【回路:音の良いCW用クリスタルフィルタ】
【クリスタルフィルタの自作】
同じ周波数の水晶発振子(水晶振動子、水晶共振子)を複数並べることで、ある通過帯域幅をもった帯域フィルタ(BPF)を作ることができます。それがラダー型(クリスタル)フィルタです。 HAMの自作では、SSB用の帯域幅2〜3kHzのものと、CW用の帯域幅が数100Hzのものが主な製作対象になっています。
ラダー型フィルタと言えばSSB用を作る例が多いように思いますが、既製品の手持ちがあったので必要性はそれほど感じていませんでした。 それに、既製品を超えるフィルタが作れなくてはいま一つ「はりあい」がありません。 幸い、普通に手に入る水晶発振子で優れた特性のSSBフィルタの製作も目処がついてきたので次のテーマと言ったところでしょうか。 これまでラダー型フィルタの製作ではSSB用よりもCWフィルタの方に興味を持っていました。もちろん単なるCWフィルタではなくて「音の良い・・・・」です。
昔の無線機ではCW用フィルタは オプション設定になっていました。あまり選択肢は無くて、せいぜい2〜3種類の帯域幅が選べるくらいでした。昨今のようにDSP化されるまではメーカーが設定した範囲で選択するしかありませんでした。
HF帯Low-Bandの混信を考えると、できるだけ狭帯域の方が良さそうに感じます。 しかし500Hz幅のフィルタでは混信するからと言って200Hz幅にすれば済む訳でもありません。 確かに選択度の向上は感じられますが、受信していて肝心の了解度が思ったほど改善しないことに気付きます。 またバックグラウンドのノイズを含む音色が癖を持つようになり聞いていて疲れを感じるようにもなっていました。 特に帯域幅が狭いフィルタになると顕著になってきます。 つまり、狭いほど良い訳ではないのです。
このBlogの過去記事(←リンク)で低周波帯のCWフィルタを扱ったことがあります。 特徴は切れの良いフィルタ特性だけではありませんでした。 ごく狭い帯域幅であっても信号の過渡応答性を重視したものが製作でき、実際に使ってみると音の良さが感じられました。 もしも、これと同じような「音の良いCWフィルタ」が受信機用のクリスタルフィルタで可能なら、CW用受信機のフィーリングも一変するのではないかと思ったのです。
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何かの記事を読んでいたとき、誰かがPhase系の(CW用)X-tal Filterを自作して受信機に使ったら「フィーリングはExcellentだ!」と言う一文が目に止まりました。 そのフィルタはEquiripple Error n°と言う特性のようでした。そんなのを誰もが作れる訳はありません。ですから地味な扱いの記事でしたが画期的な意味がありました。 波形忠実性に優れたリニヤ位相系のフィルタがHF帯のクリスタルフィルタでも可能なことを示していたからです。 詳細不明でも「そう言うものが作れた」と言うのは極めて重要な情報です。要するに、方向さえ間違わなければ製作可能なことが約束されたわけです。(注:ここで作ったフィルタもリニヤ位相系のフィルタなので親戚にあたります) 低周波と高周波と言う周波数の違いですから、理屈上はHF帯でも製作可能でしょう。ではどうすれば作れるのかは皆目見当がつかなかったのです。
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それから暫く時が過ぎました。CWフィルタのことばかり考えていた訳ではありませんが機会があれば情報収集に努めてきました。 DJ6EVとG3JIRによる『Dishal(論文の著者)の論文に基づくフィルタ設計ソフト』は期待していたのですが解決策ではありませんでした。 しかしアウトプットを解析して行く過程で大きなヒントが得られたように思います。設計したフィルタで起こる現象を理解することは「音の良いCW用フィルタ」を実現するための道筋を照らしてくれたのでした。
何かしてみて「まったくの無駄骨」だったと言うのも稀でしょう。何でもやってみるべきです。 そこで起こった現象を振り返って何故そうなるのかを考えることから次の一歩が始まるのです。何時か見た景色も螺旋階段をもう一回り登れば見え方も違ってきます。
このように個人的な興味と目標が発端でした。そして、何とか目的の「音の良いCWフィルタ」が完成できた記念としてこのBlogを綴ることにしました。 まずは、製作手順などごく大雑把に纏めました。詳しい設計・製作方法は機会があれば改めて扱います。
写真説明:手前の大きなクリスタルを使ったフィルタがここで扱った「音の良いCW用クリスタルフィルタ」です。 奥にある小さい方が一つ前のBlogで扱った12.8MHzのSSB用フィルタです。大きさの違いがわかるでしょう。
【水晶を選ぶ】
以前の水晶定数を測定するBlogに登場した3579.545kHzのアナログ時代のカラーTV用の水晶発振子を使いました。 理由は無負荷Q:Quが高かったからです。 これから作ろうとするフィルタは、きちんとした特性を出すためにQの高い水晶振動子が必須です。
Qが高いものを6個選びましたが、それでも足りないので「事前特性補正型」の設計を行なうことにしました。「事前特性補正型」と言うのは私の意訳あるいは造語です。 Predistorted Design・・・事前歪ませ設計・・と言うものですが、「歪み」と書くと信号が歪むのかと誤解されそうなので「事前特性補正型」にしました。ですから他所では通用しないでしょう。 無理に日本語化せずに「プリディストーテッド・フィルタ・デザイン」としておくのが良いかも知れません。 ネット検索しましたが旨い日本語表現はないように思いました。JAではあまり紹介されない設計なのかも知れません。もちろんフィルタの専門家は良くご存知のはずです。
水晶振動子のQuが理想よりも小さいことによって通過帯域特性のエッジがダレるとか、丸くなることを見込んで設計します。 簡単に言えばダレるのを見越して予め通過帯域の外に向かって持ち上がるような特性に設計するのです。 この設計を行なうためには水晶定数のうち無負荷Q:Quも揃っている必要があります。 個々の水晶の大きなバラツキまで補正することはできません。 ですからQuが極端にばらついた水晶振動子は旨くないのです。 なお、出来上がったフィルタの頂部が丸いのはここで言う特性の補正とは意味が異なるので勘違いなきように。もともとリニヤ位相系フィルタの通過帯域は蒲鉾型です。フィルタの形式と通過帯域の形状については以下のリンクを参照を。→700HzのBPF
【半自動設計】
手計算でも設計は可能です。最初のころは殆ど手計算(=電卓)で数値を求めていました。 しかし計算間違いが起こり易いのです。 途中の間違いはシミュレーションで気付くこともできますが、そもそも発生しにくいように機械的な計算の繰り返しはパソコン(=プログラム)に任せる方が良いでしょう。
仕様と水晶定数をインプットしてやれば全て計算してくれるような全自動ソフトではありません。しかし幾つかのパラメータを個々に入力すればあとは計算結果が出るようなプログラムを書きました。計算させるまでの準備に少し手間は掛かりますが設計の自由度は高いものです。 単純な四則演算の繰り返しと、細かい刻みで値を追い込むような試行錯誤型ルーチンも存在する簡易なものですが、得られる数字は十分に実用的です。 設計ソフトと言うよりも、設計支援のちょっとしたツールと言った感じでしょうか。
振り返ってみれば、こうした設計法(設計・製作手順)が確立できるまでにずいぶん過ぎてしまいました。 設計・計算・製作のヒントは案外身近に転がっていて、それに気付かなかっただけのように思います。資料も集めただけではダメです。良く読んで理解しないとその価値になかなか気付けないものですね。断片的な情報も多いので様々を纏めて考えを導く必要もありました。 そのあたり、早く気付けば4〜5年前に確立できたかも知れないと反省しています。(でも、できて良かった・笑)
【CWフィルタ基本設計】
計算で得られた数値を回路図に書き込んでみました。 前に設計したSSB用の6-poleフィルタと基本的には同じですが、目標のCWフィルタを実現するために少し違いがあります。
この設計では、中心線から見て左右対称な数値になっていません。 従って左から5番目の水晶振動子(図ではX-No.03のところ)にも直列コンデンサ:CS5が必要です。 また、非対称回路なので入力側:Rinと出力側:Routのインピーダンスは異なります。なお、In/Outのインピーダンスは異なりますが信号経路は可逆性があります。 この設計で良いのか様々な検討を行ないました。回路シミュレータも活躍しました。 出来上がったフィルタの通過帯域幅:Bw(-3dB)にやや誤差を生じる傾向は残りますが概ね確立できたと思います。製作の方も同様です。
注)図は特定の水晶発振子を使うことが前提の設計です。同じ周波数の水晶でも、他のものには適用できません。水晶定数を実測し再計算する必要があります。お手持ちに3579.545kHzのクリスタルがあったとしても、表の数値そのままで作りませんように。
【シミュレーション】
周波数特性のシミュレーションを行なっています。 これもLT-Spiceを使っていて、水晶定数は上図の左下にある数値をインプットしました。設計帯域幅:Bw(-3dB)は200Hzです。
水晶振動子間の「結合容量:Cjk」は設計プログラムで求めた値をそのまま使いました。 より結合容量が小さな・・・例えば高い周波数で帯域幅が広いフィルタでは配線のストレー容量と水晶振動子のホルダと端子間のキャパシタンスを補正する(差し引く)必要があります。
シミュレータに分布容量は存在しないので設計通りの値でシミュレーションします。 実際に作る際は目に見えない容量を考慮してコンデンサの値を加減するのです。この例のように3.58MHzのCW用では各容量が大きいので分布容量の影響は顕著ではありませんでした。
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【実測特性】
実際のフィルタはこのようになりました。 横軸全体で3kHz、従って一目盛りは300Hzです。 縦軸は一目盛りが10dBで、全体で100dBの範囲で見ています。
帯域外の裾の部分がなだらかになっていますが、これは測定器と測定方法の限界です。 完璧な入出力間のアイソレーションは不可能なので実測では現実的なところに落ち着きます。
とても良く切れるフィルタだと思います。 6-poleですが、中心軸から見てほぼ左右対称なのは狭帯域なフィルタだからです。 (参考;3.58MHzでSSB用を作ると非常に非対称が目立ちます。これはBw(-3dB)との比較でfsとfpの間隔が狭いためです)
通過帯域幅は-3dBのところで見て225Hzとなりました。 少し広めなのは水晶振動子にパラの15.5pFを省略したためです。 設計次第では省略できませんが、ここでは様子を見て支障が無ければ 省こうと思っていました。 結果はこのように満足の行くものであり、省部品を優先してC1〜C6は取り付けませんでした。(省略を見越して設計したと言えなくもありません・笑)
中心のピークから6dB下がったところで傾斜が変化して折れ曲がっています。 この-6dBから上の部分がGaussian特性(Besselと類似)です。こうした特性は、入力信号の形状が時間軸で見た時に良く保たれるのです。 その外側の裾野の部分はButterworth特性になっておりいくらか急峻になっています。 このように、Bessel特性よりも急峻でありながら入力信号の形状が良く保たれるのがこの形式のフィルタ:Transitional Gaussian Responce to 6dB型の特徴です。 ほぼ設計通りの通過帯域特性になっていることが確認できました。
【過渡応答特性】
写真は受信されたCW(無線電信)の短点に相当する信号がフィルタから出てきたところです。シミュレーションではありません。 実測です。 これで約200Hz幅と言う狭帯域フィルタの通過後なのですから、なかなか素晴らしいです。
立ち上がりもスムースであり、オーバーシュートもほんのわずかです。 また、余韻(残響)もごく少しでした。 一般的な狭帯域のCW用クリスタルフィルタでこの特性が実現できるものは無いだろうと思います。 過去に種々測定した経験ではお目にかかったことはありませんでした。
このフィルタの帯域幅Bw(-3dB)は225Hzで、中心周波数foは3577.800kHzです。いわゆるフィルタQ:QfはQf=3577800/225=15,901もあります。 Qfが1万をかなり超えたフィルタで、これほど良好な過渡応答特性が得られるとは信じ難いほどなのです。
まだ出来上がったばかりです。実際の受信機で試していませんが大いに期待できると思います。このフィルタでワッチするのが楽しみです。
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SSB受信機以上にCW用の受信機は難しいように感じてきました。単に音が自然であるとか、そう言う話しではなく、狭いフィルタで快適な受信フィーリングが課題です。 空いているバンドなら、過度に狭くないフィルタの方が心地よいです。しかし、混んだバンドともなると耳フィルタを鍛えた熟練者でもなければ帯域を狭めるしかありませんでした。
低周波処理のCWフィルタは受信機用としては本格的なものにはなり得ないでしょう。 しかし、実験してみて良い音色とフィーリングが実現できることに感心しました。 その特性をそのままに受信機のIFフィルタが製作できたなら・・・その答えがいまここにあるのです。
DSP処理のフィルタでも同じことはできる筈です。いずれどのトランシーバにも波形再現性に優れたリニヤ位相系のCWフィルタが 内蔵されるでしょう。 その時こそ時間軸上の特性に目覚めるときです。 通過帯域がフラットなものがベストでないことも理解してもらえるでしょう。
完全DSP処理のトランシーバも登場しましたが、完全アナログ処理の受信機にも良さがあると思います。こうしたCWフィルタが活躍する受信機もまだまだ現役でしょう。 CW専用のように書きましたが、データ通信系のモードにも最適です。
何年も掛かってやっと彼我のレベルに追付いただけ(注1)とも言えますが、まずは目標達成でこのテーマを終えることができました。市販品で得られないものが作れるのは意義があります。次は活用の段階です。
# いつか受信フィーリングを報告しましょう。
# 最後のBlogです。ご愛読感謝。 良いお年をお迎え下さい。de JA9TTT/1
(つづく)←11MHz帯の高性能SSB用フィルタの開発にリンク。
(注1)「彼我のレベルに追付いただけ」かも知れませんが、彼我の話し(記事)の中ではどんな物が出来たか具体的に示されてはいません。ですからフィルタの特性や時間軸上の波形再現性の実測データなど目にしたことはありませんでした。今のところ具体的に実測例を示しているのはこのBlogだけではないでしょうか。この例に続く製作の登場を期待しています。
12 件のコメント:
おはようございます。
暖かい日が続きますね。
CWフィルターの記事は少ないですね。興味深く拝見しました。過渡応答の写真、素敵です。こんな受信波形や送信波形ができるといいなぁ、と思いつつ眺めていいました。
JK1LSE 本田さん、おはようございます。 ほんとうに暖かですね! 暮れとは思えません。hi
さっそくのコメント有り難うございます。
> CWフィルターの記事は少ないですね。
たぶん、そのままCW人口の少なさを表しているんでしょうね。(笑)
> 過渡応答の写真、素敵です。
有り難うございます。 帯域幅200Hzのフィルタでこの過渡応答特性はなかなかFBだと思っています。
早いところ受信フィーリングを確かめてみたいですね。
過渡応答の特性ですが、この200Hzのフィルターで遅延時間はどのくらいでしょうか?
立ち上がり、立ち下がりで10ms弱の様に読み取れたので、この程度でしょうか。
意図してCW波形を作ろうとしても、中々思う様にならず、興味本意でお聞きしました。
JK1LSE 本田さん、再度のコメントTKS!
> 遅延時間はどのくらいでしょうか?
管面からのアナログな読み取りなのですが、5mS以下だったと思います。
> 興味本意でお聞きしました。
興味本位、大いに結構です。(笑) 遠慮なくどうぞ。hi hi
なるほど、5mS以下ですか。
CWのキーイングで、キークリックを取るためにCRでフィルターを組みましたが、簡単には取れませんでした。
KWM-2のようにフィルター(SSB用ですが)の前でキーイングすれば、波形が綺麗になるかもしれませんね。KWM-2はSSB機なので、おまけのようなCW機能の様に見えますが、この辺りも考慮されてるんですかね。(さすが・・・!?)
野蛮な終段のカソードキーイングでは、いくらCRのフィルターを入れても、波形は鈍らないでしょう。この記事のCW波形を見て、改めて綺麗だなぁ、と関心した次第です。最もフィルター前でキーイングすると、その後は全てリニアアンプで増幅しないとダメですね。これはこれで、大変そうです。
受信用のフィルターの記事で、送信のことを書いてしまいました、興味がそそられたので、長文失礼しました。
JK1LSE 本田さん、了解ですよ。
最近のメーカー製DSP機では送信波形にも拘りがあるようで、波形作りを行なっているようです。 アナログ機ではお書きの様にフィルタ前でキーイングとか、別の工夫が必要ですけれど、直接DSPで得ているのでしたらやり易いそうです。
昔のように終段のキーイングではどうしてもクリックは避け難いと思いますね。 ある程度はやむを得ないと思っています。 電鍵で直接断続するよりも電子スイッチ式の方が幾らかマシなように思っています。 立ち上がりの振幅を加減するようなマイコン制御式でも旨く行きそうな気もします。 たぶん、その辺りが本田さんの研究テーマなのでしょう。 そちらも興味深いですね。hi hi
加藤さん、おはようございます。
素晴らしい特性のフィルターですね。
使用するクリスタルを吟味した上で設計上ではコンデンサをパラに入れて個々の水晶を補正しているのでしょうか。
ただこのレベルのラダーフィルターになるとさすがに難しそうですね^^;
最近のフィルター関連のBlogを拝見して特性の良いフィルターには水晶のQの影響が大きいことがよく解りました。
使用された水晶のQは25万以上と素晴らしい値ですが、HC-6/Uなどの大きなタイプの方が一般的にQは高いのでしょうか?
JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんにちは。 こちら、晴天ですがだいぶ風が出てきました。
コメント有り難うございます。
> パラに入れて個々の水晶を補正している・・・
パラのコンデンサはfpの周波数を下げるのが目的なのですが、fpそのものがばらついているので改善の効果はないようですね。
> 大きなタイプの方が一般的にQは高いのでしょうか?
水晶の物理的な大きさとQの関係は良くわかりません。小さくてもQの高いものもあります。 Qは結晶の良さとATカットの場合は面の平行度が支配しそうなので、良い材料と加工技術が影響するのでしょうね。 中華水晶のQuが大きくばらつくのは加工技術が悪いのではないかと思っています。 Quが大きなものもあるので結晶そのものは悪くないのだろうと思うのです。
フィルタの場合、入力信号で飽和しにくいのは大きな水晶で、なおかつ周波数が低いものではないかと思っています。
加藤様、ja8czxです。
函館単身赴任も1年8ケ月になります、久しぶりに北広島市の自宅に戻り、これも久しぶりのコメント書き込みになります。
このところのフィルター関連のお話しは、すばらしい特性と設計手法に目が洗われる思いと、正直「こりゃ付いていけんなあ」とただただ見守る(要は狸専門)だけとなっておりました。
しばらく前の話になりますが、加藤さんや仙波さんに頂戴した水晶でラダーフィルターを必死の思いで測定・選別し手作り(今回のご披露の手法ではなくレガシーなやつ 汗)まして、自作のOSCとRF電圧計で測定したデータをExcelで一つづつ入力、グラフ描画してそこそこの特性に大満足してSSBGENにまとめたことが思い出されました。
今回の手法ですともっと手軽?にしかも良好なものが作れそうですが、いかんせんおつむの方が飽和状態に近づいておりまして行けません。
たまに自宅に戻ってきて少しづつでも勉強を進めていきたいと思っております。
年の瀬の中札幌近郊は今年初めての真冬日で冷え込んでおります、関東もだいぶ冷えてきているようでご自愛の上ご活躍ください。
来年も勉強させていただきたく思っております、よろしくお願いいたします。
JA8CZX 矢北さん、こんにちは。 函館は雪模様でしょうか?
コメント有り難うございます。
> ただただ見守る(要は狸専門)だけと・・・
どうもすみません。わかりにくい話しになっていただろうと反省しております。 フィルタの世界は電気回路でもかなり難しい分野なので、よほど良く理解していないと簡単に説明するのは困難な状況です。浅学ゆえ旨く説明できず申し訳ないです。
> 今回の手法ですともっと手軽?にしかも良好なものが・・・
QEX誌の記事のうたい文句は「万人向け」なのですが、やってみますと思い通りには行かないケースも多いようです。 設計ソフトはブラックボックスなので考えて解決できるるとか、そう言う問題ではないでしょうね。要は例のソフト頼みではそれ以上手が出せません。(笑) 書籍:IRFDの付録になっていた設計ソフト群のほうがフレキシブルだったのですが、流石にMS-DOSの時代のものなので、今どき走らせるのも困難でしょう。hi hi
・・・と言うような事情もあって、なかなか扱いが難しい状況にあります。 簡単にやるにはAADEのフィルタ設計ソフトの方が希望が持てるかも知れません。(ただ、同じ問題に遭遇するのかも) それとAADEのは開発者がSKされたようですし・・・
> 少しづつでも勉強を進めていきたいと思っております。
私も未だに勉強中です。JAの情報は古い話ししか出て来ないのでいま一つですが、QST誌やRadCom誌のほか、Euの記事など遡って目を通す必要があると思っています。 例のDishalの論文に基づく設計ソフトもドイツで登場したのが最初らしいですから・・・。 独仏の記事も読みたいのですが、残念ながら機械翻訳頼みになってしまいます。ロシア語ともなるとお手上げですし。(笑)
矢北さんもお元気でご活躍ください。こちらこそ、2016年も宜しくお願い致します。 お気軽にコメントもお願い致します。
加藤さん、こんにちは。
いつもながら亀レスです。
すばらしい過渡応答特性ですね! 波形からもとてもよい音が再現できそうな気がします。
世の中の新製品群はDSPのオンパレードですが、まだまだフィーリングの追い込みまではできていないのではないかと思います。同じ帯域でもメーカーでだいぶ音もフィーリングも違います。
フィルタ用に作られたものではない汎用のカラーバースト用水晶でもちゃんと特性を測って選別して、しっかりと計算された定数で作れば、ここまでしっかりした特性のものができるということを実証していただいて大変ありがとうございます。
当局も、実験してみたいと思います。
まだ遣り残しているのを早く片付けないとだめですが(笑)
JN3XBY/1 岩永さん、こんにちは。 今年もあと2日ですね。 色々有り難うございました。
コメント有り難うございます。
> よい音が再現できそうな気がします。
はい、そう思うのですが、他のことをやっていてまだ確認していません。お正月の課題にしましょう。AC変調が掛かってダメかも。(笑)
> まだまだフィーリングの追い込みまではできていない・・・
かなりご研究していると言うお話は伺っています。 いずれ決定版と言えるようなものができるでしょう。 それ以上は好みの領域になってくるのではないかと思います。hi hi
> しっかりした特性のものができる・・・
条件が揃えば良いものが作れます。 逆に言えば、条件が揃わない水晶もあるので選択が必要になります。 帯域幅の狭いCW用フィルタには低い周波数の水晶が使い易いようでした。Quが高いのも条件でしょうね。 この水晶は条件にあっていた訳です。
> 当局も、実験してみたいと思います。
水晶の測定から始めて、フィルタの形までに纏めるまでにはかなり手間が掛かりますけれど、帯域幅ほか製作の自由度があるのは良い所だと思います。いずれお時間ができたらお試しください。
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