【40mバンドのホイップ・アンテナを作る】
abstract
I have built a 40m Band Whip Antenna. This antenna is designed to enjoy HAM by carrying a radio station in a car and moving it around. This antenna has the same structure as the 30 m band antenna introduced in two previous Blogs. Of course, the resonant frequency is different. The construction was easy as I used some parts specially designed for whip antennas. The finished antenna sounds good and radiates well. (2024.03.25 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【モバイルアンテナの材料】
40m Band:7MHz帯はHF帯(短波帯)のメインストリートでしょう。ライセンスに関係なく初級局からオンジエアでき国内に満遍なく飛ぶうえ夜間ともなれば海外へも飛んでくれます。それだけに混信も激しいのですがいつも誰かがオンジエアしているので交信相手には事欠きません。
波長:λは40mもあります。 1/4・λでも10mもあってモバイル用のアンテナは超短縮型にならざるを得ません。 それだけに輻射効率の良いアンテナは難しくなるのですが上手に作れば十分楽しめるだけのものができます。
写真は手持ちのアンテナ製作用パーツです。 今回は活用する最後のチャンスと考えて長いこと温存していた専用の部材を投入することにしました。 茶色のパイプ状がグラスファイバ・ロッドで、以前HF帯のモバイル運用が流行ったころヘリカル巻き短縮アンテナの製作によく使われた素材です。 その下がそれに適合するコネクタ部でM型になっています。一番下は6段のロッド・アンテナで30m Bandのホイップ・アンテナに使ったものと同じです。完全に伸ばした全長は101.5cmのものです。 各部材の入手・代替などに関する情報は後ほどあります。
☆
再びモバイル用アンテナ製作の話に戻ります。 30m Bandは楽しいHAMバンドですが30mのアンテナだけではオンジエアの幅が狭くなってしまいます。これから40m Band用のモバイル・ホイップ・アンテナを製作します。やはりHF帯のメインストリートに出たいですね。 FBなアンテナができたならドライブの楽しみも広がります。
製作するアンテナの基本構造はすでに前のBlog(←リンク)で扱った30m Band用と同じセンター・ローディング形式です。 実用的な性能が得られた実績を重視し同じ形式にしました。 もう一つの理由はセンター・ローディング形式なら設計手法が確立しているため試行回数が少なく済むからです。
ヘリカル巻きの短縮型も面白そうに思ったのですが製作経験がないので諦めました。 従って既に前のBlogをご覧でしたらアンテナ形式そのものに目新しさはないでしょう。 しかし、もしお暇ならお付き合いください。 Somithing NEWはあるはずです。
【エア・ダックス・コイルと切断治具】
40m Bnadのホイップ・アンテナでも短縮コイルにエア・ダックスを使います。 コイルはボビン(巻枠)に自分で巻いて作れるパーツですが、手持ちを温存する意味もないので積極的に使うことにします。
型番はNo.401016で30m Bnadのホイップ・アンテナに使ったものと同じです。 流石に太めの線を巻いた空芯コイルだけあってQu=300が得られます。自作すればもう少しHigh-Qなコイルも十分可能なのですがQu=300はけして悪い数字ではありません。かなり良い性能と言えます。 活用することにしました。
エア・ダックスの切断に使えそうなプラスチックス切断用の治具(写真手前)があったので使ってみました。 コイルの「巻き」をあまり無駄にせず綺麗に切断可能ですがそもそもエア・ダックスが手に入らないパーツなので・・・道具もあまり意味はないかも。w
【40m用センタ・ローディングANTの設計】
今回は計算してから製作を始めました。 ただし設計アプリを使うためにはアンテナ・エレメントの寸法が明確でないと始まりません。
具体的にはコイルより下側のベースセクションと上側のトップセクションの寸法です。長さと平均径が必要です。 また容量冠の有無と、もし使う場合はその寸法・構造も必要です。
下部・ベースセクションに使うグラスファイバ・ロッド(上記写真で茶色のパイプ)は、長さ:L=140cm、元口径=1.4cm、先端径=0.55cm、肉厚=1mm程度のものです。ただし細い先端部は使いません。 コイルより上部のトップセクションは伸縮可能なロッド・アンテナ(テレスコーピック・アンテナ)を使います。 従ってグラスファイバ・ロッドは適当な寸法で切断しました。
センタ・ローディング・アンテナの輻射効率はRF電流の腹にあたる下部セクションの影響が大です。 全長を一定とすればRF電流が小さくなるコイルより上部を長くするよりもRF電流が大きい下部セクションを長くした方が有利です。ボトムローディング形式は構造的に有利ですが輻射効率では最低と言えます。 だからと言って短絡的な考えでコイルを最頂部に置くのがベストかと言えば、そうではありませんが・・・。
(参考:簡単に言うと先端に行くほど共振に必要なインダクタンスが増えHigh-Qなコイルの製作・保持が難しくなります。接地抵抗を仮定しローディング・コイルのQをパラメータとして計算すれば最適なコイルの位置が求まります)
種々の要素を検討してグラスファイバ・ロッドは元口から82.5cmのところで切断しました。 ただし一部はコネクタ部とコイルのサポートに取られるので電気的に有効な長さは実測67cmになりました。 上部セクションはロッド・アンテナそのものなので長さ101.5cmありますが、使用時にはやや縮めて使うことを想定し96cmとして計算しています。 先端の容量冠は実際は8の字型ですが等価的に直径8cmの円形でスポークは4本として計算しました。 接地抵抗はとりあえず10Ωとしておきますので効率計算は参考値です。
必要なローディング・コイルのインダクタンスは約42μHと計算されます。エア・ダックス・コイル:No.401016はちょうど40回巻きが必要です。 コイルのバラツキおよび計算誤差などを考慮して数回(3回)多めに切断しておきます。
【ローディング・コイルの調整】
おおよそのインダクタンスは計算で求めてあります。
エアダックス・コイルのインダクタンスは付属のチャートから求められますが、かなりラフなものです。 実際にはQメータで測定してインダクタンスを確認しておきました。(どうせタップで加減するので事前の精密な測定は必要ありません)
上部エレメントからクリップ付きリード線を出しコイルの巻き線を摑んで共振する周波数を探ります。
超短縮なアンテナは狭帯域になりがちです。SWRが下がり実用となるのは共振周波数付近の狭い範囲になります。ほぼスポット周波数と言えます。正確に7050kHzあたりで共振するようコイルを調整しました。 実際に使用する際は上部のロッド・アンテナ部分を伸縮させてオンジエアする周波数にぴったり合うようシビアに加減する必要があります。 もし、こうした超短縮型のアンテナがブロードな周波数特性を示すならそのアンテナの輻射効率はかなり低い可能性があります。これはご参考までに。
コイルの調整に際してロッド・アンテナの長さは±に調整できるよう適度に縮めた状態で行ないます。 伸ばし切った状態で決めたら共振周波数を低い方へ調整できません。
【ケースを被せてローディング・コイル完成】
防水・防滴構造ではありませんが多少の天候変化なら大丈夫なようにしておきます。
コイル全体をプラスチックス製のケースに収納してあります。 このケースは200mlのサンプル容器というものです。 蓋の部分を下にして逆さまに使っています。ローディング・コイルは蓋の部分に固定されています。
容器は適当な寸法の手持ちがあったので使いましたが100均で様々なものが手に入るので適当なものを見つければ良いでしょう。なお金属製の容器はインダクタンスやQへの影響が大きいため使うべきではありません。
もし走行しながら使えるアンテナを作りたいなら十分な検討が必要です。 破損がないように構造や部材を吟味しなくてはならないでしょう。
このアンテナは車をどこかに停めて半固定でのオンジエアで使うことを前提に考えています。移動運用地に到着してからアンテナ基台に装着します。 着脱で簡単に壊れないよう相応の機械的な強度は考えていますが停車した状態で使うべきでしょう。 アンテナ基台もそれほど大型ではありませんから車体への固定が十分に強固とは思えません。ある程度可能かもしれませんが大きめのアンテナを付けたままの走行は安全ではないでしょう。
【コイルは発熱する】
コイルのQが無限大でない限り必ずロスが発生します。5Wと言ったQRPなら発熱量はたかが知れていますが移動局の限度いっぱいの50Wも出すと馬鹿にできません。
このアンテナの場合、入力電力の約35%がコイルで熱になる計算です。Qu=300というかなり良いコイルを使っていてもそれだけのロスが発生します。 例えば送信電力:50Wとしてコイルでの損失は18Wくらいになります。これは無視できない発熱量です。
テストの段階で連続的な送信を行なったところ「共振周波数の跳躍」が見られました。 約30kHzほど上昇したのです。温度上昇によって製作時の機械的なストレスが解放されたものと考えられます。 その後は50Wでのオンジエアでも変化を感じないので安定したようです。
【インピーダンス・マッチング】
C-L型のインピーダンスマッチング回路を付けました。
この部分も30m Bandのホイップ・アンテナと同様の構造です。ただし容量値は異なります。
給電点のインピーダンスを想定して計算すると、必要な容量値は約610pFになりす。計算自体がアバウトなものですから680pFのディップド・マイカ・コンデンサで間に合わせました。 マッチング回路のインダクタンスは約0.54μHでローディング・コイルに含めることで省略できます。
写真でアンテナ下部の構造がわかると思います。グラスファイバ・ロッドは同軸ケーブル(10D-2V)を剥いて作った網線で覆われています。
これは下部エレメントを低抵抗に作ってロスを減らし、しかも太くすることで静電容量を大きくする目的があります。 アンテナのキャパシティをできるだけ大きくすることで、なるべく少ないインダクタンスのローディング・コイルで共振させるようにします。
もちろん銅の網線が裸のままでは錆びてくるのでテープを巻いておきます。ビニル・テープなどではなくて自己融着テープが最適です。自己融着テープは高周波的な特性も悪くありません。自己融着テープも最近はホームセンターの電材コーナーに置いてあります。 もし手に入れば太い熱収縮チューブを使うと体裁よく仕上がります。
【マッチング部の防水】
マッチング回路のコンデンサを含めてテーピングしておきます。これでコンデンサが取れてしまうことも防げます。
この部分で意外に厄介なのはコネクタ部とのハンダ付けです。 コネクタ部分はクロームメッキされていて、普通のハンダ付けができないからです。これはコイルより上部のロッド・アンテナ部分も同じです。
ホームセンターへ行くとホワイト・メタル用と言うフラックスが見つかります。是非ともそれを使ってハンダ付けすべきです。
メッキを剥がす方法もありますが材質によっては母材にハンダ付けできないことがあります。 機械的にカシメても良いので確実な接続ができるようにします。高周波回路は接触不良を嫌いますから効率低下が起こらぬようにしたいものです。
(注意:フラックスは酸化性が強いので残存していると錆が出ます。十分な洗浄を!)
【10MHzと7MHzのWhip Antenna】
完成した7MHzのアンテナを並べてみました。左が先に作った10MHzで右が7MHzです。 基本的に同じ構造ですので良く似ています。
写真ではわかりませんが後から作った7MHzは改良された箇所がたくさんあります。 やはり2つ目の製作ともなると最初の経験が活きてきます。 部材も残り物の間に合わせから専用品に代わった部分もあって作りやすさにも違いがありました。
ローディング・コイルのサポート構造は特に進歩した部分です。 10MHz用は主要部分をエポキシ系の接着剤(アラルダイト・ラピッド)で固定し、材質的にエポキシ系で無理があった所をセメダイン・スーパーXという万能接着剤で固定していました。全面的に接着剤に頼る方法です。 7MHz用ではエアダックス・コイルの構造に着目し蓋の部分に樹脂のセパレータ(4本)に合わせた穴加工を行なって固定しました。接着剤は要所に必要最低限だけです。機械的な強度はずいぶん向上し、見た感じも良くなっています。
まったく異なるタイプのアンテナを作ったほうが自作としては面白いのですが、同じ構造なら製作経験を活かすことができ改良に繋がります。実用品を作るという趣旨から言えば悪くない選択だったのではないでしょうか。
【車載した様子】
写真は車載した様子です。コイルより下部のベースセクションが長くなったため10MHzにも増して印象的になりました。
全長は約182cmあります。 装着して走行することはないので支障はないと思います。 コネクタ部分が専用品になったのでベース部分の機械的な強度はずいぶん向上したと感じます。 長くはなっても安心感はアップしています。
写真では見えにくいですが頂部に8の字型のキャパシティ・ハット(容量冠)が付いているのも10MHzのホイップANTに同じです。
【磁石アース板】
周波数が低くなったことからボディーとの結合容量の不足が気になりました。 写真のように小型版(強磁力の方)を2枚使って調整していたのですが、A4版の大きい方を追加してみました。
多少の変化は見られますが大きな違いはないことがわかったので現在は写真の状態で実用しています。 もちろん磁石アース板なしでは不安定なうえ調整も狂ってしまいまったくダメです。(笑)
【7MHz Whip Antennaの共振特性】
写真はnanoVNAで観測した7MHzホイップ・アンテナのSWR特性です。7.0MHzを中心に±500kHzの範囲で観測しています。
写真を見ますとSWRが低くくて使用可能な周波数帯域幅はたいへん狭くなっています。 スポット的と言っても良いでしょう。 高い輻射効率を狙ってできるだけロスを減らした短縮アンテナはかなりHigh-Qになります。 そのため実質的に共振周波数付近のごく狭い周波数範囲でしかオンジエアできません。
FT-8やJT-65(廃れましたが・笑)のようにスポット周波数で運用するモードなら運用中の支障はまったくありません。 CWの場合はCWバンドの低端と高端ではかなり離れているため運用周波数に合わせてアンテナ先端の伸縮により微調整する必要があるでしょう。 同様にSSBでも実際に使う周波数に応じた微調整を行なえば良好な輻射効率でオンジエアできます。
全長は約182cmと10MHz版より30cmくらい長くなっていますが、1/4・λに対する短縮率は約83%と(=17%の長さしかない)むしろ「小さなアンテナ」になっています。そのため輻射効率も少し低下しています。これが現実的なサイズなのでやむを得ないと思います。 あとはうまく電波が飛んでくれたら良いのですが・・・
帯域幅が狭く効率も低いのは超短縮アンテナにならざるを得ないHF帯移動運用の宿命と言えます。 こんなことを書くと混乱するかもしれませんが「アンテナのQは低いほどFB」なのです。しかし損失が大きくなるような方法でLow-Qにしたのでは意味がありませんけれど・・・。おわかりでしょうか?(笑)
【テスト・オンジエアの様子:FT-8】
近くの空き地で移動運用のテスト・オンジエアです。 何かあってもシャックにすぐ戻れるごく短距離の移動です。
共振周波数の調整がやや甘かったのですが、まずまず良く飛んでくれました。
CQを出したところ数局に呼んでいただけました。 コンデイションの影響もあるとは思いますが、約83%短縮という超短縮アンテナでも十分な実用性能が得られています。見かけスマートな市販ANTよりも効率はずいぶんマシでしょう。
移動運用には様々なスタイルがあります。ポータブルなQRP機を持ってフィールドに出かけて波を出すのは楽しいものです。私もFT-817なら持ってます。 しかし弱すぎる波では交信相手はだいぶ苦労するでしょう。 私の希みは:たとえ移動運用の貧弱な設備ではあってもできるだけ良い波を出したいのです。 なるべく楽に交信して頂きたいと思っています。 ですからあえてQRPには拘らず事情が許せば法定内で可能なだけのパワーを出しアンテナ系の輻射効率も極力高くありたいのです。 アマ無線は交信できてこそ無線通信です。せっかく出かけた移動運用がボウズじゃ悲しいじゃありませんか。hi
参考:QRPpでkm/Wを競うにはPOTAではなくSOTAが向いています。V/UHFなら標高で飛距離を稼ぐことができるからです。短縮なしフルサイズのアンテナやビームアンテナも使えます。HF帯よりノイズや混信が少ないのも有利です。
【PSKRでも飛びを確認】
トランシーバの受信感度には20dB(電圧で10倍、電力で言えば100倍)以上の余裕があってかなり低効率なアンテナでもよく聞こえるのが当たり前になっています。そうでないとそのトランシーバは耳が悪いって言われてしまいます。w
しかし送信で20dBの余裕は容易ではありません。アンテナのロスを見込んで100倍のパワーに・・・など非現実的です。アンテナの数%の効率の違いに拘るのはそのためです。その数%が飛びには大いに影響します。
そのアンテナを繋いでみたらよく聞こえるからと言って、それはまったくの気休めに過ぎないかも知れません。本当のことは送信した時にわかります。
飛び具合の確認のために7041kHzでオンジエア・テストしてみました。 7041kHz/FT-8は基本的にJA局のみがオンジエアしています。 これはバンド使用区分からやむなくそうなったものと承知しています。
従って受信レポートは海外局からは得られません。 たまたま韓国に1局だけ7041kHzをワッチしていた局がいたようです。 他の日のテストでも国内各局にまんべんなく飛んでくれたのでこのアンテナはかなり旨くいったと言えるでしょう。 もちろん短縮なし・フルサイズの固定局のアンテナと比べちゃいけませんけどね。(笑)
こんどは夜間のDXタイムを選んで7074kHz/FT-8でテストしたいと思います。果たしてどれくらい飛んでくれるでしょうか。(現在は7074kHzで国内局を呼ぶことも可となりましたが、JAどうしの交信は7041kHzがメジャーなようです。DXerには有難いことでしょう)
☆
似たようなアンテナを作るだけですから作るつもりのない人には面白味に欠けたBlogだったでしょう。 寸法図など諸元は省略しましたが、もし参考資料としてご入用でしたら連絡いただけたらと思います。 逆に本当に作ってみたいお方にとってはまだまだ情報不足を感じるはずです。
わからない部分は具体的にお尋ねになってください。私のわかる範囲で返信差し上げます。 製作工程を一からすべて教えろとか、費用を出すから代わりに同じものを作ってくれ等のご要望には応じかねます。 製作例は参考に過ぎないので、あとはみずからも考え、工夫し、手を動かし、完成させてください。 きっと旨く行きます。製作の勘所はすべて書きました。(笑)
調べてみて驚いたのですが、このアンテナ製作で使ったグラスファイバ・ロッドとそれ専用のM型コネクタ部は現在でも入手可能でした。製作に使ったものは25年以上も前に手に入れたものだったからです。
先端部のロッド・アンテナは昔HAMフェアで購入したもので同じものの入手は難しいかも知れません。 6段式で伸ばした全長は101.5cm(ネジ部含む)、収縮時の長さは20.3cmです。元部分の太さは7mmあります。 長さは少々違っても支障ありません。コイルのタップ位置をわずかに動かせば共振できます。 上記の寸法にこだわることなくネット通販など手に入り易いものを使いましょう。3段式で50cm程度の物でも十分です。
エア・ダックス・コイルの代用は幾らでも可能です。 塩ビやアクリル樹脂のパイプに巻いて所定のインダクタンスが得られるように作ればOKです。 理想を言えば内径85mmのボビンにφ1.6mmの巻線を巻き幅60mm(ピッチ約2.9mm)で22回巻くとHigh-Qなコイルが作れます。さらに2〜3回余分に巻いて調整の余裕を持たせます。 密着巻きではなく必ずスペース巻きで作ります。 密着巻きでは巻線相互の「近接効果」のためQが上がりません。(重要なノウハウ・笑)
写真は「さきたま古墳公園」(埼玉県行田市:POTA JP-1178/JCC-1306)でオンジエアした際のものです。 自作した7MHzホイップ・アンテナは各地のPOTA運用(←リンク)で存分に活躍してくれています。 たくさんのQSOありがとうございます! ではまたどこかの公園から。 de JA9TTT/1
(つづく)fm
2024年3月25日月曜日
2024年3月10日日曜日
【HAM】Parks on the Air : POTA
【パークス・オンジエア:公園からオンジエア】
abstract
Have you heard of POTA? POTA stands for "Parks on the Air" and is an on-air activity of HAM stations from the parks. It is a US-derived activity derived from Summit on the Air (SOTA). POTA has already become a worldwide activity. You can easily get started. The first step is for you to become a 'Hunter'. Then, once you have registered an account on the POTA website, all you have to do is call a POTA station. No hassle. It's even more fun when you become an 'Activator'. Go out to the park and open a mobile radio station. But there is nothing difficult about it. All you have to do is go to the park and enjoy the HAM Radio. (2024.03.10 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【POTAって?】
最近オンエアしていると"CQ POTA DE JA9・・・"という呼びかけを聞くことが多くなっていました。 コンテスト局のようではないし誰とでも交信しているようです。 たまにはこちらが呼ばれることもあって「ポタって何だろう?」と思っていました。
POTAというのは"Parks on the Air"・・・すなわち『公園でオンジエア』という意味のようです。 そう言えば以前"SOTA"って言うのを聞いたことがありました。 Rigとアンテナを担いで登山して山頂(Summit)からオンジエアし、アワードをねらうと言ったHAMの活動だったはずです。 その公園版がPOTAらしいのです。
軟弱な当局では重たいリグやバッテリ、さらにアンテナに加えテントと言った登山装備一式を担いで山に登るなんてムリムリだと思っています。(笑) しかし公園なら平地にもありますし、徒歩という「縛り」もないので自動車のまま行ける所もあるでしょう。 デキル可能性があります。
☆
これは私的感想に過ぎませんが:HAMのアクティビティも漫然と交信しているだけではいずれ低下してきて当然かも知れません。 QSLカードやアワード集めは楽しいものですが、ある日ふと「単なる紙集めじゃないか!?」って気付いて疑問に感じてしまったなら・・・せっかくの趣味も楽しさが希薄になってしまいそうです。 ローカルさんとのおしゃべりにもマンネリズムを感じてきたら・・・趣味を長く楽しむために何か活性化できることはないでしょうか? その一つがPOTA活なのかも知れません。もちろん、各局さんそれぞれのお考えもあるでしょう。
画面はさっそくPOTAのサイト(←リンク)へ行ってアカウント登録した様子です。
◎ POTA活には2つがある。
一番簡単なのはHunter(ハンター)で、これは公園からオンジエアする移動局を呼ぶだけです。あとは何もしなくてOKです。(カード交換さえも必要ありません)
もちろん電子発行されるアワード(このBlogの最後を参照)を希望するのでしたらアカウント登録だけは必要です。しかしそれ以外はいっさい何も要りません。だからとっても簡単です。 アカウントの登録は気が向いてからでも大丈夫です。過去の交信もちゃんと反映されますので。 あとはPOTA局を見つけたら交信しましょう。休日の午後たくさん出ています。
もう一つは公園からオンジエアするActivator(アクティベータ)です。こちらはRigを持って公園から決められたルールに従ってオンジエアします。 まあこれも特に難しいことはなくて肝心なのは無理せず楽しくオンジエアすることです。 そして移動運用が終わったら一つだけ必須の作業があります。POTAのサイトへADIF形式でLogを提出することです。このLogのおかげでハンターは何もしなくて良い訳なので・・・。 完全な交信が10局以上できるとその公園がアクティベーション(活性化)できたことになります。
もしも興味が湧いてきたらPOTAのサイトや関連のサイトなどを参照されてください。YoutubeでPOTAの動画も見つかります。 以下、POTAに興味を持つ切っ掛けになったら幸いです。 もちろん何の興味も感じないのでしたら早々のお帰りがベストです。
【POTAできる公園は?】
わたしはハンターよりもアクティベータの方に興味を持ちました。 公園から移動運用してみたいと思ったのです。
しかしどこかその辺の公園に行ってオンジエアすれば良いわけではないようなのです。 あらかじめ登録され番号がついている公園からオンジエアしないと有効な交信になりません。 ではどんな公園があるのでしょうか? 調べるサイト(←リンク)があって日本全国の公園を地図上でビジュアルに調べることができます。
画面は付近の公園を調べた結果です。あまり小さな公園は対象ではないようです。また大きな公園でも市町村が管理する公園は登録されていません。 おもに国立や県立の大きめの公園が登録されています。
【参考:公園番号の変更】
従来:JA-1234のように番号がついてましたが2024年3月初めよりJP-1234のように変更されました。JA→JPになっただけで数字部分は変わっていないようです。
残念ながら5分で行けるような公園はありませんでした。 しかし容易に出掛けられそうな公園がたくさん登録されています。 知らなかったような公園もあってオンジエア目的でなくても興味が湧くところもありました。 これらの中から先ずは行き易そうな公園を選んでテスト・オンジエアしましょう。
【雉岡城址からPOTA】
近所の公園に「上武県立自然公園」がありました。この公園は非常に広大なものです。
全国各地に指定されている自然公園の一つで昭和25年に指定されたそうです。国の自然公園制度によって誕生したそうです。(知りませんでした・笑)
埼玉県北西部の広域をカバーする公園です。POTAのルールによればその公園の中ならどこからのオンジエアでも有効です。
さっそく調べたら「雉岡城址」という市内の公園が含まれていました。元々ここは児玉郡児玉町でしたが平成の合併で本庄市になった所です。25分もあれば行けるはずです。
Googleストリートで確認したら駐車してオンジエアできるスペースもありました。 先ずはここから波を出してみましょう!
オンジエアの最低限のルールは、アンテナ、無線機、オペレータのすべてが公園内にあることです。 あとはそれぞれの公園のルールに従う必要があります。 車載だけで完結できれば車外にアンテナを建てる必要もないのでまずトラブルにはなりません。 あとは所定の駐車スペースに停めて楽しくオンジエア開始です。
【移動運用の準備】
普段は無線機を車載していません。必要なつど積み込むようにしています。 移動運用で必要になる道具は結構色々あります。 無線機やアンテナだけでなく電源やパソコンが必需品です。もちろんオペレータ・ライセンスや無線局免許状も。
音声やCW(無線電信)でオンエアなら無線機とアンテナ、あとはメモ帳でもあればPOTAできます。 おもにV/UHF帯のFMやSSBでオンジエアされるPOTA局もあって手軽にお楽しみのようです。 カートランシーバと車載ホイップなら常設しておけますからね。
楽しみ方は人それぞれです。 わたしはちょっと遠方の局とも交信したいと思っています。それでHF帯(短波帯)でオンジエアしたいのです。 このまえ作った10MHzの短縮ホイップ・アンテナを使い無線機もHF帯に出られるIC-7300を使うことにしました。 ほかにも遠くとできそうな見晴らしの良い高台から6m Bandと言うのも面白そう。しかもEスポでも出たら九州や北海道も・・・。Eスポは6月ころ初夏が狙い目です。
運用モード(電波形式)はデジタルモードをメインに考えています。このモードは弱い電波でも交信し易いからです。ノイズにもかなり強いです。 さらに自動でLogに記入できるなど利便性もよく短い時間での移動運用には最適だからです。 ただ、HF帯のPOTAハンターにはCW局もかなり多いのでCWでもオンジエアすべきなのかも知れません。 良い条件の公園が見つかったら改めてCWやSSBでじっくりオンジエアしたいですね。電鍵やマイクを持って出掛けましょう。
【移動局を開局】
始めたばかりなので車載のセッティングや運用方法は試行中の段階です。
デジタルモード(FT-8など)の場合いくつか注意が必要だと思っています。 パソコンを使うことになりますが使うパソコンは時刻同期が必要です。
その方法としてGPSを使う方法があります。 またネット接続が可能ならタイムサーバーを使って同期する方法もあります。
どちらも可能な機材は持ってますがeQSLの即時発行を狙ってネット接続を試しました。iPhoneのディザ機能を使います。よほど田舎でなければ携帯回線が使えます。近隣の公園なら大丈夫そうです。
実験を兼ねた初運用はうまく行ってパソコンの時刻同期もeQSL発行もできました。 ただしeQSLの発行は別途行なう方が良いと言う結論です。
一つにディザは意外に不安定なことがあります。eQSLの発行モレや重複などの問題もあるので交信即発行でない方が安心です。 従って必ずしもインターネット環境は必要なく、パソコンの時刻同期はGPSを使う方法でも良いでしょう。 もちろんオンジエアのアナウンスをPOTAサイト等に流すにはネット環境があった方がFBです。
運用のあと本当に必要なのはPOTAサイトにLogを提出することです。 JCC/JCGのサービスにもなるのでeQSLは発行すべきでしょう。しかしPOTAサイトへのLog提出が優先です。POTAのLogデータを作るときeQSLのデータも簡単に作れるのでQSLカードの発行はその時にやれば良いと言う結論です。 この辺りは各局の好みにあったやり方をすれば良いはずです。
【上武県立自然公園のアクティベーション】
13局と交信できアクティベーション成功です。
10MHzはニッチなバンドなのでオンジエアする国内局が少ないのが心配でしたが、あんがい簡単に規定の交信数に達しました。 複数コールサインをお持ちのお方に何回も呼んでいただいたフシもあるのですが・・・(笑)
Turbo HAM Logの交信データをPOTAサイト用のADIF形式に変換して頂けるJL1NIE:友部さんのサイト(←リンク)があります。 ADIF形式への変換は面倒に感じますがCSV形式で出力したTurbo HAM Logの交信データを用意するだけで良いため難しくはありません。具体的な作成手順はリンク先サイトに詳しいです。私も利用させて頂いております。VY-TNX!
上武県立自然公園:JP-1150(JA-1150)の運用データは既にアップロード&承認済みです。貴局のPOTA活成果として反映されていると思います。 お呼びいただき有難うございました。
☆ ☆
【群馬の森:JP-1322(JA-1322)でPOTA】
「群馬の森」は群馬県高崎市にある公園です。 以前行ったことがあってPOTAの運用が可能そうでした。
きちんと管理された公園の場合、運用する時間帯が問題になります。冬季ですとあんがい早い時刻で閉園になるところが多いようです。 運用バンドによっては夜間に掛かる時間帯が有利な場合もあるのですが、公園から出られなくなったら困ります。
・・・と言うことでベストとは言えない時間帯のオンジエアになりました。 それでも沢山のお方と交信できました。 JP-1322(JA-1322)の運用データもアップロード&承認済みです。 PSKRのレポートを見たら海外のハンターにもサービス可能そうなのですが、それにはやはり時間帯を選ぶ必要がありそうです。
【JP-1322(JA-1322)からの飛び方】
日本国内のほか、アジア・オセアニアならまずまず飛びそうな感触です。 粘り強く呼んでみると言った努力が必要かもしれません。
自宅で運用しているWSPRのレポートも総合すると、例えば30m Bandは日没から1時間〜2時間くらいがDXに良く開けるようです。HF帯はそれぞれバンドの性格に合わせた運用時間帯の選び方が肝心です。
移動運用の限定された設備ですから、固定局と同じようには行かないと思いますがこうした時間帯をねらってCQ POTAを出すのも面白そうです。 JAのPOTA局を狙うDX局もいるそうですからいずれやってみましょう。
今のところ短時間のオンジエアばかりなのでゆとりがありません。 ぼちぼち春ですが、もっと暖かくなってきたら時間を気にせずにジックリやろうと思っています。 どうぞお相手をよろしく。
【さっそくアワードが!】
これはPOTAを始めたら誰でもまず始めにもらえそうなアワードです。 ハンターがPOTA局と10交信するともらえます。
条件を満たしたらしく何の申請もせずに自動的に発行されました。 PDFの電子データなので「紙」のアワード派にはちょっと残念かもしれません。 紙派のお方は良質な台紙を用意して高品位印刷すればシャックに飾れるアワードになりますね。
POTAには他にも様々なアワードがあって、例えば「早番」「遅番」と言った面白いものもあります。 まだまだいっぱい有りますが急がず慌てずにゆっくり楽しみましょう。アワードもらえたなら活動の足跡にもなります。まあ競ってまで集めたいとは思いませんが。hi
詳しくはPOTAのサイトで「Awards」をご覧になってください。
高齢者の域にある当局には電子データのアワードは有難いくらいです。 何だか意味のわからない「紙」がいっぱい残ってもいずれ家族の迷惑になってしまうでしょう。 アワードを頂くのは嬉しいものですが電子データもFBですね。(笑)
☆
車載アンテナはPOTAを目的に開発した訳ではありません。 しばらくぶりに移動運用してみたいと言うHAMの活性化が目的でした。 ローカルのJCC/JCGにはHF帯のアクティブティが高くないところもあります。移動運用でサービスできたら・・という思惑もありました。 あと、車載のAC100V電源で無線をやってみたいと言うのも動機の一つでした。
ちょうどその時POTAと言う活動を目にしました。 SOTA(Summit on the Air)は体力的に難しくてもPOTAならできそうだと言うことで興味を持ったのです。 移動地によってはJCC/JCGサービスも兼ねるので皆さんとお会いできるチャンスが増えたらFBです。 どうやら私のPOTA活はHAM活性化にもピッタリみたいです。 かぼそい波かも知れませんがJA9TTTの"CQ POTA"が聞こえたらぜひ呼んでやって下さい。 ではまた。 de JA9TTT/1
(おわり)nm
abstract
Have you heard of POTA? POTA stands for "Parks on the Air" and is an on-air activity of HAM stations from the parks. It is a US-derived activity derived from Summit on the Air (SOTA). POTA has already become a worldwide activity. You can easily get started. The first step is for you to become a 'Hunter'. Then, once you have registered an account on the POTA website, all you have to do is call a POTA station. No hassle. It's even more fun when you become an 'Activator'. Go out to the park and open a mobile radio station. But there is nothing difficult about it. All you have to do is go to the park and enjoy the HAM Radio. (2024.03.10 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【POTAって?】
最近オンエアしていると"CQ POTA DE JA9・・・"という呼びかけを聞くことが多くなっていました。 コンテスト局のようではないし誰とでも交信しているようです。 たまにはこちらが呼ばれることもあって「ポタって何だろう?」と思っていました。
POTAというのは"Parks on the Air"・・・すなわち『公園でオンジエア』という意味のようです。 そう言えば以前"SOTA"って言うのを聞いたことがありました。 Rigとアンテナを担いで登山して山頂(Summit)からオンジエアし、アワードをねらうと言ったHAMの活動だったはずです。 その公園版がPOTAらしいのです。
軟弱な当局では重たいリグやバッテリ、さらにアンテナに加えテントと言った登山装備一式を担いで山に登るなんてムリムリだと思っています。(笑) しかし公園なら平地にもありますし、徒歩という「縛り」もないので自動車のまま行ける所もあるでしょう。 デキル可能性があります。
☆
これは私的感想に過ぎませんが:HAMのアクティビティも漫然と交信しているだけではいずれ低下してきて当然かも知れません。 QSLカードやアワード集めは楽しいものですが、ある日ふと「単なる紙集めじゃないか!?」って気付いて疑問に感じてしまったなら・・・せっかくの趣味も楽しさが希薄になってしまいそうです。 ローカルさんとのおしゃべりにもマンネリズムを感じてきたら・・・趣味を長く楽しむために何か活性化できることはないでしょうか? その一つがPOTA活なのかも知れません。もちろん、各局さんそれぞれのお考えもあるでしょう。
画面はさっそくPOTAのサイト(←リンク)へ行ってアカウント登録した様子です。
◎ POTA活には2つがある。
一番簡単なのはHunter(ハンター)で、これは公園からオンジエアする移動局を呼ぶだけです。あとは何もしなくてOKです。(カード交換さえも必要ありません)
もちろん電子発行されるアワード(このBlogの最後を参照)を希望するのでしたらアカウント登録だけは必要です。しかしそれ以外はいっさい何も要りません。だからとっても簡単です。 アカウントの登録は気が向いてからでも大丈夫です。過去の交信もちゃんと反映されますので。 あとはPOTA局を見つけたら交信しましょう。休日の午後たくさん出ています。
もう一つは公園からオンジエアするActivator(アクティベータ)です。こちらはRigを持って公園から決められたルールに従ってオンジエアします。 まあこれも特に難しいことはなくて肝心なのは無理せず楽しくオンジエアすることです。 そして移動運用が終わったら一つだけ必須の作業があります。POTAのサイトへADIF形式でLogを提出することです。このLogのおかげでハンターは何もしなくて良い訳なので・・・。 完全な交信が10局以上できるとその公園がアクティベーション(活性化)できたことになります。
もしも興味が湧いてきたらPOTAのサイトや関連のサイトなどを参照されてください。YoutubeでPOTAの動画も見つかります。 以下、POTAに興味を持つ切っ掛けになったら幸いです。 もちろん何の興味も感じないのでしたら早々のお帰りがベストです。
【POTAできる公園は?】
わたしはハンターよりもアクティベータの方に興味を持ちました。 公園から移動運用してみたいと思ったのです。
しかしどこかその辺の公園に行ってオンジエアすれば良いわけではないようなのです。 あらかじめ登録され番号がついている公園からオンジエアしないと有効な交信になりません。 ではどんな公園があるのでしょうか? 調べるサイト(←リンク)があって日本全国の公園を地図上でビジュアルに調べることができます。
画面は付近の公園を調べた結果です。あまり小さな公園は対象ではないようです。また大きな公園でも市町村が管理する公園は登録されていません。 おもに国立や県立の大きめの公園が登録されています。
【参考:公園番号の変更】
従来:JA-1234のように番号がついてましたが2024年3月初めよりJP-1234のように変更されました。JA→JPになっただけで数字部分は変わっていないようです。
残念ながら5分で行けるような公園はありませんでした。 しかし容易に出掛けられそうな公園がたくさん登録されています。 知らなかったような公園もあってオンジエア目的でなくても興味が湧くところもありました。 これらの中から先ずは行き易そうな公園を選んでテスト・オンジエアしましょう。
【雉岡城址からPOTA】
近所の公園に「上武県立自然公園」がありました。この公園は非常に広大なものです。
全国各地に指定されている自然公園の一つで昭和25年に指定されたそうです。国の自然公園制度によって誕生したそうです。(知りませんでした・笑)
埼玉県北西部の広域をカバーする公園です。POTAのルールによればその公園の中ならどこからのオンジエアでも有効です。
さっそく調べたら「雉岡城址」という市内の公園が含まれていました。元々ここは児玉郡児玉町でしたが平成の合併で本庄市になった所です。25分もあれば行けるはずです。
Googleストリートで確認したら駐車してオンジエアできるスペースもありました。 先ずはここから波を出してみましょう!
オンジエアの最低限のルールは、アンテナ、無線機、オペレータのすべてが公園内にあることです。 あとはそれぞれの公園のルールに従う必要があります。 車載だけで完結できれば車外にアンテナを建てる必要もないのでまずトラブルにはなりません。 あとは所定の駐車スペースに停めて楽しくオンジエア開始です。
【移動運用の準備】
普段は無線機を車載していません。必要なつど積み込むようにしています。 移動運用で必要になる道具は結構色々あります。 無線機やアンテナだけでなく電源やパソコンが必需品です。もちろんオペレータ・ライセンスや無線局免許状も。
音声やCW(無線電信)でオンエアなら無線機とアンテナ、あとはメモ帳でもあればPOTAできます。 おもにV/UHF帯のFMやSSBでオンジエアされるPOTA局もあって手軽にお楽しみのようです。 カートランシーバと車載ホイップなら常設しておけますからね。
楽しみ方は人それぞれです。 わたしはちょっと遠方の局とも交信したいと思っています。それでHF帯(短波帯)でオンジエアしたいのです。 このまえ作った10MHzの短縮ホイップ・アンテナを使い無線機もHF帯に出られるIC-7300を使うことにしました。 ほかにも遠くとできそうな見晴らしの良い高台から6m Bandと言うのも面白そう。しかもEスポでも出たら九州や北海道も・・・。Eスポは6月ころ初夏が狙い目です。
運用モード(電波形式)はデジタルモードをメインに考えています。このモードは弱い電波でも交信し易いからです。ノイズにもかなり強いです。 さらに自動でLogに記入できるなど利便性もよく短い時間での移動運用には最適だからです。 ただ、HF帯のPOTAハンターにはCW局もかなり多いのでCWでもオンジエアすべきなのかも知れません。 良い条件の公園が見つかったら改めてCWやSSBでじっくりオンジエアしたいですね。電鍵やマイクを持って出掛けましょう。
【移動局を開局】
始めたばかりなので車載のセッティングや運用方法は試行中の段階です。
デジタルモード(FT-8など)の場合いくつか注意が必要だと思っています。 パソコンを使うことになりますが使うパソコンは時刻同期が必要です。
その方法としてGPSを使う方法があります。 またネット接続が可能ならタイムサーバーを使って同期する方法もあります。
どちらも可能な機材は持ってますがeQSLの即時発行を狙ってネット接続を試しました。iPhoneのディザ機能を使います。よほど田舎でなければ携帯回線が使えます。近隣の公園なら大丈夫そうです。
実験を兼ねた初運用はうまく行ってパソコンの時刻同期もeQSL発行もできました。 ただしeQSLの発行は別途行なう方が良いと言う結論です。
一つにディザは意外に不安定なことがあります。eQSLの発行モレや重複などの問題もあるので交信即発行でない方が安心です。 従って必ずしもインターネット環境は必要なく、パソコンの時刻同期はGPSを使う方法でも良いでしょう。 もちろんオンジエアのアナウンスをPOTAサイト等に流すにはネット環境があった方がFBです。
運用のあと本当に必要なのはPOTAサイトにLogを提出することです。 JCC/JCGのサービスにもなるのでeQSLは発行すべきでしょう。しかしPOTAサイトへのLog提出が優先です。POTAのLogデータを作るときeQSLのデータも簡単に作れるのでQSLカードの発行はその時にやれば良いと言う結論です。 この辺りは各局の好みにあったやり方をすれば良いはずです。
【上武県立自然公園のアクティベーション】
13局と交信できアクティベーション成功です。
10MHzはニッチなバンドなのでオンジエアする国内局が少ないのが心配でしたが、あんがい簡単に規定の交信数に達しました。 複数コールサインをお持ちのお方に何回も呼んでいただいたフシもあるのですが・・・(笑)
Turbo HAM Logの交信データをPOTAサイト用のADIF形式に変換して頂けるJL1NIE:友部さんのサイト(←リンク)があります。 ADIF形式への変換は面倒に感じますがCSV形式で出力したTurbo HAM Logの交信データを用意するだけで良いため難しくはありません。具体的な作成手順はリンク先サイトに詳しいです。私も利用させて頂いております。VY-TNX!
上武県立自然公園:JP-1150(JA-1150)の運用データは既にアップロード&承認済みです。貴局のPOTA活成果として反映されていると思います。 お呼びいただき有難うございました。
☆ ☆
【群馬の森:JP-1322(JA-1322)でPOTA】
「群馬の森」は群馬県高崎市にある公園です。 以前行ったことがあってPOTAの運用が可能そうでした。
きちんと管理された公園の場合、運用する時間帯が問題になります。冬季ですとあんがい早い時刻で閉園になるところが多いようです。 運用バンドによっては夜間に掛かる時間帯が有利な場合もあるのですが、公園から出られなくなったら困ります。
・・・と言うことでベストとは言えない時間帯のオンジエアになりました。 それでも沢山のお方と交信できました。 JP-1322(JA-1322)の運用データもアップロード&承認済みです。 PSKRのレポートを見たら海外のハンターにもサービス可能そうなのですが、それにはやはり時間帯を選ぶ必要がありそうです。
【JP-1322(JA-1322)からの飛び方】
日本国内のほか、アジア・オセアニアならまずまず飛びそうな感触です。 粘り強く呼んでみると言った努力が必要かもしれません。
自宅で運用しているWSPRのレポートも総合すると、例えば30m Bandは日没から1時間〜2時間くらいがDXに良く開けるようです。HF帯はそれぞれバンドの性格に合わせた運用時間帯の選び方が肝心です。
移動運用の限定された設備ですから、固定局と同じようには行かないと思いますがこうした時間帯をねらってCQ POTAを出すのも面白そうです。 JAのPOTA局を狙うDX局もいるそうですからいずれやってみましょう。
今のところ短時間のオンジエアばかりなのでゆとりがありません。 ぼちぼち春ですが、もっと暖かくなってきたら時間を気にせずにジックリやろうと思っています。 どうぞお相手をよろしく。
【さっそくアワードが!】
これはPOTAを始めたら誰でもまず始めにもらえそうなアワードです。 ハンターがPOTA局と10交信するともらえます。
条件を満たしたらしく何の申請もせずに自動的に発行されました。 PDFの電子データなので「紙」のアワード派にはちょっと残念かもしれません。 紙派のお方は良質な台紙を用意して高品位印刷すればシャックに飾れるアワードになりますね。
POTAには他にも様々なアワードがあって、例えば「早番」「遅番」と言った面白いものもあります。 まだまだいっぱい有りますが急がず慌てずにゆっくり楽しみましょう。アワードもらえたなら活動の足跡にもなります。まあ競ってまで集めたいとは思いませんが。hi
詳しくはPOTAのサイトで「Awards」をご覧になってください。
高齢者の域にある当局には電子データのアワードは有難いくらいです。 何だか意味のわからない「紙」がいっぱい残ってもいずれ家族の迷惑になってしまうでしょう。 アワードを頂くのは嬉しいものですが電子データもFBですね。(笑)
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車載アンテナはPOTAを目的に開発した訳ではありません。 しばらくぶりに移動運用してみたいと言うHAMの活性化が目的でした。 ローカルのJCC/JCGにはHF帯のアクティブティが高くないところもあります。移動運用でサービスできたら・・という思惑もありました。 あと、車載のAC100V電源で無線をやってみたいと言うのも動機の一つでした。
ちょうどその時POTAと言う活動を目にしました。 SOTA(Summit on the Air)は体力的に難しくてもPOTAならできそうだと言うことで興味を持ったのです。 移動地によってはJCC/JCGサービスも兼ねるので皆さんとお会いできるチャンスが増えたらFBです。 どうやら私のPOTA活はHAM活性化にもピッタリみたいです。 かぼそい波かも知れませんがJA9TTTの"CQ POTA"が聞こえたらぜひ呼んでやって下さい。 ではまた。 de JA9TTT/1
(おわり)nm
2024年2月24日土曜日
【Antenna】Making a 30m-Band Whip Antenna
【30mバンドのホイップ・アンテナを作る】
abstract
The 30m band is a new HAM band in Japan; it has been authorised since 1 April 1982. Only HAMs with an advanced licence can on-air in the 30 m band. Therefore, few HAM stations on the air are available, so existing antennas are limited. High performance 30m band antennas for mobile use are unlikely. If not, it is best to build your own. I build high efficiency 30m band antennas. (2024.02.24 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【30m Bandとは】
30mバンドは10.100MHz〜10.150MHzの50kHz幅を持ったHAMバンドです。WARCバンドの一つで日本では1982年4月1日から割り当てられた比較的新しいHAMバンドです。かつてはSSBもオンエアできたのですが現在は狭帯域の電波モードしか許可されていません。 具体的にはCW(無線電信)やF1D(FT-8やJT-65などのデジタルモード)が代表的です。
7MHz(40m Band)と14MHz(20m Band)の中間にあって海外へもよく飛ぶ周波数ですが2アマ以上の資格が必要なHAMバンドです。 そのためニッチなHAMバンドの扱いであり市販のアンテナは限られているようです。 他のバンドとの抱き合わせ製品はあっても10MHz用のホイップアンテナのようなバンド専用品はほとんど選択肢がありません。
ニーズがない以上、既製品が少ないのはやむを得ないとして欲しくなるようなメーカー製品がないなら自分で作るしかありません。 どんなアンテナが欲しいかと言えば輻射効率に優れるアンテナです。 モバイル局は50Wに制限されています。そんなモバイル局ではあっても、できるだけ良い(強力な)電波が飛ばせるようなアンテナが欲しいものです。 いくらスマートで体裁が良くても飛ばないものはアンテナにあらず、ダミーロードなんてねえ・・・。(考え方は各局それぞれです・笑)
☆
よく飛ぶアンテナは誰しも欲しいでしょう。しかし車載アンテナは走行中の安全を考えて機械的な強度や構造を考えねばなりません。従って自ずから寸法・形状や構造に制限が生じます。それにいくら良く飛ぶとは言っても見た目が大げさで手軽さがなければ商品性はありません。メーカー品は「売れてなんぼ」のものなのでお客さんの購買意欲を誘うような方向へ向かいます。
CWやデジタルモードを走行しながら運用することはありません。危険なので試みない方が賢明です。 半固定での運用に限定すれば輻射効率を追求する方向のアンテナが作れるかも知れません。 材料や手加工の限界で理想通りは難しいとしても可能な範囲で良いアンテナを目指したいと思います。 望むものが無ければ「自分で作る」ということです。
【なせ30m Band(10MHz)なのか?】
HF帯のメジャーバンドは7MHz帯や14MHz帯です。それに対して10MHz帯はマイナー・バンドなので空いています。従って弱い局でも拾ってもらいやすいです。これが「なぜ」の答えです。 実際に各局運用の様子を見ると昼間は国内が、また早朝や夕刻にはDX局もよく入ってきます。 国内、海外と満遍なく楽しむには向いたバンドと考えてモバイルからHF帯オンジエア最初のバンドに選びました。
【ローディング・コイルが命】
ジャンク箱の奥深くからエアー・ダックス・コイルを発掘しました。 然るべきボビンに銅線を巻いて「良いコイル」を自作しようと思っているのです。 そのためにはどんな仕様の(インダクタンスの)コイルが必要か知る必要があります。
まずは既製品のコイルで様子を見ることにしました。 そのためにエアー・ダックス・コイルを使って実測によって必要なインダクタンスを求めたいと思います。
☆
初めはそう思っていたのですが、エアー・ダックス・コイルを評価したところ思っていたよりもQが高く高性能だとわかりました。 最終的にはそのままローディング・コイルとして使うことにしました。 ただし機械的な強度に乏し構造なので実装方法に工夫を要します。
このコイルはNo.401016という型番です。 直径が40mmで、太さ(線径)が1.0mmの錫メッキ線を巻線のピッチが1.6mm(=線と線の隙間が0.6mmのスペース巻き)になるように巻けば同等品が作れます。
30m Bandの短縮型ホイップアンテナを全長が約150cmのセンター・ローディング形式で作る場合、ローディング・コイルのインダクタンスは20μH前後になります。もちろん輻射エレメントの寸法・構造によって幾分かは違ってきますが、大幅に違うことはなくてほぼ近似のインダクタンス値になるはずです。
エアー・ダックスがなければ同等のインダクタンスが得られるコイルを巻けば良い訳です。 短縮アンテナはコイルが命ですから可能な限りHigh-Qが得られるよう巻きます。 上手に巻くとこのエアー・ダックスよりずっと良いコイルが作れます。
【インダクタンスを求める】
後ほどの話で出てきますが必要なコイルのインダクタンスは計算することもできます。輻射エレメントの形状寸法などが決まればかなり精度よく求まります。
初めに計算すれば良かったのですが、いきなり実測でインダクタンスを求めてしまいました。そのような方法でも良いわけです。写真がその様子です。 実験ですのでコイルは裸の状態です。サポートも単にハンダで止めただけなので機械的な強度はまったくありません。
まずはじめにコイルより下部と上部の輻射エレメントを製作します。 上下ともに最終形状に仕上げるのがポイントです。 上下のアンテナ・エレメントができたら中間にエアー・ダックス・コイルを仮止めして調整開始です。できるだけ最終に近い状態になるようコイルを取り付けておくと仕上げの調整が容易になります。
共振が確認でき、巻き数が確定できたらコイルのサポート構造を考えることになります。 最初の写真のようにコイル全体をプラ製の容器に収める方法を採用しました。
コイルは容器のふた部分に接着剤を使って固定しました。 アンテナを付けたまま高速走行できるほどの強度は見込めませんが着脱の繰り返しや少々の風圧くらいで壊れることはないでしょう。 走行しながら使うことは想定していませんが車載アンテナは「しなる」ことを考慮して接合部分に柔軟性を持たせる構造にします。
【タップを変え共振追求】
タップの位置を変えながら共振周波数が目的の10.125MHzあたりに来るように追い込みます。
コイルはタップが取り出しやすいように一回おきに凹ませておきます。 順次タップをクリップで掴みながら共振周波数を測定します。(nanoVNAを使いました)
これでコイル何回分が必要なのか実地でわかります。 No.401016の場合、29回巻きで良いようでした。(注:これは他の要素によって幾らか違ってきます) 今回、コイルはそのまま使ってしまうのでインダクタンス値は知らなくても問題ありません。しかし知っておけば後々役立つので実測しておきました。19.57μHありました。Qu=255でした。後ほど出てきますが、計算で求めたインダクタンス:20.23μHと実測値との誤差は-3%とわずかです。
オンジエアする前の微調整は上部エレメントの伸縮によって行ないます。 上部のエレメントは6段のロッド・アンテナ(テレスコーピック・アンテナ)を使っています。 コイルを調整して共振点を求める際は完全に伸ばさずに上部エレメント1段の半分相当分だけ縮めておきます。 あらかじめ伸縮両方向の「調整しろ」を確保しておきます。もちろん全部伸ばしておきバンドの低端に合わせると言った方法もアリです。
【インピーダンス・マッチング】
短縮型アンテナの給電点インピーダンスは50Ωにはなりません。効率の良い短縮アンテナなら必ず低くなるはずです。 このアンテナの場合、おおよそ17Ωくらいが見込まれます。
インピーダンス・マッチングにはいくつかの方法があります。
(1)マッチングトランスを使う方法:透磁率の大きなフェライトコアを使いオート・トランス形式のマッチングトランスを作ります。広帯域な特性が得られるため、オート・アンテナチューナがRigに内臓される以前はよく使われました。
(2)インピーダンスマッチング回路を設ける方法:アンテナチューナと同じ考えですが、コンデンサ:Cとインダクタ:Lを使ったタイプはインダクタをローディングコイルの一部に含める方法で簡略化できます。単に給電点にコンデンサを付けるだけで済みます。(写真の方法)
(3)何もつけない方法:Rigに内臓のオート・アンテナチューナに頼るか、外付けの直下型チューナを使います。 ただしRig内蔵のチューナはリアクティブな負荷に対する整合範囲が狭くてうまく行かないことがあるようです。
ここでは(2)の方法を採用しました。 Blogに計算式を書くと嫌がられるので省きますがアンテナ関係の書籍に計算方法が出ています。 追加になるインダクタンスは約0.4μHですからローディング・コイル(約20μH)に含めることは容易です。根元に入れるマッチング用コンデンサは計算では433pFですが近似値の470pFにします。耐圧500Vのディップド・マイカ・コンデンサを使いました。コンデンサは給電点に直接ハンダ付けします。(最終的には自己融着テープで覆って防水対策しました)
【トップ・エレメント】
ローディング・コイルから上部のエレメントはロッド・アンテナを使っています。6段の伸縮式で完全に伸ばすと101.5cm(ネジ部含む)あります。ずいぶん前のHAMフェアで調達したものです。拙宅の長期在庫品(不良在庫品とも言う)だった物を使いました。
先端には金属製の「コマ」が付いています。短縮アンテナの場合、良いコイルを使いしかも接地抵抗が低いと非常にHigh-Qなアンテナになります。
そのようなアンテナでは10W程度でも先端部が非常に高電位になり尖っているとコロナ放電することがあります。「コマ」が付いていれば大丈夫な場合も多いのですが更に容量冠も付けると放電対策には効果的です。(放電が始まるとSWRが悪くなります)
大型の容量冠はアンテナ短縮にも効果があって好都合です。円環を数本のスポークで保持する構造が一般的です。この製作例では構造を簡単にする目的で8の字型の容量冠を設けました。 手持ちのテフロン被覆銀メッキ線:φ1.0mmを使いました。被覆を剥いで要所をハンダ付けして固定しました。 できたらバネ性のある材料の方が好ましくて、燐青銅の細線にメッキしたものが手に入れば理想的です。
写真の部分がロッド・アンテナの1段分に相当します。この部分の伸縮で共振周波数は約470kHz上下できました。(10MHz付近で)
【10MHz Whip AntennaのSWR特性】
写真は10MHz ホイップ・アンテナのSWR特性です。(黄色のトレース)
10.0MHzを中心に上下500kHz幅で観測しています。 10.110MHzがSWRのボトムでSWR=1.3程度になりました。
インピーダンス・マッチング回路をもう少し追い込むと更にSWRを下げられるでしょう。しかしまずまずと言ったところでしょうか。
このアンテナは全長1.5mの超短縮型で・・・短縮率は80%でフルサイズの20%の長さしかありません。 原理上このようなアンテナが狭帯域な特性になるのはやむを得ません。
10MHz帯のバンド幅はたったの50kHzですが微調整なしではフルにカバーできません。 従ってオンジエアする際は先端を伸縮させ共振周波数を微調整します。 CWあるいはデジタルモードに合わせ先端をわずかに伸縮すれば常にベストな状態でオンジエアできます。 先端部に目印を付けておいたので素早くセットできます。
【アンテナは飛ばなくては・笑】
送信に使うアンテナは良く飛ばなくては価値がありません。聞こえるだけではダメです。
さっそく近所の空き地へ移動してテスト目的にオンジエアしてみました。
写真は自局電波の飛びがわかるPSKRと言うサイトの画面キャプチャです。これは10.136MHzのFT-8モードでCQを出した際の反応です。時刻は日没の30分ほど前で、トランシーバの送信パワーは50Wです。
こんな超短縮アンテナですが北米、オセアニアそして東欧方面にも届いているようです。 もちろんコンディションにも助けられていますがあまりにも輻射効率が悪いとちらほらしかレポートが上がってきません。 全長わずか1.5mのアンテナですがそこそこの飛びが期待できそうです。 これくらい飛んでくれればよく飛ぶアンテナとして満足できます。
今さらですが、このアンテナは「接地」が重要です。もし給電点の直近で良好なボディーアースができていないなら「磁石アース板」(←参照リンク)を併用します。 このオンジエアでも磁石アース板:800pFの物を2枚使いました。
【先に計算すべきでした】
センターローディング形式の短縮アンテナを計算するPCソフトを使っています。 アンテナ関係の書籍など参考にして目的とするアンテナの計算に特化したものです。 電卓での計算を補助する程度のもので元はプログラム電卓用でした。
計算の主目的はローディング・コイルのインダクタンス値を求めることにあります。 簡易なソフトですが計算で得られたインダクタンス値は実際とよく合うのでアンテナ作りに重宝しています。 25年ほどまえモバイルからHF帯にオンジエアしようと思ったときアンテナ製作にかなり苦労しました。問題はローディング・コイルに皆目見当がつかないことでした。それでインダクタンス値を算出するソフトを作りました。 今回の製作でも先に計算しておけば試行回数をいくらか減らせたはずでした。
ほかにコイル計算のソフトも使います。形状寸法・巻数からインダクタンスを計算するものと、逆に必要なインダクタンスに対する最適寸法と巻数を決めるものです。短縮アンテナにはコイルが付きものなのでこうしたソフトが役立ちます。 コイルの関係はネット上にも計算してくれるサイトがあって利用すると便利です。
車載用に限らず短縮アンテナの製作は手探りになりがちですが可能な計算は行なってなるべく根拠に基づいて作りたいと思っています。もちろん最後の詰めはカット&トライになりますけど。hi hi
【30m Bandホイップ・アンテナのまとめ】
各部をバラバラに説明したので分かり難かったと思います。まとめのために手書きのイラストを載せます。どんな形状のアンテナを作ったのかわかり易く伝われば幸いです。なお、上部が94cmとなっているのはやや縮めて使うことを想定しています。
モバイル用のアンテナを手作りするHAMがいなくなったためかHAM雑誌では製作記事を見かけなくなったようです。
適当な材料さえあれば手作りでメーカー製より輻射効率の良い・・・良く飛ぶアンテナが作れます。 自分の手を動かして飛びを楽しむHAMがもうちょっと増えてほしいものです。
このアンテナの寸法・形状はおもに手持ちの部材に合わせて決まったものです。拙宅の物置を探してたまたま見つけた材料で作りました。手持ちのジャンクも活用しました。 従って寸分違わずまったく同じように製作されることをお勧めするものではありません。
寸法を示すことでおおよそどんなものを作れば30mバンドのアンテナとして機能するか明確にできたらこのBlogの目的は達成できたと思います。
ぜひご自身の部品事情に合わせたアレンジでVY-FBなアンテナを製作されて下さい。さらに工夫することで、より良く飛ぶアンテナが作れるでしょう。
アンテナの手作りには苦労や悩みも付きものですが、良く飛ぶアンテナが出来上がったときの満足感はなかなか大きいものです。 アンテナは無線通信の核心に迫る技術分野ですからなかなか面白い世界です。奥深い領域でもあります。 そして好き勝手な形式のアンテナを次々試して遊べるなんてアマ無線局だけの特権です。(左はアンテナ取り付けのイメージ図) 次回Blogでは40m Band / 7MHz用のホイップ・アンテナを作ります。 ではまた。de JA9TTT/1
(つづく)fm
abstract
The 30m band is a new HAM band in Japan; it has been authorised since 1 April 1982. Only HAMs with an advanced licence can on-air in the 30 m band. Therefore, few HAM stations on the air are available, so existing antennas are limited. High performance 30m band antennas for mobile use are unlikely. If not, it is best to build your own. I build high efficiency 30m band antennas. (2024.02.24 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【30m Bandとは】
30mバンドは10.100MHz〜10.150MHzの50kHz幅を持ったHAMバンドです。WARCバンドの一つで日本では1982年4月1日から割り当てられた比較的新しいHAMバンドです。かつてはSSBもオンエアできたのですが現在は狭帯域の電波モードしか許可されていません。 具体的にはCW(無線電信)やF1D(FT-8やJT-65などのデジタルモード)が代表的です。
7MHz(40m Band)と14MHz(20m Band)の中間にあって海外へもよく飛ぶ周波数ですが2アマ以上の資格が必要なHAMバンドです。 そのためニッチなHAMバンドの扱いであり市販のアンテナは限られているようです。 他のバンドとの抱き合わせ製品はあっても10MHz用のホイップアンテナのようなバンド専用品はほとんど選択肢がありません。
ニーズがない以上、既製品が少ないのはやむを得ないとして欲しくなるようなメーカー製品がないなら自分で作るしかありません。 どんなアンテナが欲しいかと言えば輻射効率に優れるアンテナです。 モバイル局は50Wに制限されています。そんなモバイル局ではあっても、できるだけ良い(強力な)電波が飛ばせるようなアンテナが欲しいものです。 いくらスマートで体裁が良くても飛ばないものはアンテナにあらず、ダミーロードなんてねえ・・・。(考え方は各局それぞれです・笑)
☆
よく飛ぶアンテナは誰しも欲しいでしょう。しかし車載アンテナは走行中の安全を考えて機械的な強度や構造を考えねばなりません。従って自ずから寸法・形状や構造に制限が生じます。それにいくら良く飛ぶとは言っても見た目が大げさで手軽さがなければ商品性はありません。メーカー品は「売れてなんぼ」のものなのでお客さんの購買意欲を誘うような方向へ向かいます。
CWやデジタルモードを走行しながら運用することはありません。危険なので試みない方が賢明です。 半固定での運用に限定すれば輻射効率を追求する方向のアンテナが作れるかも知れません。 材料や手加工の限界で理想通りは難しいとしても可能な範囲で良いアンテナを目指したいと思います。 望むものが無ければ「自分で作る」ということです。
【なせ30m Band(10MHz)なのか?】
HF帯のメジャーバンドは7MHz帯や14MHz帯です。それに対して10MHz帯はマイナー・バンドなので空いています。従って弱い局でも拾ってもらいやすいです。これが「なぜ」の答えです。 実際に各局運用の様子を見ると昼間は国内が、また早朝や夕刻にはDX局もよく入ってきます。 国内、海外と満遍なく楽しむには向いたバンドと考えてモバイルからHF帯オンジエア最初のバンドに選びました。
【ローディング・コイルが命】
ジャンク箱の奥深くからエアー・ダックス・コイルを発掘しました。 然るべきボビンに銅線を巻いて「良いコイル」を自作しようと思っているのです。 そのためにはどんな仕様の(インダクタンスの)コイルが必要か知る必要があります。
まずは既製品のコイルで様子を見ることにしました。 そのためにエアー・ダックス・コイルを使って実測によって必要なインダクタンスを求めたいと思います。
☆
初めはそう思っていたのですが、エアー・ダックス・コイルを評価したところ思っていたよりもQが高く高性能だとわかりました。 最終的にはそのままローディング・コイルとして使うことにしました。 ただし機械的な強度に乏し構造なので実装方法に工夫を要します。
このコイルはNo.401016という型番です。 直径が40mmで、太さ(線径)が1.0mmの錫メッキ線を巻線のピッチが1.6mm(=線と線の隙間が0.6mmのスペース巻き)になるように巻けば同等品が作れます。
30m Bandの短縮型ホイップアンテナを全長が約150cmのセンター・ローディング形式で作る場合、ローディング・コイルのインダクタンスは20μH前後になります。もちろん輻射エレメントの寸法・構造によって幾分かは違ってきますが、大幅に違うことはなくてほぼ近似のインダクタンス値になるはずです。
エアー・ダックスがなければ同等のインダクタンスが得られるコイルを巻けば良い訳です。 短縮アンテナはコイルが命ですから可能な限りHigh-Qが得られるよう巻きます。 上手に巻くとこのエアー・ダックスよりずっと良いコイルが作れます。
【インダクタンスを求める】
後ほどの話で出てきますが必要なコイルのインダクタンスは計算することもできます。輻射エレメントの形状寸法などが決まればかなり精度よく求まります。
初めに計算すれば良かったのですが、いきなり実測でインダクタンスを求めてしまいました。そのような方法でも良いわけです。写真がその様子です。 実験ですのでコイルは裸の状態です。サポートも単にハンダで止めただけなので機械的な強度はまったくありません。
まずはじめにコイルより下部と上部の輻射エレメントを製作します。 上下ともに最終形状に仕上げるのがポイントです。 上下のアンテナ・エレメントができたら中間にエアー・ダックス・コイルを仮止めして調整開始です。できるだけ最終に近い状態になるようコイルを取り付けておくと仕上げの調整が容易になります。
共振が確認でき、巻き数が確定できたらコイルのサポート構造を考えることになります。 最初の写真のようにコイル全体をプラ製の容器に収める方法を採用しました。
コイルは容器のふた部分に接着剤を使って固定しました。 アンテナを付けたまま高速走行できるほどの強度は見込めませんが着脱の繰り返しや少々の風圧くらいで壊れることはないでしょう。 走行しながら使うことは想定していませんが車載アンテナは「しなる」ことを考慮して接合部分に柔軟性を持たせる構造にします。
【タップを変え共振追求】
タップの位置を変えながら共振周波数が目的の10.125MHzあたりに来るように追い込みます。
コイルはタップが取り出しやすいように一回おきに凹ませておきます。 順次タップをクリップで掴みながら共振周波数を測定します。(nanoVNAを使いました)
これでコイル何回分が必要なのか実地でわかります。 No.401016の場合、29回巻きで良いようでした。(注:これは他の要素によって幾らか違ってきます) 今回、コイルはそのまま使ってしまうのでインダクタンス値は知らなくても問題ありません。しかし知っておけば後々役立つので実測しておきました。19.57μHありました。Qu=255でした。後ほど出てきますが、計算で求めたインダクタンス:20.23μHと実測値との誤差は-3%とわずかです。
オンジエアする前の微調整は上部エレメントの伸縮によって行ないます。 上部のエレメントは6段のロッド・アンテナ(テレスコーピック・アンテナ)を使っています。 コイルを調整して共振点を求める際は完全に伸ばさずに上部エレメント1段の半分相当分だけ縮めておきます。 あらかじめ伸縮両方向の「調整しろ」を確保しておきます。もちろん全部伸ばしておきバンドの低端に合わせると言った方法もアリです。
【インピーダンス・マッチング】
短縮型アンテナの給電点インピーダンスは50Ωにはなりません。効率の良い短縮アンテナなら必ず低くなるはずです。 このアンテナの場合、おおよそ17Ωくらいが見込まれます。
インピーダンス・マッチングにはいくつかの方法があります。
(1)マッチングトランスを使う方法:透磁率の大きなフェライトコアを使いオート・トランス形式のマッチングトランスを作ります。広帯域な特性が得られるため、オート・アンテナチューナがRigに内臓される以前はよく使われました。
(2)インピーダンスマッチング回路を設ける方法:アンテナチューナと同じ考えですが、コンデンサ:Cとインダクタ:Lを使ったタイプはインダクタをローディングコイルの一部に含める方法で簡略化できます。単に給電点にコンデンサを付けるだけで済みます。(写真の方法)
(3)何もつけない方法:Rigに内臓のオート・アンテナチューナに頼るか、外付けの直下型チューナを使います。 ただしRig内蔵のチューナはリアクティブな負荷に対する整合範囲が狭くてうまく行かないことがあるようです。
ここでは(2)の方法を採用しました。 Blogに計算式を書くと嫌がられるので省きますがアンテナ関係の書籍に計算方法が出ています。 追加になるインダクタンスは約0.4μHですからローディング・コイル(約20μH)に含めることは容易です。根元に入れるマッチング用コンデンサは計算では433pFですが近似値の470pFにします。耐圧500Vのディップド・マイカ・コンデンサを使いました。コンデンサは給電点に直接ハンダ付けします。(最終的には自己融着テープで覆って防水対策しました)
【トップ・エレメント】
ローディング・コイルから上部のエレメントはロッド・アンテナを使っています。6段の伸縮式で完全に伸ばすと101.5cm(ネジ部含む)あります。ずいぶん前のHAMフェアで調達したものです。拙宅の長期在庫品(不良在庫品とも言う)だった物を使いました。
先端には金属製の「コマ」が付いています。短縮アンテナの場合、良いコイルを使いしかも接地抵抗が低いと非常にHigh-Qなアンテナになります。
そのようなアンテナでは10W程度でも先端部が非常に高電位になり尖っているとコロナ放電することがあります。「コマ」が付いていれば大丈夫な場合も多いのですが更に容量冠も付けると放電対策には効果的です。(放電が始まるとSWRが悪くなります)
大型の容量冠はアンテナ短縮にも効果があって好都合です。円環を数本のスポークで保持する構造が一般的です。この製作例では構造を簡単にする目的で8の字型の容量冠を設けました。 手持ちのテフロン被覆銀メッキ線:φ1.0mmを使いました。被覆を剥いで要所をハンダ付けして固定しました。 できたらバネ性のある材料の方が好ましくて、燐青銅の細線にメッキしたものが手に入れば理想的です。
写真の部分がロッド・アンテナの1段分に相当します。この部分の伸縮で共振周波数は約470kHz上下できました。(10MHz付近で)
【10MHz Whip AntennaのSWR特性】
写真は10MHz ホイップ・アンテナのSWR特性です。(黄色のトレース)
10.0MHzを中心に上下500kHz幅で観測しています。 10.110MHzがSWRのボトムでSWR=1.3程度になりました。
インピーダンス・マッチング回路をもう少し追い込むと更にSWRを下げられるでしょう。しかしまずまずと言ったところでしょうか。
このアンテナは全長1.5mの超短縮型で・・・短縮率は80%でフルサイズの20%の長さしかありません。 原理上このようなアンテナが狭帯域な特性になるのはやむを得ません。
10MHz帯のバンド幅はたったの50kHzですが微調整なしではフルにカバーできません。 従ってオンジエアする際は先端を伸縮させ共振周波数を微調整します。 CWあるいはデジタルモードに合わせ先端をわずかに伸縮すれば常にベストな状態でオンジエアできます。 先端部に目印を付けておいたので素早くセットできます。
【アンテナは飛ばなくては・笑】
送信に使うアンテナは良く飛ばなくては価値がありません。聞こえるだけではダメです。
さっそく近所の空き地へ移動してテスト目的にオンジエアしてみました。
写真は自局電波の飛びがわかるPSKRと言うサイトの画面キャプチャです。これは10.136MHzのFT-8モードでCQを出した際の反応です。時刻は日没の30分ほど前で、トランシーバの送信パワーは50Wです。
こんな超短縮アンテナですが北米、オセアニアそして東欧方面にも届いているようです。 もちろんコンディションにも助けられていますがあまりにも輻射効率が悪いとちらほらしかレポートが上がってきません。 全長わずか1.5mのアンテナですがそこそこの飛びが期待できそうです。 これくらい飛んでくれればよく飛ぶアンテナとして満足できます。
今さらですが、このアンテナは「接地」が重要です。もし給電点の直近で良好なボディーアースができていないなら「磁石アース板」(←参照リンク)を併用します。 このオンジエアでも磁石アース板:800pFの物を2枚使いました。
【先に計算すべきでした】
センターローディング形式の短縮アンテナを計算するPCソフトを使っています。 アンテナ関係の書籍など参考にして目的とするアンテナの計算に特化したものです。 電卓での計算を補助する程度のもので元はプログラム電卓用でした。
計算の主目的はローディング・コイルのインダクタンス値を求めることにあります。 簡易なソフトですが計算で得られたインダクタンス値は実際とよく合うのでアンテナ作りに重宝しています。 25年ほどまえモバイルからHF帯にオンジエアしようと思ったときアンテナ製作にかなり苦労しました。問題はローディング・コイルに皆目見当がつかないことでした。それでインダクタンス値を算出するソフトを作りました。 今回の製作でも先に計算しておけば試行回数をいくらか減らせたはずでした。
ほかにコイル計算のソフトも使います。形状寸法・巻数からインダクタンスを計算するものと、逆に必要なインダクタンスに対する最適寸法と巻数を決めるものです。短縮アンテナにはコイルが付きものなのでこうしたソフトが役立ちます。 コイルの関係はネット上にも計算してくれるサイトがあって利用すると便利です。
車載用に限らず短縮アンテナの製作は手探りになりがちですが可能な計算は行なってなるべく根拠に基づいて作りたいと思っています。もちろん最後の詰めはカット&トライになりますけど。hi hi
【30m Bandホイップ・アンテナのまとめ】
各部をバラバラに説明したので分かり難かったと思います。まとめのために手書きのイラストを載せます。どんな形状のアンテナを作ったのかわかり易く伝われば幸いです。なお、上部が94cmとなっているのはやや縮めて使うことを想定しています。
モバイル用のアンテナを手作りするHAMがいなくなったためかHAM雑誌では製作記事を見かけなくなったようです。
適当な材料さえあれば手作りでメーカー製より輻射効率の良い・・・良く飛ぶアンテナが作れます。 自分の手を動かして飛びを楽しむHAMがもうちょっと増えてほしいものです。
このアンテナの寸法・形状はおもに手持ちの部材に合わせて決まったものです。拙宅の物置を探してたまたま見つけた材料で作りました。手持ちのジャンクも活用しました。 従って寸分違わずまったく同じように製作されることをお勧めするものではありません。
寸法を示すことでおおよそどんなものを作れば30mバンドのアンテナとして機能するか明確にできたらこのBlogの目的は達成できたと思います。
ぜひご自身の部品事情に合わせたアレンジでVY-FBなアンテナを製作されて下さい。さらに工夫することで、より良く飛ぶアンテナが作れるでしょう。
アンテナの手作りには苦労や悩みも付きものですが、良く飛ぶアンテナが出来上がったときの満足感はなかなか大きいものです。 アンテナは無線通信の核心に迫る技術分野ですからなかなか面白い世界です。奥深い領域でもあります。 そして好き勝手な形式のアンテナを次々試して遊べるなんてアマ無線局だけの特権です。(左はアンテナ取り付けのイメージ図) 次回Blogでは40m Band / 7MHz用のホイップ・アンテナを作ります。 ではまた。de JA9TTT/1
(つづく)fm
2024年2月10日土曜日
【Antenna】Tuning a 6m-Band Whip Antenna
【怪しげな6mのアンテナ】
abstract
I got a whip antenna for the 6m band at a junk market. However, the resonant frequency of this antenna seems to be much lower than the desired frequency. I first measured the initial value before cutting. Then I cut about 2 inches and observed the change. After the fourth fine-tuning, I had a usable antenna. (2024.02.10 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【6mはモバイルバンドだった】
中身がないので昔々の雑談です。(笑) アマ無線を始めたころ、モバイル(ボービル)局のメインは6mバンドでした。 バンパーのスプリング基台から立ち上がったフルサイズ・ホイップはずいぶん長く感じました。
430MHz帯が主流の今となっては6mモバイルが流行るなんて考えにくいのですが技術的・経済的な合理性から当時は6m Bandが現実的だったのでしょう。60MHz帯にあったタクシー無線のジャンクが出回った事情もありそうです。 1960年代の半ばと言えば、中学・高校生で6m AMがブームになるずっと前でしたから技術を持った自作HAMのバンドでした。
やっとTRIOのトラ千(左・回路図は後期型です)が登場するころです。VHF帯の6m Bandは50.0〜54.0MHzの4MHz幅があります。
6m Bandは思い入れのあるバンドでした。ローカルの先輩局が自作機でアクティブだったので私も手作りRigで仲間に入りたかったのです。 まだ真空管の全盛期でしたがトランジスタでクリコンやミニパワー送信機を作ってました。
丁度リグ作りで四苦八苦していたころ近所のOMさんと知り合いになりました。 そのOMさんに福山電機のFM-50AというFMトランシーバを研究用(?)に貸してもらったのです。 FM-50Aは車載用で床置きの大きな筺体にスケルチや音量と言った小型操作部が別体になったカー・トランシーバです。 受信は半導体式ですが送信ファイナルは真空管式(6360pp)なのでDC/DCコンバータ搭載です。電流容量のある12V電源が必要でした。
開局当時の私には大電流のDC電源を自作する技術はありません。それにゲルマニウム・トランジスタの時代ですから10A以上のDC電源はかなり難しいと言う現実がありました。 そこで近所の自動車解体屋にて中古のカーバッテリーを調達しフローティング充電しながらFM-50Aに灯を入れたのです。
しかし51MHz丁度のワン・チャンネルしかなくてテスト交信できた記憶はほとんどありません。アンテナが軒先ダイポールでは入感なくても当然でしょうか。
以来、6m Bandは自作を楽しむバンドと決めて様々に実験・製作を試みています。近ごろはメーカー製品愛好家に成り下がっちゃいまいましたけれど。(笑)
☆
いちばん上の写真は物置で見つけた6m用ホイップ・アンテナを先ごろ購入したK416と言うアンテナ基台(2回前のBlogを参照)に取付けた様子です。 波長6mですから1/4・λのフルサイズ・アンテナなら約1.5m長になります。このアンテナの正体は不明ですが途中にローディング・コイルが入った短縮型です。車高のあるクルマの高い位置に取付けて走るには1.5mは長過ぎますから短縮型は好ましいでしょう。 もっとも半固定でオンジエアなら長くても構わないんですけれど。
これからこのアンテナを調整します。 このアンテナは給電点のアースが良くないとダメそうですから調整を始める前に磁石アース板を製作しました。(←前回のBlog参照) アンテナ基台の部分で直接アースできればベストですが塗装面を破ってネジ止めするとサビが出ます。 基台はゴム片を挟んで浮いた状態で付いているのでアースは不完全です。 これこそ磁石アース板活躍の場面です。
謎の6m用のホイップ・アンテナを切り詰めて共振周波数がHAM Bandに入るように調整すると言った話です。 たいして面白くないのでここでやめて頂くのが宜しいのかも。 このBlogは何をやってどうなったかと言う自身の備忘が目的です。 もしご覧になって何か思うことでもあったら遠慮せずにチャチャでも入れてください。(笑)
【磁石アース板が活躍】
基台+アンテナだけならスッキリして良いのですがアース不完全では良く飛んでくれません。 それに引き込みケーブルの車内での取り回し状態によってアンテナの共振状態が変わってしまいます。当然ですがSWRも安定しないので調整になりません。
アンテナを調整していてこのような現象を感じたらアースの不完全を疑う必要があります。 さっそく磁石アース板を付けたら不安定さは簡単に解消しました。 これでやっとアンテナ調整を進められます。
【補足】磁石アース板の着脱:
M型コネクタ(受口)をアンテナ基台に固定するとき配線の付いた大きなワッシャを共じめします。ワッシャにはギボシ端子が付いた配線が数本出してあります。こののギボシ端子の先に磁石アース板から来る配線を繋ぎます。
磁石アース板をほぼ恒久的に付けておくのでしたら接続端子(ギボシ端子)は不要です。私の運用形態は半固定運用です。移動地に到着したらその都度アンテナとアース板を取付けて運用するので着脱式にしてあります。
【怪しげな説明書】
このアンテナはローカルのHAMフェスが何かで手に入れた記憶があります。 新品ですがジャンク扱いなので格安でした。アンテナ作りの材料に使っても損はないと思って手にしたようです。 最近になって物置で見つけたのですが写真のように簡素な(怪しげな?)説明書が巻き付けてありました。(年数の経過で紙ボロボロ・笑)
この説明書を見ると共振周波数は50MHz帯にはなっていないようです。 だいぶ低いらしいのですが現状が何MHzなのかわかりませんし必要な調整量も明確ではありません。 ただ、少なくとも20cm以上カットする必要はありそうです。 下から2/3位の位置にローディング・コイル(?)があってその上側ではなく下側のエレメントの加減が必要らしいのです。
けっこうしっかりしたアンテナで全体的にガッチリ作られています。それ自体は好ましいのですが下側のステンレス製エレメントは太くてカットするのは大変そうです。 ロクな道具しか持ってない当局には厄介な調整になりそうです。
【何回もエレメントをカット】
結局4回もカットする羽目になりました。 もちろんカットを始める前に初期状態の共振周波数を測定しました。 初期値は46MHz辺りにありました。6m用に作ったとは思えないほど低いです。
上の怪しげな説明書曰く「下側のエレメントをカットして調整しろ」って書いてあります。 しかし、もしも上側のエレメントで加減できるならその方が楽そうに感じました。 ものは試しですから上側エレメントを一旦取ってしまい切断し易い銅線に交換し切断しながら共振点の変化を確認しました。 しかし説明書の通りで、上側の加減だけでは6mバンドに入って来ません。 共振は遥かに下でした。
下側エレメントをカットします。ではどれくらい短くすべきでしょうか? まずは写真にある①の5cm程度カットして共振周波数の変化を観測しました。(nanoVNAを使用) 共振周波数の変化量から比例計算で予測される最終的な切断量を推定します。
たぶん切断量と共振周波数の変化量は単純な比例関係ではありません。 しかし50MHzの辺りで数MHzでしたら概ね比例的に変化するはずです。(・・・と思う) もちろん計算通り一気に切ってもし行き過ぎたら目も当てられません。 それで控え目に②の分を切断しました。 しかし思い切りが足りなかったようです。(心配性ですからねえ・・)
結局、③を切断したところでおおよそ50MHzの下端に到達しました。 最終的に④を切って50.2MHz辺りに合わせました。 共振点はもう少し高くても良いかも知れませんが、CWやデジタルモードで運用するケースを優先すればこれくらいで良いでしょう。 もし51MHz以上のFMでのオンジエアが目的ならさらに5cmくらいカットすべきです。
しかし太さ3mmのステンレス棒は切断がとても大変でした。専用工具があればいとも容易いのでしょうが持っていません。 どうしてもダメなら近所の鉄工所にお願いして・・・とも思ったのですが、カットアンドトライしながら少しずつ切り詰めて行くという訳にも・・・。 ある程度切れ目を入れたあと折り取ると言った半ばチカラワザで切断したようなわけです。(もうやりたくありません・笑)
【6m Band Whip ANTのSWR特性】
写真のようになりました。 だいたい50.0〜50.6MHzあたりまでが使用範囲でしょうか。 FMのメインチャネル:51MHzはSWR>2なのであまりうまくありません。
CW/SSB/FT-8でオンジエアするならマズマズではないかと思っています。 短縮なしの1/4・λのホイップ・アンテナならもっと広いバンド幅が得られると思います。 短縮すると車載には有利ですがバンド幅やアンテナの輻射効率ではだいぶ損をしますね。
きちんと調整してやれば正体不明のジャンク品も活きて来ます。 想像ですがこのアンテナはHAMの6m Band用ではなくて何か別の用途・目的用だったのではないでしょうか。もしホントに50MHz用に作ったのなら40cmものカットが必要なのは異常でしょう。 あるいはそれが理由のでき損ないアンテナだったのでジャンクに流れたとか・・・真相は謎のままです。 あなたの想像はどんなものでしょうか?
【6m Band Whip ANTが完成】
40cm以上カットしたのでだいぶ短くなってしまいました。 最初の写真のようなスマートさがなくなったように感じます。 しかし共振していないのでは使い物になりません。
少々短くて迫力のないアンテナになりましたが、これで6mにオンジエアできます。 流石にメーカー製です。しっかり出来ているため走行中の運用も可能そう。 強力タイプの磁石アース板なら剥がれて飛んで行くこともありません。これは使えます。
◎休日ともなると6m Bandは各地の移動局でとても賑やかです。私も移動運用の仲間入りができそうです。 次回はさらに下のHAMバンドを目指します。 ではまた。 de JA9TTT/1
(つづく)nm
abstract
I got a whip antenna for the 6m band at a junk market. However, the resonant frequency of this antenna seems to be much lower than the desired frequency. I first measured the initial value before cutting. Then I cut about 2 inches and observed the change. After the fourth fine-tuning, I had a usable antenna. (2024.02.10 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【6mはモバイルバンドだった】
中身がないので昔々の雑談です。(笑) アマ無線を始めたころ、モバイル(ボービル)局のメインは6mバンドでした。 バンパーのスプリング基台から立ち上がったフルサイズ・ホイップはずいぶん長く感じました。
430MHz帯が主流の今となっては6mモバイルが流行るなんて考えにくいのですが技術的・経済的な合理性から当時は6m Bandが現実的だったのでしょう。60MHz帯にあったタクシー無線のジャンクが出回った事情もありそうです。 1960年代の半ばと言えば、中学・高校生で6m AMがブームになるずっと前でしたから技術を持った自作HAMのバンドでした。
やっとTRIOのトラ千(左・回路図は後期型です)が登場するころです。VHF帯の6m Bandは50.0〜54.0MHzの4MHz幅があります。
6m Bandは思い入れのあるバンドでした。ローカルの先輩局が自作機でアクティブだったので私も手作りRigで仲間に入りたかったのです。 まだ真空管の全盛期でしたがトランジスタでクリコンやミニパワー送信機を作ってました。
丁度リグ作りで四苦八苦していたころ近所のOMさんと知り合いになりました。 そのOMさんに福山電機のFM-50AというFMトランシーバを研究用(?)に貸してもらったのです。 FM-50Aは車載用で床置きの大きな筺体にスケルチや音量と言った小型操作部が別体になったカー・トランシーバです。 受信は半導体式ですが送信ファイナルは真空管式(6360pp)なのでDC/DCコンバータ搭載です。電流容量のある12V電源が必要でした。
開局当時の私には大電流のDC電源を自作する技術はありません。それにゲルマニウム・トランジスタの時代ですから10A以上のDC電源はかなり難しいと言う現実がありました。 そこで近所の自動車解体屋にて中古のカーバッテリーを調達しフローティング充電しながらFM-50Aに灯を入れたのです。
しかし51MHz丁度のワン・チャンネルしかなくてテスト交信できた記憶はほとんどありません。アンテナが軒先ダイポールでは入感なくても当然でしょうか。
以来、6m Bandは自作を楽しむバンドと決めて様々に実験・製作を試みています。近ごろはメーカー製品愛好家に成り下がっちゃいまいましたけれど。(笑)
☆
いちばん上の写真は物置で見つけた6m用ホイップ・アンテナを先ごろ購入したK416と言うアンテナ基台(2回前のBlogを参照)に取付けた様子です。 波長6mですから1/4・λのフルサイズ・アンテナなら約1.5m長になります。このアンテナの正体は不明ですが途中にローディング・コイルが入った短縮型です。車高のあるクルマの高い位置に取付けて走るには1.5mは長過ぎますから短縮型は好ましいでしょう。 もっとも半固定でオンジエアなら長くても構わないんですけれど。
これからこのアンテナを調整します。 このアンテナは給電点のアースが良くないとダメそうですから調整を始める前に磁石アース板を製作しました。(←前回のBlog参照) アンテナ基台の部分で直接アースできればベストですが塗装面を破ってネジ止めするとサビが出ます。 基台はゴム片を挟んで浮いた状態で付いているのでアースは不完全です。 これこそ磁石アース板活躍の場面です。
謎の6m用のホイップ・アンテナを切り詰めて共振周波数がHAM Bandに入るように調整すると言った話です。 たいして面白くないのでここでやめて頂くのが宜しいのかも。 このBlogは何をやってどうなったかと言う自身の備忘が目的です。 もしご覧になって何か思うことでもあったら遠慮せずにチャチャでも入れてください。(笑)
【磁石アース板が活躍】
基台+アンテナだけならスッキリして良いのですがアース不完全では良く飛んでくれません。 それに引き込みケーブルの車内での取り回し状態によってアンテナの共振状態が変わってしまいます。当然ですがSWRも安定しないので調整になりません。
アンテナを調整していてこのような現象を感じたらアースの不完全を疑う必要があります。 さっそく磁石アース板を付けたら不安定さは簡単に解消しました。 これでやっとアンテナ調整を進められます。
【補足】磁石アース板の着脱:
M型コネクタ(受口)をアンテナ基台に固定するとき配線の付いた大きなワッシャを共じめします。ワッシャにはギボシ端子が付いた配線が数本出してあります。こののギボシ端子の先に磁石アース板から来る配線を繋ぎます。
磁石アース板をほぼ恒久的に付けておくのでしたら接続端子(ギボシ端子)は不要です。私の運用形態は半固定運用です。移動地に到着したらその都度アンテナとアース板を取付けて運用するので着脱式にしてあります。
【怪しげな説明書】
このアンテナはローカルのHAMフェスが何かで手に入れた記憶があります。 新品ですがジャンク扱いなので格安でした。アンテナ作りの材料に使っても損はないと思って手にしたようです。 最近になって物置で見つけたのですが写真のように簡素な(怪しげな?)説明書が巻き付けてありました。(年数の経過で紙ボロボロ・笑)
この説明書を見ると共振周波数は50MHz帯にはなっていないようです。 だいぶ低いらしいのですが現状が何MHzなのかわかりませんし必要な調整量も明確ではありません。 ただ、少なくとも20cm以上カットする必要はありそうです。 下から2/3位の位置にローディング・コイル(?)があってその上側ではなく下側のエレメントの加減が必要らしいのです。
けっこうしっかりしたアンテナで全体的にガッチリ作られています。それ自体は好ましいのですが下側のステンレス製エレメントは太くてカットするのは大変そうです。 ロクな道具しか持ってない当局には厄介な調整になりそうです。
【何回もエレメントをカット】
結局4回もカットする羽目になりました。 もちろんカットを始める前に初期状態の共振周波数を測定しました。 初期値は46MHz辺りにありました。6m用に作ったとは思えないほど低いです。
上の怪しげな説明書曰く「下側のエレメントをカットして調整しろ」って書いてあります。 しかし、もしも上側のエレメントで加減できるならその方が楽そうに感じました。 ものは試しですから上側エレメントを一旦取ってしまい切断し易い銅線に交換し切断しながら共振点の変化を確認しました。 しかし説明書の通りで、上側の加減だけでは6mバンドに入って来ません。 共振は遥かに下でした。
下側エレメントをカットします。ではどれくらい短くすべきでしょうか? まずは写真にある①の5cm程度カットして共振周波数の変化を観測しました。(nanoVNAを使用) 共振周波数の変化量から比例計算で予測される最終的な切断量を推定します。
たぶん切断量と共振周波数の変化量は単純な比例関係ではありません。 しかし50MHzの辺りで数MHzでしたら概ね比例的に変化するはずです。(・・・と思う) もちろん計算通り一気に切ってもし行き過ぎたら目も当てられません。 それで控え目に②の分を切断しました。 しかし思い切りが足りなかったようです。(心配性ですからねえ・・)
結局、③を切断したところでおおよそ50MHzの下端に到達しました。 最終的に④を切って50.2MHz辺りに合わせました。 共振点はもう少し高くても良いかも知れませんが、CWやデジタルモードで運用するケースを優先すればこれくらいで良いでしょう。 もし51MHz以上のFMでのオンジエアが目的ならさらに5cmくらいカットすべきです。
しかし太さ3mmのステンレス棒は切断がとても大変でした。専用工具があればいとも容易いのでしょうが持っていません。 どうしてもダメなら近所の鉄工所にお願いして・・・とも思ったのですが、カットアンドトライしながら少しずつ切り詰めて行くという訳にも・・・。 ある程度切れ目を入れたあと折り取ると言った半ばチカラワザで切断したようなわけです。(もうやりたくありません・笑)
【6m Band Whip ANTのSWR特性】
写真のようになりました。 だいたい50.0〜50.6MHzあたりまでが使用範囲でしょうか。 FMのメインチャネル:51MHzはSWR>2なのであまりうまくありません。
CW/SSB/FT-8でオンジエアするならマズマズではないかと思っています。 短縮なしの1/4・λのホイップ・アンテナならもっと広いバンド幅が得られると思います。 短縮すると車載には有利ですがバンド幅やアンテナの輻射効率ではだいぶ損をしますね。
きちんと調整してやれば正体不明のジャンク品も活きて来ます。 想像ですがこのアンテナはHAMの6m Band用ではなくて何か別の用途・目的用だったのではないでしょうか。もしホントに50MHz用に作ったのなら40cmものカットが必要なのは異常でしょう。 あるいはそれが理由のでき損ないアンテナだったのでジャンクに流れたとか・・・真相は謎のままです。 あなたの想像はどんなものでしょうか?
【6m Band Whip ANTが完成】
40cm以上カットしたのでだいぶ短くなってしまいました。 最初の写真のようなスマートさがなくなったように感じます。 しかし共振していないのでは使い物になりません。
少々短くて迫力のないアンテナになりましたが、これで6mにオンジエアできます。 流石にメーカー製です。しっかり出来ているため走行中の運用も可能そう。 強力タイプの磁石アース板なら剥がれて飛んで行くこともありません。これは使えます。
◎休日ともなると6m Bandは各地の移動局でとても賑やかです。私も移動運用の仲間入りができそうです。 次回はさらに下のHAMバンドを目指します。 ではまた。 de JA9TTT/1
(つづく)nm
2024年1月26日金曜日
【Antenna】Making Magnet Earth ground Plates
【磁石アース板の製作】
abstract
The "Magnet Earth ground Plate" is made of a thin rubber plate magnet and a thin metal plate. It has the effect of improving the radiation efficiency of the mobile radio station's on-board antenna. It can be made from inexpensive materials available at $1- stores. (2024.01.26 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【クルマの貼り薬?】
付けたとき最初に思ったのは「クルマのサロンパスみたい」でした。サロンパスはトクホンって言い換えても良いです。(笑)
今回はモバイル・ステーションの飛びに良く効く「クルマのサロンパス」の話です。
まだ正式名称は確定していないかも知れませんがここでは『磁石アース板・Magnet Earth ground Plate』って呼ぶことにします。やはり「クルマのサロンパス」じゃまずいですから。 商品名をつけるとしたら「Mag-GND」とでもしましょうか。w
構造は単純そのもの。 よく見かける板状のゴム磁石に金属の薄板を貼り付け、その金属板から導線を引き出してあるだけ。 「な〜んだ。そんなものが効くんかい?」と疑われそうですがとても良く効きます。もちろん条件にもよりますが。
☆
今回のBlogではその「磁石アース板」の効用をざっと説明したあと、私が試した作り方と評価結果などを纏めます。 そもそもモバイルからオンジエアされないのならこの先を見ても意味がありませんし、作ったところで役立つこともないでしょう。 例によって早々のお帰りがオススメです。お時間を浪費させては申し訳ないですから。
【接地型アンテナの構造】
図は模式的に書いた接地型アンテナの構造です。 左側は固定局が架設するときの様子です。 垂直のエレメントと必要に応じてローディング・コイルや容量冠(キャパシティ・ハット)などが付いた構造です。 そうした輻射エレメントの構造も重要ではありますが、こうした接地型アンテナでは「大地アース」がたいへん重要であることはご存知の通りです。
電波の飛びにはアンテナの打ち上げ角の影響もありますが、輻射効率が何よりも重要だと思っています。 例えば1/4・λ(=波長の1/4)の垂直アンテナの場合、アース抵抗がゼロと考えれば給電点のインピーダンスは約36Ωになります。ただし、現実にはアースの抵抗はゼロでないためもっと高くなるのが普通です。アース抵抗が10Ω(これはかなり優秀なアースと言える)なら給電点のインピーダンスは46Ωになるでしょう。そして輻射効率は36/46≒0.78となります。約22%のパワーは大地を温めることになる訳です。 接地抵抗がとても重要であることがわかります。仮に接地抵抗が30Ω(良くある値)なら輻射効率は55%になるんですから!
また、今回は触れませんがローディング・コイルのQの値も輻射効率を大きく左右します。詳しいことは短縮アンテナの話のときに致しましょう。
☆
さて、車載アンテナの話です。まさか大地アースを引きずって走ることはできませんから、アンテナの接地側はクルマのボディーになる訳です。(図の右側) クルマのボディーは地球ほどのサイズはありませんのでアースとして大して機能しないように感じるかも知れません。 しかし実際にはかなり大きな金属製の物体であって意外に良好なアースとして働きます。(もちろん車体と大地の間の静電容量も効いてきますが。停車してる場所の影響も受けます)
オンジエアする周波数とも関係しますが輻射エレメントを出た電気力線の終端面積として車のボディーはあんがい大きいと言えます。 経験的な話ですが、アンテナ系の実測からセダンタイプの乗用車で等価的に10Ω前後の接地抵抗を得ました。 さらに大きなボディーの車ならもっと低いアース抵抗として働いてくれるようです。もちろん車のどの場所に接地するかによっても違いはあります。それでも車のボディーが良好なアースになるのは間違いありません。
ですから、アンテナのアース側をどのように接地するか(接続するのか)によっても輻射効率は大きく変わります。理想はアンテナを車体中央に載せ給電点直近のボディーに太い電線でガッチリ接地することです。 しかし通信が目的の軍用車両ならいざ知らずアンテナ基台の直近で愛車の塗装を剥がして太い電線を直接つなぐなどと言った思い切ったことはなかなか出来ないでしょう。(笑)
磁石アース板はアンテナの接地側に取付けてクルマのボディーとの間を静電的に結合させ良好なボディーアースと同等の効果を実現するためのものです。 ですから既に良好なアースができている車載アンテナには効果はありません。 しかし、そうではないアンテナでしたら「たいへん良く」効きます。 電波の飛びだけでなく、リグにRFが回り込んでマイクが痺れるとか何となく動作が不安定だと言った現象にも効果があります。
このような考察から、磁石アース板とボディー間の静電容量は大きいほど有利と言えます。 それには面積を増やすか金属薄板とボディーとの間隔を狭くするしかありません。 必要な静電容量は周波数が低いほど大きくなります。HF帯でも1.9MHzや3.5MHzなら0.01μFくらいあったらFBです。50MHzのように高い周波数なら1000pFもあればマズマズでしょう。 この辺りの感覚は回路屋さんがバイパス・コンデンサの大きさ(容量値)を周波数に応じて使い分けるのと同じです。
【市販の磁石アース板】
今は便利な時代ですから市販品があります。写真のものはその一例で、商品ですから体裁よく綺麗に作られています。
ただ、それだけに相応のお値段になっています。これは商品である以上やむを得ませんね。 それでもこうした磁石アース板が車載アンテナの飛びを改善することが体験として感じられるらしく使ってみたらFBだったと言うレポートもかなり見かけました。 逆に効いているのか良くわからないと言うレポートもあって、おそらく既にボディーアースが良く効いていたのではないかと思います。
ひょっとしたらいかなる場合にも効果的だと勘違いされそうです。 書いたように既に給電点の直近で最短距離という良好なボディー・アースになっているなら効果はありません。 またノンラジアル・タイプと称するアンテナでは理屈上効果は限定的なはずです。ノンラジアル型はV/UHF帯のアンテナに多くて、そうしたものに磁石アース板は必要ないでしょう。
磁石アース板の効果が期待できるのはHF帯から50MHzあたりまでのHAM Bandに接地型アンテナでオンエアするモバイル局です。しかも給電点の直近で車のボディーに十分なアースができていないならかなり効果的ということになります。 以下は製作例ですが面倒なら市販品を付けてみては如何ですか?? 効果が予想できるなら試す価値があります。
【事前に試したいなら】
クッキング用アルミ・フォイルをボディーに仮止めし基台アース側に仮配線して試せます。
【部材集め】
既に構造の説明でわかるように、ごく単純なものですから部品も限られます。 以下のような材料を集めます。
(1)ゴム磁石の薄板
(2)薄い金属板
(3)引き出し用の導線
(4)接続コネクタ・オス・メス
(5)補助材料:防錆用の塗料、ハンダ、熱収縮チューブなど
簡単に説明します。(1)のゴム磁石板ですが、おもて面が粘着シートになったものが売られています。そうした物を選べば(2)の薄板をカットしてそのまま貼り付けられるので便利です。もし、そういうものが無ければ両面テープなどで薄い金属板を貼り付けます。写真のように¥100均ショップのセリアで大きさの違う2種類が売られていました。A4サイズの大きなものと、磁力が強いというA4の半分くらいのサイズのものがありました。 どちらも100円です。
実際に使っているのは強力磁石タイプの方で2枚作って使っています。 A4サイズの方を半分に切って2つ作っても良いでしょう。 2枚に分けるのはクルマに貼る際に大きいままの1枚よりも扱いやすいからです。 なお、強力磁石の方(小さい方)を1枚だけでは静電容量的にやや不足するので2枚作ります。
(2)の薄い金属板はホームセンタで0.1mm厚の銅板を購入しました。銅製品が高騰している影響かだいぶ高価でした。 電気が良く通る金属板ならなんでも良いのでアルミ板も候補です。ただしハンダ付けが難しいので電線の引き出しが厄介かも知れません。 真鍮の薄板もFBですが、チープに行くならブリキやトタン板でも使えるので各自のフトコロしだいです。(笑) 金属板で手を切らないよう気をつけます。
(3)の引き出し線は太めで柔軟性のある電線ならなんでも良いでしょう。わたしは不要になった古い同軸ケーブルの網線側を使いました。
(4)の接続コネクタは着脱式に作る場合に必要です。好みのものを使えば良いでしょう。わたしはカー用品のギボシ端子を使いました。
(5)補助材料は必要に応じて用意します。 銅板を使った場合、少ししたら10円玉のように錆びるでしょう。それでも機能的には支障ないので表面の塗装は不要かも知れません。
これでなくてはいけないと言った部材はゴム磁石の薄板くらいのものです。これはほかの¥100均にもたくさん置いてあったので容易に見つけられます。あとの部材は各自の好み次第ですし手持ちがあれば十分活用できると思います。
【銅の輝きをいつまでも・笑】
クリヤー・ラッカーが余っていたので使い切るために吹き付けておきました。 こうしておけば銅板が綺麗なまま使えます。
別にクリヤーでなくても良いのですが、クリヤーラッカーは金属板への密着性が良く剥離しにくいためFBだと思います。 クルマのボディーカラーに塗装するのもFBだと思いますが、一度薄くクリヤーを吹いてから好きな色に塗装するとカラーペイントが剥がれにくくなります。
【引き出し線は太く短く】
引き出し線です。 太く短くが理想ですが、あまり短いと扱いにくいので適当な長さが必要です。 アンテナ基台の設置場所によっても違ってきます。 不要になった同軸ケーブルの網線側を剥いて使いました。
ギボシ端子を片端にハンダ付けしました。 網線には熱収縮チューブを被せておきます。
磁石アース板の側は直接ハンダ付けします。 表面のラッカー塗料を必要なだけ剥がしてやればハンダが良く乗ってくれます。
【磁石アース板が完成】
薄い銅板がやや高価だったので¥3k-くらい掛かりましたが、メーカー製の実売価格もそれくらいです。 ただし1枚ですから追加でもう一枚買えば倍になります。 十分な容量を持った磁石アース板ができましたから自作にメリットがあったと思いました。
HAMのコダワリ(笑)で銅板にしましたが、アルミとか真鍮板で間に合わせればずっと安く上がります。 安く作っても効果は違わないはずですから各自工夫するとコスパが良くなるでしょう。
【静電容量はどれくらいか?】
写真は強力磁石タイプで作った小型版の方をLCRメータで測定している様子です。 マグネットを鉄板に貼り付けて測定しました。
約800pFありました。 実際に使ってみますと、6m Bandなら1枚でも十分そうです。 7MHz〜14MHzともなると不足するようですから2枚使うことにしました。
A4サイズの磁石アース板の静電容量は約5,000pFあります。 これは磁力がやや弱い代わりにゴム磁石が薄いため有利なのでしょう。電極間隔が狭くなる訳です。 A4版を半分に切って2,500pFなら1枚でもかなり効くはずです。 ただし磁力はだいぶ弱くなるので付けたままの走行は風圧で剥がれる可能性があります。 半固定局で着脱しながらの運用なら悪くないと思います。
【全部貼っても・・】
ある程度以上の静電容量(キャパシタンス)があれば十分なのでたくさん貼っても効果は比例しません。(笑)
いくつかの実験によれば、7MHzあたりまでなら800pFの磁石アース板を2枚使えば十分なようでした。
このように3枚目を追加してもわずかな違いしか認められません。 最初の写真のように2枚使えば十分ということになります。 この先のアンテナ実験では強力磁石のアース板(小型の方)を2枚だけ使うことにしました。 電気的な性能から考えると板厚の薄いA4版の方を半切りにしたアース板1枚でも十分かもしれませんが・・・。
☆
磁石アース板なんて言うつまらん物の製作話は固定局でオンエアするHAMには興味はなかったでしょう。 しかしモバイルからのオンジエアならかなり重要なアイテムです。
今回は輻射効率の良いアンテナを実現するために欠かせないアースの対策を考えました。 モバイルからのオンジエアでは他にも考えておくべきテーマがいくつかあります。
例えば:
(1)アンテナ取付:目的に合ったアンテナ基台の設置場所を探し取り付け方法を検討する必要がある。(前回Blog)
(2)アンテナ本体:電波の出入り口はアンテナ。輻射効率が良く扱いやすくて振動で壊れない堅牢さも必要になる。
(3)ケーブル引込:アンテナの付いた場所から無線機へどのようにケーブルを引込み接続するのか?
(4)電源供給方法:無線機を動作させるには必ず電源が必要。どう供給するのか? 電池ならどう補給するのか?
(5)無線機の設置:移動中もオンエアするのか、半固定で運用するのか。機器の設置場所や方法も変わってくる。
(6)オンエア環境:快適な移動運用の用意。事前情報、食料、飲料水、冷暖房、虫除け、日除け,etc
・・・など。
☆ ☆ ☆
移動運用のヒントを一つ。近くに車体があれば良好なアースになります。カウンタ・ポイズを引回す前にボディ・アースを試してみてはいかが? またこれは非常通信に限られると思いますが、路肩のガードレールに貼付けてアース代用とすることも可能です。 製作した磁石アース板も使い方次第で新たな効果を発揮できます。
昔の話になりますが、3.5MHzのモバイルでオンエアしていたころ、アンテナのアース側は車のボディーに(もちろん見えない所に)直接ハンダ付けしてました。だから磁石アース板なんて不要でした。
これはアンテナが長大なので牽引フックの先を延長したリア・バンパーのあたりに給電点があったからです。そこから太い網線でボディーへガッチリアースしていたのでした。 あっ、つまんない昔話でしたね。え!kwskやれって?(またいつかね・笑) 次回はアースじゃなくってアンテナの話にしましょう。 ではまた。 de JA9TTT/1
(つづく)fm
abstract
The "Magnet Earth ground Plate" is made of a thin rubber plate magnet and a thin metal plate. It has the effect of improving the radiation efficiency of the mobile radio station's on-board antenna. It can be made from inexpensive materials available at $1- stores. (2024.01.26 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)
【クルマの貼り薬?】
付けたとき最初に思ったのは「クルマのサロンパスみたい」でした。サロンパスはトクホンって言い換えても良いです。(笑)
今回はモバイル・ステーションの飛びに良く効く「クルマのサロンパス」の話です。
まだ正式名称は確定していないかも知れませんがここでは『磁石アース板・Magnet Earth ground Plate』って呼ぶことにします。やはり「クルマのサロンパス」じゃまずいですから。 商品名をつけるとしたら「Mag-GND」とでもしましょうか。w
構造は単純そのもの。 よく見かける板状のゴム磁石に金属の薄板を貼り付け、その金属板から導線を引き出してあるだけ。 「な〜んだ。そんなものが効くんかい?」と疑われそうですがとても良く効きます。もちろん条件にもよりますが。
☆
今回のBlogではその「磁石アース板」の効用をざっと説明したあと、私が試した作り方と評価結果などを纏めます。 そもそもモバイルからオンジエアされないのならこの先を見ても意味がありませんし、作ったところで役立つこともないでしょう。 例によって早々のお帰りがオススメです。お時間を浪費させては申し訳ないですから。
【接地型アンテナの構造】
図は模式的に書いた接地型アンテナの構造です。 左側は固定局が架設するときの様子です。 垂直のエレメントと必要に応じてローディング・コイルや容量冠(キャパシティ・ハット)などが付いた構造です。 そうした輻射エレメントの構造も重要ではありますが、こうした接地型アンテナでは「大地アース」がたいへん重要であることはご存知の通りです。
電波の飛びにはアンテナの打ち上げ角の影響もありますが、輻射効率が何よりも重要だと思っています。 例えば1/4・λ(=波長の1/4)の垂直アンテナの場合、アース抵抗がゼロと考えれば給電点のインピーダンスは約36Ωになります。ただし、現実にはアースの抵抗はゼロでないためもっと高くなるのが普通です。アース抵抗が10Ω(これはかなり優秀なアースと言える)なら給電点のインピーダンスは46Ωになるでしょう。そして輻射効率は36/46≒0.78となります。約22%のパワーは大地を温めることになる訳です。 接地抵抗がとても重要であることがわかります。仮に接地抵抗が30Ω(良くある値)なら輻射効率は55%になるんですから!
また、今回は触れませんがローディング・コイルのQの値も輻射効率を大きく左右します。詳しいことは短縮アンテナの話のときに致しましょう。
☆
さて、車載アンテナの話です。まさか大地アースを引きずって走ることはできませんから、アンテナの接地側はクルマのボディーになる訳です。(図の右側) クルマのボディーは地球ほどのサイズはありませんのでアースとして大して機能しないように感じるかも知れません。 しかし実際にはかなり大きな金属製の物体であって意外に良好なアースとして働きます。(もちろん車体と大地の間の静電容量も効いてきますが。停車してる場所の影響も受けます)
オンジエアする周波数とも関係しますが輻射エレメントを出た電気力線の終端面積として車のボディーはあんがい大きいと言えます。 経験的な話ですが、アンテナ系の実測からセダンタイプの乗用車で等価的に10Ω前後の接地抵抗を得ました。 さらに大きなボディーの車ならもっと低いアース抵抗として働いてくれるようです。もちろん車のどの場所に接地するかによっても違いはあります。それでも車のボディーが良好なアースになるのは間違いありません。
ですから、アンテナのアース側をどのように接地するか(接続するのか)によっても輻射効率は大きく変わります。理想はアンテナを車体中央に載せ給電点直近のボディーに太い電線でガッチリ接地することです。 しかし通信が目的の軍用車両ならいざ知らずアンテナ基台の直近で愛車の塗装を剥がして太い電線を直接つなぐなどと言った思い切ったことはなかなか出来ないでしょう。(笑)
磁石アース板はアンテナの接地側に取付けてクルマのボディーとの間を静電的に結合させ良好なボディーアースと同等の効果を実現するためのものです。 ですから既に良好なアースができている車載アンテナには効果はありません。 しかし、そうではないアンテナでしたら「たいへん良く」効きます。 電波の飛びだけでなく、リグにRFが回り込んでマイクが痺れるとか何となく動作が不安定だと言った現象にも効果があります。
このような考察から、磁石アース板とボディー間の静電容量は大きいほど有利と言えます。 それには面積を増やすか金属薄板とボディーとの間隔を狭くするしかありません。 必要な静電容量は周波数が低いほど大きくなります。HF帯でも1.9MHzや3.5MHzなら0.01μFくらいあったらFBです。50MHzのように高い周波数なら1000pFもあればマズマズでしょう。 この辺りの感覚は回路屋さんがバイパス・コンデンサの大きさ(容量値)を周波数に応じて使い分けるのと同じです。
【市販の磁石アース板】
今は便利な時代ですから市販品があります。写真のものはその一例で、商品ですから体裁よく綺麗に作られています。
ただ、それだけに相応のお値段になっています。これは商品である以上やむを得ませんね。 それでもこうした磁石アース板が車載アンテナの飛びを改善することが体験として感じられるらしく使ってみたらFBだったと言うレポートもかなり見かけました。 逆に効いているのか良くわからないと言うレポートもあって、おそらく既にボディーアースが良く効いていたのではないかと思います。
ひょっとしたらいかなる場合にも効果的だと勘違いされそうです。 書いたように既に給電点の直近で最短距離という良好なボディー・アースになっているなら効果はありません。 またノンラジアル・タイプと称するアンテナでは理屈上効果は限定的なはずです。ノンラジアル型はV/UHF帯のアンテナに多くて、そうしたものに磁石アース板は必要ないでしょう。
磁石アース板の効果が期待できるのはHF帯から50MHzあたりまでのHAM Bandに接地型アンテナでオンエアするモバイル局です。しかも給電点の直近で車のボディーに十分なアースができていないならかなり効果的ということになります。 以下は製作例ですが面倒なら市販品を付けてみては如何ですか?? 効果が予想できるなら試す価値があります。
【事前に試したいなら】
クッキング用アルミ・フォイルをボディーに仮止めし基台アース側に仮配線して試せます。
【部材集め】
既に構造の説明でわかるように、ごく単純なものですから部品も限られます。 以下のような材料を集めます。
(1)ゴム磁石の薄板
(2)薄い金属板
(3)引き出し用の導線
(4)接続コネクタ・オス・メス
(5)補助材料:防錆用の塗料、ハンダ、熱収縮チューブなど
簡単に説明します。(1)のゴム磁石板ですが、おもて面が粘着シートになったものが売られています。そうした物を選べば(2)の薄板をカットしてそのまま貼り付けられるので便利です。もし、そういうものが無ければ両面テープなどで薄い金属板を貼り付けます。写真のように¥100均ショップのセリアで大きさの違う2種類が売られていました。A4サイズの大きなものと、磁力が強いというA4の半分くらいのサイズのものがありました。 どちらも100円です。
実際に使っているのは強力磁石タイプの方で2枚作って使っています。 A4サイズの方を半分に切って2つ作っても良いでしょう。 2枚に分けるのはクルマに貼る際に大きいままの1枚よりも扱いやすいからです。 なお、強力磁石の方(小さい方)を1枚だけでは静電容量的にやや不足するので2枚作ります。
(2)の薄い金属板はホームセンタで0.1mm厚の銅板を購入しました。銅製品が高騰している影響かだいぶ高価でした。 電気が良く通る金属板ならなんでも良いのでアルミ板も候補です。ただしハンダ付けが難しいので電線の引き出しが厄介かも知れません。 真鍮の薄板もFBですが、チープに行くならブリキやトタン板でも使えるので各自のフトコロしだいです。(笑) 金属板で手を切らないよう気をつけます。
(3)の引き出し線は太めで柔軟性のある電線ならなんでも良いでしょう。わたしは不要になった古い同軸ケーブルの網線側を使いました。
(4)の接続コネクタは着脱式に作る場合に必要です。好みのものを使えば良いでしょう。わたしはカー用品のギボシ端子を使いました。
(5)補助材料は必要に応じて用意します。 銅板を使った場合、少ししたら10円玉のように錆びるでしょう。それでも機能的には支障ないので表面の塗装は不要かも知れません。
これでなくてはいけないと言った部材はゴム磁石の薄板くらいのものです。これはほかの¥100均にもたくさん置いてあったので容易に見つけられます。あとの部材は各自の好み次第ですし手持ちがあれば十分活用できると思います。
【銅の輝きをいつまでも・笑】
クリヤー・ラッカーが余っていたので使い切るために吹き付けておきました。 こうしておけば銅板が綺麗なまま使えます。
別にクリヤーでなくても良いのですが、クリヤーラッカーは金属板への密着性が良く剥離しにくいためFBだと思います。 クルマのボディーカラーに塗装するのもFBだと思いますが、一度薄くクリヤーを吹いてから好きな色に塗装するとカラーペイントが剥がれにくくなります。
【引き出し線は太く短く】
引き出し線です。 太く短くが理想ですが、あまり短いと扱いにくいので適当な長さが必要です。 アンテナ基台の設置場所によっても違ってきます。 不要になった同軸ケーブルの網線側を剥いて使いました。
ギボシ端子を片端にハンダ付けしました。 網線には熱収縮チューブを被せておきます。
磁石アース板の側は直接ハンダ付けします。 表面のラッカー塗料を必要なだけ剥がしてやればハンダが良く乗ってくれます。
【磁石アース板が完成】
薄い銅板がやや高価だったので¥3k-くらい掛かりましたが、メーカー製の実売価格もそれくらいです。 ただし1枚ですから追加でもう一枚買えば倍になります。 十分な容量を持った磁石アース板ができましたから自作にメリットがあったと思いました。
HAMのコダワリ(笑)で銅板にしましたが、アルミとか真鍮板で間に合わせればずっと安く上がります。 安く作っても効果は違わないはずですから各自工夫するとコスパが良くなるでしょう。
【静電容量はどれくらいか?】
写真は強力磁石タイプで作った小型版の方をLCRメータで測定している様子です。 マグネットを鉄板に貼り付けて測定しました。
約800pFありました。 実際に使ってみますと、6m Bandなら1枚でも十分そうです。 7MHz〜14MHzともなると不足するようですから2枚使うことにしました。
A4サイズの磁石アース板の静電容量は約5,000pFあります。 これは磁力がやや弱い代わりにゴム磁石が薄いため有利なのでしょう。電極間隔が狭くなる訳です。 A4版を半分に切って2,500pFなら1枚でもかなり効くはずです。 ただし磁力はだいぶ弱くなるので付けたままの走行は風圧で剥がれる可能性があります。 半固定局で着脱しながらの運用なら悪くないと思います。
【全部貼っても・・】
ある程度以上の静電容量(キャパシタンス)があれば十分なのでたくさん貼っても効果は比例しません。(笑)
いくつかの実験によれば、7MHzあたりまでなら800pFの磁石アース板を2枚使えば十分なようでした。
このように3枚目を追加してもわずかな違いしか認められません。 最初の写真のように2枚使えば十分ということになります。 この先のアンテナ実験では強力磁石のアース板(小型の方)を2枚だけ使うことにしました。 電気的な性能から考えると板厚の薄いA4版の方を半切りにしたアース板1枚でも十分かもしれませんが・・・。
☆
磁石アース板なんて言うつまらん物の製作話は固定局でオンエアするHAMには興味はなかったでしょう。 しかしモバイルからのオンジエアならかなり重要なアイテムです。
今回は輻射効率の良いアンテナを実現するために欠かせないアースの対策を考えました。 モバイルからのオンジエアでは他にも考えておくべきテーマがいくつかあります。
例えば:
(1)アンテナ取付:目的に合ったアンテナ基台の設置場所を探し取り付け方法を検討する必要がある。(前回Blog)
(2)アンテナ本体:電波の出入り口はアンテナ。輻射効率が良く扱いやすくて振動で壊れない堅牢さも必要になる。
(3)ケーブル引込:アンテナの付いた場所から無線機へどのようにケーブルを引込み接続するのか?
(4)電源供給方法:無線機を動作させるには必ず電源が必要。どう供給するのか? 電池ならどう補給するのか?
(5)無線機の設置:移動中もオンエアするのか、半固定で運用するのか。機器の設置場所や方法も変わってくる。
(6)オンエア環境:快適な移動運用の用意。事前情報、食料、飲料水、冷暖房、虫除け、日除け,etc
・・・など。
☆ ☆ ☆
移動運用のヒントを一つ。近くに車体があれば良好なアースになります。カウンタ・ポイズを引回す前にボディ・アースを試してみてはいかが? またこれは非常通信に限られると思いますが、路肩のガードレールに貼付けてアース代用とすることも可能です。 製作した磁石アース板も使い方次第で新たな効果を発揮できます。
昔の話になりますが、3.5MHzのモバイルでオンエアしていたころ、アンテナのアース側は車のボディーに(もちろん見えない所に)直接ハンダ付けしてました。だから磁石アース板なんて不要でした。
これはアンテナが長大なので牽引フックの先を延長したリア・バンパーのあたりに給電点があったからです。そこから太い網線でボディーへガッチリアースしていたのでした。 あっ、つまんない昔話でしたね。え!kwskやれって?(またいつかね・笑) 次回はアースじゃなくってアンテナの話にしましょう。 ではまた。 de JA9TTT/1
(つづく)fm
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