2011年7月24日日曜日

【部品】winding a bifiler toroidal coil

トロイダル・コイルを巻く
 写真はバイファイラ巻きしたトロイダル・コイルだ。 お馴染みの「FCZコイル」がディスコン(=製造中止)になって、これからは欧米のHAMのように自分で巻いて何とかしなくてはならない。

 写真の巻線はφ0.32mm(AWG28相当)の細い線材なのであらかじめよじったものを巻いて行くと旨く行く。コアはT-37サイズである。 大きなコアに、ごく太い線を巻く場合はよじって巻くのは難しい。その場合は2本を平行に沿わせて巻いて行けば十分だ。

 ところで、写真の青いコア材は滅多に使われない#1材である。実際にコイルを巻いてみると人気がない意味がわかる。:-)

巻線を用意しておく
 バイファイラ巻き専用の電線も作られているが、少量の入手は難しいだろう。 バランに使ってある2色になった線を見たことがある。配線間違いが防止できて良さそうであった。
 しかし、手に入らないのでは仕方がないので、手製でバイファイラ巻き用の線材を作っておこう。 

まずは2本の線を用意し片側を万力などに良く固定する。 もう一端は電動ドリルあるいは電動ドライバに固定して引張る。 あとは適度のテンションを与えながら「よじり」の具合を見ながらウイ〜ンとやれば良い。

 もちろん、電動じゃなくてハンド・ドリルでも可だ。 あまり長いものを一気に作ろうとしないのがコツと言えそう。 材料は昔ながらのエナメル線は被覆が弱いので向いていない。特別な事情がなければ、そのままハンダ付けできるポリウレタン電線:UEWがお薦めだ。あるいはホルマール電線:PEWでも良いが、ハンダ付けの時に被覆を除去しにくいのであまりお薦めではない。

出来上がり
 前に作った物が品切れになったので、2mほど作っておいた。これで随分の個数が巻けるからまた暫くは間に合う。

 ほかに、3本の線をよじったトリファイラ巻き用の線材も作ってある。 さらに,より小型コアに巻くことを考えて、もっと細いφ0.2mm(AWG32相当)で作った線材も用意してある。
 必要になったら何時でも所望のトロイダル・コイルやトランスを作ることができる訳だ。 数種のコア材と巻線材料、そして製作用の巻線データが用意してあれば1個作るのに5分もかからない。 一般にシールドする必要も無いから便利なコイルだ。

くれぐれも結線を間違えないように! 作ったコイルが旨くないのは繋ぎ間違いかも。

                 −・・・−

 自作品はこのような簡単な作業の積み重ねでできている。 当たり前でつまらぬ作業が意外に知られていなかったりする。 こうした格好良いとは言えない「泥臭い所」を手際良く片付けるのも「自作のコツ」だろう。 むしろ高級測定器やソフトウエア・ツールを駆使するような「見かけの良い作業」はわずかなものだ。(笑)  de JA9TTT/1

#このままでは7月のBlogが一つもなくなりそうなので、ごく軽いテーマを扱ってみた。

注意!:このBlogは「こんなやり方もありますよ」と言う一例を紹介している。 何もわからぬ人には幾許か参考になると思うが、既に「自分流」を確立されてるなら、それでやられれば良い。何か示唆したり方法を強制するつもりは毛頭ないので勘違いなきように! 自作は良さそうなアイディアを採り入れつつそれぞれの流儀でやるのが一番楽しい。

参考:いわゆる『FCZコイル』の代替品の作り方についてはこちら(←リンク)もご覧を。

(おわり)