2022年12月8日木曜日
Kumano Pilgrimage :熊野詣で
【熊野三山を巡る旅】 (Link : 熊野三山)
Photo : 2022.11.15 12:10 JST : JL215
Photo : 2022.11.15 12:11 JST : JL215 Wing
Photo : 2022.11.16 09:31 JST : Kumano Hongu Taisya / 熊野本宮大社
Photo : 2022.11.16 11:01 JST : Kumano Hayatama Taisya / 熊野速玉大社
Photo : 2022.11.16 13:36 JST : Kumano-Kodo / 熊野古道・大門坂
Photo : 2022.11.16 14:27 JST : Kumano Nachi Taisya / 熊野那智大社
Photo : 2022.11.16 14:36 JST : Nachi Waterfall / 那智の瀧
Photo : 2022.11.17 13:52 JST : JL214
皆さまにとって令和五年が良いお年でありますように.
2022年11月8日火曜日
2022年10月30日日曜日
The Kurobe Gorge Railway(黒部峡谷鉄道)
Photo : 2022.10.30 13:34 JST : The Kurobe Gorge Railway, Unazuki-Onsen, Kurobe-City
2022年7月14日木曜日
2021年11月5日金曜日
2019年11月12日火曜日
【回路】A Stable 60MHz Oscillator
【回路試作:安定な60MHz発振器】
【60MHz発振器:OCXO基準】
WSPR受信機(←リンク)をテストしていて「かなめは周波数安定度にあり」と言うことを再認識しました。 復調用のBFOにはVXOを使いましたが、周波数安定度に不足が感じられたのです。 周波数安定度について「頭の片隅に入れておく」つもりでしたが、何だか気になってしまい早々に手をつけたようなわけです。
しばらく前に購入したまま死蔵状態になっている中華DDSモジュール(AD9850使用)を活用する方針でそれに与える精度・安定度の良いクロック発振器を作ることにします。DDS発振器は基準が安定なら得られる信号も同等の安定度が得られます。 DDSモジュールには既にクロック発振器が載っていますが、WSPR受信機で使うには安定度が不足しています。 ここでは簡易型ながら恒温槽型の水晶発振器(OCXO)を使ってDDS-IC:AD9850の基準用クロックを作ります。それをDDSモジュールに供給します。
今回のBlogテーマはちょっと特殊ですが周波数安定度の良いDDS発振器を作りたい時にでも・・。 自家用の製作情報をまとめただけですが興味でもあればご覧を。 ほかに、逓倍形式の送信機にも利用できるかも知れません。
【60MHz発振器:回路図】
何と言っても基準となる発振器が安定でなけれ意味がありません。 究極的にはRb-OSCやGPS-DOを基準にするのが最高でしょうが、そこまでのSpecは不要に違いありません。 WSPRの目的なら自身ばかり安定度を追求しても性能は頭打ちです。必要以上の追求は自己満足にすぎません。 実用的な性能が得られればそれで十分です。
手元にいくつか周波数安定度の良い発振器がありました。12.8MHzの簡易TCXOはポピュラーです。 さらに良さそうなものを見繕っていたら10MHzの小型OCXOが見つかりました。 ジャンクを入手したままになっていたものです。 簡易にテストしたところ行けそうなので、この機会に使うことにします。従って大元の基準周波数は10MHzということになります。(TCXO:温度補償型水晶発振器、OCXO:恒温槽付き水晶発振器)
DDSチップ(AD9850)に与えるクロックはある程度高い周波数の必要があります。想定の7MHz WSPR受信機に対して、少なくとも20MHz以上が必要です。 さらに10MHzあるいは14MHzでのテストも考えると50MHzくらいのクロックが欲しいところです。
50MHz以上のクロックの作り方にはいくつかのアイディアが浮かびます。 10MHzのOCXOを基準にPLLで作る方法がまず考えられます。 それも一案でしたが回路は大げさになってしまうでしょう。ここでは単純な周波数逓倍式で行くことにしました。
10MHz/OCXOの出力はHC-MOS波形(矩形波)なので、奇数次の高調波が多いと踏んで一気に5逓倍しようかと思いました。 少しテストしてみたのですがやや無理があるのでオーソドックスに行くことにしました。 また、外部から基準の10MHzを与える(Rb-OSCとかGPS-DO)ことも考えると正弦波を基本に設計する必要があります。 合計で6逓倍して60MHzを得る形式にしました。 もう2逓倍して120MHzを得ることもできますが、目的に対して必要十分なので60MHzで済ませることにします。 (AD9850をフルに働かせるなら120MHzにするのも良いです)
OCXOからの10MHzは2SK241Yを使った同調型のバッファ・アンプに加えられます。ここで大まかに正弦波になったあと、2SC2668Y(2SC1923Y同等品)を使ったプッシュ・プル形式の3逓倍器に入ります。プッシュ・プル形式の逓倍器は3逓倍のような奇数倍の逓倍に使うものです。 この逓倍器に十分なドライブ電力を与えることで、省部品と無調整化を図ります。 従ってトランジスタと同調回路(LC共振器)の他にはほとんど部品がありません。
プッシュ・プル形式の逓倍器にすることで偶数次の高調波波・・・例えば20MHzや40MHzの成分・・・が抑えられるため回路は簡単になります。 実際に回路の途中を観測してみると同調回路一つだけでも綺麗な30MHzが得られていました。
続いてプッシュ・プッシュ形式の2逓倍器に入ります。トランジスタは同じく2SC2668Yを2つ使います。 プッシュ・プッシュ形式ではプッシュ・プル回路と逆に偶数次の逓倍が効率的に行えるだけでなく、奇数次の高調波を抑えやすいという特徴があります。 この2逓倍器も十分なドライブを与えることで省部品と無調整化がなされています。いくらも部品がありません。 これで30MHzを2逓倍して目的の60MHzが得られます。60MHzの同調回路は一つでも大丈夫そうでしたが、念のため2段にしました。
コイルばかり目立つのでやや大げさに見えますが、逓倍段は全てゼロバイアスのC級アンプなので回路そのものは非常に簡潔です。 のちにスペクトラムなど示しますが、満足できる基準発振器ができました。 もちろん逓倍形式ですから基準の10MHzと同等の周波数安定度が得られます。
# 以下、簡単に各部分を見て行きます。
【VC-OCXOと電圧基準】
使用したOCXOはトヨコム製のTCO-679D2というものです。 発振周波数の微調整が可能で、周波数調整端子に与える電圧によって調整します。 VC-OCXOということになります。
この微調整のための電圧もそれなりに安定していなくてはなりません。ここでは基準電圧発生用のIC:TL431Cを使って安定した5Vを得ています。
その5Vを分圧して周波数調整用の電圧とします。 なお、かなりシビアな調整が必要なので半固定抵抗器は多回転型を使うか、写真のような単回転型のVRを使うなら回路図のR4(この例では270Ω)を状況に応じて適宜選ぶ必要があります。
電圧制御式の周波数調整は便利そうですが、安定している電圧が必要なことから意外に面倒です。OCXOによってはそのような安定な電源を自身に内蔵しその出力端子を設けている便利な例もあります。 このOCXOにそのような端子はないので別に安定な電圧源を用意しました。計算上ではTL431の電圧安定度で十分でしょう。
【TCO-679のSpecから】
頂き物のジャンクでしたのでピン接続を含め使い方がわかりません。 何とか調べがついて左図のようなSpecとわかりました。
もし手に入れたジャンクパーツが見たところ新品のようなら、なぜジャンクになったのか気になりませんか? 今の場合、エージングしても安定度が規定に達しなかった・・・というような「不良品」かも知れません。 まず始めにOCXOのみでテスト回路を作ってみました。
2つあったのですが、一つはジワジワ周波数が上昇して行きます。何となくダメっぽい感じがします。 もちろん変化は僅かなのですが変動量を見るとエージングが足りないような動き方です。 数日間通電しておいても安定点に達したように感じられません。どうやらそれが原因でジャンクになったのかもしれません? もちろん、まずまず安定なので目的によっては十分使えそうではありました。 何となくですが、徐々に落ち着く傾向も見られるのでもうしばらく様子を観察するのも面白いかも知れません。 もう一方は初期変動が済めばだいぶ安定しました。こちらなら大丈夫でしょう。 こうした精度が勝負になる電子部品のジャンクはなかなか難しいものです。
それにしても、以前評価したOCXOに比べると安定性が悪いように感じられます。 思い起こすと以前評価したのはダブル・オーブン型のOCXOでした。 このOCXOはシングル・オーブン型ですからこんな物なのでしょう。 それでもさすがにOCXOです。WSPR受信機の目的なら短期・長期ともに安定性は十分です。 仕様書によればSCカットの水晶発振子を使っているそうなので、発振器自身のC/Nもなかなか良さそうです。
【Push-Pull Tripler:PP型3逓倍器】
2SC2668Yを2石使ったプッシュ・プル形式の3逓倍器です。 ドライブ側、出力側ともにセンタータップ式の同調回路が必要になるため、コイル巻きは少し手間がかかります。コイルの構造を含めて、2つのトランジスタがバランス良く動作するよう心掛ける必要があります。
ここではコイルに10K型ボビン(VHFタイプ)を使って作りました。 先にあった回路図に謎めいた数字が書いてありますが、それらは巻き溝の使い方と巻線の配分などをまとめた自家用情報です。 解読できれば再現性良くコイルを作れますが同一素材は入手難ですから詳しくは省かせてもらいます。 各コイルともamidonのトロイダルコアを使って作るのも良いです。その場合はトリマ・コンデンサで同調をとります。
前段のバッファ・アンプの出力が10dBmくらいあるため、逓倍段はバイアス回路を省いても十分なドライブが掛かります。 深いC級アンプなので2つのトランジスタのアンバランスは表面化しにくくなります。 従って無調整でもまずまず綺麗な逓倍出力が得られています。(そのようになるようコイルを作った)
トランジスタは中華製RF用トランジスタ:S9018H(←リンク)が使えます。ただし足の並びは2SC2668Yと違います。 2SC1815のような汎用トランジスタも使えそうですが、逓倍効率を上げるためにはRF用トランジスタを使うのが無難です。
【Push-Push Doubler:PP型2逓倍器】
写真は30MHzを2逓倍して60MHzを得る回路部分です。 プッシュ・プッシュ形式の2逓倍器です。ここにも2SC2668Yを2石使いました。
入力部分にあるバイファイラ巻きの小さなトランス:T3は位相反転用の1:1トランスです。プッシュ・プッシュ回路のドライブ用です。 これは、前段のトランス:T2に出力側のピンが2本しかないため、プッシュ・プッシュ回路用の巻線が設けられないためです。 もし6端子型の10KボビンがあればT3は省けます。 あるいはトロイダルコアに巻く場合も同様に省略可能です。
プッシュ・プッシュ型の2逓倍器は以前のBlog(←リンク)でも扱いました。 今回は前段の3逓倍器に十分な出力があって、十分深いドライブが掛かることからバランス調整は省いています。 出力側の同調回路(60MHz)はDDSのクロックが目的なら一つでも行けそうでしたが、念のため2つにしました。 出力波形やスペクトラムを観測するとやはり2つ使った効果はあるようです。 低調波・高調波など少なくとも-50dB(電力で1/10万)に抑えられました。
【60MHz:周波数確認】
周波数カウンタで出力周波数を確認しています。 この状態で0.2Hzほど誤差がありますが、これはOCXOの温度が十分に安定してから再調整すれば小さくできます。
これでも0.004ppmの誤差ですからもう十分なんですけどね。hi
【60MHz:波形観測】
オシロスコープで波形を観測してみます。 3.5Vppくらい得られていますので、DDSチップ(AD9850)のドライブには十分です。 なお、負荷インピーダンスは2.7kΩで観測しています。
このあと見るスペクトラムでは一番大きなスプリアスでも-50dBくらい(電圧で1/300)ですから、ほぼ正弦波に見えるのも当然でしょうね。 十分綺麗な60MHzではないでしょうか。
【60MHz:高調波・低調波スペクトル観測】
オシロスコープの波形観測だけで十分そうでしたが、スペアナでも見ておきましょう。 10MHzおきのスプリアスがいくらか見えますが逓倍式だからこんなものでしょう。主信号の-50dBだからまずまずと言ったところです。
プッシュ・プル型の3逓倍器及びプッシュ・プッシュ型の2逓倍器の効果は十分認められます。 昔見たような逓倍式のFM送信機では途中のコイルを必ず二つずつ使っていました。 今はトランジスタを節約しても意味のない時代ですからプッシュ・プル型やプッシュ・プッシュ型の逓倍器にすると有利ですね。少ないコイルで済む方が有り難いわけです。 もっとも、いまどき逓倍式で送信機を自作しようと言う人も稀だと思われますけれど。
【60MHz:近傍スペクトル観測】
ついでなので60MHz近傍のスペクトラムを観測しておきます。
スパンは10kHzで観測しています。少しスプリアスが見えますが、測定環境によるもののようでした。 それにしても-80dBくらいですので綺麗なものです。 PLLではVCOのノイズがあるため、なかなかこのように細いスペクトラムとは行きません。 逓倍式で作った意味はありそうです。 何れにしてもDDS用のクロック発振器として十分なものと言えるでしょう。
参考:60MHzクロックでAD9850を使った時に得られる周波数精度について
2のn乗となる周波数のクロックではないため、DDSで得られる周波数には端数が付きます。 例えば60MHzに全く誤差がないとした場合、AD9850のアキュムレータは32ビットですから周波数設定の1ビットあたりの刻みは ≒0.013969838619・・・Hzです。
7038.600kHzに対しては、「503842613」をセットすれば最も近い周波数になりますが、具体的には7038.59999310・・・kHzになります。 誤差は0.01Hz以下です。 実際にはOCXOの周波数誤差がありますし、受信信号は空間波ですから電離層反射によるドプラ効果で微細な周波数シフトもあるでしょう。誤差ゼロではありませんが、これくらいで十分すぎる設定精度と言えるでしょう。
それに突き詰めたらパソコンの周波数解析精度も問題になるやも知れません。 従って、この60MHzを基準にDDSで必要な周波数を得れば周波数精度や安定度の心配なしにWSPRの運用が可能なはずです。
【JAL553便で北へ:羽田にて】
今回のBlogは60MHzのクロック発振器でおしまいです。 ちょっと旅に出た関係もあり、準備とか何やらで実験どころではありませんでした。 まあ、シャックにこもるのも良いですが、旅に出るのも楽しいものです。
少し旅の話をしましょう。 山の紅葉には遅いのですが、平地の紅葉はまだまだFBとのことで北海道へ飛んでみました。 写真は羽田国際空港を出発するJAL553便:旭川空港行きのB767の機窓からです。 東京はあいにくの雨でしたが北の空の好天を期待しましょう。
【機内wi-fiを試す】
今では他のエアラインでもやっているので珍しくもありません。たまたま搭乗することになったJALのほぼ全便で機上のwi-fiが使えるとのことで試してみることにしました。
このwi-fiは誰でも無料で使えますが、出発前に登録する必要があるので注意が必要です。(搭乗してからの登録はできません)
事前登録はメールアドレス程度の情報で済むので、個人情報にそれほど気遣う心配はないでしょう。メルアドはyahooメール等も可です。 あとは搭乗当日に席の前にある機内での利用案内カードに従って接続の手順を行なえばOKです。
搭乗する前にスマホ、タブレット、ノートPC等は機内モードに切り替えておきます。 飛び立ったら各モバイル・デバイスを起動し、その状態から接続するwi-fiを選びます。(Japan Airlinesまたはgogoinflightを選ぶ) さらにブラウザからjal-wifi.comにアクセスして登録済みのメルアドをインプットしてネット接続をONする手順が必要でした。
いったんONすればあとは普通にtwitterとかFacebookも使えます。 やってみませんでしたがYoutubeもOKだそうです。ただしあまり早くない感じなので動画はスムースでないかも知れません。
☆
写真はブラウザでFlightrader24のサイト(←リンク)を開き、自身のフライトの航跡を表示したものです。(こんなつまらんことに使って何だかテクノロジーの無駄使いっぽいが・笑) 飛行位置は逐次更新されて行きますが、それほどデータ量は多くないようで十分追従して表示されました。 画面はちょうど八幡平の上空あたりを通過しているところですね。
他にもtwitterに写真の投稿などやってみましたが、まあまあのレスポンスでした。 帰りの機材はB737で、同じようにやってみましたが取り敢えずスムースに使えたので事前登録しておくと機内のヒマつぶしになります。 国内線は飲み物くらいしかくれませんし。 1時間ほどのフライトでは大して意味はないかも知れませんけどね。 なお、帰路の途中、岩手県の上空あたりで瞬時的に接続が途切れたところがありました。 (注:離着陸の前後5分間くらいは使えません)
【美瑛町:黄葉と青い池】
北海道の晩秋を楽しんできましたが、1枚だけ写真を貼っておきます。 写真は美瑛町の「青い池」です。 ここはTVなどで頻繁に紹介されているので観光シーズンは大混雑するそうです。 晩秋ですから自家用車で訪れる道内の観光客もぐっと少なくなってゆっくりと散策することができました。
もともと十勝岳の噴火時に発生が予想される土石流の砂防目的で作ったダムの堰き止めでできた「池」なのだそうです。 アルミ分を多く含む美瑛川の水質の関係で水色が濃く見えるため「青い池」と呼ばれるようになったのだそうです。
晩秋の黄葉が水面(みなも)に映ってなかなか幻想的な雰囲気でした。 観光シーズンには夜間のライトアップがあるそうですが、周辺は人家はおろか街路灯さえもまったくないような辺鄙な場所なので夜道は真っ暗なんでしょうね。
☆
まずは7038.600kHzの発生に使って実際に受信して確かめるところまで行ければ良かったのですが、残念ながら時間切れでした。 狙った通り何でも成功する訳ではありませんが、このクロック発生部はBBでの試作で概ね予定の性能が得られました。 あとは整理してクロック発生基板として製作しましょう。 DDSモジュールも載せてしまえばまとまりが良いなあ・・・などと妄想しているところです。(笑) 今回の図面には含めませんでしたが外部入力端子を設けておけばRb-OSCやGPS-DOの10MHzにも対応できそうです。 その辺りも考慮しておきたいです。 出来上がれば周波数安定度の良い汎用の発振器として使えますので。
送信系を検討するにしても周波数安定度の課題はずっと付いて回ります。 この先はVXOでなくDDSモジュールで行けますから周波数の自由度は格段に高くなります。 受信機の構成では入力部のRFアンプのみ他のバンド対応にすれば良く、マルチバンド化は容易です。 送信部をどう簡略化するのかという悩ましい課題を抱えつつも発想は今から既に発散気味です。(笑) ではまた。 de JA9TTT/1
(つづく)←リンクfm
【60MHz発振器:OCXO基準】
WSPR受信機(←リンク)をテストしていて「かなめは周波数安定度にあり」と言うことを再認識しました。 復調用のBFOにはVXOを使いましたが、周波数安定度に不足が感じられたのです。 周波数安定度について「頭の片隅に入れておく」つもりでしたが、何だか気になってしまい早々に手をつけたようなわけです。
しばらく前に購入したまま死蔵状態になっている中華DDSモジュール(AD9850使用)を活用する方針でそれに与える精度・安定度の良いクロック発振器を作ることにします。DDS発振器は基準が安定なら得られる信号も同等の安定度が得られます。 DDSモジュールには既にクロック発振器が載っていますが、WSPR受信機で使うには安定度が不足しています。 ここでは簡易型ながら恒温槽型の水晶発振器(OCXO)を使ってDDS-IC:AD9850の基準用クロックを作ります。それをDDSモジュールに供給します。
今回のBlogテーマはちょっと特殊ですが周波数安定度の良いDDS発振器を作りたい時にでも・・。 自家用の製作情報をまとめただけですが興味でもあればご覧を。 ほかに、逓倍形式の送信機にも利用できるかも知れません。
【60MHz発振器:回路図】
何と言っても基準となる発振器が安定でなけれ意味がありません。 究極的にはRb-OSCやGPS-DOを基準にするのが最高でしょうが、そこまでのSpecは不要に違いありません。 WSPRの目的なら自身ばかり安定度を追求しても性能は頭打ちです。必要以上の追求は自己満足にすぎません。 実用的な性能が得られればそれで十分です。
手元にいくつか周波数安定度の良い発振器がありました。12.8MHzの簡易TCXOはポピュラーです。 さらに良さそうなものを見繕っていたら10MHzの小型OCXOが見つかりました。 ジャンクを入手したままになっていたものです。 簡易にテストしたところ行けそうなので、この機会に使うことにします。従って大元の基準周波数は10MHzということになります。(TCXO:温度補償型水晶発振器、OCXO:恒温槽付き水晶発振器)
DDSチップ(AD9850)に与えるクロックはある程度高い周波数の必要があります。想定の7MHz WSPR受信機に対して、少なくとも20MHz以上が必要です。 さらに10MHzあるいは14MHzでのテストも考えると50MHzくらいのクロックが欲しいところです。
50MHz以上のクロックの作り方にはいくつかのアイディアが浮かびます。 10MHzのOCXOを基準にPLLで作る方法がまず考えられます。 それも一案でしたが回路は大げさになってしまうでしょう。ここでは単純な周波数逓倍式で行くことにしました。
10MHz/OCXOの出力はHC-MOS波形(矩形波)なので、奇数次の高調波が多いと踏んで一気に5逓倍しようかと思いました。 少しテストしてみたのですがやや無理があるのでオーソドックスに行くことにしました。 また、外部から基準の10MHzを与える(Rb-OSCとかGPS-DO)ことも考えると正弦波を基本に設計する必要があります。 合計で6逓倍して60MHzを得る形式にしました。 もう2逓倍して120MHzを得ることもできますが、目的に対して必要十分なので60MHzで済ませることにします。 (AD9850をフルに働かせるなら120MHzにするのも良いです)
OCXOからの10MHzは2SK241Yを使った同調型のバッファ・アンプに加えられます。ここで大まかに正弦波になったあと、2SC2668Y(2SC1923Y同等品)を使ったプッシュ・プル形式の3逓倍器に入ります。プッシュ・プル形式の逓倍器は3逓倍のような奇数倍の逓倍に使うものです。 この逓倍器に十分なドライブ電力を与えることで、省部品と無調整化を図ります。 従ってトランジスタと同調回路(LC共振器)の他にはほとんど部品がありません。
プッシュ・プル形式の逓倍器にすることで偶数次の高調波波・・・例えば20MHzや40MHzの成分・・・が抑えられるため回路は簡単になります。 実際に回路の途中を観測してみると同調回路一つだけでも綺麗な30MHzが得られていました。
続いてプッシュ・プッシュ形式の2逓倍器に入ります。トランジスタは同じく2SC2668Yを2つ使います。 プッシュ・プッシュ形式ではプッシュ・プル回路と逆に偶数次の逓倍が効率的に行えるだけでなく、奇数次の高調波を抑えやすいという特徴があります。 この2逓倍器も十分なドライブを与えることで省部品と無調整化がなされています。いくらも部品がありません。 これで30MHzを2逓倍して目的の60MHzが得られます。60MHzの同調回路は一つでも大丈夫そうでしたが、念のため2段にしました。
コイルばかり目立つのでやや大げさに見えますが、逓倍段は全てゼロバイアスのC級アンプなので回路そのものは非常に簡潔です。 のちにスペクトラムなど示しますが、満足できる基準発振器ができました。 もちろん逓倍形式ですから基準の10MHzと同等の周波数安定度が得られます。
# 以下、簡単に各部分を見て行きます。
【VC-OCXOと電圧基準】
使用したOCXOはトヨコム製のTCO-679D2というものです。 発振周波数の微調整が可能で、周波数調整端子に与える電圧によって調整します。 VC-OCXOということになります。
この微調整のための電圧もそれなりに安定していなくてはなりません。ここでは基準電圧発生用のIC:TL431Cを使って安定した5Vを得ています。
その5Vを分圧して周波数調整用の電圧とします。 なお、かなりシビアな調整が必要なので半固定抵抗器は多回転型を使うか、写真のような単回転型のVRを使うなら回路図のR4(この例では270Ω)を状況に応じて適宜選ぶ必要があります。
電圧制御式の周波数調整は便利そうですが、安定している電圧が必要なことから意外に面倒です。OCXOによってはそのような安定な電源を自身に内蔵しその出力端子を設けている便利な例もあります。 このOCXOにそのような端子はないので別に安定な電圧源を用意しました。計算上ではTL431の電圧安定度で十分でしょう。
【TCO-679のSpecから】
頂き物のジャンクでしたのでピン接続を含め使い方がわかりません。 何とか調べがついて左図のようなSpecとわかりました。
もし手に入れたジャンクパーツが見たところ新品のようなら、なぜジャンクになったのか気になりませんか? 今の場合、エージングしても安定度が規定に達しなかった・・・というような「不良品」かも知れません。 まず始めにOCXOのみでテスト回路を作ってみました。
2つあったのですが、一つはジワジワ周波数が上昇して行きます。何となくダメっぽい感じがします。 もちろん変化は僅かなのですが変動量を見るとエージングが足りないような動き方です。 数日間通電しておいても安定点に達したように感じられません。どうやらそれが原因でジャンクになったのかもしれません? もちろん、まずまず安定なので目的によっては十分使えそうではありました。 何となくですが、徐々に落ち着く傾向も見られるのでもうしばらく様子を観察するのも面白いかも知れません。 もう一方は初期変動が済めばだいぶ安定しました。こちらなら大丈夫でしょう。 こうした精度が勝負になる電子部品のジャンクはなかなか難しいものです。
それにしても、以前評価したOCXOに比べると安定性が悪いように感じられます。 思い起こすと以前評価したのはダブル・オーブン型のOCXOでした。 このOCXOはシングル・オーブン型ですからこんな物なのでしょう。 それでもさすがにOCXOです。WSPR受信機の目的なら短期・長期ともに安定性は十分です。 仕様書によればSCカットの水晶発振子を使っているそうなので、発振器自身のC/Nもなかなか良さそうです。
【Push-Pull Tripler:PP型3逓倍器】
2SC2668Yを2石使ったプッシュ・プル形式の3逓倍器です。 ドライブ側、出力側ともにセンタータップ式の同調回路が必要になるため、コイル巻きは少し手間がかかります。コイルの構造を含めて、2つのトランジスタがバランス良く動作するよう心掛ける必要があります。
ここではコイルに10K型ボビン(VHFタイプ)を使って作りました。 先にあった回路図に謎めいた数字が書いてありますが、それらは巻き溝の使い方と巻線の配分などをまとめた自家用情報です。 解読できれば再現性良くコイルを作れますが同一素材は入手難ですから詳しくは省かせてもらいます。 各コイルともamidonのトロイダルコアを使って作るのも良いです。その場合はトリマ・コンデンサで同調をとります。
前段のバッファ・アンプの出力が10dBmくらいあるため、逓倍段はバイアス回路を省いても十分なドライブが掛かります。 深いC級アンプなので2つのトランジスタのアンバランスは表面化しにくくなります。 従って無調整でもまずまず綺麗な逓倍出力が得られています。(そのようになるようコイルを作った)
トランジスタは中華製RF用トランジスタ:S9018H(←リンク)が使えます。ただし足の並びは2SC2668Yと違います。 2SC1815のような汎用トランジスタも使えそうですが、逓倍効率を上げるためにはRF用トランジスタを使うのが無難です。
【Push-Push Doubler:PP型2逓倍器】
写真は30MHzを2逓倍して60MHzを得る回路部分です。 プッシュ・プッシュ形式の2逓倍器です。ここにも2SC2668Yを2石使いました。
入力部分にあるバイファイラ巻きの小さなトランス:T3は位相反転用の1:1トランスです。プッシュ・プッシュ回路のドライブ用です。 これは、前段のトランス:T2に出力側のピンが2本しかないため、プッシュ・プッシュ回路用の巻線が設けられないためです。 もし6端子型の10KボビンがあればT3は省けます。 あるいはトロイダルコアに巻く場合も同様に省略可能です。
プッシュ・プッシュ型の2逓倍器は以前のBlog(←リンク)でも扱いました。 今回は前段の3逓倍器に十分な出力があって、十分深いドライブが掛かることからバランス調整は省いています。 出力側の同調回路(60MHz)はDDSのクロックが目的なら一つでも行けそうでしたが、念のため2つにしました。 出力波形やスペクトラムを観測するとやはり2つ使った効果はあるようです。 低調波・高調波など少なくとも-50dB(電力で1/10万)に抑えられました。
【60MHz:周波数確認】
周波数カウンタで出力周波数を確認しています。 この状態で0.2Hzほど誤差がありますが、これはOCXOの温度が十分に安定してから再調整すれば小さくできます。
これでも0.004ppmの誤差ですからもう十分なんですけどね。hi
【60MHz:波形観測】
オシロスコープで波形を観測してみます。 3.5Vppくらい得られていますので、DDSチップ(AD9850)のドライブには十分です。 なお、負荷インピーダンスは2.7kΩで観測しています。
このあと見るスペクトラムでは一番大きなスプリアスでも-50dBくらい(電圧で1/300)ですから、ほぼ正弦波に見えるのも当然でしょうね。 十分綺麗な60MHzではないでしょうか。
【60MHz:高調波・低調波スペクトル観測】
オシロスコープの波形観測だけで十分そうでしたが、スペアナでも見ておきましょう。 10MHzおきのスプリアスがいくらか見えますが逓倍式だからこんなものでしょう。主信号の-50dBだからまずまずと言ったところです。
プッシュ・プル型の3逓倍器及びプッシュ・プッシュ型の2逓倍器の効果は十分認められます。 昔見たような逓倍式のFM送信機では途中のコイルを必ず二つずつ使っていました。 今はトランジスタを節約しても意味のない時代ですからプッシュ・プル型やプッシュ・プッシュ型の逓倍器にすると有利ですね。少ないコイルで済む方が有り難いわけです。 もっとも、いまどき逓倍式で送信機を自作しようと言う人も稀だと思われますけれど。
【60MHz:近傍スペクトル観測】
ついでなので60MHz近傍のスペクトラムを観測しておきます。
スパンは10kHzで観測しています。少しスプリアスが見えますが、測定環境によるもののようでした。 それにしても-80dBくらいですので綺麗なものです。 PLLではVCOのノイズがあるため、なかなかこのように細いスペクトラムとは行きません。 逓倍式で作った意味はありそうです。 何れにしてもDDS用のクロック発振器として十分なものと言えるでしょう。
参考:60MHzクロックでAD9850を使った時に得られる周波数精度について
2のn乗となる周波数のクロックではないため、DDSで得られる周波数には端数が付きます。 例えば60MHzに全く誤差がないとした場合、AD9850のアキュムレータは32ビットですから周波数設定の1ビットあたりの刻みは ≒0.013969838619・・・Hzです。
7038.600kHzに対しては、「503842613」をセットすれば最も近い周波数になりますが、具体的には7038.59999310・・・kHzになります。 誤差は0.01Hz以下です。 実際にはOCXOの周波数誤差がありますし、受信信号は空間波ですから電離層反射によるドプラ効果で微細な周波数シフトもあるでしょう。誤差ゼロではありませんが、これくらいで十分すぎる設定精度と言えるでしょう。
それに突き詰めたらパソコンの周波数解析精度も問題になるやも知れません。 従って、この60MHzを基準にDDSで必要な周波数を得れば周波数精度や安定度の心配なしにWSPRの運用が可能なはずです。
【JAL553便で北へ:羽田にて】
今回のBlogは60MHzのクロック発振器でおしまいです。 ちょっと旅に出た関係もあり、準備とか何やらで実験どころではありませんでした。 まあ、シャックにこもるのも良いですが、旅に出るのも楽しいものです。
少し旅の話をしましょう。 山の紅葉には遅いのですが、平地の紅葉はまだまだFBとのことで北海道へ飛んでみました。 写真は羽田国際空港を出発するJAL553便:旭川空港行きのB767の機窓からです。 東京はあいにくの雨でしたが北の空の好天を期待しましょう。
【機内wi-fiを試す】
今では他のエアラインでもやっているので珍しくもありません。たまたま搭乗することになったJALのほぼ全便で機上のwi-fiが使えるとのことで試してみることにしました。
このwi-fiは誰でも無料で使えますが、出発前に登録する必要があるので注意が必要です。(搭乗してからの登録はできません)
事前登録はメールアドレス程度の情報で済むので、個人情報にそれほど気遣う心配はないでしょう。メルアドはyahooメール等も可です。 あとは搭乗当日に席の前にある機内での利用案内カードに従って接続の手順を行なえばOKです。
搭乗する前にスマホ、タブレット、ノートPC等は機内モードに切り替えておきます。 飛び立ったら各モバイル・デバイスを起動し、その状態から接続するwi-fiを選びます。(Japan Airlinesまたはgogoinflightを選ぶ) さらにブラウザからjal-wifi.comにアクセスして登録済みのメルアドをインプットしてネット接続をONする手順が必要でした。
いったんONすればあとは普通にtwitterとかFacebookも使えます。 やってみませんでしたがYoutubeもOKだそうです。ただしあまり早くない感じなので動画はスムースでないかも知れません。
☆
写真はブラウザでFlightrader24のサイト(←リンク)を開き、自身のフライトの航跡を表示したものです。(こんなつまらんことに使って何だかテクノロジーの無駄使いっぽいが・笑) 飛行位置は逐次更新されて行きますが、それほどデータ量は多くないようで十分追従して表示されました。 画面はちょうど八幡平の上空あたりを通過しているところですね。
他にもtwitterに写真の投稿などやってみましたが、まあまあのレスポンスでした。 帰りの機材はB737で、同じようにやってみましたが取り敢えずスムースに使えたので事前登録しておくと機内のヒマつぶしになります。 国内線は飲み物くらいしかくれませんし。 1時間ほどのフライトでは大して意味はないかも知れませんけどね。 なお、帰路の途中、岩手県の上空あたりで瞬時的に接続が途切れたところがありました。 (注:離着陸の前後5分間くらいは使えません)
【美瑛町:黄葉と青い池】
北海道の晩秋を楽しんできましたが、1枚だけ写真を貼っておきます。 写真は美瑛町の「青い池」です。 ここはTVなどで頻繁に紹介されているので観光シーズンは大混雑するそうです。 晩秋ですから自家用車で訪れる道内の観光客もぐっと少なくなってゆっくりと散策することができました。
もともと十勝岳の噴火時に発生が予想される土石流の砂防目的で作ったダムの堰き止めでできた「池」なのだそうです。 アルミ分を多く含む美瑛川の水質の関係で水色が濃く見えるため「青い池」と呼ばれるようになったのだそうです。
晩秋の黄葉が水面(みなも)に映ってなかなか幻想的な雰囲気でした。 観光シーズンには夜間のライトアップがあるそうですが、周辺は人家はおろか街路灯さえもまったくないような辺鄙な場所なので夜道は真っ暗なんでしょうね。
☆
まずは7038.600kHzの発生に使って実際に受信して確かめるところまで行ければ良かったのですが、残念ながら時間切れでした。 狙った通り何でも成功する訳ではありませんが、このクロック発生部はBBでの試作で概ね予定の性能が得られました。 あとは整理してクロック発生基板として製作しましょう。 DDSモジュールも載せてしまえばまとまりが良いなあ・・・などと妄想しているところです。(笑) 今回の図面には含めませんでしたが外部入力端子を設けておけばRb-OSCやGPS-DOの10MHzにも対応できそうです。 その辺りも考慮しておきたいです。 出来上がれば周波数安定度の良い汎用の発振器として使えますので。
送信系を検討するにしても周波数安定度の課題はずっと付いて回ります。 この先はVXOでなくDDSモジュールで行けますから周波数の自由度は格段に高くなります。 受信機の構成では入力部のRFアンプのみ他のバンド対応にすれば良く、マルチバンド化は容易です。 送信部をどう簡略化するのかという悩ましい課題を抱えつつも発想は今から既に発散気味です。(笑) ではまた。 de JA9TTT/1
(つづく)←リンクfm
2018年10月31日水曜日
【その他】Update Information (1)
【Blogの更新情報】
さきほどBlogを更新しました。
180VのDC-DCコンバータのBlogに「電流アップ」の実験結果を追記しています。良かったらリンクからご覧ください。
リンク==>こちら。
写真はお知らせとは関係ありません。 季節がら秋らしく紅葉の写真です。10月29日に軽井沢の「雲場池」で撮影したものです。 ちょうど紅葉の見頃でした。天候にも恵まれました。 秋も深まって里の方へ紅葉も降りてくるのでしょうね。 朝晩はずいぶん寒くなってきました。 風邪など引かれませんように! de JA9TTT/1
(おわり)22nd
さきほどBlogを更新しました。
180VのDC-DCコンバータのBlogに「電流アップ」の実験結果を追記しています。良かったらリンクからご覧ください。
リンク==>こちら。
写真はお知らせとは関係ありません。 季節がら秋らしく紅葉の写真です。10月29日に軽井沢の「雲場池」で撮影したものです。 ちょうど紅葉の見頃でした。天候にも恵まれました。 秋も深まって里の方へ紅葉も降りてくるのでしょうね。 朝晩はずいぶん寒くなってきました。 風邪など引かれませんように! de JA9TTT/1
(おわり)22nd
2016年4月22日金曜日
【部品】Shopping Guide 2016 part 1
【買い物ガイド 2016 その1】
【中華ポリバリコン:443AB型】
日本国内ではずいぶん前からバリコンは生産されなくなりました。 いま存在する国産品はごく僅かな市場在庫だけでしょう。 特にポリバリコンは海外製を頼るしか無い状況になっています。(送信機用は細々とした国内生産がある)
写真は「443AB型」と言う中国製のポリバリコンです。良く見て頂くと引き出し端子にメッキ不良による錆が見られるなど、けして良い品質とは言えません。しかし等容量の2連バリコンともなると入手できるものはごく限られています。中波専用のトラッキングレス型バリコンならたくさん見掛けるのに、等容量の2連バリコンは限られてしまいます。きちんと使える部品であれば価値があると言えるでしょう。 なお、ショップにはBE-443AB型と言う品がありますがBEが付かないこれは別物です。
443AB型は最大容量が大きめで、等容量の2連バリコンなので中波帯のラジオは勿論ですが、短波を含む多バンドラジオを作るのにも向いています。 HAM/BCL用としてはHF帯のプリセレクタを製作するのにも良いでしょう。 秋葉原と通販で単価100円くらい(2016年4月現在)で買えるので入手してみました。 (入手先:aitendoの通販←リンク)
シャフトは短いので普通のツマミを付けるには延長シャフトが必要です。専用の延長シャフトも売っていますが、φ6mmのカラーと2.6mmのネジを使えば簡単に延長できます。 取り付けネジも2.6mmのビスですが長すぎるとバリコンを痛めてしまいます。取り付けパネルの厚みなどを考慮し長さには十分気をつけます。
【可変容量特性の測定】
国産のバリコン、例えば往年のミツミ製やアルプスの製品なら安心して使えました。2連バリコンのセクション間の容量誤差は厳密に規定されていたからです。連動誤差を気にする必要などなかったのです。
しかし、中華製パーツの仕様書を鵜呑みにするのは危険です。信じると痛い目に遭うことがあります。ww
443AB型は等容量の2連バリコンと言うことですから回転角と容量の関係、及び2つのセクション間の容量誤差を実測してみることにします。
写真は市販の分度器を細工してポリ・バリコンが取り付けられるようにした治具です。大きめのツマミと指針が付けてあります。 このような治具を用意した上で容量計を使って回転角と容量の関係を実測してみます。回転角度は目見当ですが±0.5度くらいの再現性はありそうです。 もっと正確にやりたいならシャシに固定し大型のバーニア・ダイヤルを付けると良いでしょう。(そこまでやる必要は無いと思いますが・笑)
【443AB型の可変容量特性】
測定結果です。 結論から言うと、セクション間の連動誤差はごく僅かであり、国産品のポリ・バリコンに劣らぬたいへん良い性能でした。
2個について測定しましたが、バラツキもあまりありません。もっと多量に調べると違う結果が出る可能性もありますが、まずは実用になる性能が得られていると考えて良いでしょう。
なお、国産のポリ・バリコンでも開発初期の頃はローターの加工が良くないため、ポリエチレンシートを巻き込んでしまう不良が頻発したそうです。 暫く前になりますが台湾製のポリバリコンでは10回も回転しないうちにそのような不良がほぼ100%で発生してたいへん困ったことがありました。
実際に10回転くらいで壊れることは無さそうですが、このバリコンも回転寿命に関しては十分な評価をしていないので期待した程の寿命はない可能性もあります。 取りあえず容量可変特性については合格ですが耐久性など使いながら評価して行きたいと思います。
国産品の入手が限られて来たので、安価なパーツとして取りあえず使える部品として考えたいと思います。あとは各自ご自身の判断で使ってみて下さい。電気的な性能は悪くありません。 前のBlogで扱った短波ラジオ(←リンク)の製作にも変更なしで使えます。
備考:443AB型はネットショップの説明ではFM用2連を含む4連バリコンのように書いてあります。 実際にはAM用の等容量2連ポリ・バリコンにFM用の4連バリコンが一緒になった6連バリコンでした。
回転軸と反対の面に4つのトリマ・コンデンサが付属しています。この4つのトリマ・コンデンサは、FM用の4連バリコンにそれぞれ並列になっています。内部で接続されているので切り離すことはできません。 トリマ・コンデンサを最小容量にセットした時、FMセクションは2.9〜23pFの可変範囲があります。またトリマ・コンデンサの容量可変範囲は約10pFです。
FMセクションはFMラジオ専用と言うわけではなく、小容量のバリコンとして、セクション単独あるいは複数セクションを並列にして様々に活用することができます。(記述変更:2016.04.28)
☆
【中華トランジスタ:S9018H型】
表面実装型のトランジスタならまだ幾らでも手に入ります。 しかし、リード線付きのトランジスタは次々に製造中止が告げられています。 汎用品はまだ容易に手に入るのであせって買い溜める必要も無いとは思います。しかしいずれ入手できなくなる時が来るかも知れません。
「発展途上国のトランジスタ」と言うものがあって、写真のトランジスタ:S9018もその一つです。中国製らしいですが安価なので途上国に広く出回っています。 ほかにもS90XXと言う型番のトランジスタが数種類ありますが、国産品で困るわけでもないのであまり食指も動きませんでした。
S9018はそれらのトランジスタの中では最も高周波特性が良いものです。 同等以上の国産品もまだ簡単に手に入るので、あえて使う必要は無いのかも知れません。しかし評価しておけばいつか役立つかも知れません。他の90XX型トランジスタよりも幾らか魅力的です。
S9018は秋葉原のショップや通販で10個100円で手に入る高周波用です。2SC1815のような汎用トランジスタ(はんようトランジスタ:特に用途を定めない雑多な目的に使えるトランジスタのこと)と比べ高周波においては明らかに高性能です。 数MHz以上では2SC1815等の汎用品を無理して使うよりも、S9018を使った方が有利です。もし高周波用トランジスタを持っていないならパーツボックスにストックしておけばいつか役立ちます。
Aliexpressで検索すると1,000個単位で数ドルで売っているのが目に止まります。中華直輸入なら確かに安いのですが、2SC1815のような汎用性はありません。いくら安くても使い切れないほど在庫するのはナンセンスです。100円か200円分も買っておけば十分でしょう。半導体は陳腐化しますし。(笑)
【S9018Hのピン接続】
ピン配置は2SC1815や2SC1923等とは異なっているので十分注意します。足ピンの中央はベースです。コレクタではありません。
足ピンを下に向け型番の捺印面を正面に見た場合、左から右へエミッタ、ベース、コレクタの順です。左の写真も参照して下さい。
S9018はNPN型トランジスタです。カタログ比較では2SC387や2SC1923(どちらも東芝製)などと類似特性だと思えば良いです。2SC1906や2SC1907(どちらも日立製)とも良く似ています。いずれとも足の並びは違いますが十分代替可能でしょう。
写真の右端はS9018とは無関係なのですが、2N5401と言う高耐圧のPNP型のトランジスタです。これは高周波用ではありません。 通販で購入したS9018(aitendo←リンク)に異品として混入していました。流石に中華パーツですね。お店で購入する時には良く確認して下さい。通販品を使う際も同様です。良く型番を見ずに使ってしまうと結果は悲惨です。(爆) 中華トランジスタはほかにイーエレ(←リンク)などでも販売されています。
参考:型番印刷ミスの可能性も考えたのですが、混入品を確認した結果PNPトランジスタでしたから、小袋詰めの際に2N5401が混合してしまったようです。
【SS9018HのfT特性】
SS9018と言うのは米Fairchild社の同等品のようです。ネットでS9018の規格をサーチすると真っ先にヒットします。
この図は、Fairchild社のSS9018HのfT特性図です。これによればIc=1mAでfT=800MHzくらいです。fTのピークは1GHzを超えており、その時のIc=5〜6mAとなっています。小信号で使い易い特性に作られていると思います。 しかしこの特性はFairchild社のSS9018の特性なので注意を要します。中華製は次の図を見て下さい。
【S9018のfT特性】
安価で手に入る中華製S9018のfT特性は左図ではないでしょうか。図は中華系メーカ(JCST:江蘇長電科技)のS9018カタログからピックアップしたものです。
これによれば、Ic=1mAのとき、fT=400MHz少々と言ったところです。 FairchildのSS9018と比べて半分くらいしかありません。 まあ、それでもfTは高いトランジスタだと言えますが・・・。 fTのピークもIc=20mA近くのようなのでだいぶ特性は違います。
このあたり、SS9018の規格を参照すると実際のS9018では性能不足が起こる可能性もあるので注意しておきたいと思います。
勿論、バラツキもありますし中華製のS9018とは言っても複数の会社が作っている共通品のようですから、中にはFairchildのSS9018と同じような特性のものも存在する可能性はあります。Fairchild社も自身では製造せずにそうした物を調達・販売している筈ですから。(笑)
参考:件のS9018HのfTについて、実測してみた後日談(←リンク)があります。予想と違った意外な結果でした。(2017.7.10)
【S9018HのhFE特性】
S9018は高周波用トランジスタなので、コレクタ電流の最大値は小さめです。 従って、2SC1815のような汎用品と違って何にでも使うようなトランジスタではありません。
コレクタ耐圧:Vceoも低くて18Vが最大です。従ってL負荷の場合は半分のVcc=9V以下で使えば安全です。 また、左図のようにhFEカーブから見てコレクタ電流も20mA程度までの範囲で使う方が良いでしょう。 これはS9018が劣っていると言うよりも、高周波用トランジスタの一般的な特性です。耐圧が低く電流容量も小さいのは高周波特性を良くした結果だと言えます。
【S9018のhFEバラツキについて】
ところで、中華製のS9018は何故か売っているものはhFEの分類がHランクのものばかりです。 S9018Hと言うのはhFEが 97〜146の範囲の選別品なのです。 本当にHランク品か「眉唾もの」なので実物で確認した方が良いでしょう。 たぶん、顧客から「S9018 H 331をくれ」と言う注文ばかりが来るので無条件に「S9018 H 331」と印刷しているのではないかと強く疑われます。331と言うのは本来製造時期を示すロット番号の筈ですから全部が同じ筈はありません。ww
「怪しい」と言っているだけでは想像でしかないので、実際にhFEのバラツキを測定してみました。 その結果、n=44の標本統計になりますが、平均hFE(ave)=102.6、標準偏差S=8.61となりました。サンプル内における最小hFE(min)=94、最大hFE(max)=125でした。 実測では規格範囲より僅かにhFEの小さい物が混じっていましたが、概ね正しく選別がなされているようです。hFEは測定コレクタ電流によっても変わるので多少の違いはその影響も考えられます。
中華S9018は一般的なトランジスタよりもhFEランクの刻みが細かいので、果たしてどうだろうかと思いましたが意外な結果でした。(参考:例えば2SC1815ならYランクはhFE=120〜240と2倍の範囲に取っています)
【S9018Hのお薦めの使い方】
1MHzから150MHzあたりまでの小信号高周波増幅や高周波発振回路に向いています。VHF帯の超再生検波にも良いでしょう。 最近作った中華版PIXIE-Ⅱの水晶発振部にも使われていました。 このBlogの例では、短波ラジオや50MHzのクリコンに最適です。 送信機の用途ではPo=100mW以下のQRPpなら使えそうです。 5個くらいパラにして0.3W程度でしょうか?
【S9018Hを試す】
カタログ比較だけでは検証不十分です。 さっそく50MHzのクリコン(←リンク)で確認してみました。 足の並びが違うので写真のように少々不自然になりましたが注意すれば支障はありません。
写真では高周波増幅に使った例ですが、周波数変換の部分もS9018Hに交換して確認しています。 精密な比較ではありませんが、2SC1923Yや2SC535Cと比べて違いを感じません。 S9018は高周波用トランジスタとしてFBに使えます。 ほか、短波ラジオ(←リンク)でも確認してみましたが、流石に高周波用なので十分満足行く性能が得られています。
455kHzの中間周波増幅用には少々fTが高すぎるのですが、コレクタ・ベース間容量:Cobが小さいことから安定に動作しました。 コンバータ部でも受信バンド上端においてブロッキング発振など見られないので支障無く使えています。
☆
昔からあったような高周波回路の部品は徐々に姿を消す傾向にあります。ありきたりの電子機器はワンチップIC化されてきたので、昔ながらのRF用パーツはニーズが減って来たのでしょう。 ラジオのような高周波利用の家電品ニーズが無くなった訳ではないでしょうが作るための部品は世代交代しています。 特に国産のRF用パーツは製造中止が続出しています。 少々怪しいと思いながらも、中華パーツの中から良さそうなものを確認しながら使って行く必要が出てきたようです。上手に使えば非常にコストパフォーマンスの良い回路が作れそうです。 de JA9TTT/1
(おわり)fm
ご注意:このBlogはアフェリエイトBlogではありません。特定の商品やショップをお奨めする意図はありません。公開している商品情報やリンクは単なる参考です。お買い物は貴方ご自身の判断と責任でお願いします。
【熊本・大分大地震のお見舞い】
【熊本城:2016年3月15日】
写真は先月の半ばに熊本城を訪れた時のものです。 晴天に恵まれ、素晴らしい姿を見ることができました。 最上階から熊本市街を一望したのも記憶に新しいところです。 熊本訪問の前には湯布院にも立ち寄りました。
それから1ヶ月後の4月14日夜に始まる大地震で熊本県・大分県で甚大な被害が発生し、多数のお方が今なお避難生活を続けて居られます。 お見舞い申し上げるとともにTVから伝わる変わり果てた景色に心を痛めております。 被災者の方々の日常が少しでも早く復旧され、また熊本城もいつか以前のような美しい姿で再建されますこと、心から祈っております。 de JA9TTT/1
【中華ポリバリコン:443AB型】
日本国内ではずいぶん前からバリコンは生産されなくなりました。 いま存在する国産品はごく僅かな市場在庫だけでしょう。 特にポリバリコンは海外製を頼るしか無い状況になっています。(送信機用は細々とした国内生産がある)
写真は「443AB型」と言う中国製のポリバリコンです。良く見て頂くと引き出し端子にメッキ不良による錆が見られるなど、けして良い品質とは言えません。しかし等容量の2連バリコンともなると入手できるものはごく限られています。中波専用のトラッキングレス型バリコンならたくさん見掛けるのに、等容量の2連バリコンは限られてしまいます。きちんと使える部品であれば価値があると言えるでしょう。 なお、ショップにはBE-443AB型と言う品がありますがBEが付かないこれは別物です。
443AB型は最大容量が大きめで、等容量の2連バリコンなので中波帯のラジオは勿論ですが、短波を含む多バンドラジオを作るのにも向いています。 HAM/BCL用としてはHF帯のプリセレクタを製作するのにも良いでしょう。 秋葉原と通販で単価100円くらい(2016年4月現在)で買えるので入手してみました。 (入手先:aitendoの通販←リンク)
シャフトは短いので普通のツマミを付けるには延長シャフトが必要です。専用の延長シャフトも売っていますが、φ6mmのカラーと2.6mmのネジを使えば簡単に延長できます。 取り付けネジも2.6mmのビスですが長すぎるとバリコンを痛めてしまいます。取り付けパネルの厚みなどを考慮し長さには十分気をつけます。
【可変容量特性の測定】
国産のバリコン、例えば往年のミツミ製やアルプスの製品なら安心して使えました。2連バリコンのセクション間の容量誤差は厳密に規定されていたからです。連動誤差を気にする必要などなかったのです。
しかし、中華製パーツの仕様書を鵜呑みにするのは危険です。信じると痛い目に遭うことがあります。ww
443AB型は等容量の2連バリコンと言うことですから回転角と容量の関係、及び2つのセクション間の容量誤差を実測してみることにします。
写真は市販の分度器を細工してポリ・バリコンが取り付けられるようにした治具です。大きめのツマミと指針が付けてあります。 このような治具を用意した上で容量計を使って回転角と容量の関係を実測してみます。回転角度は目見当ですが±0.5度くらいの再現性はありそうです。 もっと正確にやりたいならシャシに固定し大型のバーニア・ダイヤルを付けると良いでしょう。(そこまでやる必要は無いと思いますが・笑)
【443AB型の可変容量特性】
測定結果です。 結論から言うと、セクション間の連動誤差はごく僅かであり、国産品のポリ・バリコンに劣らぬたいへん良い性能でした。
2個について測定しましたが、バラツキもあまりありません。もっと多量に調べると違う結果が出る可能性もありますが、まずは実用になる性能が得られていると考えて良いでしょう。
なお、国産のポリ・バリコンでも開発初期の頃はローターの加工が良くないため、ポリエチレンシートを巻き込んでしまう不良が頻発したそうです。 暫く前になりますが台湾製のポリバリコンでは10回も回転しないうちにそのような不良がほぼ100%で発生してたいへん困ったことがありました。
実際に10回転くらいで壊れることは無さそうですが、このバリコンも回転寿命に関しては十分な評価をしていないので期待した程の寿命はない可能性もあります。 取りあえず容量可変特性については合格ですが耐久性など使いながら評価して行きたいと思います。
国産品の入手が限られて来たので、安価なパーツとして取りあえず使える部品として考えたいと思います。あとは各自ご自身の判断で使ってみて下さい。電気的な性能は悪くありません。 前のBlogで扱った短波ラジオ(←リンク)の製作にも変更なしで使えます。
備考:443AB型はネットショップの説明ではFM用2連を含む4連バリコンのように書いてあります。 実際にはAM用の等容量2連ポリ・バリコンにFM用の4連バリコンが一緒になった6連バリコンでした。
回転軸と反対の面に4つのトリマ・コンデンサが付属しています。この4つのトリマ・コンデンサは、FM用の4連バリコンにそれぞれ並列になっています。内部で接続されているので切り離すことはできません。 トリマ・コンデンサを最小容量にセットした時、FMセクションは2.9〜23pFの可変範囲があります。またトリマ・コンデンサの容量可変範囲は約10pFです。
FMセクションはFMラジオ専用と言うわけではなく、小容量のバリコンとして、セクション単独あるいは複数セクションを並列にして様々に活用することができます。(記述変更:2016.04.28)
☆
【中華トランジスタ:S9018H型】
表面実装型のトランジスタならまだ幾らでも手に入ります。 しかし、リード線付きのトランジスタは次々に製造中止が告げられています。 汎用品はまだ容易に手に入るのであせって買い溜める必要も無いとは思います。しかしいずれ入手できなくなる時が来るかも知れません。
「発展途上国のトランジスタ」と言うものがあって、写真のトランジスタ:S9018もその一つです。中国製らしいですが安価なので途上国に広く出回っています。 ほかにもS90XXと言う型番のトランジスタが数種類ありますが、国産品で困るわけでもないのであまり食指も動きませんでした。
S9018はそれらのトランジスタの中では最も高周波特性が良いものです。 同等以上の国産品もまだ簡単に手に入るので、あえて使う必要は無いのかも知れません。しかし評価しておけばいつか役立つかも知れません。他の90XX型トランジスタよりも幾らか魅力的です。
S9018は秋葉原のショップや通販で10個100円で手に入る高周波用です。2SC1815のような汎用トランジスタ(はんようトランジスタ:特に用途を定めない雑多な目的に使えるトランジスタのこと)と比べ高周波においては明らかに高性能です。 数MHz以上では2SC1815等の汎用品を無理して使うよりも、S9018を使った方が有利です。もし高周波用トランジスタを持っていないならパーツボックスにストックしておけばいつか役立ちます。
Aliexpressで検索すると1,000個単位で数ドルで売っているのが目に止まります。中華直輸入なら確かに安いのですが、2SC1815のような汎用性はありません。いくら安くても使い切れないほど在庫するのはナンセンスです。100円か200円分も買っておけば十分でしょう。半導体は陳腐化しますし。(笑)
【S9018Hのピン接続】
ピン配置は2SC1815や2SC1923等とは異なっているので十分注意します。足ピンの中央はベースです。コレクタではありません。
足ピンを下に向け型番の捺印面を正面に見た場合、左から右へエミッタ、ベース、コレクタの順です。左の写真も参照して下さい。
S9018はNPN型トランジスタです。カタログ比較では2SC387や2SC1923(どちらも東芝製)などと類似特性だと思えば良いです。2SC1906や2SC1907(どちらも日立製)とも良く似ています。いずれとも足の並びは違いますが十分代替可能でしょう。
写真の右端はS9018とは無関係なのですが、2N5401と言う高耐圧のPNP型のトランジスタです。これは高周波用ではありません。 通販で購入したS9018(aitendo←リンク)に異品として混入していました。流石に中華パーツですね。お店で購入する時には良く確認して下さい。通販品を使う際も同様です。良く型番を見ずに使ってしまうと結果は悲惨です。(爆) 中華トランジスタはほかにイーエレ(←リンク)などでも販売されています。
参考:型番印刷ミスの可能性も考えたのですが、混入品を確認した結果PNPトランジスタでしたから、小袋詰めの際に2N5401が混合してしまったようです。
【SS9018HのfT特性】
SS9018と言うのは米Fairchild社の同等品のようです。ネットでS9018の規格をサーチすると真っ先にヒットします。
この図は、Fairchild社のSS9018HのfT特性図です。これによればIc=1mAでfT=800MHzくらいです。fTのピークは1GHzを超えており、その時のIc=5〜6mAとなっています。小信号で使い易い特性に作られていると思います。 しかしこの特性はFairchild社のSS9018の特性なので注意を要します。中華製は次の図を見て下さい。
【S9018のfT特性】
安価で手に入る中華製S9018のfT特性は左図ではないでしょうか。図は中華系メーカ(JCST:江蘇長電科技)のS9018カタログからピックアップしたものです。
これによれば、Ic=1mAのとき、fT=400MHz少々と言ったところです。 FairchildのSS9018と比べて半分くらいしかありません。 まあ、それでもfTは高いトランジスタだと言えますが・・・。 fTのピークもIc=20mA近くのようなのでだいぶ特性は違います。
このあたり、SS9018の規格を参照すると実際のS9018では性能不足が起こる可能性もあるので注意しておきたいと思います。
勿論、バラツキもありますし中華製のS9018とは言っても複数の会社が作っている共通品のようですから、中にはFairchildのSS9018と同じような特性のものも存在する可能性はあります。Fairchild社も自身では製造せずにそうした物を調達・販売している筈ですから。(笑)
参考:件のS9018HのfTについて、実測してみた後日談(←リンク)があります。予想と違った意外な結果でした。(2017.7.10)
【S9018HのhFE特性】
S9018は高周波用トランジスタなので、コレクタ電流の最大値は小さめです。 従って、2SC1815のような汎用品と違って何にでも使うようなトランジスタではありません。
コレクタ耐圧:Vceoも低くて18Vが最大です。従ってL負荷の場合は半分のVcc=9V以下で使えば安全です。 また、左図のようにhFEカーブから見てコレクタ電流も20mA程度までの範囲で使う方が良いでしょう。 これはS9018が劣っていると言うよりも、高周波用トランジスタの一般的な特性です。耐圧が低く電流容量も小さいのは高周波特性を良くした結果だと言えます。
【S9018のhFEバラツキについて】
ところで、中華製のS9018は何故か売っているものはhFEの分類がHランクのものばかりです。 S9018Hと言うのはhFEが 97〜146の範囲の選別品なのです。 本当にHランク品か「眉唾もの」なので実物で確認した方が良いでしょう。 たぶん、顧客から「S9018 H 331をくれ」と言う注文ばかりが来るので無条件に「S9018 H 331」と印刷しているのではないかと強く疑われます。331と言うのは本来製造時期を示すロット番号の筈ですから全部が同じ筈はありません。ww
「怪しい」と言っているだけでは想像でしかないので、実際にhFEのバラツキを測定してみました。 その結果、n=44の標本統計になりますが、平均hFE(ave)=102.6、標準偏差S=8.61となりました。サンプル内における最小hFE(min)=94、最大hFE(max)=125でした。 実測では規格範囲より僅かにhFEの小さい物が混じっていましたが、概ね正しく選別がなされているようです。hFEは測定コレクタ電流によっても変わるので多少の違いはその影響も考えられます。
中華S9018は一般的なトランジスタよりもhFEランクの刻みが細かいので、果たしてどうだろうかと思いましたが意外な結果でした。(参考:例えば2SC1815ならYランクはhFE=120〜240と2倍の範囲に取っています)
【S9018Hのお薦めの使い方】
1MHzから150MHzあたりまでの小信号高周波増幅や高周波発振回路に向いています。VHF帯の超再生検波にも良いでしょう。 最近作った中華版PIXIE-Ⅱの水晶発振部にも使われていました。 このBlogの例では、短波ラジオや50MHzのクリコンに最適です。 送信機の用途ではPo=100mW以下のQRPpなら使えそうです。 5個くらいパラにして0.3W程度でしょうか?
【S9018Hを試す】
カタログ比較だけでは検証不十分です。 さっそく50MHzのクリコン(←リンク)で確認してみました。 足の並びが違うので写真のように少々不自然になりましたが注意すれば支障はありません。
写真では高周波増幅に使った例ですが、周波数変換の部分もS9018Hに交換して確認しています。 精密な比較ではありませんが、2SC1923Yや2SC535Cと比べて違いを感じません。 S9018は高周波用トランジスタとしてFBに使えます。 ほか、短波ラジオ(←リンク)でも確認してみましたが、流石に高周波用なので十分満足行く性能が得られています。
455kHzの中間周波増幅用には少々fTが高すぎるのですが、コレクタ・ベース間容量:Cobが小さいことから安定に動作しました。 コンバータ部でも受信バンド上端においてブロッキング発振など見られないので支障無く使えています。
☆
昔からあったような高周波回路の部品は徐々に姿を消す傾向にあります。ありきたりの電子機器はワンチップIC化されてきたので、昔ながらのRF用パーツはニーズが減って来たのでしょう。 ラジオのような高周波利用の家電品ニーズが無くなった訳ではないでしょうが作るための部品は世代交代しています。 特に国産のRF用パーツは製造中止が続出しています。 少々怪しいと思いながらも、中華パーツの中から良さそうなものを確認しながら使って行く必要が出てきたようです。上手に使えば非常にコストパフォーマンスの良い回路が作れそうです。 de JA9TTT/1
(おわり)fm
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【熊本・大分大地震のお見舞い】
【熊本城:2016年3月15日】
写真は先月の半ばに熊本城を訪れた時のものです。 晴天に恵まれ、素晴らしい姿を見ることができました。 最上階から熊本市街を一望したのも記憶に新しいところです。 熊本訪問の前には湯布院にも立ち寄りました。
それから1ヶ月後の4月14日夜に始まる大地震で熊本県・大分県で甚大な被害が発生し、多数のお方が今なお避難生活を続けて居られます。 お見舞い申し上げるとともにTVから伝わる変わり果てた景色に心を痛めております。 被災者の方々の日常が少しでも早く復旧され、また熊本城もいつか以前のような美しい姿で再建されますこと、心から祈っております。 de JA9TTT/1
2016年3月23日水曜日
【回路】Crystal Converter Design (1)
【回路:クリスタル・コンバータ】
【太宰府天満宮の紅梅】
春分の日も過ぎ、桜の便りも届いています。 桜には少し早く、梅にはもう遅いあいにくのタイミングでしたが少し旅に出てきました。
九州も鹿児島は訪問したことがありましたが、他県はみな初めてです。 福岡、大分、宮崎、熊本そして長崎と巡って帰ってきました。
良く交信して頂いている熊本のOMさんにもアイボールしたかったのですが、半日ほどの滞在ではそうも行きません。 シャックを訪問させて頂きたいと思いつつも、残念な思いで後にしました。
もっとゆっくりした旅ができたなら良いのですが、ツアーともなると自由が利きません。 三泊四日でしたが振り返って見れば慌ただしいでね。
☆
・・・と言うことで、旅の疲れもあり三月2回目のBlog更新は中身がありません。 あしからず。(笑)
【コイルの作成から】
簡単なクリスタル・コンバータ(略称:クリコン)を作ろうと思っています。 まだ検討している実験途中ですから回路図は次回以降にします。 回路は確定していませんが、取りあえず実験回路は決めたのでコイルを巻いたところです。
クリコンの入力周波数は50MHzで出力は5MHz帯を予定しています。 クリスタルは45MHzの3rdオーバートーン用あるいは、15MHzの水晶をオーバートーン発振させる方法を考えています。 いずれも無いようなら14.318MHzの水晶でも良いかも知れません。この場合は7MHz帯に周波数変換されます。 在庫未確認ですが、45MHz/3rd-OTの手持ちは無いかも知れないので第2案になりそうです。
コイルはトロイダルコアに巻いて同調はトリマ・コンデンサで行くか、10Kボビンに巻いてコアの調整で同調をとるか少々迷ったのですが、写真のように10Kボビンにしました。
50MHzともなると、こうしたボビンに巻き線するよりも太めのメッキ線・・銀メッキが良い・・でコイルを巻き、同調はエアートリマが良いのだろうと思いつつコンパクトな製作を優先して10Kボビンにしました。 凝った回路で優秀なデバイスを使う設計なら銀メッキ線+エアートリマに限ります。 しかし、ポピュラーなRF用デバイス・・要するに安価なデバイス・・だけで構成するつもりですから10Kボビンが似合っているでしょう。
インダクタンスvs巻数のチャートを使って巻き線しました。 周波数が高いため巻き回数はごく少ないので簡単に巻けます。 ただし前準備が面倒でした。 新品のボビンに巻くわけではありません。まずは分解して既存の巻き線や内蔵コンデンサを除去する必要があります。 シールドケースは結構しっかり止めてありますから、それを外すのが第1関門です。 コイルにダメージを与えずに奇麗に外すのが難しいですね。 頻繁にやるなら分解用の治具が欲しくなります。 まずはコイル巻きが終わったので、次回は少し回路実験も進むでしょう。
☆
ジェネカバの受信機やトランシーバが当たり前になっています。 50MHzなんて何の苦労も無く受信できます。 それに5〜600円も出せばUSBワンセグチューナが手に入り、そのSDR応用でオールバンド・オールモード受信ができる昨今です。もちろん50MHzも聞こえます。 ですから「クリスタル・コンバータ」を作って親受信機に付加するなんて言う受信法は時代遅れでしょうね。 それはその通りなので否定はしませんが遊ぶ中身がブラックボックスでは何となく物足りなさを感じます。 ディスクリート部品を寄せ集めて「受信機」とか作る方が面白く感じますね。コイルを巻きトランジスタをならべる製作の中に手作りの楽しさがあります。 de JA9TTT/1
(つづく)←続きへリンクfm
【太宰府天満宮の紅梅】
春分の日も過ぎ、桜の便りも届いています。 桜には少し早く、梅にはもう遅いあいにくのタイミングでしたが少し旅に出てきました。
九州も鹿児島は訪問したことがありましたが、他県はみな初めてです。 福岡、大分、宮崎、熊本そして長崎と巡って帰ってきました。
良く交信して頂いている熊本のOMさんにもアイボールしたかったのですが、半日ほどの滞在ではそうも行きません。 シャックを訪問させて頂きたいと思いつつも、残念な思いで後にしました。
もっとゆっくりした旅ができたなら良いのですが、ツアーともなると自由が利きません。 三泊四日でしたが振り返って見れば慌ただしいでね。
☆
・・・と言うことで、旅の疲れもあり三月2回目のBlog更新は中身がありません。 あしからず。(笑)
【コイルの作成から】
簡単なクリスタル・コンバータ(略称:クリコン)を作ろうと思っています。 まだ検討している実験途中ですから回路図は次回以降にします。 回路は確定していませんが、取りあえず実験回路は決めたのでコイルを巻いたところです。
クリコンの入力周波数は50MHzで出力は5MHz帯を予定しています。 クリスタルは45MHzの3rdオーバートーン用あるいは、15MHzの水晶をオーバートーン発振させる方法を考えています。 いずれも無いようなら14.318MHzの水晶でも良いかも知れません。この場合は7MHz帯に周波数変換されます。 在庫未確認ですが、45MHz/3rd-OTの手持ちは無いかも知れないので第2案になりそうです。
コイルはトロイダルコアに巻いて同調はトリマ・コンデンサで行くか、10Kボビンに巻いてコアの調整で同調をとるか少々迷ったのですが、写真のように10Kボビンにしました。
50MHzともなると、こうしたボビンに巻き線するよりも太めのメッキ線・・銀メッキが良い・・でコイルを巻き、同調はエアートリマが良いのだろうと思いつつコンパクトな製作を優先して10Kボビンにしました。 凝った回路で優秀なデバイスを使う設計なら銀メッキ線+エアートリマに限ります。 しかし、ポピュラーなRF用デバイス・・要するに安価なデバイス・・だけで構成するつもりですから10Kボビンが似合っているでしょう。
インダクタンスvs巻数のチャートを使って巻き線しました。 周波数が高いため巻き回数はごく少ないので簡単に巻けます。 ただし前準備が面倒でした。 新品のボビンに巻くわけではありません。まずは分解して既存の巻き線や内蔵コンデンサを除去する必要があります。 シールドケースは結構しっかり止めてありますから、それを外すのが第1関門です。 コイルにダメージを与えずに奇麗に外すのが難しいですね。 頻繁にやるなら分解用の治具が欲しくなります。 まずはコイル巻きが終わったので、次回は少し回路実験も進むでしょう。
☆
ジェネカバの受信機やトランシーバが当たり前になっています。 50MHzなんて何の苦労も無く受信できます。 それに5〜600円も出せばUSBワンセグチューナが手に入り、そのSDR応用でオールバンド・オールモード受信ができる昨今です。もちろん50MHzも聞こえます。 ですから「クリスタル・コンバータ」を作って親受信機に付加するなんて言う受信法は時代遅れでしょうね。 それはその通りなので否定はしませんが遊ぶ中身がブラックボックスでは何となく物足りなさを感じます。 ディスクリート部品を寄せ集めて「受信機」とか作る方が面白く感じますね。コイルを巻きトランジスタをならべる製作の中に手作りの楽しさがあります。 de JA9TTT/1
(つづく)←続きへリンクfm
2010年5月2日日曜日
【旅】5月の風
旅と言えるほどじゃないローカルな話しである。 天候不順だった4月も終わり、爽やかな5月が訪れたようだ。 連休の遠出は渋滞が恐ろしいので近くの散策に出掛けた。埼玉県営・秩父高原牧場は約30kmの距離にあって手軽な範囲だ。
爽やかな5月の高原の風に鯉のぼりが伸びのびと泳ぐ。 水仙が咲き遅い桜もまだ残る高原の春を感じた。 牧場特製というソフトクリームを舐めながらしばしノンビリした空気を楽しんできた。 空気がウマイと何でも美味しい。
高速インター方面に向かう帰路は少しだけ渋滞に遭遇したが、早々に群れと反対方向に別れることができた。あとはスイっと家まで戻って来た。 何が何でも高速道路を使おうとするから渋滞を「タップリ楽しむ」ことになる。 みなと同じ発想じゃそれも当たり前だろうか。路上の車列より高原の眺めの方が良い。(笑)
# 連休前半はすっかりのんびりしたので明日は鏝でも暖めようか。それとも・・・?
2009年11月23日月曜日
【旅】冬桜@2009
冬の桜を見てきた。「旅」と言うほど遠方でもない。
春の桜とはまた違った趣がある。花のかたちも少し違うようだ。
大きな地図で見る
「寂しい感じ」だろうと思っていたが、なかなか賑やかな咲きっぷりだ。 満開を過ぎてもサクラ吹雪のようにはならないようである。 春の桜よりずいぶん長く楽しめるとか。
松の緑、紅葉の赤、桜の薄紅がいっぺんに見られる。
ちょっと不思議な景色だ。
樹による個体差が大きいようで、咲き具合は「ちらほら」〜「満開!」までいろいろだった。
ちょうど紅葉も見頃だった。 11月も末になり遅いだろうと思っていたら良い頃合いだった。 山は赤や黄色に濃く彩られていた。
ここは彩り豊かな「彩の国」ですから。(笑)
場所はこちら: 城峯公園
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# 冬桜はそろそろ盛りを過ぎて来たが紅葉は来週も楽しめそうだった。
2009年11月8日日曜日
【映画】ゼロの焦点
小説:ゼロの焦点 昨日は山崎豊子の「沈まぬ太陽」を見てきた。国民航空NALを舞台にした左遷人事と会社を食い物にする政治家と御用組合・・・昨今の某航空会社そのままをただちに連想させる内容である。確かに映画化には抗議が来てもおかしくない。 利用価値の無い地方の「政治家空港」への義務的な(赤字)就航を余儀なくされた航空会社にとってどんな経営戦略も意味を持たないだろう。そうした気の毒な面もあるが、一面ではうまい汁を吸っていそうな(正)社員の姿がだぶれば、税金投入になりかねない救済に納得できないのも当然な感覚だろうと感じつつ、完全なフィクションと言う映画を見終えた。
来週から始まるのが標題の「ゼロの焦点」である。 何となくストーリーは知っていたが、読んだことは無かった。 映画の予告編を見て(一足先に・笑)展開を追うために階下の書店に寄ってしまった。 たぶん、先に読んだら面白くないだろうと思いつつも、写真の三女優がどのように演じるのか映画も見てみたいと思ったしだい。(笑)
500ページ弱の中編を一気に読み終えたばかりだ。 金沢を中心に能登あたりの風景を描写するシーンが多々登場する。 津幡と言えばJA9CZJ松盛さんが・・・とか、羽咋海岸でキャンプしたなあ・・とか、和倉温泉は行ったことはあっても逗留した経験は無いなあ・・・とか、シーンごとに自分のイメージを重ねながら駆け足で読み終えた。
舞台となった昭和30年代のはじめころは私の親の時代である。時代背景や生活の実感は湧かないが、敗戦の痕跡がまだ色濃く残っていた時代に違いない。 今の時代にはそぐわない古い時代の感性に基づくだけに映画がどれほど共感を得るかは未知数だろうと思う。 なので三女優に賭けたのかもしれない。(笑) まだ見てはいないが、一応お薦めしておこうか・・と。
★追伸:予定の1日遅れで「ゼロの焦点」を見てきた。二時間少々のTVドラマチックなのはやむを得ないが予想したよりかなり良かった。ストーリーの終わらせ方は小説の方がドラマチックと感じるので先に映画の人も読んでみるのをお薦めしたい。「おくりびと」の印象から難しそうに思った禎子役の広末涼子も悪くなかったと思う。(2009.11.15)
2009年10月17日土曜日
【測定】古城は住み難い?
1960年代に再建されたので内部は「近代的」なのである。外観も奇麗に整備されており美しい姿を見せてくれる。 今年の夏に出掛けた時のスナップから。
ところで、6月27日のBlogで扱った古城(=古いオシロスコープ):Tektronix 2440だが結局返品になってしまった。住んでみたら満足に暮らせないので契約を解除して・・・と言ったところだろうか。
オークションではなくて、「中国地方」の老舗中古業者から購入したものである。オークションあるいは無保証の業者よりやや割高だったが半年間の保証が付いていた。
ジャン測をどう考えるかだが、予め判っている不具合を自身で整備するつもりなら安価な方が良い。 しかしすぐ使うことを優先した「実用品」なら一応の確認済み、保証付きが良いと思う。中古業者によっては無条件に返品できる試用期間を設けているところもある。
「かたまる」
そのオシロだが、動作しているときは機能も正常で精度も悪くなさそうであった。しかし、通電して短い時で15分、長い時でも1時間くらいで「固まって」しまうのである。 そうなると管面には何も出ないしスイッチ操作も受け付けない。
マイコン搭載計測器の特徴と言った症状だろうか。 電源を切って30分ほど放置すると正常に復帰する。 何度やっても現象は再現するのでこれは明らかに不具合である。発生頻度も高く、とても実用にならないので原因特定の上で修理してもらうか、あるいは同等以上のものと交換をお願いすることにしたわけだ。
ざっと症状を書いたメモなどを添付し厳重に梱包してお返えしした。 返却して約1週間、結局古城が帰って来ることはなかった。 症状が再現されたそうで、しかも修理は難しいようであった。なにぶん古いから止むを得ないだろう。更に適当な代替品もなさそうだったので、やむなく返金してもらうことにした。なくなるとちょっと不便だが仕方ない。 今度買うならLCD画面になるのだろうか?
「仮入城」
応急の代替品である。 先代の少し校正がズレてきたTek2445を整備(再調整)するのがベストなのはわかっている。 しかし、いまは整備の暇がないから応急としてTek466に登場してもらった。波形観測の目的ならこれでも十分すぎる。一応アナログストレージ(!)もできることだし・・・。Tek 466もなかなかの古城(銘城?)である。これは以前自分で修理したもの。マイコンは載ってないので安心だ。(笑)
その購入業者のことだが、応対は好感が持てるものであった。流石に古くから中古計測器を扱っているお店らしい。信用を重んじているのだろう。 スムースに対応していただけたと言うのが印象である。 保証があったので故障が見つかった時も安心感があった。 これがオークションのN/C、N/R品だったらいきなり粗大ゴミだったかも知れない。オシロなんて部品取りにもならないんだから・・・。
ジャン測も目的如何で購入先を選ぶべきだと実感された。 いじってからダメだったと言って返す訳にも行かないので、自分では一切手をつけなかった。 故障原因に関して私の所見であるが温度が上がるとRAMの読出しエラーでも出るのではないだろうか? 揚句はマイコンが暴走し・・・。古いメモリICには結構あった劣化のように思う。暖まってくるとダメというやつだ。 同じ部品を入手して交換したら面白そうだ。直る確率も高いと思うが、まったくの見当はずれかもしれない。(爆)
# Tek 2440だが、なかなか良いオシロだったのでちょっと残念である。 では良い出物があればまた買うかと問われれば、それはやや微妙なところだ。 見かけは一見普通のアナログ風でも古いデジものはやっぱり・・・。
2009年9月7日月曜日
【旅】JA9TTT/8は・・
JA9TTT/8の波は出なかったが・・・。
夏はもう終わっている。さりとて秋には少し間がある。
真冬のイベントは遥か彼方・・・
オフシーズンの北海道をちょっと旅してきた。
夕食帰りに見た札幌テレビ塔の電飾が奇麗だ。
変色LEDが使ってあり数種のパターンで点灯する。
大通公園の噴水も照明されなかなかである。
最近の定番:日帰り旭山動物園の帰路は美瑛・富良野経由である。
ラベンダー畑も終わっていたが少しだけお花畑も残っている。
変わり易いお天気で峠越えは雨模様であったが、ファーム富田に着く頃には何とか持ち直した。遠方雲の下は十勝岳連峰のようだ。
このあと「ふらのワイン工場」で試飲して札幌に帰還。
今日は小樽に向かった。 写真は小樽運河。
相変わらず不安定なお天気。六花亭で買い物などして外に出れば雨が・・・。
帰路は小樽駅から新千歳空港まで直通のJR「快速エアポート」で向かう予定だった。
駅についてビックリ! 千歳線が豪雨で不通とのこと。
取りあえず札幌まで出て相乗りタクシーで離陸5分前に滑り込んだ。
最後はドタバタしたが予定の便に搭乗できたので無事に帰宅できた。
明日からまた仕事である。 ちょっと憂鬱だなあ・・・(^^;;
後日談:千歳線の乱れは21時過ぎまで続き、快速41本を含む列車113本が運休したそうだ。間一髪、空港に滑り込んで予定通り帰れたのはかなりラッキーだったようだ。(笑)
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