2020年4月23日木曜日

【回路】SN16913P SSB Generator Design

DBM-Chip SN16913Pの使い方
 <Abstract>
The SN16913P (Texas Instruments) is a double-balanced modulation or mixer circuit. It's an already obsolete part, but you can still get it if you're lucky. Good performance can be obtained by optimizing the way the voice signal and carrier signals are fed. Here is an example of an SSB generator circuit using the SN16913P. And the following is an example of the "FUJIYAMA" transceiver receiving circuit planned by the JA-QRP Club in the millennial era.  (2020.04.23  Takahiro Kato  JA9TTT/1)

【SN16913Pとは
 面白いパーツを探しに秋葉原や日本橋の電気街に出かけることもできなくなっています。ここ暫くは手元のパーツボックスにストックされた部品で遊んでみるのは如何でしょうか? 今回はそんなパーツの中からSN16913Pをピックアップしました。

 SN16913PというのはIC形式のダブル・バランスド・ミキサ/モジュレータ(IC-DBM)です。SSB送信機の変調部や受信機のミキサ回路、そしてSSB検波回路にも使います。 すでに製造は終了していますが、運が良ければ手に入れることも可能でしょう。一時期はかなり流行ったこともあり、手持ちがパーツボックスに眠っている自作HAMも多いかも知れませんね。 少々古臭くなりましたが、同じIC-DBMの現行品:SA612Aより大きめな信号が扱えます。さっそく上手な使い方を探ってみたいと思います。

                   ☆

 古臭いチップを引き出しから取り出してきただけの話です。 あえて探し回って手に入れるようなICチップではないことを予め書いておきたいと思います。もちろん高額で手に入れるだけの価値などありません。 同等以上の性能はダイオード・DBM でも可能ですしコスト的にもそちらが有利でしょう。 しかしもし死蔵しているなら勿体無いです。何かチャンスでもあったらぜひ使ってみましょう。

 なお、同じテーマは拙サイトで2001年の春ころ公開していました。その当時の資料を参照の上、整理・再編集してまとめました。一部は内容的に重複しており既読かもしれませんが悪しからずご了承を。

 【SN16913PのSpecと注釈
 ネット上に資料もあまりないようなので、メーカのデータブックから取ったコピーを左に付けておきます。

 このデータ・シートが使い方の基本になります。 電源電圧の範囲や、信号レベルなど設計上必要な情報が書かれています。 また内部等価回路も応用する上でたいへん有用なものです。等価回路から設計意図が読み取れますし、より良い応用を考えることもできます。

 特に重要なのは、バランスド・ミキサあるいはバランスド・モジュレータとして使うとき、信号(Signals)と局発(Local Oscillator)/搬送波(Carrier)をどの端子に与えるのがベストかということです。 この資料の例では、受信信号あるいは音声信号はPin.2に与え局発/キャリヤはPin.5に加えるとしています。

 しかし、比較してみますとこれは逆にした方が明らかにひずみ特性が優れます。 以下、そのテスト回路とテスト結果を示しておきますので比較してください。 もちろんその様に使ってもなんら支障はありません。 データシートの記述はこのICの開発時に想定した特定の用途・目的における一例であって、汎用に使うには別の使い方が優れることも有り得る訳です。

参考:等価回路を見るとPin.5に接続された下段の差動回路にはエミッタ帰還抵抗が入っています。その負帰還作用のため下段の差動回路は信号をリニアに扱える範囲が広がります。こちらへ目的の受信信号や変調信号を与えた方がリニアな動作範囲が広い分だけ有利です。
 それに対し、Pin.2に接続される上段の2組の差動回路にはエミッタ抵抗は入っていません。そのためこちらの差動回路のリニアな動作範囲は狭く、どちらかと言うとスイッチ的な動作に適します。このため局発あるいはキャリヤはこちら側に加える方が良いのです。

 【2信号特性の測定回路
 7MHz帯の2トーン信号を1MHz帯に周波数変換するミキサー回路として測定しています。 回路そのものは変調回路でも同なじなので得られたデータは二重平衡型変調器(DBM)の設計にも使えます。

 2つの水晶発振器の出力をパワー・コンバイナで電力合成した2信号を作ってDBMに与える「信号」とします。 局発は既製品のシンセサイザ発振器から与えています。
 SN16913Pの出力は簡単なπ型LPF(低域濾波器)を通ったあと選択レベル計で観測します。 選択レベル計は高分解能な設定とし、目的信号とIMD信号のそれぞれを分離してレベル測定します。

 現在は高ダイナミックレンジ・高分解能なスペクトラム・アナライザを使って測定する方法がポピュラーでしょう。 大きめな信号を扱うので測定系をけして飽和させないよう十分に注意します。下手をするとスペアナのIMD特性を測ることになってしまいます。(笑)

 【2信号特性の比較
 測定結果をグラフにまとめました。 このグラフを簡単に言うと、入力を増やして行くと出力に含まれる歪み成分も増えて行くのですが、その歪みの増えかたを示しています。

局発は500mVppを与えます。2トーン信号の大きさを変えて出力の大きさと、出力に含まれるIMD(相互変調歪み成分)の大きさを観測した結果です。局発の大きさは幾つか変えて測定しましたが、成績の良かった500mVppの例を代表として示します。

(1)上段のグラフは局発をPin.5、2トーン信号をPin.2に与えた例です。 これはデータ・シートにあるメーカーの指定通りの使い方です。

(2)下段のグラフは局発をPin.2、2トーン信号をPin.5に与えた例です。 これはデータ・シートと逆の与え方です。

(見方)例えば、入力の2信号が10mV(rms)/Toneの状態で比較してみましょう。目的信号に対して、3次相互調歪み(3rd-IMD)の大きさは、上記の(1)では-40dBです。これに対して、(2)では-76dBです。 同じ大きさの信号を与えた時、出力に現れるひずみの大きさに36dB(約63倍)もの違いがありました。 逆に言うと、(1)の使い方では約12dB小さな信号(約4分の1)のところまで絞らないと同等の歪みにならないのです。それだけ大きな信号が扱えない訳ですね。(参考:3次のIMDは入力信号の大きさに対して3倍の傾斜で立ち上がるため)

 なお、(2)の使い方の方がややゲインが小さくなります。エミッタ抵抗による負帰還の作用によるためですが、わずか数dBの違いにすぎません。 従ってSN16913Pは総合的に見て(2)の使い方をする方が明らかに有利です。 これはミキサ回路だけでなくバラモジ回路(平衡変調器)の場合も同様です。

備考:なぜこのような結果になるのかは上記の等価回路の解析の通りでしょう。

SN16913Pを使ったSSBジェネレータ
 SN16913Pを使ったフィルタタイプのSSBジェネレータを設計しました。

 ダイオード・DBMと比べ、ややキャリヤ・サプレッション(搬送波抑圧比)は劣るのですが、フィルタ部分で20dBくらい改善されます。 出力端子に於いて、少なくとも50dBくらいのキャリヤ・サプレッションが得られますので十分でしょう。 素朴な設計のSSBジェネレータですが十分な実用性があります。

 マイクアンプは汎用OP-Amp.を使います。もちろん他のOP-Amp.を使って音色の違いなど楽しむことも可能です。 ハイ・インピーダンス型のマイクロフォンを使う設計になっています。600Ωなどのロー・インピーダンス型を使いたいときはゲインをアップするか、マイク・トランス(600Ω:50kΩなど)を外付けします。 使用するマイクによってはゲインが十分すぎることがあります。その場合、OP-Amp:μA741Cの出力(Pin6)とコンデンサ:C11の間に1kΩの抵抗器を入れると良いでしょう。(むしろ1kΩを入れることを推奨)

 キャリヤ発振回路は2石使う設計です。 下記に例示のFUJIYAMAのように1石で作ることもできますが、キャリヤ・レベルの加減が容易なので図のようにしました。 LSB(下側波帯)を得る例が書いてありますが、USB(上側波帯)も必要なときはダイオード・DBMを使ったSSBジェネレータ回路例(←リンク)に切り替え式の図があるので参照してください。 Pin2に与えるキャリヤあるいは局発の大きさは500mVppを基準に考えていますが、もう少し大きくても支障ありません。 ただし、この図のようにバラモジ(平衡変調器)に使う場合、キャリヤレベルを大きくするとその分だけキャリヤ・リークも増えます。

Fujiyamaに見る使用例
 HAM局の団体:QRPクラブがミレニアルを記念して(?)100台の限定頒布を行なった「FUJIYAMA」と言う名前の18MHz帯SSB/CWトランシーバの回路例(部分図)です。 FUJIYAMAは全部品がバラで加工済みのキャビネットまで含んだ完全キットでした。しかもワイヤーによる配線が基本的にゼロという画期的な設計でした。

 FUJIYAMAの開発当時はまだ何とかSN16913Pが手に入りました。 そのため送受信回路のミキサを始め、バラモジ(平衡変調器)やプロダクト検波器にも幅広く採用しています。 2重平衡回路なのでキャリヤや局発の漏れが少なく、製作者によるバラツキも減らせることから全面的な採用になりました。均一な性能を得るのに貢献したと思います。

 左図は、高感度で良い音のするFUJIYAMAの受信部回路の部分図です。 グランド・ウエーブでの交信距離を伸ばす目的でかなり高感度な設計になっています。 そのため、太陽活動が活発で黒点数が多くなり、18MHz帯のHAMバンドに隣接する19メータや16メータバンド(短波国際放送バンド)が強烈にオープンすると、ミキサのSN16913Pが飽和してしまうことがありました。 切り替え式のアッテネータを付加する方法のほか、SN16913Pをダイオード・DBMに交換するなどの対策が提案されました。 バンドの性格上、普段は高感度な方がFBですから改造が容易なこともあってアッテネータを追加する方法を採用した製作者が多かったように思います。あれから20年が過ぎ、FUJIYAMAも懐かしい思い出になってしまいました。

                   ☆

 SN16913Pに限らずIC-DBMは人気があるようです。 このBlogにはあまりメジャーなIC-DBMの話はないのですが、情報を求めて検索で来訪されるお方も多いように感じます。 流石にディスコン(Discontinued=継続しないの意味=廃番部品)から20年も経過したためSN16913Pの情報を求めるお方は少なくなったようです。 しかし当時かなり流行ったのでパーツボックスに幾つか入っているお方も多いでしょう。 今でも有用なデバイスが死蔵になっては勿体無いですから、簡単に使い方をまとめておく意義はありそうです。何かご質問でもあれば遠慮なく。 ではまた。 de JA9TTT/1

                   ☆

リンク集:このBlogにはIC-DBMを扱った以下の記事があります。
(1)MC1496P・・・IC-DBMの元祖のようなチップです。
(2)TA7310P・・・CB無線機のPLL回路用IC-DBMですが汎用に使えます。
(3)TA7358P/AP・・FMラジオのフロントエンド用IC-DBMです。
(4)K174ΠC1・・・旧ソ連製のIC-DBMで独製S042Pのセカンドソース。
(5)S042P・・・・独Siemens社が開発したヨーロッパ系IC-DBMです。
(6)μPA101G・・・新世代のIC-DBMで1GHz帯までカバーします。
(7)MC-1443・・・搬送多重電話装置の周波数変換用に作られたIC-DBMです。
(8)MC-1451・・・搬送多重電話装置の音声復調用に作られたIC-DBMです。
(9)SA612A・・・ コードレス・フォン用IC-DBM。HAMに人気のDBMです。

そのほかに、個別半導体を使ったDBM/SBMの記事があります。
(1)Di-DBM・・・オーソドックスだが確実性の高い4ダイオード型のDBM。
(2)トランジスタ式SBM・・・バイポーラ・トランジスタを使ったSBM研究。
(3)FET式SBM・・・FET;電界効果トランジスタを使ったSBM研究。
(4)高IP Di-DBM・・・4ダイオードを使ったハイレベルDBMの検討。
(5)Di-DBM×2・・・PSNタイプ・エキサイタでの用例。2つを電力合成。

・・・・など。  ほかにも記事中でDBM/SBMに触れた箇所は多数あります

(おわり)nm

2020年4月21日火曜日

QTC ! HAM Band expanded ! !

HAM Bandが拡張されました

<Abstract>
The Japanese Amateur Radio Band (HAM Band) has been expanded. Expanded are the 160 meter band and the 80 meter band. In the past, when communicating with DX stations, it was necessary to be on-air at a "split frequency".
From now on, JA stations will be able to air at 1800 to 1875kHz, and the 1840kHz FT8 mode will be very popular with JA stations.   (2020.04.21  de JA9TTT/1 Takahiro Kato)



官報によると、160mと80mのハムバンドが拡張されました。
本日、2020年4月21日より適用されたようです。

(1)160mB:以下のようになりました。(赤字が変更になったところ)
   1800kHz1875kHz・・・・下へ10kHz、上側へ50kHz拡張
   1907.5kHz〜1912.5kHz・・(従来通り)

   160mのFT8モードによるDX局との交信はスプリット周波数の運用が常識に
   なっていましたが、JA局も1840kHzにオンエアできるようになりました。
   なお、1800kHz〜の方はSSBも許可になりましたが、変更申請は必須です
   届出ではダメなので注意が必要です。(←不要になりました)
    バンドが75kHz幅になりがぜん魅力がアップした感じです。
   従来の1810kHz〜1825kHz はいわばDX専門でした。
   CW以外も許可になり、いずれバンド内の使用区分ができると思われます。

(2)80mB:以下のようになりました。
   3500kHz〜3580kHz・・・・上側へ5kHz拡張
   3599kHz〜3612kHz・・・・(従来通り)
   3662kHz〜3687kHz・・・・下側へ18kHz拡張

   従来は3573kHzでFT8を運用する際、2000Hz以上の変調周波数を選ぶと
   オフバンドになってしまいました。これで注意しなくても良くなりました。

   バンドが飛び飛びなので使いにくいですが、いずれ全部がつながることを
   期待しましょう。

(3)局免許関係
   いずれのバンドも、無線局免許状に「1910kHz」「3537.5kHz」の指定が
   あるアマチュア局は、特別な手続きをすることなく拡張された周波数帯での
   運用ができます。

   これはバンド拡張とは別の話になりますが、指定事項に変更をきたさない
   付加装置の仕様追加など、従来は必須であった届け出も不要になりました。
   要するに、既に局免許の一括記載コードにF1Dモードが含まれていれば、
   FT8なりFT4なりの新たなモードの追加があっても届出不要になりました。
   例えば既にJT-65が免許されていればFT8やFT4がそのままオンエア可です。
   指定事項に変更が発生しない範囲なら届出不要になったからです。

   以上は要約です。詳しくは官報を参照されて下さい。←重要

                   ☆

速報なので自局のライセンスなどと合わせて再確認してからオンエアされて下さい。
オフバンドや指定外運用の責任は持てませんので。hi

当局は、160mBの逆Vの先端にヒゲを足して1840kHzにTuneしようと思ってます。
これでスプリットじゃなく160m/FT8のDXingが可能になりましたね! スバラシイ。

参考:(詳しくは総務省の2020年4月21日付の官報を参照して下さい)











 ではみなさん、FB HAM Life !!  CU on NEW Band !!!  de JA9TTT/1

付記:今回のバンド拡張にあたっては「一般社団法人 日本ローバンド拡大推進協会」の尽力が大だったそうです。同協会の活動に感謝したいと思います。詳しくは同協会へ。

                   ☆

160m Band小史:(おまけ)
 160m Bandは歴史あるHAM Bandです。20世紀の初め、長波や中波の無線通信が隆盛になるに従い、アマチュア達の勝手な通信が邪魔になりました。 そのため、1912年に米国では無線法(Radio Act)ができ、アマチュアの実験は使い道が無いと考えられていた波長200m以下・・即ち周波数で言えば1.5MHz以上へと追いやられたのです。 ところが、それが幸いしアマチュア達によって短波(HF)は小電力で遠方まで届くことが見出されます。(当時はまだ理由はわかりませんでしたが、電離層反射による伝搬です) これが後にアマチュアの功績として認められ、その結果、割り当てられたのがTop Bandと称する160m BandほかHF帯のHAM Bandなのです。
 戦前の日本にも1775kHz帯が許可されていたようですが交信の実績は見つからないのだそうです。 戦後、160m Bandは許可になりませんでした。 主にロランA(←リンク)への妨害が危惧されたからのようです。今のようにGPSなどない時代ですから、船舶にとってロランは非常に重要な航法設備だったのです。 JARL(日本アマチュア無線連盟)の再三の要望により、1963年8月ロラン受信局への妨害調査のため実験局:JS2Aが1875kHzで許可されました。(これは交信目的のHAM局ではなく、調査が目的の実験局)
 その実験結果が良好であったため、まずはスポット周波数:1880kHzが1964年4月4日〜1965年12月31日まで期限を区切って許可されました。ただし一アマもしくは一通、二通の資格限定でした。
 こうした運用の実績もあってか1966年6月9日に1907.5kHz〜1912.5kHzの5kHzがバンドとして(期限なしに)割り当てられます。これが現在まで続く160m Bandです。 電信級(現三アマ相当)以上の資格でオンエアできるようになりました。 私が初めてこのバンドの波を出したのはやや遅れて1971年頃です。終段2SC1306で水晶制御でした。
それからだいぶ間があいて2000年4月1日より、Top Band DXerの悲願が叶い1810kHz〜1825kHzが割り当てられました。これで世界なみになり160m Bandの DXingも盛んになったようでした。 この割り当てはロラン航法が世界的に終息したからでもあったようです。
 今回の拡張は合計で60kHzもあり、モードも追加された画期的なものと言えるでしょう。 1952年に戦後のアマチュア無線が再開されて以来の悲願がJARLの努力もあって実を結んだように思います。  以上、最初に写真のある「160mハンドブック」ほかの資料より抜粋しました。

(おわり)
 

2020年4月8日水曜日

【AVR】Setting up Windows 10 PC for HAM Use

【自作好きHAM用のWindows10 PC】
 < Abstract >
Support for Windows 7 has ended, so I can still enjoy  "Hand making Rigs" with Win 7 PC.  But I decided to move to Windows 10 because of the need to connect to a network environment safely.   Unfortunately, my old PC couldn't update to Win 10.  So I bought a used, updated laptop. Also, I should install some apps for the HAM who loves "Hand making Rigs". After complete that, I also replaced my HDD with an SSD to speed up the boot time. This is the completion of a comfortable Windows 10 computer for the HAM station. (2020.04.08 de JA9TTT/1 Takahiro Kato)

やむなくノートPCを購入する
 久々にパソコンの話をしましょう。 ちょい古めのノートPCをHAM用に(自分好みに)仕立てると言う良くある話です。自身の備忘目的ですから面白くもないでしょう。言うまでもないと思いますが、誰かに『お薦めしたい・・』と言うような意図はありません。

 今ではHAMの活動にパソコンは不可欠な存在になっています。もちろん、無くてもオンジエアは可能です。 いつも決まったローカルさんとラグチューを楽しむだけなら無線機とマイクにアンテナがあれば十分でしょう。 しかし、少し深く楽しもうとすればパソコンはシャックに不可欠な装備になりました。 デジタルモードでのオンジエアはもちろんですが、ログの管理やQSLの発行、そしてDXCC用データのアップロードといった運用全般でフルに活用します。さらに私にとって無線機器の製作や電子工作を楽しむ為のツールとしての役割もかなり重要です。

 無線用には始めWindows XPのノートPC、その後はWindows7がインストールされたノートPCに移行しました。それで十分な性能でしたし、使い勝手も悪くありません。 ところが、最近になって変更申請のために「電子申請Lite」を使おうとしたら問題発生です。 サポートが切れてセキュリティが甘くなったWindows7のPCでは利用条件を満たせないのです。 電子申請でやりたいならWindows10のPCが必要になっていたのでした。(もちろん紙で申請も可ですが・笑)

 真っ先に考えるのはWindows10へのOSアップデートでしょう。 あいにく無料の期間に実施していませんでした。 幸い、調べてみたらあまり費用を掛けずライセンスキーが入手できそうな目処が立ちました。 そこでさっそくアップデートを試みたのです。 ところが時間をかけた作業を3回もやってみたのですが毎回エラーの発生です。 3回とも終盤にインストールを中止して元のWIn 7に戻ってしまいました。 たぶんWindowsに詳しいお方なら解決策を見い出せるのかも知れません。 あいにく私はMac派ですから詳しくないのです。 それとそのノートPCは性能もやや不足そうでした。CPU(celeron)はパワー不足でメモリも足りないみたいです。 そうなるとメモリの追加など含め費用を掛けてWindows10にアップデートしてもじきに不満が出るかも知れません。 Windows7のまま快適に使い続けた方が良いのではないでしょうか。

                   ☆

 だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、そのような経緯から中古のノートPC・・・もちろんWindows 10になったもの・・・を購入し、例によってHAMの日常使いのパソコンに仕立てることにしましす。 合わせてHDDのSSD化で起動タイムの短縮を図りましょう。  基本的にサブのパソコンの入れ替えですから費用はあまり掛けられません。 ご予算は総額で¥30k程度(ずいぶん少ない・笑)を見込みますが、これで快適なPCが手に入るのでしょうか?

後で忘れないように行なった作業を箇条書きにしておきます。

(1)購入したノートPCの基本的な確認とWi-Fiに接続などの初期設定の実行
(2)MS-Officeなど標準的なパソコン用アプリのインストール
(3)HAM用のアプリ、例えばTurbo HAM LogやWSJT-Xなどインストール
(4)NET Timeのようなパソコンの時計同期用アプリをインストール
(5) AVRマイコン用のプログラムライタ;HIDaspxの接続と関連アプリの動作確認
(6) BASCOM-AVRのインストール&起動確認と旧パソコンからのデータ移行
(7)互換arduino用USBブリッジ・チップ:CH340のドライバインストール
(8)arduino-IDEのダウンロード&インストールと実際に接続して動作確認
(9)補助記憶装置をHDDからSSDに交換する
(10)そのほか、無線接続のプリンタをセットアップなど細かい設定を行なう

さらに、しばらく使ってみて性能的に十分行けそうならLT-Spiceや基板CADなどもインストールしたいと思っています。 他にも良さげな定番アプリでもあれば教えてください。ただしあまり肥大化させないようにしたいものです。(笑)

 【キーボード周りは使用感なし
 最初の写真のような中古のノートPCです。 少々古いものですから、それなりの使用感があって当然でしょう。 例えば、使用感はキートップやキーボード周りのテカリなどとして現れやすいものです。

 キーボードを交換している可能性もありますが、キートップと合わせて周囲もあまり使用感はありません。 それほど使わなかったPCなのかもしれません。キーの沈み込みもなく感触にへたりも無いようですから良いブツに当たったような気もします。w

 綺麗さとか新品に拘るなら昔流行ったネットブックのようなチープな路線も考えられます。 amazonでWindows10パソコンを検索すれば2万円台から新品があるようです。 しかしYoutubeで該当機のユーザレポートを見ればかなり「悲惨」な状況でした。 筐体はフニャフニャでキーボードもペコペコといった「安かろう・・・」な製品なのです。それらはチープなタブレットにキーボードを付け加えたようなノートPCだそうです。 結局、しっかりしたメーカーの「幾らか古め」な中古品から良さげな物を探すのが適当そうでした。

 狙い目はコアiシリーズのCPUでメモリが十分積まれているものでしょう。 換装しても安価ですからHDDの容量は気にしません。HDDは一種の消耗品とも言えます。 DELL、HP、NEC、dynabookほかVAIOなど色々見たのですが、写真のLenovoのThinkpad L530が良さそうでした。 CPUはCore i5でClockは2.6GHz、メモリは8GB搭載済みです。 OSはWindows 10 professional 64bitの最新版が入っています。 現品を見てキーボードの感触など確かめてからが良いのですが、都会に出掛かけるのもはばかられる御時世ですから通販に賭けてみることにしました。 送料込みで¥26.6kでした。(キャッシュレス決済だったので引き落としの際に5%の還元がありました)

 【管理用のラベルでも?
 開いた状態は結構綺麗でしたが、上蓋の左奥のあたりに管理ラベルを貼っていたらしい痕跡があります。 わかるように画像処理で誇張した写真なので目立ちますが、実際は気にならない程度の跡です。

 少々地味で仕事向きのノートPCのようですから、どこかの会社でまとめて使われていたものを引き取ってきて販売しているのでしょう。

 ポートはUSBが左に3つ、右に1つです。最近のノートPCと比べやや少ない気もしますがなんとかなるでしょう。右側にはCD/DVDマルチドライブが付いています。 付属品は電源アダプタだけです。そのままでも使えますが、別途マウスを買ってきました。 タッチバッドよりもマウスの方がはるかに使い易いと思います。

 起動してさっそくWi-Fiのセットアップを行ない、続けてブラウザなど立ち上げてみました。 十分快適に使えそうです。15.6インチ横長のHD TFT液晶の画面もまずまず綺麗です。
 筐体に厚みがあった時代のノートPCなので、キーには十分なストロークがありカチッとした感触です。もとIBM、LenovoのノートPCですからそれなりに作ってあるのでしょう。

 初出荷は2013年4月らしいので、5〜7年程度経過したモデルのようです。 おそらくまだまだメイン機としてお使いのお方もありそうです。 メーカーのサポートは2018年7月で終了したため安売りになっているのでしょうか。 最近のノートPCのように薄くてスマートじゃありません。厚みがあってちょっと無骨な感じですね。hi 一応、ショップの保証が3年間付いてきました。 向こう5年くらい使えたらかなり嬉しいと思っています。

                   ☆
  
 【MS officeを導入
 このノートPCの主な目的はHAM局のオンジエアと交信管理を目的にしたものです。 パソコンとしてはサブ機の扱いです。たまにプログラムを書くのに使う程度でしょう。 重そうな作業はほとんどありません。 画像処理のようなアプリははなからインストールしませんし、たぶんゲームもやらないでしょう。

 しかし、ちょっと試用してみて意外にメイン・パソコンの補助以上の能力がありそうに感じました。 そうなると、普通のノートPCとして使いそうなアプリとしてはWordとExcelあたりになるでしょうか? 実際にExcelは実験データの整理に使うことがあります。また、手持ち部品の在庫管理にもExcelを使っていますから無いと不便かも知れません。 色々考えてMS Office 2019をインストールすることにしました。

 ちょっと怪しそうだったのですが、amazonにプロダクトキーだけを販売する業者があったので試してみたのです。購入するとメールで連絡が来るだけで現品は何も送ってきません。 仕事で使うパソコンに怪しそうなものをインストールするのはやめた方が良いです。 しかし個人が遊びに使うだけのパソコンなら何かあっても自己責任であり、誰にも迷惑はかけないでしょう。(お薦めするつもりはありません)
 おそらく販売されているプロダクトキーは、社内のPCにまとめてインストールするのが目的のパッケージ品を分売しているのではないでしょうか。確かに正規品には違いないですが、そう言うのはどうなんでしょうかねえ? まあ私が心配することではないです。(笑) プロダクトキーが届いたらなるべく早くインストールを済ませて欲しい旨のコメントが付いてました。

 MS-Office 2019は買取版ですからoffice 365のような毎月課金はありません。  最近はサブスクリプションタイプ(毎月課金型)のサービスが多くなっていますが、使わなくても毎月課金されるのは何となく割り切れないものです。買取版の方が好きです。(笑)

 【支障なくDLできた
 事前に手順を調べておいた通り、マイクロソフト・アカウントを持っていればあとはプロダクトキーさえあればマイクロソフトのサイトからダウンロードでフルバージョンが手に入ります。 マイクロソフト・アカウントもメルアドとパスワードの設定だけですからすぐに作れます。

 amazonで買ったプロダクトキーでMS-Office 2019 Professional Plusが無事ダウンロードできました。

 部品管理にDBは使っていてもアクセスまではいらないし、プレゼンもまずしないのでパワポも使わないでしょう。しかしプロダクトキーのお値段はどれでもあまり違わないのですからProfessionalのフルバージョンをインストールしておきました。 たぶん無駄にHDDの容量を消費しただけかも知れませんけれど。(笑)

インストールが済んだらMS Word等を起動し、ライセンス認証された製品であることを確認して無事に終了しました。

                 ☆   ☆

 【HIDaspxは自動認識
 続いてHAM関係のアプリをインストールして行きます。 最初はプログラムライタの動作から確認しました。

 以前のWindows7への移行の際と同じような確認です。 次の写真の右側にある「HIDaspx」というAVRマイコン用の手作りプログラムライタ基板です。このライタはUSBポートに接続して使います。
 USB接続の機器といえば一般に専用のドライバが必要です。しかし、これは特別なドライバソフトが不要というものでWin7の時もただ装着するだけでうまく使えています。 今回もポートに装着したら直ちに確認が始まり、程なく使用できるようになりました。 これで以前同様うまく使えるはずです。

 【HIDaspxライターを使ってみる
 AVRマイコンが載った基板なら何でも良かったのですが、このあと同じように確認する予定のarduino uno・・・正しくは互換ボードの「びんぼうでいいの」ですが・・・を使ってライターの動作を確認します。

 ライタのHIDaspx(ハードウエアの方)を写真のように接続します。 Arduino unoにはUSBポート以外に直接書き込み用のポートが引き出されているので、それに合わせたケーブルを接続すれば読み書きとベリファイができます。 他のArduinoでやる場合は、ブレッドボードなどに装着してから、書き込み用の足ピンへ1:1に配線してやればまったく同じようにできます。

 【hidspx-GUIもOK!
 コマンド・プロンプトからキーインで操作もできますが、今ではライタのHIDaspxの操作用としてGUIアプリを使います。AVRマイコンの開発ではよく使うアプリとして、hidspx-GUIがあります。 詳しくは前のBlog(←リンク)を参照。 AVRマイコンチップのフューズビットやロックビットの書き換えなどの操作に使用します。

 上の写真のようにArduino uno互換基板とHIDaspxを接続したら操作用にhidspx-GUIを立ち上げます。 ターゲットのarduino unoに電源が行くようライター基板の電源供給スイッチを切り替えておきます。

 写真はReadコマンドでarduino uno上のAVRマイコン:ATmega328Pに書き込まれているプログラムを読み出したあと、続けてDump コマンドを実行した様子です。 うまく読み出せて、ダンプできたのでインターフェース基板もGUIアプリもうまく動作していることがわかりました。 これでBASICコンパイラのBASCOM-AVR(次項)が使えるようになっているでしょう。

 【BASCOM-AVRをDL
 BASCOM-AVRはMCS Electronics社のサイトから新規にフルバージョンをダウンロードしてインストールすることにしました。2020年4月現在、Ver.2.0.8.2でした。

 ユーザーIDとパスワードがあればログインして簡単にダウンロードできます。 ただし、新規にダウンロードしただけではデモ版として起動されます。 もとのパソコンから「bascavrl.DLL」と言うファイルを移植する必要があります。 この辺の詳しくは前のBlog(←リンク)を参照してください。 Windows XPからWindows7への移行の時と同じことをやっているだけです。

  さらに、自身が作成したBASCOM-AVRのプログラムも前のパソコンから移行しておきます。 これは、前のパソコンにあるMCSというフォルダ内にあるBASCOM-AVRというフォルダ内にあります。 USBメモリなどへコピーして持って来ればOKです。 これでWindows10の環境で以前と同じようにAVRマイコンのプログラム開発が継続できます。

CH340 Driverをインストール
 続いてarduinoの開発環境を構築します。 ここでは中華系の互換arduinoを使います。 互換arduinoはUSBインターフェースがCH340というチップになっていますので、チップドライバのインストールが必要になります。  ホンモノのarduinoにはFTDI社のインターフェースチップが載っているようですからホンモノで行くならそれ用のドライバをインストールします。

 これもWindows 7に開発環境を作った時と同じ作業です。 特に支障もなく終了しました。 CH340はarduinoだけでなく、USBシリアル変換モジュールなどにも使われており、無線機のスタンバイ・コントロールを作るときにもドライバのインストールが必要です。HAM用のパソコンには不可欠かも知れませんね。ドライバはネットで簡単に探せます。

 【arduino-IDEを起動
 arduinoの開発環境である、arduino-IDEをダウンロードしてインストールします。 基本的にアプリ関係は別のPCからコピーして来てそのまま移行できることは稀で、再度インストールすることになるはずです。

 arduinoのサイトへ行き、Windows 10にマッチするバージョンをダウンロードして新規インストールしました。 スムースに進んで短時間で終了します。

 さっそくUSBケーブルを接続し、ツールメニューから使いたいarduinoの種類やCOMポートの設定を行ないます。 USBポートを移動するとCOMポートの番号も移動しますから注意します。 私の場合、初めはCOM3でしたが、隣のUSBへ移動したらCOM4になりました。メニューに表示される候補から選べば良いので簡単にわかります。 ここが合わせてないと書き込む時エラーになります。 

 さっそくあらかじめ用意されているサンプルプログラムからLEDチカチカ、通称「Lチカ」をロードして書き込んでみましょう。  メニューバーにある白丸に右矢印のボタンをクリックすればコンパイルされてarduino unoへLチカが書き込まれます。 さっそくLチカが動作するはずです・・・。

 【arduino uno 互換基板でLチカ
 イッパツで成功です。(笑)

 Windows10はユーザーIFの部分など前のWindowsとかなり違いがあるように見えます。 しかし、見かけ表面を覆った部分の下をみるとあまり違っていないのかも知れませんね。 案外すんなりとWIndows7や8のアプリやハードウエアが動作してくれるようです。

 もちろん、あまり古くさいハードにはドライバを始め専用のアプリさえ用意されていないこともあるようです。 しかし過去の資産はかなりうまく移行できそうでした。 この点は優れていると思いますし、いま思うともう少し早くWindows10に移行しても良かったのかも知れませんね。

                   ☆

 以上、HAMが手元に置いてオンジエアの補助や整理に使い、さらにプログラム開発や実験データの整理などに使えるWindows 10パソコンが出来上がったようです。Turbo HAM Logも移行したので、これでWondows7で行なっていたことはほぼすべて移行できたと思います。少し手続きが必要そうなARRLのLoTWもこのあと移行させる予定です。 Windows10の導入部分ではかなりトラブりましたが、インストールずみを購入したあとはたいへんスムースに進みました。

 【SSDを購入
 もともと内蔵していたHDDは320GBでした。 このノートPCが登場した頃はそれくらいのHDDを積んでいればひとまず十分だったのでしょう。

 そのままでももうしばらく使えそうでしたが、起動の迅速さを求めてSSDへの換装を行なうことにしました。 少し前までは高価だったSSDも500GBが8,000円以下まで値下がりしています。 1TBと言いたいところですが、そもそもサブのマシンですし大量のデータを保管する可能性は低いと思います。 今の時点でコスパの良さそうな500GBのSSDを購入しました。

 Crucialというメーカーは聞いたことがありませんでしたが、メモリチップを作っているマイクロン社の子会社のようです。 マイクロン社のメモリチップを積んだSSDと言っても良いでしょう。

 【500GBの2.5インチSSD
  見たところはHDDと同じように見えますね。 I/FはHDDでは標準的なSATAです。

 まずはじめにUSB-SATA I/Fケーブルを用意してノートPCのUSBポートに接続します。 私は手持ちにあった外付けUSB用2.5インチHDDケースを使いました。 その後、フォーマットを行なったら「Easeus Todo Backup Free」というHDDのコピークローンを作るアプリを起動し、SSD上にC:ドライブのコピーを作ります。 Easeus Todo Backup Freeは予めダウンロードしておく必要があります。 こうした作業の手順はネット上にたくさん実例があります。Youtubeにも動画があって参考になりました。

 比較的データ量が多かったのでコピー完了まで45分くらいかかりました。 Officeほか様々なアプリをインストールする前にCopyを作れば短時間で済んだのかも知れません。 しかし、一通りのインストールが済んでからCopyを作ったことになるので、使い始め初期の状態の完全なバックアップ・コピーが(HDDに)自動的に作れたことになる訳です。悪くない手順だったように思っています。 従って元あったHDDは転用せずにそのまま非常用のバックアップとして保管しておきました。

スピードは?
 裏蓋を開けHDDを外してSSDに交換したら作業終了です。 コールドスタートからデスクトップが現れるまでに約16秒、ブラウザを起動して操作できるようになるまでに20〜22秒と言ったところでした。どのアプリの起動も非常に軽快です。 また、シャットダウンに要する時間も5秒くらいなのでじれったさを感じるヒマさえありません。(笑)

 左表は「CrystalDiskMark」というポピュラーなフリーウエアで計測したSSDのRead/Writeスピードです。 数字が大きいほど高速という意味ですが、これらの数字はSATAインターフェースのSSDとしては標準的な値のようでした。 ノートPCで標準的な普通の2.5"ハードディスク(HDD)と比べて、大きなファイルのシーケンシャルな読み書きで5倍以上、小刻みなファイルのランダムなアクセスでは200倍を優に越えます。さすがに早いのですね。 巷で言われている通りでした。(笑)

 たまにしか使わないサブのパソコンにSSDなど勿体無いと思うかも知れません。 しかし、たまにしか使わないからこそ起動とシャットダウンが高速なのは有り難いのです。 チョットだけ使いたいと思ったとき延々とWindowsの起動画面を眺めながらジリジリ待つ必要はありません。 使い終わったらささっとシャットダウンして保管場所に戻すこともできます。 本質的に振動に強いSSDは持ち運ぶことが多いノートPCには安心感があります。 追加の費用は発生しましたがSSDへの交換はなかなか効果的だったと思っています。

 【コンボ・ジャック
 最近の無線機はUSBポートを備えているものが多くなっています。 デジタルモードのインターフェースがUSBケーブルで直接できるようになりました。 しかし、少し古いRigが多い拙宅では、パソコンのAudio入出力端子を使ったインターフェースが必要になります。

 このノートPCのAudio入出力端子はコンボ・ジャックというコンビネーション型になっていました。 3.5mmのイヤフォン・ジャックの発展型のようですが、ヘッドフォン用の左右の出力とマイクロフォン(モノラル)の入力が一本になっているのです。 出力が2、入力が1でGNDを共通にした4極になったものでスマホにも多いタイプです。

コンボ・プラグの結線
 無線機とのインターフェース・アダプタを製作する必要があります。 端子接続がわからないと製作はできません。 さっそく調べてみました。

 意外に見つけるのに苦労しましたが、図に書いたようになっていました。 このThinkpadは黒い文字で書いたような端子配置になっています。  機器によっては赤い文字のような接続もあるそうです。 しかし、iPhoneと同じ接続(黒い文字)になっているイヤフォン・マイクが主流のようです。 100均でイヤフォン・マイクを購入して来ればケーブルをちょん切って無線機用のインターフェースが安価に作れるでしょう。田舎で可能な安上がりな手段です。

                   ☆

 無線機は最新型の方が良いでしょう。 通信器の性能が交信実績にも現れやすいからです。 合わせて使うことになるパソコンもできたら最新型が欲しいところです。 しかし趣味の道具に際限なく費用をかける訳にも行きません。 実用的なところで妥協し中古ノートPCを導入してガマンすることにしました。 新規にインストールしたアプリの費用やマウスなどの周辺機材に500GBのSSDなど諸々を合わせて¥35k少々で済ませることができました。 いまのところなかなか快適です。amazonでチープな新品ノートPCを買うよりもしっかりした物が手に入ったように思います。
 パソコンの初期設定はいつでも厄介で面倒臭いものです。でも順調にポンポン進むと面白いくらいですね。 ノートPCを相手に1週間くらい楽しむことができました。 ではまた。 de JA9TTT/1

(おわり)fm

後日談:(電子申請Lite)
セットアップが済んだノートPCで「電子申請Lite」をアクセスし、変更届を提出しました。4月10日に届出し、14日には審査終了です。電子申請は迅速なのが良い。 届出では、懸案だったデジタルモードの追加を行ないました。メインはFT8の追加です。 遅ればせながらFT8にも出られるようになりました。さっそく WARCバンドをメインにオンエアしています。特にDX専門というわけではありませんので、聞こえて(見えて)ましたら気軽にコールお願いします。  QSLカードはe-QSLで即時発行しています。 deJA9TTT/1  (2020.04.17)