2020年5月23日土曜日
【回路】MECL Design notes (1)
<abstract>
Are you familiar with the logic IC family called MECL? MECL is the nickname of Motorola's ECL-IC family. It is characterized by high speed and low noise generation. I will use MECLs a few times on this Blog. The first time I make a crystal oscillator using a MC10116P. This oscillator will be used as a clock oscillator in next experiment. (2020.05.23 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【MECL ICs】
モトローラ社のECL-ICファミリはMECL(メクル)の愛称で呼ばれています。高速ロジックICといえばECLが唯一だった時代もありましたが、今ではすっかり廃れてしまったようです。 ごくわずかに「プリスケーラ」の用途に残っているくらいでしょう。
アマチュア無線の製作でECLを使うとすれば、周波数カウンタの前に付加して測定上限周波数を拡張するためのプリスケーラくらいです。 そうしたプリスケーラ用ECLは他のロジックICとインターフェースが容易なようにできています。
ECL-ICを使ったRF信号の90度位相器を目的に部品集めを始めました。PSN式SSBジェネレータの続きと言う訳でもないのですが、前から気になっていたので試すことにしました。 MECLは既に廃れたロジック・ファミリですから中華通販が頼りです。古臭くて人気のないICですからフェイクの心配などないでしょう。 あとは希望の型番が手に入るか否かです。 さっそく実験に必要なチップは見つかりました。 しかし新型コロナの影響は深刻です。注文した頃には中華通販は大幅な配達遅延が発生していました。予定した品がまだ届きません。 まずは先に届いた部品で可能な実験から始めることにしました。 初回はMECLを使った水晶発振器を作ってみます。 うまく行けばこの先の実験で信号源に使いたいと思います。
☆
新しい高速ロジック・ファミリが登場しています。いまどきECLでもないかと思ったのですが、興味半分で扱ってみます。 プリスケーラのような専用のECL-ICに馴染みはあっても、汎用のECLファミリーをちゃんと扱うのは初めてでした。 まずは初めて見るような回路記号の理解や異常にさえ感じる電源の与え方などを飲み込むのがスタートポイントでした。 もっぱら自身の興味だけで始めています。 ECLを使った90度位相器や、古臭いロジック・ファミリに興味がなければ、この先は面白くないでしょう。早々にお帰りください。
【BBの接地極を変更】
ECL-ICの常識については次回あたりで詳しく扱いたいと思います。 なぜプラス接地で使うのかと言った話は取り敢えず省きますが、まずは実験への対応をしておきました。
ブレッドボードで高周波や高速ロジックを扱うには、金属製ベースボード(基台)の処理が必要です。購入したままではどこにも接続されず電気的に浮いた状態です。 そのままでは旨くないので、必ず回路のGND側に接続しておきます。 こうした処理は高周波や高速パルス回路だけでなく、ノイズを非常に嫌うオーディオアンプ等の実験でも必須でしょう。
現代ではNPNトランジスタを使うことが多いですから、ほとんどの回路は電源端子のマイナス側が接地された「プラス電源」で設計されています。従ってベースボードは電源のマイナス側に接続します。(写真で言えば黒のターミナル) しかしECLはプラス側を接地して使うのが標準です。C-MOSやTTLに馴染んだ者にとって、ECLの電源はマイナス5.2Vという異常さです。(笑) この対応のため、写真のようにベースボードは電源のプラス端子(赤色)に接続しておきました。これが実験の手始めです。
【ピン列矯正器】
これは写真のMC10116Pに限った話ではありませんが、購入したままのICはピン列の間隔が広すぎます。
色々なピン列矯正器が市販されていますが、写真のものを使いました。 このような道具を使うとブレッドボードへの挿入がスムースに行なえます。
道具がなければ金属板の上で押さえつけて少し曲げてやればOKです。 そうして済ませることも多いのですが、流石に道具を使うと確実ですね。
【MECL Crystal Oscillator】
こんなことを書くと混乱するかもしれませんが、ここで使ったMC10116Pは純然たるECLロジック回路のICではありません。 ゲート回路やフリップ・フロップ回路のような論理回路を司るICではないという意味です。 ラインレシーバのICでどちらかと言えば、アナログICに近い存在です。 もちろんMECL10KファミリのICではあるのですが。
ECLはエミッタ結合ロジック(Emitter Coupled Logic)の意味ですが、もともと差動増幅のリニアICのような回路構造になっています。(だからバイアス端子:VBBなんて言うものが必要なんですが・笑) MC10116Pのようなラインレシーバはそのアナログ的な性格が強く、主に信号伝送回路のインターフェースに使うものです。 内部は増幅作用を持った差動増幅器が基本的な構造ですから、水晶発振子を正帰還ループに入れてやれば発振器になります。 図のようにU1aの出力端子:Pin 3から+入力端子:Pin 5の間に水晶発振子を接続します。 水晶発振子に直列あるいは並列にトリマ・コンデンサを入れれば発振周波数の微調整もできます。
Pin 2の反転出力端子の波形は概ね矩形波になっていますが、さらに波形を良くする目的で、U1bでシュミット回路を構成しています。Pin 6からPin 9へ正帰還を掛けて波形を整えます。 U1cはバッファ・アンプです。出力はこのバッファ・アンプから取り出します。 出力は2つあって、一つは反転出力になっています。 ツイステッド・ペアのような平衡ラインで信号を送るときにはこのコンプリメンタリな出力を使います。
510Ωの抵抗器がやたら目立ちますが、これはIC内部の出力部分のトランジスタがエミッタ・フォロワになっており、しかもエミッタ端子(出力端子)とマイナス電源端子:VEE間に入れる抵抗器が外付けになっているためです。 この回路例のように単独のIC内で信号の授受が完結する場合、外付け抵抗は面倒でしかありません。しかし他の回路部分へ信号を伝送する際には受端側に外付け抵抗器を置けば終端抵抗として機能し良い波形の伝送ができます。このあたりはECLの使い方の基本的なところのようです。
MC10116P自身の消費電流は、標準17mA、最大21mAです。ECLは消費電力が大きいと言われますがその割にこの消費電流は大きくないように感じます。しかし、実際にはたくさんある外付け抵抗の510Ωに流す分が追加されて全体の消費電流はかなり大きくなります。 もし周波数特性が悪くなってもよければ510Ωをもっと大きくしても動作はするようですが、標準はやはり510Ωなのです。(非常古い初期のECLの頃は500Ωでした。その後、E系列の近似値である510Ωが標準になったようです)
発振は容易にスタートしました。 5MHz、8MHz、10MHzなど発振子を交換してテストしましたがどれでも旨く発振しました。 回路を工夫するとオーバートーン発振も可能です。
【YAESU YC-500の入力アンプ】
これは参考です。 左はMC10116のアナログ的なアプリケーションを示す一例です。 八重洲無線の周波数カウンタ、YC-500のインプット・アンプ部分です。
J-FETのソース・フォロワのあと、MC10116を使ったアンプとシュミット回路を使った波形整形回路になっています。 左端のPNPトランジスタはTTLまたはC-MOSとインターフェースするためのレベル変換回路です。
MC10116の高速広帯域な特性を生かしたインプット・アンプになっており十分増幅することでHF帯で高感度が得られるようになっています。 この回路ではECLはたった一つだけなので他のICと共通になるよう+5Vの単一電源で済ませ電源系がシンプルになるよう工夫しています。 周波数カウンタの入力アンプとしてなかなかFBですが消費電流の多さをいとわなければ・・・ですね。
YC-500の詳しいことはメーカーのサイトにある取扱説明書を参照してください。 MC10116のアナログ的な応用例として紹介してみました。 MC10116はこうしたアンプに使えるのですから、水晶発振器にも使える訳です。
【BBで試作】
水晶発振回路を試作しました。 実は使ったブレッドボードがあまり適当ではなかったようです。
最近購入したこれはGNDとVCCラインが中央部分にしかないので、高速パルス回路としての合理的な部品配置ができませんでした。 そのため、無用な配線の引き回しが多くなってしまい、きれいな波形を得るのが困難でした。 部品配置も最適にできません。
とりあえず水晶発振器の実験にはなったのですが、追加のECL回路を組み立てるのは適当ではないと思います。 改めて別のパターンのブレッドボードで作り直すつもりです。 これはあまり良くない見本でしょうね。(笑)
【出力波形】
オシロスコープにプローブを付けて観測しています。しかし、プローブのアースリードが長いまま観測するとこのようにオーバーシュートやリンギングが出てしまいます。
正しい観測は、プローブの先端に専用の接触チップを取り付け、アース側の接続が極力短くなるようにして観測します。 そうしたことはわかっているのですが、ついつい面倒なのでいつものように観測するとこのようになる訳です。(笑)
ECLの論理振幅は0.8Vくらいで約-1.3Vを中心に振れる矩形波です。 他のロジックICでは、おおよそ電源電圧いっぱい近くまで振れるのに対し、ECLはたいへん小さな論理振幅のように感じます。電源電圧5.2Vでたったの0.8Vなのですからね。 電圧ノイズマージンが気になるところですが、平衡伝送で信号を送り、ラインインピーダンスも低くできることからおそらくこれで十分な論理振幅なのでしょう。
基本的に非飽和なA級アンプのような動作をしています。トランジスタが飽和やカットオフを繰り返すスイッチング的な動作とは異なり電源ラインへ漏れるノイズは少ないのでしょう。 簡単に言うとエミッタ側定電流源の電流を切り替えているだけの動作ですから、電源電流の変動は少ないのです。
【Pin 5の波形観測】
U1aのPin 5を観測してみます。 ここはアンプの入力端子に相当します。 バイアス電源である、VBB端子から1kΩを通してバイアスが掛かっています。
U1aの出力端子:Pin 3は矩形波出力ですが、水晶発振子を通った基本波の成分だけが現れるでしょう。 従って正弦波状の波形が見られるはずです。
【Pin 5の波形】
Pin 5の波形はこのように正弦波になります。 プローブへ矩形波の誘導があるためか、少しギザギザしていますが、注意深く測定すればもっと綺麗な正弦波が観測できるはず。
バイアス電圧:VBBは実測で約-1.35Vなのでそこを中心に振れる正弦波が観測されました。 入力端子で約1.2Vppという大きさの振幅なので、ラインレシーバ:U1aで十分に増幅され矩形波になって出力に現れます。 Pin 2の出力はPin 3の出力が反転しただけのものです。 水晶へ行く側と分離することで干渉が少ないようにして発振状態に影響が及ばぬよう考えられた回路になっています。
☆
MECLを使った水晶発振器を作ってみました。 波形観測の手抜きをしたので少々汚い観測波形になってしまいましたが、確実な発振が可能であることは確かめられました。 また、この先のECL回路のテストに必要な論理振幅のクロック源が得られることもわかりました。
PSNタイプのSSBジェネレータ/エキサイタにあった、アナログな移相器に代わるデジタルな位相器を試すのが当面の目的です。 次回は高速フリップ・フロップを駆動して90度位相差の2信号を得る実験をやってみたいと思っています。 それまでに不足している部品が届いてくれたら良いのですが。さて、どうなりますか。 de JA9TTT/1
(つづく)←リンクnm
2020年5月7日木曜日
【Antenna】Low Band Antenna Modification.
<Abstract>
The low-band antenna I'm using needs to be modified. This is because Japan's Amateur Radio Band (HAM Band) has been changed. The 160m band of the Top Band has been extended to the lower frequencies.
First, I add about 2 feet of test leads to both ends. Then I look at the transfer of the resonant frequency. I modified the antenna according to the results of that test.
The performance of the modified it was quite good and I was able to go on the air immediately. (2020.05.07 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【既設アンテナの160m Band対応】
160m Bandはアンテナがでかいです。市街地に住む私にとって長年の課題でした。まずはじめ設地型の変形バーチカルを建設しました。バーチカル・アンテナならあまり敷地面積を必要としないからです。給電点の根元でマッチング回路を切替えて160mと80mバンドの2バンドに出られるようにしました。切り替えはシャックからリモートでした。
いまのQTHに移ってタワーを建てた際、Low BandはSloperにしました。これも敷地面積の関係です。周辺に店舗や住宅が少ないうちは飛びも聞こえもまずまずでした。やがて新しい幹線道路が開通しコンビニもでき店舗が増えると接地型に近いSloper Antennaはノイズレベルが急上昇です。やむなく平衡型の逆V型に変更したのが現用アンテナの前身です。 トラップタイプのやや短縮型なのでバンド幅は無短縮なアンテナほど取れませんが160m Bandはたった5kHzがカバーできればOKでした。
先日のBlog(←リンク)のように、4月21日からローバンドが拡張されました。従来はDXerの専用のようになっていた1810〜1825kHzでしたが、75kHz幅に拡張されたことからこちらにオンエアできたら面白そうです。 まずは様子を見る目的でアンテナの共振周波数を変更する簡単なテストから始めました。 結果は国内局が相手ならまずまず使えそうです。
☆
160m Bandなんてアンテナが無理だから自分には無縁だよ・・・という声も聞こえます。 もちろん、このバンドの標準的なDXerが建てるであろうフルサイズのDPや逆Vアンテナともなると架設可能な局は限られるでしょう。当局もまったく無理です。 しかしDXはダメでも近くの局を相手にぼちぼち楽しむ程度のアンテナなら意外に可能性があると思うのです。 特にJT-65なりFT8のようなデジタルモードならばアンテナの帯域幅が狭くても支障はありません。特定周波数の3kHzくらいの幅にオンエアしているからです。短縮ホイップのような超短縮アンテナでも目的周波数にきちんとチューンすればかなり使えます。もしLow Bandにも興味がわいてきたら一度試されるのも悪くないと思います。製作過程を含めて思いのほか楽しめるに違いありません。
ここでは応急措置として既設の4バンド逆Vアンテナ(←リンク)の先に「ヒゲ」を追加して共振周波数を下げてみます。 もともとが狭小な庭先にジグザグに折り曲げて何とか架設したアンテナです。 DXingははなから目的としませんが国内局相手にそこそこ飛んでくれたら嬉しいと言った感じでしょうか。 自身の限られた環境から何とか可能な方法を探って悪あがきしてみました・・・とでも申しましょうか。とても自慢になるようなお話ではありません。 しかし何でもそうだと思いますが、やってみないとわからないことって多いものです。 以下、お時間でもあればリラックしてご覧を。(笑)
参考:写真は4バンド逆Vアンテナの160m用折り曲げエレメント部分です。(改造前)
【初期状態のSWR特性】
4バンド逆Vアンテナを改造する訳ですが、まずはその前に現状の共振状態を確認しておきます。
ネットワークアナライザに方向性結合器を付加し、リターンロスを測定します。リターンロスのまま読んでも良いのですが、一般的なHAMにもわかり易いようSWRに変換して画面表示させました。 SWRが5以上の部分は何を意味しているのか怪しいので参照しません。 だいたいSWR<3のあたりまでを参考にします。 画面は左端が1MHz、右端が10MHzで横軸はLog目盛になっています。縦軸は上記のようにSWR表示でひと目盛は「1」間隔です。一番下の赤いラインがSWR=1です。なお、測定は50Ωを基準のインピーダンスとしています。
4バンドの逆Vアンテナですから当然ですが、160m Band、80m Band、 40m Band、30m Bandの4箇所に共振点がみられます。 160m Bandのところにマーカーを当てると1884kHzあたりにSWRのミニマムがあるようです。建設直後の調整時よりやや下がった印象もありますが、その時とは測定方法も異なるので「まあこんなものか」と思います。(笑)
実測の共振点は1910kHzよりやや低いのですが、ハムバンドの1800〜1875kHzには入っていません。 できたら共振点がバンドの中心付近にくるよう調整したいと思います。 あるいは最近になってFT8にオンエアを始めたこともあり、このバンドのFT8のオンジエア周波数である1840kHzを狙ってみるのも良さそうです。 それで、どれくらいエレメントを延長したら良いのでしょうか?
無短縮のDPアンテナあるいは逆Vアンテナなら必要な延長量は計算から見当をつけることができます。 1884kHzの波長をλ1とすれば、λ1≒158.24mで、さらに1840kHzの波長をλ2とすると、λ2≒163.04mです。ざっくり考えて、延長すべき片エレメントの長さがはλ1とλ2の差の4分の1あたりでしょう。λ2-λ1=4.8(m)ですから、両端それぞれに約1.2mくらいずつ延長する必要がありそうです。
ただしここで改造予定のアンテナは短縮型です。そのため先端エレメントの効き方はずっと大きいので、追加の「ヒゲ」はもうちょっと短くても良いはずです。
【テスト・リードを足してみる】
計算である程度様子はわかりました。 わずかな周波数の移動なのに意外に長めの「ヒゲ」を足す必要がありそうです。 アンテナが周囲の影響を受けるのは当然ですから見当をつけたらあとは実験して確かめるのが一番でしょう。
さっそくエレメントの先端をサンドペーパーで良く磨き、ミノムシクリップ付きのテスト用リード線をぶら下げてみました。アンテナの両端に同じ長さのテストリードを付けますが、これは言うまでもないでしょうね。 何ともいい加減なやり方ですが、これで共振周波数の移動くらいならわかるはずです。
このアンテナはメンテナンスの便を考えて両端部分が滑車で上下できるようになっています。 一旦下げてテストリードをくわえたら元も戻しておきます。 こうした短縮アンテは架設環境の変化にデリケートですから最終的に架設する状態で確認しなくてはなりません。
【足した効果は?】
アンテナ・エレメントの両端に同じ長さのテストリードを追加して共振周波数の移動を観測しました。
測定方法は上述と全く同じです。 書き忘れましたが、測定ポイントはシャックに引き込んだ同軸ケーブルの先端です。
要するにリグが接続される部分ということになります。これは従来から行なっている通り、現実に即した測定をしたいからです。 アンテナの研究が目的なら給電点で観測すべきでしょうね。
さっそく共振周波数を確認しましょう。マーカーを当てて見ると1840.8kHzにSWRのミニマムが来ています。 狙ったように目標の周波数ですが、たまたまの偶然です。(笑)
SWR=1にならないのは、共振点でもインピーダンスが50Ωになっていないからです。 このアンテナは短縮型でかなり鋭角の逆V型ですから、50Ωよりも低くなっているはずです。 SWR≒1.5ですから、Z0=34Ωくらいなのでしょうね。(まあ、横着をせずにインピーダンス測定モードで観測したら一目瞭然なんですけどね・笑) オンエアする際はアンテナチューナを使います。 これくらいなら十分カバー範囲ですから支障ありません。 だいたいわかったので黄色いテストリードから脱却するため追加の「ヒゲ」を製作することにしました。単なる電線を用意するだけなので「製作」と呼べるほどのものではないですけど。
【テスト・リードは約55cm長】
足したテストリードの長さは約55cmでした。 もう少し長さが必要かと思ったのですが意外に短めで済みそうです。
使ったのは両端がミノムシ・クリップのテストリードです。 末端部にミノムシ・クリップが付いているため微妙に静電容量が大きくなっている筈です。 端部の大きな導体は効くからです。 たぶん、55cmちょうどのリード線を足したのでは、共振点はやや高めの周波数になるでしょう。
調整しろなども考えて、65cmの長さの「ヒゲ」を用意することにしました。 両端に足しますから2本作ります。
今回はニューバンドの様子を見るのが主目的です。 あまり面白みを感じなければ昔ながらの1910kHz±2.5kHzへ戻ることを考えています。 「ヒゲ」は片端にミノムシ・クリップをつけたものにしました。 「ヒゲ」があまり目立っても困るので、元のエレメントと同化するよう黒い被覆の単線ワイヤを使います。(例によって被覆線ではなく裸の銅線の方が望ましいのですが・・・)
【65cmのリード線を追加】
さっそく足してみます。 あくまでも仮設の延長ですからミノムシ・クリップでくわえているだけです。 ハンダ付けはしていません。
流石にそれだけでは耐候性は皆無です。 自己融着テープを巻いて簡易に防水対策しておきます。 ただしサンドペーパーで磨いてある、相手側の導線もやがて酸化してくるでしょう。 いずれ接触不良が発生するであろうことは目に見えています。
# 恒久的にオンエアすると決めたらいずれ圧着かハンダ付けをしたいと思います。 まずは様子見の仮設ですね。
【リード線追加後のSWR特性】
肝心の160m Bandですが、65cmの「ヒゲ」を足しただけで、1840.7kHzに共振しました。
両端ミノムシ・クリップのテストリードより10cmほど長くしましたが、ちょうど良かったようです。 リード線の太さも違いますし、使った電線の被覆の種類や厚みも違うのでこれくらいの違いは生じるのでしょう。 防水のテーピングも施し、所定の架設高までアップしてあります。 引き上げ用ロープの末端をきちんと固定し直すと言う追加の作業は必要でしたが、エレメントの加減はまったく不要でした。
これで終了なので他のバンドの共振状態も合わせて確認しておきました。
(1)160m Band=1840kHz
(2)80m Band=3508kHz
(3)40m Band=7012kHz
(4)30m Band=(観測対象外)
トラップコイルより下側の周波数でエレメント長を加減しても、その上のバンドの共振周波数に影響は及ばないことがわかっています。 今回は160m Bnadのエレメント両端に各65cmも追加したのですが、80m Band以上への影響は見られませんでした。 これは従来から思っていた通りです。 30m Bandは未計測ですが、このバンドは無短縮なので帯域幅は十分に広いため測定を省きました。10.1〜10.15MHzでSWR<1.5になっていたと思います。
【160m BandのSWRは?】
160mのバンド幅はどれくらいとれそうなのか拡大して詳しく観測してみました。
バンド下端の1800kHzでSWR=2.7、仮の目標の1840kHzでSWR=1.5、さらにバンド上端の1875kHzでSWR=2.9となりました。
短縮型のアンテナなので、どうしても帯域幅は狭くなります。 アンテナチューナで整合して使うため、SWR=3までを使用可能な範囲と考えています。 従って、まずは1800〜1875kHzの全体がカバーできそうなことがわかりました。 ただし、範囲外の1910kHzではずいぶんSWRが高くなって実用できそうにないのはやむを得ません。 これは短縮系のアンテナなのでしかたないでしょう。
無短縮のDPや逆Vアンテナならもうちょっと広い帯域幅が得られると思います。それでも比周波数で考えるとこのバンドの75kHz幅というのはかなり広いです。(離れた5kHzの分も考えたらもっと広い) バンド全体で低いSWRの確保は難しいかもしれませんね。 たった75kHzなのですが、それだけ広いHAMバンドだと言えそうです。 7MHz帯なら300kHz幅くらいに相当しますから。
【早速テストしてみる】
テストを兼ねてオンエアしてみました。 すでに届出済みで、審査も済んでいたため、FT8でオンエアしてみました。
画面は解放された翌日の4月22日夜の状況です。 1日前に解放されたばかりですから閑散としていてさぞや「閑古鳥が」と思ったらさにあらず。 ご覧のようにたくさんの局がオンエアやワッチされている状況でした。これはちょっと驚きです。 それと、そもそもあまり遠方まで飛ばない中波の延長のようなバンドです。それでも夜間なら国内がカバーできそうだというのも新鮮です。(画像は日没から間もない日本標準時:18:52にキャプチャ。当地の日没は18:23)
意外にも160m BandのDXerはたくさんおられて、これまでセパレート周波数での運用を頑張ってこられたのでしょう。 さっそく受信用だった1840kHzのアンテナを送信に転用してオンジエアを始められたのでしょうか。
ただし、やはり160m BnadのHAM人口は少なめのように感じます。 お呼び頂くに任せてQSOしていたらあっという間にほとんどの局が-B4になりました。常連さんはある程度決まっているのですぐに飽和するのでしょう。これは昔々1910kHz±2.5kHzでCWの運用を始めたときもそうでした。(笑) QSLカードはすべてe-QSL(←リンク)へQSO終了後の即時対応で送ってあります。もし紙のカードをご所望でしたらご連絡下さい。
☆
こんなアンテナでのオンエアテストは敷地があってアンテナ張り放題のHAM局からみたら笑い話でしょう。 だいぶ打ち上げ角が高いようで、国内局には届いてもDXはダメそうです。聞こえないし飛びませんね。 ハイパワーに巨大アンテナ局がゾロソロのこのバンドでは対抗できませんしDXが稼げるとも思っていません。 ダミーロードよりマシなアンテナなら合格点です。 屋内にこもりがちの昨今、アンテナのチューニング作業はアウトドア気分なので良い息抜きにもなりました。(笑)
多バンドのアンテナを揃えるのは、何かを製作したとき実験的に欲しいからです。そのような目的ならまずまず使えそうなアンテナができたと思います。 あとはもう少し運用してみてそのまま1800kHz帯に留まるか、1910kHzへ戻るかを考えましょう。 短縮アンテナにローパワーでは大して飛びませんが、か細い電波が聞こえてましたらCallよろしく。 暇なときは伝搬の日変化を見たいと思って1836.6kHzのWSPRにもオンエアしています。さて、Poorなアンテナに5W(WSPRのとき)でどこまで飛ぶのでしょうか? de JA9TTT/1
参考:条件の良い夜間なら何とかKPH(米加州)までWSPRの5Wが届くようです。
(おわり)fm
2020年4月23日木曜日
【回路】SN16913P SSB Generator Design
<Abstract>
The SN16913P (Texas Instruments) is a double-balanced modulation or mixer circuit. It's an already obsolete part, but you can still get it if you're lucky. Good performance can be obtained by optimizing the way the voice signal and carrier signals are fed. Here is an example of an SSB generator circuit using the SN16913P. And the following is an example of the "FUJIYAMA" transceiver receiving circuit planned by the JA-QRP Club in the millennial era. (2020.04.23 Takahiro Kato JA9TTT/1)
【SN16913Pとは】
面白いパーツを探しに秋葉原や日本橋の電気街に出かけることもできなくなっています。ここ暫くは手元のパーツボックスにストックされた部品で遊んでみるのは如何でしょうか? 今回はそんなパーツの中からSN16913Pをピックアップしました。
SN16913PというのはIC形式のダブル・バランスド・ミキサ/モジュレータ(IC-DBM)です。SSB送信機の変調部や受信機のミキサ回路、そしてSSB検波回路にも使います。 すでに製造は終了していますが、運が良ければ手に入れることも可能でしょう。一時期はかなり流行ったこともあり、手持ちがパーツボックスに眠っている自作HAMも多いかも知れませんね。 少々古臭くなりましたが、同じIC-DBMの現行品:SA612Aより大きめな信号が扱えます。さっそく上手な使い方を探ってみたいと思います。
☆
古臭いチップを引き出しから取り出してきただけの話です。 あえて探し回って手に入れるようなICチップではないことを予め書いておきたいと思います。もちろん高額で手に入れるだけの価値などありません。 同等以上の性能はダイオード・DBM でも可能ですしコスト的にもそちらが有利でしょう。 しかしもし死蔵しているなら勿体無いです。何かチャンスでもあったらぜひ使ってみましょう。
なお、同じテーマは拙サイトで2001年の春ころ公開していました。その当時の資料を参照の上、整理・再編集してまとめました。一部は内容的に重複しており既読かもしれませんが悪しからずご了承を。
【SN16913PのSpecと注釈】
ネット上に資料もあまりないようなので、メーカのデータブックから取ったコピーを左に付けておきます。
このデータ・シートが使い方の基本になります。 電源電圧の範囲や、信号レベルなど設計上必要な情報が書かれています。 また内部等価回路も応用する上でたいへん有用なものです。等価回路から設計意図が読み取れますし、より良い応用を考えることもできます。
特に重要なのは、バランスド・ミキサあるいはバランスド・モジュレータとして使うとき、信号(Signals)と局発(Local Oscillator)/搬送波(Carrier)をどの端子に与えるのがベストかということです。 この資料の例では、受信信号あるいは音声信号はPin.2に与え局発/キャリヤはPin.5に加えるとしています。
しかし、比較してみますとこれは逆にした方が明らかにひずみ特性が優れます。 以下、そのテスト回路とテスト結果を示しておきますので比較してください。 もちろんその様に使ってもなんら支障はありません。 データシートの記述はこのICの開発時に想定した特定の用途・目的における一例であって、汎用に使うには別の使い方が優れることも有り得る訳です。
参考:等価回路を見るとPin.5に接続された下段の差動回路にはエミッタ帰還抵抗が入っています。その負帰還作用のため下段の差動回路は信号をリニアに扱える範囲が広がります。こちらへ目的の受信信号や変調信号を与えた方がリニアな動作範囲が広い分だけ有利です。
それに対し、Pin.2に接続される上段の2組の差動回路にはエミッタ抵抗は入っていません。そのためこちらの差動回路のリニアな動作範囲は狭く、どちらかと言うとスイッチ的な動作に適します。このため局発あるいはキャリヤはこちら側に加える方が良いのです。
【2信号特性の測定回路】
7MHz帯の2トーン信号を1MHz帯に周波数変換するミキサー回路として測定しています。 回路そのものは変調回路でも同なじなので得られたデータは二重平衡型変調器(DBM)の設計にも使えます。
2つの水晶発振器の出力をパワー・コンバイナで電力合成した2信号を作ってDBMに与える「信号」とします。 局発は既製品のシンセサイザ発振器から与えています。
SN16913Pの出力は簡単なπ型LPF(低域濾波器)を通ったあと選択レベル計で観測します。 選択レベル計は高分解能な設定とし、目的信号とIMD信号のそれぞれを分離してレベル測定します。
現在は高ダイナミックレンジ・高分解能なスペクトラム・アナライザを使って測定する方法がポピュラーでしょう。 大きめな信号を扱うので測定系をけして飽和させないよう十分に注意します。下手をするとスペアナのIMD特性を測ることになってしまいます。(笑)
【2信号特性の比較】
測定結果をグラフにまとめました。 このグラフを簡単に言うと、入力を増やして行くと出力に含まれる歪み成分も増えて行くのですが、その歪みの増えかたを示しています。
局発は500mVppを与えます。2トーン信号の大きさを変えて出力の大きさと、出力に含まれるIMD(相互変調歪み成分)の大きさを観測した結果です。局発の大きさは幾つか変えて測定しましたが、成績の良かった500mVppの例を代表として示します。
(1)上段のグラフは局発をPin.5、2トーン信号をPin.2に与えた例です。 これはデータ・シートにあるメーカーの指定通りの使い方です。
(2)下段のグラフは局発をPin.2、2トーン信号をPin.5に与えた例です。 これはデータ・シートと逆の与え方です。
(見方)例えば、入力の2信号が10mV(rms)/Toneの状態で比較してみましょう。目的信号に対して、3次相互調歪み(3rd-IMD)の大きさは、上記の(1)では-40dBです。これに対して、(2)では-76dBです。 同じ大きさの信号を与えた時、出力に現れるひずみの大きさに36dB(約63倍)もの違いがありました。 逆に言うと、(1)の使い方では約12dB小さな信号(約4分の1)のところまで絞らないと同等の歪みにならないのです。それだけ大きな信号が扱えない訳ですね。(参考:3次のIMDは入力信号の大きさに対して3倍の傾斜で立ち上がるため)
なお、(2)の使い方の方がややゲインが小さくなります。エミッタ抵抗による負帰還の作用によるためですが、わずか数dBの違いにすぎません。 従ってSN16913Pは総合的に見て(2)の使い方をする方が明らかに有利です。 これはミキサ回路だけでなくバラモジ回路(平衡変調器)の場合も同様です。
備考:なぜこのような結果になるのかは上記の等価回路の解析の通りでしょう。
【SN16913Pを使ったSSBジェネレータ】
SN16913Pを使ったフィルタタイプのSSBジェネレータを設計しました。
ダイオード・DBMと比べ、ややキャリヤ・サプレッション(搬送波抑圧比)は劣るのですが、フィルタ部分で20dBくらい改善されます。 出力端子に於いて、少なくとも50dBくらいのキャリヤ・サプレッションが得られますので十分でしょう。 素朴な設計のSSBジェネレータですが十分な実用性があります。
マイクアンプは汎用OP-Amp.を使います。もちろん他のOP-Amp.を使って音色の違いなど楽しむことも可能です。 ハイ・インピーダンス型のマイクロフォンを使う設計になっています。600Ωなどのロー・インピーダンス型を使いたいときはゲインをアップするか、マイク・トランス(600Ω:50kΩなど)を外付けします。 使用するマイクによってはゲインが十分すぎることがあります。その場合、OP-Amp:μA741CのPin2に接続されている抵抗器:R2を大きくします。例えば1kΩを4.7kΩのように大きくします。
キャリヤ発振回路は2石使う設計です。 下記に例示のFUJIYAMAのように1石で作ることもできますが、キャリヤ・レベルの加減が容易なので図のようにしました。 LSB(下側波帯)を得る例が書いてありますが、USB(上側波帯)も必要なときはダイオード・DBMを使ったSSBジェネレータの回路例(←リンク)に切り替え式の図があるので参照してください。 Pin2に与えるキャリヤあるいは局発の大きさは500mVppを基準に考えていますが、もう少し大きくても支障ありません。 ただし、この図のようにバラモジ(平衡変調器)に使う場合、キャリヤレベルを大きくするとその分だけキャリヤ・リークも増えます。
【Fujiyamaに見る使用例】
HAM局の団体:QRPクラブ(*1)がミレニアルを記念して(?)100台の限定頒布を行なった「FUJIYAMA」と言う名前の18MHz帯SSB/CWトランシーバの回路例(部分図)です。 FUJIYAMAは全部品がバラで加工済みのキャビネットまで含んだ完全キットでした。しかもワイヤーによる配線が基本的にゼロという画期的な設計でした。
FUJIYAMAの開発当時はまだ何とかSN16913Pが手に入りました。 そのため送受信回路のミキサを始め、バラモジ(平衡変調器)やプロダクト検波器にも幅広く採用しています。 2重平衡回路なのでキャリヤや局発の漏れが少なく、製作者によるバラツキも減らせることから全面的な採用になりました。均一な性能を得るのに貢献したと思います。
左図は、高感度で良い音のするFUJIYAMAの受信部回路の部分図です。 グランド・ウエーブでの交信距離を伸ばす目的でかなり高感度な設計になっています。 そのため、太陽活動が活発で黒点数が多くなり、18MHz帯のHAMバンドに隣接する19メータや16メータバンド(短波国際放送バンド)が強烈にオープンすると、ミキサのSN16913Pが飽和してしまうことがありました。 切り替え式のアッテネータを付加する方法のほか、SN16913Pをダイオード・DBMに交換するなどの対策が提案されました。 バンドの性格上、普段は高感度な方がFBですから改造が容易なこともあってアッテネータを追加する方法を採用した製作者が多かったように思います。あれから20年が過ぎ、FUJIYAMAも懐かしい思い出になってしまいました。
*1:(問い)FUJIYAMAはQRPクラブの頒布品なのか?:
(答え)QRPクラブの頒布品ではありませんでした。キットの頒布が終わった後になってからQRPクラブのプロジェクトになりました。たぶん頒布品の「成功」を見てクラブの公式な成果にしたくなったのでしょう。開発を始めたころ、やるのは自由だがプロジェクトは「FUJIYAMAメンバーの責任でやって欲しい」と言われたものです。従って開発途上の関与は殆どありませんでした。
他意はありませんが、当時を知る当事者としてまだボケる前に(笑)事情をはっきりしておくべきだと思い記述いたしました。
当時の総額で300万円をかなり超えるようなプロジェクトに、おそらくQRPクラブとしては関わりたくなかったのでしょう。成功するか未知数ですから無線愛好者の非営利な団体としては無理もない対応だったのです。 開発メンバーたちは、もしも損失が出たら補填するつもりでプロジェクトに参加していました。 その結果は大成功と言ってもよいでしょう。 部品代とか輸送費と言った実費は回収でき、利益こそありませんでしたが損失も出ませんでした。もちろん開発に加わったメンバーの貴重な時間や人件費などはタダとしてですけれど・・・。 利益が目的の商売ではありません。メンバーの熱意があったからできたのです。 部品事情など考えると二度と再びできないだろうと思っています。 あのころ私たちも若かった。(笑)2026.02.01追記
☆
SN16913Pに限らずIC-DBMは人気があるようです。 このBlogにはあまりメジャーなIC-DBMの話はないのですが、情報を求めて検索で来訪されるお方も多いように感じます。 流石にディスコン(Discontinued=継続しないの意味=廃番部品)から20年も経過したためSN16913Pの情報を求めるお方は少なくなったようです。 しかし当時かなり流行ったのでパーツボックスに幾つか入っているお方も多いでしょう。 今でも有用なデバイスが死蔵になっては勿体無いですから、簡単に使い方をまとめておく意義はありそうです。何かご質問でもあれば遠慮なく。 ではまた。 de JA9TTT/1
☆
リンク集:このBlogにはIC-DBMを扱った以下の記事があります。
(1)MC1496P・・・IC-DBMの元祖のようなチップです。
(2)TA7310P・・・CB無線機のPLL回路用IC-DBMですが汎用に使えます。
(3)TA7358P/AP・・FMラジオのフロントエンド用IC-DBMです。
(4)K174ΠC1・・・旧ソ連製のIC-DBMで独製S042Pのセカンドソース。
(5)S042P・・・・独Siemens社が開発したヨーロッパ系IC-DBMです。
(6)μPA101G・・・新世代のIC-DBMで1GHz帯までカバーします。
(7)MC-1443・・・搬送多重電話装置の周波数変換用に作られたIC-DBMです。
(8)MC-1451・・・搬送多重電話装置の音声復調用に作られたIC-DBMです。
(9)SA612A・・・ コードレス・フォン用IC-DBM。HAMに人気のDBMです。
そのほかに、個別半導体を使ったDBM/SBMの記事があります。
(1)Di-DBM・・・オーソドックスだが確実性の高い4ダイオード型のDBM。
(2)トランジスタ式SBM・・・バイポーラ・トランジスタを使ったSBM研究。
(3)FET式SBM・・・FET;電界効果トランジスタを使ったSBM研究。
(4)高IP Di-DBM・・・4ダイオードを使ったハイレベルDBMの検討。
(5)Di-DBM×2・・・PSNタイプ・エキサイタでの用例。2つを電力合成。
・・・・など。 ほかにも記事中でDBM/SBMに触れた箇所は多数あります
(おわり)nm
2020年4月21日火曜日
QTC ! HAM Band expanded ! !
<Abstract>
The Japanese Amateur Radio Band (HAM Band) has been expanded. Expanded are the 160 meter band and the 80 meter band. In the past, when communicating with DX stations, it was necessary to be on-air at a "split frequency".
From now on, JA stations will be able to air at 1800 to 1875kHz, and the 1840kHz FT8 mode will be very popular with JA stations. (2020.04.21 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
官報によると、160mと80mのハムバンドが拡張されました。
本日、2020年4月21日より適用されたようです。
(1)160mB:以下のようになりました。(赤字が変更になったところ)
1800kHz〜1875kHz・・・・下へ10kHz、上側へ50kHz拡張
1907.5kHz〜1912.5kHz・・(従来通り)
160mのFT8モードによるDX局との交信はスプリット周波数の運用が常識に
なっていましたが、JA局も1840kHzにオンエアできるようになりました。
なお、1800kHz〜の方はSSBも許可になりましたが、変更申請は必須です。
届出ではダメなので注意が必要です。(←不要になりました)
バンドが75kHz幅になりがぜん魅力がアップした感じです。
従来の1810kHz〜1825kHz はいわばDX専門でした。
CW以外も許可になり、いずれバンド内の使用区分ができると思われます。
(2)80mB:以下のようになりました。
3500kHz〜3580kHz・・・・上側へ5kHz拡張
3599kHz〜3612kHz・・・・(従来通り)
3662kHz〜3687kHz・・・・下側へ18kHz拡張
従来は3573kHzでFT8を運用する際、2000Hz以上の変調周波数を選ぶと
オフバンドになってしまいました。これで注意しなくても良くなりました。
バンドが飛び飛びなので使いにくいですが、いずれ全部がつながることを
期待しましょう。
(3)局免許関係:
いずれのバンドも、無線局免許状に「1910kHz」「3537.5kHz」の指定が
あるアマチュア局は、特別な手続きをすることなく拡張された周波数帯での
運用ができます。
これはバンド拡張とは別の話になりますが、指定事項に変更をきたさない
付加装置の仕様追加など、従来は必須であった届け出も不要になりました。
要するに、既に局免許の一括記載コードにF1Dモードが含まれていれば、
FT8なりFT4なりの新たなモードの追加があっても届出不要になりました。
例えば既にJT-65が免許されていればFT8やFT4がそのままオンエア可です。
指定事項に変更が発生しない範囲なら届出不要になったからです。
以上は要約です。詳しくは官報を参照されて下さい。←重要
☆
速報なので自局のライセンスなどと合わせて再確認してからオンエアされて下さい。
オフバンドや指定外運用の責任は持てませんので。hi
◎当局は、160mBの逆Vの先端にヒゲを足して1840kHzにTuneしようと思ってます。
これでスプリットじゃなく160m/FT8のDXingが可能になりましたね! スバラシイ。
参考:(詳しくは総務省の2020年4月21日付の官報を参照して下さい)
ではみなさん、FB HAM Life !! CU on NEW Band !!! de JA9TTT/1
付記:今回のバンド拡張にあたっては「一般社団法人 日本ローバンド拡大推進協会」の尽力が大だったそうです。同協会の活動に感謝したいと思います。詳しくは同協会へ。
☆
160m Band小史:(おまけ)
160m Bandは歴史あるHAM Bandです。20世紀の初め、長波や中波の無線通信が隆盛になるに従い、アマチュア達の勝手な通信が邪魔になりました。 そのため、1912年に米国では無線法(Radio Act)ができ、アマチュアの実験は使い道が無いと考えられていた波長200m以下・・即ち周波数で言えば1.5MHz以上へと追いやられたのです。 ところが、それが幸いしアマチュア達によって短波(HF)は小電力で遠方まで届くことが見出されます。(当時はまだ理由はわかりませんでしたが、電離層反射による伝搬です) これが後にアマチュアの功績として認められ、その結果、割り当てられたのがTop Bandと称する160m BandほかHF帯のHAM Bandなのです。
戦前の日本にも1775kHz帯が許可されていたようですが交信の実績は見つからないのだそうです。 戦後、160m Bandは許可になりませんでした。 主にロランA(←リンク)への妨害が危惧されたからのようです。今のようにGPSなどない時代ですから、船舶にとってロランは非常に重要な航法設備だったのです。 JARL(日本アマチュア無線連盟)の再三の要望により、1963年8月ロラン受信局への妨害調査のため実験局:JS2Aが1875kHzで許可されました。(これは交信目的のHAM局ではなく、調査が目的の実験局)
その実験結果が良好であったため、まずはスポット周波数:1880kHzが1964年4月4日〜1965年12月31日まで期限を区切って許可されました。ただし一アマもしくは一通、二通の資格限定でした。
こうした運用の実績もあってか1966年6月9日に1907.5kHz〜1912.5kHzの5kHzがバンドとして(期限なしに)割り当てられます。これが現在まで続く160m Bandです。 電信級(現三アマ相当)以上の資格でオンエアできるようになりました。 私が初めてこのバンドの波を出したのはやや遅れて1971年頃です。終段2SC1306で水晶制御でした。
それからだいぶ間があいて2000年4月1日より、Top Band DXerの悲願が叶い1810kHz〜1825kHzが割り当てられました。これで世界なみになり160m Bandの DXingも盛んになったようでした。 この割り当てはロラン航法が世界的に終息したからでもあったようです。
今回の拡張は合計で60kHzもあり、モードも追加された画期的なものと言えるでしょう。 1952年に戦後のアマチュア無線が再開されて以来の悲願がJARLの努力もあって実を結んだように思います。 以上、最初に写真のある「160mハンドブック」ほかの資料より抜粋しました。
(おわり)
2020年4月8日水曜日
【AVR】Setting up Windows 10 PC for HAM Use
< Abstract >
Support for Windows 7 has ended, so I can still enjoy "Hand making Rigs" with Win 7 PC. But I decided to move to Windows 10 because of the need to connect to a network environment safely. Unfortunately, my old PC couldn't update to Win 10. So I bought a used, updated laptop. Also, I should install some apps for the HAM who loves "Hand making Rigs". After complete that, I also replaced my HDD with an SSD to speed up the boot time. This is the completion of a comfortable Windows 10 computer for the HAM station. (2020.04.08 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【やむなくノートPCを購入する】
久々にパソコンの話をしましょう。 ちょい古めのノートPCをHAM用に(自分好みに)仕立てると言う良くある話です。自身の備忘目的ですから面白くもないでしょう。言うまでもないと思いますが、誰かに『お薦めしたい・・』と言うような意図はありません。
今ではHAMの活動にパソコンは不可欠な存在になっています。もちろん、無くてもオンジエアは可能です。 いつも決まったローカルさんとラグチューを楽しむだけなら無線機とマイクにアンテナがあれば十分でしょう。 しかし、少し深く楽しもうとすればパソコンはシャックに不可欠な装備になりました。 デジタルモードでのオンジエアはもちろんですが、ログの管理やQSLの発行、そしてDXCC用データのアップロードといった運用全般でフルに活用します。さらに私にとって無線機器の製作や電子工作を楽しむ為のツールとしての役割もかなり重要です。
無線用には始めWindows XPのノートPC、その後はWindows7がインストールされたノートPCに移行しました。それで十分な性能でしたし、使い勝手も悪くありません。 ところが、最近になって変更申請のために「電子申請Lite」を使おうとしたら問題発生です。 サポートが切れてセキュリティが甘くなったWindows7のPCでは利用条件を満たせないのです。 電子申請でやりたいならWindows10のPCが必要になっていたのでした。(もちろん紙で申請も可ですが・笑)
真っ先に考えるのはWindows10へのOSアップデートでしょう。 あいにく無料の期間に実施していませんでした。 幸い、調べてみたらあまり費用を掛けずライセンスキーが入手できそうな目処が立ちました。 そこでさっそくアップデートを試みたのです。 ところが時間をかけた作業を3回もやってみたのですが毎回エラーの発生です。 3回とも終盤にインストールを中止して元のWIn 7に戻ってしまいました。 たぶんWindowsに詳しいお方なら解決策を見い出せるのかも知れません。 あいにく私はMac派ですから詳しくないのです。 それとそのノートPCは性能もやや不足そうでした。CPU(celeron)はパワー不足でメモリも足りないみたいです。 そうなるとメモリの追加など含め費用を掛けてWindows10にアップデートしてもじきに不満が出るかも知れません。 Windows7のまま快適に使い続けた方が良いのではないでしょうか。
☆
だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、そのような経緯から中古のノートPC・・・もちろんWindows 10になったもの・・・を購入し、例によってHAMの日常使いのパソコンに仕立てることにしましす。 合わせてHDDのSSD化で起動タイムの短縮を図りましょう。 基本的にサブのパソコンの入れ替えですから費用はあまり掛けられません。 ご予算は総額で¥30k程度(ずいぶん少ない・笑)を見込みますが、これで快適なPCが手に入るのでしょうか?
◎後で忘れないように行なった作業を箇条書きにしておきます。
(1)購入したノートPCの基本的な確認とWi-Fiに接続などの初期設定の実行
(2)MS-Officeなど標準的なパソコン用アプリのインストール
(3)HAM用のアプリ、例えばTurbo HAM LogやWSJT-Xなどインストール
(4)NET Timeのようなパソコンの時計同期用アプリをインストール
(5) AVRマイコン用のプログラムライタ;HIDaspxの接続と関連アプリの動作確認
(6) BASCOM-AVRのインストール&起動確認と旧パソコンからのデータ移行
(7)互換arduino用USBブリッジ・チップ:CH340のドライバインストール
(8)arduino-IDEのダウンロード&インストールと実際に接続して動作確認
(9)補助記憶装置をHDDからSSDに交換する
(10)そのほか、無線接続のプリンタをセットアップなど細かい設定を行なう
さらに、しばらく使ってみて性能的に十分行けそうならLT-Spiceや基板CADなどもインストールしたいと思っています。 他にも良さげな定番アプリでもあれば教えてください。ただしあまり肥大化させないようにしたいものです。(笑)
【キーボード周りは使用感なし】
最初の写真のような中古のノートPCです。 少々古いものですから、それなりの使用感があって当然でしょう。 例えば、使用感はキートップやキーボード周りのテカリなどとして現れやすいものです。
キーボードを交換している可能性もありますが、キートップと合わせて周囲もあまり使用感はありません。 それほど使わなかったPCなのかもしれません。キーの沈み込みもなく感触にへたりも無いようですから良いブツに当たったような気もします。w
綺麗さとか新品に拘るなら昔流行ったネットブックのようなチープな路線も考えられます。 amazonでWindows10パソコンを検索すれば2万円台から新品があるようです。 しかしYoutubeで該当機のユーザレポートを見ればかなり「悲惨」な状況でした。 筐体はフニャフニャでキーボードもペコペコといった「安かろう・・・」な製品なのです。それらはチープなタブレットにキーボードを付け加えたようなノートPCだそうです。 結局、しっかりしたメーカーの「幾らか古め」な中古品から良さげな物を探すのが適当そうでした。
狙い目はコアiシリーズのCPUでメモリが十分積まれているものでしょう。 換装しても安価ですからHDDの容量は気にしません。HDDは一種の消耗品とも言えます。 DELL、HP、NEC、dynabookほかVAIOなど色々見たのですが、写真のLenovoのThinkpad L530が良さそうでした。 CPUはCore i5でClockは2.6GHz、メモリは8GB搭載済みです。 OSはWindows 10 professional 64bitの最新版が入っています。 現品を見てキーボードの感触など確かめてからが良いのですが、都会に出掛かけるのもはばかられる御時世ですから通販に賭けてみることにしました。 送料込みで¥26.6kでした。(キャッシュレス決済だったので引き落としの際に5%の還元がありました)
【管理用のラベルでも?】
開いた状態は結構綺麗でしたが、上蓋の左奥のあたりに管理ラベルを貼っていたらしい痕跡があります。 わかるように画像処理で誇張した写真なので目立ちますが、実際は気にならない程度の跡です。
少々地味で仕事向きのノートPCのようですから、どこかの会社でまとめて使われていたものを引き取ってきて販売しているのでしょう。
ポートはUSBが左に3つ、右に1つです。最近のノートPCと比べやや少ない気もしますがなんとかなるでしょう。右側にはCD/DVDマルチドライブが付いています。 付属品は電源アダプタだけです。そのままでも使えますが、別途マウスを買ってきました。 タッチバッドよりもマウスの方がはるかに使い易いと思います。
起動してさっそくWi-Fiのセットアップを行ない、続けてブラウザなど立ち上げてみました。 十分快適に使えそうです。15.6インチ横長のHD TFT液晶の画面もまずまず綺麗です。
筐体に厚みがあった時代のノートPCなので、キーには十分なストロークがありカチッとした感触です。もとIBM、LenovoのノートPCですからそれなりに作ってあるのでしょう。
初出荷は2013年4月らしいので、5〜7年程度経過したモデルのようです。 おそらくまだまだメイン機としてお使いのお方もありそうです。 メーカーのサポートは2018年7月で終了したため安売りになっているのでしょうか。 最近のノートPCのように薄くてスマートじゃありません。厚みがあってちょっと無骨な感じですね。hi 一応、ショップの保証が3年間付いてきました。 向こう5年くらい使えたらかなり嬉しいと思っています。
☆
【MS officeを導入】
このノートPCの主な目的はHAM局のオンジエアと交信管理を目的にしたものです。 パソコンとしてはサブ機の扱いです。たまにプログラムを書くのに使う程度でしょう。 重そうな作業はほとんどありません。 画像処理のようなアプリははなからインストールしませんし、たぶんゲームもやらないでしょう。
しかし、ちょっと試用してみて意外にメイン・パソコンの補助以上の能力がありそうに感じました。 そうなると、普通のノートPCとして使いそうなアプリとしてはWordとExcelあたりになるでしょうか? 実際にExcelは実験データの整理に使うことがあります。また、手持ち部品の在庫管理にもExcelを使っていますから無いと不便かも知れません。 色々考えてMS Office 2019をインストールすることにしました。
ちょっと怪しそうだったのですが、amazonにプロダクトキーだけを販売する業者があったので試してみたのです。購入するとメールで連絡が来るだけで現品は何も送ってきません。 仕事で使うパソコンに怪しそうなものをインストールするのはやめた方が良いです。 しかし個人が遊びに使うだけのパソコンなら何かあっても自己責任であり、誰にも迷惑はかけないでしょう。(お薦めするつもりはありません)
おそらく販売されているプロダクトキーは、社内のPCにまとめてインストールするのが目的のパッケージ品を分売しているのではないでしょうか。確かに正規品には違いないですが、そう言うのはどうなんでしょうかねえ? まあ私が心配することではないです。(笑) プロダクトキーが届いたらなるべく早くインストールを済ませて欲しい旨のコメントが付いてました。
MS-Office 2019は買取版ですからoffice 365のような毎月課金はありません。 最近はサブスクリプションタイプ(毎月課金型)のサービスが多くなっていますが、使わなくても毎月課金されるのは何となく割り切れないものです。買取版の方が好きです。(笑)
【支障なくDLできた】
事前に手順を調べておいた通り、マイクロソフト・アカウントを持っていればあとはプロダクトキーさえあればマイクロソフトのサイトからダウンロードでフルバージョンが手に入ります。 マイクロソフト・アカウントもメルアドとパスワードの設定だけですからすぐに作れます。
amazonで買ったプロダクトキーでMS-Office 2019 Professional Plusが無事ダウンロードできました。
部品管理にDBは使っていてもアクセスまではいらないし、プレゼンもまずしないのでパワポも使わないでしょう。しかしプロダクトキーのお値段はどれでもあまり違わないのですからProfessionalのフルバージョンをインストールしておきました。 たぶん無駄にHDDの容量を消費しただけかも知れませんけれど。(笑)
# インストールが済んだらMS Word等を起動し、ライセンス認証された製品であることを確認して無事に終了しました。
☆ ☆
【HIDaspxは自動認識】
続いてHAM関係のアプリをインストールして行きます。 最初はプログラムライタの動作から確認しました。
以前のWindows7への移行の際と同じような確認です。 次の写真の右側にある「HIDaspx」というAVRマイコン用の手作りプログラムライタ基板です。このライタはUSBポートに接続して使います。
USB接続の機器といえば一般に専用のドライバが必要です。しかし、これは特別なドライバソフトが不要というものでWin7の時もただ装着するだけでうまく使えています。 今回もポートに装着したら直ちに確認が始まり、程なく使用できるようになりました。 これで以前同様うまく使えるはずです。
【HIDaspxライターを使ってみる】
AVRマイコンが載った基板なら何でも良かったのですが、このあと同じように確認する予定のarduino uno・・・正しくは互換ボードの「びんぼうでいいの」ですが・・・を使ってライターの動作を確認します。
ライタのHIDaspx(ハードウエアの方)を写真のように接続します。 Arduino unoにはUSBポート以外に直接書き込み用のポートが引き出されているので、それに合わせたケーブルを接続すれば読み書きとベリファイができます。 他のArduinoでやる場合は、ブレッドボードなどに装着してから、書き込み用の足ピンへ1:1に配線してやればまったく同じようにできます。
【hidspx-GUIもOK!】
コマンド・プロンプトからキーインで操作もできますが、今ではライタのHIDaspxの操作用としてGUIアプリを使います。AVRマイコンの開発ではよく使うアプリとして、hidspx-GUIがあります。 詳しくは前のBlog(←リンク)を参照。 AVRマイコンチップのフューズビットやロックビットの書き換えなどの操作に使用します。
上の写真のようにArduino uno互換基板とHIDaspxを接続したら操作用にhidspx-GUIを立ち上げます。 ターゲットのarduino unoに電源が行くようライター基板の電源供給スイッチを切り替えておきます。
写真はReadコマンドでarduino uno上のAVRマイコン:ATmega328Pに書き込まれているプログラムを読み出したあと、続けてDump コマンドを実行した様子です。 うまく読み出せて、ダンプできたのでインターフェース基板もGUIアプリもうまく動作していることがわかりました。 これでBASICコンパイラのBASCOM-AVR(次項)が使えるようになっているでしょう。
【BASCOM-AVRをDL】
BASCOM-AVRはMCS Electronics社のサイトから新規にフルバージョンをダウンロードしてインストールすることにしました。2020年4月現在、Ver.2.0.8.2でした。
ユーザーIDとパスワードがあればログインして簡単にダウンロードできます。 ただし、新規にダウンロードしただけではデモ版として起動されます。 もとのパソコンから「bascavrl.DLL」と言うファイルを移植する必要があります。 この辺の詳しくは前のBlog(←リンク)を参照してください。 Windows XPからWindows7への移行の時と同じことをやっているだけです。
さらに、自身が作成したBASCOM-AVRのプログラムも前のパソコンから移行しておきます。 これは、前のパソコンにあるMCSというフォルダ内にあるBASCOM-AVRというフォルダ内にあります。 USBメモリなどへコピーして持って来ればOKです。 これでWindows10の環境で以前と同じようにAVRマイコンのプログラム開発が継続できます。
【CH340 Driverをインストール】
続いてarduinoの開発環境を構築します。 ここでは中華系の互換arduinoを使います。 互換arduinoはUSBインターフェースがCH340というチップになっていますので、チップドライバのインストールが必要になります。 ホンモノのarduinoにはFTDI社のインターフェースチップが載っているようですからホンモノで行くならそれ用のドライバをインストールします。
これもWindows 7に開発環境を作った時と同じ作業です。 特に支障もなく終了しました。 CH340はarduinoだけでなく、USBシリアル変換モジュールなどにも使われており、無線機のスタンバイ・コントロールを作るときにもドライバのインストールが必要です。HAM用のパソコンには不可欠かも知れませんね。ドライバはネットで簡単に探せます。
【arduino-IDEを起動】
arduinoの開発環境である、arduino-IDEをダウンロードしてインストールします。 基本的にアプリ関係は別のPCからコピーして来てそのまま移行できることは稀で、再度インストールすることになるはずです。
arduinoのサイトへ行き、Windows 10にマッチするバージョンをダウンロードして新規インストールしました。 スムースに進んで短時間で終了します。
さっそくUSBケーブルを接続し、ツールメニューから使いたいarduinoの種類やCOMポートの設定を行ないます。 USBポートを移動するとCOMポートの番号も移動しますから注意します。 私の場合、初めはCOM3でしたが、隣のUSBへ移動したらCOM4になりました。メニューに表示される候補から選べば良いので簡単にわかります。 ここが合わせてないと書き込む時エラーになります。
さっそくあらかじめ用意されているサンプルプログラムからLEDチカチカ、通称「Lチカ」をロードして書き込んでみましょう。 メニューバーにある白丸に右矢印のボタンをクリックすればコンパイルされてarduino unoへLチカが書き込まれます。 さっそくLチカが動作するはずです・・・。
【arduino uno 互換基板でLチカ】
イッパツで成功です。(笑)
Windows10はユーザーIFの部分など前のWindowsとかなり違いがあるように見えます。 しかし、見かけ表面を覆った部分の下をみるとあまり違っていないのかも知れませんね。 案外すんなりとWIndows7や8のアプリやハードウエアが動作してくれるようです。
もちろん、あまり古くさいハードにはドライバを始め専用のアプリさえ用意されていないこともあるようです。 しかし過去の資産はかなりうまく移行できそうでした。 この点は優れていると思いますし、いま思うともう少し早くWindows10に移行しても良かったのかも知れませんね。
☆
以上、HAMが手元に置いてオンジエアの補助や整理に使い、さらにプログラム開発や実験データの整理などに使えるWindows 10パソコンが出来上がったようです。Turbo HAM Logも移行したので、これでWondows7で行なっていたことはほぼすべて移行できたと思います。少し手続きが必要そうなARRLのLoTWもこのあと移行させる予定です。 Windows10の導入部分ではかなりトラブりましたが、インストールずみを購入したあとはたいへんスムースに進みました。
【SSDを購入】
もともと内蔵していたHDDは320GBでした。 このノートPCが登場した頃はそれくらいのHDDを積んでいればひとまず十分だったのでしょう。
そのままでももうしばらく使えそうでしたが、起動の迅速さを求めてSSDへの換装を行なうことにしました。 少し前までは高価だったSSDも500GBが8,000円以下まで値下がりしています。 1TBと言いたいところですが、そもそもサブのマシンですし大量のデータを保管する可能性は低いと思います。 今の時点でコスパの良さそうな500GBのSSDを購入しました。
Crucialというメーカーは聞いたことがありませんでしたが、メモリチップを作っているマイクロン社の子会社のようです。 マイクロン社のメモリチップを積んだSSDと言っても良いでしょう。
【500GBの2.5インチSSD】
見たところはHDDと同じように見えますね。 I/FはHDDでは標準的なSATAです。
まずはじめにUSB-SATA I/Fケーブルを用意してノートPCのUSBポートに接続します。 私は手持ちにあった外付けUSB用2.5インチHDDケースを使いました。 その後、フォーマットを行なったら「Easeus Todo Backup Free」というHDDのコピークローンを作るアプリを起動し、SSD上にC:ドライブのコピーを作ります。 Easeus Todo Backup Freeは予めダウンロードしておく必要があります。 こうした作業の手順はネット上にたくさん実例があります。Youtubeにも動画があって参考になりました。
比較的データ量が多かったのでコピー完了まで45分くらいかかりました。 Officeほか様々なアプリをインストールする前にCopyを作れば短時間で済んだのかも知れません。 しかし、一通りのインストールが済んでからCopyを作ったことになるので、使い始め初期の状態の完全なバックアップ・コピーが(HDDに)自動的に作れたことになる訳です。悪くない手順だったように思っています。 従って元あったHDDは転用せずにそのまま非常用のバックアップとして保管しておきました。
【スピードは?】
裏蓋を開けHDDを外してSSDに交換したら作業終了です。 コールドスタートからデスクトップが現れるまでに約16秒、ブラウザを起動して操作できるようになるまでに20〜22秒と言ったところでした。どのアプリの起動も非常に軽快です。 また、シャットダウンに要する時間も5秒くらいなのでじれったさを感じるヒマさえありません。(笑)
左表は「CrystalDiskMark」というポピュラーなフリーウエアで計測したSSDのRead/Writeスピードです。 数字が大きいほど高速という意味ですが、これらの数字はSATAインターフェースのSSDとしては標準的な値のようでした。 ノートPCで標準的な普通の2.5"ハードディスク(HDD)と比べて、大きなファイルのシーケンシャルな読み書きで5倍以上、小刻みなファイルのランダムなアクセスでは200倍を優に越えます。さすがに早いのですね。 巷で言われている通りでした。(笑)
たまにしか使わないサブのパソコンにSSDなど勿体無いと思うかも知れません。 しかし、たまにしか使わないからこそ起動とシャットダウンが高速なのは有り難いのです。 チョットだけ使いたいと思ったとき延々とWindowsの起動画面を眺めながらジリジリ待つ必要はありません。 使い終わったらささっとシャットダウンして保管場所に戻すこともできます。 本質的に振動に強いSSDは持ち運ぶことが多いノートPCには安心感があります。 追加の費用は発生しましたがSSDへの交換はなかなか効果的だったと思っています。
【コンボ・ジャック】
最近の無線機はUSBポートを備えているものが多くなっています。 デジタルモードのインターフェースがUSBケーブルで直接できるようになりました。 しかし、少し古いRigが多い拙宅では、パソコンのAudio入出力端子を使ったインターフェースが必要になります。
このノートPCのAudio入出力端子はコンボ・ジャックというコンビネーション型になっていました。 3.5mmのイヤフォン・ジャックの発展型のようですが、ヘッドフォン用の左右の出力とマイクロフォン(モノラル)の入力が一本になっているのです。 出力が2、入力が1でGNDを共通にした4極になったものでスマホにも多いタイプです。
【コンボ・プラグの結線】
無線機とのインターフェース・アダプタを製作する必要があります。 端子接続がわからないと製作はできません。 さっそく調べてみました。
意外に見つけるのに苦労しましたが、図に書いたようになっていました。 このThinkpadは黒い文字で書いたような端子配置になっています。 機器によっては赤い文字のような接続もあるそうです。 しかし、iPhoneと同じ接続(黒い文字)になっているイヤフォン・マイクが主流のようです。 100均でイヤフォン・マイクを購入して来ればケーブルをちょん切って無線機用のインターフェースが安価に作れるでしょう。田舎で可能な安上がりな手段です。
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無線機は最新型の方が良いでしょう。 通信器の性能が交信実績にも現れやすいからです。 合わせて使うことになるパソコンもできたら最新型が欲しいところです。 しかし趣味の道具に際限なく費用をかける訳にも行きません。 実用的なところで妥協し中古ノートPCを導入してガマンすることにしました。 新規にインストールしたアプリの費用やマウスなどの周辺機材に500GBのSSDなど諸々を合わせて¥35k少々で済ませることができました。 いまのところなかなか快適です。amazonでチープな新品ノートPCを買うよりもしっかりした物が手に入ったように思います。
パソコンの初期設定はいつでも厄介で面倒臭いものです。でも順調にポンポン進むと面白いくらいですね。 ノートPCを相手に1週間くらい楽しむことができました。 ではまた。 de JA9TTT/1
(おわり)fm
後日談:(電子申請Lite)
セットアップが済んだノートPCで「電子申請Lite」をアクセスし、変更届を提出しました。4月10日に届出し、14日には審査終了です。電子申請は迅速なのが良い。 届出では、懸案だったデジタルモードの追加を行ないました。メインはFT8の追加です。 遅ればせながらFT8にも出られるようになりました。さっそく WARCバンドをメインにオンエアしています。特にDX専門というわけではありませんので、聞こえて(見えて)ましたら気軽にコールお願いします。 QSLカードはe-QSLで即時発行しています。 deJA9TTT/1 (2020.04.17)










































