【1D8-GTでオーディオ・アンプを作る】(製作編)
Introduction
I'm making an audio amplifier with a 1D8-GT, which is a battery tube with a combined diode, triode and pentode. This 1D8-GT has been in my parts box for ages, so let's wake it up!
The 1D8-GT was a vacuum tube made before WW2, so it's not as efficient as the battery tubes made later, but it's good enough for what I need. It should work well enough as an audio-frequency amplifier for a communications receiver using battery tubes, so let's give it a try right away.(2025.03.29 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【2・3・5極の電池管:1D8-GT】
乾電池を電源に使う真空管・電池管でラジオ(受信機)を作っています。その4回目で今回は低周波アンプ部を検討します。 日本では作られなかったようですからポピュラーとは言えませんが、低周波アンプ(Audio Amp.)に向いた電池管が手元にあります。 たしかネットのどこかで何かの製作例を見て手に入れたように思います。ずいぶん前のことで、1D8-GTは購入当時、高価な球ではありませんでした。 AESの古い2002年版プライスリストには$3.10-とあります。(AES:Antique Electric Supply 米国の部品屋)
RCA社の真空管データブックを探ると1940年版:RC-14にも記載があって第二次大戦前からあった球とわかります。 フィラメントは1.4Vで100mAです。標準的なプレート電圧は67.5Vあるいは90Vが必要なので電源効率が良いとは言えませんが、これ一本でスーパの第2検波と2段増幅の低周波アンプ部が構成できる便利さがあります。
後世の改良された電池管と違ってプレート電圧の割にあまりパワーは出ませんが100mW出るなら静かなシャックには十分ではないでしょうか。フィールドに出たら両耳レシーバ(ヘッドフォン)を使えばうるさいほどの音量が得られます。
mt管を使ったポータブル・ラジオでは「第2検波〜低周波アンプ〜パワー・アンプ」の部分は1S5-3S4のラインナップが標準的です。
オーソドックスに、これらmt管が確実なのかも知れませんがこの機会に永く死蔵されてきた1D8-GTを試します。 もちろんこれから1D8-GTを探す意味などなくて1S5-3S4のラインナップで十分ですからそちらをお薦めします。 さらに1S5-SFと3S4-SFならフィラメントは1.4Vx75mAで済むので省エネです。5極管の2段アンプになって低周波ゲインもたっぷり得られてラジオの感度もアップするでしょう。
☆
いまなお真空管アンプには静かながらも熱い人気があって持ち歩けるヘッドフォン・アンプを作りたいお方もあるようです。 電池の部分に工夫を要しますが現代の優れた電池、例えばエネループやリチウム電池,etcを使えば思った以上に長時間鳴らせます。
1D8-GTにmt管のようなスマートさはなく、かなり無骨ですが巧くやればむしろカッコよく作れそうです。 いまどきラジオなんかに興味はないけど、と言う若い貴方もアンプ作りに挑戦されてはいかが? 発熱しないので3Dプリンタで作った洒落たプラ箱でOKです。
【米国ホビー誌に見る1D8-GT】
左は1D8-GTを使ったシンプルなラジオの製作記事で、Radio Craftと言うホビー誌の1940年(昭和15年)7月号から引用しています。
この例では三極部をRFアンプに使っています。その後で二極部で検波して五極管のところでパワー・アンプします。 乾電池を内蔵しポータブルに作っています。持ち運んで聴くときには両耳レシーバの使用が想定です。大きなスピーカとアウトプット・トランスは持ち運びには適さないので外付けにして軽量化を図ったのでしょう。
そのまま作るのも面白いかも知れませんが低μ(ミュー)な三極管を使ったRFアンプでは碌なゲインは得られず、三極管でTGTP回路は発振の危険もあってちょっと心配のある構成です。 ダイオード(二極管)検波ゆえ負荷インピーダンスが低くて発振などしないのかも知れませんが・・・。 凝ったことにAVCまで掛けてあります。
米国において1D8-GTは戦前からホビーストに愛されていたようです。他誌にもこれを使ったラジオ記事が見られます。 多くはダイオード部で検波したあと低周波2段増幅する形式のようでした。 この回路例のように三極部をRFアンプに使うのとどっちが良く聞こえるのか比較してみたいところです。 何れにしても短いアンテナだけでは遠方のラジオ受信は無理でもっぱらローカル放送を試すと言ったホビー用です。
日本の場合、戦前にUX-111/Bと言う空間電荷格子四極管を使ったポータブルラジオが流行ったと言うお話を古老より伺いましたが、こちらも球が特殊なので田舎者に製作は困難だったでしょうね。それとスピーカは無理なのでマグネチック・レシーバで聴くスタイルだったはずです。試してみたくてもUX-111/Bなんて持っていないのが残念なところ。hi
ポータブルなラジオは日米を問わず昔っから少年たちはに魅力的だったのでしょう。 そう言えば今年2025年はラジオ放送開始から100年でしたね。 真空管式ポータブル・ラジオでノスタルジーに浸るのも感慨深いのかも。
【低周波アンプを作る:1D8-GT】
図はこれから製作する低周波アンプの回路図です。 1D8-GTを1本だけ使ったシンプルなアンプです。
1D8-GTには検波用の二極管が内蔵されていますがラジオの高周波部(I-Fアンプ部)とは別体に作る関係で使わない方針です。
1台のラジオとして纏める場合、1D8-GTをI-Fアンプ(中間周波増幅器)の近傍に置き、あまり配線を引き回すことなく直ちに検波できるよう作ればベストでしょう。
後ほどラジオの全回路図がありますが純真空管に拘るなら別ですが検波はゲルマニウム・ダイオード(1N34Aなど)がスッキリするように思います。その方が真空管の配置に自由度があって作りやすくなります。1D8-GTの二極部は五極部に「同居」しているのでフィラメント電流が損になることもありません。
低周波のパワー・アンプの場合、高抵抗をグリッドに入れるだけの「コンタクト・ポテンシャル・バイアス」ではうまくありません。 そのため、B+電池のリターン経路を使って一種のカソードバイアスのような方法でバイアス電圧を得るようにしています。 これは4球ポータブル・ラジオなどにも見るオーソドックスな手段です。ただしB+電源の全電流量の影響を受けるので、具体的に言えば、R4:1.5kΩは抵抗値の加減が必要です。
1D8-GTの五極管アンプ部(A級アンプ)は-5〜-6Vくらいのバイアス電圧があれば良いので、いまでしたらリチウム・ボタン電池2個で固定バイアスを作ったらスッキリします。 改造したいと思って電池ホルダなど部品を手配しています。 上手にやればこのリチウム電池は殆ど消耗しないのでかなり長期間使えるでしょう。
話の順序が前後しますが、入力信号は三極部で電圧増幅されます。 1D8-GTの三極部は増幅定数:μ(ミュー)はμ=25くらいしかありません。そのため回路を工夫しても10〜15倍の電圧ゲインが精一杯です。μが70とか100もある6Z-DH3Aや6AV6のようなハイ・ゲインは得られないのです。 また、五極管はずっと電圧ゲインは大きいのですが、インピーダンス・マッチングのためにステップダウン・トランスがあってパワー・アンプ部としての電圧ゲインは思ったほどありません。 ただし微弱な入力信号でなければ大丈夫なのでヘッドフォン・アンプのような用途でしたら実用的なアンプとして使うことができます。
回路は簡単ですが、アウトプット・トランスなど大きな部品があってそれほどコンパクトに作れません。 大してパワーは出ないので、必要なインダクタンスがあれば小型アウトプット・トランスでも十分なのですが市販品はないのでそれほどコンパクトには作れないのです。
【出力トランスはT-600-12k】
アウトプット・トランスには東栄変成器のT-600から、1次インピーダンスが12kΩのタイプを使います。
もともと安価なトランスでラジオのような製作に向いたトランスでした。 残念ながら銅が値上がりし、人件費もアップしてきたのでだいぶ値上がってしまいました。 ただ、あまり適当な既製品もない現在、むしろ有難い存在といえるでしょうか。
使い方に実験的な要素が含まれています。 RCAの資料によれば1D8-GT(五極管部)の最適負荷インピーダンスはプレート電圧:Epによってかなり異なるようです。 一応、Ep=67.5Vで考えていますが、その場合は16kΩとなっています。 あるいは、むしろ低いプレート電圧で使うことも考えていて20kΩあたりが良さそうです。
動作点(バイアス電圧の大きさ)にも依るので、明確には決めかねていますが2次側の4Ω端子に8Ωのスピーカを接続する場合、1次側は12kΩの端子で使うのが良さそうでした。 一次インピーダンスも上昇しますが、インダクタンスはそのままですから低域の周波数特性は不利になります。 このあともう少し条件を変えながら最適なところを探ってみたいと思っています。
【元祖BBスタイルで】
真空管が大型なのもありますが、アウトプット・トランスのように重くて大きな部品もあるので、いわゆるブレッドボード(ソルダーレス・ブレッドボード)に作るのはやめました。 ホームセンタにあった端材の加工品を調達してきました。 土台に使います。
金属板のシャシがないと不安を感じるかも知れません。 しかしローゲインな低周波アンプですから、金属製のシャシに作らなくても支障はありません。 ある程度配線の引き回しを考えてやれば安定に動作します。
写真は形状の大きな部品の配置を決めて木板に固定して様子を見ている状態です。 もう少しコンパクトに作りたかったのですが売っていた適当な端材に作っている関係で思うようにはなりません。 材質はベニヤ合板で寸法は178x118x15(mm)です。角が丸めてあるなど、切りっぱなしの端材ではないので見栄えも悪くありません。¥200-くらいで買えます。 木板の底面には四隅にクッション材が貼り付けてあります。
余談:ラジオをシャシとアルミのパネルなり、本式の板金ケースに組むのはもうやめています。板金が嫌いというものありますが(笑) 実用品はもうたくさん持ってる訳ですし、後に自作のガラクタが残っても処分に困るだけでしょう。なるべく残らないようにしています。その趣旨から言えば「木板ブレッドボード・スタイル」も感心しませんが、そのままゴミとして捨てられても構わないということで採用しました。解体も簡単ですし部品の流用も効きますね。木板は可燃物ですから分解すれば危険ゴミも最小で済みます。そんな心配より集まったジャンクを何とかするのが先なんですけど・・・。
【入力ブロック】
入力の端子にはRCA・ピンジャックが欲しかったのですが、手持ちがありませんでした。 まあ、なんでも良いので3.5mmのイヤフォン・ジャックを使いました。 イヤフォン・ジャックに続いてゲイン調整の可変抵抗器:VRが付きますので入力ブロックとして組み立てました。
片面紙エポのプリント基板・端材を加工してジャックとVRを取り付けまました。 VRはそのままでは軸が長すぎたので切断してあります。
木板への固定は大きめのスタッドを使います。 木板に貫通穴を開けて長ビスで固定しています。 このあたりは手持ち部材の都合なので木ねじで止めても良いでしょう。 製作者各自の好みとか部品事情が反映できる部分です。
【USソケット周り】
回路図には書いてないけれど重要な部品が真空管ソケットです。 真空管ばかり集めてみてもソケットがなかったら使うのに困るでしょう。 真空管集めは転売が目的なんですか?(笑)
1D8-GTは8ピンのUSソケットと言うものを使います。 幸いなことに8ピンのUSソケットを使う電機部品はいまだに存在しており、プラグイン型リレーやタイマーなどシーケンス制御系の部品として残っています。 もう暫くは入手に困らないのではないでしょうか。
ソケットの固定には大きめのスタッドを使っています。 これも貫通穴で長ビスによる固定です。 トランスは重いので太めの木ねじで十分な強度が出るように締め付けています。 部品取付に使う平ラグ板も回路図にはない部品です。 これは木ねじで固定しますが、写真は配線を行なう前なのでまだ完全には締め付けていません。 平ラグ板はφ=6mm、h=8mmのベークライト製円筒型のカラーで浮かせてあります。
【端子台とラグ端子】
電源の供給とスピーカの接続には端子台(ターミナル・ブロック)を使うことにしました。端子台からの配線引出しには圧着端子も考えたのですが、使う配線材が細い関係でハンダ付けすることにします。
この端子台は秋月電子通商で購入したものです。 作りが良くて構造も悪くないのですが材質がハンダコテの熱で溶けるのが弱点でした。 うっかりコテ先が当たったら溶けてしまいました。 確か国産の端子台はベークライト系の樹脂なので簡単に溶けたりはしなかったと思うのですが・・・。 これはいま流行りの中華部品のようです。安価なのがメリットです。
ラグ端子(タマゴ・ラグ)は買い置きがありました。 なければ配線をそのままねじ止めすれば良いだけのことなので必須のパーツではありません。 ただし持っていればシャシからGNDを引き出すとか、様々な場所で使えますから揃えておきたい補助パーツでしょう。 地方で手に入りにくければホームセンタで売っている小ぶりの圧着端子で代用できます。
【グリッド・リングは自家製】
1D8-GT:三極部のグリッド電極は球の頭部に引き出されています。 一般的にグリッド・キャップ(プレートキャップとして売っていることもあります)を使って配線を接続します。
ちょうど良いサイズのグリッド・キャップの手持ちがなかったのでゼムクリップを加工して自作しました。 グリッド端子の太さは1/4インチで、metricで言えば6.35mmなのでそれに合わせて作ります。φ6.0mmのドリル刃に巻くと丁度良かったです。 (参考:UY-807、6146等のプレート・キャップはφ3/8インチ≒9.53mm。ほかにφ1/2インチ=12.7mmがあり)
大電流が流れるわけでもなく接触さえ安定していれば良いので自作品で十分です。 材質に適度なバネ性があるのでいい感じにフィットします。 グリッド端子なので触っても感電の恐れはないためカバー付きキャップでなくても危険はありません。
なお、電池管はぜんぜん熱くならないのでリングと引き出し線の接続はハンダ付けで大丈夫です。秋葉原が近かったら作ったりせずに買いに行くのですけれども・・・遠いです。 中華通販という手もありますが・・・。
【1D8-GTアンプ完成】
真空管1本だけの簡単な製作ですが、こうした形式で作ることは滅多にありません。 試行錯誤を繰り返しながら午後いっぱい使って楽しみながら配線を終えました。
昔のブレッドボード・セット(まな板セットとも言う)と言えば太い単線を使って直角配線で仕上げた見事な”芸術品”のような作例が思い浮かびます。 とても真似できないので、そうした作り方には拘らず信号の流れを考えつつあまり不合理にならぬよう配線を心がけました。 まずまず安定に動作するようですからこれでヨシとしましょう。 電池管を使ったラジオや受信機の低周波アンプとして共通に使うつもりです。
左に写ったミノムシ・クリップの付いたケーブルは他端がφ3.5mmのイヤフォン・プラグ(モノラル用)になっていてアンプへの入力信号の接続に使います。 どこかにプラグ付の作り置きケーブルがあったように思うのですがちょっと探せなかったのでやむなく新規で作りました。 つまらん製作ですが意外に手間が掛かってます。 ケーブル材は細い同軸ケーブル(75Ω)です。75Ωの同軸ケーブルは分布容量が少なくて好ましいのですが芯線が細くて切れやすいのが弱点です。ただし安物のシールド線と違ってシールド効果は抜群です。
【1D8-GTとT-600】
安定化電源から必要な電源:67.5Vと1.4Vを供給して動作させてみました。
最初から予想されていたことですが、ちょっと低ゲイン気味です。 まあ、それでも別のブレッドボード(前のBlog参照)に作ってあったコンバータ+I-Fアンプ部の検波出力に接続してみました。
NHK第1、第2、FEN、東京放送(TBS)、文化放送、ニッポン放送と言った在京の強力局はまずまずの音量で鳴ってくれました。 十分楽しめて普通の聴取に何ら支障はありません。 音の感じはベッドサイドのトランジスタ・ラジオとは違いますし同じアウトプット・トランスを使った真空管式ラジオともまた異なる印象を持ちました。
もちろんそれぞれスピーカが異なりますし公平な比較ではありません。 耳で聞く感じは悪いものではなくて中域がしっかりしたAMラジオらしい音と言ったら適切でしょうか。 ご贔屓アナのアナウンスが歯切れ良くそれらしく明瞭に伝わってきました。
残念ながらゲインが足りないため、いつも感度テストに使っているCRTラジオ栃木(1062kHz、足利サテライト、空中線電力:100W)は音量が足りません。 距離は近いんですが、たった100WのAM放送局ですからねえ。w その辺のHAM局にさえ負けそうなパワーです。(笑) 低周波ゲインがもうちょっと欲しかったですね。予想通りでした。
【フィラメントに異常はないが・・】
1D8-GTは2本手持ちがありました。実はそのうち1本は音が出てくれませんでした。
ゲッターは黒々していて真空が破れた訳ではないしフィラメント電流も正常値です。 念のため正常に点灯しているのか暗闇に置いて写真撮影してみました。 流石に100mAも流れる球なので暗闇で目を凝らして観察すれば肉眼でも点灯がわかります。 写真の長時間露出ではこのように写りました。
点灯状態は正常ですしガラス越しにルーペで観察すれば電極への溶接も大丈夫そうに見えます。それに三極部はちゃんとアンプとして動作します。 何でダメなのでしょうか?? 五極管部分にトラブルがあります。
【1D8-GT足ピンのハンダが!】
アンプ回路に入れて電流を確認してみます。ほとんどプレート電流は流れませんが、観察すると極わずかだけ流れるのでプレートは断線していないようでした。スクリーン・グリッドの電流も流れませんね。
何故だろうと思いつつ足ピンを拡大したら問題が見つかりました。(写真)
このピンは五極管のスクリーン・グリッドが引き出されています。 なるほど、スクリーンに電圧が掛かっていなければプレート電流はほとんど流れません。症状から考えてもこれが不具合の原因ですね。
しっかり接着されていてベース部分は容易に外せそうにありません。 引き出し線の先端部分を良く磨いてハンダ付けを入念に行ないました。 さっそく通電したら今度は快調です。 1D8-GTが2本活きていれば何時かステレオ・アンプが作れるかもしれません。
mt管とちがいGT管やメタル管は足ピンの部分がハンダ付けで組み立ててあるのでこうしたトラブルが起こるのです。 旨くなかったら足ピンのハンダも観察する必要アリです。
【電池管ラジオに纏める】
初めて扱う電子デバイスと考えて、特徴的な電池管をそれぞれ個々に動作させて評価してきました。 おおよそその素性は掴めたと思います。
個々の評価回路を繋ぎ合わせればラジオになる訳ですが、それでは見通しが悪いでしょう。 スーパ・ヘテロダイン形式の電池管式ラジオとして一つの回路図に纏めておきます。 *1は出力管のバイアス電圧発生用の抵抗器で要調整です。バイアス電圧が-5〜-6Vになるよう加減します。
A4用紙に印刷すると数字が小さくて見辛くなるので可能でしたらA3用紙に印刷されると宜しいです。そのまま画像で参照するのもお薦めです。 この回路はそのまま電池管式のラジオとして通用するはずです。大きなアンテナがあれば夜間になると遠方の局も良く聞こえてきます。
今回のBlogで扱った1D8-GTを使った低周波アンプ部はあまりゲインが取れませんでした。 そのため低周波部全体の電圧ゲインは2〜4倍程度になってしまいました。それでもスーパ・ヘテロダイン式の威力でとりあえず実用になるようです。強い局を受信すると検波出力は1Vpp程度得られますから結構大きくて、スピーカから出てくる音量として十分なものでした。
ローカル放送用としては問題ありませんが、ごく弱いラジオ局を受信する際にはゲイン不足を感じますので一般的な4球スーパ(電池管式)のように低周波アンプは五極管で2段増幅が良いでしょう。 ここではちょっと考えがあって1D8-GTで済ませますが本式に4球ポータブル・ラジオを作りたいのでしたら、オーソドックスなラインナップが間違いなさそうです。
例えば、1R5(コンバータ)→1T4(I-Fアンプ)→1S5または1U5(第2検波+低周波増幅)→3S4(低周波電力増幅)と言う構成です。 フィラメント点灯用A電池の省エネのためにPhilips/松下のDシリーズ管や国産の-SF管の採用もお薦めです。
☆
永く眠っていた電池管をAMラジオの回路で試すと言ったテーマで何回かBlogを連載しました。だいぶ様子がわかってきたように思います。 いずれ真空管ジャンクは処分される運命なので、それまでに少しでも通電して遊んでみるのが目標です。 次回はHAM用受信機に向けた付属回路の研究を予定しています。 クリコンとか切れの良いI-Fフィルタなど通信機の範囲へと広げられたら面白いと思っています。 ではまた。 de JA9TTT/1
*何かご質問とかご要望などあったらコメント欄でお願いします。
→私で可能な範囲で対応いたします。
(つづく)nm
2 件のコメント:
おはようございます。
きれいにまとめられ素晴らしいです。
直熱菅の澄んだ音が聞こえてきそうです。
こちら、直熱菅は33が一本だけありますが、たまに鳴らしています。
それから、クリップの応用はとても参考になりました。
JA9MAT 小町さん、おはようございます。 今朝の北関東は雨模様です。
さっそくのコメント有難うございます。
> 直熱菅の澄んだ音が聞こえてきそうです。
有難うございます。 あまり性能の良くない五極管なのでHi-Fiとは言えませんが歯切れの良い明瞭な音がしますね。
> 直熱菅は33が一本だけありますが・・・
33はずっとパワーが出る球ですからFBでしょう。 1D8-GTは100mWやっとというミニパワー。まあ、それでも結構大きな音します。(笑)
> クリップの応用はとても参考に・・・
プレートキャップが無くって窮余の策なんです。hi hi
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