【AVRマイコン:ATmega 8X用ボードを活用する】
【Arduino互換基板】
AVRマイコンを使ったコントローラ基板を製作する話しです。
写真は秋月電子通商で手に入るAVRマイコン用の基板です。 今では有名になった『Arduino』と機能的に互換のマイコン基板が作れるようになっています。
この基板を汎用(はんよう)のマイコン基板とみなして、活用しましょう。
基板上に搭載する部品をセットにした「製作キット」(←リンク)も売られていますが、ここではプリント基板だけを使います。(基板のみ単品販売されている)
計画中の製作で、AVRマイコンを使ったコントローラ基板が必要になりました。 回路はごく単純ですが、周辺回路の制御や表示器のドライブのために各I/Oポートを引き出す必要があります。 そのほか、ISP書き込み端子や5Vの電源も載せなくてはなりません。
もはや作る面白味は殆どない定型のマイコン回路です。 配線もちょっと面倒なことから、この基板の活用を思いつきました。 配線の手間が幾らかでも省けるなら有難いです。 さっそく旨く使えるか検討してみました。
【ポートの割り付け】
もともとがArduino互換の回路ですから、 コネクタのピン・アサインなどは其れ用に書かれています。 私の目的に使うには、そのままだと間違い易いので、自分が使い易いように注釈を入れておきます。(左図の緑文字)
なお、これで作るコントローラ基板が取りあえず想定しているのはDDS発振器で、こちら(←リンク)のBlogのAD9834を使うものです。もちろんAD9850やAD9851と言ったDDSもコントロールできますが、+5V電源の消費電流に注意を要します。
この基板はシリアルインターフェースが別基板で搭載できるようになっています。それを使えば後々USB経由でデータの交換が可能かも知れません。しかし、ここではその部分(赤で囲った部分)は不使用にしました。
また、電源部分も簡易なACアダプタでも間に合う回路構成になっていますが、独立してこの基板だけを使う訳ではないため簡略化しています。 要するに+9〜10Vの主電源を別に設けてそこから供給します。 さらに、AVRマイコンは内部クロックで使いますから水晶発振子は不要です。水晶発振子の代わりに、基板にコネクタを付けておいたので追加の2ポートとして利用できます。
主にI/Oポートの引出しとISP端子の部分だけを使うことになりますが、ずいぶん配線の手間は省けそうです。 例えばDDSのコントローラとして完結する為には、この基板だけでは少し無理があります。補助のインターフェース基板が必要になりますがごく簡単なもので済みそうです。 本来とは違った目的ではありますが、「Arduino互換基板」を利用する意味は十分あるでしょう。基板コストも含め、まずまず利用価値はあると思います。
参考:5Vの3端子電源にAN8005を使ったのは頂き物があったからです。レギュレータ自身の消費電流は1mA未満なので省電流になります。 同様の3端子レギュレータはたくさん市販されておりAN8005に限りません。低消費電流に拘らなければ一般的な+5Vのレギュレータ:μA7805ACなどでもOKです。 なお、AN8005の場合、+5V電源の全負荷電流は50mAまでに収めなくてはなりません。
【LCDを装着してテスト】
さっそく、必要な部品を実装してみました。 このタイプのLCD表示器を前提に作られていないので、コネクタのピン配置は必ずしも合理的とは言えません。しかしそれほど無理せずに配線接続できました。
I2Cインターフェース付きLCDの活用も考えられますが、I/Oポートの使い方から考え直す必要があるでしょう。プログラムほか既存の設計をなるべく活かすのが前提のため、ここでは検討していません。
LCD表示器にはバックライトが白色LEDで白抜き文字の物にします。以前の検討によれば、この形式のLCD表示器が最も消費電流が少ないからです。 この状態で全消費電流は20mAくらいでした。(外部から+10Vを与えています)
一つの想定としてDDS部分にAD9834を使って省エネ設計にすれば20mA以下の消費電流にできるでしょう。 マイコン基板+LCD表示器+DDS発振器のトータルで40mA以下にできそうです。この中にはLCDのバックライト分も含まれます。
写真では、LCDのバックライト電流は10mA以下に設定しています。これでも十分な視認性が得られています。
☆
他の目的に作られた物を流用するので合理的ではない所もありますが、まあまあだと思っています。 それなら、そのまま「Arduinoもどき」を作ってしまい、DDSコントロールのスケッチを実行させたらいかが?・・・と言う声も聞こえてきそうですね。
それも一案なのですが、ここでは既存の制御プログラムと、ハード設計を活かすことを重点にしました。 Arduinoとして作った所で、外付け基板や追加部品ナシとは行かないでしょう。 単純なDDSコントローラなら別ですが、無線機用にするなら独自の機能を実現するためのプログラムも不可欠です。 少々ムダなスペースがあるのは気なりましたが、基板が活用できるだけでも十分意味はあります。 何ならもっとコンパクトな既成のArduino基板でもそっくり流用してしまう手があるのかもしれません。hi hi
基板製作と併せて久しぶりにAVRマイコンのプログラミングをしたのですが、ずいぶん忘れていました。 最初はたくさんコンパイルエラーが出てしまい暫くデバッグ作業です。 もともと完結していたプログラムからスタートしていますが、一部のルーチンを合理化する目的で他のバージョンから移植したのが厄介が発生したモトです。(笑)
ATmega8やATmega168用に書いてあったプログラムだったので、ATmega328用にマッチさせる作業もあって、意外に手間取ってしまいました。 まだまだ完成版ではなくて、機器に組み込んでから機能の追加や調整、更なるデバッグが必要になるでしょう。
マイコン基板ができたところで、何に使うの?・・・と言う部分は次回のお楽しみにでもしておきましょう。 マイコン基板そのものはプログラムにより変幻自在なので汎用品と言えます。幾つかのプロジェクトに適用可能なはずです。 ではまた。 de JA9TTT/1
(おわり)
2017年6月24日土曜日
【部品】Transition Frequency : fT
【トランジスタのfT】
【トランジスタのfT測定】
トランジスタのfT値はそのトランジスタの高周波特性を示す重要な指標の一つです。
使ってみればわかりますが、大雑把に言ってfTの1/8の周波数までと思えばゲインは十分得られます。1/4までならまあまあ何とか、と言った所でしょうか。fTの半分まで使うのは良い石が無かった昔々のお話です。
fTについてエミッタ電流:Ieとの関係を調べてみました。なお、Ieはコレクタ電流:Icと同じと考えても良いでしょう。ベース電流:Ibの分だけ誤差が出ますが数%以下です。
トランジション周波数:fTは各トランジスタ固有の一定した値のように思いがちです。例えば2SC1815なら最小80MHzと書かれています。 しかし同じトランジスタであっても動作電流によって大きく変化します。 従ってその使い方によって高周波特性も大きく違ってきます。
【測定したトランジスタ】
2SA70、2SA101、2SA495Y(旧型)、2SC372Y(旧型)、2SC1815Y、2SC1855(フォワードAGC用)、2SC2668Y(2SC1923Y同等)、S9018H(中華石)
測定した中から代表的なものをグラフにしました。旧型と言うのはいわゆる「袴(はかま)」付きシルクハット型パッケージです。
【測定条件など】
コレクタ・エミッタ間電圧:VCE=10V(DC)です。 測定周波数は仮測定して適宜選択します。グラフ中に記載してあります。 エミッタ電流を変化させながらfTを測定します。 空調の効いた25℃の環境で測定しました。 測定の再現性はかなり良好ですが、fTの絶対値はカタログ等の比較によれば±20%くらいの精度のようです。 もともとトランジスタのfTは個々にバラつくので実用上十分な測定精度だと思います。 研究のため、一部は規格をオーバーする条件で測定しています。
☆
2SC372Yの代替は2SC1815Yが定番ですが、HF帯では意図した性能が得られないことがありました。特に小さい電流で使うと芳しくありません。 グラフを見ると2SC372Yの方がRF向き(高周波向き)だったようです。
中華トランジスタ:S9018Hは、以前の予想(←リンク)とは違いました。実測してみたら使い易い所にfTのピークが来ています。これは好都合な結果でした。
2SA70と2SA101は高周波用のゲルマニウム・トランジスタです。高周波用とは言ってもせいぜいこの程度でした。周波数特性が良くなかったゲルマの石で四苦八苦した当時が思い出されますね。
☆ ☆
トランジスタの高周波性能はfTだけでは決まりません。Cob や rbb' が小さいことも重要です。 しかし多くの場合fTの高いトランジスタが有利なのは間違いないでしょう。 目的に合ったトランジスタを選び最適な動作条件で使うことがRF回路成功の秘訣と言えるでしょう。 トランジスタのfTなんて規格表に載っているデバイスの基本的な項目です。どちらかと言えば地味なテーマでしょう。しかしこうして実際に求めてみると色々なことが見えてくるものです。 ではまた。 de JA9TTT/1
(おわり)nm
【トランジスタのfT測定】
トランジスタのfT値はそのトランジスタの高周波特性を示す重要な指標の一つです。
使ってみればわかりますが、大雑把に言ってfTの1/8の周波数までと思えばゲインは十分得られます。1/4までならまあまあ何とか、と言った所でしょうか。fTの半分まで使うのは良い石が無かった昔々のお話です。
fTについてエミッタ電流:Ieとの関係を調べてみました。なお、Ieはコレクタ電流:Icと同じと考えても良いでしょう。ベース電流:Ibの分だけ誤差が出ますが数%以下です。
トランジション周波数:fTは各トランジスタ固有の一定した値のように思いがちです。例えば2SC1815なら最小80MHzと書かれています。 しかし同じトランジスタであっても動作電流によって大きく変化します。 従ってその使い方によって高周波特性も大きく違ってきます。
【測定したトランジスタ】
2SA70、2SA101、2SA495Y(旧型)、2SC372Y(旧型)、2SC1815Y、2SC1855(フォワードAGC用)、2SC2668Y(2SC1923Y同等)、S9018H(中華石)
測定した中から代表的なものをグラフにしました。旧型と言うのはいわゆる「袴(はかま)」付きシルクハット型パッケージです。
【測定条件など】
コレクタ・エミッタ間電圧:VCE=10V(DC)です。 測定周波数は仮測定して適宜選択します。グラフ中に記載してあります。 エミッタ電流を変化させながらfTを測定します。 空調の効いた25℃の環境で測定しました。 測定の再現性はかなり良好ですが、fTの絶対値はカタログ等の比較によれば±20%くらいの精度のようです。 もともとトランジスタのfTは個々にバラつくので実用上十分な測定精度だと思います。 研究のため、一部は規格をオーバーする条件で測定しています。
☆
2SC372Yの代替は2SC1815Yが定番ですが、HF帯では意図した性能が得られないことがありました。特に小さい電流で使うと芳しくありません。 グラフを見ると2SC372Yの方がRF向き(高周波向き)だったようです。
中華トランジスタ:S9018Hは、以前の予想(←リンク)とは違いました。実測してみたら使い易い所にfTのピークが来ています。これは好都合な結果でした。
2SA70と2SA101は高周波用のゲルマニウム・トランジスタです。高周波用とは言ってもせいぜいこの程度でした。周波数特性が良くなかったゲルマの石で四苦八苦した当時が思い出されますね。
☆ ☆
トランジスタの高周波性能はfTだけでは決まりません。Cob や rbb' が小さいことも重要です。 しかし多くの場合fTの高いトランジスタが有利なのは間違いないでしょう。 目的に合ったトランジスタを選び最適な動作条件で使うことがRF回路成功の秘訣と言えるでしょう。 トランジスタのfTなんて規格表に載っているデバイスの基本的な項目です。どちらかと言えば地味なテーマでしょう。しかしこうして実際に求めてみると色々なことが見えてくるものです。 ではまた。 de JA9TTT/1
(おわり)nm
登録:
投稿 (Atom)






