【フィルタの反響現象とは】
狭い部屋、あるいはトンネルの様な場所で、会話が反響して聞き難かった経験をお持ちではないでしょうか? 普通は厄介な現象なのですが、日光の『鳴き龍』はこの現象をポジティブに利用した例でしょう。(笑)
反響音が減衰せず、長く余韻を引くと会話はたいへん聞き取りにくくなります。 実は、これと同じ現象がフィルタでも(程度の差はあっても)起こっているのです。 フィルタとはCWフィルタとかSSBフィルタのような電気回路のフィルタです。
狭帯域のフィルタでは、良く共振する(=Qが高い)LC回路や共鳴する物体(水晶やセラミックス振動子)を並べ電気信号で「たたいて」振動させているのと同じ現象が起こっています。 鐘をつけば余韻が残るのは経験からおわかりでしょう。 しかし、この現象が過度に存在すると明瞭度が損なわれるのでフィルタとしては好ましいものではないのです。そのフィルタの音色を決める一因であるとも言えます。
フィルタの特性について、詳しく始めると一冊の本にも成るのでやめておきましょう。 しかし信号が余韻を引くようなフィルタの条件ははっきりしているのです。 ごく簡単に言うと「Qが高くて切れるフィルタ」です。 CWフィルタで言えば、通過帯域幅がごく狭く肩部分の立ち上がりが急峻なフィルタで顕著に見られます。
さらに、過度に余韻を引くようなフィルタは信号の立ち上がりにおける過渡的な応答特性も悪いのも普通です。 信号の立上がり部分がリンギングしてワウワウと言うような過渡的な聴感を伴うようになるのです。
必要以上に狭帯域のフィルタが好ましくないのはもちろんでしょう。 フィルタは周波数軸上の特性ばかり示されることが多いのですが、実際はそれは一面を見ているだけに過ぎなくて、時間軸上の特性もたいへん重要なのです。
さらに、過度に余韻を引くようなフィルタは信号の立ち上がりにおける過渡的な応答特性も悪いのも普通です。 信号の立上がり部分がリンギングしてワウワウと言うような過渡的な聴感を伴うようになるのです。
必要以上に狭帯域のフィルタが好ましくないのはもちろんでしょう。 フィルタは周波数軸上の特性ばかり示されることが多いのですが、実際はそれは一面を見ているだけに過ぎなくて、時間軸上の特性もたいへん重要なのです。
さて、今年(2009年)のHAMフェアの自作品コンテストのテーマは「7MHz DC受信機」だそうです。 DC受信機は少ない部品で済ませる簡易型と、その対極にある高級型に二分されるように思います。 簡易型も面白いのですが快適なオンエアにはしっかりしたDC受信機が欲しものです。 それには良いオーディオ・CWフィルタが欲しくなるでしょう。 DC受信機の受信のフィ−リングを決めるのはオーディオ・CWフィルタなのですから。(オーディオ、またはオージオ・フィルタとは復調されて低周波になってから信号を選り分けるフィルタのことです。AFフィルタとも言います)
折角なら、少しでも良いDC受信機を作ってもらいたいと思います。 やや複雑なので簡易型には向かないかも知れませんが、高級指向ならピッタリのフィルタがあります。 使ってみれば良さがわかるTransitional Gaussian型フィルタを採り上げてみましょう。
良好な選択度を持ちながら、時間軸上の応答特性にも配慮したフィルタ形式です。 特性云々は勿論ですがコイルを使わずに高性能が得られるフィルタとしても重宝でしょう。 複雑ではあっても大きなコイル:Lがないので思ったよりもコンパクトに作れます。 この例は雑誌に掲載されていたものです。 但し原典の回路定数を再計算して修正しています。(なお、私は自作品コンテストに参加するつもりはまったくありません・笑)
良好な選択度を持ちながら、時間軸上の応答特性にも配慮したフィルタ形式です。 特性云々は勿論ですがコイルを使わずに高性能が得られるフィルタとしても重宝でしょう。 複雑ではあっても大きなコイル:Lがないので思ったよりもコンパクトに作れます。 この例は雑誌に掲載されていたものです。 但し原典の回路定数を再計算して修正しています。(なお、私は自作品コンテストに参加するつもりはまったくありません・笑)
上の図面は特性シミュレーション用として書いた回路図です。 実際の回路に組み立てるには『製作用の設計』に修正すべきでしょう。 今回のBlogではその部分は端折っているので、具体的な事例が書いてあって製作に役立つ続編を計画しています。
いま、まさしく700HzのCW短点もしくは長点が来た瞬間の様子を示すものです。 信号は少し遅れてフィルタの出力に現れるのがわかります。 しかし、「オーバーシュート」(行き過ぎ)や「リンギング」(過渡振動)のない奇麗な応答なのがわかります。 実際の聴感もとても良い感触が得られます。(悪い例と合わせて紹介すれば一目瞭然でしたね・・・)
【周波数特性】
こちらが周波数特性です。 中心周波数は700Hzで、-3dBバンド幅は140Hzの設計です。 フィルタの特性を周波数軸で拡大して見ているので、あまり冴えない特性に見えるかも知れません。
頂点から-6dBより上の部分の通過帯域の特性が、過渡応答特性に優れるガウシャン(Gaussian)特性になっています。 よく見るフィルタのように平坦域のない特性なので冴えない特性に見えますが、とても良く切れるフィルタです。 絵で見て納得して頂くのも良いのですが、実際に使ってみるとその良さがはっきり体感できるでしょう。(切れの良さと過渡特性の2つを両立させたのがこのフィルタの特徴です)
こちらが周波数特性です。 中心周波数は700Hzで、-3dBバンド幅は140Hzの設計です。 フィルタの特性を周波数軸で拡大して見ているので、あまり冴えない特性に見えるかも知れません。
頂点から-6dBより上の部分の通過帯域の特性が、過渡応答特性に優れるガウシャン(Gaussian)特性になっています。 よく見るフィルタのように平坦域のない特性なので冴えない特性に見えますが、とても良く切れるフィルタです。 絵で見て納得して頂くのも良いのですが、実際に使ってみるとその良さがはっきり体感できるでしょう。(切れの良さと過渡特性の2つを両立させたのがこのフィルタの特徴です)
FR-101型受信機に内蔵してみたのが初めての使用経験でした。 使ってみた感想は申し分ないものです。 狭帯域フィルタにありがちな信号の粘りのようなものは感じません。 良く切れるのですが、少々狭く作り過ぎたので通過帯域幅はもっと広げた方が良いようでした。 この例の約3倍の±150Hzで設計するくらいで良いかも知れません。 このままでは周波数安定度が悪い受信機やダイヤルの減速が不十分な簡易受信機では同調操作に難しさを感じるでしょう。 ともかく良く切れるCWフィルタです。しかも良い音がします。
中心周波数、通過帯域幅、フィルタゲインなどある程度任意に設計変更できますが、Blogにすべてを書くのは困難です。 結果だけが欲しいなら詳しい話しはすぐに飽きてしまうでしょう。 強く興味を覚えたようでしたらフィルタ関係の書籍を見て頂くのが最良だと思います。 但しフィルタの本ではCW受信機用のフィルタとして紹介されてはいません。 狭帯域なバンドパスフィルタとして解説がある筈です。 メーカー製の受信機(トランシーバ)でも、何れこうした特性のCWフィルタがDSPによって実現されて当たり前の装備になるでしょう。
【Communications Quarterlyの記事】
左はこの形式のオーディオCWフィルタについて扱った雑誌記事の例です。 Blog公開初期にご希望のお方に限ってコピーを差し上げていたのですが著作物のため現在は行なっていません。ご了承下さい。
ARRL(米国アマチュア無線連盟)の出版物なので有料のコピーサービスが得られると思います。 ご自身でお問い合わせになって下さい。 Communications Quarterly誌・1994年Winter号p20からp24の全5ページです。
これはアマチュア無線家向けの製作記事なので内容は難しくありません。 筆者は実際にTRIOのTS-520に内蔵して愛用しているそうです。 回路図、調整方法も載っており製作に役立つ資料です。 残念ながら設計についてはあまり詳しいことは書かれていません。 また誤植と思われる数値間違いや、回路図の接続ミスもあるので参照する際は注意して下さい。 回路図と詳しい周波数特性については拙Blogの続編でも紹介しています。この記事を参照しなくてもフィルタは作れると思います。 de JA9TTT/1
【関連のBlog案内】
☆ ここで扱った形式のフィルタのさらに詳しいBlog記事は:→こちら。
☆ CWフィルタを含めた回路シミュレーションについては:→こちら。
(おわり)
(Bloggerの新仕様対策済み・改訂:2017.03.29)
(Bloggerの新仕様対策済み・改訂:2017.03.29)
16 件のコメント:
こんばんは。
DSPで帯域を絞ったり、最近のコリンズメカフィルを使うとちょっとエコーがかったCW音になりますね。
耳あたりが良いので嫌いではありません。^^
OP-AMPを使ったAFフィルターはなぜか失敗ばかりしていて、
自分の腕を棚に上げて嫌いな回路です(笑)
ところでDSPの性能が上がると受信機はDC型になっていくのでしょうか?
JE6LVE 高橋さん、こんばんは。
コメント有難うございます。 どもこのテーマを選んだのは、Blogではちょっと舌っ足らずだった模様です。(笑)
> ちょっとエコーがかったCW音になりますね。
ちょっとなら良いのですが、かなり良くないフィルタもあって、そういうフィルタは何故か了解度が悪いように感じます。(笑)
> AFフィルターはなぜか失敗ばかりしていて・・・
フィルタの類いは部品の精度が問題ですね。アバウトでは良好な特性が出ません。高性能なフィルタなら1%くらいの精度は必要でしょう。 作ってからチューニングすると言う手もあります。
> DSPの性能が上がると受信機はDC型になっていく・・
DC型は、一旦オーディオ帯に変換するイメージがありますね。 既に始まっているデジタルラジオでは、もっと高い周波数でいきなりA/D変換してしまいます。 あとはデジタル化されたデータですから、データの高速処理で何とでもするのでしょう。最後にD/A変換してオーディオに変換すればオシマイです。(笑) DCと言うか、直接A/D変換式ですね。 送信機の方も、マイクアンプからの信号をA/D変換したら、D/Aで目的周波数を作り、あとは直線増幅器で・・・。自作の余地はリニヤアンプくらい?(笑)
おはようございます。
ガウシャン特性といえば、リンギングを嫌うオシロスコープの垂直軸増幅器がそうですね。かつての「FUJIYAMA」もそうですが、通過帯域を極端に狭めると何かが耳につくような印象を受けるのは、やはりフィルタの過渡特性によるものなのでしょうか。
オーディオフィルタといえば、「エレクトロニクスライフ 1988年10月号」(古い!)の特集記事「アナログ信号処理とその応用」でも基本的な設計法を取り上げていました。ただし、あったのは「バターワース」「チェビシェフ」「ベッセル」の3種で、「ガウシャン」には触れられていませんでした。
こうしてみると、オーディオ信号処理も奥が深いですね。ちなみに私の場合、おそらく設計が一番楽で、特性も無難と思われる「バターワースフィルタ」専門です。Hi.
あいにく、最新のRIGは手元に1台もありませんが、時代的にDSPでガウシャン特性のCWフィルタを実現したものがすでにあってもおかしくはありませんね。あとは設計者がフィルタの過渡特性に着目しているかどうか次第でしょう。なお、DSPを使用したPSN法によるSSB波生成はすでに行われているようです。
私も自作品コンテストの規定部門にエントリする気はありませんが、もしエントリするなら、この記事も設計上の大きなヒントになることでしょう。この記事もそうですが、第三者の功績を利用して製作した作品をエントリするなら、是非出典を明確にして欲しいものです。それが情報提供者に対する「最低限の」礼儀でしょう。
それはさておき、今年の自作品コンテスト規定部門ではCosyさんの作品が本命になるのでしょうか。あとはご本人にエントリの意志がおありかどうか次第ですね。Hi.
p.s:
加藤さん、前回のコメントではお気遣いありがとうございました。その後、夕食と今日の朝食はしっかり摂りましたのでご心配なく。Hi.
かとうさん,こんにちは
すっごく切れるフィルタですね.DC受信機には狭すぎで,ご指摘のとおり±200Hz程度でも十分だと思います.
こんないいフィルタを使うのなら,逆サイドバンドのキャンセル機構も入れないともったいないですね(^^)
#回路規模がほとんど2倍になりますけど(笑)
ご紹介の回路の基本区間はDelyiannis-Friendの回路ですね.簡単なのですが,素子感度が高く,2次区間のQに比例して大きくなるのが難点です.
読者の皆さんのご参考に,Delyiannis-Friend回路の設計をサポートするサイトとしてUniv. North FloridaのShore先生のサイト;
http://www.unf.edu/~show0001/
をご紹介いたしましょう(左フレームの“Filter Calculator”のリンクをクリック).
DFKさん,DSPのSSB/CWフィルタはほとんどが直線位相特性のFIRフィルタでしょうから,わざわざIIRのガウシアン特性にする必要はないかと.
> Cosyさんの作品が本命になるのでしょうか
今作っているのはトランシーバですからねぇ(苦笑)
同じコンセプトで規定部門用にも作って,両方にエントリーしましょうかね? hi hi
JG6DFK/1 児玉さん、おはようございます。
コメント有難うございます。
> オシロスコープの垂直軸増幅器がそうですね。
古典的なアナログオシロはそうなってましたね。実は、今の高速デジタルオシロはそうではないのだそうです。(帯域幅を延ばす目的と、演算で補正表示できるからのようです。なかなか凄い技術ですね)
> 「ガウシャン」には触れられていませんでした。
ほぼBesselとおなじ特性です。すこし切れが良いように感じます。 このフィルタは、通過帯域のみがGaussianと言う旨いとこ取のフィルタですが、エッジ部分ではそれが露見します。(笑)支障はないですけど。
> DSPを使用したPSN法によるSSB波生成は・・・
最近の無線機は皆そうなりましたね。 高価なフィルタがなくて済むのが理由ですが、製品の無調整化、均質化にも役立っていますね。
> 夕食と今日の朝食はしっかり摂りました・・・
健康が第一ですからネ。(^^)
JH5ESM Cosy/武藤さん、おはようございます。
コメント有難うございます。
> ±200Hz程度でも十分だと思います.
ものすごく切れるフィルタをお望みのお方にはうってつけなんですが、常用するには切れ過ぎる感じですね。過渡応答が良いので、切れるフィルタとしてベストと言える使用感です。±150〜200Hzで再設計するとDC受信機向きのようです。
> 逆サイドバンドのキャンセル機構も入れないと・・・
CW専用に特化してしまえば、AF-PSNは思い切って簡略化できそうです。まあ、回路規模はどうしても大きくなりますが、高級指向なら仕方ないでしょうね。(笑)
> 素子感度が高く,2次区間のQに比例して大きくなるのが難点です・・・
図のフィルタの場合、区間のQは約8が最大です。 これ以上大きいとクリチカルですが、一応問題ないようでした。帯域幅を広く取るとQは下がる方向なので有利になりますね。実回路ではチューニングで素子感度を抑ええます。(笑)
> をご紹介いたしましょう
ご紹介ありがとうございます。勉強になりますね。
> 両方にエントリーしましょうかね?
がんばって下さい。エントリーが多い方が面白いです。
こんにちは。
TTT> 今の高速デジタルオシロはそうではない
そうなのですか。確かに、デジタル処理するならどうにでもなるかもしれませんね。「アナクロ技術者」の知らない間に回路技術はどんどん進歩しているようで… Hi.
TTT>ほぼBesselとおなじ特性です。
了解しました。ベッセルは「切れが悪い」という印象を持っているのですが、今回ご紹介いただいたフィルタの通過特性を見ると、エッジの途中から減衰率が大きくなっている感じですね。各ステージはバンドパス特性のようで、各定数の検算はしていませんが、Qと中心周波数を微妙に変えてチューニングしているのでしょうね。
素子感度の話ですが、多段従属接続になっているのはチューニングの関係もあるでしょうが、素子感度を下げるというのも理由のひとつでしょうね。余談ですが、飯の種でアナログ回路をやっていた頃、素子感度は結構気にしていました。量産品なら当然でしょうね。
もっとも、デジタル処理全盛の現在では、素子感度の心配をする機会は減っているでしょうが…
ESM>直線位相特性のFIRフィルタ
確かにそうかもしれませんね。そういえば、Hi-Fiオーディオ用のデジタルフィルタで好んで使われるのもFIRでした。
ESM>両方にエントリーしましょうかね?
その気になりましたか? でも、両方は反則ですよ。Hi Hi. それはさておき、参加者は多い方が面白くなります(その分、私が参加しても入賞の確率は低くなりますが Hi.)し、「見る側を『アッ!』と言わせるようなDC受信機」の登場に期待する御仁もおいでのようなので是非。
当然、逆サイドバンドの通り抜けは許してもらえないでしょうから、RF-PSNとAF-PSNの搭載はきっと「必須」でしょう。ただ、そこまでやるとスーパへテロダイン方式よりずっと回路が複雑化した受信機になりそうです。そこまでやる意味があるかどうか。Hi Hi.
JG6DFK/1 児玉さん、こんばんは。
今日は寒いので、陽の有るうちに買い物に出てました。
コメント恐縮です。
> デジタル処理するならどうにでもなる・・・
まあ、腕力でヤルと言うことですね。アナログ屋から見るとエレガントには見えないかも知れませんが。(笑)
> 途中から減衰率が大きくなっている・・・
そこがTransitionalな部分ですね。子細に見ると特性カーブが変化するのがわかります。
> 心配をする機会は減っているでしょうが…
アナログな心配は減ったと思いますが、新たな戦いが待っているのでしょう。(笑)
> スーパへテロダイン方式よりずっと回路が複雑・・
テーマがDC受信機ですから仕方ありませんが、ICを使ったスーパーの方が容易に高性能なRXが作れると思います。 もし対抗できるとすれば、集積度の高いFPGAを旨く使ったデジタルラジオでしょうか。(笑)
皆さん、FBなRigを製作されて下さい。 JAのHAMは遅れてると言われないように。(笑)
こんばんは。
今日は、重要文化財の家屋の茅葺屋根のふきかえの見学に行ってきました。途中小雪が降ったりしてとても寒かったです。
急峻な特性のオーディオフィルターは素子感度も高く、実用にならないという固定観念があるのですが、この回路にはとっても興味があります。シュミレータに入力してみたのですが、R2,R5,R8,R11の値がわからず、同じ特性になりませんでした。
DC受信機に接続しなくとも、通常のSSBフィルタしか搭載していない受信機にも効果的に使用できるのでしたら、一度試してみたいです。
Transitional Gaussianで検索すると、National Semiconductorのフィルタ設計のWork Benchがヒットするのですが、どうしたことか旨く表示されません。
リンギングが少ないとなれば、デジタル変調信号を濾波するときに用いられるものでしょうか?
JJ3CMV 酒井さん、こんばんは。
コメント有難うございます。
> 茅葺屋根のふきかえの見学に行ってきました。
なかなか身近に見られませんから、FBなご体験でしたね。雪が舞うお天気では寒かったでしょう!
> 素子感度も高く、実用にならないという固定観念が・・
確かに素子感度は高いですね。おおよそ1%誤差のCRを選んでやり、あとは調整で概ね予定の性能にします。R2・・R11は、VRが直列になった共振周波数の調整用です。お送りする記事に調整方法があります。
> SSBフィルタしか搭載していない受信機にも効果的に・・
条件付きですが有効に働きます。検波した後から付けるフィルタですから旨くないことがあります。SSBフィルタの帯域内に強力な信号が現れるとAGCが掛かってしまうからです。 SSBフィルタ帯域内の強い信号を受信するなら問題ありません。 他の混信がきれいにカットできて、たいへんFBです。
> デジタル変調信号を濾波するときに用いられるもの・・
FSKなどデジタル通信にも良さそうですね。 通過帯域内の群遅延特性も平坦だったと思います。 Bw=140Hzではなく、もっと広く設計しないと旨くないでしょう。
かとうさん、素晴らしい特性のフィルタの用ですね。過渡特性が非常にきれいだと感じました。
> 既に始まっているデジタルラジオでは、もっと高い周波数でいきなりA/D変換してしまいます...
少なくともHF帯ではその方式が主流になりそうな気がしています。DCというかアナログコンバータでベースバンドに落としてからデジタル信号処理する方法も、シンプルさが魅力ですし、目的の周波数や用途によってはこれからも使われるでしょう。
> 自作の余地はリニヤアンプ
それとマイクアンプHi。それは冗談として、リニアアンプの直線性や効率の改善など、ハードウェアとソフトウェアの両面から工夫する部分もありそうです。もっとも多くの部分はFPGA等に載ってしまいそうですが。
> デジタル処理全盛の現在では、素子感度の心配をする機会は減っている
その代わりに演算誤差の心配はしないといけないかも。
それから、私はフィルタの基本をちゃんとわかってないのですが、FIRフィルタでもリンギングは起こる可能性はあるような気がします。
ちゃんと測定したわけでもシミュレーションしたわけでもないのですが、実際に狭いFIRフィルタを使っていて、200Hz幅くらいまでは快適なのですが、それより狭くしていくと聞きづらくなってくるように感じています。シミュレーションはすぐにでもできるはずなのにサボっているのですが。
さらに、FIRフィルタで急峻なフィルタを作ると遅延が大きくなるのが問題です。
DC受信機そのものについては、ずっと興味を持っていますが、AGCをかけようとすると良い特性を得るのはなかなか難しいのではないかと思います。
JI3GAB 井上さん、こんばんは。
こちら、そろそろ寝るところでした。明日は仕事ですね。
コメント有難うございます。
> HF帯ではその方式が主流になりそう・・・
私もそう思っています。 受信機の構造・概念が既存のストレート式やスーパー式から、がらっと変化すると思います。デジタルラジオはもう十分可能な所に来ているようですね。 あとは既存の最高性能の受信機にどこまで迫れるかでしょう。
> その代わりに演算誤差の心配はしないと・・・
凝ったことをすると、桁落ちや丸めなど、演算誤差の累積が問題になるでしょうね。(笑) 複雑な処理をするには、演算速度も問題になるでしょうし、リアルタイム性が失われそうですね。 下手をすれば、やっぱりアナログが良かった・・・となるかもしれません。(爆)
> AGCをかけようとすると良い特性を得るのはなかなか難しい・・・
オーディオでAGCを掛けることになるので、IFで掛けるよりもレスポンスが悪くなりそうです。 ある程度高性能なRXに、AGCは必須ですからDC受信機でも解決すべき重要テーマでしょう。
必要そうなら、資料をお送りしますよ。
出島です、こんばんは。
フィルタ・シミュレーションのシリーズ、とても勉強になります。
ここ2~3ヶ月、QRPのWSPRやQRSSにはまっていますが(コンテスト以外は hi)、756PROのフィルターを25Hzまで絞り、さらに、Notchで削って、10Hzくらいまで狭めると、朝9時過ぎまで7メガでヨーロッパの5W局が見えていたり、思ってもいなかった世界が見えて来ます。
片道2分のような、超低速はその代償だったのですね。
それから、こういう綺麗な特性は、135kHz辺りでも可能なのでしょうか?
'L4IOU 出島さん、こんばんは。
コメント有難うございます。
> フィルタ・シミュレーションのシリーズ、とても勉強に・・
どうも有難うございます。 シミュレーションと言うと『絵に描いた餅』的な架空の話しに陥りがちなので、現実との橋渡しのようなことが出来たらと思っています。 ご紹介した例は、現実の回路と良く合うものです。 パラメータを振って、実回路の特性がどのように変化するのか、事前の検証が出来る訳でシミュレーションの有用性が説明できると思うのです・・・。(笑)
> ヨーロッパの5W局が見えていたり、・・・
低速・超狭帯域通信はなかなか面白い世界ですねえ。 出島さんのアンテナの良さも功奏しているのではありませんか? 低速でも有用な用途があると考えられた通信方法なのでしょうね。ずいぶん昔に軍用技術として開発していると言う話しを読んだ記憶があります。
> 綺麗な特性は、135kHz辺りでも可能・・・
こうした特性のフィルタは、別に低周波専用ではありません。周波数を選ばずに可能なのですが、135kHzともなるとアクティブ回路で作るのは厳しいかも知れません。 高速OP-Ampで試しても旨く行かないようなら、Qの高いコイルが作れるフェライトコアを探し、LC回路で試したら面白いと思います。十分可能性はあるでしょう。
TTT/hiroさん、こんばんは。
>パラメータを振って、実回路の特性がどのように変化するのか、事前の検証が出来る訳
でシミュレーションの有用性が説明できると思うのです・・・。(笑)
これは本当にありがたいです。
特にアンテナの場合、この時期はタワーに上ること自体が難儀なのですが、
机上で振舞いを確認する → 現実の変化を確認する → 補正する
のステップでかなりの事ができるので嬉しいです。
何より高所作業が減るのでFBです。
フィルターも、次数を大きくとると、現実は途端に難しくなりますね。
ぐっと堪えて、大き目の部品でゆったり作るようにしています。hi
>アンテナの良さも功奏しているのではありませんか?
今使っているのは、約20m高の、60%短縮ロータリー・ダイポールですから、まあ
まあのところではと思っていましたが、
(10メガも同様のアンテナなのですが)良く出ておられる、7L1の某局と比較する
と、私のほうが2~3dB感度が悪いです。
その局は、高層住宅からモービル用ホイップで運用しているとの事。
最近、アンテナも受信機同様、ゲイン(感度)が全てではないのかも?と感じてい
ます。
>Qの高いコイルが作れるフェライトコアを探し、LC回路で試したら面白いと思います。
十分可能性はあるでしょう。
上手くフィルターが作れれば、バンド幅も狭いのでダイレクトコンバージョン?でもいけそうですね。
7L4IOU 出島さん、こんばんは。 本日都内に出ており先ほど帰宅した所です。(AC変調付き・笑)
コメント有難うございます。
> 何より高所作業が減るのでFBです。
上空での細かい作業が困難なアンテナでは、事前のシミュレーションで傾向を把握してから望むのと、行き当たりばったりで行くのとではまるで違うでしょう。 繰り返しが困難なものほど、シミュレーションの有難さがわかりますね。
> ゲイン(感度)が全てではないのかも?と・・・
環境ノイズ、打ち上げ角、偏波面・・・電波の伝播経路も複雑ですから、単にゲインだけでは計りきれない要素があると思いますね。
> ダイレクトコンバージョン?でもいけそう・・・
受信機の中間周波よりも低い周波数ですから、何もスーパーヘテロダインにしなくても良いと思います。 バンド幅も極狭いので、頭はBPF形式で帯域制限し、BFOを周波数可変することで選局するダイレクトコンバージョン形式でしょうね。 実際には、数10kHzに変換してPCのソフトウエア処理になりそうです。
136kHzバンドはアンテナの輻射効率は恐らく最悪でしょうから、受信系の高性能化でカバーするしかないでしょう。
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