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2013年7月13日土曜日

【HAM】 A New life for FT-101ZD Part 1

FT-101ZDにニューライフを
 写真は八重洲無線のFT-101ZD型トランシーバだ。 FT-101を名乗ってはいても、FT-101初代無印、FT-101B、FT-101Eの系列とは非なるものだ。 それらは、2回周波数変換のCollins Type受信部と、それを逆に辿る送信部で構成されていた。

 FT-101Zはどちらかと言えば、同じ八重洲無線ならFT-200に近いかも知れない。 バンド・ワイズ機能(可変帯域幅機能)のための追加2回の周波数変換を除けばたった1回だけの周波数変換である。要するにシングルスーパー構成の受信部だ。送信部もその逆を辿る。ミキサー段の多さ=性能が劣化・・・に目覚め始めた時代のリグである。

 詳しことはこの先々明らかになると思うが、まずは年代物トランシーバを登場させたのかを書かねばなるまい。

FT-101ZD MKⅢ
 FT-101ZDには大きく分けて3つの世代があった。 その最終世代は俗にMark Ⅲと呼ばれている。 Mark Ⅲは何が違うのかと言えばWARCバンドが含まれることだろう。 もちろん八重洲無線のリグの常で、同じ型番でも機能や性能・・・もちろん回路やデバイスも異なるもの多岐にわたるが、Mark Ⅲではバンドが増えているのが最大の特徴だ。ツマミの銀色の飾りでも簡単に区別できる。

 WARCバンド(ワーク・バンド)は、JAではまず10MHzバンドから許可された。(1982年4月1日) その後7年3ヶ月も経過した1989年7月1日に18MHzと24MHzの二つが追加許可になった。 私がオンエアしたのは10MHzからであったが、その頃のシャックは全半導体機になっていた。だから真空管を使ったリグでWARCバンドにオンエアしたことはなかった。

 最近になって、ファイナルとドライバだけではあっても真空管を使ったリグでWARCバンドにオンエアしてみたくなった。 拙宅には真空管ファイナルで全WARC Bandに対応するのはこのFT-101ZDしかない。 但しWARCバンドは送信禁止措置がなされていて、それを解除しなくてはならない。しかも一本のジャンパー線やダイオードのカットと言った簡単な方法では解除できない模様だ。 

(もう少し新しいFT-102やTS-830、TS-530などがあったら良かったのだが・・・笑)

XF-8.9HC CWフィルタ
 このCW用クリスタル・フィルタは、さる大OMに頂いたものだ。数年前に他界されたのでもはや遺品である。生前に頂いたとき「ぜひ活用して下さい」とのコメントが付いていた。 だから何とか活かしたい。

 この周波数のクリスタル・フィルタを使うリグは限られている。拙宅で他に使うとすればFT-901あたりだが、そちらには既にCWフィルタは付いている。生憎それはWARCバンドなしのモデルだ。復活させてやりたいFT-101ZDには付いていないから、こちらで活用するのがベストだ。

 以前、可変帯域の機能を使っでCWにオンエアしたこともあったが、無いよりマシではあっても代用品には限界があると感じた。ぜひともちゃんとしたCWフィルタが欲しいものだ。黒点サイクル24のピークでコンディション良好になっている18MHz/CWにオンエアの予定だ。EuとやるにはCWフィルタ無しでは手前のU-Zoneの混信がだいぶたいへんだ。hi

FT-101ZDのIF基板
 FT-101Z以前のFT-101シリーズや、FT-901ならCWフィルタ装着はいともたやすい。 それに対してFT-101Zのシリーズは構造がまるで違っていて、このような基板重層構造なのである。

 簡単にプラグイン式の基板を外して、ささっとフィルタを実装して・・・と言うのは通用しない。 上になった基板をまず外したら幾つかのコネクタも外し、ネジも何本か取らないと基板にアクセスできないのだ。 このIF基板さえ取り外せばフィルタの装着そのものはごく簡単そうである。 そこまで辿り着くのは面倒そうで、どうも気が重い。しかし、ここはやるしかないナ。

だいぶ汚れが・・・
 この、FT-101ZDは汚れている。 上の方のパネル面の写真も見てもらえばわかるが、お掃除なんか一切したことがないのではないか。

 以前はタバコ臭かったと思うので積もったホコリも何となくヤニっぽい感じ。 年数がたったお陰で殆ど臭わないのがせめてもの救いだ。

 ここはしっかりお掃除してやらないと活躍してもらえないだろう。丸洗いまでは必要なさそうだが、入念な清掃は要りそうに見える。(重要:たとえどんなに汚れていても、水や水性の洗剤での丸洗いは電子機器の寿命を縮めてしまうのでやるべきではない。電子部品が劣化する原因のかなりが水分の存在にある。どうしても洗いたいなら解体して大丈夫な部品だけで行なうべきだ。水分が内部に浸透してしまうトランスやコイル類は洗ってはいけない。完全乾燥はほとんど不可能だ。見かけを綺麗にしても機器の寿命を縮めては意味がない)

 なお、これとは別に惚れ惚れするくらい美しいFT-101ZDもあってそちらを積極的に使いたかった。しかしそちらは残念なことにWARCバンドの無いモデルだった。だから今回の目的には程度のあまり良くないコレを整備するしか無かったのである。

局発の水晶群
 FT-101ZDの特徴は水晶発振とVFOをプリミックスして局発を作っていることにつきるかも知れない。 写真は、各バンド用の水晶発振回路だ。 水晶発振子を切り替えるのではなく、発振回路ごとまるまる電子的に切り替える方式だ。

 それでは不経済のように見えるだろう。発振用トランジスタがバンドの数だけ必要になるし他の部品も同様にいっぱい必要なのだ。 しかしユニットとしては完成し易いので、部品のコストよりも機能実現の容易さと作り易さを優先したのであろう。 それにFT-101ZDの時代にもなればトランジスタのお値段はCR部品とさして違わなくなっていた。トランジスタが少々多くなっても機能がスッキリ整理されるなら、その方が良いと言う設計法も合理的になってきた時代なのだろう。

               ☆ ☆ ☆

 KenwoodのTS-590の登場によって再び低い第一IF周波数へ周波数変換する形式が見直されている。 確かに良い特性のフィルタに真っ先に通すことができればその後の信号処理はだいぶ楽になる。 FT-101ZDもMark ⅢともなればミキサーはDi-DBMになりIIP3もかなり改善されている。もちろん信号処理系は全てアナログだから、ごくごく弱い信号がデジタル処理に埋もれて見失うことも無さそうだ。 FT-901の廉価版として登場したFT-101ZDだが、この頃にもなると部分的にはそれを凌駕するほどになっていた。一概に大衆向け廉価モデルだと言って侮れないようだ。

 製造番号によれば、このFT-101ZDは1982年3月に製造されたらしい。すでに30年以上ゆうに経過しているから電子機器としての寿命は尽きているだろう。 しかし専用部品に致命的な故障が無ければ不具合を丹念に補修して行くことで初期状態に近づけることもできそうだ。1980年代にもなれば日本製電子部品のクオリティは非常に高くなっていたはず。昨今のチャイナクオリティとは明らかに別物だ。 真空管機で全WARCバンドにオンエア、そして遺品のCWフィルタ活用と言う目的でまずは始めてみよう。de JA9TTT/1

つづく)←リンク・Part 2へ

12 件のコメント:

  1. おはようございます。朝から晩までこうも暑いと参ります。

    本題からそれますが、昔のリグは使用者自身にここまで分解させることもあったのですね。

    今では技適が当たり前で、筐体のネジを1本外すのも御法度になりましたが、そうでなくても今のハムに同じことをやらせたら壊してしまうか、「こんな作業ができるか!」とクレームが殺到し、メーカーのサポート部門が大変そうです(笑)。

    ちなみに、うちには技適機種がまだ1台もありません。というわけでメーカー機も旧機種ばかりなので、新スプリアス規格完全移行後にはフェードアウトするかも。その前に、今年は再免許申請を忘れないようにしないと… 実質QRT状態なので忘れそうですけど(爆)。

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  2. 加藤さん、おはようございます。
    先週の懇親会は急遽出張になり参加できなくて残念でした。
    101ですか! 当局が知っているのは101Eまでです。1982年ということは社会人になって間もない頃で、暫くのQRT状態に突入始めた頃で、この機種は時々本屋で立ち読みしたCQ誌で101もデザインイメージ変わったな~と思っていたくらいの記憶しかありません。
    プリミクスOSCなんですね! 今だったらDDSでシンプルな構成にできそうですねが、信号純度は、このほうが良いのでしょうかね?!
    30年前になりますが、この頃の機種になるとTRのマイグレーションは解決されていた時代でしょうか?
    当局は、そのちょっと前のTS-120、130をジャンクで入手してリペアしていますが、電気を通すたびにTRが死んでいきます(笑)
    今や、京都の自宅のガラクタと化してます。

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  3. 加藤さん、こんにちは。
    そして 皆様には暑中お見舞い申し上げ
    ます。猛暑ももう少しの辛抱でしょう。

    さて 101Zシリーズは我家にはZD/ZSDが
    あり更に901DM/SDと所有しております。
    別に八重洲ファンではないですが触り易いと言うだけの理由で。

    当方では専ら中古品を入手しては改造で
    遊んでいます。主としてブレークイン。
    最近ではZSD機にAPF実装改造も。

    加藤さん、続きを楽しみにしてます。

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  4. 101ZD素晴らしいです。続きが楽しみです。
    旧職場のジャンク置き場にあった101Zを救出したことがありました。
    高値の901に比べれば人気が無いリグだったのでしょうか。
    当方もKenwood派なのであまり愛着ありませんでしたが、
    良いリグだったと思います。
    なんだかメーターのあるリグに戻りたくなってしまいました。
    暑いですがどうぞ御自愛ください。

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  5. 加藤さん、こんばんは。

    FT-101B,Eタイプは所有していますが、Zシリーズは触ったこともありません。
    1979年に開局してちょっと後に発売になったはずですが、とても手が出ませんでした^^

    是非レストアして活躍させてください。

    今日、関西アマチュア無線フェスティバルに参加してきました。

    FT-101EもZも数台見かけましたが、もう置き場も無いのとけっこうなお値段だったのでちら見だけで済ませておきました。Hi

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  6. JG6DFK/1 児玉さん、こんばんは。 JA8から帰って来ました。 JA1は暑いですねえ!

    早速のコメント有難うございます。
    > 使用者自身にここまで分解させることも・・・
    この作業が自分でできる人と、はなから無理と諦めるHAMに二分化した時代だったと思います。

    > 「こんな作業ができるか!」とクレームが殺到・・・
    自身の技量は棚上げしてクレームだけは立派に言うHAMも多くなりましたネ。(笑)

    > 再免許申請を忘れないようにしないと…
    忘れず流さないようにされて下さい。新規開局になるとずいぶん費用が掛かります。

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  7. JN3XBY/1 岩永さん、こんばんは。 今夜の東京は夕立でしたね。

    コメント有難うございます。
    > 懇親会は急遽出張になり・・・
    毎月開催されていますので、次回宜しくお願い致します。

    > デザインイメージ変わったな~と思っていた・・・
    TRIOのTS-820に対抗すべくFT-901を出したものの、思ったほど売れなかったので同じイメージの廉価版を作って知名度のある101の名前を冠したのでしょう。(想像ですが・笑)

    中身は、いわゆるFT-101とはまったくの別物ですね。

    > 信号純度は、このほうが良いのでしょうかね?!
    悪くない感じですが、どうやら良くできたDDSの方が良いのではないかと思いました。

    > マイグレーションは解決されていた時代でしょうか?
    東芝の「シルクハット型」パッケージの石を多量に使っていますが、此のカタチの石は古くなっても不良は少ないようですね。

    > 電気を通すたびにTRが死んでいきます(笑)
    まあ、寿命なんでしょうね。hi hi このFT-101DZも使い始めたら次々に故障が出ると思いますよ。(爆)

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  8. JO1LZX 河内さん、こんばんは。 そちらも暑いでしょうね。ご自愛下さい。

    コメント有難うございます。
    > 更に901DM/SDと所有しております。
    河内さんはこの形のリグがお好きでしたね。hi hi

    > 触り易いと言うだけの理由で。
    なるほど。そう言う理由でしたかか。(笑)

    > 改造で遊んでいます。
    訳あり品はずいぶん安くてなっていますから、遊ぶ材料には適当でしょうね。

    続編をお楽しみに。(大した内容ではありませんが)

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  9. JL1KRA 中島さん、こんばんは。 毎日暑いですねえ。 マリンレジャーは楽しまれてますか?

    コメント有難うございます。
    > 101Zを救出したことがありました。
    古いですから廃棄される機体も多いのでしょう。

    > 人気が無いリグだったのでしょうか。
    たぶん逆でしょう。 FT-101Zの方がずっと沢山売れたと思いますね。 機能は同等以上で、お値段半分くらいなんですから・・・。(笑)

    > メーターのあるリグに戻りたくなってしまいました。
    指針式メーターはいいですよね。 LCDの模擬メーターはどうも好きになれません。(古い人間です・笑)

    中島さんもお元気で!

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  10. JE6LVE/3 高橋さん、こんばんは。 大阪も猛暑続きでしょう?! 先は長いので夏バテしないように頑張りましょう。

    コメント有難うございます。
    > Zシリーズは触ったこともありません。
    いわゆる「101正当派」のお方に言わせれば、Zは邪道な101だと言われそうですね。

    > とても手が出ませんでした^^
    FT-901から比べたらずいぶん安価でしたが、それでも中級機のお値段でしたね。でもお値段以上に良い機械だったと思います。

    > 是非レストアして活躍させてください。
    いくら整備したところで、所詮は30年前のシロモノですからメイン機には到底なり得ませんね。そこそこ活躍してもらいましょう。(笑)

    > 関西アマチュア無線フェスティバルに・・・
    お仲間と出店されたんですよね? ご盛況でしたか??

    > ちら見だけで済ませておきました。Hi
    このBlogを見たら欲しくなるかもしれませんよ。(←ウソです・笑)

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  11. 河内 JO1LZX2013年7月15日 10:18

    加藤さん、皆さん、お早う御座います。

    当方のHPで「FT-101Z/FT-901」を見直そう をアップしたばかりだったので加藤さんの記事を読んでわが意を得たり の気分です。
    当方では少しの改造を施せばFT-101ZDが最良(最高とは言いませんが)との結論に達しました。
    トリオやアイコムの機器は知りませんので独り善がりかも。

    尚 FT-101ZSDの後期型が当方開局の時の設備でしたので余計に愛着があります。

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  12. JO1LZX 河内さん、こんにちは。 今日も暑いですね。

    再度のコメント有難うございます。
    > わが意を得たり の気分です。
    いえいえ、良いリグだから取り上げたのではないですよ。(笑) WARCバンドが付いた球ファイナルのリグはこれしかなかっただけですので。 もし、TS-830があればそちらにしたでしょう。hi hi

    > ・・・との結論に達しました。
    使ってみないと結論は出せないので、まずは使える状態にするのが先決ですね。 案外良いリグかもしれませんけれど。(笑)

    *Blogに書くと、あたかも良いもののように解釈されるお方がおられるならそれも困ったものです。
    オークションにて高額入札などされませんよう願います。以後のBlogでも、直す建前から悪くは書きませんが、まったく責任はもてませんので。今の水準で言えばおそらく×の判定でしょう。=>皆様へ

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