【HAM:YAESU FT-817NDでJT65Aにオンエア】
【JT65インターフェースとGPS受信機】
コンパクトなオールバンド、オールモードトランシーバ、八重洲無線のFT-817用にJT65モードでオンエアするためのインターフェースを作ってみました。屋外でJT65のオンエアが目標です。
中央に見える箱がFT-817用に製作したJT65インターフェースです。 従来の設計を踏襲しています。信号系のアイソレーション(絶縁分離)に小型トランスを使い、スタンバイ・コントロールにはフォト・カプラを使いました。
最近のパソコンにはRS-232Cのような旧式のインターフェースは付いていないので、最初からUSBインターフェースを内蔵しています。これでトランシーバの送受信をコントロールします。
写真の右上に見えるのはGPS受信機です。これもパソコンとUSB接続します。GPS受信機の目的はパソコン内蔵の時計を正確に維持することにあります。 JT65のオンエアではパソコンの時計を正確に合わせておくことは最も重要です。
以上、移動運用の参考にして頂けたらFBでしょう。 近ごろはDXペディションでもJT65の運用が盛んになってきました。FT-817とフィールドに飛び出してJT65でミニ・ペディションでも如何ですか?
参考:インターフェースを接続したらFT-817NDの方もセットアップが必要です。 運用に必要な詳しいことは下記の書籍に細かく書いてあります。ぜひ参照されて仲間入りしてください。 運用方法も簡潔に説明しておきましたので初めてのお方でもきっと旨く行くでしょう。
☆NEWS:
上記でご紹介したFT-817ND用のJT65インターフェースと、時刻精度維持のためのGPS受信機については、2016年8月下旬発売の新刊「QRP入門ハンドブック」(CQ出版社)に掲載されています。HAMフェアにて先行販売されました。予定通り発行されたので現在はご近所の書店で購入できます。新刊案内(←リンク) amazon(←リンク)の該当ページでも買えます。
製作方法と使い方を詳しく紹介しました。(3-11章参照) FT-817NDでJT65の移動運用を計画しているなら必見です。 もちろんシャックからのオンエアにも役立ちます。この記事はCQ誌の連載ではなく、この新刊のために書いたものです。 さっそくお読み頂き役立ったと言うご好評を頂きました。 有り難うございます。
本書はQRPerだけでなく自作HAMや一般のHAM局も楽しめる楽しい記事が満載です。 聞くところによれば印刷部数は少ないようです。QRPに特化した入門書と言うタイトルなので増版もあまり見込めません。幾らかでも興味を感じたら早めの入手が良いかも知れません。旧版のハンドブック(古書)はとんでもないプレミアム付きになっているようです。(2016.08.30)
祝・重版:出版社の在庫が残り少なくなってきたので重版するそうです。重版は大した册数ではないので買い漏らしていたお方は早めが良さそうです。たぶん、その次の重版はしばらくないでしょうね。あるいは一回限りの重版かも知れません。(2016.09.20)
【FT-817は優秀】
写真は上記のセットアップでテストしているパソコン画面です。ソフトは「JT65-HF」を使いました。 冬至の朝の14MHzバンドです。新春とは言え暖かな春にはまだ遠いのですが北米方面が良く開けています。 南米のコールサインも見えました。
テストは固定局で行なっています。それなりのアンテナが付いているのも良く受信できる理由だと思いますが、この受信では10dBのアッテネータをONして感度を落としています。
少々アンテナが悪くてもFT-817は高感度設計なのでJT65の信号を十分に捉えてくれます。トランシーバ自身の内部ノイズも少なめでした。 強力なフロントエンドを搭載できないポータブル機のFT-817ですから7MHzでは強信号特性が心配でした。そこで試しに10dBのアッテネータをONしたまま一晩ワッチしたところ50カントリー以上が聞こえました(見えました)。固定の大型機に遜色のない受信成績でしょう。
送信は良いアンテナでオンエアするなら1W以下が、アンテナやロケーションがイマイチなら2.5Wがお薦めです。 受信側の処理でS/Nが稼げるJT65では0.1Wと言うようなQRPPerもオンエアしています。 JT65では5WはQRPとは言えないパワーですし、FT-817で5Wの連続運用はリグにダメージを与える恐れもあります。 奇麗な信号でオンエアする意味からもQRPな範囲にとどめるべきでしょう。
写真右上の小ウインドウはGPSを使って時計を合わせるアプリです。先ほどのGPS受信機と一緒に使ってパソコンの時計を自動調整しています。GPS受信機の1ppsパルスに同期しているのではなく、NMEA 0183フォーマットで出力される時刻データに基づいています。従って一定のタイムラグが存在している筈ですが、JT65で必要な精度は十分に満たしています。 これで何処にいても常に時計の精度が維持できますから、送受信のタイミングずれの心配は無くなりました。
☆
JT65でオンエアする局も増えてきました。 もともと微弱な信号から文字を復調する目的で考えられた通信モードです。 移動局は電力的に厳しくアンテナも貧弱なことが多いので強い電波を発射するのは難しいでしょう。 そのため従来は微弱な電波に強いCWでの交信がQRPな移動運用の常識になってきました。 しかし、これからはJT65もそれに加わるかも知れません。 S/Nが0dB以下の信号・・・即ち耳ではノイズしか認められないような受信状態から文字列を復調できる能力があるのです。 パソコンの携行が必須なので装備はお手軽とは言えませんが、CWがあまり得意でないHAMには朗報と言えるでしょう。JT65-HFはタブレットPCでも起動できるので移動運用も一段と簡便になってきました。QRPな移動運用で世界中を相手にするのも夢ではありません。de JA9TTT/1
(おわり)fm
参考:関連のBlog内リンク:
(1)JT65Aでオンエア・様子見編→On the Air JT65,Part 1
(2)JT65Aでオンエア・製作編→On the Air JT65,Part 2
(3)FT-747でJT65Aにオンエア→On the Air JT65A with FT-747
TTT/加藤さん、おはようございます。
返信削除FT-817 JT65 I/F完成ですね!
移動運用での時刻合わせにGPSを使用されたところは最近の流行でミソですね?!
(腕時計もGPS搭載が増えています)
これで、移動でも時刻合わせの心配なく運用できます。
しかし、今回は詳細情報無しですね!
どこかで発表されるご予定がありそうですね! 期待しております。
当局も殆ど死蔵しているFT-817を活用しなくては(^^;;
JN3XBY 岩永さん、おはようございます。 豪雪が心配でしたが大丈夫でした。晴れています。hi
返信削除さっそくのコメント有り難うございます。
>最近の流行でミソですね?!
実際にJT65で運用してみますと、パソコンの時計の精度が重要なことがわかります。自宅でしたらWi-Fi経由でタイムサーバーを使った時計合わせが出来るのですが、屋外だと少々厄介です。 携帯電話網からアクセスと言う手も有りますがそれも勿体ないし・・・。
> 今回は詳細情報無しですね!
すみません。 詳しい内容は、今夏発売予定のQRPハンドブックの記事になるかもしれません。一応、記事の一案としてエディタさんに入稿しておきました。
> 殆ど死蔵しているFT-817を・・・
買っては見たものの、殆ど眠っているというFT-817は多いのではないかと思います。固定局で普通に使うには非力で使いにくいからでしょうね。 JT65でしたら、自宅で使ってもFBですからぜひ活用されて下さい。周波数もほぼ固定なので一度セットしてしまえば本体の操作も要りません。 パワーは小さいですが、JT65の特性で結構遠くと出来るようです。 消費電力が少ないので継続したワッチにも最適でしょうね。
加藤さん、こんにちは。
返信削除僕の所にも発売されてすぐに飛びつきその後眠っているFT-817がありますが(^^;)
FT-817+JT65はFT-817の新しい活用方法として流行るかもしれませんね。
加藤様、
返信削除遅ればせながら、本年も宜しくお願い致します。今日の記事に触発されまして、今日はJT65に出ています。昼下がりからMoscowがとってくれました。21.076MHz/5WのQROですが、最近はコンディションが悪くていけませんね。コンディションの良い時は1W以下でやっています。GPSの掲載記事が楽しみです。
JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんにちは。
返信削除コメント有り難うございます。
> その後眠っているFT-817が・・・
ちょっとしたお小遣いで買えそうで、コンパクトで430MHzまでのオールバンド、オールモード機に惹かれて購入したお方は多いのでしょうね。hi hi
> 新しい活用方法として流行るかも・・・
一旦セットアップしてしまえば操作は要りませんね。階層メニューとかFキー操作のような面倒もないです。クラリファイヤも不要です。hi せいぜいバンドのアップダウンくらいですかね。 各バンド、JT65Aの周波数に設定にしたので手間要らずです。固定局のサブ機としても悪くない感じ。眠っているFT-817で流行るかな?(笑)
JA9MAT 小町さん、こんにちは。 こちらこそ宜しくお願いします。 今日は雪でしょうか?
返信削除コメント有り難うございます。
> 今日はJT65に出ています。
そうでしたか! こちら一旦セットアップを解除してしまいました。 いますぐには出られません。 このところ、朝晩の14MHzと昼間の21MHzがまあまあのようです。 日没後は7MHzが非常に良いです。 何所かでお会いできたらFBですね。宜しく。
> コンディションの良い時は1W以下で・・・
オープンするとQRPでも楽に交信出来るのが凄いです。 1W以下でANTもGPと言うようなEu局ともQSOできました。hi hi
> GPSの掲載記事が楽しみです。
お読み頂いたんでしょうね? どうも有り難うございます。 aitendoのNEO-6Mが補充される度に1〜2日で品切れになっています。ご興味を持ったお方も多いようです。 このBlogの製作でも同じGPS受信モジュールを使いました。hi hi
JT65やJT9、WSPRはいろいろな意味で面白いモードなので、テレメトリーへの応用を含め(といってもK1JTが使っている誤り訂正のアルゴリズムには特許の縛りがありますけど)、アマチュアが遊ぶには楽しいと思います。
返信削除JT65の強みはなんといっても事前同期が可能であることにあって、正確な時刻同期のためにGPSを使うのは有効でしょうね。ただCPUパワー的には、いずれスマホでもどうにかなりそうな気がしていて(スマホの大半はNTPあるいは3G/LTEでの時刻同期が必須ですから)、難しくはなくなると思います。
ただ、JT65で解読できる信号の大半は、耳で聞こえます(少なくともそれなりのCW用受信フィルタを使っていれば)。0dB未満というのは、3kHzのフィルタを使った時の数字だと思うので、S/N比については(これはJT65モードそのものの売り文句に問題があると思うんですけど)もう少し割り引いて考えたほうがいいと思います。
Kenji Rikitake, JJ1BDX
JJ3BDX 力武さん、こんばんは。
返信削除コメント有り難うございます。
> アマチュアが遊ぶには楽しいと思います。
ラバースタンプなQSOが本当に交信なのかと言う疑問もありますが、今のところ完全なオートマチックではなく人間が介在していますから交信と呼んで良いと思っているところです。hi hi
> GPSを使うのは有効でしょうね。
同期がしっかり取れていないと復調できませんから何らかの手段で時計合わせの必要がある訳です。 自身の時計が幾分進んでいる場合は他局の信号は復調できますが、自身は復調しても貰えないので気をつける必要がありますね。
> 3kHzのフィルタを使った時の数字だ・・・
実際に、2.7kHz程度のフィルタを使うのが前提ですから、その状態ではS/Nは0dB以下でしょう。良く聞いてみてもノイズしか聞こえません。 やってみますと狭帯域のCWでは交信出来ない状態でもJT65ですと復調できるのがわかります。 いつか定量的にお試しになってみてください。 検証してみる価値はあると思います。
取りあえず実用性能は高いと思って遊んでおります。(笑)