【MC1648Pを使う】
7MHz PLL発振器を題材したPLL活用の第3回です。前回(←リンク)はPLL回路の各要素を概観しました。 今回はたいへん重要なVCOを集中的に扱います。 ループフィルタの設計が適切なら、あとはVCOの「良さ」が出力スペクトラムの「きれいさ」のほとんどを決めていると思っています。
写真のMC1648Pは非常に古いICです。 1970年代のはじめには登場していました。 しかしPLL回路のVCO用として優れていたため、以後多くの推奨回路に使用例がみられます。 デバイス技術の進歩で改良版も登場していますが中身の回路に大きな変更はないようです。 それだけ優れた設計だったということでしょう。 ここではMC1648Pをあらためて見直し、代替となる回路を探りたいと思います。
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【PLL回路のVCOに求められるものは】
PLL回路のVCO(電圧制御発振器)としては、電圧または電流と言った電気的な手段で周波数が変えられるような発振器なら何でも良いはずです。 ですからごく常識的なコルピッツ型やハートレー型の発振器でも良いでしょう。 実際、過去に作ってきたPLLではそうした発振回路を採用してきました。 中でもよく使われる回路としてコルピッツ型の一種「変形クラップ型」があって今回もテストしています。 しかし、PLL用にはそうしたポピュラーな発振回路よりもMC1648Pの方がずっと使い易いのです。 流石に長く使われているだけの意味はあるようです。
きれいな発振出力を得るためには共振回路を持ったVCOに限ります。 HF〜VHF帯ならLC発振器が、UHF帯以上ではストリップラインや誘電体共振器を使います。 場合によっては水晶発振子を使うこともあります。 いずれにしても周波数の可変には可変容量ダイオード(以下バリキャップと表記)を使います。 しかしバリキャップを発振振幅の大きな部分(例えばLC共振回路の部分)に接続するとダイオードとしての整流作用が働き、自己バイアスがかかるなど問題が発生します。 自己バイアスによって所定の周波数可変範囲が得られない、ループフィルタに電流が流れ込んでPLLの動作に干渉するなどの不都合が起こります。 これをうまくこなす方法もありますが、使いやすさの点ではLC共振回路(タンク回路)の発振振幅を約1Vppに抑えたMC1648Pに分があるように思いました。
写真は新旧のMC1648Pで右が新しいものです。右は最近になって購入したものですが安価とは言えず確実な入手も難しいようでした。 MC1648Pのメリットは認めますが、そのものを継続して使うのはあまり得策とは思えません。できたら代替となる回路を検討すべきでしょう。 まずはMC1648Pの動作を見直した上で代替回路を考えたいと思います。
以下、PLLで発振器を作ろうとすれば役立つかもしれませんが、VCOとして使うのではなくてバリコンで周波数可変するような一般的な自励発振器としてはほかの回路形式の方が優れています。 PLL回路にさして興味がなければこの先はお薦めしません。時間を無駄にしませんように!
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【MC1648PのVCO】
既出ですがMC1648Pを使ったVCO回路です。 発振専用のICなので内部で発振回路が構成されています。 あとはコイル:Lとコンデンサ:Cを使った共振回路を外付けするだけで確実に発振してくれます。 あまりQの低いコイルはC/Nが悪化するので感心しませんがそれほど難しく考えなくても発振はしてくれます。 特別High-Qにする必要もないです。
発振周波数の可変はLあるいはCのいずれを変えても可能ですが、電子式に可変したいならCを変えるのが現実的です。 可飽和特性を持ったフェライトコアを使ってコイルを作り、励磁巻線にバイアス電流を流してインダクタンスを可変すると言った方法がない訳ではありません。しかしメリットは少ないでしょう。 バリキャップでキャパシタンスを変える方法が現実的です。 ここではバリキャップとしてFC-52M(富士通)を使いました。 逆バイアス電圧を0〜5V変化させると端子間容量は約140pF〜20pF変化します。
バリキャップに加わる高周波電圧は1.2Vpp程度です。 逆バイアス電圧が0Vでは僅かに自己整流がありますが、0.5Vも加わればもう起こりません。 従ってバリキャップの容量変化特性から求まる周波数の可変範囲が実現できます。
MC1648Pの内部回路も含めて発振回路をもう一度見直しましょう。
左図はMC1648Pの等価回路がわかるように書いた図面です。 内部はたったこれだけの回路でしかありません。 しかも左側の半分近くはバイアス回路が占めており、さらに右側に出力のバッファアンプがあります。 実際の発振回路は中央部分にあるわずか2石で構成されているのです。 発振回路の分類としては「エミッタ結合型発振回路」の一種です。
温度特性を良くするとか、発振振幅を一定に保つと言った回路の工夫は見られますが、発振器の本質はたった2石の帰還型発振回路なのです。これなら簡単に代替回路が作れそうに思いませんか?(笑)
【MC1648PのVCO:出力波形】
MC1648Pは正弦波で発振していますが、出力波形は矩形波と正弦波が選べます。 Pin4のAGC端子とGND間の抵抗器を省き、コンデンサでバイパスするだけの状態で使うと写真のような矩形波っぽい波形になります。
Pin4とGND間に10kΩくらいの可変抵抗器を挿入して最適なポイントに調整すると正弦波に近い波形にすることもできます。 ただし発振振幅はやや小さくなります。
だいたい4.3kΩにすると大きめな発振振幅で正弦波にちかい波形になりました。 ICにはバラツキがあって、最適値は変化しますので波形を見ながら個々に調整すべきでした。
なお、発振そのものは正弦波状なので内部のアンプを通さずTank回路から直接取り出すと正弦波になります。
【可変容量ダイオード】
電子的に共振周波数を可変したり微調整する目的で様々な可変容量ダイオードが作られています。 現在では表面実装型が主流になっているようです。
参考のため手持ちのバリキャップを幾つかを並べてみましたが、見たところは小さな2端子もしくは3端子の電子部品です。普通のダイオードとあまり違いません。 3端子のものは2個が複合されたもので、カソード・コモンのものが多いようです。 これは2つ使って発振電圧による自己整流作用を軽減し周波数の可変特性を改善する方法があるからです。 3端子のものは最初からそのような目的に作られたものです。 ただし直列にすると容量は半減します。 もちろん片側だけ使ったり、2つを並列に使うと言った応用もできます。
バリキャップには大きく分けて3種類があるようです。 最大容量が20pFくらいの比較的小容量のものはかつてのアナログTVやFMチューナの自動周波数調整(AFC)用でしょう。 最大容量が20〜40pFのものは電子同調式FMチューナあるいはCATVチューナ用です。 CATV用は逆耐電圧が高くなっていて30V程度まで加えて使うものがほとんどのようです。 もう一つにAMラジオの電子同調用があります。 AM放送は周波数が低いため大きな同調容量が必要です。したがって最大容量は400pFくらいあります。 AMラジオだけでなく低い周波数での応用にも重宝します。
LC共振回路を使った電子機器は減少傾向にあるため、バリキャップにも廃止品が多くなってきました。 完全になくなることはないと思いますが、これからは表面実装型も含めて検討する必要があります。
なお、電源整流用のダイオードやツェナーダイオードなどをバリキャップの代用に使うことがあります。LEDを使っている例も見たこともあります。 いずれも端子間のキャパシタンスは小さめで、逆電圧であまり大きく変化しません。 そのため周波数の可変範囲は狭いのですが目的次第で活用できることがあります。
左図の赤い線はここで使用しているFC-52Mの実測特性です。 5V以下の電圧でも使いやすい特性です。 バリキャップのためだけに高い電圧を用意する必要がないのは有難いです。
また、左図の青い線は1SV228の特性です。 1SV228は一つのパッケージにダイオードが2つ入っていますが、片側の特性です。 もし直列に使うならグラフに示した値の半分になります。 この1SV228はFC-52Mの代替候補で現在でも入手できるものです。*1 FC-52Mよりも容量可変範囲は狭いのですが、このPLL発振器に使うには十分な容量変化特性です。 支障なく使えるでしょう。 こうした可変容量ダイオードの特性はLCRメータと可変電圧電源があれば容易に測定できます。
いずれのダイオードも、より広い容量可変範囲を得るには10Vくらいまで加える必要がありそうです。 しかし発振周波数がHF帯なら5V以下でも十分でしょう。
このFCシリーズでは最大容量の大きなFC-51M(150pF@Vr=1V)がHF帯でも低い周波数で、FC-53M(45pF@Vr=1V)と54M(25pF@Vr=1V)はHF帯の高い方に向いています。 中波帯や短波帯の低い方にはSVC321(430pF@Vr=1.2V)や1SV134(480pF@Vr=1V)が良いでしょう。 VHF帯には1SV103(CATV用40pF@Vr=3V)や1SV113(34pF@Vr=1V)が向いています。 もちろん、広い可変範囲が必要なければ周波数帯に関係なく容量の小さなバリキャップもVCOに十分使えます。
残念ながらここで使ったFC-52M(80pF@Vr=1V)はずいぶん前に廃止になっています。 直接代替可能なバリキャップは存在しません。 類似品で代替できますがVCOの特性はあらためて採りなおすことになります。 もちろん1SV228で代替する場合もVCOの特性は再測定になります。 しかし可変電圧電源(9Vの乾電池と10kΩのVRでも良い)とマルチメータ、それに周波数カウンタがあれば再測定は容易です。 無理して同じバリキャップを探すよりも簡単ですから積極的に代替すべきでしょう。
*1:1SV228は面実装型で秋月電子通商にて5個150円で購入。変換基板に実装して測定しました。価格は2018年9月現在のものです。
【トランジスタで作るVCO】
MC1648Pの内部を検討して発振回路のコアの部分はたった2石で構成されていることがわかりました。 ただし動作環境の変化などを考えるともう少し検討しておいた方が良いでしょう。
いくつか検討したところ、トランジスタ4つとダイオード1つの回路が良好でした。調整も容易です。 4つのうち発振に直接寄与するトランジスタは2つです。その2つは特に周波数特性の良いものを選びます。 ここではローコストながら周波数特性の良い高周波用の中華トランジスタ:S9018Hを使ってみました。 さらにバイアス回路へも品種統一の意味で同じS9018Hを2つ使いました。
バイアス回路の部分は2SC1815のような汎用品でも大丈夫だと思います。しかしS9018Hは安価ですから経済性は悪くありません。 S9018H の足の並びは2SC1815などとは違うので注意します。(下図参照) ダイオードはシリコンの小信号用なら何でも大丈夫です。 ここでは1S2076Aを使いましたが代替候補はいくらでもあります。
MC1648Pは数10円では買えませんが、S9018Hを4つと汎用ダイオード1つならコストは50円以下です。 性能はむしろ良いくらいですからお薦めできます。 ディスクリートは嫌いでどうしてもIC化したいなら後ほど実例があります。そちらもどうぞ。(笑)
このような回路になっています。 Q1とQ2が発振用トランジスタです。 Q3とQ4はQ1とQ2の動作電流を決めるカレントミラー回路です。 またD2はバイアス電圧を得るためのものです。
使用する周波数帯により動作電流を変えると最適化できます。 だいたい30MHzまでのHF帯なら図のままの回路定数で大丈夫です。 VHF帯以上でも使える回路ですが、その場合はR3を8.2kΩよりもう少し小さくしてQ1とQ2の電流を増やしてやります。 増やしすぎると発振振幅が増大し、バリキャップに加わる発振電圧が過大になります。 念のためQ1のコレクタをオシロスコープで観測し1.0〜1.5Vppの発振振幅になるよう加減します。オシロがなければ回路図のままでも十分です。
この発振回路はS9018HのようにfTの高いトランジスタを使ってコンパクトに製作すれば100MHz以上でも楽々発振できます。 しかもバリキャップの容量を変え、発振周波数が変わっても発振振幅はあまり変化しないのでPLL回路には使い易い発振器(VCO)です。
発振部のトランジスタはS9018Hに限りません。 低い周波数なら2SC1815でも問題なく発振できます。 もちろん高周波特性が良いトランジスタの方が有利です。 手持ちの中では2SC535、2SC668、2SC1923や2SC2668などが適当でした。
【Tr-VCOを7MHzのPLLに使う】
さっそくPLL回路に組み込んでテストしました。 周波数帯は同じく7MHzです。 PLL用のICにはMC145163Pを使いました。 もちろんTC9122Pと74HC4046を組みわせた回路構成でも大丈夫です。
MC1648PのVCOとほとんど同じですが、S9018Hを使った回路の方が回路自身のノイズは小さめです。 そのためスペクトラムを観測すると10dB近くノイズフロアが低下します。 発振信号近傍の状態はそれほど違いませんが広帯域なノイズが少ないのは評価できると思いました。 これはMC1648Pのように内部の出力アンプを通していないからでしょう。 1段でもアンプを通る回数が増えればどうしてもノイズフロアは上昇します。 MC1648Pは汎用性を持たせる意味でカスコード形式のアンプ+差動増幅のアンプという2段構成なので不利なのでしょう。 それなりのメリットのある回路構成ですがノイズの点では少し不利なようです。
このようなことから、MC1648Pの入手を試みるまでもなくトランジスタ4石で作ったVCOを第一にお薦めしたいと思います。 国産品のRF用トランジスタでもOKですが中華トランジスタで作ればコスパも抜群です。
7MHz帯のPLLに採用した例です。 トランジスタを使ったVCOも使い方はMC1648Pと同じです。
トランジスタ式はAGC回路がないので、温度変化や電源電圧の変動に幾らか弱い傾向があると思います。 しかし、カレントミラー形式にしたので抵抗分圧でバイアス電圧を得る方式よりもずっと安定です。 図では電源経路からのノイズやリプルを軽減する目的でローカル・レギュレータを設けています。 発振出力をきれいにする効果もありそうですが、実験に使っていた安定化電源のDCもきれいだったので極端な違いは見られませんでした。
この回路例ではMC145163Pで10.240MHzを発振させたので、10kHzステップでしか信号は得られません。 10kHzの間を連続的にカバーしたいなら、このBlog特集の初回(←リンク)にあった様なVXO形式の基準発振器にします。 またMC145163Pの代わりにTC9122P+74HC4046+74HC4060を使った第2回(←リンク)のような回路構成も可能です。 手持ちを有効活用されることを希望します。
ループフィルタのあとのバッファアンプ(OP-Amp)はLMC6482AINを採用して近代化しました。 すこしローノイズになったように感じます。 ICL7621DCでも大差はなかったので類似のC-MOS OP-Ampならなんでも間に合うかもしれません。 入出力ともレール・トゥ・レール型のOP-Ampを使ってください。
# 詳しい回路説明や、そのほかのパーツについてはPart 1およびPart 2のPLL回路などを参考にして下さい。
【 Tr-VCOを使った7MHz PLL:特性グラフ】
VCO特性の話しです。 制御電圧対周波数の関係がVCOの特性になります。一旦PLLのループを切り離してVCO部を単独で測定します。 このグラフは上記の7MHz PLLのトランジスタを使ったVCOの測定結果です。 言うまでもありませんが、MC1648Pおよび同タイプのVCOでは類似の特性になります。
左図は回路図中にあるコンデンサ、C21を変えながら採取した特性です。 C21はコイルに並列になりますので、容量を増やすと周波数が下がるとともに、制御電圧による発振周波数の変化量も抑制されます。 以下Cpとあるのは、回路図のC21のことです。
バリキャップにはFC-52Mを使っています。 すでに見たバリキャップの電圧と端子容量の特性がそのまま現れたような特性になりますが、実際にはストレー容量やデバイスの端子間容量が存在するため計算から精度よく発振周波数を求めるのは困難です。
したがって、VCOを試作してから実測するのが現実的でしょう。 量産するような場合はバラツキも考慮する必要があります。 VCOの発振周波数範囲は必ずPLL発振器で発振させたい範囲をカバーしている必要があります。さらにある程度の余裕も必要です。 ただし、必要以上に周波数の可変範囲が広いVCOはきれいな信号を得にくい傾向がありますからむやみに可変範囲の広いVCOは良くないです。
もし複数の周波数帯で使いたいなら、一つのVCOで広い(複数の)周波数範囲をカバーさせるよりも周波数帯ごとに幾つかVCOを切り替える(コイルを切り替えても良い)方法がベターでしょう。
VCOの特性は:Kvで表されます。 計算式は:Kv=2π(fmax-fmin)/ΔVcです。 単位は(radian/volt)です。 ΔVcと言うのはfmaxになるときの制御電圧:VcとfminになるときのVcとの差電圧です。 このグラフではVc=0V〜10Vまで可変していますが、その範囲の全部が使えるわけではありません。 Vc=0V付近はバリキャップの自己整流による影響が現れやすくなります。 また5Vを超えた部分は周波数変化が少なくなっています。 この様な部分はなるべく使わない様にすべきです。 ここではVc=0.5V〜4.5Vの範囲と考えるのが適当でしょう。ΔVc=4Vになります。 並列のコンデンサ:Cp=47pFとすれば、Vc=0.5Vのとき、fmin=6.847MHzです。 またVc=4.5Vのときはfmax=8.972MHzでした。
したがって、Cp=47pFのとき:
Kv=2π(8.972-6.847)×10^6/(4.5−0.5)=2π(2.125×10^6)/4
≒3.338×10^6 ・・・・・(radian/volt)となります。(Cp=C21=47pFのとき)
Cp=33pFのときは:
Kv=2π(9.631-7.131)×10^6/(4.5-0.5)=2π(2.500)×10^6 /4
≒3.927×10^6・・・・・(radian/volt)となります。(Cp=C21=33pFのとき)
また、Cp=22pFのときは:
Kv=2π(10.383-7.386)×10^6/(4.5−0.5)=2π(2.997×10^6)/4
≒4.708×10^6 ・・・・・(radian/volt)となります。(Cp=C21=22pFのとき)
さらにCpを入れないときは:
Kv=2π(12.328-7.987)×10^6/(4.5−0.5)=2π(4.341×10^6)/4
≒6.819×10^6 ・・・・・(radian/volt)となります。(Cp=C21=なしのとき)
ここでは7〜8MHz帯のPLL発振器を作るのが目的です。 従ってCp=47pFが適当です。 全体的にもうすこし周波数を下げたい感じもするので、コイルのインダクタンスを増やすと良さそうです。その場合は特性の再測定が必要です。
なお、VCOの回路図にはコイル:L1のインダクタンス値が書いてあります。 その値とCpの値、さらにFC-52Mの容量特性から共振周波数が計算できます。 しかし計算値と実測値は一致しません。これはブレッドボードのストレー容量やトランジスタの電極間容量が存在するからです。 周波数の実測に基づき逆の計算から求めるとストレー容量は20pF近くあることがわかります。 これはブレッドボードの分布容量の実測からも十分納得できるストレー容量でした。 プリント基板化するとストレー容量は減少するので注意が必要です。
VCOの定数:Kvは計算からもある程度求めることができますが、現実にはストレー容量などの影響もあるので実測で求めるべきです。 そうすればPLLとしての設計精度は向上します。 場合によっては並列容量:Cpをトリマコンデンサにしてストレー容量の変化を吸収するような設計も必要かも知れません。 しかし手作りの一品料理でしたら実測から求めておくのが現実的でしょう。
もちろん、まったく新規にVCOを設計するなら、まずは必要な発振周波数の範囲を決めます。 必要なバリキャップの容量変化比は上端周波数と下端周波数の周波数比の2乗ですので、十分な容量変化量が得られるバリキャップを選択します。 例えば5〜6MHzの発振範囲とすれば、周波数比は1.2倍ですから、バリキャップの容量変化比はその2乗の1.44倍以上必要です。 具体例として、例えば0.5V〜4.5Vの変化で、容量が1.44倍以上変化するようなバリキャップを選びます。 その後、バリキャップの容量特性および発振周波数比と下端周波数などからTank回路のインダクタンスや並列容量を計算します。 もちろん、インダクタンス値や並列容量Cpなどは目的の発振周波数において合理的な値の必要があります。 さらに得られた回路定数でVCOを試作測定してKvを求めれば完全です。(追記:2018.09.11)
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MC1648Pの考察と、それを模したトランジスタ式のVCOについて調べました。 あらかたの用途では代替のトランジスタ式VCOで満足できます。 従って、以下はまったくの蛇足なのですがVCOのIC化を試みた記録として紹介しておきます。
【μA703を使ったVCO】
実験を始めた当初、MC1648Pは入手難だったので代替を試みたのがこの回路でした。 μA703はフェアチャイルド社のFM-IFアンプ用のICです。 内部構造は非常にシンプルで、上記のトランジスタで作ったVCOをそのままIC化したような構造です。
実はそれは話が逆で最初はこちらから実験を始めたのです。 その結果がなかなか良かったのでトランジスタ化の方向へ進んだのです。 昔のようにμA703が容易に入手できるならこの回路も良いのですが、すでに過去のデバイスになっていて入手は難しいでしょう。 無理に手に入れようとすれば金銭的な解決になってしまいます。 上記トランジスタ式VCOとはコスパの点でも勝負にならないでしょう。(笑)
【μA703を使ったVCO:回路図】
簡単な回路とは言えさすがにICです。 回路はすっきりします。 μA703はFMチューナの世界では定番だったのでしょう。 たくさんのメーカーからセカンドソースが登場しました。
たとえば東芝のTA7060Pはパッケージ違いの同等品です。 回路図中にあるように接続して使えばそのまま代替できます。 さらにTA7060Pのセカンドソースとしてローム社のBA401がありこちらも同じように使えます。 NECのμPC555AはμA703の互換品でした。 しかしどのICも遠い昔に廃番なので入手は困難です。 稀にオークションに登場するらしいですが入手難から高騰するためとうていお薦めできません。 もしも手持ちがあったなら試してみる程度が適当です。
MC1648Pを模した回路になっていますが周波数特性はやや劣るようです。 200MHz以上の発振はできないようでした。100MHz以下で使うのが適当でしょう。 できたら50MHz以下が間違いないようです。
【TA7069Pを使ったVCO】
TA7069PはRCAのCA3028AもしくはCA3053Aと類似の等価回路になっています。 差動増幅器とバイアス回路からなっており、TA7060Pとも類似ですがFM-IFアンプ専用ではなくてもう少し汎用性があります。
このTA7069PでもMC1648Pを模した発振回路を構成することができます。 当然ながら上記に書いたCA3028A,etcでも同じことができます。 さらにCA3028AのセカンドソースであるTA7045Mも使えます。
しかしどのICも古典的すぎるでしょう。 もしたくさん手持ちがあって使うあてもなく持て余しているのでしたら活用の機会かもしれません。 ただし新たに購入してまで使うようなパーツではありません。 周波数特性は上記のμA703を使う例と類似ですので50〜100MHz辺りまでが適当です。
【TA7069Pを使ったVCO:回路図】
TA7069Pはこのように使いました。 バイアス回路の一部が内蔵されていないため、外付けで補います。 そのようにすればTA7060Pと同じように使えます。
何か特別なメリットでもあれば良いのですがこれと言って無さそうでした。 TA7069Pはたまたま昔使った残りがあったので試すことができましたが、これから手に入れても仕方ないでしょう。 TA7060PやμA703よりも使用量の少ないICだったようです。 こちらも手持ちがあれば試す程度が宜しいと思います。
でき上がったVCOの性能はまずまず良好でした。 十分使い物になると思います。
【LA1600を使ったVCO】
LA1600はラジオ用のICです。それをVCOに使ったら可哀想かもしれません。 LA1600はスーパー・ヘテロダイン形式のラジオです。 そのため局部発振回路(Local OSC)が内蔵されています。 それをVCOとして使うのです。
ちょっと可哀想かもしれませんが経済性は悪くありません。 今のところ100円前後で購入できます。 MC1648Pに手を出すよりも安価でしょう。 必要な外付け部品も少ないので使いやすいICでした。 ただ、遊びピンだらけでせっかくの高機能ICがちょっぴり忍びない感じもしました。(笑)
【LA1600を使ったVCO:回路図】
LA1600を使ったVCOは経済性だけではないメリットもあります。 内部の等価回路は公開されていないので詳しくわかりませんが、MC1648Pと類似の発振回路になっているように思います。 さらに発振振幅が一定に保たれるような工夫もされているようです。 このため、性能の面から見てもVCOとして悪くないと感じました。
LA1600はたくさんの回路が内蔵されています。VCOとして使う際は未使用の回路が中途半端に動作しないよう気をつける必要があります。うっかりするとノイズ源になります。 回路図のように使えば大丈夫なようでした。 発振部とも関連があるためRFアンプ部分はノイズ源にならぬよう特に注意が必要です。 IFアンプ以降は単純にピンを遊ばせておけば動作しなくなるようです。
LA1600はもともと短波帯のラジオが作れます。従って30MHz以下なら動作は確実でしょう。 それ以上の周波数はデバイスのばらつきにより違いがあるようです。 特に高い周波数では確実に発振できるか実験的に確認する必要がありそうでした。
AMラジオや短波ラジオは同じICで1〜2台も作れば飽きてきます。 LA1600はラジオ作りには便利ですし安価ですから買い溜めているかも知れません。 調べたらまだ10個くらい持っていました。この先LA1600で幾つもラジオを作ることはないでしょう。 VCOへの転用も考えたいと思いました。その方が死蔵するよりずいぶんマシです。
# 蛇足とは思いますが、LA1600の機能をすべて活かし、局発回路をPLL化したような受信機も作れます。 たとえば、IF周波数=450kHzとして9kHzステップのPLLで局発を構成すれば、シンセサイザ化した中波ラジオが作れます。
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VCO回路に絞って実験してみました。 PLL回路のVCOとしては従来から使われてきた発振回路で十分かも知れません。 ここでテストするまではそう思ってきました。 しかし話の種と思ってMC1648Pを試したところ、そのメリットがわかってきました。 調べたてみたら一つしか持っていなかったので、もう何個か欲しいと思いました。 さっそく購入を試みところ、手には入ったのですが入手性はかなり悪そうでした。 次はもう買えないかも知れません。 これをお薦めするのは躊躇われます。 あるいは面実装型の新型を買う方が良さそうでした。
そこで代替回路を検討したところ、トランジスタを使った回路が好結果でした。 周波数特性はMC1648Pよりも良いくらいです。 ノイズが少ないのもメリットでしょう。 面実装型でfTの高いトランジスタを使い、極力コンパクトに作ってやれば更に高い周波数のVCOとして期待できます。 うまい代替回路ができて良かったと思っています。
作った回路はMC1648Pと同じ欠点を持っています。発振振幅を抑えた結果、幾らかノイジーになっているでしょう。しかし実際の評価に於いてはディスクリート回路の有利さからでしょう、MC1648Pよりだいぶローノイズでした。 より高性能なVCOを必要とするケースもあると思いますが、ほとんどの用途で満足できると思います。 必要以上に可変範囲を欲張らないように設計し、なるべくQの高いバリキャップを使うのがベストです。
VCOの検討が済んだのでPLLの設計に必要な情報は揃いました。 ここまででだいぶ時間が経過しましたが、次回はループフィルタの設計に進みましょう。 合わせて定数選びのコツと言ったところにも触れられたらと思っています。 ではまた。 de JA9TTT/1
関連情報:7MHz PLL Oscillator関連のリンク
(1)イントロ編:(Part 1:こちら←リンク)
(2)PLLの機能分析編:(Part 2:こちら←リンク)
(3)PLLに向いたVCOの研究編:(Part 3:いま見ているここです)
(4)ループフィルタの設計編(最終回):(Part 4:こちら←リンク)
(つづく)←リンクnm
20 件のコメント:
おはようございます。ようやく涼しくなってきそうな気配です。
MC1648Pの等価回路は初めて見ましたが、TA2003とか、AMラジオICの局発でよく見かける回路のようですね。おっしゃるように、LA1600もたぶん同じでしょう。これらの応用例ではリンクコイルを設け、そちらを発振回路と接続するのが一般的なようで、共振回路側の浮遊容量が減り、発振周波数範囲を広くできるメリットがあるようです。AGCの方法は参考にしたいと思います。
MC1648Pは確かに入手が難しそうなので、新規に設計するならご紹介のディスクリート版がいいでしょうね。他のICを利用する方法はちょっと現実離れしているような、というか、そこまで無精をしなくても… LA1600にはまだプレミア(!)が付いていないようね。これはやっぱりラジオ用ICとして使いたいです(笑)。
バリキャップを選ぶ際は直線性が重要ですね。VCOの直線性が悪いと、ループフィルタの最適値から外れる部分で悪影響が出ますので。面実装しかありませんが、最近のバリキャップは5V Tuningを意識したものが多いような気がします。PLLデバイスが低電圧されているからでしょう。C/Nの点では不利な気はしますが。
励磁巻線に流す電流の大きさで周波数を可変する方式の代表はYIGですね。反射型クライストロンならリペラ電極に加える電圧で周波数が可変できるようなのですが、実際にやったことはありません。その世代ではないので(笑)。ただ、現物は見たことがあります。恩師が持っていましたので(笑)。
私事ですが、10月から古巣へ出戻ることになりました。とはいえ派遣ですし、今度はソフト屋ではなくRF屋としてです。わざわざ収入を激減させてまで古巣の仕事をするのはお馬鹿な話ですが、先が見えない自営よりは気が楽だと割り切ることにします。リハビリの意味でも、社風がよくわかっている場所の方がいいと思いました。
そのうち、趣味で電子工作をやる人なんてほとんどいなくなるでしょうが、それでも「電子工作キットがなきゃ困る」という人はご自分で企画しましょう。未練たらしく私の尻を追いかけ回しても、もう何も出てきませんから(爆)。
JG6DFK/1 児玉さん、おはようございます。 そうですねえ! ずいぶん涼しくなりました。 流石に40℃近い最高気温の連続は疲れました。
早速のコメントありがとうございます。
> AMラジオICの局発でよく見かける回路のよう・・・
昔のAMラジオ用チップは簡単な1石の発振回路が多かったと思いますが、低電圧化したのでMC1648P形式の発振回路が定着したんでしょうね。 AMラジオならC/Nもそれほどうるさくないので十分なんだと思います。
> 発振周波数範囲を広くできるメリットがあるようです。
そのようにするとタンク回路の電圧も高くなって有利なんですが、バリキャップ向きではなくなってしまうのが残念なところです。(笑)
> これはやっぱりラジオ用ICとして使いたいです(笑)。
発振回路だけ使ったのでは可哀想かも知れませんね。 せっかくのICが・・・。
> VCOの直線性が悪いと、ループフィルタの最適値から・・・
これはかなり重要ですね。 直線製の良い部分のみ使うといった設計も考えねばなりません。
超階段接合型のバリキャップは低い電圧で可変量が多くてVCOには使いやすいです。
> ・・・で周波数を可変する方式の代表はYIGですね。
代表的な例ですね。 LC発振回路でも可能ですが、磁芯の材料が問題になるようです。 面白いのでやって見たい気もしますが巻線が厄介そうで躊躇します。hi
> 反射型クライストロンならリペラ電極に加える電圧で周波数が可変できる・・・
クライストロンは面白そうですが、やっぱり真空管なので電圧が高いですね。 昔はGHz帯でポピュラーなデバイスでしたがすでに博物館アイテムでしょう。
> 10月から古巣へ出戻ることになりました。
様子のわかったところの方が安心感はありますね。 自営には目に見えないご苦労も多いと思いますので、幾らか骨休めでもされてください。 どうぞ健康にご留意されてくださいね。
> 趣味で電子工作をやる人なんてほとんどいなくなるでしょう・・・
少なくともキット以上のものを製作されるお方は激減でしょう。 部品事情もありますが、技術的な格差が付き過ぎているように感じます。 プログラミングや開発ツールの扱いなど可能な人は限られますからね。 それナシでも遊べますが、どうしてもレトロな作品群になってしまいます。まあ、それも良いのかも知れなませんけど。hi hi
児玉さんにご期待されているお方も多いようですから、アイディアを温めて暫くしたら再開されてください。
加藤さん、お気遣いありがとうございます。キットはもう結構です(笑)。
私の世代でもらえるかは怪しいですが、年金で暮らしていけるようにでもなれば考えてもいいですが、お上が「一億総死ぬまで働け!」なんて言っているくらいですから、きっともらえないのでしょう。取られるものだけはしっかり取られているのに(爆)。
もっとも、その頃に趣味で電子工作をやっている人なんて、それこそ博物館級でしょう(爆)。
デスクでふんぞり返って部下に指示しているような感覚なのかどうかはわかりませんが、高給取りなお方ほどあれこれ口は出すのに自分では手を汚さないように思えるのは私だけでしょうか。そういうお方にこそ私財を投げ打つくらいのつもりでやって欲しいものですが(笑)。
あ、私はもう「すってんてん」ですので(爆)。
いずれにせよ、40年くらい前のアナログ全盛期にあったようなものの再来を期待されても無理というものです。そもそも部品が手に入りませんから。お金はいくらでも出すから、というのなら話は別でしょうが、それこそ「転売屋」を喜ばせるだけでしょう。
これからも電子工作を続けたいなら、それなりの努力はしないと。私がどれだけアイディアを持っていても、周りが古い技術に固執している人ばかりでは日の目を見ることはないでしょう。「RD25Sタイプのように小さな抵抗はカラーコードが読めないので嫌だ」なんて言っているようではねぇ… すでに面実装が当たり前の時代なのに(笑)。
JG6DFK/1 児玉さん、サイドのコメントありがとうございます。
> キットはもう結構です(笑)。
キット商売はご苦労が多いと言う話は良く耳にしますねえ! キットなら何の知識もなくても作れると思うのでしょう。 ハンダ付けがイモなのは普通のようですし、極性のある部品の付け間違いなどザラだそうで・・・。 プラモだってそんなに簡単じゃないのに電子回路のキットを舐めてかかっているんでしょうか。(爆)
> 年金で暮らしていけるようにでもなれば考えてもいいですが・・・
児玉さんの年齢でしたら年金は支給されるでしょう。 徐々に支給開始年齢は引き上げられるとは思いますが、支給されなくなるとは考えにくいです。 それで十分な金額かは生活様式次第とは思いますが・・・。
> 趣味で電子工作をやっている人なんて、それこそ博物館級・・・
電子工作は博物館に良くような部品を使って博物館級の人が楽しむ趣味ですか。ウケます。(笑)
> アナログ全盛期にあったようなものの再来を期待されても・・・
ノスタルジーでそう言うものを望むお方はあるようですが、ソレを実際使ってみると低性能で使いにくいためすぐに嫌気がさすようですね。 すでに近代的な装置に慣れていますから昔のような機能と性能じゃ満足できないのは当然だと思います。 実用にするには今風の性能と機能が必須でしょうね。 自分で設計すれば機能・性能は熟知しているので我慢できますが、既成のキット製作では不満しか残らんでしょう。
> 小さな抵抗はカラーコードが読めない・・・
これ、かなりあるかも知れません。 暗いとカラーコードの色分けが判別しにくくなると思います。 特に小さいとダメなんでしょう。
バラ部品のキットではなくて、完成済みユニットの組み合わせ式キットなら可能性があります。 コネクタ接続式が良いですね。 でも、それって作った気がするか少々疑問が。ww
加藤さん、改めてこんにちは。
幸い、私のところにこれまでクレームは1件も来ませんでした。それほど数が出ていないからでしょうが、単に怖がられているだけだったりして(爆)。一方、他のところではサポートに大変苦慮されているという話を私も耳にしています。ただでさえ利益の出る商売ではないのですから、もう踏んだり蹴ったりでしょう。
完成済みユニットを組み合わせるという考え方の代表格はArduinoでしょうか。ただ、私の経験からすると、アナログ系のキットを欲しがる人にはあまり歓迎されないようです。「6石ラジオキット」のように用意された部品だけでパッと組み立てられて即実用になるものでないと。応用力がないのでしょうか(笑)。
もっと言えば、そういう人たちはどうやら「ハンダ付けの練習」がしたいらしいです。製造現場で「即戦力」になりたければ面実装部品が扱えないとダメですが、それは嫌だと(爆)。
いずれにせよ、この先もマイコン系のユニットやそれらを扱う人たちは残り続けるだろうと思います。どうやら、お上は「ITエンジニア」を量産したがっているようですし。逆に、有事の際に無電源で使えるゲルマラジオの仕組みが理解できるようなエンジニアはもう必要ないらしいです(爆)。
先日の面接で新しい職場の年齢層を伺ったのですが、私とほぼ同世代らしいです。どうやら、この国にはもう我々の世代より若いRFエンジニアがあまりいないようです。
本題とは関係のない話ばかりを引っ張ってすみません。この辺にしておきます。m(--;)m
JG6DFK/1 児玉さんこんにちは。 北関東は雨模様になりました。かなり蒸し暑いです。
再々のコメントありがとうございます。
> これまでクレームは1件も来ませんでした。
それはラッキーかも知れませんが、児玉さんのキットはマニアックなようですからレベルの高いお方がご購入なのかも知れませんね。 誰でも簡単をうたったキットは初心者も多くなるのでサポートが大変になるそうです。
> パッと組み立てられて即実用になるもの・・・
ケースを含めてすべての部品が揃ったキットが好まれるようですね。 購入すれば製作が完結できる物が好まれるのはわかります。 何も持っていないから買うのであって、他に必要なものがあったら嫌がられそうですよね。hi
> 「ハンダ付けの練習」がしたいらしいです。
すでに練習済みのお方に製作してほしい気もしますけれど・・・。(汗)
> 有事の際に無電源で使えるゲルマラジオの仕組みが理解できるような・・・
今回の地震でもわかるように、電源と通信網の確保があればあまりラジオは必要なくなってきているのかも知れませんね。 私は有用だと思うんですけれど・・・。 ラジオ受信機そのものを持っていない世帯が増えているんだと思います。 聞きたければラジコやらじるらじるもありますからねえ。音もずっと良いし・・・。
> この辺にしておきます。m(--;)m
気にされなくて大丈夫ですよ。(笑)
加藤さん、こんばんは。
台風21号が過ぎて晴れるかと思ったらずっと雨続きです。
その代わりかなり涼しくなりました。
Blogにも書いたのですが中華通販で購入したMC1648Pのテストをしていました。
全く動作しないのでやはり偽物かと思っていたのですが、最初にテストに使ったICが不良品だったようで、別のICに交換すると動作するようになりました^^;
ループフィルターの設計はPLLの要だと思うのですが、わかりやすい情報が少ないので楽しみにしています。
JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんばんは。 北関東はめっきり涼しくなって今宵は虫の音が賑やかです。 いよいよ秋も近づきましたねえ! このところ14MHzのWSPRを運転中ですが連日夕方から22時JSTあたりまでヨーロッパのオープンが続いています。 秋のコンディションですね。
いつもコメントありがとうございます。
> MC1648Pのテストをしていました。
先ほど拝見しました。 不良品が混じっていたようですが使えるものが届いてよかったですね。 このあたり、やっぱり中華モノは信頼がおけない感じですね。 まあ、安価なので仕方ないのかも。hi hi
> わかりやすい情報が少ないので楽しみにしています。
必要な情報が集まれば、あとは機械的な計算で行けるように考えています。 幾らか設計者のチョイスとなるパラメータもありますが全体の説明をご覧になれば設計できると思っています。 なるべくわかるように書いていますがだんだん長くなってきました。 息切れしないように頑張りたいと思っています。ほどほどに期待してお待ちください。(笑)
PLLのニーズは少なくなっているのかも知れませんが手持ちのICが何か自作に活かせたらと思っています。
加藤さん、こんばんは。
Blogにもコメントありがとうございました。
>不良品が混じっていたようですが
一応メッセージで「1個不良品だった」と書いておきました。
さてどういう返事が来るか、まあ「ごめんね、次回サービスするよ」だと思いますが(笑
>安価なので仕方ないのかも。
5個で500円でしたのでヤバいかと思いつつもついポチりとw
まだ届いていませんがついでに5個で450円のTC9122Pもポチってます(爆
>PLLのニーズは少なくなっているのかも
HF帯/50MHz帯ぐらいでしたらDDSやSI5351Aも便利なのですが、V/UHF帯になるとまだアマチュアにはPLLの方が使いやすいのではないかとも思いますし、死蔵パーツの活用も少しはしたいので楽しみにしています。
気長に待っていますので息切れされないようにお願いいたします(笑
JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんばんは。 不安定なお天気のようで先ほどまで雨でした。
再度のコメントありがとうございます。
> 「1個不良品だった」と書いておきました。
クレーム扱いにして部分返金を求めても良いかも知れませんが・・・少額だと何となく面倒ですよね。 でも、それが相手を増長させるかも知れないのでクレーム付けた方が良いのかも。
> 5個で450円のTC9122Pもポチってます(爆
ピン数が同じで印刷がそれっぽいなら大丈夫かも・・・。 でもかなり古いICですからあまりにも新品みたいだと危険かも知れないですね。hi hi
> 死蔵パーツの活用も少しはしたいので楽しみにしています。
了解です。 頑張ります。(笑)
・・・とは言うもののマイコン+制御プログラムは必要ですけどDDSとかの方が便利が良いですよね。やっぱり。(爆)
加藤さん、皆さん、おはようございます、ja8czx/矢北です。
今回はVCOですね、いよいよ興味深い内容になってきました。
まだざっとしか読ませていただいておりません、ちょっと台風と24h後に地震・・・ 余裕がないわけです(大汗)
地震は被害がマグカップ1個破損しただけでしたが、停電が続き、「夜ってこんなに長かったんだ」と実感&時間を持て余すこととなりました。
そのまえの台風の方が被害甚大で、トライバンドDPが曲がってしまい、お隣に小さい子がいるもので安全のため余震の中、降ろしてしまいました。(泣)
終活の時期でもあり、HFはだめですかな?
泣き言になりました、次回はループ・フィルター等の設計とのこと、楽しみです。
では失礼いたします。
JA8CZX 矢北さん、こんにちは。 北海道地方は台風21号に続く大地震で大変でしたね。 長い停電と節電の継続で大変だと思います。 お見舞い申し上げます。 3.11では当地は計画停電があり特に夜間に実施されると大変でした。 やはり可能な限り節電してでも計画停電の回避が望ましいです。 これは経験から。
いつもコメントありがとうございます。
> いよいよ興味深い内容になってきました。
どうもありがとうございます。 いまだに全体が見えないと思うので、ご興味をもって頂くのは難しいと思っています。 単に発振器の製作ですからね(笑)
> 「夜ってこんなに長かったんだ」と実感&時間を持て余す・・・
関東で計画停電があったときですが「月夜ってこんなに明るいんだ」と思いました。 普段思わないようなことを気づかせてくれました。 まずは復旧してよかったですね。
> トライバンドDPが曲がってしまい・・・
関西は直撃で大変だったようですが、日本海を北上してから北海道へ急接近しましたからそちらでもかなり被害があったようですね。 復旧をお祈り致します。
> 次回はループ・フィルター等の設計とのこと、楽しみです。
どうぞお楽しみに。 引き続き準備中です。(笑)
9月4日には北大阪も台風で40m/s以上と推定される暴風が来て、借家共有部分のベランダの蹴破り戸/隔て板が我が家に限らず各戸多数破損し、物置と冷房の室外機が倒れました。アンテナは幸い単純なので大事には至らず復旧し、奇跡的に大規模な物損もありませんでした。ただ電力網の障害があり、北大阪移住後経験したことのない連続4時間の停電はつらいものがありました。電気が止まるというのは本当に何もできなくなるので(水道も使えません)どうにもなりません。
北海道は今大変なことになっているかと思いますが(言葉もありません)、もともと2011年3月以降東北も北海道も余剰供給力を持っていなかった状態で発電所の損害が出たので、まことに言いにくいことではあるのですが、これからが大変だと思います。
ディスクリートのVCO、参考になります。
Kenji Rikitake, JJ1BDX(/3)
JJ1BDX/3 力武さん、おはようございます。 今朝の北関東はかなり気温が下がっています。
いつもコメントありがとうございます。
> 北大阪も台風で40m/s以上と推定される暴風が・・・
ほぼ直撃のコースだったのではありませんか! 瞬間風速は凄かったでしょうねえ・・。 被害もあったようですが大事には至らなかったようで何よりでした。 すでに復旧もされているようですので良かったです。
関西方面では被害にあったHAM局も多かったでしょう。 お見舞い申し上げます。
> 電気が止まるというのは本当に何もできなくなるので・・・
現代の生活は電気に依存していますからねえ・・・。 燃料がガスや灯油の暖房器具でさえ電気がないとまったく使えませんので・・・・。 北海道の地震が真冬でなくて良かったです。 真冬のブラックアウトだったら凍死者が出たところでしょう・・。
> 余剰供給力を持っていなかった状態で発電所の損害が・・・
天然ガスを使った発電所を建設中だったどうで、2019年に稼働予定だったそうですね。 そうすれば幾らか余裕もあったはずですが・・・。 残念ながら自然災害は人間の都合は関係ないですから。
> ディスクリートのVCO、参考になります。
どうもありがとうございます。 何か必要ができたときにでも思い出して下さい。
加藤さん、
後半のこれでもかと古いICをVCOに仕立てる実験は楽しく読ませて頂きました。703は懐かしいですね。70年代に「信越電気」で安価に売られてて、受信プリアンプを作りましたがノイズレベルが上がるだけの代物でした。PLLという概念を初めて知ったのは加藤さんもお持ちと思いますがARRLが出版した「SINGLE SIDE BAND for the Radio Amateur」に掲載されたDLのアマチュアが作った受信機です。真空管がバリバリの現役の時代にダイオードを使ったPhase Detectorは斬新でした。ロックレンジが狭いのでRamp Generatorで強制的にロックを掛けています。
閑話休題(この言葉の使い方は間違っています。脱線した話題を本題に戻す時に使うべきですHI)
先週は3方面や8方面の災害続きで絶句してます。特に8の流動化現象で家の傾いた方の庭にタワー立っていたので同じハムが大変な思いをしているのを痛感しました。ただ、ブラックアウトに備えて非常通信用電源を日頃から整備する必要性は改めて確認しました。皮肉にも今年のハムフェア自作コンテストのテーマが災害対策グッズでしたがエントリーが少ないと聞いています。アメリカでは汎用非常電源の自作が盛んにようですが災害大国日本のハムも非常電源の自作が盛んになればと思いました。
JR1QJO 矢部さん、こんにちは。 暑くもなく寒くもない気温にホッとしています。(笑) お誘いいただきましたが月初のQRP懇親会には出席できず申し訳ありません。
いつもコメントありがとうございます。
> 後半のこれでもかと古いICをVCOに仕立てる実験は・・・
レトロなICが連発でお恥ずかしいです。 もう少し新しいICはどうかと思ったんですが、意外に適当なものがありません。 MMICの活用も検討したのですが、発振振幅を抑える仕組みが複雑しなってスッキリしませんでした。(笑)
> 受信プリアンプを作りましたがノイズレベルが上がるだけ・・・
私も703で28MHzのプリアンプを作りました。 管球式SSBトランシーバの感度が思わしくなかったからです。 しかしノイジーでしたねえ。(爆) Dual Gate MOS-FETの方が幾分マシだったように記憶します。
> ・・・に掲載されたDLのアマチュアが作った受信機です。
「An Engineer's Ham-Band Receiver」と言う記事のことですね。ICやMOS-FETをふんだんに使ったすごい受信機でしたね。 今なら驚きませんけど、何しろ1970年3月号のQST誌記事なんですから!! まもなく50年経ちますがあまり進歩していないのかも・・・。(冷汗)
> 流動化現象で家の傾いた方の庭にタワー立っていたので・・・
人口が多いからだと思いますが、札幌からオンエアされているHAM局は多いですね。 被災されたお方もあったようで、お見舞い申し上げます。 節電の影響と思いますがWSPRでアクティブだったHAMの電波が途絶えています。 電力事情が改善したら復活されてください。
> 非常通信用電源を日頃から整備する必要性は改めて確認しました。
当地は年間を通じて日照条件が良いのでソーラーパネルと充電池のセットが良さそうです。 実際のところ充電池というのが問題ですね。 電池は「生モノ」なので継続して維持するのがたいへんです。 3.11の時に活躍してくれたシャックの12Vバッテリー(鉛)も数年前に引退しています。 少量でしたらクルマから拝借する方法が良さそうです。スマホの充電もできますので。
> アメリカでは汎用非常電源の自作が盛んにようです・・・
米国では昔からHAM局の有事対応が重要視されている文化があるからでしょうか? 広大な土地なので孤立しても救援がすぐに期待できないからかもしれません。
JAではHAMはあまりアテにされていませんが、オンエア目的ではなくても非常時に役立つ電源やラジオのような情報入手の手段は確保しておきたいものですね。
・・ということで、LED式ランタンとラジオ付き懐中電灯用に単1乾電池を発注しておきました。ラジオの部分は単3型のリチウム乾電池です。 防災目的ですので長期保存性に優れた国産メーカー品を入れておきたいと思っています。
加藤さん、次回のPLLループフィルターの回を楽しみにしています。PLLを学んだ時にループフィルターがPLLの肝と物の本に書かれていましたので、また深い話になるかと思います。
本題脱線ついでですが、非常用無線セット,Manpackの自作は欧州や米国のPreppers(有事の準備者)と呼ばれる人たちで盛んのようです。尤も、EMP対策を施したシールドケースに無線機一式を格納するなど終末対応と思われる事例もありますが、実用的なのは移動用無線を電源込みで防水ボックスに格納する事例です。普段は山歩きなどの移動運用に用いり、非常時には非常通信に使うものです。これなら趣味と実益を兼ねています。
私も太陽電池で充電する非常電源をシャックに常設すようようにしていますが、電池が生物なのでシールドバッテリーは定期交換しています。最近は自己放電の少ないLiFePo電池とBMSの組み合わせに替えています。もちろん携帯用のUSB電源は備えています。防災用のラストリゾートとして手回し発電式ラジオ(勿論国産)を持っています。USB充電端子もあって、人力が最後の発電手段です。
JR1QJO 矢部さん、こんにちは。 今日はあいにくのお天気ですねえ。 朝から断続的に雨が降っています。 買い物に出かけたんですが結構すいていました。 せっかくの3連休ですがお天気がイマイチだと出足も悪そうです。
再度のコメントありがとうございます。
> ループフィルターがPLLの肝と物の本に書かれていましたので・・・
PLLはこの部分の設計に掛かっているとも言えますからね。 HAMお得意のカットアンドトライ式では最適化は困難でしょう・・・。hi hi
> EMP対策を施したシールドケースに無線機一式を・・・
EMP対策というのがスゴイですね。 電源が問題にはなりますがEMPには真空管が一番だと思います。それがヤラレるくらいならオペレータは死んでますから。 受信部が0-V-1で送信が単球式水晶発振器の非常用送受信セットでも用意しておきましょうか。(爆)
> これなら趣味と実益を兼ねています。
趣味の方は良いとして、あまり実益の方では活躍して欲しくないですね。w
> 太陽電池で充電する非常電源をシャックに常設・・・
これは素晴らしいです。 EMP対策はともかく、自然災害はいつ起こるかわかりませんからね。 東京がやられると田舎にある発電所は健在でも電力網はコントロール不能になるかも知れません。非常用に離れた所に代替設備でも持っているんでしょうか?
> 手回し発電式ラジオ(勿論国産)を持っています。
これ、拙宅にもあったので久しぶりに確認したんですが、充電コネクタが昔のガラケー用になっていて今の携帯TELにはマッチしませんでした。 USB端子で引き出せるような手回し発電機が必要になっていますね。 しかし、消費電力が大きなスマホよりも小さな電力で済むガラケーの方が非常時には向いているかも知れないです。 防災対応はなかなか難しいもので、どんな季節に発生するかによって必要な装備も違ってきます。
拙宅では非常用に木炭と七輪が常備してあります。 元々は秋刀魚を美味しく食べようと思って買ったんですが、一回焼いただけで非常用の設備に。(爆)
おはようございます。今のところ薄日は差していますが、「中秋の名月」は拝めそうにありませんね。
「EMP対策」という言葉は初めて聞きました。また真空管が幅を利かせるようになりますかね(笑)。ちなみに、福島の廃炉作業用として「撮像管」が見直されているようです。耐放射線性能は抜群でも、大きすぎるのが難点だと。
それは従来型を改良したもののようですが、確かNHK技研が「カーボンナノチューブ」を電子源にした冷陰極型の撮像管を研究していたと思います。その気になれば冷陰極型の受信管もできそうな気がします。そうなれば、消費電力は一気に下がるかも。
その昔、放射性元素を電子源にした冷陰極受信管は実在したようですが、これはちょっと…
以上、脱線失礼しました。
JG6DFK/1 児玉さん、おはようございます。 コメントいただいたこと。気付くのが遅くなってしまいました。 どうもすみません。
再度のコメントありがとうございます。
> また真空管が幅を利かせるようになりますかね(笑)
保護用のデバイスも進歩しているので、半導体の方向だろうとは思いますが、究極を求めると真空管の方が強いかもしれませんね。
> 「撮像管」が見直されているようです。
耐放射線性能では特に微細加工された半導体は弱いでしょう。高解像度の撮像素子は弱そうですから・・・。
> 冷陰極型の撮像管を研究していたと思います。
静電誘導放射陰極を使った微細三極管というものが研究されていたと思います。一種の冷陰極真空管ですが、応用の一つとして平面表示器があります。 実用にかなり近づいていたのですが、生産性に大きな問題があって有機EL表示器に敵わなかったようです。 そのほかにコンピュータ用デバイスとしての研究もあるようです。 結晶中よりも真空中の電子の方が移動速度が速いので高速化が可能だとか・・・。
熱電子放射を使わない真空管のようなデバイスの研究は今でも続いているようですが、半導体ではできないような分野に使われる可能性はあるのでしょうね。
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