをもっと大きくしても動作はするようですが、標準はやはり510Ωなのです。(非常古い初期のECLの頃は500Ωでした。その後、E系列の近似値である510Ωが標準になったようです)
発振は容易にスタートしました。 5MHz、8MHz、10MHzなど発振子を交換してテストしましたがどれでも旨く発振しました。 回路を工夫するとオーバートーン発振も可能です。
【YAESU YC-500の入力アンプ】
これは参考です。 左はMC10116のアナログ的なアプリケーションを示す一例です。 八重洲無線の周波数カウンタ、YC-500のインプット・アンプ部分です。
J-FETのソース・フォロワのあと、MC10116を使ったアンプとシュミット回路を使った波形整形回路になっています。 左端のPNPトランジスタはTTLまたはC-MOSとインターフェースするためのレベル変換回路です。
MC10116の高速広帯域な特性を生かしたインプット・アンプになっており十分増幅することでHF帯で高感度が得られるようになっています。 この回路ではECLはたった一つだけなので他のICと共通になるよう+5Vの単一電源で済ませ電源系がシンプルになるよう工夫しています。 周波数カウンタの入力アンプとしてなかなかFBですが消費電流の多さをいとわなければ・・・ですね。
YC-500の詳しいことはメーカーのサイトにある取扱説明書を参照してください。 MC10116のアナログ的な応用例として紹介してみました。 MC10116はこうしたアンプに使えるのですから、水晶発振器にも使える訳です。
【BBで試作】
水晶発振回路を試作しました。 実は使ったブレッドボードがあまり適当ではなかったようです。
最近購入したこれはGNDとVCCラインが中央部分にしかないので、高速パルス回路としての合理的な部品配置ができませんでした。 そのため、無用な配線の引き回しが多くなってしまい、きれいな波形を得るのが困難でした。 部品配置も最適にできません。
とりあえず水晶発振器の実験にはなったのですが、追加のECL回路を組み立てるのは適当ではないと思います。 改めて別のパターンのブレッドボードで作り直すつもりです。 これはあまり良くない見本でしょうね。(笑)
【出力波形】
オシロスコープにプローブを付けて観測しています。しかし、プローブのアースリードが長いまま観測するとこのようにオーバーシュートやリンギングが出てしまいます。
正しい観測は、プローブの先端に専用の接触チップを取り付け、アース側の接続が極力短くなるようにして観測します。 そうしたことはわかっているのですが、ついつい面倒なのでいつものように観測するとこのようになる訳です。(笑)
ECLの論理振幅は0.8Vくらいで約-1.3Vを中心に振れる矩形波です。 他のロジックICでは、おおよそ電源電圧いっぱい近くまで振れるのに対し、ECLはたいへん小さな論理振幅のように感じます。電源電圧5.2Vでたったの0.8Vなのですからね。 電圧ノイズマージンが気になるところですが、平衡伝送で信号を送り、ラインインピーダンスも低くできることからおそらくこれで十分な論理振幅なのでしょう。
基本的に非飽和なA級アンプのような動作をしています。トランジスタが飽和やカットオフを繰り返すスイッチング的な動作とは異なり電源ラインへ漏れるノイズは少ないのでしょう。 簡単に言うとエミッタ側定電流源の電流を切り替えているだけの動作ですから、電源電流の変動は少ないのです。
【Pin 5の波形観測】
U1aのPin 5を観測してみます。 ここはアンプの入力端子に相当します。 バイアス電源である、VBB端子から1kΩを通してバイアスが掛かっています。
U1aの出力端子:Pin 3は矩形波出力ですが、水晶発振子を通った基本波の成分だけが現れるでしょう。 従って正弦波状の波形が見られるはずです。
【Pin 5の波形】
Pin 5の波形はこのように正弦波になります。 プローブへ矩形波の誘導があるためか、少しギザギザしていますが、注意深く測定すればもっと綺麗な正弦波が観測できるはず。
バイアス電圧:VBBは実測で約-1.35Vなのでそこを中心に振れる正弦波が観測されました。 入力端子で約1.2Vppという大きさの振幅なので、ラインレシーバ:U1aで十分に増幅され矩形波になって出力に現れます。 Pin 2の出力はPin 3の出力が反転しただけのものです。 水晶へ行く側と分離することで干渉が少ないようにして発振状態に影響が及ばぬよう考えられた回路になっています。
☆
MECLを使った水晶発振器を作ってみました。 波形観測の手抜きをしたので少々汚い観測波形になってしまいましたが、確実な発振が可能であることは確かめられました。 また、この先のECL回路のテストに必要な論理振幅のクロック源が得られることもわかりました。
PSNタイプのSSBジェネレータ/エキサイタにあった、アナログな移相器に代わるデジタルな位相器を試すのが当面の目的です。 次回は高速フリップ・フロップを駆動して90度位相差の2信号を得る実験をやってみたいと思っています。 それまでに不足している部品が届いてくれたら良いのですが。さて、どうなりますか。 de JA9TTT/1
(つづく)←リンクnm
加藤さん、こんにちは。
返信削除一応緊急事態宣言も解除されましたが良い天気なのになんとなく出かけにくい雰囲気ですw
記事を読まずにいきなり回路図を見るとプラスアースでアナログなのかデジタルなのかもよくわからない不思議な回路に見えますね(笑
BB、僕はあまり気にせず接続ワイヤーで配線していますが、ある程度の周波数になるなら最短距離で配線するように心がけないとダメですね^^;
ベースの金属板もGNDに落とすようにしておきます。
JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんにちは。 大阪は解除されたようですが、必ずしも安全が確保されたって言う訳でもないでしょう。 スッキリしませんよね。 こちらはまだ解除されてませんが、東京に隣接の地域と違って自主判断でだいぶ緩んできたように感じます。w
返信削除さっそくのコメント有難うございます。
> アナログなのかデジタルなのかもよくわからない不思議な回路に・・・
たくさん抵抗器が使ってあるし、アンプのような回路記号ですからアナログに見えますよね。実際に、MC10116Pを使った回路はアナログだと言って良いと思います。
> ある程度の周波数になるなら最短距離で配線する・・・
BBに限らず、どんなRF回路でもそうですけどね。hi hi そもそもECLをBBでやるのが間違っているのでしょう。 モトローラのHandbookには少なくとも両面基板を使って片面はベタのGNDにしろって書いてあります。=>ECLの回路。
> ベースの金属板もGNDに落とすようにしておきます。
ちょっとシビアな回路だと効いてきます。 HAMやAudioの実験にはGNDしておく方が安心です。(マストかもしれません・笑)
このところ、お空のコンディションが良好なようでテレワークのHAMがサボってたくさんオンエアしているみたいです。HAMバンドかなり混んでますね。 今日は土曜でしたね。hi
おはようございます。雲は多めですが、久しぶりの晴天になりました。
返信削除次のゴールはECLでジョンソンカウンタを実現することでしょうか。その結果を楽しみにしています。消費電力が恐ろしいことになりそうですが、いずれにせよ、私は74ALVCまででやめておきます(笑)。
MC10116は表面実装品もあったようで、比較的息の長いデバイスだったのでしょうか。
ECLはプリスケーラくらいしか馴染みがありません。今や単体のプリスケーラ自体をほとんど見かけなくなりましたが、数少ない現行品はTTL構造ではないでしょうか。設計が古いのでそんなものでしょうが、HP8640Bは原振をECLで分周しています。
超高速デバイスなだけあって、実装にはかなり気を遣わないといけないようですね。従来なら生基板の上に空中配線で実験したところかもしれません。
蛇足ですが、飯の種になっている機器は-48V入力なのでプラス接地です。ゲルマデバイスが主体だった頃の名残でしょうか。これも古い設計ですが、それでも、さすがにロジックICは74LSシリーズや74Fシリーズが並んでいます。オンボードのDC-DCコンバータを積んでおり、GNDラインは普通に0Vです。
JG6DFK/1 児玉さん、こんにちは。 緊急事態もやっと解除されそうですが、何と無くスッキリしませんね。 まあ、新型コロナがなくなった訳でもないのでもう暫くは人混みを警戒です。hi hi
返信削除いつもコメント有難うございます。
> 消費電力が恐ろしいことになりそうですが・・・
数100mAにはなりそうです。 この後Fli-Plopが2パッケージくらい追加になります。思ったほどの消費電力ではないですが、それでも他のロジックファミリと比べるとだいぶ多くなりそうです。
> ECLはプリスケーラくらいしか馴染みがありません。
汎用のECLロジックで回路を組む必要があったのは昔のメインフレームくらいだったのではないでしょうか? バイトで頼まれECLで簡単なインターフェース回路を作ったことがあるくらいです。回路図、部品支給だったので何も知らずそのまま作っただけでしたけれど。(笑)
> HP8640Bは原振をECLで分周しています。
hp8640はずいぶん古い測定器ですから設計当時の高速ロジックはECLだったのでしょうね。 そう言えば、ECLはhp社の高性能な測定器の分野でも大活躍したデバイスだそうです。
> 生基板の上に空中配線で実験したところかもしれません。
専用の基板を起こさずにテスト回路を作るならそれがベストでしょう。でも、厄介なのでBBで押し通すつもりです。(爆)
> 機器は-48V入力なのでプラス接地です。
お仕事の機器は通信機器の一種なのだろうと思います。 確か、(有線)通信系の機器は大地アースとの電位の関係で電食を防ぐ目的から筐体がプラス接地で設計してあったと思います。 おそらくそれが引き継がれているのでしょう。
> オンボードのDC-DCコンバータを積んでおり、GNDラインは普通に0Vです。
その方が設計しやすいですし、異常に感じられないので良いと思います。 プラス接地で電源がマイナス電圧というのはピンとこないので宜しくありませんね。 大昔のPNPゲルトラ時代は普通にプラス接地だったのですが、その感覚はもうありませんから。hi hi
加藤さん、改めてこんにちは。
返信削除緊急事態宣言はようやく解除されそうな雰囲気ですが、おっしゃるように油断は禁物でしょうね。北海道のように規制を解除した途端、ふたたび感染者が増え始めたという例もありますし。連休明けから週2日くらいは在宅で仕事をしていますが、とりあえず、5月一杯はこの体制を続ける予定になっています。
> (有線)通信系の機器は大地アースとの電位の関係で電食を防ぐ目的から筐体がプラス接地で設計
そうだったのですね。勉強になりました。
お察しの通り、現在の仕事は固定電話交換機の保守ですが、以前の職場で見かけた携帯電話基地局も同様にプラス接地でした。
これも蛇足ですが、現在通っている事業所では、かつてメインフレームを生産していました。今はやっていませんが、敷地内には当時の名残があります。
JG6DFK/1 児玉さん、こんにちは。 北関東は久しぶりに青空も覗いた日曜の午後です。
返信削除再度のコメント有難うございます。
> とりあえず、5月一杯はこの体制を続ける予定になっています。
まあ、この解除は多分に政治的・経済的な判断が優先されたのでしょうね。実際にはそれほど安全になった訳でもないと思って暫くは用心した方が良さそうです。
> そうだったのですね。
私も知りませんでしたが、搬送電話系の機器や例のGPS-DO受信機:hp Z3801も筐体がプラス接地になってます。 理由を調べたら・・・でした。
> 携帯電話基地局も同様にプラス接地でした。
携帯基地も有線網に接続されます。有線電話系に繋がる機器は統一してあるのでしょうね。 長い歴史を持った通信機器ですから先人の経験が生かされて決まっているのだと思います。 一般の電子機器とは異なる独自の世界ですからね。hi hi
> かつてメインフレームを生産していました。
かつてコンピュータといえば、メインフレームがそれで、それをタイムシェアリングして使うのが一般的でした。 IBMやFACOM、HITACなんかが会社の情報管理室に鎮座していたのを思い出します。 今では高度のスパコン以外、ああいう寒いほど空調の効いた場所に収容されたコンピュータはないでしょうね。 今の自宅パソコンは昔のメインフレーム以上の能力ですし・・・これも時代ですね。
加藤さん、こんにちは、
返信削除緊急事態は、テレワークが不可能な小生の仕事にも影響し、一部時短や自宅待機になりました。
ついに、ECL素子ですか、昔学生の頃、ビット・スライス型のCPUなんてありましたね。懐かしい。
今回の話題は、RF-PSNの発信回路に利用されると思いますが(文末にD-FFの事に触れられているので)、所謂、分周の小数点が設定できるクロックゼネレータSI5351じゃ、ダメなんでしょうか(誰かのセリフですね)。
こんな事をいうのは、CQ誌5月号の63頁下部の写真2の記事が目に入ったので該当の会社のHPを探してみました。
中々面白いキットだなと思います。出力4W、モノバンド(80mから17m)、AF-PSNに1%の抵抗を使い、RF-PSNはD-FFを使い、逆バンド・サプレッション30dB以下、価格は、55ドル(+税、送料)
みたいです。モードは、FT8以外にも使えるようです。
因みに、回路図も表示されています。作成マニュアルには、使用部品や、作り方も出ています(別に、私は、同社から宣伝料はもらってません)。
受信回路も簡素で、RF無で、いきなりNE(SA)602に入れてます。
冗談で、一つ買って組み立ててみようかな。
JI1HVI 仲野さん、こんばんは。 だんだん気分が緩んできて人出も多くなってきました。 また患者が急増しなければ良いですが・・・。東京は14人発生だそうで。
返信削除いつもコメント有難うございます。
> ビット・スライス型のCPUなんてありましたね。懐かしい。
あまりにも古い話なので、懐かしい響きです。=>ビット・スライス型CPU
> クロックゼネレータSI5351じゃ、ダメなんでしょうか・・
ダメじゃないんですが、ソレを使うにはコントローラほか幾つかのチップが必要です。あと、設定用のプログラムとかも・・・。 ちょっとした実験には面倒に感じました。 MC10116Pの発振器はECLレベルのクロック信号を得る目的もあリます。 もし外部発振器を使ってもECLレベルへの変換が必要なのであまり簡略化できそうにないです。 ただし任意の周波数が選べるようになるメリットはありますね。MC10116Pでインターフェースが作れますね。
> RF-PSNはD-FFを使い、逆バンド・サプレッション30dB以下・・・
実験の目的は先のBlogでアナログなRF-PSNだった部分をデジタル式に置き換えてみることです。たったそれだけなので、実用品を作るつもりはありません。hi たぶん実用品が欲しいならご紹介のキットを買うのが一番でしょうね。
> 冗談で、一つ買って組み立ててみようかな。
良かったら買ってみてください。 送信の逆サイドが-30dBでは無線設備基準には合致しませんが、受信だけならぜんぜん問題ないでしょう。 買ったらぜひ結果を教えてくださいね。
ECL、実物の動作の解説は初めて読みました。
返信削除DECから1980年代末期にリリースされたVAX9000というコンピュータはECLで作られていたのですが、わずか数年でCMOSのVAXに性能は抜かれてしまいました。商業的にも失敗作とされています。当時は62.5MHzというクロックは十分高速だったんですが。かつて日本DECの社員でしたがVAX9000の実物は日本では見られませんでした。
今やCMOSが数GHzで動作する恐ろしい時代ですが、電源電圧は極限まで落としてますよね。とはいえFT8/FT4の解読にはそれなりのCPUパワーが必要なので、もはやスパコンを誰もが使う時代になったようです。
73 Kenji Rikitake JJ1BDX
JJ1BDX 力武さん、こんばんは。 緊急事態解除ですが、なんとなく心配は続きますね。 なかなか前の状況には戻れないかも知れませんね。
返信削除いつもコメント有難うございます。
> ECL、実物の動作の解説は初めて読みました。
元々があまり使われないロジック・ファミリでしたので雑誌ほかの記事で見かけるのも稀でした。今回使うに当たっても使用例がなくて情報不足でした。 主にモトローラのDesign Handbookを参照しています。
> VAX9000というコンピュータはECLで・・・
80年代末頃はまだECLでの設計もあったんですね。 その頃からC-MOS化が進み、やがて高速C-MOSが主流になったのは急激でした。
> 当時は62.5MHzというクロックは十分高速だった・・・
でしょうね。 パソコンはまだ数MHzでしたし・・・。
> 電源電圧は極限まで落としてますよね。
微細化でFETの耐圧が取れないのも理由でしょうが、発熱を抑える意味もあって高速部分の内部低電圧化が進んでいますね。
> FT8/FT4の解読にはそれなりのCPUパワーが必要なので・・・
あゝ、これは感じますね。特にバンドが混んできてたくさんの局がオンエアしているとデコードの遅れが目立ってきます。 実際ソレなりにパワーのあるCPUが欲しくなります。 このところHF帯ハイバンドのコンディションが良好で、Euが束になって入感する日もあります。そうなるとやはり強力なCPUが・・・・。(笑)
> スパコンを誰もが使う時代になったようです。
ある意味、良い時代になったものです。 無線交信の面白味は別の所にあるのかも知れませんが、誰もがテクノロジーの果実を享受できる良き時代です。
はじめまして。
返信削除興味深い話題なので、ECLに関する記事を探してみましたら、ハムジャーナルNo83に田口一氏執筆のWeaver式SSBジェネレータの記事がありました。
この記事では、3.5MHz程度の2相信号を作るのに、ECLのD-FFでジョンソンカウンタを構成し、さらに後続のD-FFで信号を保存するという念の入れようです。
1993年当時、74HCシリーズを使えたはずですが、筆者は何らかの思い入れがあって、このロジックICを使ったのでしょうか、今となっては知る由もありません。
この記事に触発されたわけではないのですが、20数年来Weaver式にはまっています。
RF-PSNは、74VHCシリーズかCPLDを使うと、HF帯のSSBが直接生成できるようです。
加藤さんの実験、続編を楽しみにしています。
加藤さん、何時もの周回遅れで参加します。
返信削除ECLと言えばVHFプリスケーラーの 95H90 が有名ですね。
非飽和ロジックなのでICのパッケージが熱くなるほど電気の
大飯食いでした。
70年代後半に沖電気や富士通がFMチューナー用周波数カウンタ
LSIは本体は CMOSでしたが、ペアの専用プリスケーラーはECL
だったと思います。
ECLはメインフレーム用高速ロジックだそうですが大飯食いなので
冷却方法が興味津々です。確かFACOM 230の基板の写真を見ました
がLSIの上に円盤型ヒートシンクが付いていました。そう言えばフロン
液で冷却したスーパーコンピューターが有りましたがあれもECLでした
かな?
JR0VLT 丸山さん、こんばんは。 はじめまして。
返信削除初めてのコメント有難うございます。
> No83に田口一氏執筆のWeaver式SSBジェネレータの記事がありました。
この記事、私も以前読んだことがあります。 PSNではありませんが意欲的な自作記事でしたね。 記事で使っていたSCFの入手が難しかったように思います。
> さらに後続のD-FFで信号を保存するという念の入れようです。
このBlogの続編で扱うつもりですが、エッジを揃える意味で追加したD-FFですね。 原理上はジョンソンカウンタだけで良いはずなのですが、話はそう簡単ではないんです。hi hi
> このロジックICを使ったのでしょうか、今となっては知る由もありません。
別のPSNの記事ですが、高速TTLでECLと同じ回路を作っても旨くなかったというレポートもあります。私も高速HC-MOSで作ったことがあるのですが理屈とは違って一定の位相誤差が残ってしまい・・・。(笑)
> 20数年来Weaver式にはまっています。
いわゆる第3の方法については、1978年ころジェネレータ部分まで作ったことがあります。急峻なアクティブ・フィルタをOP-Ampで作り、バラモジは確かMC1496Gx2でした。RF位相器はLCタイプです。 フィルタタイプとも違い、なかなか良い音がして感心したものです。 HJ誌の記事とは違って残留したキャリヤのビート音は特に気にはなりませんでした。
いずれ機会があればご紹介したいと思っているのですが、残してあった筈の残骸が見当たらなくなってしまいました。もう新たに作る元気はありませんし。(笑)
その後も高精度なCRで高次のLPFを再設計して製作したのですが、そこまでで止まってしまいました。 Wever方式もRF部はPSNタイプと全く同じなのでECLの90度位相器が良好なら可能性はあるでしょうね。
またお気軽にコメントお願いします。
JR1QJO 矢部さん、こんばんは。 今日はWindowsのUpdateをやっていたのですが、ハマってしまいました。 なんでこんなに手間と時間がかかるのがMac派には理解不能です。(爆)
返信削除いつもコメント有難うございます。
> VHFプリスケーラーの 95H90 が有名ですね。
ほか、11C90とかもっと高速タイプもあったのを思い出します。 ECLなのでパッケージがすごく熱くなります。 これらはいずれもFairchild社のチップでした。 いずれBlogでプリスケーラ特集でもやりましょうか。hi hi
> ペアの専用プリスケーラーはECLだったと思います。
PLLシンセサイザ式のFMチューナが多くなって、チューナ専用のICが登場しましたね。 三菱のECLチップが入手し易かったと思います。 自作のFカウンタに追加したことがありました。
> LSIの上に円盤型ヒートシンクが付いていました。
Fujitsuを見学させてもらった時に古い世代のスパコンの説明があって、確かカスタムのECL-LSIを使っていたようでした。 空冷のようで多段のフィンが上部に付いた特殊パッケージに入ってました。 今はC-MOS系でしょう。hi
> う言えばフロン液で冷却したスーパーコンピューターが・・・
Cray-2のことでしょうか。 直接実装基板の部分にフロン液を流して冷却するという力技のスパコンでしたね。 調べたらやはりECLで作ったようです。 確実な放熱方法はこれが一番だったのかも知れません。 あれだけ冷やすにはフロン代だけでもかなりの額だったでしょうに・・・。 昔、仕事用でフロリナートと言うフロン系の液体を買ったことがあるのですが、恐ろしく高額でした。非常に重たい液体です。hi hi