2018年4月16日月曜日

【回路】Making a Voltage Generator

回路製作:電圧発生器の製作
 【組合せテスト中
 写真は電圧発生器のユニット組合せテストを行なっているところです。 ユニットごと個別のテストは済んでいますが、必要なユニットがすべて揃ったので組合せて様子を見ています。 どうやら目的のものができつつあるようです。

 3回前のBlog(←リンク)で検討した「電圧発生器」ですが、シンプルにヘリポットで出力電圧を可変する形式で作ることにしました。簡単に言えばアナログ的に設定する電圧可変型電源のようなものになるわけです。 独立した機器として使えるようにAC電源を内蔵することにしたほか、実用範囲を広げるために小変更を行ないました。 以下、全体の概要と製作したユニットについて記述します。

                   ☆

 製作した直後は細部まで記憶は鮮明です。しかし暫くすると細かいことは忘れてしまうものです。 使い始めて問題がなければ良いのですが場合によっては改造の必要が生じるかも知れません。製作時の考えや細部の様子を纏めておくと将来の改良だけでなくメンテナンスの時にも参考になります。 以下、多分に自家用資料ではありますが、もしも同種のものに興味があればご覧ください。

 【全使用ユニット
 出力ターミナルやACのインレットなどまだ決めていない部分があります。 収納ケースとそうした外装の部分を除いた全ユニットを集めてみました。

 前回のBlogで使ってみて具合が良かったブレッドボードスタイルの試作用ボードを全面的に採用して製作しています。 これはこのボードの消費も目的の一つだからです。

 テスト段階では汎用の安定化電源から各ユニットへ電源電圧を供給していましたが、独立した機器にするにはどうしてもAC電源の自蔵が必要です。 各ユニットへ電圧を供給する電源部を作る必要があります。 10.000Vの基準電圧発生部と出力アンプ部分は前回のBlogと類似ですが、検討を行なった結果、実用性をアップするために部分的な変更があります。

 以下、写真の各ユニットについて順に見て行きます。 一部前回のBlogと重複する話もありますが気にせず行きます。(笑)

 【10.000V基準発生ユニット
 大元の基準電圧源にはLM399Hを使うことにしました。LM399Hについては前回のBlog(←リンク)などを参照してください。 温度補償型のツェナ・ダイオードでも良さそうでしたが、実際に作って比較すると安定するまでの時間はLM399Hの方が早い印象もあり、安定性でも優れているのは間違いありませんでした。

 もちろん、本来の性能を発揮させるためには部品の吟味が大切です。 選定を誤れば十分な性能が得られないでしょう。

 LM399Hを使う際の課題は得られる電圧がばらつくことにあると思います。 予備実験として、手持ちにあったものを簡易的に動作させて個々の発生電圧を記録することから始めました。 評価方法はデータシートに記載がある通りです。 具体的には+15Vの電源から7.5kΩの抵抗を通して電圧を与え、ピン1とピン2の間の電圧を実測しました。 もちろん、LM399Hのオーブン回路にも+15Vを与え、30秒以上経過しておおむね温度が安定したところで電圧を読み取って記録します。

 LM399Hの実測でいくつかのことがわかりました。 ブレークダウン電圧(発生電圧)は低温時から高温(安定温度)に達するまで変化が見られ、その変化の大きさは個々に違いがありました。 目見当ではありますが観測していると違いがわかります。 安定状態に達すれば一定の温度に保たれるはずですが、実際には外気温の影響を受けて僅かながらの温度変化は存在するはずです。そのわずかな影響で電圧変化しやすそうなものと安定していてくれそうなものがわかってきます。 そのほかノイズに起因すると思われる「ゆらぎ」も見ていると違いがありました。

  記録した中から設計しやすそうな電圧であって、なおかつ温度の影響が少なそうで揺らぎも小さいものを選ぶわけです。 こうした希望に沿うものは全体の1/3くらいの感じでした。 普通は3つ買ってその中から良さそうなものを一つ選ぶくらいで満足できると思います。

 【10.000V基準ユニット回路図
  回路設計はデータシートの数字ではなく、先の予備実験で得られた電圧に基づいて行ないます。 現物合わせの設計は量産品では許されないことですが、一品料理ですからなんでもアリです。 以下の説明は左図のFig.1に基づいています。 なお、Fig2は集合抵抗を使う例で後ほど触れます。

 何を設計するかと言うと、回路の増幅度を決める抵抗値とその調整方法です。 いくら温度特性の良い抵抗器を使ったとしても、電圧を調整する部分で性能の低下が起こります。 調整なしというわけにも行きませんので、その影響が最小になるように設計します。

 具体的には温度係数の良好な固定抵抗だけで極力最終目的の電圧:10.000Vに近い電圧が得られるように設計します。細かな抵抗値を特注できれば良いのですが、そうも行きませんからできる限り標準的な抵抗値・・・例えば10kΩ・・・だけを使います。その代わり何本か並列や直列に使うことは許容します。

 その上で、なるべく狭い可変範囲で目的の電圧に追い込めるように調整範囲を決めます。 方法にもよりますが、そのようにすれば主たる抵抗器・・・この抵抗器は温度係数が小さいもの・・・との抵抗比だけ温度係数に対する影響を軽減できるでしょう。

 主たる抵抗器:Aの温度係数が仮に10ppm/℃としましょう。 電圧調整のための可変抵抗を含む抵抗器:Bは100ppm/℃だとしましす。 もしこれらの抵抗器:Aと:Bの抵抗比が100倍あるとすれば、性能の良くない方の:Bの抵抗器の全体への影響はおおよそ1/100にすぎないことになります。 上手に設計すれば全体の性能は:Aの抵抗器によってほとんど決まってしまいます。電圧調整の部分による温度特性の劣化はそれほど気にする必要がなくなります。( この設計例では:Aは6,250Ωで:Bは67Ωなので約1/93になっています)

 もちろん、これを実現するためのポイントは温度特性の良い固定抵抗器だけでできるだけ目的の電圧に近づくように設計しておくことにあります。その時に事前に実測しておいた発生電圧の数値が役立ちます。 もし温度特性が優秀な固定抵抗器がなくても、図のFig.2のように温度トラッキングが取れている組み抵抗をうまく使って作ることができます。そのような際にも電圧調整の部分については同じような効果が期待できます。(試作例を後述)

参考:LM3999ZはオーブンのヒータとツェナーのGNDが共通端子のため、この回路には使えません。前のBlogにあったように定電流源を併用する方法で使います。

 【10.000V基準主要部
 OP-Amp(OP-07CZ)やLM399HにはICソケットを使いたくなりますが、直接がっちり半田付けするに限ります。

 この回路のようにppmオーダーの安定性を追求する回路にICソケットなど使えば必ず「不安定さ」が現れます。 初期は良いとしても時間の経過でどうしても接触状態に変化が現れますからソケットのようなものを使うのは好ましくありません。 言うまでもありませんがブレッドボードでは試作はともかくとして恒久的な使用には全く不向きです。

 しかるべき筐体に組み込みますのであまり心配はないのですが、LM399Hの脚部に風が当たると微細な電圧漂動の原因になります。 写真のようにチューブで覆ってやります。 LM399Hは自身で発熱して温まりますから空気の流れの影響を受けやすいものです。

 【10.000V調整部
 電圧調整部分です。 ここで使用したLM399Hの発生電圧は:Vz=6.643Vでした。R2=12.5kΩ、R3//R4=6.25kΩでは出力電圧:Vo=9.9645Vです。 これを10.000Vにするには、R3//R4を大きくする必要があって、計算によれば約67Ωだけ追加する必要があります。この追加部分に電圧の微調整を設けるのです。(注:R2〜R4を実測しておき、必要に応じて補正量を加減します)

 ただしこの67Ωを可変抵抗器だけで得てしまうと可変範囲が広すぎるだけでなく不安定になるでしょう。 多回転の可変抵抗器を使うと調整は楽にはなるのですが、可変抵抗器は本質的に不安定ですから安定度の点では好ましくありません。可変できる部品は自然に変化する可能性もあるわけです。 必要な抵抗値はわかっていますから、もっと狭い可変範囲でも大丈夫です。 ここでは温度特性が良い50Ωの固定抵抗器(写真中央)と、サーメット型の50Ωの可変抵抗器の組み合わせ(直列)で可変範囲をできるだけ狭めることにしました。(参考:R3//R4の値が計算値よりも大きい時は補正のための抵抗+VRは並列に入れます。この場合、抵抗+VRの抵抗値はかなり大きな値となります)

 電圧の調整範囲は20mV程度ありますから十分な可変範囲です。 実際にも支障なく調整できました。 微細に合わせようとすると調整は多少クリチカルになるので多回転型の可変抵抗器を使うと楽かもしれません。 しかし現状でもそれほど難しくはありません。 電圧の安定性も良好です。 また、将来しかるべき校正の機会があった時に十分な調整範囲があります。 現状では真の電圧値(=10.000V)に対しておおよそ±2mV以内にありそうです。

 以上のように、使用するLM399Hを実測して得た発生電圧に基づいてピンポイントの設計を行なうことで、安定で調整しやすい回路が実現できます。一品料理ならではの製作手法でしょう。 

10.000V基準ユニット裏面
 10.00V発生ユニットの裏面(ハンダ面)です。 数本の裏面配線がありますが、ツェナ・電流のリターン配線などピンポイントで結びたい部分に使っています。 流石にこの基準発生回路くらいの精度になると電流が流れる部分に僅かでも共通インピーダンス(配線抵抗)が存在すると無視しえません。

 LM399Hのオーブンの電流とOP-Ampの電源電流は比較的大きいため、別系統のGNDラインに流すようにしています。
(注:写真は改造前のもの。現状はGND系の配線に多少の変更があります)

集合抵抗を使った10V基準器
 温度係数が極力小さい抵抗器が手に入れば問題ないのですが、実際には納期やコストの点でなかなか難しいものです。

 一つの方法として集合抵抗器をうまく使う手があります。 写真はそうした一例です。 上に示した回路図のFig.2に相当する試作例です。

 写真に見える集合抵抗は手持ちにあったものです。調べてみたのですが温度係数や温度トラッキングの性能は不明でした。 意図した性能が出せるか心配だったのですが、思った以上に良好でした。 温度係数のトラッキング特性がカタログに明示されいる集合抵抗も市販されています。 それらは単独では100ppm/℃くらいの温度係数があるので、そのまま個々の抵抗器として使ったら旨くありません。 しかし、OP-Amp回路のようにゲインが抵抗比で決まるような回路なら負帰還回路に使う抵抗器の温度係数がよく揃ってさえすれば支障ありません。

 集合抵抗器には端子が独立した抵抗器が並んだものと、全ての抵抗器の片側が共通端子になっているものがあります。前者の方が自由度があって使い易いのですが、この例のように一端が共通端子になったものでも旨く使えることがあります。 1:2や1:3・・・1:nと言った抵抗比なら簡単に実現できます。 この例では1:2で使っています。  写真の性能が不明な集合抵抗でも十分いけそうな温度安定性だったことを報告しておきます。

 【出力アンプユニット
 前回のBlog(←リンク)の回路図にあった出力アンプの部分です。 基本的に同じ回路なのですが、ゲインが1倍と2倍に切り替えられるように変更しました。 このゲイン設定の抵抗器にも温度係数が小さいものを使います。必要なのは同じ抵抗値の抵抗器2本なので集合抵抗でもうまく作れます。なお、ゲイン1倍の時には抵抗器の温度係数の影響はほとんどありません。

 基準電圧発生ユニットから得られる電圧は最大10.000Vです。 活用範囲を広くするため、ゲインの切り替えを設けることにしたのです。 簡単な変更によって最大で20.000Vまで出せるようになります。

 ただし、Op-Ampの電源電圧が±15Vでは+20Vは取り出せません。 +25Vくらいの片電源を与えれば+20Vまで出せるのですが、こんどは0V近くの電圧が出せません。 そこで少々変則的な電源電圧ですが出力アンプユニットには+25Vと-5Vの電源を与えることで解決しました。 後ほど説明する電源ユニットでは+25Vと-5Vを作ることになります。

 この部分のOP-AmpもICソケットは使いたくないのですが、外に配線が引き出されるため使用中に破損する恐れがあります。 簡単な保護回路は設けていますが万全ではないため交換可能にしておく方が安心です。 支障があればソケットはやめてハンダ付けしてしまうつもりですが、取り敢えず様子を見ることにしました。 このユニットでは数10mVまで扱う必要があるので、OP-Amp:OP-07CZにオフセット調整を設けます。これによって常温付近でのオフセット電圧は10μV程度に収まります。これで小さな電圧を出力するときの安定度向上が期待できます。

出力は20.000Vまで
 仮のテストですがこのように20.000Vまで出力できるようになりました。

 最大20Vのワンレンジにしてしまうと低い出力電圧における電圧設定分解能が悪くなってしまうため最大10Vと最大20Vの2レンジ切り替え式で作ります。

 20Vまで出せますと活用範囲もだいぶ広がるように思います。 最大出力電流は現状では10mAくらいです。 電源回路に幾らか余裕があるので50mAあたりまで増強することは可能でしょう。 PNP/NPNのコンプリメンタリトランジスタを補って最大電流を拡大することは十分可能です。 出力アンプユニットには幾らか余白があるので必要に応じて改造したいと思っています。

 【30V電源ユニット
 +25Vと-5Vの安定した電源電圧を発生するユニットです。 使用した電源トランスの電圧がやや高めだったので工夫が必要でした。

 使ったのが有り合わせのトランスですからちょうど良い電圧が得られるわけでもありません。 簡単に済ませたかったのですが、意外に大掛かりになってしまいました。(笑)

 トランスの18V+18Vの巻線をブリッジ整流して得られた約55VDCから安定化された+30VDCを得ます。 その30Vをアクティブ・ディバイダ回路で+25Vと-5Vに分割する形式で必要な電圧を得ています。 +25V側の電流値の方が-5V側よりも必ず大きくなるため、それを考慮して幾らか簡略化しています。詳細は次の回路図でどうぞ。

 【30V電源ユニット回路図
 まず初めに安定した+30Vを作ります。 PNPトランジスタを使ったコレクタ出力形式の安定化電源回路です。

 この回路では基準となるツェナ・ダイオードに流す電流を電圧が安定化された出力側から得ています。 そのため入力電圧変動に対する電圧安定度は良好です。 そうしたメリットがある反面、立ち上がり特性を考えておかないと電源投入時にオーバーシュートして瞬間的に高い電圧が出力に現れる可能性があります。 昔々の話ですが若かったころこの回路を使ったところそうした配慮が不十分だったため設計審査で問題になったことがありました。教訓を込めてこの回路を採用しています。 スタートアップ特性を観測していますが今度は問題ありませんよ。(笑) ツェナ・ダイオードには中グレード品ですが温度補償型の1S550を使いました。ちょうど10mA流すようにしています。一般的な9V程度のツェナ・ダイオードでも十分でしょう。

 整流・平滑した後の電圧がかなり高いことから、大半のOP-Ampは耐圧オーバーで使えません。 もちろん、補助の電源を用意するなど回路的な工夫で解決はできますが部品が増えます。 ここではモトローラ製の高耐電圧OP-Amp:MC1436Gを使いました。電源電圧は±30V(=60V)まで許容できます。 このOP-Ampは長いこと部品箱に眠っていたもので、この機会に使ってみたのですが1970年代の設計らしく流石に古典的で欠点がありました。 +Vccあるいは-Vee近くの電圧が出力できないのです。簡単にいえば高い電源電圧の割には大きな出力が取り出せないのです。
 もちろんレール・トゥ・レール出力のOP-Ampでもなければ、電源電圧いっぱいまで出力を振れないのは当然です。それでもレールの±2〜3V内側までなら振れるのが普通です。 ところがMC1436Gは±5〜6Vくらい内側までしか振れませません。 そのためこの電源回路ではPNPトランジスタのドライブが旨くできず、12Vのツェナ・ダイオードでレベルシフトして対処しています。(9Vのツェナ・ダイオードでも可)
 有るもので間に合わせたツケと言った所でしょうか。 すこし部品が増えても高耐圧OP-Ampではなく、一般的なOP-Ampで済むように回路側で工夫をした方が好ましいです。

 30V電源部分に続くアクティブ・ディバイダ回路はあまりなじみがないかもしれません。この回路で30Vを25Vと5Vに分割します。トータルの電圧を任意の比率に分割したい時には便利です。分割したポイントをGND電位と考えることによって+25Vと-5Vの電源となります。 単純な抵抗器での分圧と違って、+側と-側の負荷電流が別々に変動しても分割比は一定に保たれるように動作します。 なお、使っているOP-Ampが741タイプですからプラスおよびマイナスの電源電圧近くへは分圧できません。 具体的には、+30V電源のマイナス極をゼロ基準として+3〜+27Vくらいの設定が良いところです。  ここでは+5Vの位置ですので余裕のある動作範囲です。分割したポイントをGND基準にとるとマイナス側へは-5Vとなります。 これでプラス側へ+25V、マイナス側へは-5Vの電源が用意できたわけです。

 もし目的に合った電圧タップのないトランスしか用意できなくても、このような回路を使えば必要な電圧を得ることができます。 ただし各電圧の消費電流に大きな違いがあると無駄な電力損失が増えます。したがって全体的に負荷電流が小さな電源に適していると思います。

 少々電源ユニットが大掛かりになってしまいました。各ユニットに安定していてノイズの小さな電圧を供給したいと考えたためです。 この目的にマッチした電源ユニットが作れたと思います。いくらか窮屈でしたが基板1枚に収まったので良しとしましょう。 PNP型のパワートランジスタが2つ外付けになります。いずれも消費電力は小さいので特別な放熱機は必要なくて簡単にシャシへ放熱する程度で十分です。 手持ちの関係で2SB509E・・・パッケージはTO-66型を使っていますが、Vcbo < -60V、Ic = -1A、Pc = 5W、hFE = 100くらいのPNP型なら何でも良いと思います。TO-66は実装が面倒なのでフルモールド型のTO-220型PNPが良いと思います。(PNP型でもゲルトラはやめましょう)

 なお、新規に電源トランスを購入するならば電圧は15V+15Vで電流容量が0.3A程度のものが良いと思います。 電源回路の変更は必要ありません。

                  ー・・・ー

 以上、各ユニットのポイントなど大雑把に書いてみました。 文章には書かれていないような工夫もあったりしますが、常識の範囲や逆にあまり一般的でないような話は省いています。 作ってみるような人は稀だと思いますがもしわかりにくい所があればメールでもどうぞ。 追記や修正で改訂したいと思います。

                  ☆ ☆ ☆

 もう少し簡略にと思って始めたのですが「どうせつくるなら・・」という気持ちになってしまい、幾らか複雑化しました。 それでも実用性を向上させる変更は意味があるでしょう。 また、10.000V基準発生ユニットは全体から見てオーバースペックですが、何かの機会にトレーサビリティの確かな基準発生器と比較し校正することを考えて確実そうなものを作っておくことにしました。 この10.000Vは校正に備えて独立した出力端子を設けておくつもりです。

 さて、次はケースを決めて板金加工をしなくてはなりません。 いくつか「箱」の候補は見つけたので、次回の秋葉原行きの時に購入してきましょう。 いつも思うのですが、ケースの類は電気部品と比べて割高ですね。 適度なサイズのジャン測を解体して「箱」をゲットすると言ったような工夫も必要かもしれません。 しっかりしていてデザイン的にも適当なケースが得られる可能性があります。 フロントとリアのパネルを造り替えるくらいなら簡単ですから。 ではまた。 de JA9TTT/1   

(おわり)nm

8 件のコメント:

T.Takahashi JE6LVE/JP3AEL さんのコメント...

加藤さん、こんにちは。

標準電圧発生器、大作ですね。
ICの足の温度変化まで考慮するとかちょっと追試は難しそうです。Hi

10.000V調整部に温度特性が良い抵抗器と出てきますが、そういう抵抗器って市販されているのでしょうか?それとも構造的に良さそうな抵抗器から選ぶのでしょうか?

PS.3月2日にAliexpressに発注した標準電圧基板、まだ届きません(爆
明日届かなければOpen Disputeですw

JG6DFK さんのコメント...

おはようございます。今日の日中は天気が安定しそうで、花粉はそろそろ終わりに近づいてきているのではないでしょうか。私事ですが、昨晩はほとんど寝付けず、結局夜明け近くまで作業をしていました。別に急ぎでもないのに。おかげで、頭がボーッとしています(笑)。

何やら「超大作」ができそうですね。汎用部品の特性は必ずしも理想通りではないので、回路設計の工夫でカバーする必要がありますね。高精度が要求される部位では抵抗の温度係数が問題になりにくい工夫をするとか。オペアンプはドリフトの小さな品種を選択するのがベストなのでしょう。

私も、ケースの加工は以前にも増して面倒になってきました。電動ドリルドライバーのバッテリーがいよいよ寿命で、なお悪いことに交換用バッテリーの生産が終了してしまったので、もう本体ごと買い換えるしかなさそうですが、そのままになっています。

ここ最近は横着をして、複数個必要なものは自分で一度も加工せず、図面だけを引いて「一発勝負」で外注しますが、失敗したら怖いです(笑)。「一品物」でも同じように加工はしてくれますが、結構高く付くので悩ましいです。そこはプリント基板の試作と決定的に違います。

この先長くお使いになるでしょうから、ぜひFBなお顔に仕上げてください。

たまたまですが、私も電源つながり(?)でアナログプリアンプ用のDC-DCコンバータユニットを試作しているところです。先日発注したプリント基板はそれ用です。DC +12V入力、±12V出力ですが、精度は非常にアバウトです(笑)。ただ、スイッチングノイズは結構気にしています。これまでにさまざまなタイプをいくつも試作しました。

意図した動作はしているようですが、さらにベターなアプローチができそうなので、いずれもう一種類試作するかもしれません。

チップ部品とすっかり仲良くなりましたが、慣れると楽だと思います。リワークもハンダごての「二刀流」で比較的スムーズに(笑)。悲しいかな、今やスルーホール部品の取付でも拡大鏡が必要なありさまなので、そうなってくるとチップ部品だろうがなんだろうが同じです(爆)。

TTT/hiro さんのコメント...

JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんにちは。 まあまあのお天気なんですが、少々肌寒いです。

さっそくのコメントありがとうございます。
> 標準電圧発生器、大作ですね。
いえいえOP-Ampはたった4つしか使っていませんのでとても大作とは言えませんよ(爆)回路そのものもごく単純で教科書的なんですが・・・部品がね。

> 温度特性が良い抵抗器と出てきます・・・市販されているのでしょうか?
少々高価ですが10kΩのような標準的な値の抵抗器なら納期もかからず手に入ります。 特殊な値も特注で買えますがこちらは納期の確認が大切でしょうね。 Digi-Keyなどでも高精度抵抗器として売られているものは温度係数の記載がありますので同じ様に使えると思います。 アマチュアでも以前よりも入手はずっと容易になっていると思いますね。 E96系列もあるのでFBだと思います。

> 構造的に良さそうな抵抗器から選ぶのでしょうか?
手持ちの部品から採用するときは構造や特性など可能な範囲で吟味しますよ。手で触ってみて抵抗値がどれくらい変わるとか・・・。原始的です。(笑)

> 明日届かなければOpen Disputeですw
あの基準電圧発生基板は怪しい品だったのでしょうかね?? 割とマトモそうに見えたんですが・・・中華モノはなんか信用できない感じですね。 うまく解決できることを祈ります。

TTT/hiro さんのコメント...

JG6DFK/1 児玉さん、こんにちは。 スギ花粉はほぼ終わったそうですが今年はヒノキ花粉の飛散量が非常に多いとのことで・・・こちらも感じるので大変です。 もう少しの辛抱でしょう。

いつもコメントありがとうございます。
> 汎用部品の特性は必ずしも理想通りではない・・・・
大衆魚で美味しい魚料理を作ろうとするのと同じような感じでしょうかね。 味付けの吟味が美味しさの違いになって現れると思います。

> オペアンプはドリフトの小さな品種を選択するのがベストなのでしょう。
温度センサなど駆使して補償すると言った手もない訳ではありませんが、最初から温度特性の良い部品を使うようにするのがベストでしょうね。 その上でダメな時には補償という手で行くとか・・・・。 チョッパーOPアンプはドリフトフリーですがノイジーなのが問題なんです。

> 電動ドリルドライバーのバッテリーがいよいよ寿命で・・・
私の安物電動ドリルも電池がNGになったので分解して交換しました。 何だか交換用電池の方が高くついたような感じもしますがとりあえず使えるようになりました。

> ぜひFBなお顔に仕上げてください。
電源スイッチほか出力端子とポテンショメータくらいしかないのでデザインの工夫のしようがありません。 3・1/2桁のDPMなど付けても精度で負けてしまうので単なる飾りになってしまうし・・・。

> アナログプリアンプ用のDC-DCコンバータユニットを試作・・・
ローノイズが要求されそうなプリアンプの電源にDC-DCは難しそうですが、シールドとフィルタをきちんとやれば何とかなるんでしょうか? うまく行きますように!

> 今やスルーホール部品の取付でも拡大鏡が必要・・・
こちら、随分前からそういう状況です。 児玉さんもお歳を召されたって言うことでしょうか。(笑) お互い歳はとりたくないものですね。(まあ仕方がないです)

JA6IRK@岩永 さんのコメント...

JA9TTT/1 加藤さんこんばんは。

高精度電源、大作になってますね!
各デバイスの温特もシビアそうですね!
周波数の時と違って、当局的にはシビアな電圧を要求するアイテムがないので(多分)、はまってしまうことはないと思いますが、前回ご紹介されていた電圧基準ICのAD584ボードは入手してみました。品種はJHでしたが当局的には、デジタルテスターのズレの確認位しか用途が見当たらないのでこれで十分かと思っています。まだ使っていませんが。
ケースは、ジャン測を使うのはいいですね!
当局も2,3000円で購入したジャン測を自作GPSDOのケースに使用しています。
ちゃんとしたケースにれると長く使えるものになるので、この電源もぜひケーシングされてください。

TTT/hiro さんのコメント...

JN3XBY/1 岩永さん、こんばんは。 今日は本格的な雨のち快晴でした。 このところ気温の上下が激しくて体調維持が難しいです。hi hi

いつもコメントありがとうございます。
> 各デバイスの温特もシビアそうですね!
ほとんどの回路の場合、気になりませんが安定していて正確な電圧を得ようと考えるとどんな部品も変動するのが見えてしまいますね。 本格的には短期安定度と長期安定度、それに全体の温度係数など知っておく必要がありますが・・・。

> 電圧基準ICのAD584ボードは入手してみました。
無調整でそこそこの電圧が得られるはずですので役に立つと思います。 安定度も良いので電圧の安定を求められた時には基準にすると良いでしょう。

> ケースは、ジャン測を使うのはいいですね!
なかなかピッタリと言うものも見つけにくいのですが、しっかりしているのでFBだと思います。 市販品のケースの場合、構造がしっかりした物を求めると小さなものでも¥5k以上もしますので最も高価な部品になってしまいます。たかが箱なのに・・・。

> この電源もぜひケーシングされてください。
そのつもりで作っています。 とりあえず市販品ならコレと言うものは見つけました。(笑) 箱に入れないといずれジャンクに成り下がってしまいますね。

JR1QJO/矢部 さんのコメント...

加藤さん、高精度病はかなりの感染力がありますね。
ブログを読んで電圧の単位のボルトとはどんな定義か考えてしまいました。
原子時計みたいに環境によって変動しにくいものと考えていましたがやはり
調べると、今では原子時計の周波数を基準にしているそうです。

以前PSNトランシーバーを作った時、抵抗器を選別しても指の体温で値が
逃げて何を測定しているか分からなくなった経験があります。一桁精度を
上げるにはコストは同じ桁だけ上がる感覚でした。

最近ケースはもっぱらアルミダイキャスを使っています。多少コスト
がかかりますがシールドが効くし、堅牢かつ加工しやすいです。
現物あわせの為、ついつい買い込んで物置にケースストックを作って
しまいました。

現物あわせのいらない、3Dプリンターを使ったケースが最近当たり前の
様に使われていますが、データを送れば3Dプリント代行してくれる
ビジネスもありますね。ただプラスチックの精度がイマイチな感じです。

完成品を収めるケース選びも楽しからずや。

TTT/hiro さんのコメント...

JR1QJO 矢部さん、こんにちは。 今日は良いお天気でしたね。 初夏のような陽気でした。

いつもコメントありがとうございます。
> 高精度病はかなりの感染力がありますね。
電圧の方の高精度病はなかなか大変だと思います。 本格的にやるには高分解能のDVMはもちろんですが、標準電圧発生装置をトレーサビリティ付きで維持しなくてはなりません。 ちょっと個人レベルでは維持し難いと思っています。(笑)

> 今では原子時計の周波数を基準にしているそうです。
昔は標準電池を基準にしていたんですけれど、もうそう言う時代ではないんでしょうね。

> 一桁精度を上げるにはコストは同じ桁だけ上がる感覚でした。
普通の部品の範囲を超えた高性能を求めるととっても大変ですね。 なるべく高精度部品は使わないで、比較的容易に高精度が得られる「時間」へ変換すると有利なのでしょう。

> もっぱらアルミダイキャスを使っています。
しっかりしているものが多いので、ケースが変形したら困るような回路の収納には向いていると思っています。 例えば、VFOなんかですが・・・・LCでは作らなくなりましたが。hi

> ただプラスチックの精度がイマイチな感じです。
いずれ寸法精度も追求できるようになって行くのでしょうね。 世の中はそう言う方向になっていると感じます。

> 完成品を収めるケース選びも楽しからずや。
オーディオなんか、ケースやツマミがダサいと音まで悪く思われますから最もこだわるべきパーツだと思います。お金があればたっぷり楽しめる部分なんですけれどね。(爆)