ラジオ用ICチップでラジオが作れるのは当たり前です。単に普通のラジオを作りたいだけでしたら、メーカーの資料通り作れば間違いありません。 しかし、もう少し気の利いた活用がしたいものです。 それには自分で幾つか試すしかないでしょう。
参考:このBlogの前のPart-1はこちら。(←リンク)
活用に先立ち確認しておきたかったのは概ね次のようなものです。
(1)ANTコイル、OSCコイルの同調側はVccラインに接続したくない。
それで問題ないか?
(2)局発の発振レベルはどのくらいなのか? 外部から注入する時の基準として。
(3)AGCの効き具合は通信機用として十分なものか?
(4)感度(ゲイン)はどの程度あるのか? RFアンプやIFアンプの追加は必要か?
(5)IFTを省略して本当に実用性能なのか?
・・・などです。
いずれもHAM用受信機(受信部)には検討しておきたい内容です。 もちろん他にも細かい検討項目はありますが概ねこんな所で、実際に作って感触を得るのも大切な一つです。
まずはTA2003Pだけでもと思い実験回路で検討を始めたのですが、スピーカから音も出したくなってしまいついでにAFアンプも組込んだので単なる「ラジオ」のようになりました。(写真)
【TA2003Pの評価用ラジオ】
上記の回路図です。 530kHz〜1620kHzをカバーする中波帯のAMラジオになっています。 評価目的に従いANTコイルや局発(Local OSC)コイルは同調側がGNDに落とせる形式で設計してみました。 局発コイルに関しては、事前にブレッドボードを使った予備調査を行ないました。それによれば十分行けそうなので図のような回路に落ち着きました。
コイル部分を除けば特に目新しい所はありません。 概ねメーカー指定通りになっています。 なお、ありきたりのラジオを作るのが目的ではないので、アンテナ・コイルにバーアンテナは使いません。 電波暗室でもあれば別ですがバーアンテナを使うと外部信号を拾ってしまうので評価が困難なのです。 アンテナ同調回路に50Ω用のタップを出し、そこへ信号発生器:SGで信号を加えて評価します。(それでもハイゲインなので、評価中に強力な中波局が飛び込んで邪魔になりました)
☆アンテナコイル:
アンテナコイルのインダクタンスは同調側(バリコンの側)が304μHです。50Ωのタップは全巻数のGND側から3〜4%の所から取り出します。 TA2003Pへ行くリンク巻線の方は同調側巻き数の約20%としました。 いずれも一次と二次の結合が密なボビンに巻くことが前提です。 もしポータブルラジオを作りたいならバーアンテナにします。 インダクタンスを合わせ、巻き数比も概ね同じようなものを巻けば大丈夫です。
☆局発(Local OSC)コイル:
局発:Local OSCコイルのインダクタンスは同調側(バリコンの側)が144μHです。 TA2003Pへ行くリンク巻線は同調側巻き数の約20%としました。 こちらも一次と二次の結合が密になるボビンに巻くことが前提です。従って空芯コイルのようなボビンは不可です。 トランジスタ・ラジオ用の中波OSCコイル(赤色コア)やトランジスタ用IFT(455kHz用)を改造すると良でしょう。 ここでは東光の7PLA型ボビンを使い巻き直して自作しました。 なおこの局発(Local OSC)コイルと組み合わせるパッデング・コンデンサは320pF(330pFでも良い)です。 これらのコイルと一緒に使用するバリコンについては後で説明があります。
◎参考:コイルの具体的な巻き数が書いてないのは、使用するボビンが異なれば巻き数が違ってしまうからです。 初心者だったころには具体的なコイルの巻き数が欲しかったものでした。しかしまったく同じ材料が手に入らないと殆ど意味はありません。 インダクタンスと巻き数比の情報なら普遍性があるのです。ボビンを決めたら、まずは必要な各インダクタンスが得られる巻き数を求めます。(実測あるいは巻数チャートなどを使う) その得られた巻き数から2次側の巻き回数やタップの引き出し回数を比率で計算すれば製作に必要な具体的なコイルの巻き数が求まります。 なお、作例と同じボビン(7PLA)が欲しいお方にはSASE対応で差し上げています。
上記ラジオの全消費電流は、無音状態で:約8mA、常用音量で聞いているとき:約20mA、フルボリウムで;約80mAピークでした。 普通の使い方ならずいぶん電池の持ちの良いラジオになります。
【TA2003Pの周辺】
右側に2つ見えるコイルは手前が局発(Local OSC)コイル、その奥がアンテナ・コイルです。
TA2003Pの左側にある四角いブルーの箱型がIFフィルタで、セラミック・フィルタを使います。(詳細は後述) その右の青色で頭部が円筒の部品は電源ラインの高周波チョーク(RFC)です。 インダクタンスは10μHです。
アプリケーション・ノートの最少部品構成よりも多少部品数は増えますが、安定な動作を主眼に幾つか余分に追加しています。 電源ラインほか各所にあるバイパス・コンデンサもメーカー・アプリでは小さい感じがするので大きめの容量に変更しました。 但し基本は指定の応用回路を参照しています。 その上で、変更して様子を見ます。
【ポリ・バリコン】
AM2連-FM2連の4連ポリ・バリコンを使いました。
AM部は最小容量7.2pF、最大容量275pFの等容量2連バリコンになっています。 周波数範囲とこのバリコンの容量可変範囲に従ってトラッキング設計を行ないます。 その結果が回路説明の所に書いたコイルのインダクタンス値です。
BCバンド(中波放送バンド)なので神経質になることもありませんが、ツマミに近い側のセクションを局発回路に使い、その後ろのセクションをアンテナ同調回路に使います。 このバリコンのトリマ・コンデンサは背面に付いた分離型です。(次写真)
FMセクションは遊ばせています。
【トリマ・コンデンサ】
トラッキング調整に使うトリマ・コンデンサはバリコン背面に付属のものを使いました。 最小容量:1pF、最大容量は9.5pFです。4つ付いていて、うち2つを使いました。
配線のストレー容量は作り方によってかなり変わりますが、こうした半導体回路ではせいぜい10pF程度でしょう。(部品配置と配線が下手だともっと大きくもなるが・笑) そのため、トリマ・コンデンサとバリコンの最小容量を合わせた「浮遊容量」はトラッキング設計の要求値よりもだいぶ少なめになります。 その分を補わないと、きちんとしたトラッキングが取れません。 この製作例ではアンテナ同調側に15 pF、局発(Local OSC)側に22pFを補っています。(その分は、回路図に書いてありませんが必要な場合は補って下さい) トラッキング・エラーは最大8kHzくらいになる計算ですが、アンテナコイルのQ値などから見て支障のない感度差に収まっています。
【IFフィルタ】
このフィルタがラジオの選択度を決めます。 ここでは京セラ製のKBF455R-15Aを使いました。 6素子構成で中心周波数:455kHz、-6dB帯域幅:±7.5kHz、シェープ・ファクタ(-60/-6dB);2以下と言うものです。 TA2003Pの参考回路で指定のものより-6dB帯域幅は広めですがシェープ・ファクタはずっと良好です。 従って一般市販のAMラジオよりだいぶHi-Fi受信になります。
シェープファクタが良い(小さい)フィルタなら通過帯域幅を広げても混信で悩まされる恐れはありません。LCのIFTでは無理な特性です。 終端インピーダンス:1.5kΩ、挿入損失:6dB以下がフィルタの規格です。 帯域幅から考えて、移動体通信機のNBFM用に作られたものでしょう。既に製造中止のようですが今でも入手は可能です。 なお、村田製作所のセラミック・フィルタ:CFWLA455KEFA(旧型番:CFW455E)が同じように使えます。
こうしたフィルタは、通過帯域の端を出たノッチの外側に「跳ねっ返り」と称する信号の通過現象が存在します。それ以外にもスプリアス・レスポンスが存在するのが普通なのでフィルタ・メーカーもIFTの併用を推奨しています。 そのような訳で、まったくのIFT無しでは心配があるのでIFTも併用すべきと言うのが従来の常識になっていました。 そこで実際にどうなのか試してみる意味もある訳です。
結果から言ってしまうと何ら支障はないようです。 単同調のIFTが一つくらい追加された所で「跳ねっ返り」が解消される訳でもありません。 通過帯域の近傍にスプリアスがなければIFTの有無など殆ど感じないのでしょう。 IFTをすべて省略する思い切った設計もまずまず実用的なことがわかりました。
ここで使ったフィルタは一般ラジオ用よりも特性が良かったのも幸いしたようです。 隣接局の切れは抜群で夜間でも混信は気になりません。 帯域幅も±7.5kHzあるのでAM放送がなかなか良い音で聞けます。
【低周波アンプ;MC34119P】
最初はTA2003P単独でテストしていました。 評価の目的から考えて、それでおしまいでも良かったのですが基板の余白が有ったのでスピーカーを鳴らせるように低周波アンプを追加してみました。 このICも前からテストしようと思っていたものです。電圧ゲインは50倍(34dB)あります。
MC34119Pは、現オンセミ、旧モトローラ製のICで低い電圧でもパワーの出る低周波・パワーアンプです。 電源電圧2Vまで使えるので、乾電池2本の回路には適当です。 もちろん電源電圧が低下すれば最大出力も減少します。
IC内部は2つのパワー・アンプで構成され、スピーカーはBTL接続になっています。 従ってスピーカーの両端子ともにGNDから浮いています。低い電圧でパワーを出す必要からやむを得ませんが、すこし注意が必要です。 ヘッドフォン(イヤフォン)ジャックを付ける時は少々注意が要るのです。
音質はスピーカしだいですがOCLアンプなのでかなり低域まで伸びています。 パワーはMax 100mW少々ですが普通の静かな部屋なら音量不足は感じません。 このICは携帯機器用に作られただけあって、無信号電流が約3mA(@Vcc=3V)と小さいのも電池のラジオ向きです。
現在、MC34119は表面実装タイプおよびDIPタイプがサトー電気で買えます。表面実装型が@140円、DIPが@300円とのこと。 秋月電子通商では売り切れたようです。 セカンドソースではないので回路は変更になりますが、同等機能のNJM2073D(JRC)を使う方法もあります。 どうしてもMC34119PやNJM2073Dが入手できなければ、LM386を使って電源電圧を5Vにアップすれば良いでしょう。
【TA2003Pを短波ラジオに使う】
短波帯で使うのが目標の一つです。 短波帯で内蔵の発振回路を使う自励の局発も試してみました。 AM局が相手の短波BCLラジオならまずまず実用性がありそうでした。 しかし、SSBやCW用には内蔵の局発回路はいま一つです。 初期変動を含め全般的な周波数安定度は十分でない感じがします。 もちろん、さらなる工夫の余地はあるとは思うのですが・・・。
そこで「通信型受信機」に仕上げるには、局発は外から与えるのが手っ取り早いでしょう。 DDS発振器あるいは、周波数安定度の良いVFOを外付けするのが最も確実です。 外部からの局発注入方法は図の通りで旨く行きます。 外部発振器の一例としてDDS-VFOを別のBlogで紹介しているのでそちらでご覧を。
感度についてです。 共振した外部アンテナを使うのが前提のアマチュア局用受信機なら、このIC単独で十分な感度(ゲイン)があります。 なまじ中途半端なRFアンプなど付けない方が賢明でしょう。相互変調や感度抑圧が目立ってきます。 TA2003Pの電源電圧は3Vなので強入力特性は良くないはずです。 しかし、意外にも内部回路のレベル配分が良いらしく思った以上に健闘します。 なるべくそのままで使う方が全体のバランスが良いでしょうね。
参考・1:このTA2003Pを使って短波ラジオを作る続編があります。こちら(←リンク)
参考・2;TA2003Pのほか、各種ラジオ用ICを使ったラジオ製作の詳しい書籍(←リンク)が発売されました。
◎感度測定結果:中波帯のラジオを例に実測した結果を以下に示します。
測定条件は、周波数=1MHz、変調周波数=400Hz、変調度=40%、AMモード、50Ωアンテナ端子にSSGを接続しました。 入念なトラッキング調整を実施した後に測定します。
S/N=約20dBで、20dBμV・EMF(負荷端電圧:5μV/50Ω)の感度があります。S/N比は悪くなりますが、0dBμV・EMF(0.5μV/50Ω)まで十分な了解度があり、-6dBμV・EMF(約0.25μV/50Ω)までは信号の確認が出来ます。これは相当高感度と言う意味です。
SSB/CWの場合は6〜10dB程度の感度向上が見込めるので、通信機用として十分な感度(ゲイン)があることがわかりました。 不要とは思いますが、もしもプリセレクタ或はRFアンプを付加するとしてもゲインは10dB以下が良いでしょう。それ以上は性能劣化に繋がる筈です。
高感度だと言えば、今度は大入力特性が気になりますが、90dBμV・EMF(16mV/50Ω)くらいで復調信号(400Hz)に歪みが見られるようになります。 これはAGCで制御できなくなった為の飽和によるものです。 そこまではAGCが良く掛かって出力レベルは概ね一定に保たれます。AGCレンジは70〜80dBくらいはありそうでした。 SSB/CW用として製作した場合の評価はいずれ実施しましょう。思った以上に高性能なのが印象的でした。(追記:2013.05.12)
Sメーターが付けられます。FS=100μA程度の高感度メーターを使いフルスケールが概略2Vの電圧計になるようにして回路図の場所に付けるとSメーターになります。 AGC回路の電流を失敬している関係で電流の大きなメーターでは旨くありません。例えば1mAの電流計とかは不適当なので、外付けのDCアンプを付けるべきです。C-MOS OP-Ampのボルテージ・フォロワが簡単で良いでしょう。 同調指示器としても、Sメータがあると便利です。もちろん、通信型受信機には必須かも知れませんね。
BCLラジオとしては少し長めのアンテナを張ってやれば十分な感度が得られます。こちらの回路は短波用なのでIFフィルタにも狭帯域なものを使い混信対策をしてあります。
すでにお馴染み、世羅多フィルタ(せらだふぃるた)の付け方を書いておきましょう。
追加のIFアンプは不要そうに思いますが、信号の弱いHAMの電波にはもう少しゲインがあった方が安心かも知れません。フィルタロスを補う意味も有りますが、狭帯域化したことでS/N向上の分だけゲインアップが図れます。
2SK241を使った簡単なアンプを補っておきます。 使用するFETは2SK241以外に2SK439や2SK544が代替候補です。それがなければ455kHzですから2SK192Aも可でしょう。Idssランクは何でも良いです。
回路図の世羅多フィルタはCW用の狭帯域設計です。SSB用にはもう少し広くした方が良いです。 さらにCWやSSBモードの受信にはBFOが必要になるので、回路図に含めておきました。 このBFO部分は検討中なので参考程度にどうぞ。
強く注入すればBFOでAGCが掛かってしまう不都合があります。BFOの注入レベルは注入方法も含めて各自の実験項目です。良い加減のところを見つける必要があります。
☆ ☆ ☆
TA2003Pは流石に近代的なラジオ用ICです。 感度もAGC特性も昔の6石スーパーよりずっと優れていました。ごく強いAM局でさえ歪まず受信できるので驚きました。 シリコンを使ったデバイスでありながら、電源電圧2V以下まで動作するのも立派なものです。 HAM用の応用には幾らか外付け回路や部品が増えてしまいます。 それでも主要な回路ブロックは「完成済み」なので、簡単な短波BCLラジオや一歩進めて「通信型受信機」の製作に十分活用できるデバイスです。 これでLA1600が無くなっても安心ですね。
昨今はAMモードがリバイバルしています。 HF帯のAMには限界があると思いますが、例えばバンドの広い6mならローカルラグチューにもうってつけでしょう。 簡単なクリコンとTA2003Pの親受信機で6mバンドの受信設備が完成します。 感度も十分得られるし周波数安定度もDDS局発なら申し分ありません。 モダンでコンパクトな6m AM局が構築できます。 もちろん7MHzあたりのシングルスーパーも実用的なものが作れます。 手のひらサイズでも性能は9R59D以上です。 レトロな管球式受信機も面白いですが、ICを使ったコンパクト受信機もいかがですか? 送信機に組込んでトランシーバにも。 de JA9TTT/1
(おわり)
追記:このTA2003Pを使って短波ラジオを作る続編は、こちら(←リンク)
加藤さん、こんばんは
返信削除前回のBlogを拝見してTA2003Pは入手したのですが、
一緒に購入した6石スーパーキットを作って満足してました^^;
性能はやはり新しいICだけのことはあるようですね。
外付け部品の数も少ないですし、TCA440より入手性も良さそうなので色々遊べそうです。
DDSと組み合わせて6m AM機でも作りましょうか^^
青いICソケット、珍しいですね。
JE6LVE/3 高橋さん、こんばんは。
返信削除さっそくのコメント有難うございます。
> 6石スーパーキットを作って満足してました^^;
まあ、性能は似たり寄ったりでしょうねえ。(笑)
> 性能はやはり新しいICだけのことは・・・
意外に古いチップのようですが、ICで作ったAMラジオはどれも性能は良いようですね。
> 6m AM機でも作りましょうか^^
そう言うモノに良さそうだと思いましたよ。
> 青いICソケット、
古いジャンクですけれど、ヒロセかどこかの金メッキ品です。何でも良かったのですが、たまたま出て来たものを使いました。(笑)
こんばんは。続編ですね。
返信削除こちらは、あれからTA7613コンパチ(TDA1083/K174XA10)を入手してあれこれしています。このICの場合IF出力が差動のコレクタになっているのでTA2003のようにフィルタを繋ぐだけでは駄目でVccを接続する必要がありますが、AFアンプも内蔵しているので結構便利だと思いました。
IFを455kHzとしてNE612でプロダクト検波させると144MHzでもなんと0dBuVの信号が受信できます。さすがに455kHzだとイメージ混信が苦しいので手持ちの12.8MHzフィルタにするとfTのせいか20dBuV程度となりました。しかし、AM/FMの切り替えをAGC電圧を強制的に落とすことで行っているので、外部に出てくるAGC電圧をdual gate FETのG2にでも繋いでやればAGCに連動させてゲイン不足を補償することもできそうです。
これのフラットパッケージがあれば例のaltoids缶に組み込めそうな気がするのですが、さすがに無いみたいですね。
JH9JBI/1 山本さん、おはようございます。
返信削除コメント有賀とございます。
> TA7613コンパチ(TDA1083/K174XA10)を入手・・
低周波アンプまで含んだAM/FMのオールインワンのチップですね。 これも便利そうですね。入手先はeエレでしょうか?
> 144MHzでもなんと0dBuVの信号が・・・
意外に高感度なものが作れそうですね。 山本さんはVHF指向のようですから、そちらの方向での検討をされているのですね。 コンパクトで高感度なVHF機が作れそうですので、頑張って下さい。
> 例のaltoids缶に組み込めそうな・・・
あの缶は小さいですから、なかなかハードルが高そうですが、DIP-ICでも何とかなりませんか?hi hi
こんにちは
返信削除AYO/丹羽さんの本でTA7613の存在を知り、そのコンパチが東側の国ではまだ入手できるということで、入手してみました。多少の差異はあるように感じますが、ほとんど同じですね。よく調べてみると互換品が4,5種くらい出ていて各社のデータシートで補完し合うと結構面白いです。AM/FMでIF段や復調をどうやって共有しあっているとか、外部に出ているAGC電圧を利用したFMフロントエンドへの応用とか・・・。
等価回路をみると特性の揃ったTrが必要そうなのでディスクリートで再現というわけにはいきませんが、もうしばらくは容易に入手できそうなのでICとして使ってみようと思います。
缶については受信だけなら入りますね。送信or電池を入れると厳しくなるので、もう一声あればなぁというところです。
実験していて思いましたが(TA2003も事情は同じだと思いますが)、もう少しダイナミックレンジの大きなDBM ICがあれば良いのにと思います。IF出力は結構大きくなる(0.1~1V単位)のにSSBを復調しようとするとNE612やSN16913では過大入力になるので少しもったいないですね。これらのICはローパワー動作なのでゲインはあっても出力自体は小さいですから。かといって、TrやDiで復調するとBFOの出力の回り込み対策がそれなりに必要そうですし。
JH9JBI/1 山本さん、こんばんは。
返信削除> コンパチが東側の国ではまだ入手できる・・・
TDA1083はTEMIC/Simensの石なんですね。 どれがオリジナルなのかはわかりませんが、すこし毛色の違うチップのように感じました。 IFアンプが共用とは面白いICです。
> IF出力は結構大きくなる(0.1~1V単位)のに・・・
十分なAGC電圧を得る関係から、IFアンプの出口ではもう少し大きな電圧になることも有ります。 DBM-ICには過大なのでVRで適正な電圧まで絞って与えるようにしています。 少し損ですが、歪みを考えるとやむを得ないでしょう。
> BFOの出力の回り込み対策がそれなりに必要そう・・
Quad Diodeのパッシブな検波器と言う手もあると思います。 IC-DBMよりも大きめの信号が扱えます。
SSB/CW用ではないチップの活用ですから幾らか工夫も必要になりますね。hi hi
私も機会があったら買っておこうと思っています。 コンパクトなラジオの製作に良さそうです。
おはようございます。
返信削除>過大なのでVRで適正な電圧まで絞って
そうなんです。抵抗を入れるのでIFTのQが下がらないので結構IFTでの帯域制限が有効なのは良い副作用なんですけど。
AF出力が結構小さくなるのでローノイズのAF追加初段増幅がイヤホンで聴くと欲しくなります。
まぁ、455kHz IFだと中華DDSと組み合わせて50MHzくらいまでのゼネカバ受信が簡単にできるので面白いですね。イメージが邪魔ですけどHi。
今回テスト用に小型版のDDSモジュールを使ったので、また幾つか補充分を入手しました。こちらは3.3VのPLLタイプ125MHz発振器がついていたので問い合わせたところ5Vでも使用できるタイプであると(どのくらい信憑性があるか不安ですが)回答をもらいました。位相ノイズの問題は大きいですが、とりあえず3.3Vでないと使用できないということではないようですね。
JH9JBI/1 山本さん、こんにちは。
返信削除再度のコメントどうも有難うございます。
> AF出力が結構小さくなるのでローノイズのAF・・・
ある程度やむを得ないのですが、NE602/612ではかなり絞る必要があるのでしょうね。(笑) IC-DBMは歪み易いので、動作レベルを低く抑えて、あとは1〜2石のLow-Noise AFアンプを入れるのが合理的な感じですね。そう言う方法は面倒くさい?? hi
お書きのようにDDSを使うと周波数安定度良好なジェネカバ短波ラジオが作れますね。hi hi
> 3.3VのPLLタイプ125MHz発振器が・・・
3.3Vのオシレータを5Vで使うと異常に熱くなりませんか? どうも中華業者の言うことは信用できない感じです。(笑) 高い周波数が必要なら、ぜひ5倍OT発振で自作されて下さい。 山本さんなら簡単でしょう。 信号は奇麗になるし、消費電流も少なくできるので手間は掛かりますけれど良いと思いますよ。如何ですか?
御返事コメントありがとうございます。
返信削除>そう言う方法は面倒くさい??
AF用のLPFも含めてと考えてしまえば、オペアンプあたりを追加すれば良いだけで、それほど手間でも無いですね。面倒というより、せっかくのオールインワンICなので、出来るだけ付加物をつけずにコンパクトにできたらなぁという事です。そういう意味で少し惜しいと・・・。前回のコメントにも書きましたが、TA2003にしてもAM部を単純なダイオード検波でだしてくれたらその後にタンク回路をつけてIF出力がとりだせるんですけど、RFは出ないようになってるんですよねぇ・・・。
>お書きのようにDDSを使うと周波数安定度良好なジェネカバ短波ラジオが作れますね。
この構成に50MHzのホイップアンテナで、先日は7.195MHzのAMが聞こえました。CQ誌にもありましたが28/50以外でもAMが聞こえるんですね。28MHzも聞こえて今日はAMが続くなぁと思ったら実はFMだったというオチもありましたがHi
>ぜひ5倍OT発振で自作されて下さい。
5Vが使える設計になっているというのは今朝届いた返事でして、まだ5Vかけるとどのくらい発熱するかは見ていません。問い合わせたあとで3VをかけてスペクトルをみたらPLLだなぁと確認した程度です。
アナログデバイセスのデザインノートにも市販の廉価な発振器で綺麗な125MHzを出す物はないからこんな回路でクロック供給してねという参考回路が発表されていますね。たしかこちらは7倍オーバートーンでしたが。どうせ凝るなら2つならべて90度位相ずれにしてみたいなぁとチラリと思っていたりします。
JH9JBI/1 山本さん、こんばんは。 今日の北関東は風が強かったです。 やっと治まって来ました。
返信削除コメント有難うございます。
> 出来るだけ付加物をつけずに・・・
なるほど、そう言う意図ですか。 40dBで固定のようですが、内蔵オーディオアンプのゲインをアップすることは出来ないものでしょうかね。hi
> RFは出ないようになってる・・・
普通は変にIFが漏れると困るので、なるべく出ないようになっていると思いますよ。hi
> 先日は7.195MHzのAMが聞こえました。
常連さんがそのあたりの周波数でオンエアしていますね。 AMで出てみたいオヤジさんがが沢山いるみたいですよ。(爆)
> 実はFMだったというオチも・・・
はっは! スロープ検波で聞こえたんでしょうね。
> どのくらい発熱するかは見ていません。
異常ではないかと思うほど熱くなるんですよ。お試しを。お陰で暖まり切るまで周波数がずいぶん動きます。(笑)
> 参考回路が発表されていますね。
オーバートーン専用の水晶が手に入るなら良い回路なんですが、普通の水晶では無理が有るようでした。3倍で発振してしまうとか、まったく発振しないなど旨くない回路です。 本当は専用の7th-OT用水晶を作るべきなんでしょうね。 まあ、アマチュアですのでなるべく安く出来る方法が良いわけで。(笑)
ぜひいろいろやってみて下さい。
こんばんは。感度について追記されましたね。
返信削除家主さんと違う石の話題ばかりというのも気が引けますので、aitendoで仕入れた同等品(Hi)のCD2003で感度について少し調べてみました。
AM IF入力pin7に50Ω終端で直接30%変調のAMを入力して出力されるAF電圧を測ってみました。
電源は5Vです。
455kHzにて
50udBV/40mVpp, 60/240, 70/400, 80/416, 90/440,100/552(歪有),110/ほぼ抑圧
5MHzにて
50udBV/16mVpp, 60/128, 70/384, 80/400, 90/424,100/584,110/抑圧
10MHzにて
60udBV/40mVpp, 70/256, 80/400, 90/416, 100/408, 110/400(歪有), 120/抑圧
50MHzにて
80udBV/56mVpp, 90/304, 100/376, 110/240, 120/抑圧
となりました。
シングルスーパーで短波帯を大きくカバーしようと思うとMHz帯のフィルタとしたくなると思いますが、455kHzと10MHzで10dBくらいの差なので実用になると思います。ローバンドとハイバンドの2種類のフィルターと10dB程度の補償アンプでイメージ混信もあるていど防げるでしょうね。AGCの範囲も30~40dBくらいありますし。
回路図を拝見して気になったこと
50kΩのVRであればあまり影響はないと思いますが、データシートでは復調出力はケミコンでうけて直流カットをしていますので追加したほうがいいかも知れませんね。
JH9JBI/1 山本さん、おはようございます。
返信削除コメント有難うございます。
> aitendoで仕入れた同等品(Hi)のCD2003で・・・
CD2003も売っていましたか。 見落としていました。 こんど購入して差換えてみましょう。 ほかに、e-エレにはUTCの物もあるようなので、相互に比較してみると面白そうです。 そうなると、東芝の「ホンモノ」も欲しくなりますね。hi hi
> AM IF入力pin7に50Ω終端で直接30%変調のAMを・・・
興味深いデータを採取して頂き有難うございます。 IFアンプとは言え、意外に高い周波数までゲインがあるようですね。 2〜5MHzあたりのIFならまずまず行けそうな感じがします。 他の同等チップでも測定してみたいですね。
> AGCの範囲も30~40dBくらいありますし。
内部ブロック図にはありませんが、RFアンプとMIXERにもAGCが掛かっているようです。その分も合わせるともう30dBくらいAGCレンジがあるようですね。
> 50kΩのVRであればあまり影響はないと思いますが・・
復調出力端子には1V少々のDC電圧が出て来ますので電流の無駄を減らす意味でもCで切った方が良いですね。 実用上の支障は無いようですが、あとで追加しておきましょう。 よく見て頂きどうも有難うございます。
何かもっと実用的な製作に活用したいですね。 現状はBC帯のラジオですが、1mくらいのアンテナ線をANT Coilのホットエンドに接続して良く聞こえていますよ。(笑)
こんにちは
返信削除結果を振り返ると、データシートだと60dBuVで60mVrmsとありますから、変換利得とフィルター損失がつりあっている状態なのかなと思いました。
Vccが5Vであること、AF負荷に220kΩを使用したことも関係すると思いますが、最大電圧が0.4Vppであるのは立派です。データシートの60mVrmsが飽和値だと思っていましたが、室内での普通の鳴らし方だと100mW程度あれば十分(屋外だとヘッドホンを使うでしょうね)なので、AF段も20dBくらいの電圧利得があればとりあえずは良いですね。こうするとNJM386で1,8ピンをケミコンでつないで利得を稼ぐということもしなくてすみ、その分AF段由来の雑音も小さくできます。
直流カットのコンデンサについては実はTA7613で失敗しました。こちらは出力・入力ともにカットする必要があるのに片方だけ入れたので妙に音が歪むなぁと使用していて気付きました(笑)
>1mくらいのアンテナ線をANT Coilのホットエンドに接続して良く聞こえていますよ。(笑)
今回の実験でSGを接続するときにアース側の接続を忘れたらAFNが十分に聞こえてきました。同調もなにもしてないんですが、電灯線アンテナは偉大です(笑)
JH9JBI/1 山本さん、こんばんは。
返信削除コメント有難うございます。
> 変換利得とフィルター損失がつりあっている・・・
IFフィルタの前にRFアンプとアクティブなミキサがあるので、ゲインのあるフロントエンドになっているように思います。 普通はバーアンテナを使うので、高感度設計なのだと思いました。
> データシートの60mVrmsが飽和値だと・・・
実際はその倍くらい出ますね。 あと、100mWのパワーと言うのはスピーカー次第とは思いますが十分大きな音です。静かな部屋ではうるさいほどです。
> NJM386で1,8ピンをケミコンでつないで利得を稼ぐ・・
・・と言う方法は、少々ノイジーになりますね。
> 電灯線アンテナは偉大です(笑)
拙宅の実験場所(=シャック)は、アンテナの引き込みだらけですから、電界強度が大きいのかもしれません。 良く聞こえる筈ですよね。hi hi
こんばんは。
返信削除性懲りもなくaitendoに日立のHA1199がリストアップされていたので求めにいってみましたが、通販専売品とのことで入手できませんでした。ついででTA2003を入手したのでCD2003と同じ回路でテストしてみました。
以下が結果です。
455kHzにて
50dBuV/142mVpp, 60/176, 70/208, 80/278(歪有), 90/96,100/11.2
5MHzにて
50dBuV/88mVpp, 60/154, 70/174, 80/222, 90/174(歪有),100/32
10MHzにて
60dBuV/120mVpp, 70/164, 80/182, 90/290, 100/102(歪有), 110/9.2
50MHzにて
80dBuV/39mVpp, 90/132, 100/136, 110/65, 120/40
傾向としては同じとはいえ、飽和電圧、初期増幅度が異なるのが興味深いです。
実は、このデータを取る前に変調度40%でデータを取ってしまったのですが、AGCをAFで取っているためか、30%の方が結果的に出力が大きくとれる点がありました。例えば455kHzで50dBuVで30%だと142mVppですが、40%だと85mVpp、30%:88mV,40%:62mV(@5MHz)といった具合です。メーカーの相違、IF周波数の相違でぎりぎりのところをねらうと異なる最適点があるのかも知れませんね。
当所、CD2003を購入したのはIC表記にIDTというロゴがあったので86互換CPUを作っていたIDTの工場が作っているなら高周波にも長けているかとおもったからですが、IDT違いのようです。こうなると東芝純正TA2003だとどうなるのか興味深いです。
JH9JBI/1 山本さん、おはようございます。
返信削除再度のコメント有難うございます。
> HA1199がリストアップされていたので・・・
買っては見たのですが、外付け部品が多いので手をつけていません。 内部回路がわかるのは良いのですがちょっと面倒です。変換部のコイル構造も複雑でで・・。hi hi
> 以下が結果です。
興味深いデータ有難うございます。 周波数によってゲインとAGCの効き具合が変わるのでこうした結果になるのでしょう。 メーカーが違えば内部のトランジスタも性能が違う筈で、バラツキもありますからけっこう違いが出そうですね。
> 東芝純正TA2003だとどうなるのか・・・
私もそう思っていますが、今どき手に入らないかもしれませんね。 うっかりすると中国製のニセ東芝を掴みそうです。(笑)
とても面白いデータ、有難うございました。
河内と申します。
返信削除トラ技の記事を見て音の良いというところで心を打たれて作ってみようと思い部品を調べたのですが、村田のはデジキーであるようでしたがこの会社を使ったことがないのでもしわかったらCFWLA455KEFAかKBF455R-15Aの入手方法を教えていただければと思います。
昔のTORIOのチューナーを使っていてAMの帯域を広くできる機能が付いていて一番広くして聞いているとFMとも違うけれどいい音なんです。ストレートラジオだと感度がよくないし、ぜひ作ってみたいと思ったわけです。
河内さん、こんばんは。
返信削除トラ技の記事をご覧頂き有り難うございます。
お尋ねの品のうち、KBF455R-15Aでしたら「サトー電気」に置いてあると思います。通販で買えますので問い合わせては如何でしょうか? サトー電気は検索すればすぐにわかります。
Digi-Keyも個人でも普通に販売してくれますので特に心配はいりませんが、手数料が掛かるので小額の注文だと割高だと思います。
以上ご参考まで。
河内です。
返信削除紹介いただいたセラミックフィルターとアンテナコイルOSCコイルなど、サトー電気に注文して部品がそろってゆっくりゆっくり組み上げて完成しました。
かみさんは何かキーンという音が気になるといっていますが、高音がよく出てなかなかいいです。
実はストレートラジオは何回か作っていたのですが、スーパーは初めてだったのでトラッキング調整にやや手間取りました。居住地は千葉なのでNHKの594や693は送信出力も大きいこともあって高1ゲルマニウム検波のラジオでもよく入っていたのですが今回作ったラジオでは954は少々厳しいのですが1134、1242、1422はよく入ります。もう少し調整してみたいと思います。AFアンプのゲインが高くてVR相当絞ったところで聞いています。アッテネーターを入れようとすると発振してうまくないのでそのままにしています。
ありがとうございました。
河内さん、こんにちは。
返信削除レポート有り難うございます。 うまく行ったようで良かったですね。
より高感度にするには、大きなバーアンテナを使う、外部アンテナを付けられるようにするなど幾つか考えられます。
音量調整の件ですが、ボリウムの種類はAカーブのものをお使いでしょうか? もし、Bカーブのものをお使いのようでしたら交換してみて下さい。スムースに音量調整できるようになると思います。 ボリウムの型番のところにXXkΩ Aと書いてあればAカーブ、XXkΩ BとあればBカーブです。ご存知かも知れませんが、ご参考まで。