所用などあって進んでいないので、書籍案内でごまかすつもり。(笑)
ちょっと回路に興味を持っている人なら誰でも持っていそうだが、あんがいHAMの自作家は持っていないかもしれない。この本は無線の視点だけで見たら有用でない情報が多いかもしれない。では「無線に特化した発振回路の本」などあるのかと言えばその筈もないから、こうした書籍は貴重なのである。
理論書ではなく、もっぱら実験・実証している内容なのは嬉しいところ。 初版は1993年だから、少し古くなってしまった内容もある。「デジタル・シンセサイザ」の項は特にそう感じるが仕方ないだろう。他の部分は今でも有用な情報が多い。もちろん、無線機用にはかなりアレンジすべき回路もあるが、出発点として良い情報が載っている。その辺りが無線家の腕の見せどころだろうか。(笑) 定本「発振回路の設計と応用」という本である。詳細・目次はリンクを辿って欲しい。幸いなことに今でも売っているようだ。
261ページには500kHzのセラロックを使ったVCOが載っている。
VCOを作りたい訳ではないのだが、電子的に周波数可変できるようにしたのがVCOである。バリコンで機械的に周波数を可変すればVXOであり、どちらも同じ物だ。回路では周波数可変素子にAMラジオ用超階段接合型バリキャップ:1SV149(東芝)を2個パラにして使っている。PLLのループに入れるならバリキャップに限るが、無制御のVXOなら電子的な可変よりも機械的なバリコンの方が周波数安定度は良い。(バリキャップ:バリアブル・キャパシタンス・ダイオード=可変容量ダイオード)
AMラジオ用ポリバリコンのANTとOSCをパラにすれば良いと思うが、なるべく大きめの容量を選んだ方が良さそうだ。丹念に探せば350pFの2連ポリバリコン(PVC)くらい秋葉原で旨く発見できるだろう。
もちろん、エヤーバリコンでも良いのだが大型なのと、昨今は球ラジオの製作本が出た関係で、5球スーパ用の部品は馬鹿げて価格高騰している。持っているなら別だが購入は敬遠した方が良さそうだ。(5,000円以上も出して古バリコンを買うくらいなら、最初っからDDS発振器でも使う方が遥かに賢い)
回路はこのページの下段にあるものが参考になるが、申し訳ないがモザイク処理させてもらった。今でも普通に手に入る本だし、自作HAMなら持っていて損はないと思うからだ。著作権の問題もあるが、ネットで何でもタダでgetできるようにしてしまったら、有用な書籍はこれから一切出版されなくなってしまう。自殺行為のようなものだろう。
この回路で使っている500kHzのセラロックはVCO用だそうだ。確かにVCO用と言うのは良くVXOできる。この例では〜80kHz(16%)にも及ぶ可変範囲が得られているがそんなにはいらない。従って一般品のセラロックでも十分動かせるだろう。(280kHzのセラロックが約9kHz下へVXOできれば良いのだから・・) 比較的少ないインダクタンス(VXOコイル)で済みそうなので安定度もまずまずだろう。
さて、今日は雑用なしで実験が出来たら良いのだが・・・そうも行くまい。
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