2009年2月21日土曜日

【AVR】40pin AVRマイコン

 【40pinのAVRマイコン
 昨今はAVRマイコン(MPU)+BASCOMの組み合わせも随分ポピュラーになっています。今さらフォローする必要も無いかも知れませんが、今宵はAVRマイコンの40pinチップをピックアップしてみました。

 写真は左からATmega8535、ATmega644P、 ATmega164Pです.これらのピン配置は基本的に同じですから回路設計は共通化できます. 内蔵機能も共通点が多く、BASCOM-AVRで書いたプログラムなら転用も極めて容易でしょう. 豊富な内蔵機能でオールマイティに使えるチップです. また最初からI/Oの数が欲しい用途には、こうした大型AVRを使うとむしろスッキリするかも知れません. どのMPUも@400〜600円くらいで普通に入手できるようです. 秋葉原の秋月電子通商や大阪の共立電子が入手先です.DigiKeyなどの通販専門ショップでも扱っています.但し新規に購入するならATmega8535はお薦めしません.(既に旧式.秋月のAT90S8535は更に旧式なのです)

40pin AVRのテストボード
 マイコンいじりには、まずは「テストボードありき」と言うことらしいので、こんな感じの設計をしてみました.BASCOM-AVRで書いたプログラムは特定チップへの依存性が少ないので、Pin数の少ない異なったチップ用のプログラム開発にも活用できます. 目的のチップに存在するポートや内蔵機能だけを使ったプログラムを書けば良い訳です.そのプログラムは簡単に移植できます.なお、この回路図を参照するときは出所を明らかにして下さい.

 かなり色々な物を各ポートにぶら下げてあります.これ一つで様々遊べると思うが如何でしょうか? 昔懐かしいZ-80シングルボードコンピュータよりも、ずっと気が利いていると思います. なにしろ、これ一つでプログラムROM、RAM、タイマ/カウンタ、PWM出力、10bit A/Dコンバータ、UART・シリアル/パラレルI/O、I2C、SPI・インターフェースなど盛り沢山に内蔵されているほか、各種要因からの割り込みによる処理も可能なのです. しかもAVRマイコンは1命令1クロック動作が基本なので、最大Clock=20MHzで使えば20MIPSのスピードが出せます.(メーカー保証外だが、実力的にはもっと高速クロックでも動きます) 回路図には16文字×2行のLCD文字表示器も搭載しておきました。

 AVRマイコンのプログラム開発はMPUを基板に装着したままプログラムROMの書き換えを行なう『ISP方式』がトレンドです. そのための、In-System Programming (ISP)端子は、JN3XBY岩永さんご工夫の新配列(シングルインライン型7ピンコネクタ式)を採用してみました. 実際に新配列のISP端子を使ってみたのですが場所も取らず配線もし易かったです.これからAVRマイコンにチャレンジするなら、これに統一するのも悪くないと思いました.

◎基板が出来上がったら、さっそくBASCOM-AVRを使い:
  LCD "Hello AVR Word !"
とやってみましょう! 組込みマイコンのプログラムとは極言すればポートの操作に終始します.あえて具体的プログラム例は示しませんが、既にあるネット上の情報でスタートできる筈です.

岩永さん作成の新ISP端子配列の説明図
 参考にために、JN3XBY岩永さんご工夫による新配列式ISPコネクタの説明図を掲載させて頂きます. この図は上記40pin AVRマイコン以外のチップに適用する際にも参考にしています.(岩永さんには拙Blogへの転載をご快諾いただきました.VY-TNX !)


 時々「AVRマイコン」のキーワードで迷い込む人がいるようです. AVRマイコンやBASCOM-AVRの基本的なことを解説するサイトはネット上にたくさんできています. 詳しくは”出来が良い”と言う(笑)そちらを見てもらえば十分でしょう. 従ってweb記事の再掲載はしませんが続きの意味を込めて、記事にはなかった40pinの大型AVRマイコンと新ISP端子配列を扱ってみました.

なお、プログラム書込み器:ISPライタはUSBに接続するものがトレンドです.そうしたライタの自作方法については別のページで扱っています。(以下のリンクを参照)

開発に必要なプログラムライタの製作:==>その1その2
☆☆☆コンパクトな28pin AVRマイコンを扱うページは:==>こちら
BASCOM-AVRが、USBaspを正式サポート 詳細は:==>こちらで。(2010.9)
製作したボードのBASCOM-AVR 初期設定については:==>こちらで。(2011.5)
AVRマイコンのヒューズビットの説明と設定については:==>こちらで。(2011.5)

これからもAVRマイコンとBASCOM-AVRが愛用されることを願っています.(このBlogの画像は昨年8月17日のものを一部再利用した)

(blogger新仕様に対応済み。2017.03.29)

2009年2月13日金曜日

【書籍】洋書を買う(W1FBの本)

活字離れとも言われる昨今だが、案外本を買っている。 一つは娯楽用の小説などだ。 もう一つはネットから(タダで)得られる情報には限界があるからだ。 今日は2月5日に頼んだ古書が米国から届いていた。 約1週間で届いたから結構早かった。

80ページ弱の薄い本のためかUS-Postの定額料金パックで届いた。表側には何も書いてない。こちらが裏か? (笑)



裏面にInvoiceが外貼りされていたほか、中にも送り状(Shipping Manifest)が入っていた。

この本は、ニューハンプシャー州Enfieldにある、「BEARLY USED BOOKS」と言うお店から届いた。 ここへ直接頼んだ訳ではなく、米国のオンライン古書店チェーンの胴元(?)であるAbe Books.comから購入している。 (Abe Books.comは昨年8月にamazon.comに買収されたのだそうである)

Abe Booksのサイトでサーチすると、全国の古書店が登録した在庫書籍がリストアップされる。その中から、自分の欲しい物が見つかればその場でショッピング・バスケットに入れれば良い。 支払いはVISAやMasterと言った国際カードが基本である。だいたい購入手続きが完了した時点の外貨換算レートで請求されるようだ。
 なお、注文後は特に問題が発生しない限り何もしなくて良い。 一方、書店側の対応は、おおよそ以下のような流れであろう。 まず、登録した書店へは注文が入った旨連絡が行く。 その本の在庫がまだ店に有ると回答すればInvoiceとManifestが発行されるのであろう。売れてしまった時は注文者にその旨のメールが送られる。 書店はAbe Booksの指示に従ってしかるべき輸送方法で発送すれば仕事は終わる。 やがて書店へは手数料を差し引かれた入金があるのだろう。
 購入する書店が変わっても、カードからの支払い先はAbe Booksである。カード情報をあちこちの書店に書き込む必要はないから、多少は安心かも知れない。(それでもカードを使う海外通販は危険と言う声もある。自己責任でお願いしたい)

どんな書店かはわからない。小規模な書店なのであろうか? ペンで「Thank you!」って手書きしてあるのが何とも嬉しい感じ。緑の豊かな田舎町の書店のようだ。

注文したのは、青い表紙の「QRP NOTEBOOK」である。

その下にある茶色は第二版で、こちらはAmazon.comで今でも入手できるようだ。 ここに並べた4冊はいずれもW1FB Doug DeMawの著書である。 W1FBは、1950年にノビス局:WN8HHSで開局し、その後W1CERなどを経てW1FBに落ち着いたようである。1983年頃からARRLの技術スタッフとして活躍していた。1997年9月28日に71歳でサイレントキーになった。

 W1FBの本は初心者にもわかり易いものが殆どだ。 それだけに高級指向の読者には物足りないかも知れない。 しかし回路はオーソドックスで、文章もわかり易いから自作を手がけたばかりの初心者には良きバイブルだろう。費用が掛からないような配慮も感じられる。 高価でレアな部品を使い難解で高級そうな技術を扱う記事よりもずっと価値があるものだ。 参考にして何かを作った記憶はないが、受信機やトランシーバの纏め方など勉強させてもらった。
 ところで、この「QRP NOTEBOOK」であるが、秋葉原は「東京ラジオデパート」の電波堂書店で購入したことがある。その後どなたかにお貸ししたら戻ってこなかった。 よほど気に入って頂いたのであろうと思い、それ以上は追跡しなかった。

 大した内容はない本だが手に取って選んだものが無くなるのも寂しいものだ。 先日、別の古書を探査していたときに偶々見つかったものを入手した。たしか暫く前に探したときにも見つかったと思う。 そんなにレアな本ではないはずだ。しかし、その時は元がたったの$5-の本にプレミアムがタップリと付いていた。 今回も少々プレミアム付きの$10-だったが、まあその程度なら許せる範囲と言ったところか。

回路図は80m帯のシンプルなCWトランシーバである。

「QRP NOTEBOOK」は、水晶発振、VFO、プロダクト検波、フィルタ、低周波アンプなど、無線機の簡単な回路要素から説明を始める。 そしてそれらを組み合わせたシンプルな受信機や送信機の製作へと進んで行く。 このトランシーバは巻末にあって、言わば本書の「卒業製作」のようなものだろうか。(笑)よく見ると回路図に間違いが・・・。(初心者向けの本では致命的なのだが・・)

なお、米国のHAM初心者は基本的にCW(無線電信)から入門している。 従って、初歩の製作物はCW用が基本であって、SSBトランシーバのような大物の記事はない。 CW機は回路構成がごく簡単なので、初心者でも作り易いと言うメリットは大きい。
 JAでは、CWを知らないHAMが大多数だから、SSB機やFM機が初心者の自作対象になるだろう。 しかし、CW機と比べたら製作はだいぶ難しい。 テスターくらいしか持たない初心者HAMにはハードルが高いのではないか。 そのあたりが自作を含むExperimentationの方向に向かわない理由にもなっているようだ。 まあ、それがこの国の資格制度から産み出された結果なのだからやむを得まい。

2009年2月7日土曜日

【書籍】今月のQST(2)

QST誌はARRLの機関誌でJARL NEWSに近い存在だ。紙面はCQ 誌にも近いように感じるが、記事はかなり吟味され検証もするようだから比べては気の毒かも知れない。 昨今はJARLのページが巻末に付いたことでCQ誌の性格はよりQSTに近づいたようだ。

さて「今月のQST」とは言っても80年前の1929年2月号である。先月号より面白そうな記事が並んでいる。今月は詳しく紹介してみたい。(頒布要領は末尾にあり)

え?JA- CQ2月号はやらんのか?って。 はい、やりません。(^^) どうやら辛口ご声援は評判甚だ芳しからず。(やれやれ・笑)


さて、QST 1929年2月号である。始めの部分にあって、かなりのページを割いているのは、CW送信機のキーイングに関する解説だ。

当時、そろそろB電波(火花送信機)の時代は終わったようだが、CW(無線電信)は無線通信の主役である。送信機は全段C級増幅であり、パワーが大きくなるにつれキーイングは難しくなっていた筈だ。 QRPな送信機なら、アンテナキーイングやB+のキーイングも通用したろう。 ハイパワー化が始まった頃として送信機のキーイングは扱うべき重要なテーマであったようだ。




電源に使うパーツとして、RCAからUX-866と言う『水銀蒸気整流管』が登場した。これは大きなニュースであったはず。

その最新型整流管を紹介する記事である。 Si-Diは未来のデバイスで登場していないから電源の悩みは少なくなかったようだ。 ホウ砂水溶液に純アルミと鉛の電極板を差し入れた容器を多数並べた「電解整流器」(通称:ケミレク)も実用にされていたころである。 受信機用の小電流なら高真空整流管も登場していたが、ハイパワー送信機ともなると効率の良い(=内部電圧降下の小さい)整流素子が待ち望まれていた。 その答えの一つが水銀蒸気整流管である。優秀な 866系水銀蒸気整流管はその後も長く重用された。(国産の2H66も同じ系統のもの)なお、環境を汚染する水銀を含む電子部品は、使用後の廃棄処理の問題があり、現在においてはお薦めできない。

この送信機は、三極管・UX-852をPush-Pullに使って自励発振させている。いきなりアンテナに給電する送信機である。

特徴的なのは、UX-852のプレートに電源トランスで昇圧しただけのAC(交流)をそのまま加えていることだ。 電源部にはトランスがあるだけで、整流器や平滑回路はないのである。キーイングはトランスの一次側で行なっている。 大きなパワーを扱う送信機用の電源回路は厄介で、欠点は承知のうえで、整流せずに済ませたいと考えたのだろう。

今どきこんな野蛮な送信機は認められないが、簡単なテストオシレータ程度なら、AMラジオにはかえって信号がわかり易くて良いかも。(?)

1929年スタイルの標準型受信機である。
受信機は未だストレート型が全盛で、図のような1-V-2式である。 高周波増幅は入力側非同調のバッファアンプで、アンテナの動揺やボディ・エフェクトなどによる再生検波への影響を軽減するのが目的だ。電波も少ないから混変調は気にならなかったのだろう。

ゲインは殆どなくともRFアンプを再生検波式ストレート受信機に付けるのは現在でも意味がある。もちろん半導体式でも有効だ。

コイル製作の連載:第一回目である。
この時代、部品の自作は特殊なことではなかった。高価で得難いなら努力と工夫で解決するのが当然だったのだ。

特にコイルは既製品ではまかないきれず手作りが普通であった。しかし、今と同じくコイル巻きは敬遠されたようだ。製作の要領と勘所を解説する記事は無線雑誌でも良く見かけるもの。

時代は変わっても、コイルの本質は変わらない。今でも通用しそうな記事だろう。連載でソレノイド巻きだけでなく、ハネカム巻き、バンク巻きなども扱う。


UV-861と言う新鋭のスクリーングリッド4極管紹介と、それを使った送信機の記事である。 既にお金さえ出せば、ハイパワーも可能な時代にあった。現代のリニヤアンプとさして違わない構造設計が確立されているように見える。

左の写真の右下に小さく見えるのが、受信管のUX-201Aだからずいぶん大きな球である。450THくらいの感じだろうか。


マルチレンジ電圧計を製作する記事だ。
小遣いの少ないアマチュアはオンエアが優先だから測定器は手の出し難い分野だ。 そうは言っても回路の状態は確認したいもの。
フルスケール1.5mAの可動線輪型電流計(いわゆる普通のメーター)を使い、倍率器を付けて幅広く電圧が読めるよう工夫している。汎用測定器のハシリ、現代のテスター(回路計)のご先祖のようなものだろうか?

肝心のメーターは$12-で、そのほかも合わせると$35-の製作費用だ。このQST が1冊¢25-なのだから、当時の物価を考えたら結構高額だ。



たくさんある絵入りの広告ページが面白い。
先月号でも話題になったVibroplex社のバグキーだ。 バグキーその物は有線通信(電報)で使われ既に実績のあるキーヤーだったようだ。

構造は今も基本的に同じだ。OMさんから譲って頂いた一台があるのだが、下の絵と殆ど変わらないように見える。

他の広告も面白くて、欲しい物がいっぱいで思わず買いたくなってしまった。まずはTime Machineの手配が先かな?(^^)




広告ついでに、頻繁に登場するBURGESS社の乾電池である。
この四角いものはBバッテリーで、プレート電源(B+)に乾電池を使っている受信機も多かったことを伺わせる。

後世のmt管を使った電池管式ポータブルラジオ用ではなく、これは据え置き型のラジオ用である。 長時間使えるように、それなりの容量の乾電池を使っていた。 やがてEver Readyの乾電池も登場するが、当時はBurgessがトップブランドだった。それから幾星霜、隆盛だった会社も時代の波間に消えて行った。

さて、QST:1929年2月号をざっとレビューしてみた。当時の無線事情が感じられるだろうか?

今も昔も『実験的な記事』は面白いもの。PDF版をお送りするので『QST希望』のタイトルで、お名前・コールサインを書いた空メールを『ttt.hiroアットマークgmail.コム』まで。 折り返し添付で返信します。(約11MBあり。メールボックスの容量制限に注意!)常連さんでないお方は数語でも何かお書きを。届いたQSTは個人の範囲でご覧を。 本日(2月7日)より数日間対応の予定。 遠慮せずにどうぞ。==>期限も過ぎたので終了す。(2月14日)

2009年2月1日日曜日

【測定】Rb-OSC今が旬か?

ルビジウム原子発振器
 EFRATOM/DATUM LPRO-101と言うルビジウム原子発振器(Rb-OSC)が旬のようだ。いわゆる正確無比の原子時計である。このユニットは暫く前から登場していたが、オークションの取引価格はそろそろ底値に近づいたように感じる。

もともとCDMA方式の携帯電話中継器を同期するのために使われていた周波数基準用の発振器である。GPS周波数基準器:hp Z3801Aと同じ用途だ。 日本の携帯中継器は別の仕組みらしく、こうしたユニットは使われていなかったようだ。
いま中国本土で中継器の世代交代が進んでいるようだ。その置き換えで発生した余剰ユニットがジャンクとしてe-bayを主にオークションに大量流出している。paypalを使った直接取引は少々リスキーであるが纏め買いなら@数千円相当から買えるようだ。
ところで、なぜ中国なのか考えてみた。おそらく自国の携帯電話網がGPS衛星で支配されるのを嫌ったのだろう。国防上の観点から中継器の同期には独立して機能するRb-OSCの方を採用したのではないか。

参考LPRO-101周波数精度揺らぎを検証する続編は:==>こちら(2010.08.05)

簡易的な周波数確認
 出力周波数は極めて正確な10MHzである。 スペアナをカウンターモードで動作させ、GPS周波数基準器と比較している。 まあ、1Hz分解能では1×10^-7までしか見えないから、気休めでしかない。取りあえずは、簡易な周波数確認である。(笑)
一応、1mHz(1×10^-10)の桁まで合わせ込んであるとのこと。

揺らぎもなく、近傍のスプリアスも見えないので、基準発振器として十分に高性能である。(原子周波数基準器なのだから、あたりまえか)

出力スペクトル観察
 Spanを100kHzとして、近傍ノイズを見た所である。あえてアベレージングはせずに見ている。

良く出来たOCXO(例:hp 10811など)と比べると、多少ノイジーな感じもうけた。内部に使ってある10MHz/VC-OCXOはGPS周波数基準受信機(GPS-DO)に使ってあるものほどPureではないようだ。普通に作った水晶発振器ならこの程度なのであろう。要するにノイズフロアは特に悪くはないと言ったところだと思う。ごく標準的な性能だろう。
電源にはスイッチング(SW)式ではなく、実験室用のシリーズ・レギュレータ式安定化電源を使っている。 安易にSW電源を使うとスペクトルが汚れるかも知れない。組込む際には 高性能に見合った良質な電源を供給してやりたい。特にオーディオ向けの用途なら性能もさることながら、気分の問題も大だから電源は気にしたいものだ。(笑)

出力電力と高調波の確認
 出力は、+7dBm/50Ωくらいある。
写真で見るように、高調波も少なく奇麗な正弦波になっている。 各種の機器に供給するには高調波の心配が少なくて良いと思う。

なお、実用にするには「例の」アイソレーション式分配器を作ると良い。 十分パワーがあるから、アンプなしでパワー・スプリッタ+アイソレータで良いかも知れない。

かなり安価だったので半信半疑で入手した。下手な中古OCXOより安価なくらいだ。 訳を聞くと、少々外観に難が(キズ・ヨゴレなど)あるからだそうだ。 機能性能には何ら問題なく、確認済みの良品だそうである。ルビジウム・ランプ電圧も十分あって、まだまだ長期間使えるとか。

このRb-OSC/LPRO-101は今が旬であろう。 次世代の携帯電話中継器はこうした高価なモジュールを使わない形式のようだ。従って、世代交代してもジャンクが登場する可能性はない訳だ。 数年前に登場したGPS周波数基準器: hp Z3801Aは程なく枯渇してしまった。今や法外な値段につり上がったことを考えると、このRb-OSCも値段がこなれている今のうちに入手するのが良いかも知れない。もっとも、使い道がわからんようでは手に入れる価値もないけれど。それに、将来もっと良いユニットが出回る可能性だってある。それを言ったらいつまでも買えないけど。de JA9TTT/1

(おわり)

追記:私がこのBlogで旬だと書いたあと、同じように思ったのかずいぶん沢山の人がこのユニットを手に入れたようだ。「猫に小判」と言われぬよう、せいぜい活用されたい。(笑)(Mar.21st 2009)

参考・1LPRO-101周波数精度揺らぎを検証した続編で詳しく:==>こちら(Blog内でリンク)
 参考・2:正式にケースに収納し10MHz分配器も内蔵した実用編は:==>こちら(Blog内でリンク)