【再生式受信機・その5 スーパ・ヘテロダインとの融合】
【SSBが受信できる性能】
再生式受信機の第5回です。 再生式受信機については過去にも散発的な実験を行なってきました。 なるほどCWやAMの受信には十分な可能性(実用性?)がありそうです。 しかしSSBの受信となるとあまり芳しい感触は得られませんでした。 ちゃんと「聞こえる」とは言えないように感じたのです。かろうじて可能かなあ・・というレベル。
ところが巷ではSSBも結構イケるとの話もあり、これは是非とも確認しなくては・・・と思ったことも再生式受信機を改めて取り上げた切っ掛けでもあります。
参考:写真はSSBの「イメージ画像」であって、本文の内容とは関係ありません。 これはSSB送信機に2トーン信号を加えて変調を掛けた状態で撮影したものです。 もしシングルトーンで変調するとこのようにはならず、CWと同じ幅が一定の「帯状の波形」にしかなりません。初めてSSB送信機を作ったときシングルトーンを加え、DSB状態の波形をみて勘違いしやすいのがこの波形のようです。
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【結局は周波数安定度が鍵】
いくつか実験してきてかなりわかってきました。 SSBの受信(復調)で一番のポイントは周波数安定度です。 何を今さらバカなと言われそうですが。 CWなら周波数変動は復調音の音調変動でしかありません。極端でなければかなり許容できます。 しかしSSBでは変動が大きいと音質どころかマトモな音声にすらなりません。SSBではせいぜい20〜30Hzの変動に抑えないとお話になりません。
CWでの実用性とは雲泥の差です。当たり前のことを認識した訳ですが方向もそれなりに見えてきました。
再生式受信機の周波数変動に関しては2つのものがあります。一つは普通の意味としての周波数ドリフトです。これは一般的な発振器と同じ対策をとれば効果は自ずと現れます。 もう一つは周波数の引き込み(Pull-in)で、こちらの方はかなり厄介です。強い信号に周波数が引き込まれる現象はどんな発振器にも多かれ少なかれ存在するからです。
(1)Qを高める: それらの改善策もだんだん見えてきました。 対策の一つは再生検波回路の共振器(同調回路)のQを高めることです。 できるだけQの高いコイルを巻き良いバリコンと組み合わせると効果があります。 例えばプロ用受信機:RAL(←第2回参照)のような行き方です。実現はなかなか大変ですが効果的です。これは周波数変動のどちらにも効果があります。
また、水晶発振子ほどではありませんがセラミック発振子のQは普通のLC共振回路と比べたら数倍〜数10倍くらい高いのです。そのため引き込みに強いのでしょう。セラミック発振子を使った再生検波回路が好成績なのはそのQ(無負荷Q:Qu)の高さにあるはずです。
(2)周波数を下げる:さらに受信周波数が低いことも有利に働きます。低い周波数の発振器は絶対値としての周波数変動量が小さいのは当たり前でしょう。再生検波回路においても同様です。 引き込まれかたも周波数が低い分だけ小さくなります。 従って、周波数変換を行なって低い周波数になってから再生検波すればそれだけでずいぶん有利になります。
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このところ続けて再生検波式の受信機を扱っています。 第4回(←リンク)ではセラミック発振子を使った再生検波回路を試みました。 思った以上に良好な成績が得られたので本製作の有力候補です。 ただし手に入ったセラミック発振子の周波数で受信周波数の範囲が決められてしまうという弱点があります。 クリコン式ならその弱点はないのでテストしておきたいと思います。
前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、多分に自身の興味だけで進めていますので一般性のない話ばかりです。手持ちを使うので部品の入手性も考慮されていません。当然ですがお薦めするような話でもないことを予めお断りしておきます。
しかし、お暇でもあればこの先もどうぞ。いつものようにコメントも歓迎です。
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【クリコン+再生検波の可能性】
既に再生検波式受信機にセラミック発振子を利用すると効果的なことは確認しました。 今回はもう一つの方向である、受信信号を周波数変換して低い周波数で再生検波する形式を検討してみたいと思います。例えば7MHzでそのまま再生検波するのではなく、いったん周波数変換して1.5MHzのような低い周波数で検波する方法です。
こうした形式があることは昔から知ってはいましたが、ヘテロダインするくらいなら完全なスーパー受信機にした方が合理的ではないかと思っていました。 しかし再生検波式受信機の性能を改善する手段として考えるのであれば意味も違ってきます。 さっそく試したいと思います。それにはまず周波数変換回路を作らねばなりません。
今回は真空管式も併せて試します。 周波数変換部分は次項で見るような三極五極管(球は6U8)を使う方法もありますが、ここでは専用の変周管であるペンタグリッド・コンバータ管を試すことにしました。なるべく簡潔な回路が目標です。
左の写真はペンタグリッド(5つのグリッドを持った)コンバータ管の一例です。 右端の12BE6は家庭用の5球スーパでお馴染みです。左の2つはカーラジオ用に作られた特殊な球でヒータだけでなくプレート電圧の方も12.6Vで動作します。 12AD6は12BE6に類似でAM〜短波帯で使うものでしょう。 実例を目にしたことはありませんが12FX8AはたぶんFMラジオを意識したものです。RFアンプ用の三極管が複合されています。
さっそく「ペンタグリッド管は等価雑音抵抗が高くノイジーだから・・・云々」という有難いご教示を頂きそうです。hi その通りなのですが、いま考えている7MHz帯はノイズフロアが高いのでコンバータノイズが問題になることはありません。 ここは回路の簡単化のために使ってみます。 そうでもしないと実験用に買い込んでおいたカーラジオの球が登場する機会は中々やって来ませんから。 なんだか変な球を使うのが目的のようになってしまいました。(笑)
【JA1FGのクリコン+再生検波RX】
1960年ころでしょうか、米ARRLのアマハンにビギナー向けのシンプルな受信機(RX)が掲載されていたことがあります。 1.7MHzのシングル・クリスタル・フィルタにコンバータを組み合わせた2バンド受信機で、"SimpleX Super"という愛称でした。整流管を含めてもわずか4球(複合管が主体ですが)の入門用受信機です。周波数構成を工夫することで局発を共用してうまく2バンドカバーするよう考えられていました。
それを受けJA1FG梶井OM(故人)がJA局向きとして推奨されたのが図の受信機です。これも原型はアマハンにあるようですがクリコンに再生検波を組み合わせた回路構成です。シンプルさを維持しつつ十分なゲインが得られるよう考えられています。 OMはアマハンのようなクリスタル・フィルタ付きスーパではゲイン不足だとお考えになったのでしょう。同じ球数なら高ゲインが期待できるクリコン+再生検波式が有利とのご判断だったのでしょう。
クリスタル・コンバータですから周波数安定度は良好です。 また再生検波回路も1.5MHzあたりの中波帯近くの低い周波数ですから安定度はかなり有利です。 この回路が推奨された当時はCWとAMの時代です。シンプルでありながら実用性十分な受信機が実現できたと思います。
時代から考えてSSBを意識したものではなかったはずです。しかし周波数安定度は当時の高1中2受信機より優れる可能性もあります。 その後普及したSSBの受信でも意外な実用性があったかも知れません。 しかし基本は再生検波式受信機ですから選択度はいま一つです。シングルシグナルにもなりません。このあたりはバンドが混んでくると大きな欠点になったでしょう。早晩廃れたのもやむを得ません。 ただ昨今のようにHAM局が減少傾向でバンドも拡張されるなら実用性は改善される方向かも知れませんね。
このまま作るつもりはないのでこれ以上の追求はしませんがシンプルで実用的な受信機の実現手段として一考してみる価値はありそうです。
【シンプルなクリコン・球で作る】
クリコン+再生検波形式の受信機の実現のため、まずはクリコン(クリスタル・コンバータの略)の検討から始めます。
いくつかの回路を検討しました。後ほど半導体でも試みますが、まずはカーラジオ用の球で試してみます。 こうした球で難しいのは低いB電圧(プレート電源の電圧)にあります。 高抵抗が直列に入って大きく電圧降下するような回路形式は正常な動作が期待できません。自ずと動作させやすい回路は決まってしまう感じでした。
コンバータ管には12AD6を使います。規格表の動作例はカソードタップ式ハートレー型の発振器を意図したものです。 LC発振ができるなら水晶発振だって可能なはずですが具体的な回路例は見たことがありません。 そこで幾つか検討したところ変形ピアース型あるいはグリット・プレート型の水晶発振回路が良さそうでした。
まずはカソードを直接あるいは低抵抗でGNDできる変形ピアース型が有利と見て図のようにしてみました。 12AD6の発振部はgmがあまり高くないのですが図の部品定数でうまく発振してくれます。図の発振周波数は5.12MHzですが他の周波数でもOKでした。
発振の強さが適切になるようにC5:68pFを加減します。12AD6の活きの良さにもよるので、0pF〜220pFの範囲で変えてみます。こうしたごく低電圧で使う球はバラツキが大きいようです。 テスト例では68pFあたりが適当そうでした。 また、プレート負荷抵抗:R4(100kΩ)は個々の球によって変更を要します。 プレート電圧を実際に測定し、7〜9Vあたりになるよう加減します。 球によってはR4=47kΩくらいにする必要があるでしょう。 変換コンダクタンス:gcが小さいため高性能とは言い難いのですがまずまず使えるコンバータ回路が作れます。
バッファ・アンプの2SK19Yはテストの都合で便宜的に付加したものです。 このコンバータの後ろに再生検波回路を置くなら2SK19Yの部分は不要です。 C7を数pFにして直結すれば良いでしょう。 変換ゲインを考えると12AD6の負荷インピーダンスはなるべく高くする必要があります。 そうなるとコンバータ回路だけでテストするのは難しくなります。2SK19Yの部分はインピーダンスを下げテストを容易にする目的で付加したものです。 2SK19Yは2SK192AYあるいはBF256BなどのFETで代替できます。
【12AD6を使ったクリコン】
水晶発振回路が発振しなくてはコンバータは機能しません。まずは確実な発振が目標になります。 変形ピアース回路は昔から発振させ易かった印象があります。 その印象の通りたった12.6Vの電源電圧でも簡単に発振してくれました。
発振振幅も十分でスクリーングリッド(G2+G4)とGND間のコンデンサは68pFが適当でした。 このCを大きくすると発振は弱くなります。逆に小さくすると強くなり、ゼロにした状態が最大になります。 様子から見てグリッド・プレート型回路でも発振できそうでしたが変形ピアース型で旨く行ったので追試しませんでした。
プレート負荷抵抗を100kΩとかなり高く選んでいますが、それでも変換ゲインは低めです。おそらく数倍か下手をするとマイナスゲインでしょう。 プレートに出力周波数に同調するLC回路を入れるとゲインアップします。 しかし再生検波回路との干渉を嫌って抵抗負荷で行くことにしました。受信機回路の一部分であって独立したクリコンではないからです。
今回はなるべく少ないデバイス数で簡単な回路構成を目標にしています。 もし性能優先で独立した付加装置としてクリコンを作るのなら12AD6の前にRFアンプを置くべきでしょう。 さらに12AD6の負荷を同調回路形式とし、二次側のリンクコイルから受信機へ導くと言った回路形式にすべきです。
ここではそれが目的ではないのでコンバータ部のみ試しました。 意外に少ない部品で作れるものです。 ただしゲインが低いのと真空管なので消費電流が大きいのは如何ともしがたいです。 まあ使えない訳ではありませんからこの結果を活かして真空管を主体にした再生式受信機も構想の一つに入れておきたい・・・と思いつつテストを終了しました。
参考:12AD6と12BE6のピン接続は同じです。交換して試したのですが残念ながら使えませんでした。12BE6にとって12.6Vのプレート電圧はあまりにも低すぎるのでしょう。 なお、12AD6の代用として12EG6が同じように使えそうでした。12FX8Aの7極管部も使えます。(12AD6などはAntique Electronic Supplyで購入。ただしかなり前です)
雑談:6BE6のような7極管は「Heptode:ヘプトード」とはあまり言わないようです。「Penta-Grid
Converter:ペンタグリッド・コンバータ」と呼ばれることが多いのです。「ペンタ」は5つを意味しますから「5グリッド変周管」ですね。しかしなぜグリッドの数で言うのでしょうか。一つの習慣なんでしょうね。
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【FETを使ったクリコンの検討】
続いて半導体式のクリコンを検討します。 左図はFET(電界効果トランジスタ)を積極的に使ったクリコンの回路例です。(過去のBlogで既出)
真面目に設計すると図のような回路になるでしょう。 余分な機能が付いている訳ではなく、各部品はクリコンとして必要なものばかりです。冗長な設計という訳ではありません。
もし省略できるとすれば入力の同調回路を1段にする、HF帯の低い方で使うならRFアンプは取ってしまう・・・と言ったくらいでしょうか。 それでも半導体は2石必要ですしコイルもまだかなり多いのです。
そもそも再生式受信機はシンプルなのですから、性能が破綻しない程度にできるだけ簡略なクリコン回路が望ましいと思うのですが・・・ 少し工夫してみたいと思います。
【米誌・英誌にも紹介された回路】
うっすらとですが、Dual-Gate MOS-FET(2ゲートMOS-FET)で作った1石クリコンが記憶にあったのです。 CQ Hamradio誌の記事だったはずですが、ずいぶん前に処分してしまったので情報は得られませんでした。
たまたま別件でサーチしていたら左図の回路が目にとまりました。 読んでみるとオリジナルはJAのCQ誌のようで、それにWのHAMが目をつけ、さらに回り巡って英誌に紹介されたようです。地球を一周した回路ですね。
だんだん思い出してきたのですが、記憶ではJA1AYO丹羽OMの記事にあった回路でしょう。 クリコンの簡略化を意図されたのだと思いますが、Dual-Gate MOS-FET 1石でうまくまとめられています。 この回路なら十分な性能が得られそうです。 ただ、コイルが三つも必要で巻くのは厄介そう。 手堅い設計ですからクリコンとしてはFBな設計ですが、ちょっと面倒臭く感じてしまいました。 コイルは嫌いじゃないんですが私だって少なく済めばそれに越したことはないのです。hi
参考:JA1AYO丹羽OMの1石コンバータ回路の研究は、CQ Hamradio誌1990年3月号pp400〜404に掲載です。(後日調査により判明:AYO_No.11参照)
【シンプルなクリコン・石で行く】
そこで再生検波回路に前置する前提で思い切り簡略化したクリコンを考えてみました。 同じくDual-Gate MOS-FETを使う設計です。 レトロですが3SK35GRを使います。 もちろん他のDuai-Gate MOS-FETでも行けるでしょう。試すなら3SK35は廃番ですから他のDual-Gate MOS-FET(←参考リンク)を探してください。
水晶発振はコルピッツ発振器と等価の回路になっています。コイルの要らない無調整型水晶発振器の一種です。 周波数変換すべき7MHz帯の入力信号は第2ゲートの方に加えます。 第1ゲートに比べ、第2ゲートに信号を加える方法は少し性能が(ゲインが)落ちます。 しかし過去の実験では致命的な差があるとも思えませんでした。特に信号の強い7MHz帯なら大丈夫でしょう。
水晶発振回路は無調整型ですからコイルは不要です。その代わり発振波形が悪くならないように発振レベルを調整します。ソースの波形を観察して綺麗な発振状態にセットしました。頻繁な調整は不要ですからVR1の部分は固定抵抗に置き換えられます。 また、周波数変換出力の方(=ドレイン側)も次段が再生検波回路ですから抵抗負荷で済ませました。これは検波回路との干渉を防ぐ意味もあります。 もちろん同調回路を省くと5.12MHz-1.88MHz=3.24MHzのイメージ成分が現れますが必要な信号の7MHz〜やIF信号となる1.88MHz〜とは離れているので支障になりません。
周波数関係さえ悪くなければ、このようにコイルを減らして簡略化したクリコンでも十分行けそうです。 結果として、どうしても必要なコイルは一つだけになりました。 入力部のコイルは感度に影響するので省けません。 FCZ-10S7のような既製品(同等品可)でも役立つので買って済ませることもできます。 ただし図のようにトロイダルコアに自分で巻く方が優れます。
先の真空管式と同様に2SK19Yのバッファはクリコン回路の単独テスト用です。次段が再生検波回路ならC7を数pF(1〜5pF程度)の小容量に選んで直結すればOKです。2SK19Yのバッファアンプは不必要です。なお、3SK35GRのドレインとGND間に入っているC11(47pF)は水晶発振に関係するので(なくても発振するかもしれませんが)省いてしまうのは適当でありません。
【3SK35GRを使ったクリコン】
まずは水晶発振が上手くできるのかテストを始めました。 これはまったく問題なくて、あとはうまく周波数変換できるのか確かめればOKです。
入力の同調回路を省くとさすがに低感度で旨くありません。しかし周波数変換の動作は確認できました。 そこで7MHzの同調回路を追加してやったら感度的にもFBになりました。 ゲインもまずまず取れるので12AD6のクリコンより遥かに良さそうです。 3SK35のようなデュアルゲートMOS-FETはgmが高いため変換コンダクタンス:gcもかなり大きいのでしょう。 簡単かつ十分な性能ということで、3SK35GRを使ったクリコンは有望な候補です。
参考:バイポーラ・トランジスタ(要するにFETではなくて普通のトランジスタ)を使った1石コンバータ回路もテストしています。なかなか旨く動作しますが、水晶発振の漏れは大きめでした。防ぐには入力の同調回路を2段にする必要があります。 ここでテストしたDual-Gate MOS-FETの回路は発振回路部分と信号入力端子が分離しているためアンテナ側への発振の漏洩はごくわずかです。
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第5回ではクリコン+再生検波式受信機の検討を始めてみました。 再生式受信機というよりもスーパ・ヘテロダイン式受信機の一種と捉えるべきなのかもしれません。 しかし周波数変換部分をごく簡単にまとめられたので高周波増幅付き再生式受信機とさして違わぬ回路規模にできそうです。 再生検波式の受信機はせっかく回路が簡単なのですから、付加する回路もできるだけシンプルにしたいものです。 接続される前後の回路を考えてやり、無くても済みそうな部分を省くと言った工夫をすればずいぶんシンプルになります。
一方で、再生式受信機ならスーパ受信機に付き物の「スーパ・ノイズ」や「スプリアス受信」から逃れられるものを「逆戻り」ではないかという意見もあるでしょう。 確かにその一面はあります。 ただし目的の受信周波数帯(7MHz帯)はかなりノイジーなので「スーパ・ノイズ」は感じられませんでした。 特にMOS-FETを使った1石コンバータ回路のノイズ・フィギャ(NF)は目的に対して十分なのでしょう。 スプリアスは確かにありますが目的を7.0〜7.2MHzの受信に限れば問題は感じられませんでした。 詳しくは続きで改めて。
次回は再生検波回路ほかの部分を付加して受信機のかたちにまとめるつもりです。 再生式受信機が仕上がる前に夏休みシーズンも終わってしまいましたね。 秋の夜長にじっくりワッチできるような受信機が作れたら良いのですが。 ではまた。 de JA9TTT/1
(つづく)←リンクnm
8 件のコメント:
昔から、クリコン+再生受信機という構成があったんですね。初めて知りました。同じ方式でも、新しいデバイス(セラロック)に出会うと、昔からの方式でも新しい物が出来上がりますね。
ちょっと前まで、数十KHzでPSNをDSPで実現して、素晴らしいSSBが出来るようになったり、CRだけの時代では実用にならなかった技術がフォーカスされ、興味は尽きません。続編を楽しみにしています。
JK1LSE 本田さん、おはようございます。 今朝はどんよりした空模様で・・・雨も降ってきました。 少し涼しいのは有り難いですが・・・。
さっそくのコメント有難うございます。
> クリコン+再生受信機という構成があったんですね。
真空管の時代からあったんですが、あえてスーパーに再生検波を組み合わせるという意味(意義?)がわからなかったです。 いまごろ理解できた感じですが、スーパー寄りの視点でなくて再生式受信機の改良だったんですね。hi
> CRだけの時代では実用にならなかった技術が・・・
数値処理で回路動作と同じ機能が実現できるようになったことは画期的ですよね! 複雑さや消費電力をあまり気にしなければなんでもできてしまいそうな時代です。
> 続編を楽しみにしています。
有難うございます。 再生式受信機はシャックのメイン受信機にはならないと思いますが、試して遊ぶには格好の材料です。 機会があれば是非お試しください。
加藤さん、こんばんは。
今回はクリコンですね。
昔のアマチュア無線入門ハンドブックに「IFTを使用しないスーパー受信機の作成」というクリコン+0-V-2の製作記事が載ってまして、当時は普通のスーパーとの違いがわからず「IFTが不要なのはパーツ代が安くて良いなあ」などと思いながら見ていました。Hi
デュアルゲートFETを使った1石クリコンはAYO丹羽OMが良く記事に書かれてました。
僕もAYO製作教室のクリコンを作った記憶があります。
今でしたら手っ取り早くSA612を使ってしまいそうですが(笑)
組み合わせる再生受信機が真空管でしたら球で、オールソリッドステート(死語)でしたらFETのクリコンが似合いそうですね。
今日からハムフェアですね。夏の終わりが近つた感じです。昨日の
準備作業で近くのICOM展示で新型QRPトランシバーを発表する
様です。FT−818の対抗機種のイメージです。
さて、周波数変換式再生受信機はご紹介されたアマハンの回路をネットで発見して興味を持っていました。真空管式の受信機を自作する
にもIFTが入手難ならこういう受信機もそこそこ実用になるのかな
と思っています。アメリカではNoviceの入門受信機という位置付け
だったのでしょう。再生受信部が固定周波数なので再生が受信周波数に関わらず安定にかかるのではないかと思います。再生受信機
にある再生調整のわずわしさが解消できるのでは?
かかるのではないか
一石クリコンの40673は夏懐かしい石ですね。RCAのデュアルゲートMOS FETの走りで日本でも売られていて少量入手しています。まだ高価だったのでコイルを複数巻いてもFETを節約したかったのでしょうね。
JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、おはようございます。 八月も今日で終わりですね。 少しずつ暑さも和らいできました。
いつもコメント有難うございます。
> 「IFTが不要なのはパーツ代が安くて良いなあ」などと・・・
私も子供のころ高一中二を作ろうとしてパーツを集めていました。IFTとかコイル類のほか3連バリコンのような部品が高価でなかなか揃いませんでした。 クリコン+再生式なら高価な部品がだいぶ省けるので有り難いですよね。 でもあまり魅力的には感じませんでした。その当時は。(笑)
> 1石クリコンはAYO丹羽OMが良く記事に書かれてました。
あまりCQ誌を買わなくなっていたころだったので、断片的な記憶しかありません。 AYOさんの自作教室は親切でわかりやすいため人気のコーナーでしたね。 必ず読んだものでした。
> 今でしたら手っ取り早くSA612を・・・
そうなんですよね。 ICを避けるつもりじゃないんですが、RF部分は出来るだけディスクリートで・・・と言う方向になっちゃってます。SA612でも良いですしTA7310Pなんかでも同じ物ができますよね。(笑)
> 再生受信機が真空管でしたら球で・・・
テストしていて球のクリコンにFETのバッファアンプはちょっと違和感があったので、やはり球には球ですね。 12.6Vでは球のカソードフォロワはイマイチなので石にしました。
12.6Vの球で全部作れそうですが、4〜5球必要なので、ほとんどの電源電流はヒータに喰われて自動車用のバッテリーじゃないと難しそうです。まあ、安定化電源でやれば良いんですけど。hi hi
12.6Vの球でヘッドフォンアンプの実験でもしておこうか・・・なんて思ってますよ。(爆)
JR1QJO 矢部さん、おはようございます。 クラブブースの設営お疲れ様です。今日からですね。皆さんとFBにアイボールを!!
いつもコメント有難うございます。
> ICOM展示で新型QRPトランシバーを発表する・・・・
IC-705でしょうか? そんな情報が流れてましたよ! ポータブル機なら818じゃなくってエレクラフトに対抗して欲しい気もします。どんなものか楽しみですね。(笑)
> 「IFTが不要なのはパーツ代が安くて良いなあ」などと思いながら・・・
IFTもそうなんですが、メカフィルのような超高額部品が不要ならVY-FBですよね。 ただしその頃は再生式をあまり信用していませんでした。 既に並3ラジオを作っていたので再生検波は扱いにくい・・・って思ってましたので。hi hi
> 再生が受信周波数に関わらず安定にかかるのではないかと・・・
第1局発可変式ならIF周波数は固定ですから再生の調整は非常にやりやすいですね。 クリコン式も可変範囲が狭いので調整しやすいようですよ。
> 高価だったのでコイルを複数巻いてもFETを節約したかった・・・
デュアルゲートMOS-FETあまり安価にはなりませんでしたねえ。そのうちに2SK241のような使いやすいFETに交代したように思います。高価だったFETを節約したい気持ちは良くわかります。 使ってみると面白いデバイスです。40673も使ってやってください。(もったいないかな?)
最近はSDRでのAM受信機のAGC設計と実装に取り組んでいます。まっとうな音にするのは実に難しいですね。
クリコンといえば、24MHzからしか受信できないSDRがあるので、それのために0~60MHzを120~180MHzにアップコンバートするクリコンを買いました。AirspyのSpyVerterといいます。SMAのBias-T経由で電源供給できるので便利ですが、MicroUSBの外部供給もいけます。USB経由の電源供給とかいったらアナログ大好きな人達は卒倒しそうですけどね(電源品質が悪いので)。でもそこそこ使えますし(変なノイズは出てきません)、昔のクリコンとはイメージが大違いです。
あともっと昔のだと、八重洲のFRG-7700のオプションで、FRV-7700というクリコンがありました。あれは良かったですね。
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Kenji Rikitake, JJ1BDX(/3)
JJ1BXD/3 力武さん、こんばんは。 関東はだいぶ涼しくなっております。 関西はいかがですか?
いつもコメント有難うございます。
> SDRでのAM受信機のAGC設計と実装に・・・
SDRのAM復調そのものは確立されているのでしょうが、電波強度のようにアナログに変化する状況に追従させるAGCはSDRになっても奥が深そうですね。hi
> 24MHzからしか受信できないSDRがあるので・・・
一時期流行ったワンセグTV用のUSBドングル型SDR受信機もHF帯の受信にはアップ式のクリコンが必要でしたね。 一時期実験したことがあります。
> SMAのBias-T経由で電源供給できる・・・
いまどき何でもUSB電源ですね。(笑) LF帯やMF帯がノイジーそうで少し心配ですがHF帯なら通信関係でも案外行けそうですね。 USB電源の本格的なRF測定器もある時代ですから対策次第で何とかなるのかな。(笑)
> 昔のクリコンとはイメージが大違いです。
でも、中身はやっぱりアナログなクリコンなのでしょうね。それ以上複雑な仕組みにする意味を感じませんから。(笑)
> FRV-7700というクリコンがありました。
使ったことはありませんが、VHF帯を受信するための外付けオプションだったようですね。 最近のリグには最初からUHF帯まで受信できるものもあってクリコンを求める人は少ないかもしれません。これも時代なのでしょう。
クリコンなど時代に逆行だったかもしれませんね。(爆)
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