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2014年6月15日日曜日

【その他】 Quite useful tools (1)

 【なかなか便利なツール】

コテ先クリーナ
 これは従来型のコテ先クリーナ。

 最近のものは少しだけバージョンアップしている。 真ん中に仕切りがあり、スポンジは2つに別れている。

 汚れて来たら裏返して4回奇麗に使えるとか、まあ幾らか改良も見られるけれどウン10年も前からあんまり変わっていないよナア・・・。

 ハンダ付けを始めるにあたってコテ先をコレに「ジュジュッ」とやるのは儀式のようなもので、やらないと何となく始まった気がしない?(笑)

 今さらであるが奇麗なハンダ付けのためにはコテ先の管理は必須だ。温度を適切に保つのはもとより付着している酸化したハンダやフラックスの「コゲ」などを奇麗にぬぐってから始めねばならない。 ハンダ付けした箇所も重要な「接続部品」の一つであって、しかも機器全体では沢山あるからその出来具合が機器の信頼性を左右することになる。 「イモ」や「天ぷら」があるようではいつまでたっても初心者の域を脱することはできない。

新種のコテ先クリーナ
 こちらは新種のコテ先クリーナだ。

 製品の包装箱にも書いてあるように、「水がいらない」のが最大の特徴だ。

 この種のコテ先クリーナはずいぶん前からあったように思うが、優れモノだと思ったことはなかったように思う。 コテ先が何となく・・・満足行くほどには奇麗にならなかったからだった。

 少し前に「なかなか使い良い」と言うSNSの口コミがあったので買ってみることにした。 右の黒いシリコーンゴム製(?)のホルダーに入ったのが使用状態で、左の包装箱の前にあるものは交換用スペアである。 金色のタワシはスペアとして単体でも売っている。最初にホルダー付きを買うと予備が一つ付いて来る。秋葉原の工具店で630円だった。

使ってみる
では、さっそく使ってみよう。

 ぬぐうように擦り付けてはいけないと取説には書いてある。 溶けて熱いハンダがタワシの弾力で弾けて飛散する可能性があるからだ。 タワシ部分は弾力のある金属泊片のようなものでできている。

 余分なハンダやフラックスのかすがついた先端を写真の様にストレートに突き刺してみる。 そのまま抜き出すと、それだけでピカピカの先端になってくれる。 これは便利そうだ。

 このようなコテ先クリーナが重宝される背景には「鉛フリーハンダ」が一般化したことがあるようだ。 濡れスポンジでコテ先温度を下げてしまわないためだと言う。 確かに、コテ先温度は共晶ハンダ(錫63%の一般のハンダ:融点180℃くらい)に比べ、鉛フリーハンダ用は更に60℃くらい高温が必要だ。 水を含んだスポンジでぬぐったのでは温度はなかなか回復しないだろう。 そのようなニーズから普及し改善された製品である。 共晶はんだでの作業でも便利なので☆4つくらいのお薦め品だと思う。 なお、RoHS対応の作業現場ではコテ先クリーナと言えども共晶ハンダ用とは別に鉛フリーハンダ専用を用意しなくてはならない。

汚れて来たら
 ハンダが溜まって汚れて来たらこのように取り出してお掃除する。

 もちろん、溶けた熱いハンダが残っていないのを確認してからでないと火傷してしまう。 その点は十分注意を!

 使っていてだんだん潰れて復帰しなくなって来たら交換時期だ。 いまのところ使い始めなので快適その物だが、そのうち様子もわかって来るだろう。

 なかなかなコテ先クリーナだとは思うが、濡れたスポンジ式のクリーナも有った方が良さそうに感じた。 使い勝手はそれぞれなので、コテ先の状態に応じて使い分けるのが最も良さそうだと言う結論になった。

                 ☆ ☆ ☆ ☆


電線被覆剥がしゲージ
 Wire Stripping Gaugeと言うツールを頂いた。 この6月に発売されたばかりの新製品だそうで、これは嬉しいプレゼントだ。(TNX! LVE)

 写真を見ただけでは何にどう使うのか皆目わからないかも知れない。

 これはブレッドボードで回路を製作する際にたくさん必要になる「ジャンパーワイヤ」を作るときに切断と曲げのために使うゲージ治具だ。

 「ああ、そんなものか」と思うのは、ブレッドボードを使った製作経験がないか、ごく簡単なものしか作っていないお方だ。 定型寸法のジャンパー線を効率的に作成するために使うのだ。 有難さは使った人でないとわからないと思うが、ともかくかなり便利だ。いつもジャンパー線作りは面倒だと思っていた人は買って損は無いと思う。(通販参考価格:$12-)

セッティング
 ワイヤストリッパにこのようにセットする。

 この例ではIDEAL社のT-7シリーズ45-417と言うワイヤーストリッパに装着した。 他の物でももちろん良いが、材料に使う線材に合わせた線径のストリッパが必要なのは言うまでもない。

 ゲージその物は樹脂製で軽いから作業性を損なうことはない。 使い方はリンク先(→ここ)のビデオでも見て頂くのが一番だと思うが、道具一般に言えるように使ってみて慣れるのが一番なように感じた。 最初は勝手が掴めず、ギクシャクして何となく使いにくいモノに感じたがそれもほんの束の間、非常に便利に使えることがわかった。 これも☆4つくらいのお薦め品だと思う。

 ■参考までに私の作業手順だが:

 START→
(1)片側を所定の剥き代で被覆を剥がす.→
(2)剥がした部分を穴に差し込んで曲げ加工する.→
(3)曲げた部分をゲージ目盛に合わせて切断する.→
(4)いま切断した側の被覆を剥き代で剥がす.→
(5)いま剥がした部分を曲げ加工する.→完成.

・・・と言う手順がやり易いように思う。

 たくさん作る時には(3)まで行なった物を溜めておき、溜まったところで(4)以降を纏めて行なうのも悪くなかった。 各自が良い方法を見つけるべきだろう。

ジャンパーワイヤ
 写真はツールを使って製作したジャンパーワイヤだ。

 写真ではオレンジ色が2列飛ばし(4列間接続用)、黄色が3列飛ばし(5列間)、緑が4列飛ばし(6列間)のジャンパー線で、長さごとに色分けを統一している。 何色を使っても良いが、長さごとに色分けしておくと使い易いように思う。

 もともとは秋月電子通商で売っているジャンパー線セットの色分けを踏襲した配色だ。一応、長さ順にカラーコードになっているようだ。

 こうした寸法精度が良い定寸のジャンパー線が正確かつ迅速に作れるメリットは大きいと思う。 始めたら作るのが面白くなってしまい一気にたくさん作ってしまった。(笑)

 まあ、道具の評価はそれぞれのお方の使用感なので、便利に感じなくても責任は持てない。 私のブレッドボード製作に於いてはコレが有るのと無いのとでは作業効率にずいぶん差が出るように思う。

ジャンパー線はこんな感じに
 既にお馴染みと思うが、ジャンパー線はこんな感じに使う。

 短いオレンジ色と黄色、そしてここでは使っていないが赤の1列飛ばしのジャンパー線を一番たくさん使うので、既製のジャンパー線セットを買ってもすぐ不足してしまうだろう。

 もちろん、回路のテストが終われば解体してリサイクルするからある程度あれば十分かも知れない。 しかし、作ってすぐに分解してしまうのは稀で、そのまま暫く様子を見ることも多い。 予備のブレッドボードと、ジャンバー線はいつも十分な量を用意しておくと試作が捗るように思っている。

(写真は余興で作ったスーパーリゼ)

               ☆ ☆ ☆ ☆

 梅雨の季節、表で遊べないからコテ遊びやブレッドボードで電子工作はいかが? 道具ばかり揃えても、それだけで満足しては何の進歩もない。 けれど、ちょっとした工夫や道具で効率アップすれば面白さや興味も続くはず。 ちょっと便利な小物を紹介してみた。 この種の小物が有効か否かは各自の作業内容次第なのでよく考えてから導入を。 作業に合わなければてんで使い物にならないのは勿論だ。

 TRIOのLPF、LF-30の改造も済んでいたのだが興味を持つのはごく僅かだろう。 軽い話題と言うことで身近なツルールの話題にしてみた。 de JA9TTT/1

(おわり)

御注意:このBlogはアフィリエイトBlogではないので、特定商品をお薦めする意図はない。自身のニーズを良く考え、無駄使いのないように。使うアテのないものにお金を使うのは勿体ないことだ。 以上全ての内容は単にこのBlogオーナーの個人的な感想である。

2014年6月1日日曜日

【測定】TRIO LPF LF-30 : Part 2

TRIOのLow Pass Filter:LF-30 その2

LF-30を解析する
 TRIO/現KenwoodのTVI対策用ローパスフィルタの第2回だ。前回(←リンク)はLF-30の電気的な特性を確かめ、更に開封して中身を眺めたところまでだった。

 写真は少しだけお掃除をした状態だ。 ずいぶん長く眠っていたのでホコリだらけだった。 どこかにガムテープで貼付けて使っていたことがあったらしくテープの糊が残っていた。 その糊も粘着性をまったく失っており、除去するのは少々厄介だった。 有機溶剤を幾つか試して除去に成功したが、塗装も幾分やられた感じだ。 まあ、ある程度やむを得まい。

 この先は、内部のコイルとコンデンサの値を調べ、シミュレーションと実測による特性の比較など行ないたいと思ってる。 解析してレプリカを作りたい訳ではない。いずれ改造するにしても現況がどうなっているのかわからなくては方針も立てにくい。ここは一通りの調査をしておきたいと思う。 なお例によって自家用の記録なので記述の過不足は悪しからず。(笑)

LF-30のLとC
 LF-30の電気的な構造はかなり単純だ。 写真のような数回巻きのコイル:Lと、右の方に見えるネジと銅の円盤、そして薄い樹脂製フィルムとで構成されたコンデンサ:Cからなっている。

 コンデンサ部分は円盤の中心部に貫通穴があって、そこをネジが突き抜けており、両側からナットで円盤を締め付けている。 フィルムの厚みと円盤の面積でキャパシタンスの値が決まる。

 見た所、コイルは両端のコネクタに繋がる2つが同じもので、他に比べ巻き数は少ない。途中の3つは両端のコイルよりも巻き数は多くなっている。 コンデンサ部分は円盤のサイズが同じなのでフィルム厚が同じならすべて同じ容量であろう。

 構造からT型のLPFを重ねたLPFの形式だ。 そう考えると途中3つのコイルは同じインダクタンス、両端の2つはその半分のインダクタンスだろう。 また途中のコンデンサはどれも同一の容量だろうと推測できる。

コンデンサの測定
 各容量の測定は一旦分解しないとできない。 なるべく変形させないようにコイルのハンダ付けを外した。 コンデンサはいずれもGND間に入っている。

 測定には「小容量計」を使った。 ここは例によってLCRメータのDE-5000でも良い。 それほど微小な静電容量ではないし、テフロンを誘電体に使ったコンデンサは絶縁抵抗が高くHigh-Qだったはずだ。測り易い対象だ。 フィルムの耐熱性を確認したらほぼテフロンに間違いないようであった。

 余談であるはテフロン・フィルムを誘電体に使った「テフコン」と言うポリバリコンに良く似たバリコンがあったのを思い出す。 あれは安くて耐圧もあってなかなか良い物だったのだが流行らなかった。 商品としてやや詰めの甘い部分があったのが原因だったかも知れない。
 
Cの値は良く揃っていた
 測定結果は後で出て来る回路図に記載しておいた。図中の(1)と言う回路の定数が実測値そのものだ。 多少のばらつきは見られたがコンデンサはどれも120pFを目標に設計しているようだ。 4つの平均値は122.75pFだった。

 なお、測定にあたっては接続線のストレー容量をキャンセルしている。 のちほど改めてDE-5000で測定した。 比較してみたが測定値は良く合っている。

 こうした構造のコンデンサも円盤面積を良く管理しておけば数%以内の精度が保てる模様だ。テフロン・フィルムの入手に幾分問題はあるが、高耐圧のコンデンサを自分で作れそうだ。

久しぶりにGDM登場
 コンデンサとちがって小さなインダクタンスの測定にDE-5000はあまり向いていない。測定周波数が100kHzまでだから精度が出ないのだ。

 ここは昔ながらのGDMで行くことにした。 容量の確かなコンデンサと抱き合わせて共振周波数を測定し、インダクタンスは周波数とコンデンサの値から計算で求めることになる。

 GDMの周波数測定精度はせいぜい頑張って3桁くらいだとは思う。下手をすれば2桁だろうが、その程度で支障はない。無極のLPFではLCの値にシビアさは必要なかったと思う。

 1968年ころ購入したGDMで、しかも暫く通電していなかったので、徐々に電源電圧を加えて支障ないのを確認してから使った。 周波数カウンタがなかった時代には精度の良いデリカのGDMは重宝したものだった。 今回、あらためて目盛をチェックしたらまずまず合っていた。流石にDELICAと言うべきか。hi

一般的にはこれで良いが
 コイルの測定だがこのように測定すれば良い。

 真空管式であるから、10分程度のウオームアップを行なう。最初に発振強度の調整()をしたら、まずはコイルを近づけて高い周波数から下げて行き、良くディップする周波数を見つける。
:発振強度の調整・・・DELICAのGDMではメーターの指針が中央部青く塗られたゾーン内またはそこまで振れぬ場合は最大まで振れる位置に発振強度調整のVRを加減すること)

 その後はGDMのコイルと被測定共振回路の結合がなるべく疎になるようにGDMを遠ざけて行く。 慎重に周波数ダイヤルを回すと浅いディップが現れるので、その点が正しい共振周波数だ。 ディップが浅くなり過ぎてわかりにくいようならGDMをやや近づける。この写真の状態はコイルがまだまだ近過ぎる。

 ディップがわかる範囲で、なるべく結合を疎にすると言うのが大切なポイントである。 このあたり、今ごろになって「憧れの」ディップメータを手に入れるお方もあるようだが、てんで使い方がなってないようなので書いておいた。 だれも教えてくれないのだから仕方もないが、道具はちゃんと使わなくては持ち腐れと言うものだ。

箱の中で測定
 上の方法でも良いとは思ったのだが、箱に入れた状態で測定してみることにした。 金属の箱に入れるとインダクタンスは幾分変化する。

 シールドされることまで気にしなくても良いのかも知れない。しかし気になった。 発泡スチロール片でLCを浮かせ所定の位置に近い所で測定してみた。LCは箱に触れていないように浮かせている。

 共振周波数に多少の違いが見られたので、こちらで測定した値を採用することにした。 なおコイルに抱かせたコンデンサは100pFちょうどの実測済みマイカ・コンデンサである。あまり精度の高くない測定とは言ってもラフにやると訳が解らなくなる。

回路検討してみる
 回路は3つ書いてある。

一番上の回路(1)が、実測によるLCの値を記入したものだ。 Cの値は120pFで設計してあるように思う。 メーカーの設計値はわからないが現物はこのようになっていた。

 (2)はL、Cともに50Ω用に設計変更したものだ。 カットオフ周波数を30MHzにし終端インピーダンスも50Ωに変更するような設計だ。当然LもCも全部変更しなくてはならないので結構面倒だと思う。

(3)はコイルには手をつけずに、コンデンサにみ変更する(追加する)方法だ。こうするとカットオフ周波数はかなり下がってしまうが(2)よりも手間は掛からない。

 どの方法を採用するかは思案どころだが、まずは(3)でやってみようと思う。

そしてシミュレーション
(1)(2)(3)ともう一つの4条件でシミュレーションしてみた。

 緑色のカーブが実測から求めたオリジナルの定数で、75Ω終端の時の特性だ。上図(1)の結果だ。 前回(←リンク)の実測特性と良く合っている。

赤色のカーブは、実測結果から、計算上最適と思われる終端インピーダンスでシミュレーションした結果だ。部品定数は(1)のままだが、終端インピーダンスを変えている。 実測のLC値から計算してみると、なんと最適インピーダンスは44.2Ωなのだ。 75Ωよりもむしろ50Ωに向いているのではないかと言う結果だ。予想外であった。(だから50Ωで実測してもかなり良い特性だったのだろう・笑)

青色のカーブは上図(2)のもの。 LCともに変更して50Ωに最適化した回路定数になっている。

紫色のカーブが上図の(3)によるものだ。コイルに手をつけなかった関係で(2)よりもカットオフ周波数は下がっている。 ぎりぎり30MHzくらいなので10mバンドには適さない可能性もある。しかし改造はコンデンサを足すだけだからシンプルだ。

                ☆ ☆ ☆

 結局(3)で様子を見る方針だ。 支障がありそうならコイルの方も加減すれば良いだろう。 あるいは25MHzバンドまでの用途だと割り切っても良いかも知れない。 このあたりは目的や用途も考えあわせて自由に決めれば良いわけだ。

                  ☆

 かつて、こうしたフィルタと言えば素人には手が出せないブラックボックスのイメージが強かった。 しかし、「いまの素人」にとっては何でもない単純なLC回路に過ぎない。 ハイパワー向きの構造と言ったノウハウは必要かも知れないが、まったく手が出せない代物ではなくなっている。 次回は実際に改造し周波数特性を確認してみよう。de JA9TTT/1

つづく)←続きにリンク