EX

2013年7月20日土曜日

【HAM】 A New life for FT-101ZD Part 2

FT-101ZDにニューライフを:第2回

FT-101ZD
 写真は、レストアの済んだFT-101ZDだ。Part 2からは、こうなるまでの過程をご一緒に楽しんで頂きたいと思う。出来上がりは単なるシャックの「飾り」ではなく、良く整備すれば実用性能が得られる。

 同時に、自身の作業メモを兼ねているので、その所々で気付いたポイントも書き留めて行く。

 今から30年前の無線機とはどんな物だったのか、初めてなら目新しいしかもしれない。あるいはあらためて振り返り懐かしく思うお方もあるだろう。 高度成長からバブル経済へと向かう古き良き時代の無線機復活物語だ。 さあFT-101ZDでWARC Bandにオンエアしよう!

:整備開始は電源ケーブルをコンセントから抜いてから!(これが基本のキ)

電源部分の清掃
 Part 1(←リンク)にも登場した写真だが、このように埃の堆積でかなり汚れていた。 写真の電源部分は、正面パネルから向かって左奥に位置している。

 大きな電解コンデンサは終段用800Vを平滑する為のコンデンサだ。容量は各々200μF/500WVである。 800Vはトランスの320V巻線を両波倍電圧整流して得ている。 なお、受信時などほぼ無負荷状態では900V以上に上昇する。 高圧で尚かつ容量もある電源部なので内部をいじる際には危険を伴う。

 この部分は発熱するので風通しが良いようになっている。キャビネットの通風穴の為に上からの埃が堆積し易い構造だ。 基板上に見える半固定抵抗器はファイナルのバイアス電圧調整(アイドリング電流調整)なので、ときどき点検・再調整を行ない同時に清掃もしておくと良い部分だ。

高圧集塵
 このセラコンには高電圧が掛かっている。 この場所に限らず高電圧が掛かった部分には埃が付き易いものだ。 電気集塵器とおなじ原理であって、高電圧の掛かった場所には特にこのような黒いスス状の埃が付着している。

 よほど酷くなければそれほど危険はないが、それも程度問題だろう。 昔の真空管式TVでは埃が原因で火災が起こったくらいなのでスス状の埃もたくさん溜まれば漏電の危険もありそうだ。このホコリは触れると周辺が真っ黒になるので、いじらずに掃除機で吸取ってしまうのが良い。


空気の通路のホコリ
 終段管の冷却エアーが通る場所にはこのような綿ボコリが付着している。 空冷機構のある機械は内部が汚れ易いので定期的な清掃は必須と思って良い。

 接点がむき出しのスイッチでは、甚だしいと接触不良の原因にもなる。 同じく掃除機で丁寧に吸取っておこう。 合わせて接点の状態を目視点検する。

 こうした多段のロータリー・スイッチでバンド切換えする形式のリグでは、ここが原因の不具合が良く発生する。 特定のバンドで受信感度が落ちたり送信パワーが出ない事があって、スイッチの汚れによる接触不良が最たる原因だ。

ファイナル・ボックス
 奥まった部分なので開けるのが億劫になる場所だ。 終段管(ファイナル・チューブ)は送信時に数10Wの発熱があるから強制通風されている。 ホコリを含んだ空気がたくさん流れてくる関係でこのように酷い状態になっている。

 こうなってしまうと、輻射による放熱も空冷の効果も悪くなるからファイナル・チューブには甚だ居心地が悪かろう。

 バリコンの羽根の間にも埃の堆積が見られるので掃除機で吸い取るだけではなく、エアー・ダスターなどのスプレーを使うのも良い。 但し、間違っても(熱くなっている)ファイナル・チューブに掛けたりしないように!(割れる)

注意終段管の部分には高電圧が掛かっている。電源OFFしても200μFと言う大容量のコンデンサには電荷が暫く残っている。 電源OFFしたあと十分な時間を置かずに触れば間違いなく強い電撃を受けることになる。 テスターで電圧を確認し、電荷が残っていたら十分放電するなどの感電防止対策は必須である。不用意に電源が入らぬよう、ACコードをコンセントから抜いてから作業するのは基本の「キ」である。 命に関わるので安全作業に自信のない人はやってはいけない。その意味からも真空管機は経験のない人には向いてない。

6146B
 真空管は取り外さないと奇麗にできない。 外す時には、金属製のハカマの部分を持って、左右にゆっくり揺すりながら丁寧に持ち上げる。 あまり角度を付けて揺すると、真空管ベースの中央部にある「キー」の部分が折れてしまうことがあるので十分な注意を!

 このGE製6146Bの印刷は消え易いようで、水拭きしたら右の球のように文字が流れてしまった。 文字消えしないように注意深く清掃した方が良い。 水を含ませ固く絞った布でそっと拭けば奇麗になる。 左のようになればOKだ。 取り出した6146Bは少々ゲッターが焼けた感じも見えるがテストしたら十分なエミッションがあったので交換不要だった。

奇麗になったファイナル・ボックス
 真空管を外してから内部を奇麗に掃除した。 バリコンなど周辺の部品を目視チェックしてから真空管を元に戻しておく。

 RFCからパラ止めを通ってプレートキャプに行く配線はあまりゆとりが無い。真空管に無理の掛からないように取り回しておくこと。 無用な力がかかると送信時の膨張でクラックが入ってしまう危険がある。

ボックスのシールドカバーが高圧部分に当たらないことを良く確認してから確実にネジ止めしておく。

ファンモーター
 風を作る大元のファンモーターはたぶん汚れが酷いはず。 本体リアパネルから外して清掃しよう。

 外してみたら、このような有様だった。 掃除機で奇麗に吸取ってから必要があればハウジングからモーターも取り出して羽根の部分も拭き掃除しておく。(今回はそこまでしなかった)

 潤滑の為に注油するとかえってホコリが付き易くなる。 モーターのゴロが出ている場合は、丁寧に分解したあとで軸受け部分を洗浄すると良い。その際に少量の潤滑を行なう程度にとどめるべきだ。 間違ってもCRC556のような潤滑剤を直接噴射してはいけない。 当座は良くなったように見えても、ホコリの固着で次に不調になった時にはもはや復旧は困難だ。

ドライバ段とRF部
 FT-101ZDのファンモーターは吸い出し式である。 そのため、ファイナル・ボックスの回りの部分にも空気は流れている。 ドライバ段の真空管:12BY7Aの部分にも通風があるよう考慮されており、それなりに汚れていた。(写真は清掃済みのもの)

 球の周辺を清掃し12BY7Aも奇麗に拭いておく。この12BY7AはNECのロゴ入りだが、どこか他メーカーからのOEM品かもしれない。特に劣化は見られない。他のSSB機も含めドライバ管の12BY7Aが劣化するケースには未だに遭遇したことはない。無闇な交換は不要だ。周辺部品の故障でもない限り12BY7Aが劣化する可能性は殆ど考えられない。

 真空管を見ると何でも交換してみたがるのは素人修理の典型だ。私も予備の球は持っているが12BY7Aの交換が必要性だった事はない。アマ無線機で送信状態が何万時間にも及ぶことは無いから普通は壊れないのだろう。 12BY7Aは家庭用のTV受像機では必ずと言って良いほど使われていた球だ。毎日6時間以上受像し約5年で約1万時間を超えるが、それで交換が必要なことなどなかった。 送信時にしかプレート電流が流れないSSBトランシーバのドライバ管:12BY7Aが消耗劣化することなど考えられないのである。もちろん、事故でもあれば別だがそれさえも稀だ。

 なお、写真に見えるミュー同調部分ほかRF部分の基板部分へのホコリ付着は少ないだろう。 この部分を被うキャビネットには通気穴がないので上からの埃の堆積は少ないのだ。 それでも使用年月の経過で幾許かのホコリの浸入はあるので清掃はしておこう。柔かくて毛足の長い刷毛などを使いながら、掃除機で丁寧に吸い取っておく。

                 ☆ ☆ ☆

 まずは内部の清掃から始めた。 このあとはWARC Band改造やCWフィルタの取り付けが待っている。まずは清掃にしておかないと作業中に手指や衣服が汚れてしまうし、コネクタなどの接触面を汚す可能性がある。 ツマミや外装の清掃は勿論必要だがそれらに先立って内部から奇麗にしておく必要がある。整備の第一歩だと思う。

 このFT-101ZDは様子から見て、購入後に一度も清掃していなかったようだ。外観も含め内部もだいぶ汚い状態だった。 それが年式以上に古ぼけて見えた原因だった。 おなじFT-101ZDなのにやや年式の新しいこの機体の方がずっと古びて見え程度も悪そうに感じたのもそのせいだったようだ。 WARC Bandの送信禁止解除とCWフィルタの装着まで話しを進めたかったが、お掃除だけで少々長くなってしまったので次回にしよう。de JA9TTT/1

つづく)←リンク・Part 3へ

6 件のコメント:

T.Takahashi JE6LVE/JP3AEL さんのコメント...

こんにちは。
暑い中レストアお疲れ様です^^

ドライバー回りは清掃後の写真でしょうか、
ファイナルの汚れ方と比較すると綺麗ですね。

しかし6146汚い、30年分のホコリでしょうか^^;
こんなに汚れたのは僕は見たこと無いです。Hi


そういえば101Zの安いタイプは周波数カウンターが付いていなくて、その部分に横に動くダイヤルが付いてましたね。
カウンター部分がふさがれているTS-820の安いタイプよりも見た目的には良いなあとおもいます。
820はそのかわり凝ったダイヤルメカが付いていましたが。

あのダイヤル部分はどういうメカになっていたのでしょうか?

TTT/hiro さんのコメント...

JE6LVE/3 高橋さん、こんばんは。 夕方になってから買物に出掛けていました。 昼間は暑いですから。hi hi

早速のコメントありがとうございます。 同じリグでもお持ちでないと、コメントし難かったと思います。 どうも有難うございます。

> ドライバー回りは清掃後の写真でしょうか・・・
清掃後の写真ですが、ファイナル部分ほど汚れていませんでした。 いくらかホコリをぬぐった程度です。12BY7Aは磨いてあります。(爆)

> しかし6146汚い、30年分のホコリでしょうか^^;
私のところに来てから10年くらいでしょうか? それ以後は使ってませんでしたから前の20年分(?)でしょうかね。(笑)

ホコリっぽい環境で数年使っていた機械はこの位汚れていることがありますが、これはだいぶ酷い汚れでした。外観もすっかり汚れていて見すぼらしかったですよ。hi

> あのダイヤル部分はどういうメカになっていた・・
あいにくデジタル以外のFT-101Zは中を見た事がありません。 このあとダイヤルランプの交換をするのですが、その写真を見ても良くわかりませんね。 なにか止めネジの付いた歯車が付いているので関係あるかも知れないです。なので謎です。hi hi

Blogで本格的にリグのレストアを扱うのは初めてなのですがコメントし難いようですね。 まだ何回か続く予定なのですが縮小しようかなあ?? 如何でしょう?

T.Takahashi JE6LVE/JP3AEL さんのコメント...

加藤さん、こんばんは。

ここ数日、日が落ちてからはけっこう涼しく過ごしやすいです

>れはだいぶ酷い汚れでした。
ヘビースモーカーが使っていたリグになると、ヤニでもっとどろどろになっていることもありますね。Hi

>なので謎です。hi hi
ほとんどがデジタルタイプだったのでしょうか?
FT-901と101Zの性能差も興味があるところです

>如何でしょう?
コメントはともかく、Viewはけっこう伸びているのではないでしょうか?
当時の無線機を好きな方は多いので続きを楽しみにされている方も多いのではと思いますが。

ja8czx/michi さんのコメント...

加藤様、皆様ご無沙汰しております。
ja8czx/矢北です。

??ひま無しでタヌキ専門にしておりましたがレストア、参考になります。
9R4J,FT400Sのレストアに取りかかる予定でいたところでしたので楽しみに読ませて頂きます、以前加藤さんにお世話になった455KHzシフト可能のカウンターも仮付け状態から本格的に使わせて頂く予定で、「頂く」ばかりで申し訳ありませんが、「つづく」とありましたので楽しみです。

TTT/hiro さんのコメント...

JE6LVE/9 高橋さん、おはようございます。 快晴の今朝は爽やかな感じです。 気温は25℃くらいです。

再度のコメント有難うございます。
> ヤニでもっとどろどろに・・・
ヤニ臭くて、触るとべとつくリグってありましたね。 最近は喫煙者が減ったので良くなった感じです。hi hi

> ほとんどがデジタルタイプだった・・・
やはりデジタルの方が便利ですので大半がデジタルだった感じですね。 TS-820などもそう言う傾向があります。アナログタイプは滅多に見ません。

> FT-901と101Zの性能差も興味があるところ・・・
局発回路がPLLと水晶発振の違いはありますが、他の回路は良く似ています。 同じFT-101Zでも前後期でミキサーなど違いがあって性能も違うようですし・・・。

 FT-901も同じですので、どれと比べるかで違うでしょうね。 同時期のものでは両機に殆ど差はないと思います。安いFT-101Zの法がC/Pは良かったでしょうね。

> 当時の無線機を好きな方は多い・・・
まだお掃除を始めただけなので、面白くないですよね。hi hi この先は改造とか面白くなって来ると思います。お楽しみ頂ければFBです。

TTT/hiro さんのコメント...

JA8CZX 矢北さん、おはようございます。 先週は北海道にお邪魔していましたが朝晩はとても涼しかったですね。

コメント有難うございます。
> レストア、参考になります。
有難うございます。 おそらく、同じ機種でしたらもっと良いのでしょうが共通した部分はあると思います。 FT-400系は以前やりました。

> カウンターも仮付け状態から本格的に・・・
9R4Jに装着されるのでしょうか。 周波数読取りが便利になますから実用性もアップしそうですね。hi hi

> 「つづく」とありましたので楽しみです。
はい、まだまだ続きますよ。またコメントお願いします。(笑)