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2020年10月17日土曜日

【回路】Try the germanium transistor! Part 1

ゲルトラで作る送信機

(abstract)
An experiment in making a transmitter using Soviet-era germanium transistors. There are no germanium transistors in the Western world that can outout a lot of power in RF. The Western world, including Japan and the U.S., gave up on germanium transistors too early. The Soviet Union had them. I'm going to make a practical CW transmitter with germanium transistors of Soviet era, which I got from Ukraine. First of all, let's test the crystal oscillator circuit. (2020.10.17 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)

ゲルトラだって使って欲しい
 ゲルマニウム・トランジスタを使って送信機を作りたいと思います。 「ああ、あの蒸し返しね」って思ったお方は20年来のお客様です。hi 20世紀に忘れてきたゲルトラで7MHzの送信機を作ってオンエアする企画でした。 これから作るのはたぶん違うものになる筈です。

 ゲルマニウム・トランジスタを受信機に使う話は何度か登場しています。 シンプルなストレート受信機(←リンク)だけでなく、スーパー・ヘテロダインのほか、ごく最近も再生式受信機の検討の中で扱いました。 短波付きの2バンド・トランジスタ・ラジオがゲルトラで大量生産できたのですからHAMが交信に使うような「通信型受信機」ができても不思議ではありません。JA1AYO丹羽OM執筆の「トラ活」には製作実例がありました。しかし送信機ともなるとハードルが高いのです。 扱うのが数10mWといったローパワーなら、工夫次第で受信機用のトランジスタが使えます。 しかし高周波で数100mW、数Wという「ハイパワー」がハンドリングできるゲルマニウム・トランジスタはほとんど望めなかったのです。例えトランジスタ規格表には存在しても手には入りません。

                   ☆

 今となってはデバイスそのものが特殊です。同じものを再現するだけでも容易ではないでしょう。 製作は取り敢えずやめておき、ご覧になるだけがお勧めです。これはあらかじめ書いておきたいと思います。いつか機会が訪れたら試してください。

 数年前からロシア製・・正しくいえばソ連製ですが・・の半導体が手に入るようになりました。西側では1960年代でゲルマニウム・トランジスタの時代は終わりましたが、東側の世界ではもうしばらく続いたようなのです。そのため、ある程度大き目のパワーが扱えるRF(高周波)用のゲルトラが生産されたようでした。 それらが今になって余剰品放出されているのでしょう。 おかげで、あのころ実現できなかったような「ハイパワー」なゲルトラ送信機の可能性が見えてきたのです。
 写真・右の2つは国産のゲルマニウム・トランジスタです。左の大きなものがロシア(ソ連)製です。 これらを使ってまずは送信機の製作に適するような水晶発振回路の実験から始めたいと思います。

水晶発振回路
 ゲルマニウム・トランジスタで作る水晶発振器です。
 周波数は7MHzで、回路としては何の変哲もないありふれた「ピアース・CB型」の水晶発振回路です。
 同じ水晶発振回路でも送信機用は少し違います。 受信機用なら普通数mWもあれば十分ですが、送信機にはなるべく大きめの出力が欲しいのです。 もし発振器のパワーが十分あればその後の増幅段数を減らすことができます。増幅段が少なく済めば回路が簡潔になるのは当然で寄生発振(パラスティック)など不測のトラブルも少ないのです。

 発振回路から大きな出力を取り出すには、それが可能なデバイスが必要です。一般的なラジオに使うような高周波用ゲルマニウム・トランジスタでは〜10mWくらいがせいぜいでしょう。 テストに使ったトランジスタは一般的なRF用小信号トランジスタよりもパワフルなものです。 ここでは50mW以上の発振出力を目標にしました。きわどいトランジスタの使い方ではなく、安全に取り出せなくてはなりません。

 後ほど詳細は写真付きで説明しますが、テスト条件や得られた結果など左図にまとめておきました。

簡単な電信(CW)用送信機
 もっともシンプルな7MHz CW送信機は左図の(A)でしょう。 水晶発振器のあと電力増幅を行なっておしまいです。 電力増幅にゲインのあるトランジスタを使えば(A)のような2ステージの構成でも数Wのパワーが可能です。例えば以前試作したシンプルなトランジスタ送信機(←リンク)がそれです。リンク先の例では2ステージで3Wを得ており、QRP送信機としてはまずまず遊べるだけのパワーでした。(シリコンTrを使用)

 ゲルトラで作る場合も、終段電力増幅のトランジスタが十分なゲインを持っていれば2ステージで同様のパワーが得られるかも知れません。 しかし、過去の例を参考にしたいと思っても情報は何もないのです。定格(規格)が大きなゲルマニウム・トランジスタの扱い方も良くわかっていません。ゲルトラでそれだけのパワーが出せるものは手に入らなかったからです。 ちょっと参考になる話として、Yさんの実験によれば入力容量が大きい・・・従って入力インピーダンスがだいぶ低くてドライブ困難だったと言う例があるのみです。もう少し詳しく伺っておけば良かったと思っています。 これから自身でやってみるのですが、ドライブが難しいとなると2ステージで数Wは困難かも知れません。従って(B)の3ステージ構成になりそうです。(A)の構成で100mW程度を得ても目標には不足ですから、必然的に(B)の形式になります。

 20年前の実験ではたったの100mWと言うアウトプットを補う意味で水晶発振をVXO形式にしました。 QRPクラブのオンエア・ミーティングに参加するのが目的なら水晶制御の7003kHzだけの送信機でも十分かも知れません。 しかし少しでもオンエアの幅を広げたいのなら、やはりVFOやVXOは必須でしょう。機構部品の入手難からVFOは製作困難ですからVXOあるいはセラミック発振子を使ったVXO形式が有望でしょう。その場合、発振回路から大きなパワーを取り出す設計は得策ではありません。周波数安定度を良くするには消費電力を抑えた弱めの発振が好ましいからです。従って(C)のような構成が最低限のものになります。このさき実験してみた様子でどんな構成にするか決めたいと思います。

参考:QRPクラブのオンエアミーティングについて
 毎日曜日の朝、JST 08:30より7003kHz±のCWでシグナルレポートの交換が行なわれています。ただし近年参加していないので以前のような形式で行なわれているのか不明です。ちょっと前にワッチした際にはその時刻あたりになると何局かのQRPerが聞こえていました。たぶん、今でも日曜朝にオンエアされるQRPerは多いのでしょう。だとすれば、みなさん聞き耳を立てていますから自作QRP送信機を試す良いチャンスになるはずです。クラブ員でなくとも5W以下のQRPerなら誰でも参加できます。

2SA245で水晶発振
 2SA245は一般的なラジオ用ゲルマニウム・トランジスタよりパワフルなトランジスタです。但しパワフルとは言ってもコレクタ電流は-30mAが最大ですし、コレクタ耐圧も25Vしかありません。それでもラジオ用では-10mAさえも流せない石が多いのですからだいぶパワフルなのです。2SA245は実際にHF帯のトランシーバでプリドライバとして使われた例も見るので送信機への適性があるのでしょう。

 バイアス抵抗:R2とエミッタ抵抗:R3を加減し無理のない範囲でパワーが出るようにしました。もう少し行けそうでしたが、安全を見て発振時に-10mAくらい流すにとどめます。コレクタ電圧も安全を見て-9Vにしました。これで約15mWが得られます。トランジスタの規格からみてまずまずのパワーでしょう。 なお、2SA245はfTが非常に高いため、発振出力に含まれる高調波は多めでした。周波数特性を加減し、高調波を減らす目的でコレクタの配線にフェライトビーズを挿入しています。FB-!0!-#43を2個いれてまずまずになりました。

 2SA245クラスのトランジスタでは、シングルで50mWは困難そうです。コレクタ耐圧が低いのも不利です。2つパラに使って-30mA(2本分で)くらい流してやれば何とかなるでしょう。周波数特性は非常に良いため、もっと高い周波数・・・例えば21MHzや50MHz・・・の発振も可能でしょう。ただし周波数が高くなれば徐々に効率は落ちるはずで、得られるパワーも減ってくるものです。

Π609Aで発振させる
 2SA245の実験で何となく感触が掴めてきました。一段とパワーアップするためにΠ609A(P609A)で実験を進めましょう。

 Π609Aは幾分高い耐圧が見込めたので、Vcc=-12Vでテストしました。コレクタ電流もだいぶ余裕ができたので、発振している状態でIc=-30mAで動作させます。Ic=-30mAでは最大コレクタ電流に対して小さいため、fTがまだ十分に伸びていない可能性が考えられました。そこで、Ic=-30mAで実測して見ると150MHz以上あるので7MHz用としては十分すぎるほどでした。そのためコレクタのフェライト・ビーズは2SA245と同様に必要です。

 上記の条件でパワーは約80mWが得られました。コレクタ電流をアップし、出力側のマッチング回路を最適化すれば発振段で100mW以上も十分可能そうです。その場合、放熱フィンを付けて幾らかでも放熱してやれば安全でしょう。ゲルトラはシリコントランジスタの感覚で扱ったら壊してしまう危険性があるのです。

 それくらいの発振パワーがあれば2ステージでも数Wが期待できるかも知れません。もっとも、これは終段増幅器のパワーゲイン次第ですが。 従ってゲインの取れるファイナル用の石が欲しいところですが、なかなか甘くはないようです。このあたりの事情は続編で検討したいと思っています。hi

Π609Aはどんなデバイスか
 Π609Aの用例は見掛けないので、正確な目的や用途は不明です。どうやら高速スイッチング用のようで、民生用ではなく軍用品でしょう。
 コレクタ・ベース間耐圧:VCBO=-30V、コレクタ電流:Ic=-300mA(Peakで-600mA)です。コレクタ損失:Pc=1.5Wですが、これは放熱なしの状態でしょう。1.5Wは案外大きいように感じますが、ゲルマニウム・トランジスタですから接合部温度:Tj(max)=70℃であり、放熱しなければ許容コレクタ損失はだいぶ小さくなります。
 トランジション周波数:fTは標準値で120MHzとなっています。コレクタの接合容量は50pFです。これはかなり大きいですが、パワーが大きな石ですから当然でしょう。開封すればはっきりしますが、チップサイズはかなり大きいように思います。なお、ネットの検索では2SA374が相当品とありますが、実際はかなり違う特性のようで規格表で2SA374の項を見ても参考になりませんでした。Π609AはMesa型構造のように思います。

 形状は見ての通りです。パッケージの直径は約25mmです。太さ1mmの足ピンが出ており、コレクタはケースに接続されています。このままではブレッドボードに装着できないため、テストでは細いメッキ線をハンダ付けしました。 発振回路用ではなく、C級電力増幅器として使いフルに性能を発揮させたいなら十分な放熱が必要です。残念ながら耐圧(VCE)が-25Vと低く、Icも-300mAですから最大入力で3Wくらいまでが安全な範囲でしょう。 従って出力として1.5Wくらいが見込めそうです。(コレクタ飽和電圧:VCE(SAT)が大きいので効率は良くても50%くらいでしょう) Π609Aはより大きな終段増幅器をドライブする「励振増幅段」に適するかも知れません。fTが高いことから7MHzのアンプなら高いパワーゲインも期待できます。

参考:印刷されたロゴから、Π609AはLatvia(旧ソ連邦)のRigaにあるALFA社で製造されたトランジスタのようです。

2SA417で慎ましく
 最後に2SA417を試します。 2SA417もラジオ用のゲルトラではありません。スイッチング・スピードが早いコンピュータ用です。ゲルトラの場合、高速スイッチングさせるにはfTを高くなるように作るのが効果的だそうです。 2SA417は高速スイッチング用ですから必然的にfTが高くなったようです。ただし耐圧が低いのが難点です。VCBOは-15Vくらいしかありません。現物の実測もしてみましたが、耐圧の余裕はありませんでした。なお、コレクタ電流はIc(max)=-200mAと十分な大きさです。

 コレクタ電圧:Vcc=-7V、コレクタ電流:Icc=約-2mAで使ってみました。これはVFOやセラミック発振子のVXOを想定するもので、どちらかと言えば慎ましい動作です。 最大コレクタ電流が大きめですから、Ic=-2mAではfTが立ち上がらない懸念がありました。Mesa構造のゲルトラは小さめのチップでも意外に電流が流せるらしく、しかもfTの立ち上がりは早いようです。(実測:380MHz at Ic=-2mA)従って良好に発振しますが、発振波形を見てコレクタのフェライト・ビーズは必須でした。1kΩ負荷に2.75Vppが得られました。VXOのような送信機用ではなく、クリコンなどの局発用としても適当でしょう。
 なお、そのような受信機用でしたら、コレクタの同調回路はタップを使わず、全巻線を使う方が発振波形の点で好ましいようでした。少ないコレクタ電流なので、負荷インピーダンスは高めの方が良いわけです。受信機用の回路にはそのように最適化した方が好ましいでしょう。

                   ☆


 電子工学は実用の科学だと思っています。ですから今さらゲルマニウム・トランジスタなど持ち出したらナンセンスでしょう。 ここは趣味のサイトと割り切って頂くしかありませんね。(笑)

 趣味の世界ですからHAMの電子工作にも様々な考えがあると思います。 メーカー製のようなトランシーバや受信機を目指すのもFBでしょう。立派な目標だと思います。 ただ、高性能・高機能な市販品がまずまずのお値段で登場している現在、それと似たようなものを作ってもあまり面白味はないように感じています。(作ったこと自体はすごいと思いますが) むしろメーカーはやらないような(商売ベースで見たら少々ナンセンスな・笑)製作の方が楽しいように思うのです。ですからゲルトラや真空管で作るのもその一つかも知れませんね。 さらに単なる懐古趣味で古いモノを再現するのではなく、何か新しい要素も加えつつ楽しめたら良いなあ・・・と思っています。何か新たな工夫を加えたいですね。 ゲルトラは既に忘れられたテクノロジーでしょう。あえてそれで作っても大した価値はないに違いありません。しかし数Wのパワーが得られれば国内に留まらずDXと交信することも可能かも知れません。ゲルトラで数Wはかなり画期的です。(100mWではKH6とKL7とできましたが、西海岸はダメでした・笑) 今度は大きなゲルマ色の波で、あの時の西海岸のリベンジを果たしたいですねえ。(爆)

 最近はお空のコンディションがまずまずなこともあって、QSOに時間を取られがちです。電子工作の方は大分おろそかになっています。予定は遅々としている状況です。 しかもそろそろ初冬のコンデイションですからローバンドの飛びも期待できそうです。どうやら、そちらへ靡いてしまいそう。ですから次回のBlog「更新」は省略になりそうな雰囲気も。w 秋も深まり、夜も長くなってきました。そろそろお炬燵で蜜柑でも食べながら過去のBlogでも遡ってお楽しみください。読み返すと気付かなかった発見があるかも知れません。 ではまた。 de JA9TTT/1

つづく)←リンク nm

10 件のコメント:

  1. 加藤さん、おはようございます。

    ゲルマ色の波懐かしいですね、慶留間島ペディションもう20年前になりますか^^;

    ゲルマトランジスタといえばこどもの頃に愛用した2SA100や101、2SB56でしょうか、Blogに掲載されている写真の様なトランジスタは見たことありません。

    GeTrでDXはFT8送信機を作るのが手っ取り早そうですねw

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  2. JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、おはようございます。 今朝は本格的な雨が降っています。 気温も低くてファンヒータを入れました。もうすぐ冬ですね。

    早速のコメントありがとうございます。
    > もう20年前になりますか^^;
    光陰矢の如し・・・。あっという間の20年という気がしています。少なくとも20歳は若かったわけで。(あたりまですね・爆)

    > Blogに掲載されている写真の様なトランジスタは・・・
    いずれもラジオ用ではないので雑誌記事では見ないでしょう。昔の雑誌記事を見るとほとんど同じ型番のものばかりでしたね。お書きのような定番の石でした。

    > FT8送信機を作るのが手っ取り早そうですねw
    FT8ならQRPでもDXとできそうですからね。hi 基本的にSSB送信機になるので全部をゲルトラで作ろうとするのは結構大変だろうと思います。最低でも10石くらい(?)になるかも? 取りあえずCW送信機で行こうと思っています。 バンドは7MHzではない方が良いのかも知れませんね。 コンデイションさえ上がってくれば18MHzや21MHzが良さそうなのですが・・・。

    FT8だと受信機も作らなくちゃいけませんね。まあ、DC受信機でよければゲルトラでも可能そうですが。w

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  3. おはようございます。一時的なようですが、今日は季節が一気に進んだ感じです。外出を予定していたのですが、寒いからというのではなく、別の理由でやめることにしました。

    今回の記事で、旧ソ連製トランジスタの入手目的がよくわかりました。Ge-Trで送信機を作るプロジェクト、確かにありましたね。当時、私は外野席から見物していましたが、皆さんご苦労されたようで…

    熱暴走は別の用途で経験しているので、Si-Trと同じような感覚で扱うと痛い目に遭いそうなことはよく承知しています。温度上昇によりICBOが激増するのも、それに拍車をかけているのではなかろうか、と。

    それでも、VBEが低い分電圧利用率がよくなるので、カーステやラジカセなどのオーディオ出力段には最後まで好んで使われましたね。音質が云々という理由ではなく。

    2SA417は手元にありますが、確かに、大きさの割に少々馬力がありそうで、おまけにfTが高そうだと感じた石です。昔々、某所にひと山いくらで売られていたのでたくさん買いました。

    さすがに買いすぎたように思えたので、その後懇親会でかなりバラ撒きましたが、その後、使用レポートはまったく出てきませんでした。それらの石はその後どうなったのでしょうかねえ!?(苦笑)

    そういえば、昔2mでAMをやろう、という話が出たとき、FMチューナー用の2SA435がたまたま入手できたので、それで2ステージの送信機を作りました。出力は2mWくらいでしたが、終段を2SA417にしたらどうなったでしょうね。もしかしたら、発振段もこれでいけたのかも。今さら確かめる気はしませんが。

    ぜひ、Ge-Tr TXでFB DXをお楽しみください。お空に出る気が失せて久しいので、それすらやらないかもしれませんが、もしやるとしても、私は2SC32あたりまででやめておきます(笑)。

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  4. JG6DFK/1 児玉さん、こんにちは。 今日は一日雨のようですね。 冷たい雨で季節が一気に進みそうです。

    いつもコメントありがとうございます。
    > 旧ソ連製トランジスタの入手目的がよくわかりました。
    しばらく前からJBI山本さんとパワーの出るソ連製のゲルトラに注目していたのですが、私の方は実際に回路に入れて電圧を掛けるまでには至っておりませんでした。やっと構想が纏まって来たので始めたようなわけです。hi

    > 温度上昇によりICBOが激増するのも・・・
    ゲルトラの弱点ですね。少しの温度上昇で、ICBOが急増するのを考えておかないと簡単に壊してしまいます。サーマル・ランナウエー。シリコンの感覚で使うとイチコロでしょう。

    > オーディオ出力段には最後まで好んで使われましたね。
    低い電圧でもパワーが出ますね。 先日故人になられたJH1FCZ大久保OMとお話したことがあるのですが「ゲルトラの方が大きな音が鳴る」とのことでした。 実際に2SC1815ppと2SB77ppの低周波アンプを作って比較するとゲルトラの2SB77ppの方がパワーが出ます。けっこう歪みますけれどね。hi hi

    > 某所にひと山いくらで・・・
    児玉さんに何個か頂いたあと私も買いに行きました。使い道がわからなかったらしく、しばらく売っていましたね。耐圧が低いのが弱点ですが、ゲルマとしてはfTの高い良い石でした。

    > それらの石はその後どうなったのでしょうかねえ!?
    想像ですけれど、使い方が情報(=回路図)として具体的に提供されないとどなたも使わないのではないでしょうか。見ず知らずの石を積極的に使おうとする人は稀でしょう。私は好奇心で使いますけど。(笑)

    > 終段を2SA417にしたらどうなったでしょうね。
    もう少しパワー出たかも知れませんね。 ただ、耐圧が低いのでせいぜい-7Vくらいまでしか掛けられません。実測して見るとVceが-15Vmaxというのは掛け値なしの規格なので無理できないのです。それが残念な石です。

    > 私は2SC32あたりまででやめておきます(笑)。
    2SC32でぜひオンエアを期待します。発振、終段、変調にも2SC32をふんだんに使った50MHz AM機などいかがですか? 今ならまだ「わかってくれるHAM」も居られると思います。

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  5. JH9JBI/1 やまもと2020年10月18日 8:24

    DMありがとうございました。
    トランシーバー構成で周波数可変にしたいということもあってGT308の下位ステージを作って苦労したのです。
    周波数固定の送信機と単純に考えれば発振ステージからパワトラを使用すれば周波数安定度はかなり水晶に頼れるので構成が楽になりそうですね。こちらの構成の利点を忘れていましたHi

    CW/DC-RX構成なら21メガあたりまでならなんとか実用
    CB並(100mW以下)でよければ50メガがなんとかなりそうだと目処はあるのですが、形状としていろいろと対策のために出力の割にスペースが必要で移動に持っていくにはチョットというところが次回作の意欲につながっていないところです。

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  6. JH9JBI/1 山本さん、おはようございます。今朝は寒かったですねえ! 北関東は晴天になりました。

    いつもコメントありがとうございます。
    > GT308の下位ステージを作って苦労したのです。
    GT308とGT313を頂いていますが、308の方が電流が流せるので使ったのでしょうか?Ic(max)=-300mAですから、これも発振回路でテストしておけば良かったですね。あとでやって見たいと思います。P609のような無理に大きな石を使う必要もない訳で・・・。

    > 水晶に頼れるので構成が楽になりそうですね。
    はい、そうですね。 なるべくシンプルな構成にしないと途中で挫折するので2ステージか3ステージの構成でパワーを出すのが目標です。(笑)

    > CW/DC-RX構成なら21メガあたりまでならなんとか実用・・・
    今朝も21MHzを少しウオッチしましたが、コンディションさえよければQRP向きのバンドなので自作も楽しいと思います。あと数年で黒点が増えるのを待ちましょうか。hi

    > CB並(100mW以下)でよければ50メガがなんとかなりそうだと・・・・
    何とかなるでしょうね。 もっと耐圧が高くてfTも高い石があれば数Wの50MHz AM送信機も可能そうなのですが、AM変調は耐圧が高い石が必要なのが苦しいところです。 CWかFMが無難かなあ・・・。

    > 出力の割にスペースが必要で・・・
    石も大型ですし、バッチリ放熱しないと送信機は厳しいですからね。コンパクトとは反する要素ばかりですから。(笑)

    全ゲルトラの50MHzトランシーバも面白そうですのでぜひチャレンジされてください。 以前、製作されたIFアンプを活用すれば受信部は簡単にできそうですね。50MHzはGT313のようなfT高い石が活躍しそうです。

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  7. 加藤さん、
    すっかり秋になりましたね。昨日は小春日和だったのでベランダアンテナ
    を整備して冬支度していました。

    昔学研のマイキット100で「電子温度計」の回路がありましたが温度センサー
    がゲルマトランジスタでした。人肌で見るみる表示が変わりました。
    70年代のラジカセの走りを持っていましたが部品取り用に分解すると、ラジオ部
    はシリコントランジスタでしたが低周波増幅段はゲルマでした。トランス結合の
    プッシュ・プルで断面がP文字のヒートシンクでシャシーに固定していました。
    ゲルマの方がパワーが出るので敢えてシリコンにしなかったのですね。でも、
    しっかりサーミスタでバイアスの温度補償していました。

    私も2SA417を某所で大量買いしました。HI 昔の回路の再現のため買いましたが
    まだ実現していません。
    ゲルマSSBも70年代のARRL のSingle Side Band for the Radio Amateurに
    制作記事が載っていましたが流石ファイナルとVXOはシリコンTRでした。
    お持ちのゲルマTRも軍用だったとの事ですが、インド陸軍など古い無線機を使い
    続けている所では保守用として生産しているとい聞きます。

    返信削除
  8. JR1QJO 矢部さん、こんにちは。 スッキリした秋晴れになりませんねえw おまけに寒いです。さっきまで不調のインクジェットプリンタ と格闘してました。ダメそうな感じです。w

    いつもコメントありがとうございます。
    > 低周波増幅段はゲルマでした。
    測定上は同じパワーでもゲルトラの方が聴感では大きな音に感じるそうです。ラジカセのような乾電池の機器ではゲルトラの低周波アンプが好まれたのかも知れませんね。

    > 昔の回路の再現のため買いましたがまだ実現していません。
    ぜひ使ってやってください。 温度特性や破壊強度の点ではシリコンに劣りますが、2SA417のような最終期のゲルトラは周波数特性が良いのでRFでもよく働きますよ。 50MHzは勿論ですが144MHzでも使えるかも知れません。

    > 流石ファイナルとVXOはシリコンTRでした。
    むしろ軍用品の市場が大きい米国では早々にシリコン化が進んだようです。 拙宅にあるヒューズ社の軍用ポータブル・トランシーバは1960年代のものですがゲルトラはDC/DCコンだけで、他は全てシリコンTrです。 流石に当時の石では12Vではパワーが出なかったようでファイナル部のみ24Vを掛けています。 日本は民生用ラジオの用途が残ったらしく、意外に遅くまでゲルトラを生産していました。 某社は1980年代までブラジル工場で作っていたそうです。但しどれもラジオ用なのでRFでパワーが出るものはまずありません。僅かに100mWのCB機用があるくらいです。

    > インド陸軍など古い無線機を使い続けている所では・・・
    日本の自衛隊も1960年代の無線機を最終的に廃棄したのは1990年代だったようです。少々陳腐化しても暫くの間は保管しておき、万一の有事に備えているのでしょう。定期的な保守もしていたようです。 軍隊は案外しつこく古いものを使いますね。 真空管もかなり最近まで使っていたようですから・・・。ハイパワーな送信管は当然現役でしょうし。 アマチュア無線の方が最新型だったりします。(笑)

    返信削除
  9. 改めてこんばんは。冬を思わせるかのような寒さになりました。暑すぎるのは嫌ですが、寒いのはもっと嫌です。明日の晴天に期待しましょう。

    2SA417ですが、自作プラーザのアーカイブを調べてみたら、2002年に6mの終段として使えるかどうかの実験をしていたようです。それによると、当時、パラ接続で100mW近く出せそうな感触を得ていたようです。実験をした記憶はあるのですが、詳細はすでに忘却の彼方へ追いやられています(笑)。

    電力利得はかなり小さかったようです。10dBあるかどうか。また、CWでの値なので、AMならその1/4も出れば御の字でしょう。ちなみに、その当時も「バラ撒いたのにどこからも使用レポートがない!」とぼやいていたようです(爆)。

    これで、「2SA417づくしの6m機」という選択肢も出てきたような…

    黎明期のSi-Trなので仕方ありませんが、2SC32はその後出てきた石に比べるとかなり見劣りしますね。少なくとも1980年代後半まで現行品種だったとは思えないくらいに(笑)。これだけで6mのトランシーバを作るのは十分可能だと思いますが、高性能を期待するのは野暮かも。

    HFE(hfe)は40以上あれば合格のようで、これでもかなり厳しい値ですが、手持ちの中にはそれすら満たせずに弱っているものがいくつかありました。昔々、某所に1個100円で投げ売りされていた頃に少しまとめて買いましたが、手持ちを全部ひっくるめても6mのトランシーバ一式を賄えるほどの数があるかどうかは微妙です。

    昔々、あるOMさんから水晶制御で終段が2SC32の6m TX基板を3枚頂戴しましたが、探せば出てくると思うので、機会があれば回路を振り返ってみます。2ステージ版と3ステージ版があり、いずれも前段はS9011です。当時、FBな石が国産品になかったのでしょうか。

    返信削除
  10. JG6DFK/1 児玉さん、こんばんは。 こちら夕方には雨は止みました。明日の晴天を期待したいですね。

    再度のコメントありがとうございます。
    > 2002年に6mの終段として使えるかどうかの実験を・・・
    そんな昔に頂いたのでしたか! 死蔵していて申し訳なかったです。 実験的に使って様子を見ていたのですが、Blogでは一度も扱いませんでしたね。hi

    6mなら結構イケるのではなきでしょうか? ちなみにIc=-15mAでfT=600MHzくらいです。ただし、それ以上流すと急落するようなので-25mA以下で使うと良いでしょう。 意外にも受信機向きでしょうかね。hi

    > ・・」とぼやいていたようです(爆)。
    やはり、具体的な使い道がわからないと使ってもらえないのでしょう。 有名な石なら今でも欲しい人がいて怪しい中華モノで騙されるくらいですからね。 やはり知名度なのでしょう。hi

    > 2SC32はその後出てきた石に比べるとかなり見劣りしますね。
    すっごく見劣りしますね。特に黒いのが良くないようです。(笑) 銀色のは改良版なので幾らか性能が良くなっているようですよ。hi hi

    > 高性能を期待するのは野暮かも。
    昔の記事ではパワーを出すのに幾つかパラに使って電圧も18Vくらい掛けていたようですね。12 Vだとショボかったんでしょう。 古い石は電源電圧の利用率が悪いので仕方ないか・・・な。

    > ・・・機会があれば回路を振り返ってみます。
    何本かパラって1Wくらいの送信機で遊ぶ・・・というのが良さげですが、6mのAMって普段は誰も出てませんよね?? AMのロールコールって今でもやっているんでしょうか?? そう言うのに自作機で参加できたらFBだと思うのですけれど。 あとは山の上に持って行ってオンエアする・・・というのが楽しそうですね。hi 頑張ってください。

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