今年もハムフェアが開催された。 ここ暫く東京は有明:東京ビッグサイトが恒例の開催場所になっている。 そして残暑が厳しいのも例年のことだ。 重そうな無線機やジャン測を抱え、汗だくで「ゆりかもめ」に急ぐハムも昨今は少なめだ。 箱モノの出物が少なくなったこともありそうだが、会場に出店する運送業者の宅配サービスを利用する人が多くなったからだろう。
昨今は買物よりもお馴染みさんやネットで知り合ったお方とのアイボールが目的のようになっている。 もちろんメーカーの新製品発表も気になるのだが、暫くは現有機器で行こうと決めているので熱心にに見ると言うほどでもなかった。 実際、厳しくなった新無線設備規則に対応した機器はまだこれからと言った感じだろう。 新製品のTS-590は気になったが、他社も含めて来年あたりの方が面白いのではないか?
初日の傾向を一言で言うのは難しいが印象は次のようなものだ。「やや若返って人出もちょっと多くなったかな?」・・・という感じだ。 失礼ながら、例えば二文字コールのようなOMさんはこの猛暑の時期、お出掛けの無理はされないご年齢なのでは? 昨今は知り合いも含めてSKになられるOMさんも続出なのだ。 代わってBCLラジオブームの世代が隆盛になってきたように感じられた。
少しずつではあるが、中・高校生の姿も見られるようになってきた。 それもOMのお子さんではなさそうな学生さんも結構いて少しは未来に希望が持てるかもしれない。 HAMと言う趣味も若い人たちに世代交代すべきだと思う。
買物は目的にあらず。大したものはないが、恒例なので一応以下にメモしておく。(笑)
買物とは言っても、何か作る時に消費してしまうような部品を気付いた範囲で手に入れておく程度である。 もちろん、すぐに必要と言う訳でもないのだが、無いと不便、あったら便利と言うものを買っておいた。もちろん安いからと言って無節操に買い込むと消費しきれないのは目に見えている。
写真は北海道の通販店「ラジオ少年」のブースに出ていたラグ板だ。 私が作るのは試作的な一品料理なので回路は「ユニバーサル基板」上に組立ててしまう。 しかしAC電源回りなど大きめの部品が付く所はこうしたラグ板に載せるケースも多い。 これは同店でいつでも買えるが送料節約の意味でこの際購入しておいた。なお、写真では7Pラグ板とあるが、アースに接続される端子は数に含めないのがパーツ屋さんの常識だったと思う。従って写真は4Pと6Pのラグ板と言うことになる。
縦ラグ板(写真)は平ラグ板と共に真空管時代の代表的な配線用部品だ。 真空管で製作する人はもちろん持っているべきだろう。こうした回路図には現れない小物部品も揃えないと製作が捗らない。
基板をシャシに固定するにはこうした部品が欲しい。 長いビスとネジを切ってないパイプ状のカラーで浮かせる方法もある。
用途によって使い分けるようにしているが、ガッチリした固定には六角スペーサが良い。 シャシ上面から基板の着脱も容易にできるので便利だ。 これは一袋¥100−だったので2つ買っておいた。
さっそくネジ類を入れるパーツボックスに追加しておいた。 秋葉原やホームセンタで購入すると、そこそこのお値段である。消耗品扱いで補充しておけば重宝する。
以前のBlogで、秋月のTCXO:KTXO-18Sより少し高級なTCXOとして紹介したモジュールが出ていた。 嵩張らず軽量でお手頃の「来場記念品」が欲しかったので、これを買っておくことにした。
店頭には二つあったが、既に1つ持っているし他にも欲しい人があるかもしれない。一つで遠慮しておいた。 これが¥1,000−ならお買い得なのだが、自作をしない人には何の意味もないのだろう。
周波数は6.4MHzである。 1/64で100kHzや1/640で10kHzを得てPLLのリファレンスにするのがお約束の使い方だろうか? 周波数安定度に優れたPLLシンセサイザが作れる。 また、今どきのリグには必要ないが100kHzや25kHzまで分周すれば精度の良いマーカー・オシレータになる。 更には1KHzあるいは1Hzを得てゲート制御信号に使えば測定精度の良い周波数カウンタになる。
TCXOは昨今流行のRb-OSCや高級OCXOに比べれば絶対精度で2〜3桁ほど劣っている。 しかしスイッチオンから数分もすれば約0.1ppm以内の精度に入る。 常時通電しておけない機器にはむしろ向いている基準発振器だ。 消費電力も少ないから電源事情の良くないフィールド用の機器にも適している。
周波数の「高精度病」も結構だが、周波数基準器は使用環境や電源条件なども考慮して選択しないと不都合な点ばかり目立ってしまう。スイッチオンから最低30分以上も待たされるような無線機やオーディオ機器など私ならご勘弁願いたい。(笑) 一般家庭用ならスイッチオンから短時間で高精度になるTCXOの方がむしろ向いていると思う。 標準電波を使って入念に初期校正しておけば、1年間くらい楽に<1ppmの精度が維持できる。 揺らぎさえ少なければ絶対精度はそれで十分満足できる。
これはHAMフェアのジャンク品ではない。 会場でアイボールしたYさんに頂戴したものだ。 何でも破格で数個入手されたのだそうで「どなたか試してみませんか?」と言うお誘いに思わず乗ってしまった。(笑) Yさん、良いお土産になりました。どうも有難う。
Push-Pull回路を意図したRF用のPower MOS-FETである。 高耐圧RFデバイスであって、ドレイン電圧:Vds=80Vで使うのが標準だ。 従って例のMRF255アンプより遥かに良好なIMD特性が期待できる。(まあ、これは当たり前なのだが・笑)
しかし思うほど甘くはなくて、やって見るとRFデバイスの高電圧動作はなかなか難しいものがある。 特に広帯域アンプの設計でマルチバンドを目指すと安定した動作が大きな課題になる。 失敗すれば即座にPower-FET昇天の憂き目と隣り合わせだ。 低電圧のデバイスよりもずっとデリケートに感じる。 虎の子の石を使った試作では通電の瞬間は心臓が痛む思いだ。 なので精神衛生上は安価なIRF510あたりの方が宜しいのかも。 hi hi
このデバイスに関しては、いずれ100WクラスのPower MOS-FET Amp.を扱う時に詳しくでも。 あらためて過去の試作品と一緒に紹介してみたいと思っている。
−・・・−
会場では、CQ誌ほか出版社のお方が熱心に取材される姿を目にした。 来月号ではHAMフェアの熱気が誌面を通じて全国のハムにも伝わるだろう。 来年も沢山の来場があればアイボールは盛り上がるに違いない。 アイボールでしばしお話し頂いた皆さん有難う! お会いできなかったお方は来年こそ来場されては如何?
(おわり)