2009年7月3日

【部品】長波136kHz用バー・アンテナ

長波・中波帯用のバー・アンテナ・コイルのはなし。

バー・アンテナ/フェライト・アンテナと言えばトランジスタ・ラジオ専用のイメージがあってHAMが使うことは滅多に無い。 HAMは受信するだけでは済まないので、送信にまったく不適当なバー・アンテナなどに着目はしないのだろう。

しかし色々な用途があって重宝することがある。 私が積極的に使った例としては電界強度計の製作がある。 もちろん簡易なものだがホイップ・アンテナ不要で機動的であった。バー・アンテナはループ・アンテナの一種であって、この場合は電界強度計と言うより『磁界強度計』と言うべきかもしれない。ずいぶん前になるがMobile HAM誌に製作記事を発表した。 シールデッド・ループ構造にしたので周囲から静電的な影響を受け難く便利に使えるものだった。 そのほかにも、フェライト・コアはコモンモード・チョークやバラン用としても使える。 トロイダル・コアと違い開磁型なので磁気飽和しにくいのが長所だ。

写真はコアの長さが100mmのもので、右側の巻き線が中波帯用(531kHz〜1602kHz)、左の巻き線は長波帯用(153kHz〜279kHz)である。欧州向けトランジスタ・ラジオ用だったのだろう。長波巻き線は分布容量が少なくなるような巻き方がしてある。

コアの長さ120mmのバー・アンテナ:

ところで、バー・アンテナと一口に言っても様々なものがある。構造やサイズは見ればわかるが、一番のポイントはフェライト・コアの材質にある。
 たとえば一般HAMバンド用の電界強度計を作るには短波帯に適したものが必要だ。 中波止まりのコア材では透磁率:μ(ミュー)が周波数とともに低下し、Qも2MHzあたりを境に急落してしまう。 既に巻き線してある時は短波帯への適否も何となくわかることも多い。しかし結局のところ、こればかりは買って調べてみないと正しく判断できない。 良さそうと思い入手したものの、中波帯止まりだったものはパーツボックスに眠ってしまっていた。

 写真のものは、通販で購入したものだが、残念ながら中波帯より上でQはガックリである。 左の巻き線(L=350μH)が中波用、右側の巻き線(L=3.3mH)が長波用でどちらの周波数でも良好であった。なお、長波付きラジオは上下に余裕を持たせてあって約140〜300kHzをカバーするようだ。
コアの長さ140mmのバー・アンテナ:

バー・アンテナは断面積が大きく長いものほど高感度である。同一電界内に置いたときバー・アンテナから取り出し得る最大電力はコアの寸法によって決まってしまう。 従って、いくら巻き方を工夫しHigh-Qなコイルを作っても、小さなコアではサイズで感度の限界が来てしまう。

写真のバー・アンテナは、左のセクション巻きになった巻き線が長波帯用で、右のソレノイド巻きが中波用、そして中央の小さな巻き線は外部アンテナ用リンクである。 比較的大型で高級なラジオに使うものだ。 残念ながら短波帯には不適当だったから上記同様にパーツボックスに眠ってしまった。入手したのは、まさか長波のハムバンドが実現するとは思わなかった頃だった。

 本格的なアンテナを建てるのとは違いバー・アンテナには限度がある。幾ら大きなコアを使ったからと言っても自ずと限界がある。長波でやったことは無いが短波帯でどこまで聞こえるか試したことがある。 結論から言えばBCLラジオなど比較にならぬほどの感度まで行けるが、最後は熱雑音との戦いとなりそこで終わった。本格的な交信用には不十分だが簡易なテスト用受信機あるいは電界強度を調べる測定器用には最適である。大きなアンテナが張れない長波帯に向いているから利用価値の低かった部品も少しは着目されてきた。(笑)

 上記のどれも長波帯のハムバンド:136kHzには良さそうであった。 コアの直径は同じようなものだが、少しでも長いこれが中でも有望だ。代表して評価してみることにした。なお、Qメータで評価したが、ディップメータ(DM)ほか可変周波発振器+オシロスコープで評価することもできる。オシロスコープはVTVMで代用しても良い。要は共振特性の具合を判断すれば良い。発振器となるべくウイーク・カップリングになるように工夫し、-3dB帯域幅で中心周波数を除すれば"Q"になると言う原理的な方法でやる。 なお、短波帯に使えるバーアンテナは多くないから必ず調べるべきだが、中波や長波で使えないものにお目にかかったためしは無いから、そこで使うならサイズで選んでも十分だと思う。

L=140mm:バー・アンテナ・コイルの評価:

 長波用巻き線の共振特性を調べた。中波用の巻き線は一旦外してしまい、長波用巻き線を中央に寄せて測定している。
 なお、巻き線の位置が端部と中央ではインダクタンス、Qともに大きく変わる。 従って使う際の位置にコイルを固定して調べないと意味は無い。巻き線をコアの中央に置くと最大のインダクタンスを示し性能が最も良い状態となる。

 巻き線方法でバー・アンテナの性能もずいぶん変わる。 詳しく調べたデータもあるが今の目的である長波帯では工夫の余地も少ないうえ性能に大差は出ない。従って適当なインダクタンスが得られるならあえて巻き換えなくても元々の巻き線で十分だ。 リッツ線が巻いてあることも多いが、136kHzでは表皮効果は大きくないからUEW線で十分そうだ。 但し巻き線どうしが密着すると分布容量が多くなり、また近接効果と言ってQが下がる現象もあるから絹巻き線が好まれるのだろう。

素晴らしくHigh-Qである。

135kHzにおける無負荷Q(=Qu)は540を示した。この状態でインダクタンスは4.2mHあり、約330pFで同調する。

長波付きトランジスタ・ラジオではBC帯と同じバリコン(ポリ・バリコン)を使う関係でHigh-L/Low-Cになる。 おまけにたいへんなHigh-Qである。 これらの条件は一般的に共振インピーダンスが高くなって有利だが、それも程度問題だ。 あまりクリチカル過ぎても困るので使い方を工夫しないといけない。(ほか2種類のバー・アンテナもHigh-Qである)

 試行錯誤が必要なので今から構想を書いても仕方ないが、NFの小さいトランジスタかFETを使って取り出される電力を無駄にしないよう設計すべきだ。 周波数が低周波並に低いことからGaAsやHEMTと言った超高周波用デバイスが適当であるとは言えず、むしろAudio用の中に良いものがありそうな気配がある。このあたり最高性能を極めるには我々にとって未知の周波数なのだ。

長波帯ラジオのフロントエンド・デザイン:(スーパーヘテロダイン式)

長波帯受信機の回路は殆どお目にかからないので、半導体を使ったものと真空管式を設計をしてみた。 140kHz〜310kHzがカバーできるようにしてある。カバー範囲を広めにとったのでアンテナ・コイルは分布容量が少なくなるように巻くこと。なお、これはEu標準の長波放送バンド受信用であって、136kHzのハムバンド用ではない。(変更法については後述)

半導体式の場合、トランジスタ1石の自励式コンバータでも十分実用するが、ここではMixerにDual Gate MOS-FET(3SK73)を使い、Local-OSCにはJ-FET(2SK192)を使った。少しだけ『通信機』を気取ってみた 訳だ。 FETは入力インピーダンスが高いので、コイルにタップは不要である。バリコンは最大275pFの等容量2連ポリ・バリコンを使う。 アンテナ同調回路はハイ・インピーダンスになるので、IFアンプと結合しないよう要注意だ。 必要に応じてシールドするなど、通信機を作るつもりでやれば問題ない。送信アンテナの近傍で使うには保護回路を設けMixerのFETを飛ばさぬように! 真空管式は五球スーパのコンバータ回路その物である。七極管のコンバータはノイズが云々などと寝言を言うのは現実を知らない人だ。ここはVHF帯ではないからきちんと調整できるなら性能を心配する必要はない。 こちらは430pFのバリコンを使う設計にした。従ってコイルのインダクタンスも半導体式とは異なる。

136kHz帯HAM Bandへの変更であるが、非常に狭いハムバンドなのでこのような本格的なトラッキング設計をしなくても十分である。従ってごく簡単にできると思う。このバンドではRFアンプの必要性は感じないだろう。すぐ上のBCバンドの放送波は非常に強力なので混変調を避ける意味で非同調/広帯域な高周波アンプを付けてはいけない。付けるなら必ず同調回路形式のものを。

巻き線ストッパー:

バー・アンテナ一般について少しだけ触れておく。
コアの上で巻き線を動かすとインダクタンスが変わると書いた。トランジスタ・ラジオのトラッキングは巻き線を動かして調整する。 調整したらその位置で止まっていてくれないと困るので、このようなクザビ型のストッパーを使う。 
パラフィンで固めてしまう例もあるようだが、本来は巻き線の位置が加減できるようになっているべきだ。 安価なトランジスタ・ラジオでさえも、きちんとトラッキングをとると驚くほど高感度になる。

巻き線ストッパー(使い方):

このように、ボビンとコアの間に差し込んで半固定する。 トランジスタ・ラジオ(スーパーヘテロダイン式)のトラッキングは結構シビアである。 最後はほんのわずかの加減になるのでクサビの入れ方でも変化するくらいだ。 そこまで調整すれば6石スーパーも相当高感度なのがわかる。


 6石スーパーと比べると五球スーパーの方が遥かに高感度だという印象を持っているかもしれない。しかし、実際は同等かトランジスタ・ラジオの方が高利得なくらいである。 それはバー・アンテナと言うたいへん不利な『アンテナ』で十分良く聞こえる必要があるからだ。 もしバー・アンテナではなく無線用外部アンテナを付ければ聞こえ過ぎて困るほどの感度(ゲイン)がある。6石スーパー侮れずである。

 バーアンテナは便利ではあっても比較してたいへん低性能である。本格的な通信用途にはきちんとしたアンテナが必要だから期待してもその代替品にはならない。しかし、移動運用など機動性を活かす目的にはたいへん面白い素材だ。最大限の性能が発揮できるよう回路的な工夫とデバイスを探求する面白味もありそうだ。それにはまずはバー・アンテナと言う素材から着目してみた訳である。


粗大ゴミの日には古くて大きな『ラジカセ』が捨てられているのを目にする。大きなバー・アンテナが使ってありそうだから回収してみては如何だろうか?

2009年6月27日

【測定】古城の主

Tektronix 2440と言う【古城】の主(あるじ)になった。

その昔、仕事に使ったことがあるオシロだ。普通の波形観測に常用できるデジタル・オシロスコープとしては初期のものだと思う。 それ以前にもデジタルストレージ機能も持ったオシロスコープはあったが、サンプリングが低速なのでもっぱら低速の単発現象の観測用であった。従ってたいていは従来のアナログオシロとの複合機であった。扱いが難しい蓄積管式ストレージ・オシロスコープの代用だったのである。Tek 2440はストレージ機能を追加したものではない。常にデジタルモードで使うオシロスコープである。(いまのデジオシのご先祖)

 こんな古くさいデジオシなど如何なものかと思う。懐かしさ半分で手に入れたのであってお薦めするようなものではない。ただ、古臭いとは言っても当時(1989年ころ)、225万円もしたので、それなりに高機能・高性能である。サンプルレートやメモリ長では今の物に太刀打ちできないが、トリガの安定性など本来オシロスコープが持つべき性能は十分なものだと思う。20〜30万円のデジオシとは違うクオリティを感じる部分は多い。まあ、それだけコストが掛かっているのだから当たり前だ。500MS/Sで200MHzまで。繰り返し波形に限られるが等価サンプリングで300MHzの帯域幅を持っている。メモリ長は1024ポイントである。

オシロとして普通に使える:

初めてだと管面に波形を出すだけで戸惑うかもしれない。アナログな昔のオシロしか知らぬとそんなものである。 実際、初めての時は何をどうしたら良いのか・・・だったように思う。パネル面にレンジの表示など一切無いからだ。 まあ、そんな時は『AUTO』ボタンである。取りあえず何らかの波形を表示してくれるはずだ。

 当時の感想であるが、使ってすぐにデジタル・ストレージ・オシロスコープ(以下デジオシと略)の欠点を感じた。多機能だが整理されておらず旧来のオシロに馴染んだ直感では操作できなかった。おまけにトレースもあまり美しく感じられない。暫くアナログ機から転向できなかったのである。『高級で高機能だから煩雑な操作なのだ・・・』ではツールとして如何なものかと思ったものだ。年月を経て今のデジオシは常用機能を前面に出してずいぶん使い易くなっている。ツールとしては当たり前の進化だろう。

 Tek 2440は扱い難かったからフタを閉められ棚に鎮座していることが多かった。当時のリベンジの気持ちを込めてその【古城】の主になってみたようなものだ。 人気がない難物は同時代に半値もしなかったアナログ機より安価なほどだ。わかって使えば優れモノでも無手勝流ではとても使いこなせない。要するに簡単ではないのだ。まあ、オシロの顔はしていてもこいつはA/D変換してデータ処理して表示する別物だと思うべきだろうか?(笑)

AM変調波を見る:

これは変調度40%のAM波だがデジオシで見る方法を知らないとこう見えない。 エンベロープ・モードを使う。そうすればそれらしく見ることができる。 もちろんSSBの2-Tone波形も同様である。デジオシ全盛だから既に常識の範囲であろう。今のデジオシにももちろん機能は備わっている。

 しかし、アナログオシロのように奇麗に見えないのがちょっと不満だ。 変調歪みの判定が難しい感じだ。 改善されているが未だにアナログオシロを凌駕できていない部分だと思う。 こうした観測にデジオシは向いていないのである。 だからHAMにはCRT式のアナログ・オシロスコープが向いているなんて言うと、時代遅れと言われるだろうか? 拙宅には未だにアナログの古城がある理由なのだが・・・。

状態を表示するHELP画面:

HELPボタンを押すと表示される。ロータリ・スイッチ式のレンジ切換えをやめたから此れが必要なのだろう。垂直軸感度も時間軸の刻みもすべてロータリ・エンコーダ式だ。ツマミに現在ポジションの表示は無い。
 他の機能も同様でパネルを見ても現在の設定がどうなっているのかわからない。 管面周辺に垂直感度や掃引時間のような主要パラメータは常時表示される。しかしそれだけでは細かく表示しきれるものではない。HELPボタンを押すと現在の状態がこのように表示される。今のデジオシはもっと親切(?)で日本語表示のヘルプも選べるから良くわかったような気分になれる。

 このオシロに限らず、マイコンを使いプッシュ・スイッチやロータリ・エンコーダで機能を設定する装置は再起動のとき困ることがある。毎回初期状態で立ち上がるのでは面倒だ。 旧来のロータリ・スイッチ式なら今朝の観測を夕べの状態から始められる。 こんなことは当たり前だと思うに違いない。 それでTek 2440は設定状態をメモリに保持し再投入で昨日と同じ所から立ち上がるようになっている。まあ設計者なら誰でもそうするだろう。(ただ、それが困ることもある。膠着状態に陥っても電源オフで強制リセットしないからだ。だからAUTOボタンがある訳なのだが)

計測機能はデジタルならでは:

入力波形を表示するだけでなく、このように周波数やP-P波高値を数字表示する機能がある。 波形を解析して数字で表示する機能であって、これは既存のアナログオシロではなかなか困難であろう。 パルスの立ち上がり時間計測や、オーバーシュートなど数知的に捉えて表示する機能がたくさんある。これだけ様々な機能をモトローラの8bitのマイコン:MC68B09でこなしているとは驚いた。

 トリガ機能やメモリ機能などの関係で時々旨くない状態に設定して波形が更新表示されない状態に迷い込んでしまうことがある。そんな状態から取りあえず抜けるにはAUTOボタンだ。 良く解ったつもりで使っていても、無意識に膠着状態に陥ってしまうこともある。『AUTO』なんて初心者用だと馬鹿にしてはいけなかったようだ。(笑)

 まだ道具に使われている感じがして良く手に馴染んだとは言い難いが、難物も使いこなせるようになってきた。初めて接した昔とは雲泥の差だ。『なるほど、これは便利だ!』などと今ごろ気付いても時既に遅過ぎだろうか。

 改めて、普通は今風のLCD式デジオシを買うべきだろう。 小型・軽量でサンプリングも高速でメモリ長もはるかに長い。何よりも扱い易いのが良い。デジタル物は進歩が早く性能対価格比では雲泥なので中古品なんかより、ちょっと頑張って新製品にするのがベストだ。

扱い難い道具を使いこなすのは嫌いじゃないし、この古城もメインとして十分いけそうなので、入れ替えてみようと思う。

またまたレトロな機器の話で失礼した。(^^)

2009年6月20日

【HAM】らしさは?

写真は八重洲無線のFT-901Dだ。

 パネルを埋める整然と並んだ押しボタンが現代的無線機の象徴だろうか。たくさんあるボタンやツマミのいったい幾つを常用するのだろう?

 たった数%のニーズしか想定できなくとも他社が搭載すれば対抗上機能を加えなくてはならない。 ユーザーも自己の運用スタイルを描き切れているかと言えば必ずしもYes!ではないだろう。新しい無線機に新たな境地を期待しているはずだ。だからこそ機能満載の製品を選ぶだろう。

 こうしておびただしいボタンとツマミ、そして階層メニュー式画面が搭載されることになる。 便利は良いことだ。何時か使うかも知れないから豊富な機能を否定するものではない。 もちろん満載の機能の前提には高い『基本性能』があるのは言うまでもあるまい。

 さて、その上で「無線機らしさは?」と問えば何だろうか。 嗜好も大いに関係するがこんな「いかついデザイン」にちょっと目が止まった。 古くさいけど必要機能はあるしCW/SSBには十分だ。運用モードが変わらぬ限り通用する。拡張された7MHzにも対応する。では今の無線機の「らしさ」は何処に感じるべきなのか? まさかボタンの数ではあるまい。(笑)

デジタルなモードでオンエアするなら近代機に限るんだが・・・

2009年6月15日

【その他】Over 50,000 Visitors

お陰さまで、さきほど50,000ビジターを越えたようです。
いつもご覧頂き有難うございます。 之からもよろしく。

ご覧になったコメントもたくさん頂けると嬉しいですね。

2009年6月14日

【測定】DELICA M1A mini Bridge

三田無線研究所/DELICAのM1A型ミニブリッジである。

ミニブリッジは商品名であって『インピーダンス・ブリッジ』の一種だ。 電気関係なら必ず授業で習う『交流ブリッジ』の原理に基づく測定器である。
 抵抗:R、キャパシタ:C、インダクタ:Lを測定することができる。 直流のブリッジでは測定できないLやCの値が測定できるのが特徴だ。

 ラジオに興味をもったらまずはテスター(回路計)を手に入れるだろう。 そのうちCやLを測定したくなるが、それにはインピーダンスブリッジが最適だ。 最近のテスタにはオマケ機能でC測定が付いているが、測定原理からブリッジほど精度の良い測定ができるわけではないようだ。

 テスタのあとは無線家ならグリッド・ディップ・メータ/GDM/GDOが欲しくなる。めでたく開局すれば次はSWR計だろうか。電子回路に興味をもった私はGDMの次はデリカのミニブリッジを購入した。1975年のことである。SWR計の方は自作した。

オリジナルの箱:

 最近は何でもデジタル・リードアウトになった。シャックのLCR測定器もデジタル式に移行したから半ば遊休化している。 それに暫く前に使ったとき少々不調だったのでそのままになっていた。
 何時か様子を見てやりたいと思い、気になっていた。思い出すように取り出してみた訳だ。 流石に34年も前の購入で段ボール箱も焼けている。それでも箱があれば中身を保護してくれている。 DELICAの測定器はGDMとSSGがあるが元箱に入れてあるから未だに中身は奇麗である。(笑)

取り扱い説明書:

 測定器にとって取扱説明書は重要である。どのような意図で設計され、どんな機能があり如何に操作するべきかは取扱説明書にあたるべきだ。 そのうえで応用測定ができれば使いこなしていることになる。
 新品で購入したので簡単な冊子だが取扱説明書も付いている。 単純なLCRの測定のほかトランスの対比や二次側に定格の負荷を付けた状態における一次側から見たインピーダンスの測定など、応用にも触れられている。
 当時の宣伝文句に、購入したら「まずはジャンク部品の測定で操作を習得し同時に怪しい部品を始末しよう」と書いてあった。 確かにこうした測定器なしに評価できない電子部品も多く、ジャンク活用の為にも役立ったわけである。 RF用小容量コンデンサの容量抜けなどテスターでは発見困難だった。

リペア開始:

 電源スイッチ系統に接触不良が見られるようであった。使おうと思った時に電源が入らず役立たなかったことがある。 だんだん頻繁に発生するようになってきたので原因を探査する必要に迫られていた。

 実は三田無線/DELICAの測定器はほぼ永久的に修理してもらえる。もちろん、故障・破損の程度によるし補修部品の有無にも関係する。しかし可能ならたとえ戦前の測定器でさえ修理してもらえるそうだ。もちろん初期精度が保たれるように校正もしてくれる。何とも心強いものがある。
 もちろん、それなりの費用は掛かるが、初期価格はAgilentやTektronixとは桁が違う。当然請求額も相応である。 なんとなく高級なプロ用測定器に憧れを抱くかも知れないが、壊れたら費用の捻出は厄介である。 だから永く楽しむ自作アマチュアにとってDELICAの測定器は良い道具だと思う。いつか壊れそうなジャン測よりずっと安心だ。
 従って三田無線に校正込みの修理に出すのが良さそうだ。 だが間欠的な不調だから様子を見てからにしようと思っている。 それに今はこれを校正できるだけの設備・手段もあるから安心して(?)開けられる。 常識的には素人が精密な測定器を無闇に開けるものではない。開けたら精度の保証はなくなる。確認手段を持たぬ限りやめた方が良い。

不調になったら迷わずDELICAに・・・と言うのがDELICAオーナーへのお薦めである。hi

内部の観察(1):基準コンデンサ

 折角だから観察ツアーをしよう。交流ブリッジの測定基準はこの1μFのコンデンサである。取扱説明書によれば、MPコンデンサとあったが、改良されMFコンデンサのようである。 良くはわからないがポリカーボネート型かも知れない。
 このコンデンサの長期的な安定性と温度特性が測定確度を決める。 ダイヤル目盛からアナログ的に読取る測定器だからこれで十分なのであろう。 実際、hp 4440B DECADE CAPACITORを使って比較測定したら十分な初期精度が保たれていた。安価ではあっても要所を押さえた設計と部品選定がなされているのであろう。

内部の観察(2):主可変抵抗器

 ダイヤル目盛板が直結されている可変抵抗器(1.1kΩ)である。大型で寿命の永いしっかりしたものを使っている。 可変抵抗器には機体番号が書かれており、刻印された目盛板と対で使われるようになっている。なおDQダイヤルのVR(2kΩ)と2軸構造になっている。特注のVRで、本機の心臓部の一つだ。

 測定の都度回されるのでこの可変抵抗器は抵抗値の再現性が重要だ。このブリッジを購入する前、自作のキャパシタンス・ブリッジを使っていた。 初期性能はまずまずだったが、暫く使うと可変抵抗器が不安定になった。いわゆる『ガリオーム』の発生である。 測定器として永く使うには摩耗しにくく安定した部品を使う必要がある。

内部の観察(3):レンジ抵抗器

 ブリッジ回路の対辺に使う測定レンジを決める抵抗器も安定したものが必要だ。0.1Ωと言った高精度な低抵抗はマンガニン線を巻いた巻線抵抗器(写真)が使われている。マンガニン線は、銅・マンガン・ニッケルの合金で抵抗の温度係数はほぼゼロである。(アナログ的な測定器に使った場合は無視できる程度と言う意味)

 こうした市販品で得難い部品を内製することにより、DELICAは古くから実用的で手頃な測定器を送り出していたのであろう。 今は40年前より部品事情も良くなったので市販品でもそこそこの物が作れるかも知れない。 測定器の自作も奨励されると思うが良く部品を吟味し要所を押さえておく必要があるだろう。 

内部の観察(4):交流信号源とメーターアンプ

 約1kHzの発振器を内蔵している。その出力をブリッジに加えて測定する。 また、ブリッジの平衡検出はメーターで行なうため、ハイゲインのアンプが必要である。

 DELICAの開発史を見ていたら、トランジスタの実用性を見て小型インピーダンス・ブリッジ/ミニ・ブリッジM1の開発を始めたそうである。  それ以前からインピーダンス・ブリッジはあって原理は同じである。 但し発振器もメーターアンプもすべて真空管なので、とても『ミニ』なサイズにはできなかった。測定器にこそ半導体が相応しいと言う好例だ。 乾電池で動作し手軽に持ち運べるミニブリッジは実際に便利である。
 回路はベークの穴開きボード(裏面に銅泊パターンはない)の上に作られている。 昭和30年代の少量生産品のスタイルで、おそらくその当初の設計を踏襲して継続生産していたのであろう。 配線は基板の裏面でメッキ線を使って行なわれている。

内部の観察(5):トランジスタは2SB56が主役

 取扱説明書の回路図では2SB113(ゲルマニウム・トランジスタ)もしくは同等品となっている。 そうは言っても、ゲルマニウムトランジスタで設計した回路を単純にシリコンPNPに置き換える訳には行かない。 購入した1975年と言えば、もうゲルマニウム・トランジスタも終焉するころだから入手できた東芝製を使ったようだ。 日本電気は早々にゲルマに見切りを付けたようで、2SB113は既に消えていたのだろう。
 ゲルマニウム・トランジスタはあらゆる性能でシリコン・トランジスタには敵わない。しかし、その回路が必要とする性能が得られるなら何も支障はない。 無闇に設計変更せず継続して生産したのであろう。 たぶん補修用のパーツもそれなりに用意している筈だから三田無線が存続する限り修理に困らないだろう。 保管さえしっかりしていればゲルマニウム・トランジスタが永く生き残る確率は高い。(保存が悪いと劣化する・笑)
追記:最近修理に出したお方の事例によれば、シリコン・トランジスタを使って補修をするそうである。測定器としての機能を維持するのが優先であるからそうするのが合理的だと思う。実用品であって、骨董品の修復ではないのだ。(6月21日)

ミニブリッジM1Aの回路図

 この測定器は回路がすべてではない。良い部品の選定と十分な校正があってこそ実現できるものだ。 だから回路図があって、単に真似ても似て非なる物にしかならない。(笑)
 まあ、どんな回路になっているのかは興味の対象だろう。 このBlogでは以前ヘテロダイン周波計を扱ったことがある。 回路は同じように簡単だったが、使ってある部品や校正こそ命であることを再認識した覚えがある。このミニ・ブリッジM1Aにも通ずるモノがあるようだ。

今ならICを使い低い電圧で、電池寿命も延ばせる少ない消費電流の設計も可能だろう。40年前の回路設計を感じさせるが測定原理は少しも揺らいではいない。

ダイヤル目盛

 測定値は刻印されたダイヤル目盛を読取ることで得る。目盛はややマイナスの領域からゼロになり、最大は「11」までふられている。 いまレンジ・スイッチ(下記で説明)が100pFとあれば、そのレンジでは11倍の最大1,100pFまで読取ることができる。

 ミニブリッジは部品に加えるAC電圧が低いので、極性のある電解コンデンサも問題なく測定できる。 但しJISでは電解コンデンサの値は120Hzで規定しているので、1,000Hzのミニ・ブリッジでは異なる測定条件になる。しかし実際上は殆ど問題はなく、別の測定器と比較しても顕著な誤差は感じない。周波数の違いはあまり気にしなくても良いようだ。 大容量の電解コンデンサと言えば容量はアバウトであり、高精度を求めるケースなどまずもってない。普通は容量抜けがわかれば良いくらいだ。だからと言ってもこのミニブリッジの測定精度は大容量でも十分高いから安心できる。(笑)

ダイヤル目盛:(操作部)

上記のダイヤルは筐体下部に目盛板が覗いていて、そこを指で操作する。 ブリッジがバランスしてメーターの振れが最小になるポイントを見つけるのである。 だからBALANCEと書いてある。



D Qダイヤル:

 損失のないコンデンサやコイルなら対辺の基準コンデンサだけでブリッジはバランスする。 しかし実際の部品には本来あるべき部品の成分・・・例えばコンデンサならキャパシタンス、コイルならインダクタンス・・・以外の損失成分が含まれる。
 そうした成分も含めたブリッジのバランスをとるために、対辺に小抵抗(可変抵抗)が入れてあり、そのツマミがこれである。 このツマミも併用してブリッジの完全なバランスを得て、ダイヤル目盛板から測定値、そしてこのツマミから損失分を読取る事ができる。
 〜1μF程度までのコンデンサの損失抵抗は僅かで、D Qダイヤルはゼロかその近傍でバランスするのが普通だ。 もしそうでないなら、そのコンデンサは特殊なものか不良品であろう。そうした判定にも役立つ。 なお、電解コンデンサなどの大容量コンデンサではそれなりの損失抵抗があるのが普通で、このツマミを積極的に使ってバランスをとる必要がある。 また、コイルは原理上このツマミがゼロでは旨くバランスしない筈で、少し回した位置から測定を始めなくてはならない。 鉄芯入りインダクタの測定はなかなか難しくて高精度を得るのは難しいと思う。Qが高い(=損失が少ない)フェライトの壷型コイルなどの測定は容易だ。

バランス・メータ:

 ブリッジのバランス検出用のメーターである。零点がやや右にオフセットした特殊な物が使ってある。 特注した物だろう。 なお、DCブリッジの機能を持たないM1では、左端がゼロの普通のメータ(ラジケータ)だったと思う。(注:Blog読者より、M1も同じメータだと言う情報あり)
 測定中には頻繁に振り切ると思うが大丈夫である。なるべくメーターアンプの感度を高くし、ブリッジのバランス点がわかり易いように使うのが高精度測定の秘訣である。 微妙なバランスがわかるよう、シビアにバランス点を探る必要がある。

モードとレンジスイッチ:

 コンデンサ:C、抵抗:R、コイル:Lの測定ができる。 測定範囲はレンジ・スイッチで表示されたようにかなり広い。コンデンサの例で言えば、数pFから11,000μFまでカバーする。 もちろん工夫すれば更に大きな容量も測定できるがそれは応用の範囲である。(笑)

 測定レンジ内にあっても計るのが難しいのが小さなインダクタンスのコイルである。マイクロ・ヘンリー(μH)オーダーのコイルは、別の原理の測定器を使うべきだと思う。 そうしたコイルは一般に高周波用であり、1,000Hzで測定するより実際の周波数に近いところで測定すべきだ。 そうした意味でミニ・ブリッジも万能ではなく、QメータやGDM+標準コンデンサの助けを借りたコイルの測定も考える必要がある。 100pF以下のコンデンサも以前Web記事で紹介したような小容量計の方が扱い易いし精度も高い。ラダー型フィルタの設計に必要な数pFの容量を0.1pF以下の分解能で測るのはミニ・ブリッジでは不可能なのだ。 なんでもそうだが適材適所である。

電池ボックス:

立派な電池ボックスである。(笑)
電池は006P/9Vを使う。消費電流は10mA以下なので、そこそこ長時間動作するが、それでも多量の部品を検査するには不向きである。 電池電圧の低下は直接測定精度に影響しないが、メータアンプのゲインが下がってバランス点がわかり難くなるので、そう感じたら交換すべきだ。極端に電圧低下すれば1kHzの発振も止まってまったく測定できなくなる。
 ところで、接触不良の原因は調査の結果この部分にある事がわかった。 006P乾電池用・電池スナップが緩くなって接触が怪しくなっていたのだ。 何の事はない、開ける必要など無かったのだった。やれやれ。(笑)

ACブリッジとDCブリッジ:

 M1AはDCブリッジ・・・ホイートストン・ブリッジの機能も持っている。 ブリッジに直流を加え、直流的なバランスを求めて抵抗値を測定する機能である。
 但し、乾電池に対する負荷は大きくなりがちのようなので、もしこの機能を使うなら、ACアダプタで外部から電源を供給した方が安心できる。 滅多に使う機会はないから、この機能はなくても良かったと思っている。 ホイートストン・ブリッジはYEWなどの古典的な中古品が廉価にあるからそちらを買うべきだ。ガルバノメータが付いた黒いアレである。

持ち運ぶ:

こんな手提げが付いている。 持ち運びを意識した設計で、この状態で置けるよう底部にゴム足も付いている。 デジタル万能な時代だから、インピーダンス・ブリッジは今どきの新入社員には操作できない。オトナの測定器なのである。

だから私は好きだ。(笑)

(陰の声:そんなに難しい測定器ではありません)

このBlog、リペアの参考にはならないし操作インストラクションでもない。 特定の会社の一製品を扱うことは滅多にないのだが、既にこのM1Aは生産されていないようだ。 良い測定器だと思うので残念だが、アナログな計器は今どき流行らないのだろう。 書いてみて結局のところ読み物風と言う事で暇つぶしにでもなれば目出たしと言うところだ。 (おわり)

2009年6月7日

【回路】YIG Oscillator

YIG Oscillator/YIG発振器とは何であろうか。

YIG共振器を使った発振器のことで、YTO(YIG Tuned Oscillator)とも言う。一般には可変周波数型の発振器であってPLL周波数シンセサイザのVCOなどの用途で使われる。 その特徴はGHz帯で広い周波数可変範囲が得られることにある。位相雑音が少なく、奇麗な発振出力が得られるのも好まれる理由だ。

YIGとはYttrium Iron Garnet/Y3Fe2(FeO4)3の略で一種の磁性フェライト材である。(Yttrium:イットリウム) YIGの単結晶フェライトで作った真球(Sphere)は磁界の中に置かれると高い周波数で鋭い共振特性を示す。要するにHigh-Qな共振器なわけだ。その共振特性を利用して発振回路を構成する事ができる。それだけでは水晶発振器と違いはないように感じるかもしれない。そのYIG球だが、共振周波数が磁界の強さによって変化するのが大きな特徴である。球の近傍に置いた電磁石に流す電流によって球に加わる磁界Hを変えてやれば、共振周波数を可変できる訳だ。

写真はYIG発振器の心臓部である。黒光りする球体がYIG球で、直径0.2〜0.8mm程度のものが使われている。球は熱伝導性のセラミック・ロッド(一般に酸化ベリリウム磁器)の先に接着してある。これは、YIG球が温度の影響も受けるからで、ロッド根元のヒーターで球の温度が一定になるよう制御する。(注:ロッドは回転させて共振する向きに球を調整する役割も重要)
 YIG球を取り囲むような薄板の帯(オビ)は、発振回路と結合するためのワンターン・ループコイルである。左側のセラミック基板上に発振回路が構成されている。GHz帯なので極小の部品が使ってある。発振回路はトランジスタ式とFET式がある。位相雑音はトランジスタ(BJT)の方が優れるものの高い周波数のものが作れないとのことだ。最近の製品ではSiGeへテロジャンクション・トランジスタの登場により一段と性能を向上させている。

YIGオシレータは発振回路、可変磁界を作るコイル、YIG球の温度制御器を一体化したモジュールで供給される。 コイルに規定の電流を流しYIG球に磁界を与えた状態で発振回路に電源を加えれば出力端子に信号が出てくる。YIG球から発振器を自作する訳ではないく、完成したモジュールを使うに過ぎないから何も難しくはない。(・・と思う)

予備テストその1:(MEP-150)

拙宅にあったYIGオシレータである。 測定器のメーカー、ADVANTEST社の旧社名であるタケダ理研と書かれているものだ。だいぶ古そうである。 ハムフェアのジャンク市で入手したものと思う。 端子接続はこの手のモジュールの標準的なものである。書いてある端子名を頼りに接続すれば良い筈だが、ドライバ回路の設計に必要な数値的な情報を得るために予備実験によって実測することにした。

もっとも重要なのは主同調用コイル(Tuning Coil/T-Coil)に流すDC電流と発振周波数の関係である。 コイル電流を可変しながら電流と発振周波数の関係を調べた。 その結果このモジュールはT-Coilの電流を約60mA〜180mA可変すると約1.6〜4.4GHzをカバーすることがわかった。その範囲を外れると発振は停止する。出力パワーは周波数によって多少変動するが、約15dBmくらいあるようだ。 だいぶ古そうな中古品だが性能は問題なさそうで、十分使えると思う。 他に発振部の所用電流なども合わせて測定しておいた。

もっと高いかと思ったが低い周波数のものであった。必要なのはもっと高い周波数なので今回は使わないが、何時か使う時の為の情報を集めておいた。このYIGオシレータはS-Band用という訳だ。いずれ2.4GHz帯のトランスバータでも作る時に使いたいと思う。

予備テストその2:(TOP1245)

上記よりもう少し新しそうなモジュールである。こちらは貼ってあるラベルに周波数範囲が書いてある。 従って下限と上限の周波数になるときのT-Coilの電流がわかれば良い。

各電源の電流など、設計に必要な情報を得て予備調査を終えた。その結果、可変範囲には多少マージンがとってあってコイル電流:180mA〜420mAで3.6〜8.2GHzをカバーできるようだ。 発振出力は上記と同じように15dBm以上(30mW以上)あるので直接信号を分配できるのでなかなか使い易そうだ。このYIGオシレータはC-Band用という訳だ。

ADVANTEST社のYIGオシレータは自社の測定器用(スペアナなど)らしく、モジュール単体での外販はしなかったようだ。 現在もアクテブなYIGオシレータのメーカーとしては、Micro Lambda Wireless社などがある。

使い方の一例:Driver回路の製作

もっとも簡単なYIGオシレータの使い方と言えば、可変電流源でT-Coilの電流を変えれば良い。あとは発振部に電源を与えてやるだけで所定の発振出力が得られる。 コイルの直流的な巻線抵抗は温度により変動する。抵抗値が変化してもコイルの電流が設定した値に保たれるよう『定電流回路』を使うのである。なお、定電圧源ではコイル抵抗が変動すると電流が変わってしまうから駄目である。これだけでGHz帯の可変周波発振器になる。

10回転の可変抵抗器で3.6〜8.2GHzを可変するよう設計した。安定した10Vを作りそれを分圧して得た電圧で、電圧・電流変換回路(定電流回路)を駆動する。 そのほか発振回路に必要な電源を用意している。 GHz帯の製作とは言っても、ここまではDC電源の製作であって特に難しいものではない。
 なお、YIGオシレータはどれでも同じような使い方をするので、他のモジュールでも同じ回路が使えると思う。もちろんT-Coilの電流はそれぞれ異なるので使う物に合わせた変更が必要である。 最近のモジュールはマイナス5V電源が不要なものが多いようだ。

試作試験中:

このような感じに組み立ててみた。 いずれ箱に入れたいと思っている。 その際は電源部もすべて内蔵した方が便利だろう。 
 なお、ごく短時間の実験的な動作ならそのままでも大丈夫そうだが、連続運転を行なうにはYIGオシレータ本体も十分な放熱をする必要がある。 より高い周波数のオシレータでは磁界を強く掛ける関係で、T-Coil電流も多く、DC抵抗分による発熱が無視できないので必ず放熱が必要である。逆に2〜4GHz程度のものは楽なようだ。高価なYIGオシレータを過熱させて壊さないよう注意されたい。最近のYTOでは永久磁石を併用するものがあって、低消費電力・低発熱に寄与しているようだ。

本回路であるが、旨く動作してもちろん設計通りの周波数可変範囲が得られた。

制御回路:

DC+10Vの高精度基準電源と電圧可変型の定電流電源回路である。 モジュールが要求する各種電源は3端子レギュレータで間に合わせている。 +15V電源は電流が多いので十分な放熱が必要である。-5V電源は小電流なので、簡単なフィンを付ける程度でも良さそうだった。

電圧可変型定電流電源の制御トランジスタも結構発熱するので、十分な放熱を行なっている。 回路基板を放熱器に一体化する構造で製作したが、十分なサイズの筐体に入れるのであれば、シャシに放熱しても大丈夫そうであった。

すこし問題が?

YIGオシレータモジュールの周波数安定度は思った以上に良好であった。 お陰で、使った部品のアラが目立つ結果となってしまったようだ。(笑)

茶色の大きな抵抗器は4Ωと6Ωのもので、直列にして10Ωを得ている。 もちろん単体で10Ωの抵抗器でも良い。 かなり発熱するので、許容電力はもちろんだが温度特性の良い抵抗器が良いのはもちろんだ。 一応、金属皮膜抵抗器なのだが、思ったよりも温度係数(正)が大きいようである。 コイル電流を変えると自己発熱量が変わって抵抗値が変わってしまうのだ。その結果コイル電流が変化し、揚句は発振周波数が変動することになる。電流を変えると周波数が落ち着くまで少し時間が掛かる。
 サーミスタでもあるまい、抵抗値がべらぼうに変わるわけではないから変化はごく僅かなのでPLLなど周波数制御してしまえば全く気にならないだろう。 それでも、なるべくなら温度係数が保証された安定な抵抗器を使うべきだと思う。
 これは無制御のままで使う可変周波発振器(一種の自励発振器)なので回路部品の性能がもろに見えてしまった訳だ。目的・用途によっては気にする必要はない程度かもしれないがもう少し良い抵抗器に交換したいものだ。 現状の周波数安定度はYIGオシレータによるものではなくて、ドライブする回路側の性能が支配している。 それだけYIGオシレータ固有の周波数安定度は良好だと言うことだ。

最近はハムフェアのジャンク市にも登場するから、高い周波数に興味があるなら手に入れて置くと良いかもしれない。 これも使い道が良くわからんようでは『猫に何とか・・』と言われかねない少々高級なジャンクである。(笑)

2009年6月1日

【HAM】136kHz帯のVXO(3)

セラロックを使ったVXOの続き、第三回である。目的は長波の新HAMバンド:136kHz帯の送信機用だ。

結局、実際にVXOを作ってみることにした。セラロックのVXOで必要な周波数範囲を楽々カバーできそうに思えてきたのだ。
(VXO:Variable X-tal Oscillator=可変周波水晶発振器のこと。但しここでは水晶発振子ではなくセラミック発振子を使っている)

結果は上々、十分使えそうなものになった。

 C-MOSのInverterを使った発振器で矩形波を得て後段の分周器に直結する目論見だ。 予定通り奇麗な矩形波が得られている。 VXOの要(かなめ)はVXOコイルだが既製品に最適なものはない。自分で巻くか既製コイルを改造するのが普通でだ。 ここでは手持ちの中なら改造し易そうな20mHの可変インダクタを使った。大幅に巻き戻して適当なインダクタンスまで減じている。写真中央の赤い巻線のコイルがソレだ。新宿の喫茶店『談話室:滝沢』で『QRP懇親会』をやっていたころ、その席でSさんに頂いたものだったと思う。何年も掛かってやっと日の目を見た。(笑)

 ポリバリコンはAM/FMラジオ用4連である。約9kHzの可変にはAM用2連の片セクションで十分だった。容量可変範囲は10〜275pFである。 その必要もないがVXOコイルのインダクタンスをもっと大きくすれば更に広く可変できる。 ただし無闇に広げると下端の周波数でトーンが濁る感じが出てくる。あまり欲張らない設計が無難なようだ。これは水晶発振子を使ったHF帯のVXOでも同じである。

発振段とBuffer段に使った余りのC-MOS Inverter(4つ)は適切に処理しておく。各入力ピンは全てアースし各出力ピンはオープンのままにする。(こんなことは常識だろうけど・・)

周波数安定度を見ている。

最終周波数136kHzの倍の272.000kHzにバリコンを合わせ評価してみた。 水晶発振子に比べ温度特性に劣るセラロックだが、室温で1時間ほど見て数Hzの漂動に留まるようだった。基板を箱に入れれば改善方向だからこれで十分な安定度だ。

セラロックVXOの可変範囲は相当広く取れることがわかったが、実用上必要な範囲に狭めている。 可変範囲の下端を270.000kHzに調整すると上端は279.040kHzになった。 これは分周して135.000〜139.520kHzとなり、HAMバンドの135.700〜137.800kHzが余裕でカバーできる。 むしろオフバンドに気を付けなくてはいけない。
 シングルキャリヤのCWでもキーイングで帯域幅を持つ信号になるからバンドエッジから300Hz以上内に入った所でオンエアする。 オンエアの監視用に周波数カウンタを付けると安心できる。これには開発済みのAVRマイコン式カウンタがうってつけだ。精度を維持する為にカウンタの基準発振器には秋月の200円TCXOを奢ってやりたい。

このVXO、製作の再現性はどうだろう。VXO回路は第二回で紹介した書籍『発振回路の設計と応用』にあったセラロックを使ったVCOを280kHzに合わせてアレンジしている。回路は本を参照してもらえば良いが、部品構成から見て再現性も悪くない筈だ。

VXOコイルの市販品はないが、AMトランジスタ・ラジオ用の部品が活用できるだろう。 インダクタンス可変型のコイルを使えばVXO範囲の調整に便利だ。 従って一番のポイントは写真のセラロックにあるだろう。 残念ながらネットサーチではCSB280Dの通販は発見できなかった。(CSBLA540Kと言う540kHzのセラロックならDigiKeyにある。4分周で使えるかもしれない。@75円〜)

 CSB280Dは何年も前に秋葉原で買ったものだ。 少し前に店頭を覗いたらもう無いようだった。 こんなセラロックは特殊だから普通は置いてない。だから何処かに密かに気付かれずジャンク品が眠っている可能性もあると思う。そうだと良いのだが・・・。
 昨今にわかに長波ブームのようになっていて136kHzに着目するHAMも多い。だが、アンテナを含めてHAM局構築の難しさが認識されてくれば急速に冷めてしまいそうだ。 136kHz帯の送・受信機を作るHAMは僅かかも知れない。 自作に役立つセラロックが出回ってくれたら活性化に役立つと思う。 ダイレクト・コンバージョン受信機への活用も見込める。それにVXOの実験は懐かしさが感じられて楽しいものだ。(笑)

新HAMバンド・136kHz帯の送信機用VXOはこれで良しとしよう。ダイレクト・コンバージョン(DC)受信機にも良さそうだ。2,200mバンドの実験用発振器としても役立つだろう。
 定説通りセラロックVXOは広い周波数可変範囲があることがわかった。3〜5%の可変など容易いと言うことだ。 例えば455kHzのセラロックなら難なく20kHzを越えるVXOができる。従ってCSB455E/CRB455Eで作った世羅多フィルタにマッチしたBFOが同じセラロックで作れる訳だ。 そのBFOはC-MOS Inverterで発振させるのも良いが、矩形波の必要はないからFETやBJTで作れば良い。
 発振器である以上、周波数安定度も気になるが、元々のセラロック発振器なみでVXO化による変化は感じられない。要するにVXO化しても水晶発振のように違いが表面化しないわけだ。セラロックは水晶に劣るが低い周波数のものは変動の絶対値も小さいから問題になるほどでない。

注:官報やJARLのバンドプランなどを見ると『135kHz帯』となっているが、世界的には『136kHz帯』と称する例が多いようだ。(136kHz帯のIARU標準バンドプランがwikipediaにある) なお、役所に逆らうつもりはないが、ここでは一応136kHz帯としている。このHAMバンドの指定周波数は「136.75kHz」である。

2009年5月23日

【HAM】136kHz帯のVXO(2)

セラロックを使ったVXOの2回目なのだが・・・
所用などあって進んでいないので、書籍案内でごまかすつもり。(笑)

 ちょっと回路に興味を持っている人なら誰でも持っていそうだが、あんがいHAMの自作家は持っていないかもしれない。この本は無線の視点だけで見たら有用でない情報が多いかもしれない。では「無線に特化した発振回路の本」などあるのかと言えばその筈もないから、こうした書籍は貴重なのである。
 理論書ではなく、もっぱら実験・実証している内容なのは嬉しいところ。 初版は1993年だから、少し古くなってしまった内容もある。「デジタル・シンセサイザ」の項は特にそう感じるが仕方ないだろう。他の部分は今でも有用な情報が多い。もちろん、無線機用にはかなりアレンジすべき回路もあるが、出発点として良い情報が載っている。その辺りが無線家の腕の見せどころだろうか。(笑) 定本「発振回路の設計と応用」という本である。詳細・目次はリンクを辿って欲しい。幸いなことに今でも売っているようだ。

261ページには500kHzのセラロックを使ったVCOが載っている。

VCOを作りたい訳ではないのだが、電子的に周波数可変できるようにしたのがVCOである。バリコンで機械的に周波数を可変すればVXOであり、どちらも同じ物だ。回路では周波数可変素子にAMラジオ用超階段接合型バリキャップ:1SV149(東芝)を2個パラにして使っている。PLLのループに入れるならバリキャップに限るが、無制御のVXOなら電子的な可変よりも機械的なバリコンの方が周波数安定度は良い。(バリキャップ:バリアブル・キャパシタンス・ダイオード=可変容量ダイオード)
 AMラジオ用ポリバリコンのANTとOSCをパラにすれば良いと思うが、なるべく大きめの容量を選んだ方が良さそうだ。丹念に探せば350pFの2連ポリバリコン(PVC)くらい秋葉原で旨く発見できるだろう。
 もちろん、エヤーバリコンでも良いのだが大型なのと、昨今は球ラジオの製作本が出た関係で、5球スーパ用の部品は馬鹿げて価格高騰している。持っているなら別だが購入は敬遠した方が良さそうだ。(5,000円以上も出して古バリコンを買うくらいなら、最初っからDDS発振器でも使う方が遥かに賢い)

回路はこのページの下段にあるものが参考になるが、申し訳ないがモザイク処理させてもらった。今でも普通に手に入る本だし、自作HAMなら持っていて損はないと思うからだ。著作権の問題もあるが、ネットで何でもタダでgetできるようにしてしまったら、有用な書籍はこれから一切出版されなくなってしまう。自殺行為のようなものだろう。

この回路で使っている500kHzのセラロックはVCO用だそうだ。確かにVCO用と言うのは良くVXOできる。この例では〜80kHz(16%)にも及ぶ可変範囲が得られているがそんなにはいらない。従って一般品のセラロックでも十分動かせるだろう。(280kHzのセラロックが約9kHz下へVXOできれば良いのだから・・) 比較的少ないインダクタンス(VXOコイル)で済みそうなので安定度もまずまずだろう。

さて、今日は雑用なしで実験が出来たら良いのだが・・・そうも行くまい。
続きは・・・こちら

2009年5月17日

【写真】Rose Garden/バラ園

埼玉県内最大と言うバラ園へ行ってきた。

最近は鉄道博物館で有名な大宮市に隣接した『伊奈町』の町制施行記念公園の中にある。 JR大宮駅から鉄道博物館へ行くのと同じ新交通システム:ニューシャトルに乗れば数駅で到着する。  拙宅からは60km近くあるので、県内とは言えそこそこ時間が掛かる。電車でも時間が掛かるので、案外行き難い場所なのである。 しかしご覧のように奇麗なバラを楽しむ事ができた。バラ園はポピュラーなので、探せばご近所にもあるはず。今の季節、お出掛けになっては如何だろうか?
なお、バラに関しては素人なので、品種案内板に書かれていた名称と共にコメント抜きの写真でご紹介する。

各写真はBloggerで許容できる最大サイズ:1600×1200サイズになっているので、低速な環境では読み込みに時間が掛かる可能性があるのでご注意を。昨今はブロードバンドも進んだので問題ないとは思うが・・・。

さて、あなたはどれがお好きでしょうか?

Andre le Notre
アンドレ ル ノートル










Ballerina
バレリーナ







Bredon
ブレダン







Charlotte
シャーロット







Disneyland Rose
ディスニーランド ローズ










Destiny
デスティニィ








Eureka
ユリイカ







Friesia
フリージア







Frohsinn '82
フロージン '82







Goldmarie '84
ゴールドマリー '84







Hatsukoi
初恋(はつこい)







Heavenly Robe
羽衣(はごろも)







Honoka
ほのか







Korin
光輪(こうりん)







Landora
ランドラ







Kotone
琴音(ことね)










一つずつのバラも美しいが、密集して咲くのも良い。









Monalisa
モナリザ







Olympic Torch
聖火(せいか)







Peace
ピース







Petit Trianon
プチトリアノン







Pierre de Ronsard
ピエール ドゥ ロンサール







Pink Sakurina
ピンク サクリーナ







Princess Michiko
プリンセス ミチコ










Raubritter
ローブリッター







Red Devil
レッドデビル










Royal Bassino
ロイヤル バシーノ










Royal Highness
ロイヤル ハイネス










Shugetsu
秋月(しゅうげつ)







White Masterpiece
ホワイト マスターピース










(すみませんが不詳です)












(すみませんが不詳です)









5月16日に訪れたが、少し遅かった感じだ。
1週間前くらいが良かったようだが、今年はどの花も1週間程度前倒しなので、例年なら丁度良い時期なのだろう。



公的な施設なので、200円で入園できる。付近では露店のほか、地域の人たちの出店もある。ちょっとした飲食も出来るので、バラがお好きなお方は1日たっぷり楽しめると思う。 この写真はコンパクト・デジカメ(Coolpix p60)で撮影したが、本格的なデジイチを構えるお父さんも沢山おられた。(笑)
生憎の曇天でコントラストは弱めになったがストロボを使うと不自然になる。発色がやや悪いが天候なので仕方がない所だろう。家内と出掛けた。

2009年5月14日

【HAM】再免許・JARLより

『貴方のアマチュア局はそろそろ再免許じゃありませんか?』

JARL(日本アマチュア無線連盟)からこんな通知が来た。 5年ごとだから忘れて仕方ないかもしれない。JARLの会員サービスの一つだがこれは有難い通知だ。

 ところで、アマチュア局は毎年マイナス10%で()継続して減少している。既にピーク時の1/3近くまで落ち込んだ。しかも移動局/固定局を持つと2局のカウントだから、免許人数で言えばさらに少ない。  JARLとしても、いまの局数を維持し活性化したい気持ちは強い筈だ。しかし魅力を感じないなら免許期限切れ=即廃局になってしまうだろう。再免許の機会を逸し流してしまうと、『熱心だったあのころ』ならともかくもはや再開局など有り得まい。(注:一時期は毎年10%以上の局数減が見られたが、最近はマイナス3〜4%台に減速している模様。しかし新規の開局も継続して減少傾向である)

今のアマチュア局再免許申請は簡単である。

たまたま北海道の例だが、どの「総合通信局」へ提出する場合も同じだ。
 この用紙に必要事項を記入し3,050円分の収入印紙を貼り、新しい免許状の返信用封筒を同封して送れば良い。従って費用は3,500円くらいだ。 しかし機をを逸して流してしまうと、すべて技適の無線機を使っても新たな開局になるので4,300円以上掛かる。(再割当されていなければ古いコールサインで復帰も可能)
 古い無線機や自作機は保証認定の費用が掛かるので合計8,000円以上である。作成書類もこれ1枚では済まない。 だから続ける意思が少しでもあるなら迷わず再免許申請である。 記入用紙はWord及び一太郎形式がダウンロードでき、手書き用PDF形式もある。もちろん左図のような親切な見本もあるから安心だ。

もし以下の条件が整うなら電子申請で費用が節約できる。
(1)電子申請に必要な『電子証明書(ICカード)』を既に持っている。
(2)上記電子証明書の読取り用ICカードリーダーを持っている。
再免許申請で約1,000円安く済むほか、新規の開局では2,000円程度節約できる。

 ただし、ICカードの取得に1,000円ほど、カードリーダは2,000円ほど必要になる。電子証明書の有効期限は3年だから次回の再免許申請には使えない。Pay-easyと言う仕組みで銀行等の端末から申請料の納付ができるようだが自宅のパソコンだけで完結できないから「すごく便利」とも思えない感じだが・・・。納付の必要がない届け出だけの手続きなら向いているかもしれない。しかし、アマチュア無線のためだけに電子申請の用意を整えるのはお得でない気がする。

追記:アマチュア局の手続きは電子申請Lite版が昨年からできたそうだ。それを使うと簡単で安上がりに済むようだ。 もちろん再免許だけでなく各種手続きに使えるのでご研究を。このBlogの読者のコメントも是非参照を。(5/14 '09)

その後、手続きは順調のようだ。

今日、同封しておいた『再免許申請書類受理のお知らせ』が届いた。このハガキは、手続きに何らかの不備があった際の連絡用も兼ねているから、このように申請書類の収受印が押されて返信があれば取りあえず安心である。

暫くすれば、新しいアマチュア局免許状が届くことだろう。
左の写真では空欄の部分が多いが実際にはきちんとすべて記入してある。プライバシー保護の観点で消去してある。念のため。 なお、受理の連絡は不要と思うならこのハガキは同封しなくて良い。

包括免許ではないものの、手続きはずいぶん簡略化されている。従事者免許証とアマチュア局免許状の二つに別れていても良いから、資格に従った操作範囲を一括して局免許してくれないものであろうか。その際、省令ででも『アマチュア局の場合、工事設計書の提出を省略できる』としてもらえれば尚良い。そうすれば、少なくとも機器の交換や追加の度に変更申請など出す必要がなくなって非常に助かるのだが・・・。ほとんど包括免許と等価になる。(笑) もちろん5年ごとの再免許申請はあっても良いから是非そうならないものだろうか。

再免許申請は「免許の有効期限」満了の1年前から、1ヶ月前までである。今から、4年、9年、14年、19年・・・前に開局した心当たりがあるなら、この際免許状を見ておくと良い。もし1年を切っていればすぐにでも準備を。 取りあえず、あと5年間はアマチュア局の活動が継続できるだろう。