アンドロイドに100円プラス
【100円プラスで】
タブレットPCは手に持って使うのが基本かも知れない。 しかし、ちょっと置いて使いたいときもある。
テーブルに直接置いたら上から覗き込むように見なくてはならない。 それも不便だ。
写真のフォトスタンド(ミニ・イーゼル)は100円均一のお店のものだ。 寸法と良い、ホールド感と言って良い、この7インチandroid Tabletに丁度良い。
YouTubeとかムービーを見る時にはお薦めだ。 意外にしっかり立っているのでタッチパネルの操作も安定してできる。
☆ ☆ ☆
amazonを覗いてみていた。しっかりしていてホールドの良さそうなタブレットPCスタンドが様々売られていた。 中にはアイディアもののスタンドもあって面白そうだった。 しかしお手軽中華Padにはチープな路線で百均のコレがピッタリだ。 写真では横置きだが、縦置きに使っても安定感は悪くない。 100円にして実用性も十分だ。
ほか、100均ではmicro SDHCメモリカードと、その変換アダプタを収納する専用ケース(プラ箱)を買ってみた。全部で12枚入るので収納力はマズマズだ。 小さ過ぎてどこかに無くしてしまいそうなメモリなので収納ケースに入れておこう。
☆
まだ3インチのミニフロッピーが全盛のころの話し。 たしか10枚くらい入るケースで持ち歩いた。 15MB弱のデータ持ち運びだった訳だ。 micro SDHCは32GB品のC/Pが良かったので数枚買っておいた。 そのSDHCのデータ量はフロッピーの2万枚以上だ。 手のひらサイズのプラ箱には12枚も入るから、フロッピーで言えば25万枚以上になる。 なるほど今どきフロッピーなどだれも使わない訳だ。 つくづく今のデーターサイズバブルには驚かされる。(笑) de JA9TTT/1
(おわり)
2012年11月12日月曜日
2012年11月3日土曜日
Do Androids Dream of Electric Apple? , part 2
アンドロイドは電気林檎の夢を見るのか?
【タブレットPCをどう使うか?】
何でもそうかも知れないが、「どう使うか?」は重要なテーマだ。 何にどう使うかは各人の好みだろうが、part 2では私の例を交えて紹介してみようと思う。(参考:Part 1は→こちら)
もちろん貴方の自由だからこれに捕われず、ご自由にやれば良い。考えと違うからと言ってクレームはご勘弁を。
写真は私のandroid Tabletのデスクトップである。
さしあたり、メインのブラウザはOPERA(左端)が良さそうだ。
ネットラジオ(左から二番目)も「ながら」で良く聞く。
ファイル・マネージャ(左から三番目)は絶対必要なアプリだ。
そして標準のブラウザ(左から四番目)である。これは「科学映像館」等のストリーミング・ムービーを見るのに使う。OPERAではダメなことがあるので。
左から五番目は単なる時計のアプリで目覚ましとか。
一番右はWi-Fi analyzerと言うアプリでワイヤレスLANの状態監視に使う。
以上、良く使いそうなアプリをデスクトップに置いたが何を置くかは甚だ流動的だ。
右上のアプリ・リストアイコンをタップするとアプリ一覧が現れる。 そこで置きたいアイコンを長押しするとショートカットがデスクトップに現れる。それを適宜移動配置すればデスクトップは好きなようにできる。 消したいショートカットは長押しすれデスクトップ中央上部に×印が現れるのでそこまで引き摺って行けば消せる。 もちろんアプリには影響は無い。ショートカットが消えるだけだ。
【ブラウザはOPERA】
google chromeでも良いかも知れないが、試してみたらOPERAがいちばんandroid Tabletにマッチしているように感じた。
画面は拙サイトをブラウズしている状態だ。 ページの任意部分に指先で移動したり、二本指で部分拡大や縮小ができるので画面は小さめだが、なかなか快適だ。
文中のリンクが指先で押しにくい時にはちょっと拡大してタップすれば確実だろう。サイトの閲覧は普通のパソコン同様にできる。 PC用にできたサイトでも支障は感じなかった。 なお、検索ワードなど窓にインプットしたい時には、窓の部分をタップするとソフトキーボードが自動ポップアップで現れる。 キーも結構大きいので思っていたより扱い易い。
【ネットラジオの時代か?】
寝ながらラジオを聞いていたら、家内から「AMラジオなんて爺臭い・・」と言われた。(^^;;
いえいえ、android Tabletを使い「らじる☆らじる」(→リンク)でネットラジオを聞いているんだよ・・・と言ったら、何となく「格好イイ!」とか。 ラジオの内容は変わらないんだけどね。(爆)
なお「らじる☆らじる」で聞くと、AMもFMもステレオで聞ける。 もちろん混信やフェーディングなどないし、タブレットの向きで聞こえ方が変わる・・・なんてことはない。バーアンテナじゃないんだから。 無線LANが途絶えるともちろんだめだ。
他に,民放ラジオの「Radico.jp」(→リンク)と言うのもある。(あまり聞かないが)
バックグラウンドで聞く機能があるので、他のアプリ、例えば本を読みながら聞くと言ったこともできる。
【ファイル・マネージャ】
ブックリーダ、フォトアルバム、音楽プレーヤ、ムービービューワ・・・etcとして使うには、それぞれのアプリ(どれも標準装備アプリ)を起動してから該当のファイルを選択すれば良い。
しかし、保存してあるファイル数が多くなればその方法では面倒でダメである。やればわかるが、とっても使いにくいのだ。
ファイル・マネージャと言うアプリ(無料)はお薦めだ。 本体メモリ或はSDカードにストアされている各種データファイルを階層的に表示してくれる。 写真の様にフォルダが現れるので、それを開いて見たいもの、聞きたい物をタップすれば良い。 ファイルに適したビューワなり、プレーヤなりを自動起動して再生或は表示してくれる。
途中で閉じた本は閉じた部分から読み始めることができる。 ムービーも閉じた時の途中部分から続きを見ることができる。
タブレットは数秒で起動する。 従って電車が駅に着いたらささッと仕舞い、乗換が済んだらまた数秒で起動してさっきの続きを読むと言ったこともごく当たり前にできる。 従来の(ノート)パソコンを使っているのとはずいぶん違う便利さである。
【ARRL Handbook】
以前、amazonのkindle 2を買ったことがあった。 一つに、寝転んで「分厚く重たいARRLのアマハン」を読みたいものだと思ったからだった。
しかし、kindle 2の仕様では文字が小さ過ぎて実用にはならなかったのである。 もちろんカラーでもなかったからグラビアのような記事はまったくダメであった。
このタブレットに限らずカラーのLCDが使ってあれば支障無くグラビア本が読める。写真ではARRL Handbookの表紙だ。 最近のARRL Handbookには本誌の内容をそのままPDF化したオマケのCD-ROMが付いてくる。 そのCD-ROMをSDカードに転送Copyしてやれば、めでたく寝転んでARRL Handbookが読めるようになった。 SDカードへのCopyについてはUSBモードの所で説明する。
【記事は読み易い】
横長画面・・・ランドスケープ・モードと言う・・でページを開けば、この程度に見えるので、文字も十分読むことができる。
バックライトの輝度は常に下げ気味で使っているのだが、屋内で読む分には、十分なコントラストだ。
PDFのファイルの為にAcrobat Readerをインストールしておいた。Readerはgoogle play storeに無料で置いてある。 指先でページめくって読んで行く。また、スライドバーで任意ページに飛ぶことができる。
最近のAcrobat Readerは栞(しおり)を付けられるほか、メモを付ける、フリーハンドでマーカーを引くと言ったようなことまでできる。 要するに本物の本に書込みをしたり、ページの角を折っておくと言ったことが真似られるのだ。
【図面もバッチリ】
上の写真のページから回路図を拡大してみた。 このように大きく表示できるから、紙の細かい回路図を見るより遥かに読み易いくらいだ。
だんだん目が遠くなって来たら虫眼鏡を片手に・・・と言う読書シーンを想像するだろう。 しかしタブレット・PCならそんな心配は無用かも知れない。 こうやって指先で簡単に拡大できるのだから。 回路定数の部分もバッチリわかる。
【そして青空文庫も】
kindle 2の時にはたいへんお世話になった青空文庫も支障ない。 kindleのために保存してあったファイルだが、そのままでも支障はないようだ。
google play booksには無料の書籍として青空文庫から著名な日本文学が置いてあった。初めてタブレットPCを購入したならそれを利用したら良いだろう。
今のところ、android tabletの欠点と言えば電池寿命だと思っている。 起動状態では連続4時間くらいで電池切れになってしまう。 従って通勤中に毎日使いたいと思えば毎日充電が必要かも知れない。それでも足りないなら、充電に使えるリチウム電池パックが各種売られている。 必要のない限りWi-Fi(無線LAN)はOFFにしておけば電池の節約になる。
紙の本代わりの純粋なBook readerがお望みならe-Inkを使ったkindle paperwhite(←リンク)が一番向いているだろう。本体が安価なだけでなく、1回の充電で数100時間も動くのだから、電池の持ちは格段に違う。買うなら是非とも3Gモデルの方を!
kindle以外でもamazonの電子ブックを読むためのアプリがあるから心配はいらない。 一般的なandroid Tabletはどれも電子ブック時代に対応している。自炊本だけのものではないのだ。
☆ ☆ ☆
【USBモードについて】
本体の脇に付いているmini USBコネクタとパソコンを繋げば、android Tabletは自動的にUSBモードになる。
要するに、パソコンから見たらandroid Tabletは単なるUSBメモリのように見える訳だ。
写真はUSBケーブルを使い、パソコン(Mac)に接続したときの様子だ。 もちろん、Windows PCでも同じである。
【これは注意だ】
android Tabletは、完全な電源OFFで止まっているのではない。 普通はレジューム(一種の待機)状態で止めてあるのだ。
だから次に起動した時に途中から続けることができる訳だ。 しかしUSBモードに入ると起動済みのアプリは中断することになる。 従って前に帰れない可能性もある訳で、そうしたことの注意書きである。
なお、Acrobat Readerは途中状態のファイルを別に持っているらしく、USBモードに入ったからと言って途中経過を忘れる訳ではないようだ。 あまり神経質にならずにUSBモードにしても良いと思う。
【Macからはこう見える】
Macのデスクトップには、android Tabletはこのように見える。要するにUSBメモリと同じに見える訳だ。
PRO3と言う名前のものが、android Tabletの本体メモリである。 NO NAMEと言う方は、後から追加したmicro SDHCメモリの方である。 私は32GBの物を追加してある。 今のところ上限は32GBのSDメモリまでのようだ。
各メモリをダブルクリックして開き、PDF、mp4なりJPEGなどのファイルをフォルダごとコピーしてやればandroid Tabletで見ることができる。 パソコンから見たらUSBメモリの扱いなのだから、ファイルの移動や管理はとても簡単だ。
【終了方法】
USBメモリモードから抜けるには、まずはパソコンの方から終了の操作を行なう必要が有る。
パソコンから安全な取り外し操作を行なえば良い。 その上で、android側でUSBストレージをOFFすると言う画面の部分をタップして終了する。 あとはUSBケーブルを引き抜けば完了である。
どうしてもUSBメモリとして認識されないときは(1)パソコンを再起動してみる、(2)android Tabletの電源をオフしてみる、(3)レジュームではなく、完全にオフする。などの操作で改善する模様だ。 一旦認識されればエラーも無くファイルコピーなり自在にできるようになる。 なお本体メモリの方を開くと既存のフォルダが幾つか見える。 android OS或はアプリから使用されるものなので、意味が分からない物には手をつけない方が安心だろう。消去したりリネームすると動作に支障をきたす可能性がある。
参考:この例では、パソコンにandroid tabletを接続して「外付けのメモリ」として扱う場合を示した。 逆に、一般的なUSBメモリをandroid tabletに接続しタブレットから見て「外付けのメモリ」として扱うことも可能だ。 具体的には、OTGケーブル(数100円で買える)と言うインターフェースを介してUSBメモリを接続すれば良い。「ヒモ付き」にはなるが、USBメモリにデータを入れておき、それを活用すると言った使い方も可能である。
☆
【簡単使い方】
すぐにわかると思うが、デスクトップでの簡単な操作をメモ程度に書いておく。
画面の右下に現れるボタンの意味は写真の通りだ。 付属の冊子にも書いてある。一番良く使うボタンだと思う。
どうしようもなくなったら、まずは2のデスクトップに戻るボタンで最初からやれば良い訳である。(笑)
なお、3番のボタンの意味は以下の写真で。
【アプリは起動したまま】
基本的に各アプリは起動したままになっている。 従って、3番のメニユーから選べば前回のところから即再開できる。
一旦オフしたいときは該当のアプリを長押しすると操作できる。
この写真では、上から血圧手帳を使い、次にらじる☆らじる、OPERAブラウザ、その後でAcrobat Readerを起動していることがわかる。
☆ ☆ ☆
【電気林檎の夢を見たか?】
さて、android TabletはAppleのiPadの夢を見られたのだろうか?
たぶん、ここに書いたような使い方なら、どちらでも同じようなことができる。 もちろんiPadの操作性や用意されたアプリに洗練さを感じる部分はあるだろう。 特に平均的なアプリのデキはiPadの方がかなり上であり安心感も高い。
では、致命的なほどの差がついているのかと言えば、いまやそれはNoと言える。 外観デザインやフィーリングはもっぱらお好みの範疇だろう。 またハードウエアの信頼性が欲しければ、googleのNexus 7を買えばまず安心だ。 だいぶ高いように感じるが信頼性重視で日本メーカーのandroid Tablet(例えば→コレとかコレ)も良かろう。 但しチープな中華Padでもできることはほとんど同じだ。 最後は個々人の価値観に帰結しそうである。 お手軽なandroid Tabletではあっても「電気林檎の夢」を見ることができた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
kindle 2のときは小編に分けたBlogにした。 今回は全2回で片をつけたいと思ったので、長ったらしくなった。 それでも不十分な内容も多いだろう。 しかしタブレットPCも一般化しているから機能や操作を詳しく解説するサイトは無数に存在するようになっている。 不足分はそちらで補ってもらうと良いだろう。キーワードで検索したら良い。
しかし意外に具体的な使い方を書いたサイトは少ない感じだ。ネットでもゲームでも何でもできます・・と言った話しは良く目にするが、本当の所はどうなのだろう?
結局のところタブレット・PCは出来上がったデータの閲覧用だ。もっぱらコンテンツの消費用と言う訳だ。 だからネット上のコンテンツの閲覧だけでなく書籍ファイルや写真、音楽、動画などをメモリに取込んだ上で手元に連れて来てパーソナルに使うのが最適用法になる。家中どこへでも付いてきてくれる。
ベッドサイドにおいて、Netニュースをチェックする、今日のお天気を伺う、届いたメールをチェックする、Blogのコメントを確認する・・・そんな目的にはとても向いている。 ちょっとしたメモを書くとか、少し高めなので血圧手帳をこまめに付けてグラフィカルにトレンドをチェックするとか、もう生活用品の一部として浸透している。 ちょいとONして済んだらすぐにOFFと言った私の使い方なら、週に一回のチャージでも十分なくらいだ。 もしも持ち出す時にはフルチャージして行けば良い。連続4時間くらいは楽しませてくれる。
何でもかんでも一つで済ませるのではなく、文書を作る、Blogを書くと言ったクリエーティブな目的・用途にはやはりしっかりしたキーボードとマウスの付いたパソコンがやり易い。 だから適材適所で用途ごとにデバイスを分けるのが最も合理的なように思う。de JA9TTT/1
(おわり)
【タブレットPCをどう使うか?】
何でもそうかも知れないが、「どう使うか?」は重要なテーマだ。 何にどう使うかは各人の好みだろうが、part 2では私の例を交えて紹介してみようと思う。(参考:Part 1は→こちら)
もちろん貴方の自由だからこれに捕われず、ご自由にやれば良い。考えと違うからと言ってクレームはご勘弁を。
写真は私のandroid Tabletのデスクトップである。
さしあたり、メインのブラウザはOPERA(左端)が良さそうだ。
ネットラジオ(左から二番目)も「ながら」で良く聞く。
ファイル・マネージャ(左から三番目)は絶対必要なアプリだ。
そして標準のブラウザ(左から四番目)である。これは「科学映像館」等のストリーミング・ムービーを見るのに使う。OPERAではダメなことがあるので。
左から五番目は単なる時計のアプリで目覚ましとか。
一番右はWi-Fi analyzerと言うアプリでワイヤレスLANの状態監視に使う。
以上、良く使いそうなアプリをデスクトップに置いたが何を置くかは甚だ流動的だ。
右上のアプリ・リストアイコンをタップするとアプリ一覧が現れる。 そこで置きたいアイコンを長押しするとショートカットがデスクトップに現れる。それを適宜移動配置すればデスクトップは好きなようにできる。 消したいショートカットは長押しすれデスクトップ中央上部に×印が現れるのでそこまで引き摺って行けば消せる。 もちろんアプリには影響は無い。ショートカットが消えるだけだ。
【ブラウザはOPERA】
google chromeでも良いかも知れないが、試してみたらOPERAがいちばんandroid Tabletにマッチしているように感じた。
画面は拙サイトをブラウズしている状態だ。 ページの任意部分に指先で移動したり、二本指で部分拡大や縮小ができるので画面は小さめだが、なかなか快適だ。
文中のリンクが指先で押しにくい時にはちょっと拡大してタップすれば確実だろう。サイトの閲覧は普通のパソコン同様にできる。 PC用にできたサイトでも支障は感じなかった。 なお、検索ワードなど窓にインプットしたい時には、窓の部分をタップするとソフトキーボードが自動ポップアップで現れる。 キーも結構大きいので思っていたより扱い易い。
【ネットラジオの時代か?】
寝ながらラジオを聞いていたら、家内から「AMラジオなんて爺臭い・・」と言われた。(^^;;
いえいえ、android Tabletを使い「らじる☆らじる」(→リンク)でネットラジオを聞いているんだよ・・・と言ったら、何となく「格好イイ!」とか。 ラジオの内容は変わらないんだけどね。(爆)
なお「らじる☆らじる」で聞くと、AMもFMもステレオで聞ける。 もちろん混信やフェーディングなどないし、タブレットの向きで聞こえ方が変わる・・・なんてことはない。バーアンテナじゃないんだから。 無線LANが途絶えるともちろんだめだ。
他に,民放ラジオの「Radico.jp」(→リンク)と言うのもある。(あまり聞かないが)
バックグラウンドで聞く機能があるので、他のアプリ、例えば本を読みながら聞くと言ったこともできる。
【ファイル・マネージャ】
ブックリーダ、フォトアルバム、音楽プレーヤ、ムービービューワ・・・etcとして使うには、それぞれのアプリ(どれも標準装備アプリ)を起動してから該当のファイルを選択すれば良い。
しかし、保存してあるファイル数が多くなればその方法では面倒でダメである。やればわかるが、とっても使いにくいのだ。
ファイル・マネージャと言うアプリ(無料)はお薦めだ。 本体メモリ或はSDカードにストアされている各種データファイルを階層的に表示してくれる。 写真の様にフォルダが現れるので、それを開いて見たいもの、聞きたい物をタップすれば良い。 ファイルに適したビューワなり、プレーヤなりを自動起動して再生或は表示してくれる。
途中で閉じた本は閉じた部分から読み始めることができる。 ムービーも閉じた時の途中部分から続きを見ることができる。
タブレットは数秒で起動する。 従って電車が駅に着いたらささッと仕舞い、乗換が済んだらまた数秒で起動してさっきの続きを読むと言ったこともごく当たり前にできる。 従来の(ノート)パソコンを使っているのとはずいぶん違う便利さである。
【ARRL Handbook】
以前、amazonのkindle 2を買ったことがあった。 一つに、寝転んで「分厚く重たいARRLのアマハン」を読みたいものだと思ったからだった。
しかし、kindle 2の仕様では文字が小さ過ぎて実用にはならなかったのである。 もちろんカラーでもなかったからグラビアのような記事はまったくダメであった。
このタブレットに限らずカラーのLCDが使ってあれば支障無くグラビア本が読める。写真ではARRL Handbookの表紙だ。 最近のARRL Handbookには本誌の内容をそのままPDF化したオマケのCD-ROMが付いてくる。 そのCD-ROMをSDカードに転送Copyしてやれば、めでたく寝転んでARRL Handbookが読めるようになった。 SDカードへのCopyについてはUSBモードの所で説明する。
【記事は読み易い】
横長画面・・・ランドスケープ・モードと言う・・でページを開けば、この程度に見えるので、文字も十分読むことができる。
バックライトの輝度は常に下げ気味で使っているのだが、屋内で読む分には、十分なコントラストだ。
PDFのファイルの為にAcrobat Readerをインストールしておいた。Readerはgoogle play storeに無料で置いてある。 指先でページめくって読んで行く。また、スライドバーで任意ページに飛ぶことができる。
最近のAcrobat Readerは栞(しおり)を付けられるほか、メモを付ける、フリーハンドでマーカーを引くと言ったようなことまでできる。 要するに本物の本に書込みをしたり、ページの角を折っておくと言ったことが真似られるのだ。
【図面もバッチリ】
上の写真のページから回路図を拡大してみた。 このように大きく表示できるから、紙の細かい回路図を見るより遥かに読み易いくらいだ。
だんだん目が遠くなって来たら虫眼鏡を片手に・・・と言う読書シーンを想像するだろう。 しかしタブレット・PCならそんな心配は無用かも知れない。 こうやって指先で簡単に拡大できるのだから。 回路定数の部分もバッチリわかる。
【そして青空文庫も】
kindle 2の時にはたいへんお世話になった青空文庫も支障ない。 kindleのために保存してあったファイルだが、そのままでも支障はないようだ。
google play booksには無料の書籍として青空文庫から著名な日本文学が置いてあった。初めてタブレットPCを購入したならそれを利用したら良いだろう。
今のところ、android tabletの欠点と言えば電池寿命だと思っている。 起動状態では連続4時間くらいで電池切れになってしまう。 従って通勤中に毎日使いたいと思えば毎日充電が必要かも知れない。それでも足りないなら、充電に使えるリチウム電池パックが各種売られている。 必要のない限りWi-Fi(無線LAN)はOFFにしておけば電池の節約になる。
紙の本代わりの純粋なBook readerがお望みならe-Inkを使ったkindle paperwhite(←リンク)が一番向いているだろう。本体が安価なだけでなく、1回の充電で数100時間も動くのだから、電池の持ちは格段に違う。買うなら是非とも3Gモデルの方を!
kindle以外でもamazonの電子ブックを読むためのアプリがあるから心配はいらない。 一般的なandroid Tabletはどれも電子ブック時代に対応している。自炊本だけのものではないのだ。
☆ ☆ ☆
【USBモードについて】
本体の脇に付いているmini USBコネクタとパソコンを繋げば、android Tabletは自動的にUSBモードになる。
要するに、パソコンから見たらandroid Tabletは単なるUSBメモリのように見える訳だ。
写真はUSBケーブルを使い、パソコン(Mac)に接続したときの様子だ。 もちろん、Windows PCでも同じである。
【これは注意だ】
android Tabletは、完全な電源OFFで止まっているのではない。 普通はレジューム(一種の待機)状態で止めてあるのだ。
だから次に起動した時に途中から続けることができる訳だ。 しかしUSBモードに入ると起動済みのアプリは中断することになる。 従って前に帰れない可能性もある訳で、そうしたことの注意書きである。
なお、Acrobat Readerは途中状態のファイルを別に持っているらしく、USBモードに入ったからと言って途中経過を忘れる訳ではないようだ。 あまり神経質にならずにUSBモードにしても良いと思う。
【Macからはこう見える】
Macのデスクトップには、android Tabletはこのように見える。要するにUSBメモリと同じに見える訳だ。
PRO3と言う名前のものが、android Tabletの本体メモリである。 NO NAMEと言う方は、後から追加したmicro SDHCメモリの方である。 私は32GBの物を追加してある。 今のところ上限は32GBのSDメモリまでのようだ。
各メモリをダブルクリックして開き、PDF、mp4なりJPEGなどのファイルをフォルダごとコピーしてやればandroid Tabletで見ることができる。 パソコンから見たらUSBメモリの扱いなのだから、ファイルの移動や管理はとても簡単だ。
【終了方法】
USBメモリモードから抜けるには、まずはパソコンの方から終了の操作を行なう必要が有る。
パソコンから安全な取り外し操作を行なえば良い。 その上で、android側でUSBストレージをOFFすると言う画面の部分をタップして終了する。 あとはUSBケーブルを引き抜けば完了である。
どうしてもUSBメモリとして認識されないときは(1)パソコンを再起動してみる、(2)android Tabletの電源をオフしてみる、(3)レジュームではなく、完全にオフする。などの操作で改善する模様だ。 一旦認識されればエラーも無くファイルコピーなり自在にできるようになる。 なお本体メモリの方を開くと既存のフォルダが幾つか見える。 android OS或はアプリから使用されるものなので、意味が分からない物には手をつけない方が安心だろう。消去したりリネームすると動作に支障をきたす可能性がある。
参考:この例では、パソコンにandroid tabletを接続して「外付けのメモリ」として扱う場合を示した。 逆に、一般的なUSBメモリをandroid tabletに接続しタブレットから見て「外付けのメモリ」として扱うことも可能だ。 具体的には、OTGケーブル(数100円で買える)と言うインターフェースを介してUSBメモリを接続すれば良い。「ヒモ付き」にはなるが、USBメモリにデータを入れておき、それを活用すると言った使い方も可能である。
☆
【簡単使い方】
すぐにわかると思うが、デスクトップでの簡単な操作をメモ程度に書いておく。
画面の右下に現れるボタンの意味は写真の通りだ。 付属の冊子にも書いてある。一番良く使うボタンだと思う。
どうしようもなくなったら、まずは2のデスクトップに戻るボタンで最初からやれば良い訳である。(笑)
なお、3番のボタンの意味は以下の写真で。
【アプリは起動したまま】
基本的に各アプリは起動したままになっている。 従って、3番のメニユーから選べば前回のところから即再開できる。
一旦オフしたいときは該当のアプリを長押しすると操作できる。
この写真では、上から血圧手帳を使い、次にらじる☆らじる、OPERAブラウザ、その後でAcrobat Readerを起動していることがわかる。
☆ ☆ ☆
【電気林檎の夢を見たか?】
さて、android TabletはAppleのiPadの夢を見られたのだろうか?
たぶん、ここに書いたような使い方なら、どちらでも同じようなことができる。 もちろんiPadの操作性や用意されたアプリに洗練さを感じる部分はあるだろう。 特に平均的なアプリのデキはiPadの方がかなり上であり安心感も高い。
では、致命的なほどの差がついているのかと言えば、いまやそれはNoと言える。 外観デザインやフィーリングはもっぱらお好みの範疇だろう。 またハードウエアの信頼性が欲しければ、googleのNexus 7を買えばまず安心だ。 だいぶ高いように感じるが信頼性重視で日本メーカーのandroid Tablet(例えば→コレとかコレ)も良かろう。 但しチープな中華Padでもできることはほとんど同じだ。 最後は個々人の価値観に帰結しそうである。 お手軽なandroid Tabletではあっても「電気林檎の夢」を見ることができた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
kindle 2のときは小編に分けたBlogにした。 今回は全2回で片をつけたいと思ったので、長ったらしくなった。 それでも不十分な内容も多いだろう。 しかしタブレットPCも一般化しているから機能や操作を詳しく解説するサイトは無数に存在するようになっている。 不足分はそちらで補ってもらうと良いだろう。キーワードで検索したら良い。
しかし意外に具体的な使い方を書いたサイトは少ない感じだ。ネットでもゲームでも何でもできます・・と言った話しは良く目にするが、本当の所はどうなのだろう?
結局のところタブレット・PCは出来上がったデータの閲覧用だ。もっぱらコンテンツの消費用と言う訳だ。 だからネット上のコンテンツの閲覧だけでなく書籍ファイルや写真、音楽、動画などをメモリに取込んだ上で手元に連れて来てパーソナルに使うのが最適用法になる。家中どこへでも付いてきてくれる。
ベッドサイドにおいて、Netニュースをチェックする、今日のお天気を伺う、届いたメールをチェックする、Blogのコメントを確認する・・・そんな目的にはとても向いている。 ちょっとしたメモを書くとか、少し高めなので血圧手帳をこまめに付けてグラフィカルにトレンドをチェックするとか、もう生活用品の一部として浸透している。 ちょいとONして済んだらすぐにOFFと言った私の使い方なら、週に一回のチャージでも十分なくらいだ。 もしも持ち出す時にはフルチャージして行けば良い。連続4時間くらいは楽しませてくれる。
何でもかんでも一つで済ませるのではなく、文書を作る、Blogを書くと言ったクリエーティブな目的・用途にはやはりしっかりしたキーボードとマウスの付いたパソコンがやり易い。 だから適材適所で用途ごとにデバイスを分けるのが最も合理的なように思う。de JA9TTT/1
(おわり)
2012年10月28日日曜日
Do Androids Dream of Electric Apple? , part 1
アンドロイドは電気林檎の夢を見るのか?
【iPad mini】
7インチが出そろってタブレットPCが賑やかだ。
Book Readerとしてはamazon.comのkindleが数年先行しており、拙Blogでも3年ほど前に扱ったことがあった。(→リンク) ただ、それはあくまでもBook Readerであって、タブレットPCではなかった。
「つかえる」タブレットPCとしては、AppleのiPadまで待つ必要があったようだ。
ユーザーインターフェースが洗練され、マルチタッチ式パネルの採用で、指先で簡単に画面のスクロールやズーミングができるなんて、タブレットPCにうってつけの仕組みだ。 それまで誰も本格的に採用していなかったのだからAppleのユーザーインターフェースに対する意気込みを感じる。 そして先日iPad miniが登場し、大き過ぎて高価すぎるタブレットPCもより身近になってきた。 いよいよこれを買おうか?
【Nexus 7】
android OSは無償で使える汎用OSとして、googleが開発している。それを採用したタブレットがついにgoogle自身から登場した。本家・本元のandroid Tabletと言う訳だ。
iPadはAppleのiOSを採用している。しかし、それは自社製のタブレット或は自社のスマホ:iPhone専用である。
それに対してandroid OSは誰でも使えるので、すでに様々な情報端末に採用されてきた。 そして、今ではタブレットPCに必要な機能が標準的に搭載されている。
満を持して、google自身が作ったのがNexus 7である。 販売はgoogleが行なうが、製造元はASUS TeK Computer Incだという。 なかなか本気そうなスペックである。
まっとうな考えなら、上の iPad miniを買うか、このNexus 7が良いだろう。 他にやっと日本にも登場したamazonのkindle Fire HDも良さそうなのだがBook Reader以外の使い方には制限がありそうだった。 amazon.jpにべったりな使い方なら良さそうなんだが・・汎用タブレットとしてはiPadかNexus 7が良さそうだ。
☆ ☆ ☆
【中華Pad】
DDSモジュールでもそうだったが、「中華もの」はいま一つ信頼に欠けるところがある。 しかし、非常に安価であって、こうしたタブレットPCの世界でもそれは同じだ。
OSは無償のandroid OSが採用されている。 少なくともOS費用は不要なのでその分だけ安い筈だ。 それでも、この破格のお値段には興味を感じざるを得ない。
機能・仕様はNexus 7と比べてほぼ同等かむしろ優れた部分さえもある。 直接比較できるNexus 7の半値以下とあっては「ダメもと」で試して見る価値は大いにありそうだ。 それで、さっそく買ってみた。 他に32GBのmicro SDHCメモリカードも同時購入しておいた。本体に装着して本体8GBにプラス32GBの容量拡張ができる。
【momo9】
「中華Pad」と言われるandroid Tabletは非常に沢山の製品が売られている。 比較サイトができている位で素人には選択に困るほどだ。
その中から、上記のmomo9と言う製品を選んでみた。 情報が多く総合して自身である程度までなら対処可能そうに思えたからだ。 要するにリスクは自身でとる覚悟で安価な「中華もの」に手を出す訳だ。(笑)
簡単な梱包で届いたのはこんな箱に入ったandroid Tabletだった。 おそらく、7インチタブレット用に標準で売っている箱に詰めているのだろう。 箱にはブランド名も型番も書いてない。
【momo9:出してみる】
箱を開ける。
半透明で薄い保護袋に包まれた本体が現れる。 外観形状も他社パクリ品を含めて規格統一なのだろうからハコも標準化できる訳だろう。
本体には表・裏ともに保護フィルムが貼られた状態で送られてくる。 あまり上等とは言えない保護フィルムだが、取りあえずそのまま使うのに支障はないようだ。 剥がさずに使うことにしよう。 なお安い保護フィルムは貼ったままにすると剥がしたとき糊が移ることがある。
【momo9:これで全部】
箱に入っていたもの全部である。
写真で本体下のドキュメントは、簡単な説明書だけが日本語である。 英語の小冊子はandroid Tablet用の汎用品らしい。
ほか、右のケーブル類が入っている。
【付属の説明書】
【付属品】
付属品はこれだけ付いている。安い割には立派なものだ。
AC100V用5V2Aの充電器・ACアダプタ、USBケーブル、TVに繋ぐHDMIケーブル、OTGケーブル、それにステレオ・イヤフォンである。
この充電器は軽量なスイッチング.タイプである。PCからUSB経由で充電すると非常に時間が掛かるので実用的でない。
それぞれビニル袋に入っていたが、出して並べてみた。 OTGケーブルと言うのは、android TabletにUSBメモリを読み込ませるときに利用する。 ケーブルが標準で付いているのは有り難いと思う。 購入したものはUSBマウスが使えるのはもちろん、USBメモリもそのまま読むことができた。
【説明書と注意書き】
和文の注意書きは、この商品の性質が説明されている。 簡単に言えば、初期不良には交換に応じるがあとは知らないと言ったところだろうか。
出荷前に簡単なテストはしているようだが、一般に中華Padの不良率はかなり高いらしい。 本気でマトモなメーカーなみの保証をしていたら商売にはならないだろう。
ハズレを引いた場合は騒いでもしょうがないので、素直に諦めるのが精神衛生上は宜しいようだ。何せ破格に安いのだからやむを得ない。(笑)
【起動させる】
正確に言うと、購入した状態では完全Power OFFの状態になっている。
本体を横長に持って、右上にあるパワーボタンを長押しすると、起動が始まって暫く起動画面が流れる。 その後、左のような画面が現れる。(最初、時刻は合っていないかも知れない・簡単に直せる)
これ、重要なことなんだが、こうしたタブレットPCは、使い終わったらレジューム状態(一種の待機状態)にしておくのが普通らしい。 完全にパワーオフしてしまうパソコンとは使い方が違うのだ。 レジューム中の待機電力もわずかで済むようにできている(らしい)。 従って次の起動ではほんの数秒で使用可能な状態に立ち上がる。これはたいへん便利な使い方だ。 OSの起動を待つなんてナンセンスにさえ感じてしまう。
レジューム状態にするには本体右上のボタンを短く押す。 次の再起動も同じように、右上のボタンを短く押せば良い。
【ロック解除】
起動したら、鍵のマークの部分に指先を当てて右にあるロック解除のマークのところまでスライドする。 これでOKだ。
良く説明を読めば良いものを、最初は何も読まずにやってたらこんなつまらん部分でつまずいた。 ロックが解除できなくて次の画面に進めなかった。(笑)
【デスクトップ】
パソコンで言うところの、デスクトップ画面だ。 デスクトップの壁紙は幾つかお仕着せのものがあって、それから選択できるほか、自分の写真も使える。 なので、各人で背景の写真は異なるだろう。これはお仕着せで入っていた物から選んだもの。
また、デスクトップにおくアイコン・・・正確にはwindowsで言うところのショーカットアイコン、Macで言ばエイリアスに相当する物が並べてある。 これはこのあと出てくるアプリの一覧から常用したい物だけをディスクトップに並べておく。(これは好みで) ここに表示されたアイコンをタップするとすぐ起動できるから便利だ。
【アプリ一覧を見に行く】
デスクトップ画面の右上に、6つの四角いドットが見える。
この部分を指でタップすると、アプリの一覧を表示する画面が現れる。(次の写真)
【アプリ一覧・1】
このタブレットは元々中国市場向けなので、最初から入っているアプリは中華アプリだったらしい。
しかし、輸入したお店の方で日本語化した際に、日本のユーザーで一般的と思われるアプリをインストールしておいてくれる。意味不明な中華アプリも削除済みになっている。
その状態で手元に届く訳だ。 写真には幾つか自分でインストールした物も含まれているが大半は買った時に入っていた物である。 なかなか良さそうなアプリが入っていた。 おまけにroot化してあり、super user化もしてある。 初心者には危険かも知れないが、それらはいずれ必要なことだ。 この画面でアイコンをタップすれば各アプリが起動する。
【アプリ一覧・2】
指先でスルスルッと画面を左スクロールすると続きが見られる。前のアプリ一覧写真でわかるが、google playストアやPlayブックから購入できるように「フルマーケット化」されているので日本で使うのに支障ないよう考慮されている。
なお、google play storeには有料・無料あわせて60万種類以上のアプリがあると言う。 多くはandroid携帯用らしいが、かなりのものがタブレットでも使える。 もっとも、Appleと違って審査はゆるゆるだから玉石混淆であり、個人情報を抜くのが目的のようなアプリもあるので要注意だ。無料ゲームの類いやユーティリティ系が危ないそうだ。良く確認してインストールしたい。
もしも、中国に行った時、現地で購入すると当然のことながら日本語フォントすら入っていないのでまずは日本語化やフルマーケット化など設定替えをしないと使い物にはならない。相応の知識は必要だ。そう言う意味で日本の業者から買う意味はあると思う。それに例のAliexpressでも調べて見たが、中国直接でもそれほど安くはなかった。
ほか問題があるとすれば、Wi-FiやBluetoothと言った無線関係が日本の技適を取得していないことだ。 これを大っぴらに使うと電波法違反になる・・・と言う訳で、表向き私は有線LANで使うことにしておく。(爆) 2.4GHz帯の標準的な物なので実害はないとは思うのだが・・。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
タイトルの『Do Androids Dream of Electric Apple?』と言うのは、Philip・K・Dickの有名なSF小説『Do Androids Dream of Electric Sheep?:邦題・アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』から頂いたものだ。映画「ブレードランナー」の原作と言った方がお馴染みだろうか。 しかし、Blogとストーリーとの関連はまったく無いので悪しからず。 なお、小説ではタイレル社が作った最新アンドロイド(=レプリカント)はNexus 6型である。そしてGoogleが作ったandroid TabletがNexus 7型と言うのは、もちろんそれを意識したネーミングに違いない。
では、安価なアンドロイド・タブレットはAppleの電気林檎:iPadの夢を見ることができたのだろうか? 続編ではそのあたり、実際に使った感触などを交えたいと思う。
☆
数年前に米amazon.comのBook Reader『kindle 2』を購入したことがあった。電子書籍は未だ日本進出前ではあったが、PDF化したドキュメントが読める、起動が素早い、長時間バッテリ動作ができる、コンパクトで軽量である・・などの特徴から使い始めた訳だ。(その顛末は→こちら)
そこには早々に日本のamazon.jpがkindleに対応し、正式に日本語化がなされ日本の書籍も買えるだろうと言う期待もあったのだった。 しかし、何年も待たされ、やっと先日になってアナウンスされた。 しかも年月の経過でハードウエア/プラットホームは大きく様変わりしてしまい、実現した時には古い機種のサポートは切り捨てられてしまった。(大きな被害は無いがちょっと残念)
当時の情報プラットホームすなわちkindle 2の性能は未だ中途半端な物であった。少なくとも日本で使うには満足できない部分があった。モノクロで反応の遅いe-Inkを使った電子ペーパー・ディスプレーだからネットへのアクセスはほとんど実用性が無かった。 最近になって、仕様を見ていたらandroid Tabletならそれを越えられるように感じた。 もちろんAppleのiPadなら間違いないだろう。 しかしお値段のことは別としても排他的なiPad miniの仕様・仕組みには少なからず気になる部分があった。 そこで目的に対して十分そうなら安価な中華タブレットも良かろう、試す価値は十分ありそうだと踏んだのである。 de JA9TTT/1
(つづく)←リンク
【iPad mini】
7インチが出そろってタブレットPCが賑やかだ。
Book Readerとしてはamazon.comのkindleが数年先行しており、拙Blogでも3年ほど前に扱ったことがあった。(→リンク) ただ、それはあくまでもBook Readerであって、タブレットPCではなかった。
「つかえる」タブレットPCとしては、AppleのiPadまで待つ必要があったようだ。
ユーザーインターフェースが洗練され、マルチタッチ式パネルの採用で、指先で簡単に画面のスクロールやズーミングができるなんて、タブレットPCにうってつけの仕組みだ。 それまで誰も本格的に採用していなかったのだからAppleのユーザーインターフェースに対する意気込みを感じる。 そして先日iPad miniが登場し、大き過ぎて高価すぎるタブレットPCもより身近になってきた。 いよいよこれを買おうか?
【Nexus 7】
android OSは無償で使える汎用OSとして、googleが開発している。それを採用したタブレットがついにgoogle自身から登場した。本家・本元のandroid Tabletと言う訳だ。
iPadはAppleのiOSを採用している。しかし、それは自社製のタブレット或は自社のスマホ:iPhone専用である。
それに対してandroid OSは誰でも使えるので、すでに様々な情報端末に採用されてきた。 そして、今ではタブレットPCに必要な機能が標準的に搭載されている。
満を持して、google自身が作ったのがNexus 7である。 販売はgoogleが行なうが、製造元はASUS TeK Computer Incだという。 なかなか本気そうなスペックである。
まっとうな考えなら、上の iPad miniを買うか、このNexus 7が良いだろう。 他にやっと日本にも登場したamazonのkindle Fire HDも良さそうなのだがBook Reader以外の使い方には制限がありそうだった。 amazon.jpにべったりな使い方なら良さそうなんだが・・汎用タブレットとしてはiPadかNexus 7が良さそうだ。
☆ ☆ ☆
【中華Pad】
DDSモジュールでもそうだったが、「中華もの」はいま一つ信頼に欠けるところがある。 しかし、非常に安価であって、こうしたタブレットPCの世界でもそれは同じだ。
OSは無償のandroid OSが採用されている。 少なくともOS費用は不要なのでその分だけ安い筈だ。 それでも、この破格のお値段には興味を感じざるを得ない。
機能・仕様はNexus 7と比べてほぼ同等かむしろ優れた部分さえもある。 直接比較できるNexus 7の半値以下とあっては「ダメもと」で試して見る価値は大いにありそうだ。 それで、さっそく買ってみた。 他に32GBのmicro SDHCメモリカードも同時購入しておいた。本体に装着して本体8GBにプラス32GBの容量拡張ができる。
【momo9】
「中華Pad」と言われるandroid Tabletは非常に沢山の製品が売られている。 比較サイトができている位で素人には選択に困るほどだ。
その中から、上記のmomo9と言う製品を選んでみた。 情報が多く総合して自身である程度までなら対処可能そうに思えたからだ。 要するにリスクは自身でとる覚悟で安価な「中華もの」に手を出す訳だ。(笑)
簡単な梱包で届いたのはこんな箱に入ったandroid Tabletだった。 おそらく、7インチタブレット用に標準で売っている箱に詰めているのだろう。 箱にはブランド名も型番も書いてない。
【momo9:出してみる】
箱を開ける。
半透明で薄い保護袋に包まれた本体が現れる。 外観形状も他社パクリ品を含めて規格統一なのだろうからハコも標準化できる訳だろう。
本体には表・裏ともに保護フィルムが貼られた状態で送られてくる。 あまり上等とは言えない保護フィルムだが、取りあえずそのまま使うのに支障はないようだ。 剥がさずに使うことにしよう。 なお安い保護フィルムは貼ったままにすると剥がしたとき糊が移ることがある。
【momo9:これで全部】
箱に入っていたもの全部である。
写真で本体下のドキュメントは、簡単な説明書だけが日本語である。 英語の小冊子はandroid Tablet用の汎用品らしい。
ほか、右のケーブル類が入っている。
【付属の説明書】
小冊子は汎用品らしい。
このバージョン(4.0.3)のアンドロイド・タブレット共通に使える内容になっている。 取りあえず、必要そうなことは書いてあるようだった。
このバージョン(4.0.3)のアンドロイド・タブレット共通に使える内容になっている。 取りあえず、必要そうなことは書いてあるようだった。
これの翻訳版はWebに上がっているが、使いながら理解してしまえる程度のざっとした内容だ。
付属品はこれだけ付いている。安い割には立派なものだ。
AC100V用5V2Aの充電器・ACアダプタ、USBケーブル、TVに繋ぐHDMIケーブル、OTGケーブル、それにステレオ・イヤフォンである。
この充電器は軽量なスイッチング.タイプである。PCからUSB経由で充電すると非常に時間が掛かるので実用的でない。
それぞれビニル袋に入っていたが、出して並べてみた。 OTGケーブルと言うのは、android TabletにUSBメモリを読み込ませるときに利用する。 ケーブルが標準で付いているのは有り難いと思う。 購入したものはUSBマウスが使えるのはもちろん、USBメモリもそのまま読むことができた。
【説明書と注意書き】
和文の注意書きは、この商品の性質が説明されている。 簡単に言えば、初期不良には交換に応じるがあとは知らないと言ったところだろうか。
出荷前に簡単なテストはしているようだが、一般に中華Padの不良率はかなり高いらしい。 本気でマトモなメーカーなみの保証をしていたら商売にはならないだろう。
ハズレを引いた場合は騒いでもしょうがないので、素直に諦めるのが精神衛生上は宜しいようだ。何せ破格に安いのだからやむを得ない。(笑)
【起動させる】
正確に言うと、購入した状態では完全Power OFFの状態になっている。
本体を横長に持って、右上にあるパワーボタンを長押しすると、起動が始まって暫く起動画面が流れる。 その後、左のような画面が現れる。(最初、時刻は合っていないかも知れない・簡単に直せる)
これ、重要なことなんだが、こうしたタブレットPCは、使い終わったらレジューム状態(一種の待機状態)にしておくのが普通らしい。 完全にパワーオフしてしまうパソコンとは使い方が違うのだ。 レジューム中の待機電力もわずかで済むようにできている(らしい)。 従って次の起動ではほんの数秒で使用可能な状態に立ち上がる。これはたいへん便利な使い方だ。 OSの起動を待つなんてナンセンスにさえ感じてしまう。
レジューム状態にするには本体右上のボタンを短く押す。 次の再起動も同じように、右上のボタンを短く押せば良い。
【ロック解除】
起動したら、鍵のマークの部分に指先を当てて右にあるロック解除のマークのところまでスライドする。 これでOKだ。
良く説明を読めば良いものを、最初は何も読まずにやってたらこんなつまらん部分でつまずいた。 ロックが解除できなくて次の画面に進めなかった。(笑)
【デスクトップ】
パソコンで言うところの、デスクトップ画面だ。 デスクトップの壁紙は幾つかお仕着せのものがあって、それから選択できるほか、自分の写真も使える。 なので、各人で背景の写真は異なるだろう。これはお仕着せで入っていた物から選んだもの。
また、デスクトップにおくアイコン・・・正確にはwindowsで言うところのショーカットアイコン、Macで言ばエイリアスに相当する物が並べてある。 これはこのあと出てくるアプリの一覧から常用したい物だけをディスクトップに並べておく。(これは好みで) ここに表示されたアイコンをタップするとすぐ起動できるから便利だ。
【アプリ一覧を見に行く】
デスクトップ画面の右上に、6つの四角いドットが見える。
この部分を指でタップすると、アプリの一覧を表示する画面が現れる。(次の写真)
【アプリ一覧・1】
このタブレットは元々中国市場向けなので、最初から入っているアプリは中華アプリだったらしい。
しかし、輸入したお店の方で日本語化した際に、日本のユーザーで一般的と思われるアプリをインストールしておいてくれる。意味不明な中華アプリも削除済みになっている。
その状態で手元に届く訳だ。 写真には幾つか自分でインストールした物も含まれているが大半は買った時に入っていた物である。 なかなか良さそうなアプリが入っていた。 おまけにroot化してあり、super user化もしてある。 初心者には危険かも知れないが、それらはいずれ必要なことだ。 この画面でアイコンをタップすれば各アプリが起動する。
【アプリ一覧・2】
指先でスルスルッと画面を左スクロールすると続きが見られる。前のアプリ一覧写真でわかるが、google playストアやPlayブックから購入できるように「フルマーケット化」されているので日本で使うのに支障ないよう考慮されている。
なお、google play storeには有料・無料あわせて60万種類以上のアプリがあると言う。 多くはandroid携帯用らしいが、かなりのものがタブレットでも使える。 もっとも、Appleと違って審査はゆるゆるだから玉石混淆であり、個人情報を抜くのが目的のようなアプリもあるので要注意だ。無料ゲームの類いやユーティリティ系が危ないそうだ。良く確認してインストールしたい。
もしも、中国に行った時、現地で購入すると当然のことながら日本語フォントすら入っていないのでまずは日本語化やフルマーケット化など設定替えをしないと使い物にはならない。相応の知識は必要だ。そう言う意味で日本の業者から買う意味はあると思う。それに例のAliexpressでも調べて見たが、中国直接でもそれほど安くはなかった。
ほか問題があるとすれば、Wi-FiやBluetoothと言った無線関係が日本の技適を取得していないことだ。 これを大っぴらに使うと電波法違反になる・・・と言う訳で、表向き私は有線LANで使うことにしておく。(爆) 2.4GHz帯の標準的な物なので実害はないとは思うのだが・・。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
タイトルの『Do Androids Dream of Electric Apple?』と言うのは、Philip・K・Dickの有名なSF小説『Do Androids Dream of Electric Sheep?:邦題・アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』から頂いたものだ。映画「ブレードランナー」の原作と言った方がお馴染みだろうか。 しかし、Blogとストーリーとの関連はまったく無いので悪しからず。 なお、小説ではタイレル社が作った最新アンドロイド(=レプリカント)はNexus 6型である。そしてGoogleが作ったandroid TabletがNexus 7型と言うのは、もちろんそれを意識したネーミングに違いない。
では、安価なアンドロイド・タブレットはAppleの電気林檎:iPadの夢を見ることができたのだろうか? 続編ではそのあたり、実際に使った感触などを交えたいと思う。
☆
数年前に米amazon.comのBook Reader『kindle 2』を購入したことがあった。電子書籍は未だ日本進出前ではあったが、PDF化したドキュメントが読める、起動が素早い、長時間バッテリ動作ができる、コンパクトで軽量である・・などの特徴から使い始めた訳だ。(その顛末は→こちら)
そこには早々に日本のamazon.jpがkindleに対応し、正式に日本語化がなされ日本の書籍も買えるだろうと言う期待もあったのだった。 しかし、何年も待たされ、やっと先日になってアナウンスされた。 しかも年月の経過でハードウエア/プラットホームは大きく様変わりしてしまい、実現した時には古い機種のサポートは切り捨てられてしまった。(大きな被害は無いがちょっと残念)
当時の情報プラットホームすなわちkindle 2の性能は未だ中途半端な物であった。少なくとも日本で使うには満足できない部分があった。モノクロで反応の遅いe-Inkを使った電子ペーパー・ディスプレーだからネットへのアクセスはほとんど実用性が無かった。 最近になって、仕様を見ていたらandroid Tabletならそれを越えられるように感じた。 もちろんAppleのiPadなら間違いないだろう。 しかしお値段のことは別としても排他的なiPad miniの仕様・仕組みには少なからず気になる部分があった。 そこで目的に対して十分そうなら安価な中華タブレットも良かろう、試す価値は十分ありそうだと踏んだのである。 de JA9TTT/1
(つづく)←リンク
2012年10月8日月曜日
【部品】Russian Transistor ГТ905А
【Russian Transistor ГТ905А】
またまたロシア製のトランジスタГТ905А(GT905A)だ。
前の、GT329B(=1T329B)と同じように、元々はソ連時代のトランジスタではないかと思う。
ロシア製ゲルトラ(=ゲルマニウム・トランジスタ)の話しをしていて、ではパワー物はどうか?・・と言うことになって調べていたらコレが見つかった。 高周波にも使えたのはまったくの偶然である。
だいぶ特殊な形状をしていて色あいと良いロシアの雰囲気は十分だ。 これ、最初は低周波専用かと思ったら必ずしもそうでも無いようだ。 規格を見るとfTは60MHzとなっている。 だからHF帯の低い方なら十分行けそうに思えた。
【概略の規格;コメント付き】
ネットサーチで見つけたГТ905А(GT905A)の概略規格である。 オレンジ色の文字は、私が実測して確認した内容ほか、その規格に関するコメントだ。 ロシア語の規格は見つかるが、良くは読めないので未知な部分の多いトランジスタなのである。
Vcboは75V、Vceでも60Vくらいある。 またピークコレクタ電流は7Aもある。(連続定格ではIc(max)=3A) 要するに一般的に言えばゲルマのパワトラそのものである。 AFパワーアンプにPush-Pullで使うと10Wくらいは行けそうに思う。
ただ、fTの項目を見て驚いた。60MHzもあるのだ。これで例の「ゲルマ色の波」がもっとハイパワーで行けそうに思えたのだった。
【実測評価試験】
手元に届いたので、実測評価することにした。
いくらパワートランジスタとは言っても、何も放熱しないと測定中に熱暴走してしまう。ゲルマTrは高温が嫌いだ。 大きめのヒートシンクに熱伝導シートを貼付けて、その上に仮固定して測定することにする。(ネジ止めはめんどう・笑)
ГТ905Аの金属フランジ部分はコレクタになっていて、そこを直接放熱してやるとかなり効率よく冷やせた。 測定中にに大きめの電流を流すこともあったが、安全な範囲の温度上昇にとどめることができた。 実際に使うときも、この程度のヒートシンクは必要そうだ。 なお、ヒートシンクのサイズは80×40×25(mm)である。
【ГТ905Аの静特性】
実際に使いそうな範囲のコレクタ電流:Icとコレクタ電圧:Vceで測定してみた。 hFEは50程度のようだ。 Vbe逆耐電圧を測って見ると1Vもない位だった。 ベース拡散に濃度勾配を持たせて加速電界を作っている証拠だろう。 だからfTが高いのだ。 コレクタが底面のフランジに接続と言うこともあり、構造はメサ系ではないだろうか。 hFEのリニヤリティは良好である。
パワートランジスタではあるが、RF用としては未知数なので、限度いっぱいまで使うのは冒険だろう。 手始めに電源電圧:Vcc=12Vで、コレクタ電流:Ic=300mA程度で使ってみたらどうだろうか? 入力:Pi=3.6Wと言う訳だ。 確かゲルトラのASOはシリコンに比べてだいぶ小さかったと思うので控え目の動作が間違いないところだ。
そして出力パワー:Po=3W程度を目指すには、コレクタ飽和電圧:Vce(sat)=2V程度見込みIc=500mAくらい流す必要があるだろう。 まだまだ安全な範囲にあると思うので、実用的なQRP送信機にも成り得る。 但し、200pFもあるCoをどうするのか・・・と言う課題はある。 実測してみて220pF(at Vcb=12V)くらいあるのがわかった。 同様にCiもかなり大きいのでドライバ段もだいぶ苦しそうだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
このトランジスタ、高速スイッチングが主な用途なのだろう。 使いにくさから見てRFのパワー用には今一歩かも知れない。 しかし国産の市販ゲルトラでW(ワット)オーダーのRFパワーが出せるものは見なかった。だから使いにくくても貴重な存在と言える。 こうした仕様のトランジスタは西側世界では早々に熱的に有利なシリコン製に移行してしまったからだ。なのでJAのゲルトラでは存在しないジャンルの石なのである。
すぐに作るアテはなくても、構想を練るのは楽しいものだ。 前よりももっと強力な「ゲルマ色の波」が出せたら楽しい。 オールゲルマに拘ると難易度は数段アップしてしまうかもしれないがそれが面白いのだろう。 ただ、シリコンにしか無いようなデバイスもあるからオールゲルマの設計はかなり苦しいのですよね。 例えば、ツェナーDiやFETなんてゲルマにゃありませんから。
土曜日(2012年9月6日)の秋葉原QRP懇親会では、このГТ905Аを含めすべてロシア製のゲルトラを使ったトランシーバを拝見する機会があった。JH9JBI/1山本さんの力作だ。 ГТ905Аの特性から苦労されたようだが、たいへんうまく纏められていて感心した。VFO式で自作ギヤダイヤル付きの7MHz CW機である。 周波数は安定でキーイングでもチャープは感じられない。素晴らしい出来映えだった。 さて、私も頑張らなくては。(笑) de JA9TTT/1
(おわり)
参考追記:このГТ906Аの本来の用途・目的だが(白黒)TV用の水平出力トランジスタだったようだ。 そのため、低周波増幅用よりも高速動作できるようになっているのだ。 それでも水平発振周波数(ソ連の方式では15.625kHz)は可聴周波数の上限程度なので入・出力容量が大きくてもあまり支障はなかったのだ。(2012.11.22)
またまたロシア製のトランジスタГТ905А(GT905A)だ。
前の、GT329B(=1T329B)と同じように、元々はソ連時代のトランジスタではないかと思う。
ロシア製ゲルトラ(=ゲルマニウム・トランジスタ)の話しをしていて、ではパワー物はどうか?・・と言うことになって調べていたらコレが見つかった。 高周波にも使えたのはまったくの偶然である。
だいぶ特殊な形状をしていて色あいと良いロシアの雰囲気は十分だ。 これ、最初は低周波専用かと思ったら必ずしもそうでも無いようだ。 規格を見るとfTは60MHzとなっている。 だからHF帯の低い方なら十分行けそうに思えた。
【概略の規格;コメント付き】
ネットサーチで見つけたГТ905А(GT905A)の概略規格である。 オレンジ色の文字は、私が実測して確認した内容ほか、その規格に関するコメントだ。 ロシア語の規格は見つかるが、良くは読めないので未知な部分の多いトランジスタなのである。
Vcboは75V、Vceでも60Vくらいある。 またピークコレクタ電流は7Aもある。(連続定格ではIc(max)=3A) 要するに一般的に言えばゲルマのパワトラそのものである。 AFパワーアンプにPush-Pullで使うと10Wくらいは行けそうに思う。
ただ、fTの項目を見て驚いた。60MHzもあるのだ。これで例の「ゲルマ色の波」がもっとハイパワーで行けそうに思えたのだった。
【実測評価試験】
手元に届いたので、実測評価することにした。
いくらパワートランジスタとは言っても、何も放熱しないと測定中に熱暴走してしまう。ゲルマTrは高温が嫌いだ。 大きめのヒートシンクに熱伝導シートを貼付けて、その上に仮固定して測定することにする。(ネジ止めはめんどう・笑)
ГТ905Аの金属フランジ部分はコレクタになっていて、そこを直接放熱してやるとかなり効率よく冷やせた。 測定中にに大きめの電流を流すこともあったが、安全な範囲の温度上昇にとどめることができた。 実際に使うときも、この程度のヒートシンクは必要そうだ。 なお、ヒートシンクのサイズは80×40×25(mm)である。
【ГТ905Аの静特性】
実際に使いそうな範囲のコレクタ電流:Icとコレクタ電圧:Vceで測定してみた。 hFEは50程度のようだ。 Vbe逆耐電圧を測って見ると1Vもない位だった。 ベース拡散に濃度勾配を持たせて加速電界を作っている証拠だろう。 だからfTが高いのだ。 コレクタが底面のフランジに接続と言うこともあり、構造はメサ系ではないだろうか。 hFEのリニヤリティは良好である。
パワートランジスタではあるが、RF用としては未知数なので、限度いっぱいまで使うのは冒険だろう。 手始めに電源電圧:Vcc=12Vで、コレクタ電流:Ic=300mA程度で使ってみたらどうだろうか? 入力:Pi=3.6Wと言う訳だ。 確かゲルトラのASOはシリコンに比べてだいぶ小さかったと思うので控え目の動作が間違いないところだ。
そして出力パワー:Po=3W程度を目指すには、コレクタ飽和電圧:Vce(sat)=2V程度見込みIc=500mAくらい流す必要があるだろう。 まだまだ安全な範囲にあると思うので、実用的なQRP送信機にも成り得る。 但し、200pFもあるCoをどうするのか・・・と言う課題はある。 実測してみて220pF(at Vcb=12V)くらいあるのがわかった。 同様にCiもかなり大きいのでドライバ段もだいぶ苦しそうだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
このトランジスタ、高速スイッチングが主な用途なのだろう。 使いにくさから見てRFのパワー用には今一歩かも知れない。 しかし国産の市販ゲルトラでW(ワット)オーダーのRFパワーが出せるものは見なかった。だから使いにくくても貴重な存在と言える。 こうした仕様のトランジスタは西側世界では早々に熱的に有利なシリコン製に移行してしまったからだ。なのでJAのゲルトラでは存在しないジャンルの石なのである。
すぐに作るアテはなくても、構想を練るのは楽しいものだ。 前よりももっと強力な「ゲルマ色の波」が出せたら楽しい。 オールゲルマに拘ると難易度は数段アップしてしまうかもしれないがそれが面白いのだろう。 ただ、シリコンにしか無いようなデバイスもあるからオールゲルマの設計はかなり苦しいのですよね。 例えば、ツェナーDiやFETなんてゲルマにゃありませんから。
土曜日(2012年9月6日)の秋葉原QRP懇親会では、このГТ905Аを含めすべてロシア製のゲルトラを使ったトランシーバを拝見する機会があった。JH9JBI/1山本さんの力作だ。 ГТ905Аの特性から苦労されたようだが、たいへんうまく纏められていて感心した。VFO式で自作ギヤダイヤル付きの7MHz CW機である。 周波数は安定でキーイングでもチャープは感じられない。素晴らしい出来映えだった。 さて、私も頑張らなくては。(笑) de JA9TTT/1
(おわり)
参考追記:このГТ906Аの本来の用途・目的だが(白黒)TV用の水平出力トランジスタだったようだ。 そのため、低周波増幅用よりも高速動作できるようになっているのだ。 それでも水平発振周波数(ソ連の方式では15.625kHz)は可聴周波数の上限程度なので入・出力容量が大きくてもあまり支障はなかったのだ。(2012.11.22)
2012年9月23日日曜日
【部品】TOKO HAM Band Mono-Coils
【HAM Band モノコイル】
すっかり懐かしい部品になってしまったが、モノコイルがテーマだ。
正しくは、「ハムバンド・モノコイル」と言うらしいが、自作HAMの間では(東光の)モノコイルで通っていた。
FCZコイル以前の時代に幅を利かせていたトランジスタ回路用の既製コイルであった。
3.5MHz、7MHz、14MHz、21MHz、28MHz、そして50MHz用の6種類が販売されていた。他のバンドの物は発売されなかったと思う。 160mバンド用のニーズは少なかったのと、この構造では作りにくかっただろう。 またWARCバンドは未だ許可されていなかった。 144MHzには構造上向いていないのだろう。 50MHz用でさえ無負荷Q:Quの低下が見られるからVHF帯には適さないようだ。 なお、VHF帯には別の「RF-Coil」(←参考リンク)と言う専用品が販売されていた。
モノコイルはいずれも巻線部分のボビン外径がφ8mmで、5本のピンが付いた台座が一体になった構造だ。材質はベークライトだ。 オリジナルの物では巻線ボビン部分にスリットが入っていて、ねじ付きコアを挟んでおさえる構造になっている。(次の写真参照) この写真の自作例では、スリットなしの緩いボビンなので、ねじコアとボビンの隙間にゴム紐の弛み止めが入れてある。
残念ながらオリジナルは見つからなかったので、写真は7MHz用:SCN-5948Aのレプリカである。7MHz QRP送信機の製作に使った写真の再掲載だ。(写真上の立っているものがホンモノの構造に近い)
【モノコイルのカタログ】
今でもモノコイルを探す人がいるのでどんな物だったか仕様書を貼っておく。 これは、1970年代中頃に東光が無料で配っていた「市販品カタログ」の1ページである。 広告であって、雑誌記事ではないので公開しても支障はないと思う。
インダクタンス、巻き数、同調容量、無負荷Qが載っており、タップ位置もわかるので同等品を作るためは極めて有用なデーターだ。(ファイルサイズを大きくして細部まで見えるようになっている)
☆ ☆ ☆
自作する際には、巻き始めの位置や巻き方向をオリジナルと同じよう揃えておくと何かと都合が良い。 同調側の巻線、すなわち1番ピンと3番ピン間の巻線を台座に近い側に巻く。 4番ピンと6番ピン間のリンクはその上側に巻くことになる。 これはコアを調整して抜いて行った時でも結合度が下がらないようにする為だ。 自作する際も同じように巻くべきだ。 なお、5番ピンは一般に欠ピンである。
オリジナルでは絹巻線が使ってあるが入手しにくいと思う。 そこでポリウレタン電線を巻くことにする。 太さはφ0.2mm〜0.4mm程度が良いようだ。私はφ0.32mmをよく使っている。 自作品を実測してみて無負荷Qの値などオリジナルと比べ顕著な性能差はないように感じる。 従って同等に使える筈だ。
参考)このコイルを作っていた東光(株)は(株)村田製作所の子会社になっている。
【自作代替品の材料に】
自分でモノコイルの代替品を作るためには材料が必要である。 写真は「モノコイル」ではなく、どれも秋葉原のお店で見つけたジャンク品だ。 これらは用途不明で安価に売っていた。ジャンク詰め合わせ袋に入っていた物もある。
そのままで旨く使えることもあるが、自分で巻き換えてしまえば良い。コイル巻きの材料として使う訳だ。コイルを巻くボビン部分の外径は同じくφ8mmである。 東光モノコイルの仕様はわかっているから自分で巻けば同じ物が作れる。
ボビンや台座はともかくとして、入っているコアの種類・材質は気になるだろう。コア材には何種類かあるようで、厳密に言えば周波数帯ごとに最適な材質がある筈だ。 しかし写真の様に数回〜10回程度の巻線がしてあるものはどれも同じような特性だった。
試してみると、モノコイルの巻き数と同じで良いか、せいぜい1〜2割くらい加減すれば良い程度だった。どれもHF帯には十分使える。 ボビンだけの品より、このような巻線のある物の方が何となく用途がわかるので好都合だ。 上左の物を除きどれもTV用かFMラジオ用、すなわち比較的高い周波数向きであろう。
【巻線構造】
巻線をどのように足ピンにハンダ付けしているのかは見た通りだ。 他に、台座を貫通したピンの上部にハンダ付けするタイプもある。(どちらかと言えば古い形式)
巻線の固定には、熱で溶ける「マジックハンダ」と言う物が使ってある。 昔は少量の入手は難しかったが、いまではサトー電気で売っている。 私もJH1FCZ大久保さんに頂いて以来長年愛用している。 更に巻線したあとには「高周波ワニス」を塗っておくとなお良い。サンハヤトから小瓶入りが出ている。(残念ながら高周波ワニスは販売終了のようです)
「マジックハンダ」、「高周波ワニス」ともにたくさん使う物ではない。無くても巻線はできるし、他の物で代用しても良い。しかし、すこしあれば重宝するのでコイル巻きにはぜひ揃えておきたい補助材料だ。
さらに調整後のコアが動かぬよう止めるためのパラフィン・ワックス(蜜蝋のようなもの)もあると良い。ゴム紐の弛み止めだけでは不足である。車載用や移動用のリグなど振動を伴うポータブルなリグでは調整後のコアの固定は絶対に必要である。
【SWバンド用局発コイル】
写真の様に巻き数の多い物も見かける。 ジャンクで用途がはっきりわかる物は珍しいのだが、これは短波付きトランジスタ・ラジオの局発コイル(短波バンド用)である。
巻線構造を見ると、同調側にエミッタもしくはベースにフィードバックするためのタップが設けてあるのですぐわかる。
このような短波ラジオ用局発コイルに使ってあるコアは、どちらかと言えば透磁率μが大きめである。 またVHF帯には向かないことが多いので注意を。 HF帯の低い方で使うにはむしろ都合が良いことも多い。 一応、参考まで。
【シールド・ケース】
FCZコイルが隆盛になった理由の一つに、シールド付きだったことがあげられるだろう。 モノコイルは、ネジコアしか入っておらず、開磁構造なので磁束はモレモレだから2つのコイルを密着して並べれば磁気結合してしまう。
FCZコイル或は10Kコイルのように壷型コアとネジコアの構造のように閉磁構造(に近い)ものとはかなり違う。 コイルの配置には十分な注意が必要だ。 不用意にアンプの入・出力コイルを接近させると発振の原因になる。 発振しないまでも共振特性が変化してしまうので要注意だ。
写真は「マルチ・ケース」と言う名前のシールド・ケースである。モノコイルのシールドに使える物だ。 もともと15mm角のFMマルチプレックス・コイルのシールドだった物をケースだけ市販していた。 他にこれよりやや大きめのモノコイル用として「ビデオ・ケース」と言う名前の専用シールドケースも市販されていた。 シールドしたい時にはぜひとも欲しいが、入手は望めないと思う。 構造は単純だから工夫で乗り切る必要がありそうだ。 コイルの間にシールド板を立てるだけでも効果的なことも多い。
もちろん、開磁構造なのはディメリットばかりではない。 閉磁型よりもコアは磁気飽和しにくいので、ずっと大きなパワーを扱える。 周波数にもよるが数Wまで大丈夫なのでQRP機ならファイナル・アンプ部にも使うことができる。 ちなみにFCZコイルでは0.5Wでさえやめた方が良い。せいぜい0.1Wであろう。 モノコイルにもメリットはあるから適材適所で行きたいものだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
FCZコイルも無くなってしまい、時おり懐かしい東光のモノコイルを求める声が聞こえてくるようになった。 或は、近ごろのCQ誌の記事にRF物の製作なんか稀だから、やむなく自作HAMは大昔の製作記事を紐解いているのかも知れない。 そんな懐かしい記事にはモノコイルが使ってあるのだろうか。(笑) モノコイルはもう市販されることも無いだろう。ならば自作で行くしかない。材料はまだ何とかなるようなので、自作用の資料をアップしておくことにした。
暑い暑いと言っているうちに、もうお彼岸になった。 「暑さ寒さも彼岸まで」とは良く言ったもので、秋分を過ぎたら急に涼しくなった。 あれほど喧しかった蝉の声も何処へやら・・・。 墓参のお寺に静けさが戻ってきたようだ。
このままでは9月のBlogが無くなってしまいそうだ。 10MHzのQRP送信機に手をつけ始めたので、そのコイル巻きに関連したお題でご勘弁を。(笑) de JA9TTT/1
(おわり)
すっかり懐かしい部品になってしまったが、モノコイルがテーマだ。
正しくは、「ハムバンド・モノコイル」と言うらしいが、自作HAMの間では(東光の)モノコイルで通っていた。
FCZコイル以前の時代に幅を利かせていたトランジスタ回路用の既製コイルであった。
3.5MHz、7MHz、14MHz、21MHz、28MHz、そして50MHz用の6種類が販売されていた。他のバンドの物は発売されなかったと思う。 160mバンド用のニーズは少なかったのと、この構造では作りにくかっただろう。 またWARCバンドは未だ許可されていなかった。 144MHzには構造上向いていないのだろう。 50MHz用でさえ無負荷Q:Quの低下が見られるからVHF帯には適さないようだ。 なお、VHF帯には別の「RF-Coil」(←参考リンク)と言う専用品が販売されていた。
モノコイルはいずれも巻線部分のボビン外径がφ8mmで、5本のピンが付いた台座が一体になった構造だ。材質はベークライトだ。 オリジナルの物では巻線ボビン部分にスリットが入っていて、ねじ付きコアを挟んでおさえる構造になっている。(次の写真参照) この写真の自作例では、スリットなしの緩いボビンなので、ねじコアとボビンの隙間にゴム紐の弛み止めが入れてある。
残念ながらオリジナルは見つからなかったので、写真は7MHz用:SCN-5948Aのレプリカである。7MHz QRP送信機の製作に使った写真の再掲載だ。(写真上の立っているものがホンモノの構造に近い)
【モノコイルのカタログ】
今でもモノコイルを探す人がいるのでどんな物だったか仕様書を貼っておく。 これは、1970年代中頃に東光が無料で配っていた「市販品カタログ」の1ページである。 広告であって、雑誌記事ではないので公開しても支障はないと思う。
インダクタンス、巻き数、同調容量、無負荷Qが載っており、タップ位置もわかるので同等品を作るためは極めて有用なデーターだ。(ファイルサイズを大きくして細部まで見えるようになっている)
☆ ☆ ☆
自作する際には、巻き始めの位置や巻き方向をオリジナルと同じよう揃えておくと何かと都合が良い。 同調側の巻線、すなわち1番ピンと3番ピン間の巻線を台座に近い側に巻く。 4番ピンと6番ピン間のリンクはその上側に巻くことになる。 これはコアを調整して抜いて行った時でも結合度が下がらないようにする為だ。 自作する際も同じように巻くべきだ。 なお、5番ピンは一般に欠ピンである。
オリジナルでは絹巻線が使ってあるが入手しにくいと思う。 そこでポリウレタン電線を巻くことにする。 太さはφ0.2mm〜0.4mm程度が良いようだ。私はφ0.32mmをよく使っている。 自作品を実測してみて無負荷Qの値などオリジナルと比べ顕著な性能差はないように感じる。 従って同等に使える筈だ。
参考)このコイルを作っていた東光(株)は(株)村田製作所の子会社になっている。
【自作代替品の材料に】
自分でモノコイルの代替品を作るためには材料が必要である。 写真は「モノコイル」ではなく、どれも秋葉原のお店で見つけたジャンク品だ。 これらは用途不明で安価に売っていた。ジャンク詰め合わせ袋に入っていた物もある。
そのままで旨く使えることもあるが、自分で巻き換えてしまえば良い。コイル巻きの材料として使う訳だ。コイルを巻くボビン部分の外径は同じくφ8mmである。 東光モノコイルの仕様はわかっているから自分で巻けば同じ物が作れる。
ボビンや台座はともかくとして、入っているコアの種類・材質は気になるだろう。コア材には何種類かあるようで、厳密に言えば周波数帯ごとに最適な材質がある筈だ。 しかし写真の様に数回〜10回程度の巻線がしてあるものはどれも同じような特性だった。
試してみると、モノコイルの巻き数と同じで良いか、せいぜい1〜2割くらい加減すれば良い程度だった。どれもHF帯には十分使える。 ボビンだけの品より、このような巻線のある物の方が何となく用途がわかるので好都合だ。 上左の物を除きどれもTV用かFMラジオ用、すなわち比較的高い周波数向きであろう。
【巻線構造】
巻線をどのように足ピンにハンダ付けしているのかは見た通りだ。 他に、台座を貫通したピンの上部にハンダ付けするタイプもある。(どちらかと言えば古い形式)
巻線の固定には、熱で溶ける「マジックハンダ」と言う物が使ってある。 昔は少量の入手は難しかったが、いまではサトー電気で売っている。 私もJH1FCZ大久保さんに頂いて以来長年愛用している。 更に巻線したあとには「高周波ワニス」を塗っておくとなお良い。サンハヤトから小瓶入りが出ている。(残念ながら高周波ワニスは販売終了のようです)
「マジックハンダ」、「高周波ワニス」ともにたくさん使う物ではない。無くても巻線はできるし、他の物で代用しても良い。しかし、すこしあれば重宝するのでコイル巻きにはぜひ揃えておきたい補助材料だ。
さらに調整後のコアが動かぬよう止めるためのパラフィン・ワックス(蜜蝋のようなもの)もあると良い。ゴム紐の弛み止めだけでは不足である。車載用や移動用のリグなど振動を伴うポータブルなリグでは調整後のコアの固定は絶対に必要である。
【SWバンド用局発コイル】
写真の様に巻き数の多い物も見かける。 ジャンクで用途がはっきりわかる物は珍しいのだが、これは短波付きトランジスタ・ラジオの局発コイル(短波バンド用)である。
巻線構造を見ると、同調側にエミッタもしくはベースにフィードバックするためのタップが設けてあるのですぐわかる。
このような短波ラジオ用局発コイルに使ってあるコアは、どちらかと言えば透磁率μが大きめである。 またVHF帯には向かないことが多いので注意を。 HF帯の低い方で使うにはむしろ都合が良いことも多い。 一応、参考まで。
【シールド・ケース】
FCZコイルが隆盛になった理由の一つに、シールド付きだったことがあげられるだろう。 モノコイルは、ネジコアしか入っておらず、開磁構造なので磁束はモレモレだから2つのコイルを密着して並べれば磁気結合してしまう。
FCZコイル或は10Kコイルのように壷型コアとネジコアの構造のように閉磁構造(に近い)ものとはかなり違う。 コイルの配置には十分な注意が必要だ。 不用意にアンプの入・出力コイルを接近させると発振の原因になる。 発振しないまでも共振特性が変化してしまうので要注意だ。
写真は「マルチ・ケース」と言う名前のシールド・ケースである。モノコイルのシールドに使える物だ。 もともと15mm角のFMマルチプレックス・コイルのシールドだった物をケースだけ市販していた。 他にこれよりやや大きめのモノコイル用として「ビデオ・ケース」と言う名前の専用シールドケースも市販されていた。 シールドしたい時にはぜひとも欲しいが、入手は望めないと思う。 構造は単純だから工夫で乗り切る必要がありそうだ。 コイルの間にシールド板を立てるだけでも効果的なことも多い。
もちろん、開磁構造なのはディメリットばかりではない。 閉磁型よりもコアは磁気飽和しにくいので、ずっと大きなパワーを扱える。 周波数にもよるが数Wまで大丈夫なのでQRP機ならファイナル・アンプ部にも使うことができる。 ちなみにFCZコイルでは0.5Wでさえやめた方が良い。せいぜい0.1Wであろう。 モノコイルにもメリットはあるから適材適所で行きたいものだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
FCZコイルも無くなってしまい、時おり懐かしい東光のモノコイルを求める声が聞こえてくるようになった。 或は、近ごろのCQ誌の記事にRF物の製作なんか稀だから、やむなく自作HAMは大昔の製作記事を紐解いているのかも知れない。 そんな懐かしい記事にはモノコイルが使ってあるのだろうか。(笑) モノコイルはもう市販されることも無いだろう。ならば自作で行くしかない。材料はまだ何とかなるようなので、自作用の資料をアップしておくことにした。
暑い暑いと言っているうちに、もうお彼岸になった。 「暑さ寒さも彼岸まで」とは良く言ったもので、秋分を過ぎたら急に涼しくなった。 あれほど喧しかった蝉の声も何処へやら・・・。 墓参のお寺に静けさが戻ってきたようだ。
このままでは9月のBlogが無くなってしまいそうだ。 10MHzのQRP送信機に手をつけ始めたので、そのコイル巻きに関連したお題でご勘弁を。(笑) de JA9TTT/1
(おわり)
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