webで標記のFETを扱ったのは、2001年だったからずいぶん前のことになる。その時でさえ、既に写真の3SK121は廃品種だった。(笑)
なお、写真のSGM2006M(記号:F-/SONY)と3SK121(記号:UG/東芝)、さらには下記3SK129(松下/パナソニック)は、ほぼ同等のデバイスである。
或は3SK113(日立/ルネッサス・・形状及び接続は写真の3SK121と同じ)や3SK240(記号:UN/東芝・・形状及び接続は写真のSGM2006Mと同じ)も同類のGaAs-MES-FETであるが、何れも生産中止になっている。
負荷インピーダンスRL=500Ω位にとった動作では、ソース抵抗Rsの加減でドレイン電流Id=約10mAになるよう調整してやれば最適動作点となる。 その状態で各デバイスによる性能差は殆ど感じないはず。なお、動作点の調整もせずに比較しても無意味である。正しく使えば何れも優れてLow Noiseである。もちろんゲインも十分得られる。
高周波増幅回路も、以前はディスクリートで組んでいたが、今はむしろ特殊なくらいで、MMICと称するLNA(Low Noise Amp.)が主流のようだ。 昔のMMICはノイズの点で芳しくなかったが、今では十分Low-Noiseだから下手にバラ部品で作るよりも有利であろう。 しかしアマチュア無線には、そうしたICは向かないことが多いので、今もこうしたデバイスの出番がある。
【3SK129】
ガリウムだとか砒素と言うと有害物質ではないかと言うことで拒否反応を示すかもしれない。 しかし、まさかFETを食べる訳ではないし、パッケージに入っていれば、たとえ舐めても危険はない。 ただ、数mgの微量とはいえ廃棄する時には一般ゴミと分けるくらいの気遣いはあった方が良いのかもしれない。
ガリウムだとか砒素と言うと有害物質ではないかと言うことで拒否反応を示すかもしれない。 しかし、まさかFETを食べる訳ではないし、パッケージに入っていれば、たとえ舐めても危険はない。 ただ、数mgの微量とはいえ廃棄する時には一般ゴミと分けるくらいの気遣いはあった方が良いのかもしれない。
写真は3SK129で今年(2008年)の6月頃JE6LVE高橋さんに頂いたものだ。(VY-TNX!) 6月18日のBlogでも紹介した。これは上の写真の3SK121と同等に使えるもので、パナソニック製である。見ての通りピン配置も同じである。
既に廃品種の筈だがオークションで良く見かけるようだ。不良在庫化していたものが廃棄処分されて流出しているのかもしれない。 このように平面的なパッケージなのだが「表面実装用」ではない。 昨今は何でも面実装で製造するからそれに向かない部品は使い道がなくなったのだろう。性能は悪くないし、手ハンダするにはむしろ使い易いから積極的に活用したい。
【参考;GaAs-FETを使ったクリコンのDBM部】
以前,GaAs-MES-FETを扱ったwebページで紹介していた50MHz帯のクリスタル・コンバータDBM部である。ミキサのSBDもガラスパッケージ品は無くなるばかりなので、もうこうした感じでDBMを作ることもなくなるのだろう。
以前,GaAs-MES-FETを扱ったwebページで紹介していた50MHz帯のクリスタル・コンバータDBM部である。ミキサのSBDもガラスパッケージ品は無くなるばかりなので、もうこうした感じでDBMを作ることもなくなるのだろう。
部品を集めてRFトランスを巻くのも良いが、1個の完成品モジュールになったDBMは手軽だし、安価になっているから経済性も悪くない。 写真のDiは1SS86(日立/ルネッサス:既に廃品種)で、トランスはおなじみのFB-801-#43だ。
昨今の部品事情を見ると自作の余地がだんだん奪われるようで寂しい気もする。しかし、ディスクリート部品が完全に消えるとは考え難い。ICアプリに留まると廃品種になれば完全にお手上げだから、個別部品でも回路設計ができるようにしておきたいものだ。
<追記:2009年9月>
SONYのSGM2006Mは永らく秋葉原・秋月電子通商で10個200円と言う廉価で入手できたが、ついに底をついたらしい。面実装用パッケージで手付けには使い難かったが安価なRFデバイスとしては良い性能だっただけに惜しまれる。これからは少し高価で扱い難いがHEMTなども積極的に活用すべきようだ。拙宅の在庫も徐々にそちらにシフトしている。 de JA9TTT/1
(おわり)
(おわり)
12 件のコメント:
こんばんは。
入手しづらくなってくる足付きディスクリートパーツですが、
反面使わないのに手を出してデッドストックが増えていくのも
ディスクリートパーツですね。(笑)
3SK129もまだ1個も使っていません。
たまにはパーツボックスを覗かないと
持っていることも失念してしまいます。
ダイオードもバリキャップやGeDiなどたくさん
ストックがありますが、あまり使わないですね。
GeDiなど1000本以上ストックがあるのですが(笑)
ICやモジュールが入手出来るとやはり楽ですから、
どうしてもそちらを使ってしまいます。
そのため専用ICやモジュールもストックしてしまうので
ますますディスクリートパーツの出番が少なくなっています(爆)
まあ、パーツ集めも趣味のうちと言うことでしょうか。
JE6LVE 高橋さん、おはようございます。
コメント有難うございます。
> 手を出してデッドストックが増えていくのも・・・
纏め買いや袋入りを入手してしまうと、とても使い切れませんね。 勿体ないですから、多少なりとも使わないと・・・。3SK129は頂いたまま死蔵品になってます。(笑)
> ICやモジュールが入手出来るとやはり楽です・・・
標準的なアプリが示されてるので、一から設計せずに使えますからね。 ディスクリートは電子回路設計の知識が必要なので、多少敷居が高いかも知れません。 でも、大抵はweb記事のように定型回路で使えば良いのでICと同じようなものですよ。(笑)
> パーツ集めも趣味のうちと言うことでしょうか。
たくさん持ってると安心できる「精神安定剤」の効果は抜群でしょう。(爆)
JA9TTTさん JE6LVE高橋さん おはようございます。(といってももうすぐ昼ですが)
最近はオークションのおかげで昔では入手できないような部品が手に入るようになりました。
そのおかげで見ると、つい、いつ無くなるかわからないという強迫観念から手が出てしまいます。精神安定上悪いかも。
そのため部品が多くなりすぎ何を持っているのか、また何を使えばよいのかで悩んでしまいます。
オークションの功罪でしょうね。
昔は、「これが作りたい」→「部品を買い集める」→「作る」の流れが今は「この部品で何か作ろう」→「部品をデッドストックから探す」→「作る」となっている感じです。
4本足FETは3SK35,39,45,48などまだ在庫があります。3SK129までなかなかたどり着きません。
ディスクリート部品は、今後も残ると思います。私の会社はメーカーですが、各種センサーを開発するときなど、どうしてもセンサーとのインターフェースにはディスクリートデバイスが無いと特性等が引き出せません。ICはどうしても汎用的な用途の部分になります。(最近これら特性の癖をマイコンでデータ化し処理してしまう技術も出てきてはいますが)
ただ物が小さくなるのは避けられないようですね。最近は老眼鏡の前に拡大レンズを着け、蛍光灯を複数つけて半田付けしております。
取り留めの無いコメントになってしまいました。悪しからず。
こんにちは。
Web記事のクリコンを拝見してきました。20数年前、開局したての私は50MHzのリグしか持っていなかったため、20MHzの水晶をトランジスタ発振・3逓倍させて、3SK59だったか3SK45だったかのデュアルデートのいずれかに60MHzを入力しミックスしました。雑誌「初歩のラジオ」の記事を参考にしたと思います。
60MHz-7MHz=53MHzとなることから、ちょうどUSBしか利用できない50MHzのリグでうまく7MHzのLSBが受信できて楽しかったのを覚えています。
当時は、デュアルデートを利用してAGCやミクサに利用する製作記事が多くあったと思います。
今では、日本橋の店頭では、3SKのFETはほとんど手に入らない状況です。もっと優れたデバイスが開発されていますものね(アマチュアが入手できるかは別問題ですけれど)。
LVE>まあ、パーツ集めも趣味のうちと・・・
私は皆さんほどパーツを在庫していないのですが、パーツを探し出すのに時間がかかってしまうありさまです。家内からは「趣味はパーツ探し?」などといわれてしまいます。(笑)
JA2NKD/1 松浦さん、こんにちは。 今日は薄暗いですねえ・・・灯りをつけないと、キーボードが見えないくらい。
コメント有難うございます。
> いつ無くなるかわからないという強迫観念から・・
私も一瞬そう思うのですが、どうしてもソレがないと困る部品は稀だと気付きます。そう思うと冷静になって・・・。でも安いとつい手が出ますね。溜まる原因です。(笑)
> 3SK129までなかなかたどり着きません。
個々の品種で多少クセもありますが、Si-MOSあるいは、GaAs-MESならどれも極端に違いません。型番に拘らずに使うのが良いようです。 一段高い性能が必要なら、同じ種類で探すより、別なジャンルに切り替える方が確実です。
> 拡大レンズを着け、蛍光灯を複数つけて・・
何しろ小さいので難儀しますね。手元を明るくしないと見えないです。(笑) サイズが永遠に不変の「真空管」に人気がある理由のでしょうか・・。(爆)
JJ3CMV 酒井さん、こんにちは。
コメント有難うございます。
> 50MHzのリグでうまく7MHzのLSBが受信できて楽しかった・・・
50MHzが入門バンドだった時代がありましたね。彼ら向きにHF帯を50MHzに周波数変換するコンバータの製作は良く見かけました。6m機は4MHzのバンド幅がありAMモードもあるので、BCL用にも適していたようですね。
> もっと優れたデバイスが開発されていますものね・・
ミキサー以外なら2SK241,etc.で十分でしょう。Dual-Gate MOS-FETが必須な場面は案外少ないです。 最近の高性能デバイスは、どれもゴマ粒サイズなので・・・手付けで使うのは困難ですね。(笑)
> 「趣味はパーツ探し?」などと・・・
拙宅も同じような状況にあります。10年ほど前に集約して保管するようにしたので改善されました。 でも、メーカーの在庫管理ではないので合理的とは言えません。結局探すのが面倒になり、また買うことも・・。最近は忘れっぽいので、特に宜しくありません。何処にしまったんだろうな〜〜〜?(爆)
TTT加藤さん、みなさん、こんにちは。
この界隈の皆さんは多かれ少なかれパーツのストックを
お持ちでしょうから、自分はストックを持たずに
必要なときに皆さんにお願いして譲っていただくのが一番かも。
在庫を持たないトヨタ方式ですね。(爆)
JE6LVE 高橋さん、こんにちは。
コメント有難うございます。
> 皆さんにお願いして譲っていただくのが一番かも。
皆さんが、何をどのくらいお持ちか、DB化できれば可能かも知れませんね。でも、お宝品は正直に申告されない可能性がありますけれど。(爆)
多少の余裕を残せば、供給可能な場合が多いので、追試してみたいようでしたら、お問い合わせ頂くのも良いと思います。少しでも消費が進めば死蔵して陳腐化するよりマシだと思いますから。(笑)
加藤さん、皆さんこんにちわ
死蔵部品はいつか使おうと考えて購入した物が使わずに、かなりたまって家族の顰蹙をかっています。置き場所が悩み所です。でも、ごめんなさいと言いながら、そのまま部屋に置いています。チップ部品は作業の悩みの種ですが、数年前に中国製の20倍、40倍切替の双眼実体顕微鏡を安価(税引¥13500)で購入して、その後に秋月の白色LEDを定電流ダイオードで16灯光らせて作業に使っています。
JS1XFN 青木さん、こんばんは。
コメント有難うございます。
> 双眼実体顕微鏡を安価(税引¥13500)で購入し・・
面実装部品も積極的に活用する時代ですから、必需品なのでしょうね。 そのお値段はかなりお買い得です、 十分実用になっているようでVY-FBだと思います。
私のような田舎では円滑な自作推進の為に部品が溜まってしまいます。 ただ、今は通販も早いので必要になったら購入と言うスタイルでも良いのかもしれません。部品をたくさん死蔵するよりも・・・(笑)
こんばんは。
>今は通販も早いので必要になったら購入と言うスタイルでも
その間が開くと製作意欲が冷めちゃうんですよね(笑)
JE6LVE 高橋さん、おはよう御座います。
コメント有難う御座います。
> 製作意欲が冷めちゃうんですよね(笑)
抵抗器、コンデンサ一本でも足りないと進まないこともあるので、買い溜めて揃えておくことに。 でも、困らないようにと際限なく集めるとパーツショップ状態ですね。(笑) なるべく手持ちで済むように設計変更してしまうこともあります。少々不合理な部分ができても、進捗優先だと止むを得ません・・・。
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