2010年2月20日土曜日

【AVR】28pin AVRマイコン

これからはATmegaシリーズ
 AVRマイコンもずいぶんポピュラーになっています。このBlogでも40pinのAVRマイコンを扱ったことがあります。実際にはもっとコンパクトな28pinや20pinのチップの方に人気があるようです。

 AVRマイコンも高機能化の方向へ進化しています。一時はコンパクトな機能のTinyシリーズと、充実した機能のMegaシリーズで住み分ける方向だったようでした。 しかし全般に安価になったお陰で絶対的な価格差は縮小してしまい、新しく始めるならMegaシーズがだんぜんお薦めと言えそうなのです。 もはや少々安価と言うだけではATtinyシリーズの影は薄くなってしまったように思います。

 写真はずいぶん前にDigi-Keyから纏めて購入したATmega168(フラッシュメモリ:16k Byte)です。数名で纏め買いして@¥350-くらいでした。かなりお買い得だったのですが、それが今では秋月電子通商で単品買いでも¥200-です。 こうしたチップを使わないのは何だか損した気分にさえなります。BASCOM-AVRならチップの乗換もごく簡単なのですから。

 機能の詳細はデータブックを見てもらうとして、一口で言えば以前紹介した40pinのAVRとはポート数の違いくらいしかありません。ほとんど同じ機能が内蔵されています。 Timer/CounterやA/D ConverterのほかUARTはもちろん、I2C Interfaceもあっておおよそあらゆる用途に使うことが出来るChipでしょう。 かつて安価だったATtiny2313は今では@¥230-に価格上昇しており、特別な理由でもない限り購入する意味はありません。 これから買うならATmega8/48/88/168/328の28pin Megaシリーズが一番のお薦めです。 フラッシュメモリが32k Byteもあるシリーズ最上位のATmega328でさえも@¥250-なのだから!

参考:最近のフラッシュメモリ・マイコンではオンチップ・メモリ容量:64kB、128kB、256kB・・など珍しくもありませんが・・・。

28pin AVR テストボード
 AVRマイコン遊びは、ISP端子+LED+リセットスイッチくらいの、ごく簡単な回路からでも始められます。 それでも、初めから本格的なテストボードを作っておきたいと言う人も多いようです。こんなテストボードは如何でしょうか?

 この28pin AVRテストボードは上記の28pin Megaシーズに共通して使えます。 外付け水晶発振子を使う回路になっています。 しかしこのシリーズのAVRマイコンは初期状態で内蔵の1MHzクロック(自励発振器だが)で動作するから必ずしも水晶は必要としません。

 詳細は他のBlogページにあるので、省略しますが外付け水晶発振子を有効にするには「ヒューズビット」を書き換えます。それで外部クロックや水晶発振子が有効になります。クロック周波数によって処理能力や消費電流も大きく変わるので目的・用途によって選択すべきでしょう。

 ISP端子は、かつて一般的だった10pinタイプで書いてありますが、これから作るなら7pinのシングルインライン型(一列型)が良いでしょう。 詳しくは40pin AVRマイコンのページにあるので参照して下さい。 そのほかテストボードとしての機能は40pin 用ボードと同等になっています。

 キャラクタタイプのLCD表示モジュールを搭載していますが、最近は新種がたくさん登場しています。多くの新型LCD表示モジュールに互換性があってピン番号を合わせればそのまま使えるのですが、電源の接続だけが図とは異なっていることがあります。

 秋月電子通商でだいぶ前から売っていて、JAでは最もポピュラーなLCDモジュールにあわせて回路図は書いてあります。 しかしこのLCDモジュールは他の多くのモジュールとは電源(Vcc)とGNDの端子配置が逆なのです。 念のため自身が使用するモジュールに付属の説明書を良く確認し電圧を逆に加えて壊さぬよう注意して下さい。

 上記回路の個人的な利用に制限はありません。もし拙Blogの記事や回路を参照して製作記をお書きなら引用元を明確にし二次参照者にオリジナルのありかを示して便をはかるのがマナーでしょう。もしも商用的に利用したいならメールでご連絡下さい。

【新ラジオ・カウンタ】(活用例)
 何か具体的な応用をと思ったのですが、まだテスト段階で詳細を紹介できる状況ではありません。

 しかしこれからは様々な機能を持たせる都合から、既にお馴染みいただいた『TTT カウンタ』や、『TTT式 ラジオ・カウンタ』もATmega 28pinシーズで作ることになるでしょう。

 写真は『新型ラジオ・カウンタ』をテストしている様子です。 このように要望が多かったHF帯のフルカバーが実現されています。 もちろんATmegaシリーズとは言っても、クロック上限は公称20MHzなので単体でHF帯カバーは実現できません。 しかし比較的少ない外付け部品でこのように高い周波数までカバー出来ました。 9R59DのようなシングルスーパだけでなくTS-520やFT-101、さらにはKWM-2/Aと言った往年の名機にデジタル周波数表示を付加することも容易になった訳です。 ごく普通の『周波数カウンタ』としては約90MHz+までカバーできるものを汎用のICだけで実現していて入手が限られてきた専用プリスケーラICは使っていません。(注意:周波数カウンタあるいはラジオ・カウンタ専用回路による。上記テストボードとは異なります)

 こうした様々なAVRマイコンも、BASCOM-AVRと言う優れた開発ツール(開発用ソフトウエア)のお陰で統一的に扱うことができます。適材適所のチップ選択が可能なわけです。  潤沢なメモリが存分に活用できるようBASCOM-AVRもそろそろ正規版にアップグレードがお薦めです。de JA9TTT/1

参考:Webでお馴染みのATtiny2313を使った『ラジオ・カウンタ』も継続公開中です。中波ラジオ〜BCL用の11MHz帯まで、部品が少なく簡単に作れます。==>詳しくはこちらからどうぞ。

高機能で沢山のI/Oを持つ40pin AVRを扱ったページは:==>こちら
AVRマイコンの開発に必要なプログラムライタの製作は:==>その1その2で。
BASCOM-AVRが、USBaspを正式サポート 詳細は:==>こちらで。(2010.9)
製作したボードのBASCOM-AVR 初期設定については:==>こちらで。(2011.5)
AVRマイコンのヒューズビットの説明と設定については:==>こちらで。(2011.5)

(おわり)

(Bloggerの新仕様に対応済み。2017.04.03)