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2015年6月3日水曜日

【回路】Transistor Balanced Modulator, Part 2

回路:トランジスタを使ったバランスド・モジュレータ・FET編
SSBジェネレータに仕上げる
  このBlogでは電子回路の部分要素を扱うことが多いです。大規模な回路も要素の集まりですが、ポイントとなる回路は案外限られています。そのポイントを十分理解しておくことが全体の理解にも繋がると思っています。 しかし、回路の一部分ばかり弄っていたのでは目的物の完成にはほど遠いと感じるでしょう。

 今回もIC-DBMではなくて再びトランジスタを使ったバランスド・モジュレータを扱いますが、部分回路に留まらず「SSBジェネレータ」の形にするまでを扱うことにしました。SSBジェネレータとして実用性能を目標にしたのでそのままSSB送信機に使えます。

 写真は最終的な回路構成をブレッドボードで検証中の様子です。 入手が容易なトランジスタを使ったバラモジの一環として検討していますから、入手しにくい半導体は使っていません。 IC-DBMを使うよりも継続して製作可能だろうと思っています。 以下、部分的な回路を扱うだけでは済まないので少々長くなりましたが興味があれば順を追って頂ければと思います。 もちろん、何時ものように主な目的は自家用の備忘録であり、同じ情報が役立つ可能性があるのは何がしか自分の手で作ろうとする人だけでしょう。

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クリスタル・フィルタとキャリヤ発生用水晶
 フィルタ・タイプのSSBジェネレータを作るには「SSBフィルタ」が必要です。 同時に、フィルタ特性に合わせたキャリヤ発生用の水晶発振子も必要になります。

 最初は自作のラダー型フィルタで行く予定でしたが時間がなかったので既製品を使うことにしました。 一般的なSSBジェネレータは8〜12MHzあたりで作るのが適当です。 昔のようにダブル・コンバージョン(2回周波数変換)で目的周波数を得るのなら、もっと低い周波数も良いです。 しかし簡略化のためにシングル・コンバージョンで目的周波数を得るには8〜12MHzくらいが適当です。 それ以上高いと良い特性のフィルタが得にくくなってきます。
 9MHzのフィルタもあったのですがキャリヤ発振用の水晶発振子が見つからなかったので7.8MHzのフィルタを使うことにしました。 1970年代の中頃、車載用CBトランシーバの輸出ブームがあって、そのために使われたクリスタル・フィルタです。ブームの終息後にたくさん放出されたので今でも持っている人は多いと思います。

 SSB用フィルタは手に入ってもキャリヤ発振用のクリスタル(水晶発振子)が揃わないことも多いものです。そのときはDDSオシレータ(←リンク)を使って発生させる手もあります。(注・1) ここでは7.8MHzのフィルタに適した水晶発振子が見つかったのでそれを使うことにしました。 但し、CBトランシーバのキャリヤ発振は特有の工夫がしてあるので予め検討が必要です。

 写真の水晶発振子を使う前提で真っ先にキャリヤ発振回路から検討することにしました。 旨く行くようならこれらの水晶発振子を使います。 写真左の2個の水晶発振子(HC-25/U)は本来のキャリヤ発振用で、右の2個(HC-18/U)は不良になったフィルタ(7.8MHzの)を解体して得たものです。 最終的な話しになりますが、どちらも旨く使えることを確認しました。なおHC-25/Uはブレッドボードに刺せないので専用ソケットを併用します。

注・1:キャリヤ発振に使う水晶発振子がないなら率先してDDSモジュールを使うべきではないかとのご意見はごもっともです。他に解決手段がなければ勿論それが選択肢です。しかし、DDSモジュールの問題は消費電力が大きいことにあります。わずか数mAでは働きません。

クリスタル・フィルタの特性
 CB用クリスタル・フィルタは帯域幅が広いことが知られています。あらためて評価してみました。 -3dB帯域幅で見て4kHz以上あるのがわかります。 従って、正しく使うためにはマイクアンプにローパスフィルタ:LPFを入れて3kHz以上の音声をカットする必要があります。実際にCBトランシーバでも簡単なLPFが入っていました。 まあ男声なら素のままでも大丈夫そうなのですが・・・。

 実測したのは正しいキャリヤ・ポイントを知るためと特性の変化が見られないか確認するためです。 なにしろ作られてから10年どころではない年月が経過していますから、新品のように見えても劣化していて何ら不思議ではありません。 メーカーが保証する水晶振動子の寿命はせいぜい10年だそうです。 水晶振動子の固まりであるクリスタル・フィルタの寿命も同じようなものでしょう。(実際はもっと持つようですが徐々に故障率は高くなる)ちなみに、このフィルタはハーフラティス3段の構成で、水晶振動子を6個使っています。

 写真の2個のフィルタを評価してみましたが、幸い大丈夫そうでした。あまり性能の良いフィルタとは言えませんがSSB発生用として十分な特性です。 精密に評価してみてUSB用のキャリヤ・ポイントは7797.5kHz、LSB用は7802.5kHzで良いことがわかりました。 音声は少々ローカット気味になりますが、フィルタの特性なのでやむを得ないでしょう。

 SSBフィルタも自作で行くことを考えて8MHzの中華クリスタルを使ったラダー型フィルタも検討しています。いずれ機会があれば扱うつもりです。 設計に折り込み済みなので8〜9MHzのSSBフィルタならSSBジェネレータの回路はそのまま使えます。(新しい設計によるラダー型フィルタの製作へリンク→ここ

キャリヤ発振回路の検討
 CBトランシーバでは、常にコストダウンが課題でした。他の部品より高価な水晶発振子を1枚でも少なくするために様々な工夫が行なわれていました。 例えばLSBを作っておいてから、キャリヤを逓倍した信号と差のヘテロダインをとってサイドを反転し、USBを得るといった怪しい方法さえも見られたほどです。(おわかりですか?) チャネル用水晶発振をPLLシンセサイザ式にしたのも水晶減らしが目的でした。

 図の回路は自作ハムならすぐにわかると思いますが、LSB用の水晶発振子を使ってVXO式にUSB用キャリヤも作る方法です。 1個の水晶発振子を2個分働かせる訳ですね。 実際にこれと類似の方法がCBトランシーバで使われていました。 VXOコイルに相当するL1(22μH)が回路のポイントです。しかし、わずか数kHz下に動かせば良いだけなので難しくはありません。もちろん、L1のインダクタンスの値は用いる水晶発振子に適した値があるので、実際に使う物で加減してみます。 但し既成品のマイクロ・インダクタを幾つか交換しながら良い値を見つける程度で済むようでした。

 なお、このようにするとLSBとUSBでは発振レベルに違いが出ます。 あまり極端に変わらなければ大丈夫だと思って良いです。 発振レベルを揃えるためにALCを掛ける手もあって実験してみましたが、複雑化する割に効果が少ないので採用しませんでした。 単純明快な回路の方が優れていると思います。 発振強度はVXOコイルの品質によっても影響を受けるので、変化が大きいようなら別の物に交換してみます。

キャリヤ発振回路の製作例
 写真は、あとで出てくるSSBジェネレータの回路で試作している様子です。 主な違いはUSB/LSBの切換えスイッチの部分にあって、機械的なスイッチではなくトランジスタ・スイッチを使っています。

 機械的なスイッチでは配線を長く延ばせないのでリレーを使う必要があります。トランジスタ・スイッチに置き換えれば直流的に切り替えられるので配線を長く延ばしても大丈夫です。

 VXO式は周波数安定度が気になるかもしれませんが、実用上まったく支障のない性能が得られます。 VXOコイルのインダクタンスを無闇に大きくせず必要最低限に留めるのがポイントです。 わずか数kHzの変化で良いのですからVFOの代わりに使うようなVXOとは違います。大きなインダクタンスは必要ありません。 その結果VXO形式であっても周波数安定度は良好です。

 ここでは、不良になったクリスタル・フィルタを分解して得た周波数:7801kHzくらいの水晶振動子を使ってみました。 他にキャリヤ発振用に作られた7801.5kHz水晶発振子に交換してもほぼ同等でした。 参考までに50pFのトリマコ・ンデンサを使った場合、周波数の可変範囲はUSB側が7790.35〜7802.98kHz、LSB側は7801.27〜7803.40kHzが得られました。USB側はまだ調整範囲が広すぎるように感じます。 実際にはUSB用に7797.5kHz、LSB用には7802.5kHzになるよう調整します。

参考:8000kHzの水晶を使った場合、USB側:7994.81〜8000.14kHz、LSB側:7999.12〜8000.12kHzの可変が可能でした。 同じ水晶発振子でラダー型フィルタを作った場合、通過帯域は下側に4kHzくらいずれるので、概ね使い得る可変範囲にあると考えられます。

キャリヤ発振の発振波形
 Q1:2SC372Yのエミッタ波形です。 このように歪んだ波形ですが、確実な発振をさせるためには正帰還量を大きめにしなくてはならないので、この程度でやむを得ないでしょう。

 実際には、このあとで同調回路を含むバッファ・アンプを置いたので心配はいりません。 手持ちの関係で発振用トランジスタには2SC372Yを使いました。 代替品として2SC1815Y、2SC945等のほか、専用の高周波用であれば2SC1923Yや2SC2668Yなどが良いと思います。 周波数も8MHzあたりなので小信号用トランジスタに使えるものはたくさんあります。 どうしても発振しないのはたいてい水晶発振子に原因があります。 FT-243型のような古典的な水晶発振子はアクティビティが下がっていて、幾ら頑張っても発振してくれないことがあります。お爺ちゃんの遺品活用も程々に。hi hi

バラモジに与えるキャリヤ発振
 バラモジに与えるキャリヤ信号は、写真のように奇麗なものになります。 これはバッファ・アンプに同調回路を含む形式を採用したからです。 2SK544E(2SK241Y同等品)を使っていますが、入力インピーダンスが高く、帰還容量も小さいのでドレイン側同調回路の調整で周波数が引っ張られるようなこともありません。 2SK241等は小信号RFアンプ用と思われていますが、こうした発振回路のバッファ・アンプにも最適なデバイスです。

 具体的な回路は次項を参照して頂くとして、このようなキャリヤでバラモジの2SK544F(2SK241GR相当)×2をドライブします。 振幅はすこし大きめですが、試作なのでこれでやってみることにしました。 5Vppくらで十分だと思いますが、これで概ね支障はないようです。

7.8MHz SSBジェネレータ:全回路
 このBlogのタイトルはトランジスタを使ったバラモジのPart 2なのですが、今回はFETを使うことにして7.8MHzのSSBジェネレータの形に纏め上げることにしています。 なお、バイポーラ・トランジスタ:BJTを使ったPart 1はこちら(←リンク)

 以下、簡単に回路の説明をしておきましょう。

 キャリヤ発振回路は既に実験済みのVXO式を採用し、1個の水晶発振子でUSBとLSB用を発振しています。 周波数調整は幾らか相互に影響します。USB/LSBを切り替えながら数回調整を繰り返して所定の周波数に合わせます。 一旦合わせた後の周波数安定度は良好なので暫く再調整は不要な筈です。 Q2:2SK544Eのドレイン側同調:T2の部分はT2のリンク側をオシロで見ながら最大に調整すれば良いです。バルボル+検波プローブでピークに合わせても良いでしょう。T2はアミドンのトロイダルコア:T25-#2にφ0.2mm UEW線を1次側30回、2次側(リンク)は15回巻きます。

 マイクアンプは2回路入りのOPアンプを使いました。RC4558は汎用品(はんようひん)であって、たいへんポピュラーなものです。JRC製のNJM4558でも良いです。同等品は他にもあって一つ100円くらいで買える有難いパーツです。 性能は申し分ないので対抗するつもりで下手なディスクリート回路など持ち出しても勝ち目はありません。hi  但しLM358系OPアンプで代替するのは宜しくありません。(まあ、実験的なら可ですが・笑) マイクロフォンとしてはローインピーダンス型が適しています。 ダイナミック・マイクロフォンのほかECMも使えます。 通常その必要は考えにくいのですが、どうしてもマイクゲインが不足するようならR2(50kΩのVR)を100kΩに変更します。

 バラモジはFETを2つ使ったシングル・バランド・モジュレータ(SBM)です。 この部分が本来のBlogメインテーマです。 FETは2SK241GR(東芝)や2SK544F(三洋・ONセミ)あるいは2SK439F(日立・ルネッサス)のいずれでも良いです。(もちろん、それらの表面実装型でも良いですが具体的型番は省略します) 2SK19や2SK192のようなJ-FETも使えますが、キャリヤ信号をそれらに合わせて最適な大きさに調整する必要があってすこし面倒です。 従って上述のようなMOS型の高周波用FETが使い易いです。
 ほかにDual-Gate MOS-FET(例えば3SK73など)のゲートG1とG2を結んだものでも代用できます。 なお、2N7000等のN-ch MOS-FETの採用も考えられますが、これらは小信号用でもRF用ではないため電極間容量が極めて大きので違った観点から検討しなおす必要があります。エンハンスメント型なのでプラス電圧のゲートバイアスを掛ける必要があるので注意を要します。

 バラモジを出たあと、2SK544F(2SK241GR同等)を使ったポストアンプを通ってからクリスタル・フィルタで不要な側のサイドバンドが除去されます。 電源電圧は12Vで、全体の消費電流は約30mAです。なかなか省電力にできました。 後続のヘテロダイン・ミキサの入力にちょうど良い、約400mVppのSSB波が得られます。

バラモジとマイクアンプ部分
 バラモジには2SK544Fを2つ使っています。 事前にチェックして、Idssがほぼ同じものを選んでおきました。 非常にうまくキャリヤ・バランスが取れるので、調整用VR(VR1)の可変範囲はもっと狭くても良いくらいです。

 バラモジの出力側トランスには既製品のRFトランスを使ってみました。 ミニ・サーキット社のADT4-1WTと言うものです。 流石に巻き線のバランス状態は良好です。 自分で巻くのは手間がかかると思うなら、購入するだけの価値はあると思います。 なお、手持ちにあった物を使ったので、表面実装型を足付きに変換して試作に使っています。 最初から足付きDIP形状のRFトランスを使えば手間いらずです。

 マイクアンプは2回路入りのOPアンプ:4558型を使っています。 オーディオ・アンプにも使える性能があるので、HAM用のSSBジェネレータには十分すぎる性能です。 トランジスタで作ると3〜5石は必要なので、ここはICを使った方が有利です。 部品に拘るお方は"Muse"なり、音響用OPアンプが差し替え可能なので使われたら宜しいでしょう。(笑)

バラモジ出力トランスの構造研究
 ミニ・サーキット社のADT4-1WTは写真(下側)のような構造になっています。 各巻き線の結合度を上げ、なおかつ平衡度を確保するためにメガネ型のフェライトコアに巻き線しています。

 写真で見ると大きそうに見えますが、米粒のようなサイズのフェライトコアです。そのため各巻き線のインダクタンスが小さいのであまり低い周波数には適さず、下限周波数は2MHzとなっています。逆に高い方の周波数特性は十分延びていて仕様書の上限周波数は775MHzです。

 なお、ブレッドボードで試作する関係で、写真のような16穴の小型ユニバーサル基板に実装し、ピンヘッダを立てて使用しました。使うのがHF帯なので支障はないです。 ICのように小さな部品なので、ディスクリート部品で作ったバラモジとは言えかなりコンパクトに作れます。

自作トランスでも良い
 前回のBlogのように自作のTrifiler(トリファイラ)巻きトランスでもまったく同じように動作します。 性能に違いは無かったので巻くのが面倒でなければ自作を推奨したいと思います。巻線方法は前回のBlog(←リンク)を参照。

 ミニ・サーキット社の小型RFトランス:ADT4-1WTは単品買いでは$15-程度、20個まとめ買いでも単価$3-くらです。 しかし自分でフェライト・ビーズに巻けば100円も掛からずに作れます。 性能もこの例のように数MHzで使うのであればまったく同等でした。 面倒で無ければ自作するのが経済的です。実際に比較試験でも違いは見られなかったので心配はいりません。

マイクアンプの出力波形
 Push-PullになったFETのゲートに音声信号を加えて変調しています。 音声信号の一方は位相反転し、両方のFETのゲートを各々逆位相の音声信号で変調します。

 一方のFETのみに音声信号を加える「片肺」でも十分に変調は掛かるのですが、歪み特性上あまり好ましくないことがわかりました。

 このあたりは簡略を求めるのか、少しでも良い特性を追求するのかによって、どちらの回路を採用するか分かれる部分です。 歪みが増えるとは言っても了解に支障があるほどではないので「片肺」の簡略型でも良いのかもしれません。

 最初は片肺でやっていたのですが、波形を見ているとどうも気になったので、途中から両方のゲートをドライブする形式に変更しています。 耳で聞いた範囲では片肺でも行けそうではあったのですが・・・。(笑)

バラモジの出力波形
 1kHzのシングルトーンで変調しているので、バラモジの出力では2トーン信号のような波形になっています。 要するにまだDSBの状態です。

 バラモジの出力に非同調の広帯域トランスを使っているので含有する高調波などが干渉した波形が見られます。 実際にはこのあと同調回路で7.8MHz付近の信号だけを取り出すので特に支障はありません。

 ただ、他のデバイスを使ったバラモジよりもスプリアスは大きめな感じもします。 実用上の支障はないようですが、多少キャリヤのレベルなどを加減してみても良いのかもしれません。 波形の谷の部分がシャープなのでキャリヤ漏れは十分抑えられていることがわかります。

 変調信号を徐々に大きくして行くと、バラモジの部分で歪んで来ますが、その前にポスト・アンプの方が歪んでしまいます。従って、バラモジの方は常にリニヤな範囲で動作させられます。

ポストアンプとクリスタル・フィルタ
 バラモジの後にはポストアンプを置くと有利です。 フィルタとインピーダンス・マッチングが容易になるからです。 ポストアンプの入力部分にあるトランス:T3はアミドンのトロイダルコア:T25-#2にφ0.2mm UEW線を同調側30回(中点の15回でタップを出す)、バラモジに接続するリンク側は8回巻きます。


 ここでALCを掛けられるようにしておきました。 但し、あまり強くゲインを抑さえてしまうと、アンプのダイナミックレンジが狭くなってしまいます。 マイクゲインなど加減しつつ、オーバードライブにならない程度にピークを抑えると言った目的でALCを掛ける方が良いです。

 写真のクリスタルフィルタはEF-Johnsonブランドですが、これはCBトランシーバの納品先が同社だったのでそのシールが貼ってあるのでしょう。 クリスタル・フィルタのメーカーはNDKとかHzと言ったおなじみの日本の会社です。

シングルトーン
 フィルタを出たシングルトーンです。 単純なシングルトーンでさえ、奇麗に出てこないSSBジェネレータもあるくらいなので、この程度の信号が出てくればまずまずと言ったところでしょう。

 AF発振器の周波数を変えながら周波数特性を見たら、あまりフラットではない感じを受けました。 リニヤ目盛りで見ているからでdBで見たらそんなに悪くもない訳です。 フィルタの通過帯域特性がそのまま出てくるのだから仕方が無いでしょう。 耳で聞いてみるととても自然な感じの音なのでまったく支障ないどころか、良い音のジェネレータだと言っても良さそうでした。

スペクトラム観測
 ブレッドボードの限界を測定しているような感じです。 やはり完全なGNDが取りにくくて、信号が干渉し易いのです。 従って、キャリヤ・サプレッションは不十分でした。

 このあたりは、きちんとハンダ付けで基板に組み立ててやれば簡単に解決するから心配はいりません。少なく見ても20dBくらい改善されるでしょう。

 低周波アンプのゲインを少な目にしたので、フィルタ帯域内のノイズは少なくてS/Nの良いSSBジェネレータに仕上がっています。 音声帯域内に発生する2次高調波も十分小さいです。このあと目的周波数にヘテロダインし、アンプして行くことになりますが「静かな」SSBジェネレータになったと思います。

                  ☆

 このBlogには集計機能があって、どの記事がどんなキーワードにより参照されたのかがわかります。(誰がアクセスしかはわかりません) 無線の自作なんて言う奇特なHAMも珍しいようですが、意外に「SSBジェネレータ」をキーワードに検索されるお方もあるようです。 Blog内には20kHzのLCフィルタを使ったSSBジェネレータがありますが、あまりにも特殊な例でしょう。回路図も公開していません。 そのため、以前からHF帯の送信機なりトランシーバに使えるようなSSBジェネレータを扱う必要がありそうだと思ってきました。 それがやっと実現したような訳です。

 入手性が悪くなって来たIC-DBMは使わない方針でFETを使ってみることにしました。バラモジにFETを使う例はJA1APT金平OM(故人)のかなり古い記事(3SK22Y×2使用)くらいで、他にあまり例を見ないないようです。どのような性能なのか自身で確認したいと思っていました。 SSB送信機の要(かなめ)にあたる部分なのでイージーに製作できるとは言いにくい箇所もありますが、多少電子回路の製作経験があれば難なく作れるでしょう。特に難しい部分と言った部分はありません。写真を見ながら感触を掴んでもらえば十分行けるはずです。

 入手が難しくなって来たのは既製品のクリスタル・フィルタくらいでしょう。これは自作のラダー型フィルタ(←リンク)で解決できます。 使うICはOPアンプと3端子レギュレータくらいと割り切って設計しておけばこの先10年くらいは製作可能な回路になります。もちろん、実際に使う部品は表面実装型になって行くかもしれませんが・・・。
 FETには2SK544のEとFを使っていますが、2SK241や2SK439でも良くて、Idssランクもどれをどこに使っても良いです。但し、バラモジの部分は同じランクのものを使います。もし手持ちに数があって可能ならばIdssが近いものを二つ選んで使うと良いです。Idssの測定法は以前のブログ(←リンク)で扱っています。上記FETには、それぞれ表面実装型の同等品が登場しています。

  ごく初めの頃ARRLのアマハンなども参考にしてみましたが、どう考えても旨くない所が幾つも出て来て満足な性能は得られないようでした。ARRLのアマハン記事ともあろうことが・・と言う感じでした。 そのお陰で各回路部分を数種類試すなど思っていた以上に手間と時間が掛かってしまいました。 記事の能書きとは違い、実際やってみないとわからない部分などあって、ここで公開した10倍どころではないデータを採っています。 バラモジの部分に限ればIC-DBMを使う方が幾らか安直なのですが、それとは違った面白さもありました。 可能な範囲の検討は行なっておいたので製作の再現性はまずまずだと思っています。de JA9TTT/1

注意:同じように作ってみたが「旨く動かない」等のご相談には対応できませんので予めそのおつもりで。 同じに作ったと言いつつ、実はぜんぜん同じじゃなかった・・・など良くあって、凡人の私ではとても面倒を見切れません。ましてメールでは無理な話しです。 もしご近所なら拝見させて頂いてご一緒に悩みたいと思います。お気軽にご持参下さい。

つづく)←ダイオードDBMを使うSSBジェネレータへリンク.

8 件のコメント:

T.Takahashi JE6LVE/JP3AEL さんのコメント...

加藤さん、おはようございます。
SSB-GENとはBBだと大作ですね^^

7.8MHz CB用フィルターなど初代Radio Experimenter's siteを思い出しました。

AM/SSBで使えるように帯域が4kHzぐらいで設計されているそうですね。
数個所有していますが、間違えてキャリア水晶をSSB用の1.5kHzで入手した苦い思い出があります。Hi

SSB-GEN、送信専用でしたら結構シンプルなのですが、送受兼用にすると結構複雑になります。
でも高価なフィルターなので共用したいですし悩ましいところです。
フィルターが余っているかラダーフィルターを使うのなら送受別々で作った方が楽ですね。

TTT/hiro さんのコメント...

JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、おはようございます。 今朝に北関東はあいにくの雨模様です。そろそろ梅雨でしょうかね。

早速のコメント有り難うございます。
> 初代Radio Experimenter's siteを思い出しました。
思い出しましたか。hi  ずいぶん昔のことになりましたね。

> AM/SSBで使えるように帯域が4kHzぐらいで・・・
実測でそうなっていますね。 キャリヤポイント間で言うと5kHz離れていますから、一般的なSSB用よりも2kHzくらい広い感じです。

> SSB用の1.5kHzで入手した苦い思い出が・・・
この周波数でしたら1〜2kHzでしたら簡単に動かせますから十分使えると思います。 機会があればお試しください。

> 送受兼用にすると結構複雑になります。・・・高価なフィルターなので共用したいですし・・・
トランシーバ用に受信回路込みも考えたのですが、BBでは難しいのでやめました。 ポストアンプ以降を兼用する設計にすれば良いので、案外簡単にトランシーバ用にすることも可能です。

> ラダーフィルターを使うのなら送受別々で作った方が楽・・
兼用しない方が受信部を高性能化できるので有利だろうと思います。 今どきの自作は何か特殊な事情がある筈なので、送信機と受信機を分けて考えた方が作り易くて良いと思います。 VFO部分(DDS部分)を共有すればトランシーブも可能ですから問題にはなりませんね。 マイコン式なら送受のフィルタ周波数が違っていてもまったく問題ないですし・・・。hi hi

Arie / exJA6DPR さんのコメント...

加藤さん、おはようございます。
いつも、お世話になっております。

パート2を楽しみにしていたら、SSB GENEで予想はしていましたが、大当たりでした。
ここまで来たら、TTTスタンダードですね。

私は、加藤さんに教えていただいた、DATAを基に青いMFフィルターを使ったGENEが出来ていますが、加藤さんのブログをヒントに改良を加えていくのでなかなか完成しません。

後続のヘテロダイン ミキサーを楽しみにしています。

TTT/hiro さんのコメント...

exJA6DPR 有江さん,おはようございます。 今朝はさわやかな朝です。

コメント有り難うございます。
> SSB GENEで予想はしていましたが、大当たりでした。
手の内を読まれていましたか。hi hi FETでバラモジを予定していましたが、一歩進めてジェネレータまで行くことにしました。

> TTTスタンダードですね。
スタンダードと言うには、一般性のある部品を使って誰でもどこでも作れるようなものでなくてはなりません。 そこまでの一般性はないと思いますので、スタンダードと言うのにはだいぶ無理がありますね。hi

> MFフィルターを使ったGENEが出来ています・・・
CollinsのMFですね。 ここで使ったCB用クリスタルフィルタよりも良い特性です。 活用されてFBなRigを製作されて下さい。

jn3xby@岩永 さんのコメント...

TTT 加藤さん、こんばんは。
今回は、SSBジェネレータですね!
FETとOPアンプを使用された分だけジェネレータとなっても回路がシンプルに見えます。
これくらいだと作ってみようかな!と思いつつあります。
死蔵しているIC-DBMは沢山あるのですが.....

TTT/hiro さんのコメント...

JN3XBY/1 岩永さん、こんばんは。 今日は梅雨前の晴天でしたね。いかがお過ごしでしたか?

コメント有り難うございます。
> ジェネレータとなっても回路がシンプルに見えます。
可能な部分は、なるべくIC化するほうが作り易くて良いと思っています。ツェナーDiもやめて3端子Regとも思ったんですが・・・。

> 死蔵しているIC-DBMは沢山あるのですが.....
私も死蔵しています。hi 今回はあえてIC-DBMを使わずに汎用部品で作ってみました。 IC-DBMがなくてもSSBの自作はできるって・・。hi

お持ちでしたらIC-DBMを消費されると宜しいでしょう。 FBなジェネレータを製作されて下さい。 岩永さんの場合は、トランシーバの送受IF部として作るのでしょうね。 そのような形式も扱ってみたいと思っています。

瀬戸口泰史 さんのコメント...

JE1HBB/セトロです

3月頃から秋場でのミーティングに恐る恐る参加させていただいています

加藤さんがしばしば記されていらっしゃるように、私も「クチではモノはできない」を信条にこつこつ取り組んでいます。 とは言うものの、加藤さんや本●さんや山●さんをはじめ皆さんとリアルタイムで話をしていると、つい見栄を張りたがる自分がそこにいて反省しきりです。

 もうひとつ。「入手難となった部品があったとしてもうろたえるな」。これも大事な発想かと。考えられもしなかった高性能・高機能のデバイスが安価に手に入ることを喜ぶ方がポジティブですよね。 以前ならアマチュアには決して持つことができない様々な測定器やコンピュータを持ちつつ昔を懐かしむだけ、というのはムシが良すぎる気がします。
 「実現したい機能がある、だけれど”アレ”がない」という局面こそ腕の(頭の)ふるいようがある楽しみの源泉と思いたいですね。

 などと記しながら、お見せしたように前世紀の部品であるニキシー管で遊んでいます。webを見るとTIのTTLドライバが手に入らないことからソ連製のコピーをあれこれ手を尽くして入手するのがお作法のようです。 今回はその方法をとらずPICとTrでドライバーとBCDデコーダーを作ったということでお目こぼしをいただければ…

 TS520の残骸であるフィルターとバンド別水晶を持っています。これを使ってSSB-TRXを作るのが当面の構想です。漫然とDi-DBMを使うことを想定していましたが新たなヒントをいただきました。 本●さんの3段if-Ampと合わせ貴重な情報を手に入れることができました。

 このブログには初めてのコメントですが、これに懲りずおつきあいいただければ幸いです。
 皆様も。

TTT/hiro さんのコメント...

JE1HBB 瀬戸口さん、こんばんは。 先日は懇親会でFBなアイボール有り難うございました。

コメントたくさん有り難うございます。
> ミーティングに恐る恐る参加させていただいています・・・
どなたも親切なお方ばかりですから、怖いことはないと思いますが・・・。(笑)

> 「クチではモノはできない」を信条にこつこつ・・・
多桁のニキシー管表示ユニット、大作でしたね。 配線が大変だったと思いますが奇麗にできていました。 十分自慢できますよ!

> ”アレ”がない」という局面こそ腕の(頭の)ふるいようがある・・・
そうなんです。 なければ工夫で解決するのがアマチュアだと思います。 やはり金力ではない解決がいいですね。hi

> PICとTrでドライバーとBCDデコーダーを作った・・・
古いデバイスと、新しい技術の組み合わせが面白かったです。 プロには真似できない作品でしょう。

> 貴重な情報を手に入れることができました。
Webや雑誌と違って、製作のコツとか感触のようなものをじっくり教えてもらえますのでアイボールはFBですよね。

こちらこそ、お気軽にコメントを宜しく。 懇親会でまた楽し作品を拝見させて下さい。