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2022年5月1日日曜日

Intermediate Frequency Amplifiers (1)

中間周波増幅器・その1

中間周波増幅なんて簡単?
 受信機の構成要素を味わいながら進めている「私だけの受信機設計」も回を重ね第5回になりました。今回は中間周波増幅器(IF-Amp.)を特集しその関連で少しだけAGC回路(自動利得制御回路)にも触れます。(参考:前回は(リンク→)プロダクト検波を扱いました)

 かつての真空管時代にあって中間周波増幅器は意外に画一的だったように思うのです。もちろん増幅段数の違いや増幅系統を分けると言った工夫も高級受信機では試みられていました。

 しかし電子デバイスを見ると「可変増幅率真空管」一本やりのように感じるのです。あまりバラエティがありません。それだけ優れた特性の球だったのですね。写真に「可変増幅率真空管:バリミュー管」を集めてみました。バリミュー管自体は古くからありましたがスーパ・ヘテロダイン形式のラジオが標準になると中間周波増幅器に使うのが常識化したようです。これは家庭用ラジオを扱い易すくするためにはAGC/AVCが必要だったからです。
 6D6と6BD6はラジオ受信機の定番球でした。6AB7/1853と6EH7は受像機の映像中間周波増幅のために作られた一段と高性能なバリミュー管です。

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 通信型受信機にあって中間周波増幅器はゲインの多くを受け持ちます。おおよそ半分くらいはここで稼いでいるでしょう。これは真空管式に限らず半導体式でも同じ傾向にあります。 しかしながら真空管と半導体では動作電圧が違いますし回路インピーダンスも異なっています。従って徐々に独特の回路へと進化して行きます。ここではそうした変遷について回路の特徴を見つめながら追いかけたいと思います。
 例によって自家製受信機の製作にいたる単なる雑談ですから「アナログな受信機」にぜんぜん興味のないお方はスルーでよろしく。(笑)

◎ 受信機にまつわる感想とか思い出はコメントでどうぞ。
 

中間周波増幅器は感度の源泉
 図はシングルスーパのブロック図です。登場は3度目ですね。
 今回は中間周波増幅器:IF-Amp.を扱います。 図ではIFT三つと2球あるいはIFT二つと単球の構成でサラリと書いてあります。 言うまでもなくこのような球式受信機の感度(増幅度)と選択度を決める重要部分です。

 AM/CW時代の球式受信機は平均値AGCであっさりと済まされています。AM受信はAGC/AVCで受信し、CWでは手動でスムースにゲイン調整できるならAGCなしでも済むからです。バリミュー管の特性はAVCにも手動ゲイン調整にも最適でした。 やがてSSBが登場します。SSBでは勿論ですがCWに於いてもバッチリAGCを効かせるのが常識的になって大きく変わったのはAGC回路でしょう。そこは左のブロック図にはありませんけれど・・・。

高1中2・通信型受信機
 左図はトリオが1970年代まで販売していた通信型受信機製作用のコイルパック:KR-42Cの取扱説明書から引用しました。
 回路としては同社の通信型受信機:9R42Jに類似でしょう。 ご覧の回路のように真空管の全盛期においてIF-Amp.部分はかなり定型化していました。

 IF-Amp.用に作られたバリミュー管の性能が素晴らしかったのでそれに全面的に依存してしまったからかも知れません。特に6D6、6SK7、6BD6のリモートカットオフ特性は素晴らしいものです。 SSB以前のAM時代の受信機としては単純なAGC回路(AVC回路)でもスムースな利得制御特性が得られたからです。そしてCWの受信ではAVC=OFFとして手動ゲインコントロールで受信するのが一般的でした。回路を見ればわかりますが、BFOをONしたらBFOによってAGCが掛かって感度が抑圧されてしまいますからね。 必然的に手動ゲインコントロールになる訳です。 この時代の受信機では最初の写真のような真空管が主役となって活躍しました。

#残念かも知れませんが真空管式受信機はさしあたってのテーマではありません。将来はわかりませんがとりあえず程々でやめておきましょう。もしも未練があるなら自身で研究されてください。趣味の世界ですからどんなデバイスを使おうと不合理と言うものはありません。自由・気ままに楽しむに限ります。

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中間周波増幅器のトランジスタ
 写真は中間周波増幅に(にも)使うトランジスタです。

 ゲルマニウム・トランジスタの時代にはIF-Amp.用のトランジスタがたくさん存在しました。高周波全般に使えるような周波数特性の良いトランジスタを作るのは難しかったからです。

 低周波用より幾らかトランジション周波数:fTが高いだけのIF-Amp.用にも存在意義がありました。このころのIF周波数と言えば455kHzが常識でした。 今ではゲルトラは趣味人のデバイスと化しています。使えない訳じゃありませんが具体的な回路の検討は省略しました。しかしシリコンのTrと大差なく使えるはずです。(ゲルトラは機会があればまたいつか)

 シリコンの時代になってからもIF-Amp.用のトランジスタは僅かに存在します。 ただ、実際に使ってみても汎用トランジスタとの違いは感じられませんね。従って汎用のシリコントランジスタ(汎用・はんよう=特に用途は定めず様々な回路に使えるトランジスタ)で十分なわけです。写真の2SC183や2SC372はそうした初期の汎用トランジスタです。今でも手軽に使っている2SC1815は代表的な汎用のトランジスタです。

 そのシリコン・トランジスタ(Si-Tr)にあって特徴的なのはフォワードAGC用のトランジスタでしょう。写真の2SC1855はその一つです。主にTV受像機の高周波及び映像中間周波増幅に使われたトランジスタです。 強力な信号の受信時に強いAGCを掛けてゲインを絞ると増幅器の性能が低下することがあります。 人間の目は耳以上にシビアに違いがわかってしまうためTV受像機では送信アンテナに近い強電界地域における画質劣化が問題になったのです。詳しくは後ほど触れますが対策用の増幅素子として登場した特殊な特性のトランジスタです。(参考:そのかわり普通の増幅回路には向きません)

 デュアルゲートMOS-FET(DG-MOS-FET)は5極管と良く似た特性を持っています。 以前のBlog「2ゲートMOS-FET RFアンプ」(←リンク)で高周波増幅での基本的な使い方を紹介しました。写真の3SK51はそのFETの一つです。 入力インピーダンスが高いと言った特性から真空管時代の回路技術を生かしやすい特徴がありました。 ただしシャープカットオフ特性ですからAGCの効きかたはバリミュー管のようには行きません。HAM用の無線機でも真空管から半導体への過渡期によく使われた半導体デバイスです。そして真空管のことなどよくは知らなくても、高周波用デバイスとして使いやすいため現在でも使われ続けています。

6石スーパのIF-Amp
 トランジスタ式受信機の原点といえば6石スーパです。トランジスタを6つ使った実用的なトランジスタラジオでした。

 真空管式のラジオでいえば5球スーパに相当します。5球スーパではIF-Amp.は1段だけの増幅でした。トランジスタの場合、1段増幅では必要十分なゲインが得難いことと入出力インピーダンスの関係から必要とされる選択度も得られません。そのため図のような2段増幅回路がトランジスタラジオの標準回路になりました。

 図の回路は「シリコントランジスタ活用辞典」(CQ出版社1969年:時田元明 著)から引用しました。 減電圧対策のためにバリスタダイオードを使って工夫された回路になっています。乾電池の消耗に備えた工夫です。それ以外はごく標準的なラジオの中間周波増幅器です。2段増幅で50〜60dBのゲインを得ています。 ごく一般的な平均値型のリバースAGC回路になっており、残念ながらあまり良くは効きません。 しかしAMラジオは近隣の放送局を受信して楽しむものです。信号強度が大幅に異なる放送局を聞くことは殆ど無いはずですから程々のAGCでも実用になるのです。 夜間になって聞こえてくる遠距離局の受信が難しいのは止むを得ないでしょう。

 60dBくらいのゲインがあれば通信型受信機にもまずまず使えます。但しAGC特性は物足りません。ダイオード検波したあとDCアンプなど補えばマシにはなりますがHAM用の受信機には不満が残るでしょう。 こうしたラジオの定番回路は平凡すぎるかもしれませんが動作は確実で安定しているため自作受信機でも十分参考になります。半導体を使った基本的な回路として真っ先に採り上げました。

BJTだって意外に使えます
 自作HAMにはおなじみのJA1AYO丹羽さんは初心者向けから高級な記事まで幅広く執筆されています。図は「模型とラジオ誌('84年廃刊)」に連載された製作記事からの引用です。(1979年12月号)

 どのようなコンセプトの連載記事だったのかは調べていませんが、雑誌の性格からオーソドックスな回路と入手容易な部品を使った初心者向けの通信型受信機製作記事なのでしょう。2SC372と言った当時入手容易で安価な普通のトランジスタ(BJT)だけで構成されています。今でしたら2SC1815や2SC2458が相当品です。

 左図の回路での注意点ですが、段間に使っている東光製の簡易型メカフィル:MFH-50Kはずいぶん前に廃番になっています。古いメカフィルは劣化が心配なので中古品も敬遠した方が良さそうです。
 MFH-50Kの代替品として秋月電子通商が売り始めた中華セラフィルとIFTの組み合わせが良いです。もっとも選択度の良いLTM-455IWを使うと9R-59D並みの選択度になります。SSB/CW用としては選択度不足ですが、まずまず使い物になります。なお、中間周波フィルタについては改めて扱うつもりです。

 トランジスタを使ったAM検波器とそれに兼ねた増幅型AGC回路になっています。珍しい回路ですが上記の6石ラジオよりも効きの良いAGCが実現されていると想像できます。AGCの時定数切り換えも付いてます。SメータはAGCで制御されるIF初段トランジスタのエミッタ電圧の変化を読みます。無信号時にゼロ点のバランスをとっておき、信号が強くなるとAGCが掛かってエミッタ電圧が下がり指針が振れます。メーターは100〜200μAフルスケールの感度の良いものが適当でしょう。たぶんON/OFF的なメータの振れ方だと思います。

 あまりAGCの効き方に拘らず安価に実用品をまとめるには良い回路のように感じました。 受信機なんて必要十分に聞こえさえすれば良いのであって安くて手軽なデバイスで実現可能ならそれで十分という考えもアリですね。

珍しいAGCのIFアンプ
 図はFETとシリコントランジスタを使って本格的な通信型受信機を製作すると言う記事から引用しました。「トランジスタ活用ハンドブック」からで、こちらもJA1AYO丹羽さんの執筆です。

 既にお気づきかもしれませんが、IF-Amp.とAGC(自動利得制御)は不可分です。決まっただけ増幅するだけの回路(固定ゲインのアンプ)なら簡単ですが、増幅度が変化する(変化できる)可変利得の機能を持たせると課題が増えるのです。

 図の回路は増幅器のエミッタ抵抗のバイパスコンデンサの効きかたを変えて可変利得を実現しようとするものです。 各トランジスタのエミッタに入った抵抗器(2kΩ)のバイパスコンデンサを取ってしまうと電流負帰還が掛かります。その結果アンプのゲインは大幅に低下します。このバイパスコンデンサの効き方を加減してやれば可変利得が実現できます。その加減にはダイオードの等価抵抗が順方向電流によって変化する特性を利用しています。

 原理は教科書にも載っていますから奇妙な回路というわけではありません。しかし、原理図ならともかく実際に採用したIF-Amp.回路はこれ以外に見たことがなく、初めて見たときは半信半疑で眺めたことを思い出します。これで十分なAGCの機能・性能が得られるのか疑問に感じたわけです。 執筆時期が古いらしく、結果を示すグラフはAM波が対象なので効果(性能)が判りにくいです。それが懐疑的に見えた理由かもしれません。ただ、こうした方法で必要なだけのゲインが得られコントロールも可能なら再評価してみたいと思いました。

                 ー・・・ー

 以上見てきたように、ごく普通のトランジスタを使ったIF-Amp.はAGCを考慮すると性能的に苦しいと思います。ゲインコントロールの範囲を広くするために増幅段数を増やすといったAGCに対応した設計が必要です。 しかし使うトランジスタはあまり増やしたくはないし・・・。ならば別のデバイスを使えば良いわけですが、入手容易な部品だけで実現できる回路には何となく魅力を感じてしまうのです。hi

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フォワードAGCのIF-Amp・1
 図はCQ出版社:HAM Journal誌No.46からの引用(JF1DMQ、JH1XTG、JH1GNUの3名のOM共著記事でpp93〜pp103)です。 高性能受信機の開発というより、それ以前の実験が目的かもしれませんがたいへん力のこもった記事でした。 なお、以下の説明は私自身の記述であり記事の要約ではないことに注意してください。

 普通のトランジスタの場合、コレクタ電流を下げて(小さくして)行くと利得(ゲイン)は下がります。6石ラジオのIF-Amp.でAGC回路に使われる方法です。結果として入力信号が大きくなるとコレクタ電流は減少する方向になるのでリーバース(逆方向)AGCと呼ばれます。 真空管のIF-Amp.でも同様です。グリッド電圧を下げ、プレート電流を絞りgmを下げてゲインを低下させるわけです。同じくリバースAGCです。

 トランジスタ回路の場合、リバースAGC形式でゲインを絞るとそのアンプはとても飽和しやすくなります。FETを使ったとしても同じです。 これは当たり前で、ロクに電流も与えない(流さない)状態の回路が大きな信号を歪みなく扱えるはずはありません。真空管と違い電源電圧が低いのもたいへん不利です。そのためIF-Amp.は入力信号が大きくなってAGCが掛かるほど歪み易くなってしまいます。(こうした方法でゲイン制御してはいけないことは近代設計の受信機では常識ですがここでは踏み込みません)

 トランジスタのコレクタ電流とゲインの関係を調べると、コレクタ電流を大きくする方向でも利得の低下が起こります。これはコレクタ電流が大きくなるとhFEが下がる特性があるためです。同時にトランジション周波数:fTも減少傾向になります。しかし普通のトランジスタの場合、壊れるくらいたくさんの電流を流さないと利得は目立った低下をしてくれません。近代的なトランジスタはそのような(優れた)特性になるよう作っているのですから当たり前の話です。

 フォワードAGC用トランジスタは、壊れるほどコレクタ電流を流さなくても十分に利得が低下するように作られた特殊なトランジスタです。普通のトランジスタでは欠点となるような特性を持たせてあります。コレクタ電流を増やすとすぐにhFEが低下するような特性です。同時にトランジション周波数:fTも激減するのは特徴的です。そのためコレクタ電流がある大きさを超えると劇的なゲイン低下が起こります。実際にフォワードAGC用トランジスタ:2SC1855のfTを実測して評価したことがあるのでリンク(→トランジスタのfTを実測する)を辿ってください。 グラフをみるとIc=5mAではfT>450MHzだったのにIc=20mAでは1MHzを割るほどの激減です。それでIcがちょっと増えただけで物凄く高周波の増幅性能が悪くなるのです。 普通のトランジスタではこんなことはあり得ないことです。 そしてAGCとしては大きな信号の時にコレクタ電流を増やす方向なのでむしろ歪みにくくなって有利な訳です。

 フォワードAGC用トランジスタの「ゲイン対コレクタ電流の特性」に着目して設計したのが図のIF-Amp.です。コレクタ電流を直接制御することに拘った設計のように感じます。各トランジスタ(2SC1855)のエミッタ側に可変型の電流源回路を構成しています。その電流源を電圧制御して広範囲なAGC特性を得ようと目論んでいます。 回路図の引用程度では説明し切れませんから詳細は原著をご覧になるのをお薦めします。HJ誌は雑誌ですから一定期間で処分されてしまうためローカルな図書館にはないかも知れません。出版社のコピーサービスが利用できるでしょう。大塚駅前のJARL資料室にもアーカイブがあったと思います。

 図の回路ですが、凄く考えられた入念な設計になってます。ですが複雑すぎて私には手に余まりそうです。試すほどの気力が湧かないのも残念です。できたらもっとシンプルな設計で済ませたいなあ・・・と思うのです。(笑)

フォワードAGCのIF-Amp・2
 これもHJ誌からの引用(1989年 No.59:pp25〜pp45:佐藤洋 著)です。同じ2SC1855を使っていますが、ずっとシンプルな回路になっています。

 通信型受信機の製作記事ではありません。スペアナの製作記事なのですが、IF-Amp.としての機能は類似しています。記事ではスペアナにLog表示させるためにフォワードAGC用トランジスタの特性を利用しています。 しかし目的は違っても受信機のIF-Amp.の要件にマッチしていますので十分参考になります。 もちろんAGCの効かせ方は受信機とスペアナではかなり違うため設計を変えなくてはなりません。主に時定数の持たせ方を変えれば良いのであって、IF-Amp.の利得制御の機能はそのままで良いと思います。

 同じ2SC1855を使った回路でもずいぶん簡潔です。これくらいなら製作意欲も湧きそうです。私向きかもしれません。(笑) 得られた性能を見ても十分すぎるくらいです。何しろ測定器に使おうというくらいなのですから。 どうやら複雑な回路でなくても実用的なIF-Amp.は実現できると思って良いでしょう。 フォワードAGC形式のIF-Amp.に挑戦するのには向いていると感じました。

 フォワードAGCでやれば強入力でも歪みにくい高性能なIF-Amp.が完成しそうですが弱点を忘れてはいけません。コレクタ電流の増加でhFEやトランジション周波数:fTが急減するという特性を利用してゲインを制御しています。従ってIF-Amp.の周波数はある程度高くないと旨く行きません。
 具体的には数MHz(5MHzくらい?)以上の「ハイフレIF」で使うべきです。455kHzでは低すぎてトランジスタの特徴を活かすには適当でないでしょう。フォワードAGC用トランジスタと言えども危ないくらい電流を流さないと十分に利得は下がってきません。トランジスタひとつあたり最大で30mAくらい流す必要があって、これはIF-Amp.としては明らかにやりすぎです。コレクタ電圧を下げなければ許容Pcをオーバーしそうです。やってみるのは自由でしょうが、合理性を欠いた無茶な使い方はちょっと恥ずかしいかも知れませんね。 せっかくチャレンジするなら数MHzのIF-Amp.に採用してみたいと思います。

◎ 参考までに、米軍野戦用トランシーバ:PRC-74BにはAGC機能はついていませんがフォワードAGC用トランジスタを使ってスムースで広範囲な(手動による)ゲインの可変を実現しています。IF周波数=1.75MHzです。このくらいの周波数でもなかなかうまく動作しています。簡単な内容ですが興味があればリンク先(→ハイレベルDi-DBM・Part 1)に紹介があります。

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DG-MOS FETのIF-Amp
 デュアル・ゲートMOS-FET(DG-MOS-FET)を使ったIF-Amp.を見ておきます。これはCQ誌1980年11月号pp287:JA1AYO丹羽さんの記事から引用した回路です。

 熊本Cityスタンダード(←参考リンク)からの影響でしょうか?アマチュアの自作品では2ゲートMOSを使ったIF-Ampもポピュラーでした。もっとも、TRIO/KENWOODのトランシーバでは主役として使われていましたので、その当時のスタンダードデバイスだった感があります。

 この回路は、後ほど触れるICを使ったIF-Amp.の代用として提案されたものです。ICを使ったIF-Amp.は「そのIC」がディスコン(Discontinue:継続しないの意で製造中止を意味する)になったらもう作れません。
 本来ならIF-Amp.専用のICを使った方が高性能ですが無い袖は振れないので代替で対策されたようです。機能は類似にできますが残念ながらICを使ったIF-Amp.のようなAGCの性能は望めません
 これはこれで部品の入手が容易なのが取り柄であり普遍性があって悪くない回路だと思っています。今は以前にも増して部品事情は悪くなっていますからね。

 この回路で作ってみるなら上の参考リンク先で紹介している「BF998」と言うヨーロッパ系のDG-MOS-FETを使うのが良いです。3SK59と同等以上の性能が得られるうえ通販で安価に入手できます。

MIZUHO SG-9
 上の回路ではミズホ通信機のSB-21を参考にされたとあります。SB-21の回路図は見つからなかったのですがSG-9の回路図を見つけました。

 少々複雑ですがSG-9はSSBの送受信ユニットですから送信の回路も含まれています。IF-Amp.について見るとDG-MOS-FETを使った回路になっています。JA1AYOの回路と比べるとAGCの掛け方に違いがあります。前項の回路では第2ゲートのバイアス電圧を制御してAGCを掛けています。しかもトランジスタを使った増幅型AGCになっています。 SG-9の回路はIF-Amp.が3段構成であり第1ゲートの方にAGCを掛けています。第1ゲートに掛けた方がAGCの効きが良いため単純な回路になっているのでしょう。アンプは3段ですからゲインも十分です。

 SSBの復調と送信時の変調兼用でDBM-ICのSN76514Nを使っています。SSB復調器にもゲインがあって全体的にかなりハイゲインな設計のようです。シングルスーパ構成でトランシーバを構成しようとするとゲイン不足に陥ることがあります。そうした懸念がないようタップリ増幅する設計のようですね。JA1AMH高田さん(故人)のポリシーがあるのだと思います。

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IF-Ampに使われたIC
 IC(集積回路)を使う目的な何でしょうか? 民生品用として開発された初期の説明では「小型化」が最重要視されていたように記憶します。例えば補聴器や超小型マイクロラジオのようなアプリケーションでした。

 しかしICがごく普通に使われ始めると主な目的はそこではなかったことが明らかになります。本質は「回路の再現性確保」にあったと思うのです。 ICの採用は誰が作っても同じ性能が得られる回路の実現に効果的だったからです。

 あまりIF-Amp.と関係のない話になってしまいました。話を戻しましょう。

 見てきたようにIF-Amp.はディスクリート(個別の)半導体でも構成は可能です。しかしICを使うと均質な性能が実現しやすいのも事実です。そのため徐々にICを使ったIF-Amp.も増えて行きました。 自作を扱う雑誌記事では均質な性能の実現は常に存在するテーマです。いくら魅力的な能書きが並んでいても筆者と同じ性能や機能が得られなければ記事の意義が問われてしまいますからね。ですからIC化で一定水準の性能が得られ易いならとても有り難いお話しです。

 これはメーカー機の量産でも同じ事情でしょう。ICを採用したRigも少しずつ登場しました。 写真はIF-Amp.に使われるICのほんの一例です。 ここでは触れませんがAD603ARは特にIF-Amp.に向いた高性能なICです。その素性についてはBlogで投稿済みです。少々使うのは難しいのですが、興味があればリンク(→ここ)で辿ってください。

八重洲FR-101のIF-Amp.
 日本のアマチュア無線機器で逸早くICが使われたのはFT-101だったと思います。 いや、Frontier ElectricのSuper 600GTBだよって仰るお方もあるかも知れません。まあどちらも大差ない時期に登場したRigでした。使われていたのは中間周波増幅器(IF-Amp.)と低周波部です。

 FT-101の場合、ICを使う意義はそれほど大きくはなかったように感じます。幾らか小型化には寄与したかも知れませんが他の部分がそのままでは大きな効果はなかったでしょう。コマーシャル的な意味だったのかも知れません。 しかし同じ回路はアマチュアに真似られてけっこう流行ったように思います。

 CA3053/CA3028A/TA7045Mはトランジスタ3つ抵抗器3本のシンプルな中身のICです。これら3種のICは同等品です。上の写真にあるLM3028Hもナショセミ製のセカンドソースです。 差動増幅回路が基本ですが、カスコード接続のアンプとしても使えます。FT-101では後者のような回路で使われておりAGCが掛けやすかったのが特徴でしょう。HF帯のIF-Amp.の場合、出力側からの帰還があるとAGCの制御範囲が狭くなってしまいます。カスコードアンプなら帰還は少ないため好都合です。もちろん「中和」など必要ありません。しかもICですから再現性が良く回路そのものをコンパクトに作れるのも有利です。

 FT-101ではCA3053を一つだけ使っていて不足分のゲインはトランジスタのアンプで補っていました。高級通信型受信機のFR-101はIF回路のプリント基板にゆとりがあったので2つ使ったのではないでしょうか。もちろん掛けられる部品コストにも余裕があったのでしょう。 お陰でゲインに余裕ができAGCの効きも良くなっています。 ICのCA3053,etcが入手容易なら今でも有望なIF-Amp.かも知れませんが全てディスコンです。代替法は他にあるのですから拘って入手しても意味はないかも知れませんね。

AGC付きIF-AmpのICは?
 再びJA1AYO丹羽さんのIF-Amp.が登場です。 図は「ハムのトランジスタ活用」(1980年CQ出版社:JA1AYO丹羽一夫 著:pp123)通称「ハム活」から引用しました。たぶん、入手性の関係だと思いますが丹羽さんは東芝のデバイスがお好きだったように感じます。TA7124Pは東芝のICです。

 TA7124Pはシングルインライン(足が一列に並んだタイプ)のICで、TV受像機の映像増幅用に作られたICです。初めから歪みの少ない利得制御が可能な回路になっています。リバースでもフォワードでもないAGC回路になっていて、あえて言うなら「分流型AGC」でしょうか。AGCが掛かると増幅している信号成分の一部をバイパスして逃すように動作するのです。そのため、単純にコレクタ電流を絞るといった動作ではないため大きな信号でも歪みにくいのです。消費電流もむやみに大きくなったりしません。

 TA7124P一つで得られるゲインは最大50dBくらいです。高性能な通信型受信機用のIF-Amp.としては不足なので2つ使う必要があります。AGC範囲は一つで60dB得られます。2つ使ったからと言って120dBにはなりませんが80dBくらいなら容易です。 内部回路は差動アンプ形式になっています。実験によれば出力回路にバランスした負荷の形式を使うと性能の向上が図れるようでした。バイファイラ巻きになっているFCZコイルなら好都合です。

 残念ですがTA7124Pの入手は余り望みがありません。下記のMC1350Pの方が有望ですが、これもディスコンから時間が経過しており入手は難しくなっています。

MC1350Pがルーツなんですが
 ある時期TA7124Pの入手は容易だったのでしょう。しかしそれはわりあい短かい期間だったのかも知れません。もともとTVの映像増幅用のICでした。TV用のICは高集積化がどんどん進んだので、IF-Amp.は他の回路とともに規模の大きなICに取り込まれてしまいました。もう個別の映像増幅用ICなど存在意義がなくなったのです。

 受信機のIF-Amp.用として有用な存在だったのですが、アマチュアの都合で再生産してくれることはないでしょう。この記事の筆者のJA1AYO丹羽さんも過去の記事の製作が継承できるようご尽力されたようです。各社の類似機能のICを試されたようですが、どれも同じ事情にあってデスコンばかりです。結局、意外にも残っていたモトローラ社のMC1350Pにたどり着かれたのでしょう。 東芝のTA7124Pは外観形状こそ違いますが、中身はMC1350Pのセカンドソース(互換品)と言えるものでした。 MC1350Pがオリジナルなのですから同じように使えて当然ですし性能の違いも殆ど無かったでしょう。 しかしMC1350Pも既に書いたように生産終了の状況にあり残念な限りです。(参考:だいぶ価格が上昇していますが何とか手に入るようです)

 ICは便利な存在ですが、それがなくなると一発アウトの憂き目です。(笑)

 全くの与太話ですが個人でも昔のICを再生産してもらえそうです。たぶんウン十万円で可能でしょう。 お話を伺ったことがあるのですが意外に安そうな印象でした。 米国の会社なので東芝のTA7124Pは難しそうですがモトローラのMC1350Pなら間違いなく可能そうです。MC1490PかMC1590Gでも良いでしょう。どれも内部のシリコンチップは同じの同等品ですから。 お金が余って困ってるOMサンが発注していただけると自作HAMに感謝されるかも知れません。(爆)  →→ Lansdale Semiconductor社へどうぞ。

                 ☆ ☆ ☆

おしまいにIF-Amp.に求められる要件をまとめておきましょう。

 まずはAGCが掛かる以前にどれくらいのゲインがあるかです。フルゲインで何dBかということです。他の部分との関連もありますが、通信型受信機として最低でも60dBは必要です。AGCとも関係しますが、歪みなく深いAGCが掛けられるのであれば80dBくらいあっても良いでしょう。

 次に、IF-Amp.の帯域幅ですが昔の真空管式受信機ではIF-Amp.の全段で必要な選択度を得る設計でした。半導体の受信機の場合、球と類似の設計では苦しいので選択度は専門の「フィルタ」で得るべきです。IF-Amp.で選択度の追求はしませんが、広帯域なノイズを低減するためにIF-Amp.の帯域は絞った方が有利です。

 重要なAGCですが、どの辺りの入力から効き始めてどれくらいの入力範囲で一定した出力電圧が維持できるかがテーマになります。さらに、過渡応答のような時間的な要素があるのでかなり厄介です。その受信機の実使用時の操作フィーリングが決まる部分なだけに十分検討をしたいところです。AGCについては機会があったら改めて考察したいと思っています。

 IF-Amp.の要件の最後は出力の大きさです。大きさがわかれば検波・復調器とのインターフェース設計が可能になるでしょう。出力インピーダンスと合わせて知っておきたい項目です。

 高級な話としては、AGCの掛かり具合に応じたIF-Amp.自身のIMD特性の傾向把握があります。IF-Amp.はハイ・ゲインなので測定しにくい面もありますができたら知りたい特性でしょう。特にSSBの復調音にはかなり影響があるはずだからです。

                   ☆

 少々経験不足のお方を惑わせたり、物知り顔の受け売り者を増長させるのは本意ではありません。ですから難しい話もそこそこが宜しいのかも知れません。それでもIFフィルタを含むIF-Amp.とAGCまわりは通信型受信機の心臓部にあたります。ですから少々踏み込まずには済まされないのです。 次回はIF-Amp.の実践編を予定します。 Simple is the Best.を信奉している(大笑)ので凝った回路はご期待されませんように。 ではまた。de JA9TTT/1

つづく)←リンクnm


私だけの受信機設計・バックナンバー】(リンク集)

第1回:(初回)BFO/ビート発振器の回路を検討する→ここ
第2回:BFO/ビート発振器の実際と製作・評価→ここ
第3回:プロダクト検波器の最適デバイスと回路を研究する→ここ
第4回:プロダクト検波器の実際と製作・評価→ここ
第5回:I-F Amp.中間周波増幅器のデバイスと回路の検討→いまここ
第6回:エミッタ負帰還型AGCで高性能I-F Amp.を作る→ここ
第7回:I-F Amp.増強とPIN-Di詳細/(含)簡易フロントエンド・IF-フィルタ→ここ
第8回:DDS-IC・AD9833で周波数安定で便利な局発用発振器を作る→ここ
第9回:高性能フロントエンドで活きる最適デバイスとその活用の実際→ここ
第10回:フロントエンド・Bus-SWとハイレベルDiミキサを比較する→ここ
第11回:古いAM/FMチューナが高性能なプリミクスVFOに大変身→ここ
第12回:音色が良いAF-CWフィルタと低周波アンプを作る(最終回)→ここ

18 件のコメント:

  1. JK1LSE/本田2022年5月1日 9:06

    おはようございます。ちょっと、肌寒いですね。
    フォワードAGCに興味を持っていたのですが、その頃は既にデバイスが手に入らず、諦めました。電流を増やすとゲインが下がるっていうのに魅力?を感じました。
    結局、2SK241の3段Ampにしたのですが、AGCの検討が不十分でした。一応、実用にはなったのですが、もう少しやりようがあった気がしています。
    広帯域だと最終段がノイズでサチる?ので適度な段間のフィルターで帯域を絞った方が良い気がしました。IFアンプも奥が深いですね。

    返信削除
  2. 加藤さん、おはようございます。

    なかなかの大作ブログになりましたね。
    今回の内容では、特にAGCの下りが参考(勉強)になりました。

    自作派も私程度のレベルですと、できた!聴こえた!で終わってしまうことが多々あります。
    自己満足で完結してしまうんですね。

    従って、AGCは付いていればいい程度でした。
    仰せのように、ラジオならまだしも、通信型となると・・・が、今更ですが、よくわかりました。

    今回のコメントに、受信機にまつわる感想とか思い出のコメント とありますのでほんの少し・・・
    市販品ですと9R59、JR60、など好んで使いましたが、いちばんはSR200(でしたか?)です。
    ゲインがあり、10mでもそこそこいけましたし、何といってもハイフレのIFとシングルクリスタルのIFフィルターが新鮮でした。
    可変選択度にしたり、いじりました。
    自作では、良いIFTが入手できず苦労しました、今なら今回にもあるようにセラフィルの活用ができましたねえ。
     そういう意味で、少し後発で9R59Dは憧れでもありました。

    長々となってしまいました、続編期待!

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  3. JK1LSE 本田さん、おはようございます。 急に暑くなったり、朝晩の寒さが戻ったりで、体調管理が難しいですね。hi hi

    さっそくのコメントありがとうございます。
    > その頃は既にデバイスが手に入らず・・・・
    2SC1855があまりにも有名になり過ぎてしまいあっという間に枯渇しましたね。 実は他にも適当な石は幾つかあります。 私はすごく昔に買った2SC605を使って好結果を得ていました。他にも適当なトランジスタはあるので2SC1855にこだわる必要はないでしょう。 改めてチャレンジされてください。

    > 2SK241の3段Ampにしたのですが・・・
    3段増幅すれば十分ゲインが得られたでしょう。 K241は内部カスコードなので帰還容量が少なくてAGCも効きやすかったと思います。 AGC系にもゲインを持たせると良かったのかも知れませんね。

    > 帯域を絞った方が良い気がしました。
    ハイゲインなIFアンプは帯域を絞らないとノイジーになりますね。 KenwoodのTS-180ではIF-Ampの最後の所にもクリスタルフィルタが入るようになっていました。 これは効果的ですが少々やり過ぎかも知れません。 送信の時のスピーチプロセッサの機能を兼ねたものです。

    > IFアンプも奥が深いですね。
    デバイスの種類も多いですし、AGCが関係するのでたいへん奥深いですね。hi hi

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  4. JA8CZX 矢北さん、おはようございます。 北海道にも春が訪れて良い季節になりましたね。

    いつもコメントいただき有難うございます。
    > 特にAGCの下りが参考(勉強)になりました。
    昔はIF-Ampは増幅すればOKと言った説明が多かったのですが、実はAGCはもっと大切です。良好なAGCが無理なら手動ゲインコントロールの方がマシなくらいです。hi hi

    > 自己満足で完結してしまうんですね。
    初めは聞こえたらOKのレベルでも良いんですが、使っているうちにだんだん不満になってくるんですよね。・・それでどんどん自作の泥沼に。(爆)

    > いちばんはSR200(でしたか?)です。
    シンプルな回路構成でしたが、かえってそれが良かったのでしょう。 それとハムバンド専用になっていたのも有利だったと思います。 9R59/Dのようなオールウエーブ型はHAMバンドの受信ではだいぶ不満がありましたから。

    > 少し後発で9R59Dは憧れでもありました。
    3.5MHzと7MHzなら結構使い物になったものでした。周波数安定度もまあまあでしたので・・・。ハイバンドは厳しかったです。 BCLなら別ですがHAMにはHAMバンド専用機の方が扱い易かったですね。

    水晶制御でA3にオンエアしていた頃は高1中2でもマズマズだったんですけれど。(笑)

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  5. おはようございます。暑いくらいの日も出てくるようになりましたが、今日はBFな天気で気温は下がるようです。明日と6日はカレンダー通りで、テレワークとも無縁です。

    真空管は使用する回路の特性に合わせて設計されたものが数多くあったように思いますし、周波数変換管のように1本でICに匹敵する機能を持たせたようなものもありましたから、ヒータ電力や大きさ、堅牢性の問題がなければ、まだまだ生き残れたかもしれませんね。もっとも、信号処理はことごとくデジタル化されていますが…

    取引価格が上がってきている6BA6などと違い、6EH7は性能の割にまだまだ安価なので、うまく使いこなせればお得だと思います。広帯域増幅が前提の球なので、6BA6のような使い方をすると、ほぼ間違いなく発振するでしょうが…

    AMのトランジスタラジオでもAGCの効きを改善するため、ダイオードAGCを併用した回路もありました。無信号時は逆バイアスですが、AGCがかかると順方向にバイアスされ、IFT-Aの一次側をQダンプするという仕掛けでした。オーバードライブ対策のダイオードをコンバータの出力に入れるだけ、という単純な回路もありました。

    アナログの中波ラジオはバーアンテナとの干渉があり、IFアンプの性能を上げる余地はあっても感度をある程度以上にはできず、もどかしいです。ついこの間、興味本位でDSPのラジオキット(といっても、ラジオユニットは完成品)を組み立ててみましたが、そういう縛りがない分感度はよかったです。

    IFアンプ用の石で真っ先に思い浮かぶのは2SC380(東芝)や2SC829(松下)です。これらは地方の部品屋でも入手しやすかったですが、どちらかといえば超再生検波で使うことが多かったです。悪名高い(!?)2SC460(日立)もそうですね。フォワードAGC用の石は2SC382(東芝)が何本かあったと思います。

    AGC特性を重視したデュアルゲートMOS-FETはNXPが最近まで生産していましたが、全滅したようです。そういう時代なのでしょうね。かつての定番品種も探せば出てくると思いますが、この先、アナログの受信機を何台も製作することはないでしょうから、これ以上集めても棺桶行きになるだけでしょう(笑)。

    MC1350もまだありますが、出番はないですね。いい加減活用しないとお化けが出るかも!?(笑) 確かに、ICはディスコンになると万事休すですが、性能・再現性・小型化の点で譲れないところがあります。ディスコン品を再生産してくれそうなところもあるようですが、私自身、その必要はなさそうです(笑)。

    駆け出しの頃はCATVコンバータの設計部署にいて、そちらはスクランブル処理の関係もあってIF出力までのチューナーユニットでしたが、テレビの方は映像と音声までが出てくる一体型のチューナーユニットが主流になりつつありましたから、その頃から単体の映像IF用デバイスは出番が減っていたかもしれません。

    SSB時代以降、AGC設計の難易度が増したのではないかと思いますが、今ではDSPのアルゴリズムに置き換わっているのでしょう。今でこそひと山いくらですが、RF用のトランジスタが決して安くはなかった昔にダイオード接続で使用するのは贅沢の極みだったでしょう。

    ミズホのSG-9は懐かしいです。もっとも、ライセンスを取得する前に雑誌の製作記事を見ただけで、現物に触れたことはありません。当時はVFO-5/7もありましたから、SSB/CWトランシーバを製作したい人にはありがたい存在だったのではないかと思います。

    ちなみに、P-7DXの受信部もIFが3段でした。同様にIFTの二次インピーダンスが低いので、IF利得はそれほど大きくないと思いますが、無信号時のノイズが多いという印象があります。

    「模型とラジオ」も懐かしいです。とはいえ、それほど縁はなかったのですが、1970年代から80年代前半頃はラジオや無線通信が趣味の花形でしたから、あらゆる工作雑誌で取り上げられていたのでしょう。もっとも、当時はラジコンの送受信機を自作するのも当たり前でしたから、模型ファンも無線通信と無縁ではなかったはずです。

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  6. JG6DFK/1 児玉さん、こんにちは。 今朝はどんよりした空模様です。 昼近くなって少し明るくなってきた感じです。

    いつもコメントをいただき有難うございます。
    > ヒータ電力や大きさ、堅牢性の問題がなければ・・・
    あとは寿命が有限であると言った特性が生き残れなかった理由でしょうね。 トランジスタを発明した理由は保守メンテの簡略化が一番大きかったようですから・・・。

    アマチュアが使う分には寿命は気になりませんが、発熱がすごいので規模の大きな受信機は限界があると思いました。例えばR390A/URRのような・・・。

    > 6EH7は性能の割にまだまだ安価なので、うまく使いこなせればお得だと・・・
    IFTをタップダウンすると言った使い方ならうまく行きますが、そういうIFTって売ってませんしねえ・・・。フツーのIFTでも1段増幅くらいなら何とかなりそうですけど。(笑)

    > ダイオードAGCを併用した回路もありました。
    コンバータ回路とIFアンプの間に入れるアレですね。 非常に強いラジオ局の受信時にQダンプしてゲインを殺すと言った回路になってましたが、多分あれはラジオ専用でしょうね。

    > 感度をある程度以上にはできず・・・
    IFアンプのゲインが過大だとバーアンテナがピックアップになって発振してしまうんでしょうね。hi hi トランジスタラジオはアンテナが同居しているので難しくなってしまうんですね。

    > フォワードAGC用の石は2SC382(東芝)が・・・
    これもうまく使えると思います。非常に古い石ですね。(笑)

    > ICは・・・性能・再現性・小型化の点で譲れないところがあります。
    単純な電子部品というよりも「機能ブロック」ですからねえ。やはりICは有難い存在だと感じます。

    > 今ではDSPのアルゴリズムに置き換わっているのでしょう。
    もちろんそうなのですが、実際に受信してみるとその弱点も感じられますね。 処理にかかる時間の分だけ遅延してそれがネックになっているのを感じます。 CWなど信号の頭でオーバーシュートするのがわかります。(気になります・笑)

    > 当時はVFO-5/7もありましたから、SSB/CWトランシーバを製作したい人には・・・
    VFOは周波数安定度を決めるので、既製品の存在は有難かったです。今はDDSやPLLで行けるので良い時代ですね。

    > 模型ファンも無線通信と無縁ではなかったはずです。
    ラジコン(古いねえ・笑)は今でも全盛ですが、VUHF帯のデータ通信方式ですね。自作するにもユニットの購入になっているようです。技適必要ですし。hi hi

    今回のBlog、たくさんコメント頂け、じっくりご覧いただけたようでどうも有難うございます。

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  7. 今日は。今日は寒い、関東地方です。
    IF用のICとして、なんか持っていたなと古い部品箱を見たら、約半世紀近い昔に信越電気で買ったµA703がありました。
    一緒に入れておいた宣伝の切り抜きにはRF/IF(10.7MHz)、150MHzのアンプも作れるとあります。なんの目的で買ったのかは不明ですが、プラスチックパッケージが2個、CANタイプが1個ありました。
    半世紀近く経って、パッケージや脚がヨレヨレなものと、見かけ正常なものとがあります。プラスチックパッケージはヨレヨレですが、CANタイプはサビがありません。まだ使えるのか、疑問ですけど。こんな物が溜まっていて、家は産業廃棄物で溢れています。

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  8. JR1KDA 岩崎さん、こんにちは。 何だか肌寒い雨の午後でしたね。

    いつもコメントいただき有難うございます。
    > 信越電気で買ったµA703がありました。
    おそらく1970〜80年代初めに購入されたのでしょうねえ。 信越電気は懐かしいです。

    件のμA703もまだ使えるだろうと思います。 私はFT-400Sの感度が28MHzで落ちるのでプリアンプを作ったことがあります。でもノイズが増えただけのように感じましたっけ。(笑)

    > 家は産業廃棄物で溢れています。
    拙宅も同じです。 自身では「お宝」のお値打ちモノと思っていても家人から見たら単なる危険ゴミか産廃でしょうから・・・。 生きてるうちに幾らかでも片付けなくては。(爆)

    ただ捨てるのではなく、一旦遊んでからが良いと思ってます。何でも良いので。hi hi

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  9. 後半のGWは陽気に期待したいですね。

     IF増幅は定型化しているように認識していたのですが、いろいろな変遷があったのですね。
     AGCはこだわりのある方々が沼を楽しんでおられるのは知ってましたが、無難なのをパクることでお茶を濁してました。

     5球スーパーの検波、AVC、AFに渡す部分などは原理はシンプルでも、必要度とあわせよく考えられているのでしょうね。でも今見ると分かりにくいアクロバティックな接続にも見えます。入門書では回路図をもう少しわかりやすい表記(配置)にすべきだったのではないかと思います。検波がたいていカソード共通の複合管だったせいもあるのですが。


     並行プロジェクト(?)の当方の電池管受信機ですが、リモートカットオフの1T4で作りましたが、「期待に反して予想通り」ちょっと非力でした。 いただいた示唆の通りです。
     幸い手持ちが3本あったので結局IF3段に増強しました。前もって穴は開けておいたのが正解でした。一応バイアス電圧をVRで変化させて様子を見たので、AGC回路を準備し始めたところで今回のBlog記事。ラッキー!!、と思うと同時に少しひるんでしまいそうです。 何も考えずにFETで増幅、整流してグリッドバイアスを引っ張ろうとだけ思ってました… 
    (AGCとSメータ周辺は半導体に逃げる予定です。動いた後、ファイトがあったら手持ちを投入して電池管でまとめるのも面白そうだとは思うのですが)


     blogで真空管でのIFTのタップについて触れられてましたね。残骸から再利用したのはTRIOのIFT T-21なんですが、タップ端子に半田付け後があり、端のpinは未利用。
    資料を見るとT21は高μ対応が売りだったみたいです。IFは6BA6を使ってたはずなので、理解しないままに何かの記事をそのまま真似たんだと思います。1T4のコンダクタンスは700~800マイクロなので、今回は端pinを磨いてそっちに繋げました。中学生の時と比べ、ちょっと使いこなせた気になってます Hi。

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  10. 加藤さん
    AGCは受信機の永遠のテーマですね。懐かしいディバイスのご紹介で楽しませて頂きました。DG FETは定番のディバイスですが最近入手できるエンハンス型のFETではAGC回路が複雑になるのでIFを作っているのかAGC増幅器を作っているのか分からなくなります。ICではちょっと前にAD603を入手したので「究極の?」IF回路を画策しています。
    一方で真空管のAGCが簡単な回路なのでそれはそれで味のある物と思っています。八重洲が好んで使った6BZ6を前世紀末に入手したので作り手がボケる前に使いたいと思います。HIHI

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  11. JE1HBB 瀬戸口さん、こんにちは。 昨日とは打って変わって青空が広がっています。 日陰だとちょっと肌寒い感じもします。

    いつもコメントをいただき有難うございます。
    > 無難なのをパクることでお茶を濁してました。
    定型のIF-Ampに定型のAGCでも良いかもしれませんが、AGCはIF-Ampの面白い部分でもあるので研究してみるのも興味深いですよ。 SSB/CW用と考えれば概ね決まった方向もあります。

    > 今見ると分かりにくいアクロバティックな接続にも見えます。
    お書きのように6AV6や6AT6と言ったカソード共通の2極3極管を使うからわかりにくくなるんでしょうね。3極管の方にカソードバイアスを掛けるとなおさらわかりにくくなるので・・・。hi hi

    > 前もって穴は開けておいたのが正解でした。
    事前の準備があってよかったですね。 電池管はgmが低いですからねえ! ラジオでもゲイン不足になるので特殊な電池管専用のIFTを使っていたくらいです。あとは段数で稼ぐのが常套手段になりますね。 段数が多いのはAGCを掛けるときにもメリットがあると思います。

    > 整流してグリッドバイアスを引っ張ろうとだけ思ってました… 
    基本それでOKと思いますが想定している受信モードに合わせて時定数を加減すれば良さそうですね。 真空管式受信機でのテストですが、FETを使った「プレート検波」のようなAGC検波器を作って良い結果が得られました。増幅型のAGCになります。 ただしマイナス電源が必要なのでちょっと厄介かもしれません。 製作中のRXがAC電源を想定しているなら良いのですが、乾電池だと電源系が面倒臭いかも。DC/DCは使いたくないでしょうし・・・。

    > 今回は端pinを磨いてそっちに繋げました。
    そうしないともっとゲイン不足になったしまったかも知れませんね。hi そういえばT-21は私も持っていたと思います。使う機会はあるのかなあ・・。

    > ちょっと使いこなせた気になってます Hi。
    真空管と真空管用部品を堪能する製作になったようですね。 VY-FBだと思います。

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  12. 加藤さん、こんにちは。

    模型とラジオ懐かしいです。
    模型とラジオに掲載されていたゲルマラジオに興味を持って作成したのがこの趣味の始まりでした。
    結構高度な記事も掲載されていたのですね。

    ミズホのSG-9は6mのトランシーバーに使いました。
    ゲインを稼いでいるためかノイズが多くて賑やかな感じです(笑

    MC1350Pは手持ちがまだまだあるので使わないととは思うのですが、最近は周波数変換以降にラジオ用ICを使って手抜してます(笑

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  13. JR1QJO 矢部さん、こんにちは。 ちょっと出かけたのですが、皆さん連休にされたようで街は混んでますねえ。(笑)

    いつもコメントいただき有難うございます。
    > エンハンス型のFETではAGC回路が複雑になるので・・・
    今まで通りの回路にしようと思うと多少厄介ですけど専用の設計にするとむしろ簡単になると思います。 G1にプレバイアスを掛けておくだけでなので難しくないと思います。G2の方にAGCでも良いでしょう。hi

    > 「究極の?」IF回路を画策しています。
    AD603Aを使いこなせれば、たぶんベストではないかと思います。 色々画策されてください。

    > 6BZ6を前世紀末に入手したので作り手がボケる前に・・・
    6BZ6はRFアンプに良い球ですね。IFアンプでも1段増幅なら行けると思います。IF2段でやるには負荷インピーダンスを下げるか、gmを落とした使い方になるのでかえって損です。 6BA6くらいがちょうど良いでしょうね。 AGCの効き方からいえば6BD6ですけど・・。

    当局も買い貯めた球はボケなくっても製作者の方が問題になって来ました。(爆)

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  14. JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんにちは。 連休の合間ですが、大阪のお天気は如何ですか? 北関東はVY-FBなお天気です。ちょっと風が冷たいかな。hi

    いつもコメントをいただき有難うございます。
    > 模型とラジオ懐かしいです。
    初歩のラジオとか読んでいた頃は目を通しましたが、CQ誌を購読するようになって手が延びなくなりましたね。それだけ無線専門になったって訳です。(爆)

    > 結構高度な記事も掲載されていたのですね。
    そうですね。模ラに丹羽さんの通信型受信機製作の記事が連載されていたとは思いませんでした。

    > ゲインを稼いでいるためかノイズが多くて賑やかな感じです(笑
    SG-9の回路構成だとかなりノイジーになりそうですね。 ゲイン過剰に作ってあるのは、ある程度ノイジーじゃないと感度が悪いって言ってくる人がいるからだろうと思います。

    > 周波数変換以降にラジオ用ICを使って手抜してます(笑
    簡単に済ますには良い手だと思います。=>ラジオ用ICの活用

    ただ、ちょっと痒いところに手が届かないんですよね。hi hi

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  15. 加藤さん
    おはようございます。
    一連のテーマを見させていただいています。
    回路例とその動作の説明、次に実際の回路と続き、アマチュア無線に興味始めたころのハンドブックを彷彿とさせました。(そのころは理論はほとんど難しくてわからなかったと記憶しています。)丹羽さんの著作で模型とラジオの別冊「HAM・BCLラジオの作り方」が手元にあることを思い出しました。いつも楽しいテーマありがとうございます。

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  16. JS1XFN 青木さん、こんにちは。 5月の風が爽やかです・・・と言いたい所ですが、今日は少し蒸し暑くなってきましたね。

    いつもコメントいただき有難うございます。
    > 一連のテーマを見させていただいています。
    どうも有難うございます。 古い雑誌を読み返しているような話ばかりですが・・・。(笑)

    > ・・・が手元にあることを思い出しました。
    見たことはない書籍ですが、たぶん雑誌記事をまとめられたのだと思います。 雑誌記事を書籍化するって言うのは出版の常套手段みたいです。 雑誌よりも長く残りますからFBだと思っています。

    細々ですが、まだまだ続く予定なので時々お出掛けになってください。

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  17. 加藤様
    exJA1-HCK 川九邦雄と申します。以前に何回かコメントさせていただきました。
    たいして作ってもいないのですが、少なくとも60年以上、短波受信機(あれこれ作りたいを考えるだけの)フェチです。
    今回の中間周波数増幅(そしてAGCに続きそうな)テーマ。「ああ、ついに来たか」の思いひとしおです。この時を待っていました。正直これこそ最も悩ましい、かつ重要なポイントだと長年思ってきました。
    BC779スーパープロあたり以降の真空管時代はOMが仰るようにほぼ6BA6に代表されるようなクラスの2段ないし3段で、真似するほうも安心。でも、考えてみるとAGC電圧とゲインの関係とか、その時のダイナミックレンジとか、アマチュアにわかるような解説はほぼゼロに等しかったかと思います。
    時移り、IF周波数が大きく三者に分かれました。
    ハリクラのSX-101あたりから始まる50KHz派、ハマランドも一時それになって、ドレークは後までそれに固執しましたが、アンプは昔からどれも変わらなかった感じです。本当ならOPアンプとFETとかのゲイン制御素子とか、もっと多様でも良かったかとも思ったのですか。
    コリンズを代表とする455KHz派もSWANあたりからのハイフレ派もあまり変わりばえはなかった気がします。
    そして、ICの時代になってデバイスがあれこれ出ては消えてゆきましたが、中でエポックメーキングな存在は(日本ではあまり使われなかった気がしますが)LM373かと思います。HamRadio誌などには多くの製作記事があったようです。当時買おう買おうと思いながら入手できませんでした。まあ、買っておいても不良在庫になっていたとは思いますが。
    さらにAGCの話。まあ、これについては百花繚乱というか百鬼夜行というか、「ああ、そうですか、なるほど。でも、何だかなあ!」みたいな話が多く、頭をかきむしるばかりで、「無くたってそれはそれで何とかなるじゃん」みたいな気になったりして、禅問答のような日々をすごしながら今日に至っています。
    加藤OMのサイトを拝見すると元気が出ます。肩の荷が下りるような。まあ蓮の葉の上でゆらゆらしているような東洋的安心感を感じます。
    感謝を込めて。
    因みに小生、本職(?)は樹木医です。(但し地面から下が専門です)

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  18. ex JA1HCK 川九さん、こんばんは。 今日は出かけておりました。 先ほど帰宅しました。 晴れたり雨模様になったりで変なお天気でした。

    いつもコメントいただき有難うございます。
    > 少なくとも60年以上、短波受信機フェチです。
    OMが開局された頃は自作受信機の全盛期でしょうからQSOでも話題になったでしょうね。 各局が思い思いのRigでオンエアされていた楽しい時代ですね。

    > (そしてAGCに続きそうな)テーマ。
    近代的な受信機では避けて通れませんからね。 どうしても触れぬ訳にも行かず・・・さりとて難しい話は退屈でしょうし。(笑)

    > これこそ最も悩ましい、かつ重要なポイントだと長年思ってきました。
    おっしゃる通りだと思います。 近代的デバイスを使えば感度を上げるのはむしろ容易です。 しかしAGCが絡むと非常に厄介です。 その上、受信機の操作フィーリングを決めますので非常に重要です。

    IIP3なんてスポーツカーの最高速度みたいなものなので普段はほとんど意味のない数字ですし・・・。 AGCは受信中は常に付き合う訳ですからその良し悪しが顕著に現れます。

    > アマチュアにわかるような解説はほぼゼロ・・・
    回路と真空管がほぼ定型化していましたので詳しい解説の必要も無かったのでしょう。

    > LM373かと思います。HamRadio誌などには多くの製作記事があったようです。
    いまの秋月・・・信越電機商会だったころ売られていました。AMやSSB/CWだけでなく、NBFMもカバーする高機能なICでした。 手に入れたのですがそのままになってしまいました。 どこかにあると思うのですが・・・

    > 禅問答のような日々をすごしながら今日に至っています。
    確か著名なお方ではJA1ACBさんがAGC不要派だと伺ったことがあります。hi hi

    > 東洋的安心感を感じます。
    どうも有難うございます。 なるべくセンセーショナルな話にはならぬ様に努めておりますが、時々キーボードが滑るかも知れません。hi hi

    この先も暫く続く予定ですので、時々お出掛けになってみてください。

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